JPH10500868A - 皮膚を清潔にするための方法並びにシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者の入浴もしくは個人的な入浴で使用され、マイクロ波により加熱可能なコンテナー（１０）内にある、水化された非イオン性のクレンザーが含浸された複数のシート（１２）を有するキット（１０）である。クレンザーは、好ましくは、脱イオン水、少なくとも１種類の非イオン性の表面活性材、保湿剤、並びに／もしくは水化された保湿剤と、リンスされるよりも皮膚に残るようにされるビタミン４との混合物である。また、この液体は、ビグアニドのような保護剤を含むか、殺菌され得る。使用において、キット（１０）は加熱され、各シートもしくはミトンは、相互汚染が生じるのを制限するために、体の別の部分に適用される。クレンザーは、空中に迅速に蒸発し、皮膚は、清潔で、柔らかく、滑らかに、滋養があり、保護されるように保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】 皮膚を清潔にするための方法並びにシステム 発明の背景 １．発明の分野 本願は１９９４年２月２８日に出願され、現在では放棄されている出願Ｎｏ． ０８／２０３，２３０の一部継続出願である。 本発明は、一般に皮膚を清潔にすることに関する。特に、本発明は、病院や看 護ホームで患者を入浴させるか、個人的な入浴のための方法並びにシステムに関 する。 ２．従来技術の説明 皮膚は人体の最大の器官である。境界層として、皮膚は、体の他の器官を包む ことと、障壁（バリア）として働くこととの２つの機能を有する。この障壁とし ての効果は、これの物理的完全性に依存する。この完全性を保つことは、健康維 持の重要な部分である。しかし、皮膚が乾燥すると、痒かったり、剥がれたり、 ひびが入ったりする。即ち、皮膚の乾燥は、かゆみの発生率が高く、全ての患者 に、特に、年配の患者や整形外科の患者にプレツシャー潰瘍（ｐｒｅｓｓｕｒｅ ｕｌｃｅｒ）を促進させる。米国において、プレッシャー潰瘍の治療のために 、毎年１００億ドルないし１５０億ドルかかり、１回で平均４５，０００ドルか かる。プレッシャー潰瘍の患者に対する病院での死亡率は２３％と高く見積もら れている。従って、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｕｌｃｅｒ Ａｄｖ ｉｓｏｒｙ Ｐａｎｅｌ Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ Ｄｅｐａｒｔｍｅｎｔ ｏｆ Ｈｅａｌｔｈ ａｎｄ Ｈｕｍａｎ Ｓｅｒｖｉｃｅｓ，Ｐｕｂｌｉｃ Ｈｅａｌｔｈ Ｓｅｒｖｉｃｅ，Ａｇｅｎｃｙ ｆｏｒ Ｈｅａｌｔｈ Ｃａ ｒｅ Ｐｏｌｉｃｙ ＆ Ｒｅｓｅａｒｃｈ が、病院での患者の世話に向けら れたＮａｔｉｏｎａｌ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｕｌｃｅｒ Ａｄｖｉｓｏｒｙ Ｐ ａｎｅｌと一致して１９９２年にガイドラインを公表した（Ｃｌｉｎｉｃａｌ Ｐ ｒａｃｔｉｃｅ Ｇｕｉｄｅｌｉｎｅ Ｎｏ．３，Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｕｌｃｅ ｒｓ ｉｎ Ａｄｕｌｔｓ：Ｐｒｅｄｉｃａｔｉｏｎ ａｎｄ Ｐｒｅｖｅｎｔ ｉｏｎ）。このガイドラインは、入浴している患者に対して熱いお湯と、低い湿 気と、皮膚の刺激と乾燥とを避けることを明記し、マイルドなクレンザーの使用 を推奨している。 皮膚の乾燥は、歳、風に対しての露出、熱、エアー・コンディション、並びに 石鹸を使用した洗いを含む幾つかのファクターに原因している。高齢者の皮膚は 皮下脂肪が少ないので、歳をとるプロセスは、皮膚内の脂質が水分と結び付く可 能性が少なくなってくるのに関連している。高齢者の５９％ないし７５％が、入 院するときに皮膚にある程度の損傷を受けている。 石鹸を使用した洗いは、病院での皮膚の状態並びに健康にとって特に関連する 事項である。患者の一般的な入浴は、洗い布、石鹸並びにプラスチック桶を使用 する。この桶は、お湯が満たされて、患者のベットサイドに置かれる。そして、 患者は、石鹸を布に付け、この布を患者の皮膚全体に渡ってこすり、そして、水 で皮膚を濯ぐことにより入浴される。さらに、患者の皮膚は、バスタオルで乾か される。教本は、水と洗い布とを度々取り替えることを推奨している。 しかし、時間の制約のために、実際には教本の勧めを実行するのは厳しい。体 全体を洗うために同じ水と布を使用することにより、患者の一部が、他部から運 ばれた細菌性の生理的寄生菌により汚染されてしまう。（同じもしくは別の患者 の使用の間に暖かく暗いキャビネット内で便器と共にしばしば保管される）石鹸 と桶との使用の欠点は、病原であるグラム陰性のバクテリアを培養し、皮膚の組 織の損傷並びに感染を生じることがある。患者は、入浴前よりも後の方が一般的 に細菌により汚染されるという研究が発表されている。 従来の入浴方法の他の問題点は、皮膚をこするということである。即ち、洗い 布やバスタオルを使用してこすると皮膚の組織が損傷してしまう。さらに、病院 の予算の多くのコストファクターであるリンネル布のコストを減じるために、低 品質のバスタオルや洗い布が患者の入浴のために購入され、捨てられる前に長期 に渡って使用されている。従って、患者の入浴のためのバスタオルや洗い布の組 織がより粗くなって、さらに患者の皮膚の状態を悪化させている。 さらに、従来の入浴の仕方は、１日に１人の患者当たり３０〜４５分必要とす る時間の消費と、この必要な時間のためによる比較的高い直接コストとを伴う。 また、石鹸を使用して洗うと高い間接コストとなる。毛包や死んだ皮膚細胞か ら分泌される皮脂により形成される保護膜が存在する。この保護膜、即ち、“酸 被膜”は、静菌作用と静真菌作用とを持っている。石鹸は次の２つの方法で皮膚 を損なう。第１に、石鹸は、湿気を保つ皮膚の脂質を乳化して皮膚を乾燥させて しまう。第２に、石鹸はアルカリ性であり、皮膚の酸被膜を破壊してしまう。か くして、この石鹸による洗浄は、個々の人に大きな生理学上のリスクを与える。 これは、細菌は石鹸で洗った皮膚表面で比較的長く生き残り、乾燥もしくはひび が生じた皮膚またはプレッシャー潰瘍を通って内部の皮膚層や血流に再び侵入す る。 １９９４年の１月に発行されたＲＮマガジンには、この従来の方法に基づかな い患者の入浴の方法が報告されている。この新たな方法は、マイルドな石鹸と水 とから実質的になるクレンザーの希釈液が浸された１セットの洗い布を使用して いる。このクレンザーは洗い落とされる（リンスされる）必要はなく、皮膚から 迅速に蒸発する。布は、プラスチックのバック内に置かれ、暖まるまで高周波オ ーブンで加熱される。そして、１領域に対して１枚の布が患者の所定の領域に当 てられる。これら布は、使用の間に洗濯される。クレンザーはリンスされず、バ スタオルを使用しないで迅速に乾燥される。従来の方法と比較したこの方法の広 範囲に渡る研究は、患者の感じたクリンナー皮膚状態がより良く、患者を入浴さ せる時間が短いのでコストが主に４つのファクターにより減じられることを示し た。皮膚の完全性は、入院から病院からの退院までに統計学上で５６％改良され た。しかし、患者を入浴させる時間は、布の準備を含む労力に部分的に変換され た。また、布は、限られた貯蔵スペースのために、予め用意しておくことはでき ず、さらに重要なことは、この方法では細菌の成長を阻止することはできないこ とである。 患者を入浴させる、もしくは、皮膚を洗浄するための製品の他の発展がなされ ている。例えば、Ｓｔｏｒａｎｄｔ（Ｕ．Ｓ．５，０１９，０５８）は、体の損 傷した部分を処置するため軟膏剤を塗布することを含む種々の利用のための塗布 ミットを知らせている。このＳｔｏｒａｎｄｔのミットは、熱でシールされたパ ッケージ内で袋の形態をしている。材料は、不織布と、ポリエチレンやＥＶＡの ような熱可塑性フイルムとの二重となっている。 ２つのミトンが、赤ん坊のおむつを取り替えるときと関連した洗浄を行うとき とに使用されるために発展されている。これらのうちの最も近いものはＲｏｊｋ ｏ，ｅｔ ａｌ．（Ｕ．Ｓ．４，９０２，２８３）により提案されているもので ある。これは、木綿の外層と防水性の内層とからなり、赤ん坊の洗浄のための単 純な筒状のミットである。木綿の層は縫われ、また、内層はポリプロピレンで形 成されている。このＲｏｊｋｏ，ｅｔ ａｌ．は、また“反対側”を使用するた めに、ミットを１８０°回転させることを教えている。 他の赤ん坊用のミットはＵ．Ｓ．４，７８８，７３３でＬｅｒｎｅｒにより開 示されている。彼は、赤ん坊を洗浄するための二層のグローブを教えている。Ｌ ｅｒｎｅｒは、また、このミットに洗浄液を含浸させることを教えている。 Ｕ．Ｓ．４，５２３，３４８でＰｅｔｒｉｅは、明らかに患者を入浴させるた めの、所謂、看護婦のミットを開示している。このミットはブロードクロスで裏 張りされたテリー織物であり、ミットを掴み易いようにデザインされた形態をし ている。 Ｇｉｎｇｅｒ，ｅｔ ａｌ．（Ｕ．Ｓ．４，３４７，９３１）は、防腐薬を塗 布するのと同様に患者を洗浄するためのミットを提供している。このミットは、 矩形をなし、プラスチックでできた非多孔性の内層と、吸収性の外層との二重層 である。使い捨てとして記載されているこのミットは、洗浄液が含浸され、使用 の直前に開封される外パッケージに入れられている。 しかし、皮膚の酸被膜を保護するように損傷が少なく、安価で、実用的で皮膚 に有効である、入浴のためのシステムが要求されている。 発明の概要 多くの態様並びに広い概念に係われば、本発明は、皮膚の洗浄のために準備さ れた“キット”を具備するシステムである。このキットの使用は、酸被膜を破損 しないで、皮膚を滑らかで滋養があり保護すると信じられる。キットは、好まし くはマイクロ波で加熱可能な、シール可能なコンテナーと、実質的に非イオン性 で脱イオンクレンザーが含浸された複数のシートとを具備する。好ましくは、不 織布の木綿もしくはポリエステルと木綿とのブレンド物で形成されている。各シ ートのサイズは、平均的な広げられた手のサイズ以上が好ましい。即ち、９ｘ９ インチが充分なサイズであるが、必要に応じて、シートはより大きくされ得る。 代わって、シートは、必要に応じて、ミトンの形状になされ得る。この実施の形 態において、１セットのミントは、実質的に非イオン性で脱イオンクレンザーが 含浸されている。ミットは、熱シール可能な、矩形の２層のシートで形成され得 、この結果、使用者の手が開口端からミット中に挿入可能である。各ミットは、 ミットの外側の非透水性の層の内側に取着されたポリエステル／木綿の吸収層を 有する。クレンザーは、好ましくは、少なくと１種の非イオン性表面活性剤、ビ タミンＥ、保湿剤、並びに／もしくはテキスパンテトノール並びに脱イオン水の ようなエモリエントを含む混合物である。コンテナー内のシートもしくはミット は、殺菌されるか、ビグアニドのような二酸性塩基がシートの寿命を長くするよ うに、保護剤として加えられ得る。このクレンザーは、蒸発し、リンスが不要で 早く乾燥する。 本発明の使用は、プレツシャー潰瘍の発生を非常に少なくするであろう。多分 、より重要なことは、この使用は、感染骨髄移植の被害や火傷の被害のような感 染のための特に高いリスクの所定の形態の場合、並びに、個人の自動免疫システ ムが押さえられている、例えば、ＡＩＤＳ患者の場合に本来有効であると信じら れる。 本発明の重要な態様は、予め含浸されたシートと、コンテナーとの組み合わせ である。正確な数は、好ましい実施の形態でより詳細に説明されるであろうよう に、使用形態に依存する。シートとコンテナーとのこの組み合わせは、必要性に 良く従って高品質標準に形成され得る、単一の使用の、さらに完全で、殺菌可能 で、コンパクトな個人用入浴キットを提供する。このキットは、気持ち良くする ために少し加熱され得、そして、シートは人体の８つの領域を洗浄するために使 用され得る。各シートは、体の１つの領域をみ洗浄でき、“ミトン”の形態の場 合には、１つの領域につき１つのミトンである。１つのキッドが一人の患者を洗 浄し、各キットは、使用後に捨てられる。かくして、キットの製造労力を最小に し、また、キットの清潔、殺菌、均一性を果たし、洗滌混合物の正確な製造を確 実にする。本発明のシステムは、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｕｌｃ ｅｒ Ａｄｖｉｓｏｒｙ Ｐａｎｅｌ の要求を満たし、患者の相互汚染を防ぎ 、そして、院内感染を減じる。さらに、単一使用の“キット”の製造は、キット の品質が非常に均一となり、キットが貯蔵スペースの要求を最小にするようにコ ンパクトであることを確実にする。 シートの材料としての不織布の木綿もしくはポリエステルと木綿とのブレンド 物は、本発明の他の態様である。これらシートは、丈夫で埃を取り除くことがで き、さらに、柔らかく、含浸された液体もしくは患者の体とに化学的に反応しな い。不織布のシートは、マイクロ波に化学的に安定であり、保温性を有する。さ らに、便利な形に製造され得るシートは、吸収性があり、効果的な洗浄のために 充分な量の液体を保持し、柔らかく、そして低摩擦のために皮膚に対して円滑で ある。最後に、これらシートは、単純で、製造が安価であり、従来の織られた木 綿の洗い布より使い捨てるものとして適し、また、紙製品よりも有効である。本 発明の他の重要な態様は、クレンザー自身にある。非イオン性の表面活性剤と脱 イオン水との使用の結果としての実質的に非イオン性により、皮膚の酸皮膜を粗 さないで、ミネラルと塩素とを後ろに残して洗浄する。かくして、この層や静菌 性並びに静真菌作用の損傷は避けられる。酸皮膜の保護は、細菌が多く、院内感 染に対する患者の抵抗が健康な人よりも小さい病院の環境のもとでは、特に重要 である。脱イオン水は、水道水中に存在する濃度と同じようなイオンパーセント は有してはいない。付加の成分は、皮膚を柔らかく、滑らかに、滋養があり、保 護すると信じられる。 本発明のさらに他の態様は、製造プロセスの間に、シートに含浸させる方法で ある。シートは、最初に洗浄液で浸され、そして過度の液を、過度の液のみが除 去されるのに充分な圧力でシートを絞ることにより除去される。この方法は、洗 浄の仕事のための充分な品質で液体の均一な分布を果たす。また、過度の液体の 除去は、キットの重量と嵩とを減じ、多数のキットを搬送し、貯蔵することを容 易かつ安価にする。 製造設備でキットを節菌できることは、本発明の他の態様である。殺菌は、キ ットを紫外線、電子ビーム、もしくはガンマ線にさらすことによりなされる。殺 菌は、棚上での耐用年数を増し、緊急、自然災害、戦争、並びに水の損失を含む 病院の非常時に伴うキットの使用を可能にする。本発明は、また、遠隔地に住ん でいる者、キャンパー、船上者によるような、清潔な水が容易に利用できない場 所で使用可能である。 シール可能で、湿気が入らず、マイクロ波が透過可能なコンテナーは、保存時 もしくは加熱時に、乾燥がたも長けなくもた要項でなくなることが無いようにミ ットをさせるので、本発明のさらに他の態様である。さらに、コンテナーは、幾 く種かの技術で殺菌され得、シートもしくは含浸された液体と接触したときに反 応や品質低下が生じない。 一実施の形態に含まれるミトンの形状は、本発明の他の態様である。ミトンは ２層の、熱シール可能でかつ切断可能に作られ得る。 本発明のさらなる他の形態は、各ミットの内側に設けられる非透水性の層であ る。この層は、ＡＩＤＳや肝炎を引き起こすビールトのような細菌やビールスと 同様に湿気に長時間晒されることから使用者を保護する。 最後に、本発明の他の態様は、好ましい実施の形態において、使い捨て可能で リサイクル可能な材料でできている。 他の態様は、以下の図面に従った好ましい実施の形態の詳細を注意深く読むこ とにより、この分野で精通している者により効果して認識されるであろう。 図面の簡単な説明 図１は、本システムの好ましい実施の形態に係わるシステムの斜視図である。 図２は、図１に示すシステムからのミトンを、このミトン内に示された手とと もに示す側方断面図である。 図３は、図１に示すシステムからのミトンを、このミトン内に示された手とと もに示す一部切欠端面図である。 図４は、本発明の好ましい実施の形態に係わるミトンを使用する方法を示す概 略斜視図である。 図５Ａは並びに図５Ｂは、本発明のシステムを使用四、本発明に従って清潔に される人体の９つの領域を示す図である。 図６は、本システムの異なる好ましい実施の形態に係わるシステムを示す斜視 図である。 図７は、本発明の異なる好ましい実施の形態に係わるシートを使用する方法を 示す概略的斜視図である。 好ましい実施の形態の詳細な説明 ここで使用されている“システム”もしくは“キット”は、関連した項目のグ ループであり、一緒にされたときに、機能を達成するために共同する。ここで、 システムは、コンテナーと、クレンザーが含浸された１セットのシート、好まし くは、平坦なシートかミトンに形成されたシートとを含む。使用の前に、システ ムは、ミトンがコンテナー内にあってクレンザーが含浸された“キット”の形態 である。使用中は、１もしくは複数のミトンがコンテナーから、複数の場合には １枚づつ取り出されて皮膚を清潔にするために使用され、この後に捨てられる。 シートもしくはミトンの数は、使用に依存する。この主の形態においては、体 の８つの領域のために８枚のシートもしくはミトンである。４枚のシートもしく はミトンが入っている小さいキットは、部分的な入浴もしくは失禁の挿入に好ま しい。２枚のシートもしくはミトンが入っているさらに小さいキットは、子児の ためや、顔や手のみを清潔にするために好ましい。最後に、失禁した患者を入浴 させるためには１０枚のシートもしくはミトンのセットが好ましい。 図１には、“ミトン”１２の１セットを備えたコンテナー１０を有する本発明 の好ましい一実施の形態が示されている。“ミトン”という用語は、中に使用者 の手が挿入されて使用され、使用者の挿入された手の個々の指を収容するように 別々に区画された領域を必要としない、本発明のキットの一部に対して述べてい る。コンテナー１０は、好ましくは、単純で、丈夫で、シール可能で、実質的に マイクロ波を通すプラスチック製のバッグである。これは、１セットのミント１ ２を保持しマイクロ波オーブン、熱湯もしくはハイドロキュレータ（ｈｙｄｒｏ ｃｕｌａｔｏｒ）で加熱可能なディメンションである。代わって、コンテナー１ ０は、通常のオーブンもしくはハイドロキュレータで加熱され得る金属箔の袋で も良い。マイクロ波加熱用のプラスチックコンテナーは、ノッチが形成されたエ ッジ、穿孔されたテアー端（図示せず）、もしくはリボン／溝シールのような他 のイジーオープンを使用することにより、好ましくは開封される。コンテナー１ ０自身は、コンテナー１０のシールを破くために穿孔に沿って引き裂くことがで きる１つのエッジに沿う穿孔により、好ましくは開封される。 各ミトン（図２並びに３）は、不織の木綿もしくはポリエステル／木綿混合物 のような材料の２層からなり、第１の吸収層１８は第２の水分を通さない（非透 水性の）層に取着されており、ミトンは（図示するように）矩形もしくは半楕円 形をしている。これら層は、火炎ラミネート、ヒートシールもしくは他の一般的 な技術により互いに取着され得る。この矩形体は、２つの別々のシートを熱シー ルするか折り返し部２２を形成することによりミトンに成型される。この場合、 非透水性の層２０を内側にし、一方のシートの一側を他のシートの一側よりも少 し長く、好ましくは１／２インチ（約１．２７ｃｍ）長くし、折り返し部２２の 両側でエッジ２４，２６を高周波融着、ヒートシールもしくは縫製によって接続 し、他側をシールしないでおく。このミント１２は、手３２が中に気持ち良くフ イットするように使用者に対して充分に大きさに設定されている。 前記吸収層１８は、体の一部を洗浄するのに充分な量のクレンザーを吸収し保 持するような材料により形成されている。紙、木綿、合成ファイバーにより材料 が適しているが、好ましくは、木綿とポリエステルの混合物が、吸湿性、熱保持 性、強度、並びに低価格の面で好ましい。また、この混合物は、汚れはとれるけ れども皮膚の組織を損傷しないように人体に対する摩擦が小さい。非透水性の層 ２０は、好ましくは、合成ゴム、もしくはポリプロピレンやポリエチレンのよう なプラスチックでできており、使用者の手が湿気、細菌、並びにビールスに晒さ れるのを減じる役目をする。 クレンザーは、非イオン性で非常に弱い酸（ｐＨ６．５〜６．７）で酸被膜を 保護する。イオン性のクレンザー、特に強い塩基性の石鹸は、自然のバリアには 害がある。好ましくは、クレンザーは、１もしくは複数の表面活性剤（例えば、 Ｆ６８並びにＦ１０８）と、非イオン性で、脱イオン水で溶解される湿潤剤とを 含む。この脱イオン水は、水道水（ｔａｐ ｗａｔｅｒ）よりもイオン（並びに 細菌）は少なく、また、約６．５と約６．７との間の非常に弱い酸性である。代 わって、水は、逆浸透、超ろ過、もしくは他の技術によって純化され得る。また 、クレンザーは、水を保ための湿潤体と一般に呼ばれる水化ファクターもしくは フメクトール剤か、湿気を制御する皮膚軟化剤か、または両者を含む。最後に、 クレンザーはビタンミンＥを含み、また、防腐剤（ｐｒｅｓｅｒｖａｔｉｖｅ） としてビグアニドのような二酸性塩基を含む。 表面張力を減じることにより、表面活性剤は、この溶液の成分が互いに良く混 ざるのを可能にし、溶液がより容易に広がって皮膚の表面を良く濡らす。クレン ザーとは異なり、好ましい表面活性剤Ｆ６８は、濃度には関係なく、伝染病に抵 抗する皮膚の能力を損なわない。 ビグアニドは、ジシアノジアミドと酸化銅のアンモニア溶液との作用により形 成され、２［−ＮＨ・Ｃ（ＮＨ）ＮＨ２］の形態をとる。 ビグアニドは、遺伝コードを形成する４つのアミノ酸の１つであるグアニンに 関連されている。ビグアニドは、抗細菌性並びに抗ウイルス性があると信じられ ており、防腐剤として働く。湿潤剤は水の分子を吸収し、エモリエントは湿気を 皮膚に保たせる。 キットの内容物は、シートとコンテナーとを紫外線、電子ビーム、もしくはガ ンマ線にさらすか、他の技術により殺菌され得る。そして、キットが殺菌される 場合には、ビグアニドは必要とされない。 この洗浄混合物は、皮膚を乾燥させず、リンスされる必要がない。蒸発の後に 残る全ての成分は、有害もしくは不快な残留物が残らないで、湿気を封止するよ うにして皮膚上に残すこと“リンス無し”を意図としている。かくして、相互汚 染と水露出を最小にする“リンス無し”という用語は、溶液が体から洗い落とさ れる必要がない（洗い落としても良い）が、乾燥のために意図的に残される、こ とを意味するために使用されている。理論的に境界を引くことは望んでいないが 、洗浄液での組み合わせは、皮膚を洗浄するだけではなく、保護し、スベスベに し、柔らかくし、栄養を与える。 ミトンは、使い捨てのようにデザインされ得る。即ち、ミトンは、経済的で、 生物地理学的もしくはリサイクル可能な材料により形成され、また、キットの価 格が洗濯される洗い布の価格よりも低くなるように、量産可能である。かくして 、この説明で、使い捨て可能なということは、ミトンが一度使用され、破棄もし くはリサイクルのために適当な容器内に捨てられるが、使用のために洗濯はされ ないことを意味する。 使用に際して、コンテナー１０は、ノッチが形成されたエッジから、もしくは 穿孔されたエンドに沿って引き裂くことにより開封され、マイクロ波オーブン４ ０内に置かれ、そして、触れると暖かいが、１２０°Ｆ、即ち、５６°Ｃ（図４ を参照）よりも熱くならないまで、好ましくは、約体温まで加熱される。そして 、コンテナー１０は、開封され、一度に１枚のミトンが取り出される。使用者は 、手４２を最初のミトンの中に入れ、そして、患者４４の体の一部を洗う。そし て、この部分が洗われたときに、ミトン１２は、適当な廃棄容器４６に捨てられ 、次のミトンからコンテナー１０から取り出される。各ミトンは、順次使用され 、そして捨てられる。このような処置は、他の部分からの細菌の感染による体の 汚染を防止する。 体の領域は、図５ａ並びに５ｂに示されている。これら領域は、頭と、首なら びに胸領域と、右腕５２と、左腕５４と、右脚５８と、左脚６０と、会陰６２と 、背中６４と、でん部６６とを含む。 ミトンかシートかの形態で、以下の処置が体を入浴させるのに使用される。最 初のミトン１２が患者の顔と、首ならびに胸領域５０とに使用される。そして、 この第１のミトン１２は捨てられ、第２のミトン１２がコンテナー１０から取り 出される。順次、第２並びに第３のミトンが、腋窩を含む患者の右腕５２、腋窩 を含む患者の左腕５４に夫々適用される。そして、これら第２並びに第３のミト ンが各々使用後に捨てられる。第４のミトン１２が、患者の右脚５８に適用され て破棄され、そして、第５のミトン１２が左脚６０に適用され、また破棄される 。そして、第６のミトン１２が、取り出され、患者の会陰６２に適用される。最 後に、第７と第８のミトン１２が、患者の背中６４と、でん部６６とに夫々適用 され、使用後に捨てられる。 図６には、コンテナー１０と複数のシート７０とを具備する、本発明の異なる 好ましい実施の形態が示されている。好ましくは、このコンテナー１０は２ない し１２枚のシート７０を保持するようなサイズに設定されている。これらシート ７０は、化学的に安定で、不活性で、熱保持性があり、吸収性があり、柔らかく 、そして、研磨性でない材料により製造され得る。好ましくは、これらシート７ ０は、編まれたブレンドの低価格並びに優れた吸収特性のために、ポリエステル と木綿とをブレンドした不織布で形成され得る。シート７０にはクレンザーが含 浸されており、いかなるサイズにも形状にも形成され得るが、人間の広げた手を 覆うのに充分な大きさが好ましい。即ち、９インチｘ９インチのシートが、充分 なサイズである。 クレンザーは、まずシートをクレンザーに浸し、湿気はあるが浸されたシート となるよりは少なくまで、ローラ間で“ｒｉｎｇｉｎｇ”もしくは絞られること により、過度のクレンザーを除く。含浸のこの方法は、皮膚を拭いたときに、ガ サガサせず、かつシートから流れ出ないで、効果的に清潔にすることができるの に充分な量のクレンザーを確保するために必要である。過度のクレンザーは、患 者に適用したときに流れでるとの、蒸発時間に悪影響を及ぼすのとの両者に有害 である。さらに、過度のクレンザーの除去は、体積と重さとを減じる。締めらさ れたシートをコンテナー中に注意してパッキングすることにより、１０対１の体 積の減少が、漬けられた洗い布を使用する従来の方法に比べて達成され得る。搬 送と貯蔵コストが溶液のコストと同様に減じられる。これらコストは些細なこと ではない。即ち、病院で患者に与えられる所定数のバスが各使い捨て可能なキッ トに関連したコストを低く保つので重要である。 図７は、使用の異なる例を示す。本発明の上述した実施の形態と同様に、コン テナー１０はマイクロ波オーブン４０内に置かれ、触ると暖たかいが、１２０° Ｆ、即ち、５６°Ｃ（図４を参照）よりも熱くならないまで、好ましくは、約体 温まで加熱される。そして、コンテナー１０は、開封され、１枚のシートが取り 出される。使用者は、手４２でシート７０を掴み、患者の体８０の部分をクリー ンにする。そして、使用の後、シート７０は、捨てられ、これが患者が充分にク リーンになるまで繰り返される。 好ましい実施の形態で、本発明の方法に係わるキットの使用は、相互汚染と疾 病感染の広がりを防止し、プレツシャー潰瘍の影響を軽減し、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｕｌｃｅｒ Ａｄｖｉｓｏｒｙ Ｐａｎｅｌ並びにＡＨＣ ＰＲ Ｇｕｉｄｅｌｉｎｅの推奨に従う。また、これは、免疫−システムが押さ えられた個々の人の入浴の必要性を与える。また、石鹸、水、並びに洗い布を使 用しない、小孔、結腸切開、回腸造瘻のような瘻を有する人、ならびに口周囲の 部位で皮膚割れの大きなリスクのある人のための携帯可能で、軽量な洗浄キッド を提供する。また、これら処置に対してコステの低減を果たす。さらに、本発明 に係わるキットは、例えば、皮膚の状態に関しては健康な者、人の高齢のような 皮膚にリスクがある者、もしくは従来の入浴が、乗船のときやキャンブのときの 緊急性や自然災害等で不可能もしくは現実的でないときに対する個人的入浴の使 用を可能にする。 多くの変更と取換えとが、添付の請求の範囲により規定された、本発明の精神 並びに範囲から逸脱しないで、前述した好ましい実施の形態でなされ得ることは 、上記説明の理解から当業者には明らかであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ラッダッツ、ラッセル・イー アメリカ合衆国、サウスカロライナ州 29169、ウエスト・コロンビア、サンセッ ト・ドライブ 3423

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．非透水性のコンテナーと、 このコンテナー内にあり、吸収材よりなる複数の部材と、 これら複数の部材に保持された実質的に非イオン性のクレンザーとを具備し、 前記コンテナーはシールされている、皮膚を清潔にするために使用者により使用 されるシステム。 ２．前記部材は保湿剤を含む請求項１のシステム。 ３．前記非イオン性のクレンザーはリンスが不要である請求項１のシステム。 ４．前記部材は表面活性剤を含む請求項１のシステム。 ５．前記部材の少なくとも幾つかはエモリエントを含む請求項１のシステム。 ６．前記コンテナーは交差結合ポリエチレンを含む請求項１のシステム。 ７．前記コンテナーはマイクロ波に対して実質的に透明である請求項１のシス テム。 ８．前記部材並びにコンテナーは殺菌されている請求項１のシステム。 ９．前記複数の部材は、少なくとも２枚で１２枚以下のシートを含む請求項１ のシステム。 １０．前記複数の部材は、不織のポリエステルと木綿とのブレンド体である請 求項１のシステム。 １１．前記各部材は、少なくとも９ｘ９インチのサイズである請求項１のシス テム。 １２．前記部材は、複数のシートをクレンザーに浸し、過度のクレンザーをシ ートから除いてシートがクレンザーで湿気を有するようにすることにより、クレ ンザーが含浸されている請求項１のシステム。 １３．非透水性で、加熱可能なコンテナーと、 このコンテナー内にあり、吸収性があり加熱可能な材料よりなる複数のシート と、 各シートに保持され、脱イオン水と少なくとも１種の表面活性材とを含むクレ ンザーとを具備し、前記複数のシートとコンテナーとは殺菌され、コンテナーは シールされている、皮膚を清潔にするために使用者により使用されるシステム。 １４．前記クレンザーは防腐剤を含む請求項１３のシステム。 １５．前記クレンザーは、保湿剤もしくはエモリエントを含む請求項１３のシ ステム。 １６．前記クレンザービタミンＥを含む請求項１３のシステム。 １７．前記コンテナーはマイクロ波に対して実質的に透明である請求項１３の システム。 １８．前記コンテナーはビグアニドを含む請求項１３のシステム。 １９．ポリエステルと木綿とのブレンド体で形成されたコンテナーと、 このコンテナー内にあり、不織のポリエステルと木綿とのブレンド体で形成さ れた複数のシートと、 各シートに保持され、水化され、少なくとも１種の表面活性材と脱イオン水と を含むクレンザーとを具備し、 前記複数のシートとコンテナーとは殺菌され、コンテナーはシールされている 、皮膚を清潔にするために使用者により使用されるシステム。 ２０．前記複数のシートは、少なくとも２枚で１２枚以下のシートを含む請求 項１９のシステム。 ２１．前記溶液は、保湿剤もしくはエモリエントを含む請求項１９のシステム 。 ２２．前記溶液は、シートを溶液に浸してから、シートが皮膚に使用されたと きには過度の溶液が流れでないように過度の溶液を除くことによりシートに与え られている請求項１９のシステム。 ２３．リンスの不要な脱イオン性の液体を複数のシートに吸わせる工程と、 これらシートから過剰の液体を除去する工程と、 これらシートを殺菌する工程と、 コンテナーを殺菌する工程と、 前記複数のシートをコンテナー中に置く工程と、 前記シートが中に入った状態でコンテナーをシールする工程とを具備する方法 に従って皮膚を清潔にするために使用者により使用されるシステム。 ２４．前記液体は、脱イオン性の水中に、表面活性剤と、保湿剤と、エモリエ ントとを有する請求項２３のシステム。 ２５．前記コンテナーは坑微生物剤を含む請求項１のシステム。 ２６．前記クレンザーは坑細菌剤を含む請求項１のシステム。 ２７．前記坑微生物剤はビグアニドである請求項２５のシステム。 ２８．前記坑微生物剤はビグアニドである請求項２６のシステム。 ２９．水分を通さないコンテナーと、 このコンテナー内にあり、吸収材で形成された複数の部材と、 これら部材に保持され、坑微生物剤を含むクレンザーとを具備し、コンテナー はシールされている、皮膚を清潔にするために使用者により使用されるシステム 。 ３０．前記クレンザーは保湿剤を含む請求項２９のシステム。 ３１．前記クレンザーは、リンスが不要である請求項２９のシステム。 ３２．前記クレンザーは表面活性剤を含む請求項２９のシステム。 ３３．前記クレンザーは、エモリエントを含む請求項２３のシステム。 ３４．前記コンテナーは交差結合ポリエチレンを含む請求項２９のシステム。 ３５．前記コンテナーはマイクロ波に対して実質的に透明である請求項２９の システム。 ３６．前記部材はシートであり、これらシート並びにコンテナーは殺菌されて いる請求項２９のシステム。 ３７．前記複数の部材は、少なくとも２枚で１２枚以下のシートを含む請求項 ２９のシステム。 ３８．前記複数の部材は、不織のポリエステルと木綿とのブレンド体である請 求項２９のシステム。 ３９．前記各部材は、少なくとも９ｘ９インチのサイズである請求項２９のシ ステム。 ４０．前記クレンザーは非イオン性のクレンザーである請求項２９のシステム 。