JPH10500693A - 改変型インスリン様増殖因子 - Google Patents

改変型インスリン様増殖因子

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JPH10500693A JP7530514A JP53051495A JPH10500693A JP H10500693 A JPH10500693 A JP H10500693A JP 7530514 A JP7530514 A JP 7530514A JP 53051495 A JP53051495 A JP 53051495A JP H10500693 A JPH10500693 A JP H10500693A
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マクダモツト,マーテイン・ジエイ
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Abstract

(57)【要約】 向上した薬理学的特性と生物特性とを有する改変型インスリン様増殖因子(IGF)を提供する。この改変型は、天然型IGFのアミノ酸配列におけるシステインの置換又は付加によって産生されるIGFムテインと、遊離システイン部位においてポリエチレングリコール(PEG)に結合させたIGFムテインとを含む。この発明は更に、このような改変型を製造する方法も提供する。IGF−PEG結合体を、医薬組成物に配合し、IGF関連疾患の治療のために使用することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 改変型インスリン様増殖因子 発明の分野 本発明は、ポリペプチドの改変に係わり、更に特にインスリン様増殖因子の改 変と、このような改変型ポリペプチドの製造方法及びその使用方法に係わる。発明の背景 インスリン、レラキシン、インスリン様増殖因子1及び2、並びに、場合によ っては7S神経増殖因子のβサブユニットから構成されるインスリン遺伝子ファ ミリーは、Dull他,Nature 310:777−781(1984)に 報告されている通りにその生物機能が様々に異なっている、互いに構造的に類似 したポリペプチドの一群である。 インスリン様増殖因子1及び2(IGF−1、IGF−2)は、相互に構造的 に類似し且つインスリンに構造的に類似した約7−8キロダルトンのタンパク質 である。IGF−1とIGF−2は、互いに約70%のアミノ酸同一性を有し、 インスリンに対しては約30%のアミノ酸同一性を有する。1990年1月25 日付けで公開されたPCT出願公開第WO 90/00569号に報告されているように、IGF−1とIGF−2は、互い に類似した三次構造を有すると考えられている。IGF−1とIGF−2との間 の構造的類似性は、この両者がIGF受容体に結合することを可能にする。2つ のIGF受容体が存在することが知られている。IGF−1とIGF−2はIG F I型受容体に結合し、一方、インスリンは、この受容体に対して結合するが 、親和性はかなり低い。IGF I型受容体はIGF−1に優先的に結合し、I GF−1及びIGF−2の有糸分裂促進作用(mitogenic effect)を変換すると考 えられている。IGF−2はIGF−1に比べて10分の1の親和性をもってI 型受容体と結合する。第2のIGF受容体、即ち、II型IGF受容体は、優先 的にIGF−2と結合する。受容体結合は、IGF−1とIGF−2の生物活性 のために必要であると考えられている。 IGF−1とIGF−2は、線維芽細胞、角化細胞、内皮細胞、骨芽細胞(造 骨細胞)を含む様々な細胞型に対して有糸分裂促進作用を及ぼす。更に、IGF −1とIGF−2は、様々な細胞型の分化、例えば、骨芽細胞によるコラーゲン の合成と分泌を刺激する。IGF−1とIGF−2は、特異的IGF細 胞表面受容体に結合することによってその有糸分裂促進作用と細胞分化作用を及 ぼす。更に、IGF−1が、インビボでのタンパク質異化作用を阻害し、細胞に よるグルコース取り込みを刺激し、培養中の単離ニューロンの生存を促進するこ とが明らかになっている。こうした特性のために、Froesch他,Tren ds in Endocrinology and Metabolism ,2 54−260(May/June 1990)及びCotterill,Cli nical Endocrinology ,37:11−16(1992)に報 告されている通り、様々な病状に対する治療剤としてIGF−1が試験されるよ うになっている。特異的細胞表面受容体に加えて、体全体を循環する少なくとも 6つの異なったIGF結合タンパク質(IGFBP−1からIGFBP−6)が ある。これらのタンパク質は高い親和性をもってIGF−1とIGF−2に結合 する。IGF−1とIGF−2が結合タンパク質に結合することによって、これ らのIGFが細胞表面IGF受容体と相互作用することが妨げられ、その結果、 これらのIGFが細胞に対して及ぼす作用が低下する。IGF結合タンパク質、 特にIGFBP−3は、血流中でのIGF−1及 びIGF−2の循環半減期を延長させる働きもする。IGF結合タンパク質が存 在しない場合には、血液中でのIGF−1の半減期は10分未満である。これと は対照的に、IGF−1がIGFBP−3と結合している場合には、その血液中 での半減期は約8時間に延長される。Davis他,J.of Endocri nology ,123:469−475(1989);Guler他,Acta Endocrinologica ,121:753−758(1989);H odgkinson他,J.of Endocrinology,123:46 1−468(1989)に報告されているように、その他のより小さな結合タン パク質に結合したIGF−1の循環半減期は約30分である。IGFが結合タン パク質に結合している場合には、IGFはIGF受容体に結合することが不可能 であり、従って、体内で不活性である。結合タンパク質に対する親和性が低けれ ば低いほど、体内で活性であるIGFの量が増える。 結合タンパク質に対する親和性が低いことが有益であり得る状況は、例えば、 悪液質(cachexia)、骨粗鬆症、及び、末梢神経疾患を含む。 更に、IGFの治療上の有益性を、IGFの有益な効果を強化又は抑制する可 能性がある上記IGF結合タンパク質の有無によって変化させることが可能であ る。特定のIGF結合タンパク質のレベルは、疾病の状態に応じて大きく変化す る可能性がある。例えば、Brismar他,J.of Endocrinol ogical Investigation ,11:599−602(1988 )、Suikkari他,J.of Clinical Endocrinol ogy and Metabolism ,66:266−273(1988)、 及び、Unterman他,Biochem.Biophys.Res.Com m. ,163:882−887(1989)に報告されているように、IGFB P−1のレベルは糖尿病患者では非常に高く、一方、糖尿病以外の患者では殆ど 検出不可能である。Davies他,J.Endocrinology,130 :469−473(1991)、及び、Davenport他,J.Clin. Endocrin.Metab. ,75:590−595(1992)に報告さ れているように、大手術を受けたばかりの患者のような病状の重い患者では、I GFBP−3のレベルが低下している。 IGFBP−3のレベルが低いこと、従ってIGF−1の循環半減期がより短い ことが、こうした患者に認められる悪液質(体重減)の原因である可能性がある 。 ソマトメジンCとしても知られているインスリン様増殖因子1(IGF−1) は、様々な組織の成長において果たすその役割に関して、長期に亙って研究され ている。幾つかの種類の疾病に対する治療剤としてIGF−1が役立つことが示 唆されている。Moller他,Burns,17(4):279−281(1 991)の報告によれば、様々な範囲と重傷度の火傷をおった23人の患者にお いて、IGF−1のレベルが著しく低いことが発見された。Laron他,Cl inical Endocrinology ,35:145−150(1991 )の報告によれば、小人症の患者又は成長ホルモンに非反応性の患者に対して組 換え法で生産したICF−1を投与して1週間後に、血清において、骨形成のマ ーカーであるIII型プロコラーゲンの著しい増加が生じた。Laron小人症 の小児におけるIGF−1注入の効果については、Walker他,The N ew England Journal of Medicine ,324(2 1):1483−1488 (1991)で説明されている。IGF−1、又は、IGF−1中に通常存在す る最初の3つのアミノ酸が欠失したIGF−1(「(des1−3)IGF−1 」と呼ばれる)によって糖尿病ラットを治療した後に、体重増加と窒素保持と筋 肉タンパク質合成とが増大したことが、Tomas他,Biochem.J., 276:547−554(1991)で示されている。組換え法で生産したヒト IGF−1の投与によるインスリン欠乏糖尿病ラットの成長回復は、Schei willer他,Nature,323:169(1986)で報告されている 。Lemmey他,Am.J.Physiol.,260(Endocrino l.Metab.23)E213−E219(1991)に述べられているよう に、IGF−1と(des1−3)IGF−1は、腸切除後のラットの成長を促 進する。Lynch他,J.Clin.Periodontal,16:545 −548(1989)の報告によれば、血小板由来増殖因子とインスリン様増殖 因子(IGF−1を含む)の組み合わせは、ビーグル犬における歯周再生を促進 した。創傷治癒における血小板由来増殖因子とIGF−1との相乗作用は、Ly nch他,Proc.Natl.Acad.Sci., 84:7696−7700(1987)に報告されている。インビトロにおける 長軸方向の骨成長に対するIGF−1と成長ホルモンとの作用が、Scheve n及びHamilton,Acta Endocrinologica(Cop enhagen) 124:602−607(1991)で説明されている。ラッ トにおける骨の形成と再吸収とに対するIGF−1のインビボ作用が、Spen cer他,Bone,12:21−26(1991)に示されている。哺乳動物 における非有糸分裂コリン作動性神経細胞の生存を促進するためのIGF−1と IGF−2の使用が、米国特許第5,093,317号(Lewis他)に記載 されている。これに加えて、1992年7月23日付けで公開されたPCT出願 公開第WO 92/11865号は、心臓疾患の治療のためのIGF−1の使用 を記載している。 天然型又は野生型IGF−1に対する様々な改変がこれまでに報告されている 。例えば、Sera他,Proc.Natl.Acad.Sci.,83:49 04−4907(1986)とFrancis他,Biochemical J ournal ,251:95−103(1988)の報告によれば、最初 の3つのN末端アミノ酸が欠落したIGF−1の天然変異体(des1−3)I GF−1が脳脊髄液と初乳との中に発見された。IGF細胞表面受容体に対する 結合と細胞の有糸分裂の促進において、この変異体がIGF−1と同等の能力を 有することが、インビトロでの研究によって示されている。従って、IGF−1 の最初の3つのアミノ酸は、特異的細胞表面受容体に対するIGF−1の結合に とって必ずしも不可欠なものではないと考えられる。Forbes他,Bioc hem.Biophys.Res.Comm. 157:196−202(198 8)、及び、Carlsson−Skwirut他,Biochim.Biop hys.Acta ,1101:192−197(1989)に報告されているよ うに、特定のIGF結合タンパク質(特に、IGFBP−1、IGFBP−2) に対する(des1−3)IGF−1の親和性が極めて低い(100分の1)こ とが発見されている。(des1−3)IGF−1に対するIGFBP−3の結 合も影響を受け、2分の1から3分の1に低減される。Cascieri他, .Endocrinology ,123:373−381(1988)及びGi llespie他,J.Endocri nology ,127:401−405(1990)に報告されているように、 連続皮下注入によって(des1−3)IGF−1を投与する場合に、成長のよ うな幾つかの同化作用の刺激に関してIGF−1よりも強力な作用を(des1 −3)IGF−1が示すことが、動物実験によって明らかになった。Carls son−Skwirut他,Biochim.Biophys.Acta,11 01:192−197(1989)の報告によれば、(des1−3)IGF− 1の優れた特性は、IGF結合タンパク質に対する親和性の低さに起因すると考 えられる。Cascieri他,J.Endocrinology,123:3 73−381(1988)に報告されているように、(des1−3)IGF− 1は、IGF結合タンパク質に対する親和性が低いので、野生型IGF−1の循 環半減期よりも短い循環半減期を有することになる。従って、(des1−3) IGF−1の高い効力を生かすためには、連続注入によって、又は、1日数回の 注射によって、(des1−3)IGF−1を投与しなければならない。 1989年6月29日付けで公開されたPCT出願公開第WO 89/058 22号は、IGF−1の別の改変を開示し ている。この出願は、天然型IGF−1のN末端から3番目のアミノ酸をグリシ ン、グルタミン、ロイシン、アルギニン、又は、リシンで置換し、IGF−1ム テインを形成したことを記載している。しかし、この公開公報は、上記第3のア ミノ酸をシステインで置換することは教示していない。 IGF−1と(des1−3)IGF−1の治療上の潜在的有用性が発揮され るのは、そのタンパク質の循環半減期が短いので、最大の治療上の潜在能力を引 き出すように連続注入又は1日数回の注射によってそのタンパク質を投与するこ とが可能である場合に限られる。例えば、Woodall他,Horm.Met ab.Res. ,23:581−584(1991)は、同一の合計用量のIG F−1を皮下注入によって1日4回投与する場合の方が、同一の合計用量のIG F−1を1日1回投与する場合よりも、突然変異種lit/litマウス(成長 ホルモン欠乏マウス)の成長を促進する上で効果が著しく高いということを報告 している。 1日1回又は数日おきに1回の割合で注射する形でIGF−1を投与すること が好ましい場合が多い。注射用薬剤の場合には、1日数回に分けて投与する薬剤 よりも、1日1回投与する だけでよい薬剤の方が、患者にとって受け入れ易いと考えられる。IGF−1を 1日1回又は数日おきに1回投与する場合であってもIGF−1が治療上有効で あることを可能にするために、IGF−1の循環半減期を延長するための方法を 開発しなければならない。 タンパク質に不活性ポリマー鎖(例えばポリエチレングリコール(PEG)) を共有結合させることによってそのタンパク質の分子量を増加させ、体内でのタ ンパク質の循環半減期を延長させることが知られている。例えば、Davis他 ,Biomedical Polymers:Polymeric Mater ials and Pharmaceuticals for Biomedi cal Use ,p.441−451(1980)を参照されたい。しかし、複 数のPEG分子が各々のタンパク質分子に結合する可能性があり、且つ、公知の 方法を使用する場合には、複数のPEG分子に結合するのに適した多数の部位が 各タンパク質上に存在することが一般的であるという理由から、均一な反応生成 物を得るようにPEG分子をタンパク質に結合させることは、これまで殆ど不可 能だった。Goodson他,Biotechnology, 8:343(1990)と、米国特許第4,904,584号を参照されたい。 部位的特異結合性の不足は、上記タンパク質の活性の損失を含む様々な問題を生 じさせる可能性がある。 従って、IGFの治療剤としての有効性を低下させることなく、その循環半減 期を延長させる必要がある。本発明は、IGFの分子量を増大させることによっ て、この要件を満たす。IGFに対するPEGのチオール特異的結合に適したI GFのムテイン(mutein)と、こうしたムテインから形成されるPEG結合体とを 提供することによって、IGFの治療剤としての有効性を低下させることなくそ の循環半減期を延長させることを実現する。発明の要約 本発明は、IGFの様々な改変型に係わる。野生型分子の特定のアミノ酸をシ ステイン残基で置き換えることによって、又は、野生型分子のアミノ酸に隣接し てシステイン残基を挿入することによって、もしくは、そのアミノ酸間にシステ イン残基を挿入することによって、ムテインと呼ばれる1つのタイプの改変型I GFを調製することが可能である。分子内ジスルフィド結合に関与しないシステ イン残基は「遊離している」とみな される。システィン残基を、IGF分子の表面上に露出している領域内に置換又 は挿入することが可能である。例えば、元々ない(すなわち非天然の)システイ ンを、野生型IGF−1の最初又は最後の20個のアミノ酸の中に挿入又は置換 することが可能である。この非天然のシステインは、遊離しており、ポリエチレ ングリコール(PEG)がIGFに結合するための結合部位として作用し、PE G化した分子を生じさせると考えられる。しかし、場合によっては、PEGとの 反応の前のムテインの再折り畳み(refolding)又はムテインの還元の最中に、非 天然システインが、ジスルフィド結合に関与させられ、それによってPEG化用 の天然システインを遊離させることが可能である。PEG分子をムテインに結合 させることによって、更に別のIGFの改変型、即ち、PEGが遊離システイン 残基においてIGFに結合している上記構造のIGF−PEG結合体を生じさせ る。 従って、本発明は、IGF(特にIGF−1)のムテインに対してPEGが非 天然システインにおいて結合している、PEGとIGFムテインとを含むポリエ チレングリコール(PEG)結合体に係わる。PEGは、例えばマレイミド、ス ルフヒドリル、チオール、トリフラート、トレシラート、アジリジン、エキシラ ン、及び、5−ピリジルを含むチオール特異的活性基を介して、遊離システイン に結合することが可能である。適切なPEGは、5kDa、8.5kDa、10 kDa、又は、20kDaの分子量を有することが可能である。本発明のPEG 結合体は、第2のタンパク質を含み、ダンベル(dumbbell)を形成する ことも可能である。本発明は、PEG結合体を作製するための方法も提供する。 更に、PEGは、体内のタンパク質の循環半減期を延長させることが知られて いる。従って、従来におけるIGFの有効性に比べて等しいか又は優れたIGF の有効性を維持しながら、IGFの投与の頻度を従来よりも少なくすることが可 能である。 本発明は、更に、IGFのムテイン、特に、そのムテインのN末端又はC末端 領域内に非天然システインを有するIGFのムテインに係わる。このムテインを 組換え法によって生産することが可能である。 本発明では、IGF−PEG結合体を含む医薬組成物および、IGF関連疾患 を有するか又は潜在的に有する患者を治療するためにIGF−PEG結合体を使 用する方法を提供する。発明の詳細な説明 本発明は、野生型IGFでは得られない有益な特性をもたらすインスリン様増 殖因子(IGF)の改変型に係わる。IGFの改変型は、少なくとも1つの遊離 システインを含有するIGFのムテインを包含する。ポリエチレングリコール( PEG)に結合したIGFムテインを含む結合体も、IGFの改変型とみなす。 本明細書と請求の範囲で使用する用語を次のように定義する。 用語「IGF」は、IGF I型受容体に結合するあらゆるポリペプチド(例 えば、IGF−1、IGF−2、(des1−3)IGF−1、非天然アルギニ ンを残基番号3に有するムテインである(R3)IGF−1、及び、インスリン を含む)を意味する。このホルモン群は、Blundell及びHumbel,Nature ,287:781−787(1980)に説明されている。この共 通の受容体結合のために、IGF−1に関して説明する本発明の開示内容は、I GF−2、(des1−3)IGF−1、(R3)IGF−1、及び、インスリ ンも包含することを意図している。 用語「野生型IGF」は、非改変型すなわち天然型IGFを意味する。この用 語を、「IGF」、「天然型IGF」、及び、「ネイティブ(native)IGF」と 共に互換的に使用する。用語「野生型IGF」は、メチオニン残基がそのN末端 に付加されているネイティブIGFも意味する。 用語「野生型IGF−1」は、IGF−1の非改変又は天然の70アミノ酸形 態を意味する。この用語を、「IGF−1」、「天然型IGF−1」、及び、「 ネイティブIGF−1」と共に互換的に使用する。用語「野生型IGF−1」は 、メチオニン残基がそのN末端に付加されているネイティブIGF−1も意味す る。 用語「非天然(の)」は、本来の分子に存在しないことを意味する。 用語「IGF−PEG結合体」は、ポリエチレングリコール分子に結合したI GF分子を意味する。この用語は「PEG結合体」とも称される。 用語「N末端領域」は、IGF又はIGFムテインのN末端から最初の20ア ミノ酸と、IGFのN末端の最初のアミノ酸の前に位置する12個までのアミノ 酸を概ね意味する。 用語「N末端」は、野生型IGFの配列内のN末端領域の最初のアミノ酸(例 えば、IGF−1ではグリシン)を意味する。 用語「C末端領域」は、IGF又はIGFムテインのC末端からの最後の20 アミノ酸と、IGFのC末端の最後のアミノ酸より後に位置する12個までのア ミノ酸を概ね意味する。 用語「C末端」は、野生型IGFの配列内のC末端領域の最後のアミノ酸(例 えば、IGF−1でのアラニン)を意味する。 用語「ムテイン(mutein)」は、非天然システインを含むように改変された改変 型IGFを意味する。 用語「生物活性を保持する」は、本明細書で説明するアッセイを使用して、I GF結合タンパク質−1の不在下で、UMR106ラット骨肉腫細胞中に取り込 まれた3H−チミジンの相対量によって測定した場合に、野生型組換えIGFの 有糸分裂促進活性(mitogenic aciivity)の少なくとも10%を有することを意味 する。本発明のムテインと結合体は生物活性を保持する。 用語「活性基」は、ムテインに結合するPEG分子上の部位を意味する。 用語「医薬上許容可能な担体」は、生理学的に適合性のある 水性又は非水性の溶媒を意味する。 用語「遊離システイン」は、細胞内ジスルフィド結合に関与しない任意のシス テイン残基を意味する。 用語「IGF関連疾患」は、IGF、IGF結合タンパク質、又はIGF受容 体の過剰産生又は過少産生、及び、結合タンパク質又は受容体に対するIGFの 不適切な又は不十分な結合に起因する、現存の又は潜在的な病的生理学的状態と 、IGF投与によってその疾病症状が軽減されるあらゆる疾病とを意味する。I GF関連疾患は、通常の患者に対するIGFの投与が所期の効果をもたらす疾患 も意味する。 用語「患者」は、IGF関連疾患の治療が必要なあらゆるヒト又は哺乳動物を 意味する。 野生型IGFを改変することによって、特にそのタンパク質のN末端領域又は C末端領域において改変することによって、本発明のIGFムテインを生産する 。こうした改変は、少なくとも1つのシステイン残基の置換又は付加でありうる 。システインで特定のアミノ酸を置き換えることによって、例えば、IGF−1 の最初又は最後の4つのアミノ酸の中の1つのアミノ酸をシステイン残基で置換 することによって、IGFムテイ ンを生産することが可能である。N末端から始まる野生型IGF−1のアミノ酸 配列は、 である。 他の改変は、例えば、IGFの最初のアミノ酸の前に又は最後のアミノ酸の後 に少なくとも1つのシステイン残基を付加することを含む。例えば、IGFの最 初のアミノ酸の前に隣接させてシステイン残基を挿入することが可能である。 .coli によって生産されるムテインの場合には、非天然システインをMet とIGFの最初のアミノ酸との間に出現させることも可能である。遊離システイ ン残基を、IGFの最初のアミノ酸の前に又は最後のアミノ酸の後に挿入された 約12個以下のアミノ酸群の中に出現させて、より長いIGFムテインを形成す ることも可能である。 特に有用な実施様態では、非天然システインは、IGF−1タンパク質表面に 露出した該分子の領域の中に位置する。例えば、N末端領域は結合タンパク質に 対するIGFの結合に関与するが、細胞表面IGF受容体に対するIGFの結合 には関与しない。 本発明のIGF−1ムテインを、「IGF−1のシステインムテイン」とも呼 ぶ。非天然システイン残基は、ポリエチレングリコール上の活性基の共有結合の ための結合部位として働くことが可能である。或いは、非天然システインがジス ルフィド結合に関与し、それによってPEGに対するチオール特異的結合のため の天然システイン残基を遊離させることが可能である。PEGが結合したIGF のシステインムテインを含む新規に作製された分子を、「IGFのPEG結合体 」と呼ぶ。 本発明のIGFムテインを、当業者に公知の方法で製造することが可能である 。こうした方法は、例えば、本明細書に参考として組み入れる米国特許第4,5 18,584号に説明されているような、アミノ酸残基の置換又は挿入のための 突然変異誘発法を含む。突然変異誘発法によって生産した突ムテインを、その後 に当業者に公知の手順によって組換え生産物として発現 させることが可能である。或いは、このムテインを当業界で公知の従来の方法で 合成することも可能である。更に、IGFムテインを、下記の実施例で説明する 方法と技術によって製造することも可能である。 更に、本発明は、IGF−PEG結合体を提供し、更に、体内でのIGFムテ イン分子の循環半減期を増大させ且つIGF結合タンパク質に対する親和性を低 下させるために、IGFムテインをポリエチレングリコールに結合させることに よって、このIGF−PEG結合体を製造する方法を提供する。 本発明では、ポリエチレングリコール(PEG)の長鎖ポリマーユニットが、 IGFムテイン上の遊離システイン残基のスルフヒドリル基との共有結合を介し て該ムテインに結合される。異なった分子量、5.0kDa(PEG5000)、8 .5kDa(PEG8500)、10kDa(PEG10000)、及び、20kDa( PEG20000)を有する様々なPEGポリマーを、IGF−PEG結合体の製造 に使用することが可能である。反応の選択性と均一な反応混合物を得るために、 スルフヒドリル基又はチオール基と特異的に反応する官能化したポリマーを使用 することが有益である。長鎖ポリエチレングリコールに結合 させる官能基又は反応性基は、IGFムテインがその遊離システイン部位におい て結合する活性基である。使用可能な活性基は、例えば、マレイミド、スルフヒ ドリル、チオール、トリフラート、トレシラート、アジリジン、エキシラン、及 び、5−ピリジルを含む。 別の実施様態では、PEG分子の各末端において1つのPEG分子に結合させ た2つのIGFムテインを含む「ダンベル」型分子を作製するために、2個の活 性基を含むポリエチレングリコール(PEG)ポリマーを使用することが可能で ある。例えば、PEGビス−マレイミド(PEG分子の各末端にマレイミド活性 基を含むポリエチレングリコールポリマー)を、「ダンベル」型分子の作製に使 用することが可能である。こうしたダンベル型分子には、異なった構造を持つ第 2のタンパク質又はペプチドにPEGを介して共有結合した単一のIGFムテイ ンも包含しうる。この第2のタンパク質又はペプチドは例えば、血小板由来増殖 因子のような増殖因子、又は、線維芽細胞増殖因子であることが可能である。 当業者は、有効収量のモノPEG化IGF−1(IGF−PEG)又はダンベ ル型IGF−1(IGF−PEG−IGF、 IGF−PEG−PDGF、もしくは、IGF−PEG−FGF)のどちらかを 調製するのに必要な、適切なpHとタンパク質濃度と「タンパク質:PEG」比 率とを、こうした決定を行うための当業界で公知の従来の方法を使用して容易に 決定することが可能である。 本発明の方法は医薬上許容可能な組成物を更に含む。IGFムテイン又はPE G結合体を医薬上許容可能な担体と混合し、本発明の医薬上許容可能な組成物を 製造することが可能である。本明細書で使用する用語「医薬上許容可能な担体」 は、組成物の活性成分に対して悪影響を与えず且つその組成物が投与される患者 に対して悪影響を与えない、活性成分用の無毒で一般的に不活性の賦形剤を意味 する。適切な賦形剤又は担体は、標準的な薬剤学の教科書に記載されており、例 えば、本明細書に参考として組み入れるRemington’s Pharma ceutical Sciences ,16版,Mack Publishin g Co.,Easton,PA(1980)中に見出すことが可能である。こ うした担体は、例えば、炭酸水素塩緩衝液、リン酸緩衝液、リンガー液、及び、 生理的食塩水のような水溶液を含む。これに加えて、この担体は、組成物 のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、無菌性、安定性、溶解速度、又は、臭いを 改変又は維持するための他の医薬上許容可能な賦形剤を含むことが可能である。 この医薬上許容可能な組成物は、例えば試薬の単純混合を含む当業界で公知の 方法によって調製可能である。当業者は、医薬用担体の選択と上記組成物の適切 な調製とが、意図された投与方法と投与形態とに応じて行われることを理解する だろう。 実施様態の1つでは、担体とIGFムテイン又は結合体とが生理学的に適合性 のある徐放性製剤を構成することを意図している。こうした担体中の主溶媒は水 性溶媒又は非水性溶媒のどちらであってもよい。これに加えて、担体は、組成物 のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、無菌性、安定性、溶解速度、又は、臭いを 改変又は維持するための他の医薬上許容可能な賦形剤を含むことが可能である。 同様に、この担体は、IGFムテイン又は結合体の安定性と溶解速度と放出と吸 収を改変又は維持するための更に別の医薬上許容可能な賦形剤を含むことが可能 である。こうした賦形剤は、単回用量形態又は多回用量形態(multi−do se form)の形の非経口的投与用の薬用量を調合するために一般的に且つ 慣習的に使用される物質 である。 医薬組成物の配合が終わると直ちに、この組成物は、溶液、懸濁液、ゲル、乳 剤、固体、脱水粉末、又は、凍結乾燥粉末として無菌容器中に貯蔵することが可 能である。こうした製剤は、そのまま直ちに使用可能な形態で貯蔵することも、 投与直前に再構成が必要な形で貯蔵することも可能である。こうした製剤の貯蔵 は、約4℃以下の温度、好ましくは−70℃の温度で行うことが好ましい。IG Fムテイン又は結合体を含むこうした製剤を、生理的pH又はその付近のpHで 貯蔵及び投与することも好ましい。現時点では、高pH(即ち、8より高いpH )又は低pH(即ち、5より低いpH)の製剤としての投与は望ましくないと考 えられている。 全身的送達のためのIGFムテイン又は結合体を含む組成物の投与方法は、皮 下、筋肉内、静脈内、経口、鼻腔内、膣坐薬、又は、直腸座薬によるものである ことが可能である。局所的送達のためのIGFムテイン又は結合体を含む組成物 の投与方法は、関節内、気管内、又は、呼吸路への滴注もしくは吸入によるもの であることが好ましい。これに加えて、適切な組成物の形で又は適切な装置を使 用して経口投与することによって消化 管の特定の部分にIGFムテイン又は結合体を投与することが望ましいだろう。 経口投与の場合には、IGFムテイン又は結合体をカプセル封入する。カプセ ル封入IGFムテイン又は結合体を、固体投薬形態の組成物で慣習的に使用され る医薬上許容可能な担体と共に、又は、こうした担体なしに、配合することが可 能である。生物利用率が最大化され、且つ全身に送達される前に生じる分解が最 少化される胃腸管内の特定の場所で、組成物の活性部分が放出されるように、上 記カプセルを設計することが好ましい。IGFムテイン又は結合体の吸収を容易 にするために、更に別の賦形剤を加えることが可能である。希釈剤、香味料、低 融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、及び、結合剤を使用する ことも可能である。 投与形態のいかんに係わらず、患者のおおよその体重に従って個々に用量を計 算する。適切な用量を決定する際の他のファクターは、治療又は予防すべき疾病 又は疾患、投与経路、患者の年齢、性別、病状を含むことが可能である。特定の 実施様態では、患者の血流中のIGFムテイン又は結合体の濃度が予め選択した 濃度範囲になるように、用量と投与方法を計画する。 血漿1mLあたり0.01μg未満のIGFムテイン又は結合体の循環濃度を維 持することによっては組成物の有効な効果が得られず、一方、血漿1mLあたり 100μgの過剰のIGFムテイン又は結合体の循環濃度を維持することは、好 ましくない副作用をもたらす可能性があると考えられる。上記組成物の各々を使 用する治療のための適切な用量を決定するのに必要な計算を更に改善する努力は 、当業者によって日常的に行われており、特に本明細書で開示している用量情報 とアッセイの観点から、当業者によって不要な実験なしに日常的に行われている 作業の範囲内に含まれる。こうした用量を、適切な用量−応答データに関連して 使用する確立した用量決定アッセイを用いることによって確定することが可能で ある。 本明細書に記載するIGFムテイン又は結合体の医薬組成物をヒトに対して使 用するばかりでなく獣医学的用途にも使用することが可能であること、また用語 「患者」を限定的な形で解釈すべきではないこととに留意されたい。獣医学的用 途の場合は、その用量範囲は上記用量範囲と同じであるべきである。 IGF関連疾患を有する又は潜在的に有する患者を治療するために、本発明の 医薬組成物を使用することが可能である。こ うした疾患の幾つかは、例えば、小人症、糖尿病、歯周病、骨粗鬆症を含む。普 通の患者に対するIGFの投与が所期の効果をもたらす疾患を治療するために本 発明の医薬組成物を使用することが可能であり、例えば普通の身長の患者の成長 を促進するためにIGF−1を使用することが可能である。 下記の実施例は、本発明を限定することなしに、本発明を説明することを意図 している。実施例1 A.IGF−1遺伝子の構築 IGF−1遺伝子を2つの段階によって構築した。最初に、IGF−1をコー ドするDNA配列を、E.coli OMP Aタンパク質(ompAL)の分 泌リーダー配列をコードするDNA配列に結合させた。IGF−1がE.col iから効率よく分泌されることが可能かどうかを決定するために、上記遺伝子融 合体を構築した。 OmpAリーダー配列をコードするDNA配列を欠失し、このOmpAリーダ ー配列をコードするDNA配列を、IGF−1の細胞内発現を可能にするDNA 配列で置き換えることによって、IGF−1がE.coli内の細胞内タンパク 質として 発現させられる第2の構築物を作製した。B.OmpAL−IGF−1遺伝子融合体の構築 4つの合成オリゴヌクレオチド標識OmpA1U:5′GATCCGATCG TGGAGGATGATTAAATGAAAAAGACAGCTATCGCGA TCGCA3′(配列番号:2)、OmpA2U:5′GTGGCACTGGC TGGTTTCGCTACCGTAGCGCAGGCCGCTCCGTGGCA GTGC3′(配列番号:3)、OmpA1L:5′CAGTGCCACTGC GATCGCGATAGCTGTCTTTTTCATTTAATCATCCTC CACGATCG3′(配列番号:4)、及び、OmpA2L:5′GCACT GCCACGGAGCGGCCTGCGCTACGGTAGCGAAACCAG C3′(配列番号:5)は、対(1U+1L、及び、2U+2L)をなしてアニ ーリングし、これらの対は互いに結合した。これら4つのオリゴヌクレオチドを 、Applied Biosystemsから購入したDNA合成装置(Mod el 391及び380A)を使用して合成した。その後で、連結反応混合物を 制限酵素HaeIIIで消化した。その結果、翻訳開始シグナルとompAシグ ナル配列の最初の 21アミノ酸とをコードするBamHI/HaeIII制限フラグメントを得、 このフラグメントを精製した。このDNAフラグメントをBamHI+PstI 消化PUC18 DNA(Boehringer Mannhein Bioc hemicals,Indianapolis,INから入手可能)と混合し、 2つの合成オリゴヌクレオチド[IGF−1(1−14)U + L] 5′C CGGTCCGGAGACTCTGTGCGGCGCAGAACTGGTTGA CGCTCTGCA3′(配列番号:6)と5′GAGCGTCAACCAGT TCTGCGCCGCACAGAGTCTCCGGACCGG3′(配列番号: 7)を互いに連結反応させた。連結反応混合物を、E.coli菌株JM109 (New England Biolabs,Beverly,MAから入手可 能)を形質転換するために使用し、個々のコロニーを単離した。これらのプラス ミド(OmpALIGF−1pUC18)は、翻訳開始シグナルと、このシグナ ルの後に続く、OmpAシグナル配列とIGF−1の最初の14アミノ酸とをコ ードするDNA配列とを有する。 IGF−1のアミノ酸15−70をコードするDNA配列を 含むM13ファージを、2つのオリゴヌクレオチド相補対(IGF1U + 1 L、及び、1GF2U + 2L)5′GTTCGTATGCGGCGACCG TGGCTTCTACTTCAACAAACCGACTGGCTACGGTTC CAGCTCTCGTCGTGCACCGCAGACTGGTATC3′(配列 番号:8)、及び、5′TTCGTCAACGATACCAGTCTGCGGT GCACGACGAGAGCTGGAACCGTAGCCAGTCGGTTTG TTGAAGTAGAAGCCACGGTCGCCGCATACGAACTGC A3′(配列番号:9)を互いに連結反応させることと、そのDNA配列をPs tI+HindIII消化M13 mp19 DNA(New England Biolabs,Beverly,MAから市販入手可能)の中にクローニン グすることによって作製した。二本鎖DNAをファージクローンから精製し、I GF−1タンパク質のアミノ酸15−70をコードするPstI/HindII Iフラグメントを単離した。このDNAフラグメントをPstI+HindII I消化プラスミドOmpALIGF−IpUC18 DNAと連結反応させ、E .coli菌株JM107(GIBCO BRL,Gait hersburg,MDから市販入手可能)を形質転換するために使用した。O mpAL配列に融合したIGF−1遺伝子を含むBamHI/HindIIIフ ラグメントを単離し、プラスミドpT3XI−2のBamHI+HindIII 生成部位中にクローニングした(1991年6月13日付けで公開されたPCT 出願公開第WO 91/08285号に説明されている)。ompAL−IGF −1遺伝子融合体を含む完成プラスミドを、pT3XI−2 φ10C(TC3 ) ompALIGF−1と呼ぶ。C.メチオニル−IGF−1遺伝子の構築 上記のOmpAL−IGF−1遺伝子融合体を含むBamHI/HindII Iフラグメントを、プラスミドpT3XI−2 φ10C(TC3)ompAL IGF−1から精製し、HinfIで消化した。約200bpのHinfI/H indIII DNAフラグメントを、アニーリングした相補的合成オリゴヌク レオチド(MetIGFIU + 1L) 5′GATCCGATCGTGGA GGATGATTAAATGGCCGGTCCGGAG3′(配列番号:10) と5′AGTCTCCGGACCGGCCATTTAATCATCCTCCAC GATCG3′(配列番号:11)と混合し、BamHI+HindIII消化 プラスミドpT3XI2 DNAと連結反応させ、E.coli JM107を 形質転換するために使用した。完成したプラスミド構築物をφ10C(TC3) IGF−1pT3XI−2と呼び、このプラスミドは、イニシエーターメチオニ ンとIGF−1配列の開始点との間に余分のアラニン残基を含む。変異体IGF −1遺伝子を含むBamHI/HindIIIフラグメントを単離し、プラスミ ドpT5TのBamHI+HindIII生成部位の中に結合させた(Natu re,Vol.343,No.6256,pp.341−346,1990に記 載)。E.coli BL21/DE3(米国特許第4,952,496号に記 載)を形質転換するために連結反応混合物を使用し、その結果得た個々のコロニ ーを単離した。この構築物をφ10C(TC3)IGF−1pT5Tと名付けた 。 上記余分のアラニンコドンをインビトロ突然変異誘発によって取り除いた。イ ンビトロ突然変異誘発を、Bio−Rad Laboratories(Ric hmond,CA)から購入したMuta−Gene Kitを使用して行った 。行った 突然変異誘発手順は、そのキットに添付された説明書に記載された手順と概ね同 じだった。プラスミドφ10C(TC3)IGF−1pT3XI−2をBamH I+HindIIIで消化し、変異体IGF−1遺伝子を含む 200bp D NAフラグメントを精製し、プラスミドM13 mp19のBamHI部位とH indIII部位の中にクローニングした。 ウラシルを含む一本鎖鋳型DNAを調製した後に、E.coli菌株CJ23 6(Bio−Rad Laboratories,Richmond,CAから 購入したMuta−Gene Kitと共に入手)中でのファージの増殖を行っ た。突然変異誘発に使用したオリゴヌクレオチドは、配列:5′GATGATT AAATGGGTCCGGAGACT3′(配列番号:12)を有した。突然変 異誘発反応生成物を、E.coli菌株JM109の形質転換に使用し、個々の プラークを採取した。 個々のファージからの二本鎖複製形態DNAを単離し、BamHI+Hind IIIで消化し、IGF−1遺伝子を含む 200bpフラグメントを精製した 。精製したDNAを、プラスミドpT5TのBamHI+HindIII生成部 位の 中にクローニングし、E.coli菌株BL21/DE3の形質転換に使用した 。適正なプラスミドを有する1つのバクテリアコロニーをφ10C(TC3)m utIGF−1pT5Tと名付けた。幾つかの単離物を配列決定したが、全てが 適正だった。実施例2 IGF−1ムテインの構築 幾つかのIGF−1ムテインを構築した。これらの中の3つのムテインでは、 IGF−1の最初の3つのアミノ酸の各々がシステイン残基で置き換えられた。 この3つのムテインを、各々C1、C2、C3と呼ぶ。第4のムテインは、N末 端メチオニン残基とIGF−1の最初のアミノ酸との間にシステイン残基を導入 した。このムテインを−1Cと呼ぶ。 IGF−1の−1C、C1、C2、C3ムテインを、下記で説明する通りのポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使用して作製した。突然変異誘発実験に使用 した開始プラスミドは、実施例1で説明したφ10(TC3)mutIGF−1 pT5Tだった。このプラスミドは、イニシエーターメチオニンとその後に続く 天然ヒトIGF−1タンパク質配列とをコードするDNA配列を含む。所期の突 然変異を含む5′突然変異誘発オ リゴヌクレオチドと適正な配列の3′オリゴヌクレオチドとを使用して、変異体 IGF−1 DNA配列を上記遺伝子から増幅した。Nde I制限酵素切断部 位(CATATG)の一部分として上記遺伝子の最初のメチオニンを5′突然変 異誘発オリゴヌクレオチドが取り込むように、その5′突然変異誘発オリゴヌク レオチドを設計した。各々の突然変異誘発オリゴヌクレオチドは、所期の変異と 、その後に続く、プラスミドφ10(TC3)mutIGF−1pT5T中のI GF−1遺伝子配列に完全に一致した15−21ヌクレオチドとを含んでいた。 3′オリゴヌクレオチドは、長さが25ヌクレオチドであり、IGF−1の最後 の6つのコドンをコードし且つ停止コドンの後に続くHindIII部位を含む ように設計された。 これに加えて、野生型クローンを、最初のメチオニンとしてpT5T(上記) のNdel部位を使用して上記と同様に作製した。この野生型クローンを85p −11と呼ぶ。−1C、C1、C2、C3ムテイン及び85p−11野生型クロ ーンを構築するために使用したオリゴヌクレオチドを次の表1に示す。 各々のオリゴ20pmolと、鋳型DNAとしてのプラスミドφ10(TC3 )mutIGF−1pT5T約1ngとを使用して、20mMトリス(pH8. 8)、10mM KCl、6mM(NH42SO4、1.5mM MgCl2、0 .1%Triton X−100を含む100μL反応物中で、ポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)を行った。65℃に維持したチューブを使用した第1の変性段 階の後で、0.5μl(1.25単位)のPfuポリメラーゼ(Stratag ene,San Diego,CA)を加えた。その時に2滴の鉱油を反応物に 重層した。Ericomp TwinblockTMサーマルサイクラー(Eri comp,San Diego,CA)中で、95℃で1分間、65℃で1分間 、72℃で1分間に亙って、反応を30サイクル実施した。最後の反応サイクル の後で、反応生成物を10分間72℃に維持した。 PCRの後で、反応生成物80μLを1回フェノール抽出し、その後でエタノ ールで沈殿させた。沈殿したDNAをTE緩衝液(10mMトリス塩酸(pH8 .0)、1mM EDTA)中に再懸濁させ、20μLをNde IとHind IIIとで消化し、1.5%アガロースゲル上で電気泳動した。約210 bpに移動した増幅DNAバンドを、製造者の指示に従ってNA45ペーパー( Schleicher and Schuell,Keene,NH)を使用し て溶離させた。溶離DNAをTE緩衝液20μL中に再懸濁させ、2μLを、体 積20μLの、ゲル精製したNde I−HindIII消化プラスミドpT5 Tに連結反応させた。プラスミドpT5Tは実施例1で説明している。E.co li菌株BL21/DE3を形質転換するために連結反応を使用し、50μg/ mLのアンピシリンを含むLB寒天プレート上でコロニーを選択した。ミニプラ スミドDNAプレップを形質転換プレートからの幾つかのコロニーから作製した 。DNAをEcoRVとHindIIIとで消化し、どの形質転換細胞がIGF −1 DNAインサートを含むかを調べた。IGF−1 DNAインサートを含 むプラスミドを配列決定し、そのインサートが適正に突然変異したことを確認し た(各々のムテイン毎にIGF遺伝子全体を配列決定した)。 各々のムテイン質に関する代表的な形質転換細胞を[Luria Broth + 12μg/mLテトラサイクリン中で約1.0の概算OD600まで増殖さ せることによって、 予備的な増殖試験を行った。T7ポリメラーゼの発現と、それに続くIGFムテ インの転写と翻訳とを誘発するために、イソプロピル−β−D−チオガラクトピ ラノシド(IPTG)を1mMに加えた。2分間沸騰させることによって約0. 1OD単位の細胞をSDS試料緩衝液中で溶解し、16%ポリアクリルアミドS DSゲル上で電気泳動した。そのゲルをクーマシーブルーで染色した。予測した サイズ(約7−8kDa)のIGF−1タンパク質バンドを、各々のムテインと 野生型対照とに関して、誘発細胞を載せたレーンにおいて観察した。 野生型IGF−1の残基11、12、15、16、55、64、65、67、 69においてアミノ酸をシステインで置換したムテインも、PCRを使用して調 製した。PCR用の鋳型は、クローン85p−11からの全長プラスミド、又は 、野生型IGF−1遺伝子を含むクローン85p−11からのNdeI−Hin dIIIフラグメントのどちらかだった。 ムテインC11、C12、C15、C16の場合には、NdeI部位(CAT ATG)の一部分として最初のメチオニンを取り込んだ5′オリゴヌクレオチド を合成し、これらのオリゴヌクレオチドの各々は、クローン85p−11に完全 に一 致した21−24ヌクレオチドがその後に続く所期の突然変異を含んでいた。こ れらのオリゴヌクレオチドを表2に示す。この遺伝子の3′末端では、停止コド ンの後に続く[IGF−1の最後の6つのコドン+HindIII部位]に一致 する25−merオリゴヌクレオチド(IGF(262p)25)を使用した。 IGF(262p)25を表1に示す。 ムテインC55、C64、C65、C67、C69に関しては、HindII I部位(AAGCTT)と停止コドン(TAA)とを含み、且つ、クローン85 p−11に完全に一致した21−27ヌクレオチドがその後に続く所期の突然変 異を含む3′オリゴヌクレオチドを合成した。上記遺伝子の5′末端に関しては 、「IGF−1の最初の7つのコドン+NdeI部位に取り込まれたメチオニン の開始コドン」に一致した28−merオリゴヌクレオチド(IGF(85p) 28)を使用した。これらのオリゴヌクレオチドを表3に示す。 各々のオリゴ20pmol、鋳型DNA約1ng、dATP 200μM、d CTP 200μM、dGTP 200μM、dTTP 200μM、各オリゴ プライマー20pmol、及び、Pfuポリメラーゼ(Stratagene, SanDiego,CA)1μL(2.5U)とを使用して、20mMトリス( pH8.8)、10mM KCl、6mM(NH42SO4、1.5mM Mg Cl2、0.1%Triton X−100を含む100μL反応中で、ポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。GeneAmp PCR System 9600(Perkin Elmer Cetus)中で、95℃で1分間、6 5℃で1分間、72℃で1分間に亙って、反応を30回サイクル実施した。最後 の反応サイクルの後で、反応生成物を10分間72℃に維持した。 PCRを行った後に、ChromaSpin 100カラム(Clontec h Lab.Inc.,Palo Alto,CA)を通過させることによって 反応混合物を精製した。精製PCRフラグメントをNdeIとHindIIIと で消化し、製造者の指示に従ってNA45ペーパー(Schle icher and Schuell,Keene,NH)を使用して〜210 bpバンドを1.5%アガロースゲルから溶出させた。二重切断のゲル精製DN Aフラグメントを、同様に切断しゲル精製したpT5Tプラスミドに18時間1 5℃で連結反応させた。その結果得た連結反応混合物を、E.coli菌株DH 5aを形質転換するために使用し、50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒 天プレート上で平板培養した。Qiagenプラスミドキットを使用して複数の コロニーからプラスミドDNAを調製し、Taq DyeDeoxy Term inator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)を使用してIGF−1遺伝子全体を配列決定した。各ム テイン(クローンC11−1、C12−3、C15−1、C16−4、C55− 1、C64−1、C65−1、C67−2、C69−1)毎に適正な構築物を選 択し、発現のためにE.coli菌株BL21/DE3に形質転換した。 各々のムテインの2つの代表的な形質転換細胞を[LB + 12μg/mL テトラサイクリン]中で約0.6−0.8の概算OD600まで増殖させることに よって、予備的な発現試験 を行った。IPTGを最終濃度1mMになるように加え、更に2時間、細胞を増 殖させた。IPTGは、T7ポリメラーゼの発現とそれに続くIGFムテインの 転写と翻訳を誘発した。約0.1 OD単位の細胞(非誘発細胞とIPTG誘発 細胞の両方)を、β−メルカプトエタノールを含むSDS試料緩衝液中で溶解し 、15%SDS−PAGE上で電気泳動した。そのゲルをクーマシーブルーで染 色し、予測したサイズのIPTG誘発IGF−1ムテインバンドを、各々のムテ イン毎に誘発細胞を載せたレーンにおいて観察した。実施例3 ムテインの発現、再折り畳み、及び精製 下記ではC3ムテインについて説明するが、同じ手順を、本発明の範囲に含ま れることが意図されている他のムテインに適用する。唯一の相違点は、使用する 出発細胞である。 IGF−1 C3ムテインを発現するE.coli細胞を、緩衝液A(50m Mトリス(pH7.5)、20mM NaCl、1mM ジチオトレイトール( DTT))中に「緩衝液A 40mL:細胞ペースト10g」の濃度に懸濁させ 、French Pressure Cell(SLM Instruments,Inc.,Urbana IL)を使用して1800 psiで破壊した。その懸濁液を30分間20,000xgで遠心し、ペレット と上清液のアリコートをSDS−PAGEで分析した。IGF−1 C3ムテイ ンに対応する主バンドがペレットに存在したが、上清液には存在しなかつた。 ペレットを「緩衝液A 40mL:細胞ペースト10g」の濃度に緩衝液A中 に懸濁させ、その懸濁液を再び30分間20,000xgで遠心した。この洗浄 作業を2回繰り返した。IGF−1 C3ムテインを含む最終ペレットを、すり 合せガラスホモジナイザーを使用して「緩衝液25mL:細胞ペースト10g」 の濃度に、緩衝液(6M グアニジン、50mMトリス(pH7.5)、6mM DTT)中に懸濁させた。その懸濁液を室温で15分間インキュベートした。 30分間20,000xgで遠心し、不溶性タンパク質を取り除いた。C3ムテ インの最終濃度は1.0mg/mLだった。実施例2の手順に従って行ったペレ ットと上清液のSDS−PAGE分析からは、IGF−1 C3ムテインが上清 液中にだけ存在することを明らかになった。 変性させ且つ還元したこのIGF−1ムテインに対して、次の3段階の折り畳 み(refolding)手順を行った。 (1)酸化型グルタチオンである混合ジスルフィド生成試薬(GSSG)を上 記上清液に最終濃度25mMにまで加え、室温で15分インキュベートした。 (2)その後で、溶液を50mMトリス(pH9.7)で徐々に10倍に希釈 し、フェニルメチルスルホニルフルオリドを最終濃度1mMにまで加え、更に、 システインを最終濃度5mMにまで加えた。タンパク質の最終濃度は100μg /mLだった。 (3)折り畳み混合物を4℃で一晩インキュベートし、その後で15分間20 ,000xgで遠心した。ペレットと上清液のSDS−PAGE分析によって、 上清液が比較的均一なIGF−1ムテインからなることが明らかになった。 上清液のアリコート(50μL)を緩衝液B(0.05%TFA)で200μ Lに希釈し、逆相カラム(RP−4、1x250mm、Synchrom、La fayette、IN)上に注入し、0.25mL/分の流速で直線勾配(2% 緩衝液C/分の増加)を使用して緩衝液C(80%アセトニト リル、0.042%TFA)によって溶出させた。 折り畳みIGF−1 C3ムテインを表す単一の主ピークが26.5分に溶出 した。折り畳みIGF−1 C2ムテインが26.0分に溶出した。 完全に還元し、5M グアニジン、50mMトリス(pH7.5)、100m M DTT中で変性させた後では、折り畳みIGF−1 C3ムテインの保持時 間は32.2分にシフトし、折り畳みIGF−1 C2ムテインの保持時間は3 1.7分にシフトした。この結果は、上記条件下でC3とC2ムテインの両方が 単一の主要種に折り畳まれたことを示している。26.6分に溶出したIGF− 1 C3ムテインのN末端配列分析によって、配列M G P C T L C (配列番号:29)が得られ、天然ヒトIGF−1のN末端配列の3位において グルタミン酸がシステイン残基で置き換えられていることを確認した。E.co liによって発現された組換えタンパク質のN末端に余分のメチオニン残基が存 在する。26.0分に溶出したIGF−1 C2ムテインのN末端配列分析によ って、配列G C E T L C(配列番号:30)が得られ、天然ヒトIG F−1のN末端配列の2位においてプロリンがシス テイン残基で置き換えられていることを確認した。 C55、C64、C65、C67、又はC69ムテインを含む折り畳み(refol d)上清液を、上清液のアリコート(50μL)を緩衝液B(0.05%TFA) で200μLに希釈し、その希釈上清液を逆相カラム(RP−4、1x250m m、Synchrom、Lafayette、IN)上に注入し、0.25mL /分の流速で直線勾配(2%緩衝液D/分の増加)を使用して緩衝液D(100 %アセトニトリル、0.042%TFA)で溶出させることによって分析した。 2つの別々の主対称ピーク(各々1:1の比)であるPkI及びPkIIがそれ ぞれ20.5分、21.5分に溶出した。このパターンは、野生型(「WT」) IGF−Iに関して観察されたパターン(本明細書に参考として組み入れるMe ng他,J.Chromatography,Vol.443,pp.183− 192(1988)を参照されたい)に酷似している。WT折り畳みにおいて観 察された、より早い時点の溶出ピークが、S−S帰属C6−C47、C48−C 52、及び、C18−C61を有するIGF−1のアイソマー形であることが判 明しており、一方、より遅い時点の溶出ピークが、S−S帰属 C6−C48、C47−C52、及びC18−C61を伴って適正に折り畳まれ る(本明細書に参考として組み入れるRaschdorf他,Biomedic al & Environmental Mass Spectroscopy ,Vol.16,pp.3−8(1988)を参照されたい)。 21.5−23.0分に溶出するサイズの異なる非対称ピークも、折り畳み上 清液中に存在する。この材料のSDS−PAGE分析は、この材料がIGF−1 の誤まって折り畳まれた単量体及び多量体形を含むことを示す。C11、C12 、C15、又はC16ムテインを含む折り畳み上清液のRP4分析は、20.5 −21.5分に溶出する複数のピークの存在と、21.5−23.0分に溶出す る多量(全体の50−75%)の見掛け上は誤まって折り畳まれた材料の存在と を示した。折り畳まれたムテインを5M グアニジン、50mMトリス(pH7 .5)、100mM DTT中で完全に還元し変性させた後では、折り畳まれた そのムテインの保持時間は27分にシフトした。このことは、ジスルフィドの還 元後にその折り畳まれた形態が単一のポリペプチドに「折り畳まれる(coll apse)」ことを示している。従って、RP4ピ ークは、異なったジスルフィド結合を有するIGFムテインの別個の形態を表す 。実施例4 折り畳まれたIGF−1ムテインの単離 実施例3の折り畳まれたC2又はC3ムテインのどちらかを含むE.coli ペースト20gから調製した折り畳み混合物を、100mLに濃縮し、5M H ClでpH5.5に酸性化し、20mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)に対し て透析し、上記酢酸ナトリウム緩衝液で予め平衡化したS−Sepharose (Pharmacia/LKB,Piscataway,NJ)カラム(1.6 x15cm)上に添加した。結合したタンパク質を0Mから0.5MのNaCl の直線勾配300mLで溶出させた。3mLのフラクションを集めた。単一の主 タンパク質ピークが0.2−0.3M NaClで溶出した。各ピークのアリコ ート(100μL及び25μL)を逆相クロマトグラフィー(RP−4,1x2 50mm)及びゲル濾過クロマトグラフィー(Superdex 75,3.2 x300mm,Pharmacia/LKB,Piscataway,NJ)で 別々に分析した。ゲル濾過は、折り畳み上清液中に存在したIGFの二量体およ び多量体形から単量体を効果的に分離する。 大部分が単量体であるC3ムテイン(ゲル濾過とRP−4分析から決定される) を含むフラクションをプールし、2.0mgタンパク質/mLに濃縮し、アリコ ート2.0−5.0mLを、20mM酢酸ナトリウム(pH5.5),250m M NaClで予め平衡化したSephacryl S−100(Pharma cia/LKB,Piscataway,NJ)ゲル濾過カラム(2.6x10 0cm)に載せた。タンパク質は2.0mL/分で溶出し、各フラクションのア リコート(10μL)を、実施例2の手順によってRP−4逆相クロマトグラフ ィーとSDS−PAGEで分析した。純度95%以上のIGF−1 C3又はI GF−1 C2ムテイン単量体の折り畳まれた単一種を含むフラクションをプー ルし、250μg/mLに濃縮した。この材料を生物活性に関してアッセイし、 下記の通りに8.5kDaポリエチレングリコールと反応させた。 C11、C12、C15、C16、C55、C64、C65、C67、及びC 69ムテインに関し、折り畳み上清液を20mMトリス(pH7.4)に対して 透析し,10−15倍に濃縮し、同じ緩衝液で予め平衡化したSuperdex 75ゲル濾過カラム上に載せた。その後で単量体をプールし、RP− 4カラム(RP−4,2.1x250mm、Synchrom)上に載せ、流速 1.0mL/分で直線勾配(2%緩衝液B/分の増加)を使用して緩衝液B(1 00%アセトニトリル、0.042% TFA)で溶出させた。C12、C55 、C64、C65、C67、及びC69ムテインは、WT IGF−Iに関して 観察されたパターン(Meng他,上記)に酷似している2つの異なるRP−4 単量体ピーク(各々1:1の比、PkI及びPkII)に折り畳まれた。Sup erdex 75からのC12及びC15単量体フラクションも、PII後(2 1.5分−23.0分)に溶出した多量の見掛け上は誤まって折り畳まれた材料 を含んでいた。C11、C15、及びC16単量体は、RP−4で分析した時に 、多重(3−6個)のピークを含んでいた。単量体ピークを別々に集めて、生物 活性アッセイを行い、更に質量分析を行った(下記参照のこと)。 単量体ピークの質量分析を、Sciex,Toronto,Canadaから 入手したAPI IIIを使用して行った。折り畳まれた(ジスルフィド結合が 損なわれていない)単量体と還元・変性された単量体の両方に対して質量分析を 行った。次の質量を得た。 還元されたムテインの質量は、実験誤差の範囲内で、上記システイン突然変異 をもつポリペプチドの予想質量に一致する。折り畳まれた単量体の質量は、3つ の分子内ジスルフィド結合と、システイン−グルタチオン(Cys−S−S−グ ルタチオン)又はシステイン−システイン(Cys−S−S−Cys)のどちら かの単一の混合ジスルフィドとを有するポリペプチドの予想質量に一致する。混 合ジスルフィドは折り畳みの間に形成され、無傷のまま維持されるが、これは分 子内ジスルフィドの形成に使用可能な他のシステイン残基がその分子の中に存在 しないからである。 C69ムテインの大規模な精製も行った。洗浄した封入体(WIBS)8gm からの折り畳まれた混合物を400mLまで〜10倍に濃縮し、20mM酢酸ナ トリウム(pH5.5)に対し透析した。アリコート200μLを、20mM酢 酸ナトリウム(pH5.5),250mM NaClとで予め平衡化したsep hacryl S−100(Pharmacia/LKB,Piscatawa y,NJ)ゲル濾過カラム(10x80cm)上に載せた。フラクションを毎分 25mLで溶出させ、各フラクションのアリコート(50μL)を SDS/PAGEで分析した。単量体を含むフラクションをプールした。 C69の2つのアイソマー形態を分離するために、S−100単量体プール2 00mLを、1.1M硫酸アンモニウム−20mM酢酸ナトリウム、pH5.5 (緩衝液A)で希釈し、緩衝液Aで予め平衡化したOctyl Sepharo se(Pharmacia/LKB,Piscataway,NJ)カラム(2 .5x20cm)上に載せた。結合したタンパク質を、緩衝液Aから50%緩衝 液(50%エタノール−20mM酢酸ナトリウム、pH5.5)の直線勾配75 0mLで溶出させた。フラクション12mLを集めた。2つの主タンパク質ピー クが25%緩衝液Bと32%緩衝液Bとにおいて溶出した。各ピークのアリコー ト(50μL)を逆相(RP−4、1x250mm)で分析した。〜32−38 %緩衝液Bで溶出した、大部分が適正に折り畳まれた(RP−4分析によって決 定)C69を含むフラクションをプールした。逆相分析は、適正に折り畳まれた C69のプールが95%以上均一であることを示した。この材料の生物活性をア ッセイした(下記参照のこと)。実施例5 ムテインのPEG化 C3、C2、及び、C69ムテインを、2段階のプロセスによって、マレイミ ド活性基を有する8.5kDaポリエチレングリコール(8.5kDa PEG )又は20kDaポリエチレングリコール(20kDa PEG)と共有結合さ せた。 (1)14mM酢酸ナトリウム、33mMリン酸ナトリウム、pH7.0中に IGF−1ムテイン2.3mg(296nmol)とDTT 170μg(11 10 nmol)とを含む反応混合物15mL中DTTによって、精製IGF− 1ムテインを部分還元した。タンパク質の最終濃度は10μg/mLであり、D TT:タンパク質のモル比は3.75:1だった。C69ムテインとの反応のた めに、DTT 91μg(592nmol)を使用し、DTT:タンパク質のモ ル比は2:1だった。反応混合物を室温で3時間インキュベートし(C69ムテ インとの反応のために5時間)、1M酢酸ナトリウム(pH5.5)1.0mL を加えて反応を停止させた。反応混合物を、4℃で一晩、20mM酢酸ナトリウ ム(pH5.5)に対し透析した。 (2)タンパク質2.3mg(296nmol)、15mM酢酸ナトリウム中 の8.5kDa PEG 9.985mg(1174nmol)、26mMリン 酸ナトリウム(pH7.0)を含む反応混合物20mL中で、8.5kDa P EG又は20 kDa PEGのどちらかと、部分還元IGF−1ムテインとを 反応させた。タンパク質の最終濃度は112mg/Lだった。8.5kDa P EG:タンパク質のモル比は4:1だった。C69ムテインとの反応の場合には 、20kDaPEG:タンパク質のモル比は4:1だった。反応混合物を室温で 3時間インキュベートし、4℃にすること又は−20℃に凍結することによって 反応を停止させた。実施例2の手順によって反応混合物をSDS−PAGE分析 し、部分還元PEG化C2及びC3ムテインの約50%がモノPEG化種に変換 されたことが明らかになった。C3及びC2 20kDa−PEG結合体はSD S−PAGE上において約60kDaの相対分子量に移動した。C3及びC2 8.5kDa−PEG結合体はSDS−PAGE上において約23kDaの相対 分子量に移動した。約20%の部分還元PEG化C69ムテインは、SDS−P AGE上において67kDaの相対分子量に移動するモノ PEG化種に変換された。 同一の部分還元条件とPEG化手順とで処理した野生型IGF−1は、PEG 化しなかった。実施例6 PEG化ムテインの精製 EG化C2又はC3ムテイン反応混合物(タンパク質約100−200mgを 含む)を、5mMクエン酸(pH2.6)に対し4℃で十分に透析した。5mM クエン酸緩衝液(pH2.6)で予め平衡化したS−Sepharose(Ph armacia/LKB,Piscataway,NJ)カチオン交換カラム( 2.5x25cm)を使用して、PEG化ムテインを非PEG化ムテインから分 離した。結合したタンパク質を、0Mから1MのNaClの直線勾配2000m Lを使用して溶出させた。フラクション25mLを収集した。PEG化C2又は C3ムテインが0.25−0.4M NaClで溶出し、非PEG化ムテインが 0.8−0.9M NaClで溶出した。 PEG化C2又はC3ムテインを含むフラクションをプールし、Sephac ryl S−200ゲル濾過クロマトグラフィーによって更に精製した。全タン パク質約20mgを含む濃 縮フラクション15mLを、250mM NaClを含む20mM酢酸ナトリウ ム(pH5.5)で予め平衡化したSephacryl S−200(Phar macia/LKB,Piscataway,NJ)カラム(2.6x100c m)上に載せた。タンパク質を毎分2.0mLで溶出した。この材料のバルクは 200kDaの見掛け分子量で溶出した。 Q−Sepharoseアニオン交換クロマトグラフィーによって、C69− PEGを非PEG化C69ムテインから分離した。全タンパク質11mgを含む 反応混合物100mLを、20mMトリス(pH9.0)(緩衝液A)で予め平 衡化したQ−Sepharoseアニオン交換カラム(Pharmacia/L KB,Piscataway,NJ)(2.6x100cm)上に載せた。結合 したタンパク質を、流速5.0mL/分で20mMトリス(pH9.0)、1M NaCl(緩衝液B)の直線勾配によって溶出させた。フラクション10mL を収集した。C69−PEGは50mM NaClで溶出し、100mM Na Clで溶出した未反応単量体から適切に分離された。C69−PEGをプールし 、13mLに濃縮し、20mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)、250mM NaClで予め平衡化したS−200ゲル濾過カラム(2.6x100cm)上 に載せた。実施例7 PEG化ムテインの生物検定 組換えヒトmetIGF−1(rIGF−1)(Bachem Califo rnia,Torrance,CA)と、様々な非PEG化ムテイン及びPEG 化ムテインとを、その相対的有糸分裂促進活性と、1989年10月19日付け で公開されたPCT出願公開第WO 89/09792号に開示されている組換 えインスリン様増殖因子結合タンパク質1(「IGF−BP1」)に対する親和 性とを調べるために試験した。A.相対的有糸分裂促進活性 無血清条件下においてこれらのタンパク質が様々な量で存在する時にラット骨 肉腫細胞の中に取り込まれる3H−チミジンの相対量を測定することによって、 C3及びC2ムテインとPEG化C3及びC2ムテインとの相対的有糸分裂促進 (増殖促進)活性を、野生型IGF−1の相対的有糸分裂促進活性と比較した。 ラット骨肉腫細胞(UMR106細胞系、American Type Cul ture Collection, 受託番号CRL−1661,Rockville,Marylandから入手) を、48穴組織培養プレート(Costar,Cambridge,MA)中の 穴1個当たり、7%ウシ胎仔血清、100U/mLペニシリン、100μg/m Lストレプトマイシン、2mM L−グルタミンを含むHamのF12培地(M ediatech、Herndon,VA)0.5mL中に5−6 X 104 細胞の密度でプレーティングした。37℃で72時間インキュベートし、細胞が 集密化した後に、細胞をリン酸緩衝塩類液(PBS)で2回洗浄し、100U/ mLペニシリンと100mg/mLストレプトマイシンと2mM L−グルタミ ンとを含む無血清HamのF12培地中で24時間プレインキュベートした。プ レインキュベーションの後に、rIGF−1、C3及びC2ムテイン、並びに、 PEG化C3及びC2ムテインの連続希釈液(1.0−1,000ng/mL) を含む無血清HamのF12培地0.5mLを、別々に更に20−24時間イン キュベートした。その後で、各々の穴を、3H−チミジン(NEN Resea rch Products,DuPont Co.,Boston,MA)0. 5 μCiで4時間パルス標識した後で、冷PBS で3回洗浄し、取り込んだ3H−チミジンを冷7%トリクロロ酢酸で沈殿させた (J.T.Baker Inc.,Phillipsburg,NJ)。95% エタノールで洗浄した後に、細胞を0.3M NaOHで可溶化し、シンチレー ション計数のためのアリコートを取り出した。3H−チミジンを液体シンチレー ション計数で定量した。全てのアッセイを三つ組で行った。 C3及びC2ムテインとPEG化C3及びC2ムテインとが組換えIGF−1 と同じ最大レベルの3H−チミジンのDNA中への取り込みを促進することを確 認した。C3及びC2ムテインとPEG化C3及びC2ムテインとの効力は、組 換えIGF−1の効力の約3分の1から約4分の1だった。組換えIGF−1の ED50(最大活性の1/2を得るために必要な用量)は5−10ng/mLで あり、これに対して、非PEG化C3及びC2ムテインとPEG化C3及びC2 ムテインのED50は30−40ng/mLだった。 これらの実験は、IGF−1の有糸分裂促進活性がC3及びC2ムテインとP EG化C3及びC2ムテインとによって実質的に保持されたことを示した。3H −チミジンのDNA中への 取り込みによって測定する場合に、この4つの分子全てが、細胞分裂を促進する ことが可能である。この4つの分子全てが同一の最大レベルまで細胞分裂を促進 することが可能である。 上記アッセイを使用して、C11、C12、C15、C16、C55、C64 、C65、C67、及び、C69 IGFムテインのRP−4ピーク(上記参照 )の相対有糸分裂促進活性と、C69−PEGのRP−4ピークの相対有糸分裂 促進活性とを測定した。後者のアッセイの結果を次の表5に示す。 C12、C16、C55、C67、及び、C69ムテイン単量体のピークII の有糸分裂促進活性は、適正に折り畳まれたWT rIGF−I(ピークII) の有糸分裂促進活性と大きく異なってはいなかった。野生型rIGF−1のED50 は4−6ng/mLであったが、これに対して非PEG化ムテイン単量体のE D50は5−8ng/mLだった。表5は、様々なムテインのピークIが、WT rIGF−IピークIの生物活性に類似した適正に折り畳まれたWT rIGF −Iの生物活性に比べて低い(5分の1から30分の1)生物活性を有したこと を示す。C69のピークIIから合成したC69−PEG結合体は、C69ピー クII及び適正に折り畳まれたWTrIGF−Iと同じ生物活性を有していた。B.IGF−BP1に対する相対的親和性 C3、C2、及びC69ムテインとこれらムテインのPEG化形態の、IGF 結合タンパク質−1(IGF−BP1)に対する相対的親和性を、ラット骨肉腫 細胞に対する上記タンパク質の有糸分裂促進活性を阻害するIGF−BP1の能 力を測定することによって、IGF結合タンパク質−1に対する野生型IGF− 1の相対的親和性と比較した。ラットUMR106骨 肉腫細胞を、48穴組織培養プレート中の穴1個当たり、7%ウシ胎仔血清、I 00U/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシン、2mM L− グルタミンを含むHamの F12 0.5mL中に5−6 X 104細胞の 密度でプレーティングした。37℃で72時間インキュベートし、細胞が集密化 した後に、細胞をPBSで2回洗浄し、100U/mLペニシリンと100mg /mLストレプトマイシンと2mM L−グルタミンとを含む無血清HamのF 12培地中で24時間プレインキュベートした。プレインキュベーションの後に 、rIGF−1、C3もしくはC2ムテイン、又は、PEG化C3もしくはC2 ムテインを50ng/mL又は200ng/mL含む無血清F12培地0.5m Lを、様々な量のIGF−BP1(100ng/mL−1X104ng/mL) と共に、別々に更に20−24時間インキュベートした。その後で、各々の穴を 、3H−チミジン(NEN Research Products,DuPon t Co.,Boston,MA)0.5 μCiで4時間パルス標識した後で 、冷PBSで3回洗浄し、取り込んだ3H−チミジンを冷7%トリクロロ酢酸で 沈殿させた(J.T.Baker Inc., Phillipsburg,NJ)。3H−チミジンを液体シンチレーション計 数で定量した。全てのアッセイを三つ組で行った。 この実験の結果から、非PEG化C3ムテインとPEG化C3ムテインのIG FBP1に対する親和性が著しく低下することが明らかになった。モル比20: 1(IGFBR1:rIGF−1)の場合には、rIGF−1(50ng/mL )の有糸分裂促進活性が80%に減少した。しかし、同一濃度の非PEG化C3 ムテインの有糸分裂促進活性は35%に減少し、同一濃度のPEG化C3ムテイ ンの有糸分裂促進活性は0%に減少した。同様に、上記タンパク質200ng/ mLを20倍モル過剰のIGF−BP1と共にインキュベートした時には、rI GF−1の有糸分裂促進活性の70%が阻害され、一方、PEG化C3ムテイン の有糸分裂促進活性は全く阻害されなかった。非PEG化C2ムテインとPEG 化C2ムテインの両方の上記親和性は、野生型IGF−1のそれと同一だった。 非PEG化C69とC69−PEGの両方のIGF−BP1に対する親和性は、 WT rIGF−Iのそれとあまり異ならなかった。 これらのデータは、PEG化C3ムテインのIGFBP1に対する親和性がI GF−1のそれに比較して著しく低いことを示している。従って、PEG化C3 ムテインの有糸分裂促進活性は、IGF−1の有糸分裂促進活性が阻害され得る 条件の下でもIGF結合タンパク質によって阻害されることがないだろう。しか し、PEG化C2及びC69ムテインのIGFBP1に対する親和性は、野生型 IGF−1の同親和性と同一である。従って、PEG化C2及びC69ムテイン の有糸分裂促進活性は、IGF−1の有糸分裂促進活性が阻害され得る条件と同 じ条件の下でIGF結合タンパク質によって阻害されるだろう。実施例8 動物試験 本発明のムテインとPEG結合体の薬動力学的特性を野生型IGF−1の薬動 力学的特性と比較するために、動物実験を行った。A.動物 下垂体を手術で除去した体重110−121グラムの雄Sprague Da wleyラット(下垂体切除ラット、 又は、Hypoxラット)を、Charles River Co.から入手し た。そのラットを、12時間−明/12時間−暗サイクルの照明コントロール下 でケージ内に維持した。 その動物は水と餌を連続的に摂取することができた。1つのケージにつき5匹 の動物を収容した。ラットの体重を毎日測定し、到着後2−3週間の間に1週間 当たり2グラム未満の体重増を得たラットだけを、下垂体切除に成功したラット とみなし、実験に使用した。B.方法 実験Iでは、結合緩衝液(0.1M HEPES−0.05M NaH2PO4 )2mL中に溶解したWT rIGF−I(160mg、320mg)、非PE G化C2(320mg)、非PEG化C3(320mg)、PEG化C2(C2 −PEG、320mg)、又は、PEG化C3(C3−PEG、320mg)を 、動物(グループ当たり10匹のHypoxラット)に3日毎(ETD)に皮下 (sc)に注射した。10匹の動物で構成される別のグループには賦形剤0.2 mLを投与した。注射を7時から8時の間に行い、体重を16時から17時の間 に記録した。最後の注射を行った日の翌日のラットの体重を最 終体重とした。 実験IIでは、結合緩衝液(0.1M HEPES−0.05M NaH2P O4)2mL中に溶解したWT rIGF−I(320mg、1日1回の注射( SID);320mg ETD;640mg ETD)又はC3−PEG(32 0mg ETD、640mgETD、960mgETD)を、動物(グループ当 たり9匹のHypoxラット)に3日毎に皮下注射した。9匹の動物で構成され る別のグループには賦形剤0.2mLを投与した。注射を7時から8時の間に行 い、体重を16時から17時の間に記録した。最後の注射を行った日の翌日のラ ットの体重を最終体重とした。 実験IIIでは、賦形剤(0.1M HEPES−0.05M NaH2PO4 )2mL中に溶解したC3−PEG(160mg ETD、320mg ETD )を、動物(10匹のHypoxラット)に3日毎に皮下注射した。10匹の動 物で構成される別のグループには賦形剤0.2mLを投与した。注射を7時から 8時の間に行い、体重を16時から17時の間に記録した。最後の注射を行った 日の翌日のラットの体重を最終体重とした。 実験I及びIIの終了後に、ラットをCO2で窒息死させ、 体重を測定した。実験IIIでは、脛骨を除去し、その骨端幅を測定した。C.結果 実験I WT IGF−I 160mg又は320mgを3日毎に皮下注射したラット は、賦形剤を注射した動物に比較して有意な体重増を示さなかった(表6)。同 様に、非PEG化C2IGF−1又は非PEG化C3ムテイン320mgを3日 毎に皮下注射したラットは、賦形剤を注射した動物に比較して有意な体重増を示 さなかった。320mgのC2−PEGを3日毎に皮下注射したラットは4.4 2±0.74gの体重増を示し、320mgのC3−PEGを3日毎に皮下注射 したラットは5.45±0.98gの体重増を示したが、この体重増は、野生型 IGF−1を注射した動物の体重増(p<0.01)よりも著しく大きかった。 PEG化C2又はC3ムテインを注射した動物の体重増は、非PEG化C2又は C3ムテインを注射した動物の体重増(p<0.05)よりも著しく大きかった 。PEG化タンパク質は明らかに有効性を示したが、同一用量のWT IGF− Iは有効性を示さなかった。驚くべきことに、PEGの付加は、その分子の生物 作用能を向上させる。 これらの結果は、PEG化ムテインが、WT IGF−I及び非PEG化IG Fムテインより高い薬動力学的特性を有することを示している。実験II 320mgのWT IGF−Iを1日1回皮下注射したラットは4.02±0 .46gの体重増を示し、320mgのWT IGF−Iを3日毎に皮下注射し たラットは0.81±0.81gの体重増を示し、640mgのWT IGF− Iを3日毎に皮下注射したラットは1.41±0.52gの体重増を示した(表 7)。しかし、160mgのC3−PEGを3日毎に皮下注射したラットは5. 22±0.46gの体重増を示し、320mgのC3−PEGを3日毎に皮下注 射したラットは5.50±0.52gの体重増を示し、640mgのC3−PE Gを3日毎に皮下注射したラットは8.69±0.67gの体重増を示し、96 0mgのC3−PEGを3日毎に皮下注射したラットは10.43±0.77g の体重増を示した(表6)。上記全ての用量のC3−PEGを3日毎に投与した ことが、対応する用量のWT IGF−Iを3日毎に投与した場合に比べて著し く大きい体重増を促進した。640mg又は 960mgのC3−PEGを3日毎に注射した動物は、320mgのWT IG F−Iを1日1回投与した動物よりも著しく大きい体重増を得た。3日毎の16 0mgと320mgのC3−PEGの投与は、320mgのWT IGF−Iを 1日1回投与した場合よりも著しく大きい体重増を促進したが、この相違は統計 的有意性には達しなかった。 実験IIは、3日毎に皮下注射したC3−PEGが、3日毎に皮下注射したW T IGF−Iよりも高い効力を示すことを示している。あらゆる用量のC3− PEGが、1日1回投与した320mgのWT IGF−Iよりも大きな体重増 を促進した。C3−PEGの高い薬動力学的特性は、上記動物モデルにおいて、 C3−PEGの効力をWT IGF−Iの効力よりも強力なものにする。実験III 160mgのC3−PEGを皮下注射したラットは8.3±0.7gの体重増 を示し、320mgのC3−PEGを皮下注射したラットは9.0±0.6gの 体重増を示した(表4)。賦形剤を与えた動物は4.2±0.3gの体重増を示 した。C3−PEGによって誘発された体重増は、賦形剤を与えた動物の体重増 よりも統計的に大きかった。同様に、C3−PEGを投与したラットの脛骨骨端 幅は、賦形剤を与えた動物のそれよりも統計的に大きかった(表8)。 実験IIIは、C3−PEGがHYPOXラットの体重増を促進するばかりで なく、その骨成長も促進することを示している。これは、C3−PEGが、骨形 成を誘発するための有効な薬剤である可能性があることを示している。 本発明を特定の実施様態に関して説明してきたが、この説明によって本発明を 限定することは意図していない。当業者には明らかな様々な変更が、本発明の思 想と範囲とに含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 コー,クリステイーン アメリカ合衆国、コロラド・80303、ブル ダー、キヤドー・パークウエイ・3880

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ポリエチレングリコール(PEG)とIGFのムテインとを含み、前記P EGが遊離システインにおいて前記ムテインに結合している、ポリエチレングリ コール結合体。 2. 前記PEGが、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフラート、 トレシラート、アジリジン、エキシラン、及び5−ピリジルから成る群から選択 される活性基を介して前記遊離システインに結合される請求項1に記載の結合体 。 3. 前記IGFがIGF−1である請求項1に記載の結合体。 4. 前記PEGが、5kDa、8.5kDa、10kDa、及び20kDaか ら成る群から選択される分子量を有する請求項1に記載の結合体。 5. 前記PEGが8.5kDaの分子量を有する請求項4に記載の結合体。 6. 前記PEGに結合した第2のポリペプチドを更に含む請求項1に記載の結 合体。 7. 前記第2のポリペプチドがIGFのムテインである請求項6に記載の結合 体。 8. 非天然システインを有するIGFのムティン。 9. 前記非天然システインが前記ムテインのN末端領域内に存在する請求項8 に記載のムテイン。 10. 前記ムテインが組換え生産物である請求項8に記載のムテイン。 11. 前記ムテインがE.coliによって発現される請求項8に記載のムテ イン。 12. 前記非天然システインが前記ムテインのC末端領域内に存在する請求項 8に記載のムテイン。 13. 前記ムテインがC69ムテインである請求項12に記載のムテイン。 14. そのN末端領域内に非天然システインを有するIGFムテインの遊離シ ステインにPEGを結合させることを含む、請求項1に記載の結合体を製造する ための方法。 15. マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフラート、トレシラート 、アジリジン、エキシラン、及び5−ピリジルから成る群から選択される活性基 を介して前記PEGを前記遊離システインに結合させる請求項14に記載の方法 。 16. 前記活性基がマレイミドである請求項14に記載の方 法。 17. 前記PEGをIGFムテインおよび別のポリペプチドに結合させる請求 項14に記載の方法。 18. 前記別のポリペプチドがIGFムテインである請求項17に記載の方法 。 20. 医薬上許容可能な担体中に請求項1に記載の結合体を含む医薬組成物。 21. 請求項20に記載の医薬組成物を患者に投与することを含むIGF関連 疾患を治療するための方法。
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