【発明の詳細な説明】
成形機から被加工物を取り出す装置および方法
発明の分野
本発明は金属成形機の広義に係わり、特に金属成形機から被加工物を取り出す
エジェクタ装置および方法に関する。しかしながら、更に詳しくは本発明は、従
来の開口容器リムに蓋をシーム接合(seamed)した後の蓋付き容器の取り出しの
ために蓋接合機に使用されるエジェクタ装置に関する。本発明は特に、蓋がプル
オープナー(pull opener)を備え、このプルタブシールを損傷せずにエジェク
タ組立体が蓋付き容器を取り出すように作動することのできる、蓋付き容器に使
用される蓋シーム接合機に関する。
発明の背景
被加工物に機械加工を施す自動機械の使用は、最新の製造技術における基本的
な事柄になってきた。このような自動機械では、1以上の成形ステーションを備
えることが典型的である。被加工物は位置決め機構によって成形ステーションで
加工されるように送られる。この位置決め機構が後退されることにより、被加工
物が成形ステーションから取り出されて金属形成サイクルの繰り返しが行えるよ
うになされる。形成された被加工物の取り出しは重力で行われるか、または或る
幾つかの例ではエジェクタロッドによって行われており、エジェクタロッドは例
えば機械的に作動されて被加工物に衝撃力(jarring force)を与えて、該被加
工物を成形ステーションから取り出すようになす。
機械加工を施すようになされるこの種の機械の特別な例、および本発明が特に
目的とする機械の形式は、食品および飲料品工業で用いられる蓋シーム接合機で
ある。本明細書では、開口マウント(open mount)および上側リムを備えた開口
容器が製品を充填され、また蓋が上側リムに整合されて、この蓋およびリムの組
合せを被加工物としてチャック組立体上に配置する。開口容器は缶フランジを有
し、また蓋は端部フランジを有しており、これらのフランジが整合されてチャッ
ク部材の外側成形面の近くに位置される。その後、1以上の成形ローラーがチャ
ック部材のまわりを回転し、両フランジを一緒にロール加工して蓋を容器にシー
ム接合し、密封された蓋付き容器を製造するのであり、この蓋付き容器はその後
でパッケージングのために取り出される。以下に更に十分に説明するように、ま
た従来技術の第1図に示すように、このような蓋シーム接合機は飲料品工業で一
般に使用されている。しかしながら標準エジェクタ機構はノックアウトロッドの
形態をしており、このノックアウトロッドはカム作動されて、成形ステーション
にて蓋付き飲料缶の中央部を叩いてチャック組立体から取り出すようにタイミン
グを調整されている。一般に使用されるこの形式の機械の1つは、米国カリフォ
ルニア州ロス・アンジェルスに所在のエンジェラス社(Angelus)により製造さ
れているエンジェラス・サニタリー・シーム接合機である。
しかしながら、この工業分野で典型的に使用されている形式のノックアウトロ
ッドの使用に問題がないわけではない。蓋付き飲料缶を取り出すのためには、約
9.12kg(20ポンド)ほどの小さな力を必要とするだけであるが、接合さ
れた蓋の中央部におけるノックアウトロッドの打撃はプルオープナーシール(ス
コア)またはリベットを破壊しかねない。これは幾つかの問題を生じる。一方に
おいて、密封缶の破壊は食品製品のバクテリアまたは微生物による汚染を可能に
して、このことはその食品製品の消費者を危険にさらすことになる。他方におい
て、炭酸飲料が蓋付き容器にパッケージされる場合には、プルタブシールまたは
リベットの破壊は炭酸ガスの漏洩を可能にし、内容物の飲料水が「気抜け」を生
じて、望ましくない消費製品内容物となる。更に、製造における損失をもたらし
かねない。何故なら、これらの現象のいずれかが生じることは製造元にとって望
ましくないので、ほとんど全ての製造元はプルタブの一体性の品質制御に非常な
配慮を払っているからである。
プルタブが破壊されない場合ですら、幾つかの他の欠点がノックアウトロッド
の使用で発生している。このような欠点の1つは、ノックアウトロッドがカム従
動子、カム溝などを含めてその関係する機械構造とともに大半の蓋シーム接合機
の複雑さを著しく増大するという事実である。したがって、このような機械は高
価となり、保守に大きな費用が掛かる。更に、ノックアウトロッドは成形チャッ
クを取り付けたスピンドル組立体を往復駆動させるので、ノックアウトロッドお
よびその関係するブッシュ、軸受などを潤滑することが必要となる。潤滑の存在
は常に漏れの問題を起こらないようにしているが、まれな例として、開口容器が
チャック組立体の下方位置に移動されるときに食品製品が汚損される場合があり
、更に詳しくは、容器上に蓋がシーム接合された後、蓋の表面に漏れた潤滑剤に
よる汚損が生じ得る。再び述べるが、飲料缶を考えた場合、しばしば消費者は飲
料缶から直接に飲料を飲み、それ故にユーザーは潤滑剤で汚れた蓋上に口をつけ
ることになることから、問題が生じる。更に、往復作動するノックアウトロッド
およびその関係する機械的リンケージの慣性質量は、そのような機械が作動でき
る速度を制限するように作用する。
したがって、一般的な機械用の、また特に蓋シーム接合機用の改良されたエジ
ェクタ装置および方法の必要性が長いこと考えられてきた。従来の複雑な機械的
ノックアウトロッド組立体を取り除くことでそのような機械の複雑さを軽減した
エジェクタ装置および方法が必要とされていた。更に、食品および飲料品工業で
このような蓋シーム接合機が使用されるところでは、食品製品の汚損する可能性
を低下させる蓋シーム接合機のためのエジェクタ装置および方法の必要性が存在
していた。
発明の概要
本発明の目的は、成形ステーションからの被加工物の取り出しを助成するエジ
ェクタ機構を必要とした機械に対して、新規且つ有用な改良を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、成形機の複雑さを減少させるエジェクタ装置を提供する
ことである。
本発明の更に他の目的は、蓋を開口容器にシーム接合した後の取り出し工程に
おけるプルタブシーム接合の破壊発生を減少させるエジェクタ装置および方法を
組み入れた、プルオープナーのある蓋のための蓋シーム接合機を提供することで
ある。
本発明の他の目的は、潤滑剤による汚損の発生を減少させる蓋シーム接合機の
ためのエジェクタ装置および方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、既存機械、特に蓋シーム接合機を改良するエジェク
タ装置を組み入れた、そのような機械の保守費用を減少させた新規且つ有用なチ
ャック組立体を提供することである。
本発明の他の目的は、自動化された機械加工を一層速い速度で処理できるよう
にする、改良されたエジェクタ方法および改良されたエジェクタ組立体を提供す
ることである。
本発明の更に他の目的は、従来のノックアウトロッドを蓋シーム接合機からな
くすことである。
したがってこれらの目的を達成するために、本発明は金属成形機で使用される
チェック組立体に向けられ、これにおいてチャック組立体は機械から被加工物を
取り出すために作動する簡単化されたエジェクタ構造体を組み入れられる。また
、本発明はそのような加工ステーションから被加工物を取り出すための方法にも
関する。本発明は、蓋シーム接合機のような既存の金属成形機における改良にも
向けられる。いずれの場合にも、本発明は上述したような目的に合致するように
探求する。
本発明の広義の形態において、被加工物に機械加工を施すようになされた機械
に対して改良がなされる。本明細書では、この機械は少なくとも1つの成形ロー
ラーを含む成形ステーションを有し、この機械は被加工物を成形ステーションに
おける係合位置へと移動させて機械加工を施すことができるように前進作動する
位置決め機構を有し、この位置決め機構は後退されて被加工物が成形ステーショ
ンから取り出せるようになす。本発明は、機械に取り付けられ、機械加工を施す
ために成形ローラーと協動する成形面を有したチャック部材を含む改良に向けら
れる。弾性部材がチャック部材上に取り付けられ、この弾性部材は被加工物が係
合位置に位置している間その被加工物の一部と係合して圧潰されるようになされ
る。位置決め機構が後退されると、弾性部材は被加工物に対して復元力を作用さ
せ、成形ステーションから被加工物を取り出すようにする。この機械が蓋シーム
接合機である場合、チャック部材はそれを通して長手方向に延在する中心軸線を
有し、またその一端に凹部が形成されて直立した周辺リムがチャック部材の一端
のまわりを円周方向へ延在するようになされることが好ましく、また弾性部材は
本明細書ではこの凹部内に配置される。
本発明の1実施例において、凹部に溝が形成されており、また弾性部材は第1
側から突出している隆起構造を有する中央パネルを含んでいて、この隆起構造は
該溝に組み合って受け入れられるように作動して、チャック部材に対して締め付
け状態にて弾性部材を固定するようにさせる。接着材が溝内に配置され、弾性部
材の蓋構造をその溝内に接着するようになされる。また、チャック組立体の中心
軸線に対して直角に配向された横方向の平面に対して1以上の溝壁および隆起構
造がともに大きな鋭角に形成されて、隆起構造および溝が互いにスナップ嵌合す
るようになし得る。
弾性部材は、隆起構造があろうとなかろうと、中央パネルの第1側と反対側か
ら外方へ突出したリップ構造を含むことが好ましい。このリップ構造は中央パネ
ルの周縁付近に配置され、被加工物がリム上に着座されたときにそのリップ構造
が圧潰されて復元力を作用させるように寸法決めされる。1実施例では、リップ
構造は拡大された突出部にて終端される。他の実施例では、リップ構造は中央パ
ネルの周縁から内方へ折り返された弧状部分にて終端する。他の実施例において
リップ構造は横断面をテーパー形とされているリップ壁を有し、また更に他の実
施例においてリップ構造および(または)弾性部材は細密気泡の重合体発泡材料
で形成されることができる。しかしながら、弾性部材およびリップ構造はゴム材
料の一体部材として形成されて、チャック部材およびその凹部に取り付けられる
ことが好ましい。
弾性部材は上述した隆起構造および溝で取り付けられることが好ましいが、こ
れに代わる取付け構造が本発明により想定される。1代替例において、締付け部
材がチャック組立体および弾性部材を係合させるように作用して、これにより弾
性部材をチャック組立体に機械的に取り付けるようになす。1つの機械構造にお
いて、チャック部材はスピンドル上に取り付けられ、このスピンドルは内部を延
在する長手方向通路を有する。チャック部材はスピンドルに螺着されるのであり
、またチャック部材はスピンドル通路と整合した軸線方向の中央開口を含む。弾
性部材は拡大されたノーズ部分を含み、このノーズ部分は中央パネル部分から長
手方向通路の中へ延在されており、またプラグ部材が挿入されて弾性部材をスピ
ンドルに楔式に取り付けており、したがってチャック部材をそれに対して取り付
け
るようになす。これに代えて、弾性部材の中央パネルは中央開口を含み、またプ
ラグ部材はこの中央開口を通して挿入されて、スピンドルの長手方向通路の内部
に係合するようになすことができる。いずれの場合にも、プラグは半径方向外方
へ向かって延在するショルダを有し、このショルダが弾性部材に支持されてチャ
ック部材の中央開口およびスピンドルの長手方向通路を密封するようになすこと
が好ましい。更に他の代替例は、スピンドルまたはチャック部材のいずれかに長
手方向のねじ孔が含まれ、弾性部材が機械ねじによって取り付けられる。
本発明が中央にプルタブが配置された蓋を取り付けられた容器を製造する蓋シ
ーム接合機に使用される場合、リップ構造は弾性部材の中央開口のまわりをその
周縁付近に沿って環状に延在することが好ましい。この環状リップ構造は、蓋が
チャックのリム上に着座されたときにリップ構造がプルタブのまわりに間隔を隔
てた状態で延在し、プルタブから離れた蓋の周縁部分に接触するように、寸法決
めされる。
本発明はまた機械加工を施すようになされた機械から被加工物を取り出す方法
に関する。本明細書では、この機械は、被加工物を係合位置に受け入れるように
なされたシート座を有するチャック部材と、チャック部材と協動して機械加工を
施すための成形ステーションを画成する少なくとも1つの成形ローラーと、被加
工物を成形ステーションにおける係合位置へ移動させるように前進作動し、また
被加工物が成形ステーションから取り出せるように後退作動する位置決め機構と
を含む。本発明による方法は、広義にはまず最初に弾性部材をチャック部材に対
して固定的な関係状態で固定する段階を含み、これは被加工物が係合位置へ移動
されたときに弾性部材が被加工物によって収縮されて圧潰されるようにして行わ
れる。次ぎに、この方法は位置決め機構を前進させて被加工物が係合位置へ移動
されると同時に弾性部材に接触して圧潰すようにする段階を含む。したがって、
弾性部材は被加工物をチャック部材から取り出す(放出する)傾向を与える復元
力を作用させる。次ぎに、この方法は、機械加工が完了するまで復元力に抗して
被加工物を係合位置に保持する段階を含む。最後に、この広義の方法は機械加工
が完了した後、位置決め機構を後退させて弾性部材を復元させ、被加工物を取り
出す(放出する)ようにする段階を含む。ここで、機械加工が施された後、弾性
部材によって作用される復元力が被加工物を成形ステーションから取り出す(放
出する)のに十分となるように、弾性部材が構成される。
本発明による方法は、機械加工が容器の上側リム上に蓋をシーム接合するよう
な蓋シーム接合機で、蓋がプルオープナーを有しているような機械に特に使用で
きる。ここで、弾性部材を接触させる段階は蓋によって行われ、プルオープナー
から間隔を隔てた状態に配置された蓋部分でのみ生じる。更に、本発明の方法は
上述した装置によって固有に実行される段階の全てを含む。
本発明のこれらのおよび他の目的は、添付図面を参照して以下の代表的な詳細
説明を考慮することで、容易に認識し理解できよう。
図面の簡単な説明
第1図は、飲料容器にプルタブ付き蓋をシーム接合する先行技術による蓋シー
ム接合機を示す部分的に断面とした斜視図。
第2図は、本発明の第1の代表的実施例のチャック部材の斜視図。
第3図は、上部に取り付けられる弾性部材と、第2図に示したチャック部材と
の分解横断面図。
第4図は、チャック部材およびそれに取り付けられる弾性部材を含む第1の代
表的実施例のチャック組立体を示す、第3図に類似の横断面図。
第5図は、蓋と飲料容器とのシーム接合の前の、第4図のチャック組立体に配
置した飲料缶の開口端部およびポップトップ(プルオープナー)付き蓋を示す、
第4図に類似の横断面図。
第6図は、第5図に示された蓋および飲料缶のシート座を画成するチャック部
材のリムおよび凹部を示す横断面での拡大図。
第7図は、第2図〜第6図のチャック部材に使用する弾性部材の拡大横断面図
。
第8図は、本発明の第2の代表的実施例の横断面図。
第9図は、本発明の第3の代表的実施例の分解横断面図。
第10図は、本発明の第4の代表的実施例を示す横断面図。
第11図は、本発明の第5の代表的実施例を示す横断面図。
代表的な実施例の詳細説明
本発明は、一般に、機械加工を施すために被加工物を受け入れるように作動す
る成形ステーションを含んでいる金属成形機に関する。本発明は、このような成
形ステーションから被加工物を取り出すための方法および装置の改良に特に関す
る。したがって、本発明はこのような機械の既存のチャック組立体を改良する弾
性エジェクタの新規且つ有用な実施例、および改良されたチャック部材に対する
このような弾性エジェクタの組合せに向けられる。したがって、本発明は既存の
機械に対する改良の可能性、ならびにオリジナル装置(O.E.M.)とする改
良の両方を提供する。更に、本発明は食品および飲料工業分野で使用されている
ような容器に対して蓋をシーム接合または結合するように作動する蓋シーム接合
機に使用されるエジェクタ装置および方法に特に向けられる。したがって、例を
挙げるだけで、範囲全体を限定することなく、本発明が以下に飲料缶のような容
器のための蓋シーム接合機に関連して説明される。それにも拘わらず、本発明の
代表的な実施例および使用される方法は、他の形式の加工成形装置、特にエジェ
クタロッドを組み入れた形式の機械に使用できることを明白に理解しなければな
らない。
本発明を更によく理解するために、まず飲料缶工業において使用されている標
準形式の成形ステーションを再吟味することが有益である。したがって、第1図
を参照して、標準的な蓋シーム接合機10は細長いスピンドル12を含み、この
スピンドル12はハウジングまたはタレット(図示せず)などによって機械に固
定的に取り付けられることが見られよう。チャック部材14はスピンドル12の
先端に螺着されており、飲料缶22のような容器に蓋20をシーム接合するため
に成形ローラー18と相互作用する作動面16を含んでいる。チャック部材14
および成形ローラー18はそれ故に成形ステーションを画成しており、また蓋2
0は重力給送24によってこの成形ステーションへ導かれる。蓋無し飲料缶22
は、例えば星形車26(点線で示される)によって成形ステーションにおける位
置へ移動される。プッシュロッド28は矢印「A」の方向へ往復駆動され、これ
により缶22を成形ステーションにおける係合位置へ移動させるようにまず前進
作動し、またその後に後退して蓋の結合された缶すなわち容器を成形ステーショ
ンから取り出せるようにする位置決め機構を形成する。
蓋付き缶を成形ステーションから取り出すのを助成するために、スピンドル1
2を通る長手方向通路30を形成して、その内部に適当な軸受およびブッシュで
ノックアウトロッド32を往復作動可能に取り付けることが一般的に行われてい
る。したがって、チャック部材14はこの長手方向通路30と軸線方向に整合し
た中央開口34を有し、これによりノックアウトロッド32のヘッド36が開口
34を通って突出して、選択的に蓋20と接触して蓋付き飲料缶の加工ステーシ
ョンからの取り出しを助成するようになす。
ノックアウト力すなわち取り出し力を与えるために、ノックアウトロッド32
のヘッド36と反対側の端部38は取付けブロック40に連結され、取付けブロ
ック40はカム従動子42に固定されている。カム従動子42はタレット部分4
8に形成されたカム溝46に受け入れられているローラー44を含み、静止タレ
ット部分48のまわりを矢印「B」方向へ成形ステーションが回転されるとき、
ブロック40、したがってノックアウトロッド32はこの分野で周知のように波
形のカム溝46の振幅に応じて矢印「C」方向へ往復駆動される。
背景の説明で述べたように、ノックアウトロッド32の使用は、特に飲料缶を
考慮した場合にこれらの飲料缶がその缶の開口により引き裂かれるスコアを有す
るポップトップ21のようなプルタブすなわちポップトップを使用しているなら
ば、欠点を有する。これらの、および同様な構造は以下にプルオープナーとして
まとめて引用される。往復作動する取付けブロック40によって与えられる機械
的作用力に対するヘッド36の衝撃力はプルオープナーのスコアシールを引き裂
くことができ、したがって容器22の内容物を露出させて汚染を生じるようにな
す。この汚染は、バクテリアまたは他の微生物を含む侵入物質の形態をとり得る
。更に、長手方向通路30は油などのような潤滑剤で必然的に充満される。スピ
ンドル12およびノックアウトロッド32に関係する軸受、シールまたはブッシ
ュを通るあらゆる漏洩は蓋20の外面を汚損し、またプルオープナーシールが破
られた場合には、容器22の内容物の汚染が恐らく生じることになる。更に、た
とえ汚染物質が容器22の中に全く浸入しないとしても、プルオープナーシール
またはリベットの完全性が破られると、容器22がソフトドリンクやビール工業
で実用されるように炭酸飲料に使用されている場合には、このような引き裂けは
炭酸ガスの漏洩を引き起こす。したがって、本発明は、プッシュロッド32、取
付
けブロック40およびカム従動子42を含めてプッシュロッド組立体の全体を排
除することを意図する。これは、ノックアウトロッドおよびその関係する機械的
リンケージの慣性質量を排除することで、より高速の機械加工速度を許容できる
ようになる。これは、以下に更に十分に説明するように、オリジナル装置の製造
において、または改良用構造としての製造、のいずれかで達成できる。
それ故に第2図〜第7図を参照すれば、本発明の第1の代表的な実施例が、チ
ャック部材120および弾性部材150を含むチャック組立体110の形態で示
されている。まず第2図および第3図を参照すれば、チャック部材120は全体
的に円筒形の工具の形態をしており、包囲側壁122を有し、内部を通って長手
方向に延在する通路124が形成されている。しかしながら、別の形状をしたチ
ャック組立体を使用できることは理解されねばならない。例えば、蓋シーム接合
機はプルタブオープナー(或る種のペット食品缶、サーディン(いわし)缶など
のような)を備えた缶を含めて、四角形の缶(肉製品のための缶のような)に使
用できる。いずれの場合も、側壁122の内面は位置126にねじを形成され、
第5図に示すようにスピンドル12のねじ端部37を螺合により受け入れること
ができるようになされている。再び第2図および第3図を参照すれば、側壁22
は複数のスパナ用ポート128を含み、レンチをチャック部材120に係合させ
てスピンドル12上でのチャック部材の緩めおよび締め付けを行えるようになさ
れている。
チャック部材120の先端130には直立周縁リム134で取り囲まれた凹部
132が含まれている。凹部132は長手方向の中心軸線「X」のまわりを延在
する通路124に通じた中央開口136に通じている。したがって、周縁リム1
34はチャック部材120の一端を円周方向にまわって延在し、リム134は外
側の成形面138を有し、この成形面138は成形ローラー18と協動して蓋2
0を缶22の上側リムの上に結合すなわち「シーム接合」するようになす。環状
溝140が凹部132の内部にその周縁に沿って直立リム134の近くに形成(
例えば機械加工により)される。第6図に示されるように、チャック部材120
の中心軸線「X」に対して直角に配向されている横方向の平面「D」に対して、
溝140は大きい鋭角「a」にて形成されている。角度「a」は約85°
であることが好ましい。
弾性部材150は第3図、第4図および第7図に最も良く示されている。これ
らの図に示されるように、弾性部材150は中央パネルを含んでおり、この中央
パネル150の第1側156から環状の隆起構造154が突出している。以下に
説明するように、隆起造154は環状溝140に組み合って受け入れられ、これ
によりチャック部材120の凹部132に緊締状態で弾性部材150が固定され
るように寸法決めされ、そのようになされる。第7図を参照すれば、弾性部材1
50がチャック部材120に取り付けられたときに、横方向の平面「D」に対応
する中央パネル152の平面に対して、隆起構造154は大きな鋭角「b」に形
成されている。角度「b」は角度「a」に同等であり、隆起構造150がスナッ
プ嵌合して環状溝140と係合できるようになされている。
第3図、第4図および第7図を再び参照すれば、弾性部材150はまたリップ
構造160も含んでおり、このリップ構造160は中央パネル152の隆起構造
154とは反対側の第2側162から突出している。リップ構造162は中央パ
ネル152から長手方向且つまた半径方向外方への両方向へ突出しており、また
中央パネル152の周縁の近くに位置されている。以下に説明されるように、弾
性部材150は使用において成形ステーションから蓋付き容器を取り出すように
作用する。
第4図を参照すれば、弾性部材150は溝140内に隆起構造154をスナッ
プ嵌合させることでチャック部材120に取り付けられることが分かるであろう
。チャック部材120に対する弾性部材150の取り付けを助成するために、第
4図に示されるU字形の接着層166のような接着材が使用される。この接着材
は弾性部材150およびチャック部材120と両立する適当ないずれかの機械的
接着材料のとすることができる。このために、弾性部材150は天然ゴムまたは
合成ゴムを含むいずれかの適当なゴム材料、プラスチックなどで構成されること
が好ましく、また弾性部材150は完全一体構造であるのが好ましい。チャック
部材120は勿論のことながら工具鋼で通常は構成される。
いずれの場合も、第4図に示されるように、中央パネル152は開口136に
対して密閉状態で該開口を横断して横方向に延在する。取り付けられるとき、リ
ップ構造160はリム134で定められる平面「F」の近くで終端する。
弾性部材150の機能は第5図を参照して理解できる。第5図において、凹部
132およびリム134はシート座を形成しており、このシート座に対して蓋2
0および開口した上側リム23が着座されることが見られよう。蓋20および容
器22が第5図に示される係合位置に着座されたとき、弾性部材150、特にそ
のリップ構造160が蓋20の形態をした被加工物と係合して、弾性部材150
のリップ構造160が圧潰される。この説明の目的に関して、「圧潰」は材料が
圧縮される状態と構造が制御された正常時の配向から弾性的に変形される状態の
両方を含めるのに使用される。更に、プルオープナー21は弾性部材150のカ
ップ形状の凹部168内に受け入れられて、リップ構造160はプルオープナー
21から間隔を隔てられた蓋20の周縁部分170に接触する。中央パネル15
2は上述で説明したように、チャック部材120の開口136、およびスピンド
ル12の長手方向通路30の両方を密閉するように作用する。
成形(例えばシーム接合)作業の後、位置決め機構は後退して、得られた蓋付
き容器22はチャック組立体110から取り出される。これを助成するために、
弾性部材150の弾性、特にリップ構造162の弾性が復元力を蓋20に作用し
て、蓋付き容器を成形ステーションから取り出すように作用することを、ここで
理解しなければならない。したがって、弾性部材150がモールド成形されるゴ
ム材料は、本願により被加工物を取り出すために十分強い力を作用できるように
選択されねばならない。例えば、蓋をシーム接合した飲料缶において、リップ構
造160が蓋20により圧潰されるときの全復元力は9.12kg(20ポンド
)である。ここで、弾性部材150は、ショアーAで約60〜85のデュロメー
タの材料から形成されることが好ましい。更に、リップ構造の寸法決めは、蓋2
0に接触したときに少なくとも約1mm(0.040インチ)ほど圧潰されて、
被加工物すなわち蓋付き容器の取り出しのために適当な復元力を作用できるよう
にされねばならない。弾性部材150はクラトン(Kraton)G(シェル・
ケミカル・カンパニー社の商標)で作られる場合、この圧潰しは約9.12kg
(20ポンド)の取り出し力を与える。
第2図〜第7図を参照して説明した構造の代表的な実施例の代替例がそれぞれ
第8図〜第11図に示されている。これらの各図において、代表的なチャック部
材220は代表的なスピンドル部材212に螺合によって受け入れられて示され
ているが、特定の機械および応用例により、別のチャック部材および別のスピン
ドル部材が勿論のことながら想定される。第8図〜第11図には、別の弾性部材
および固定取付け具が本発明の原理を図解して示されている。
第8図を参照すれば、弾性部材230は凹部222に受け入れられ、また内縁
位置に中央開口234を有する環状の中央部分232を含んでいる。リップ構造
236は長手方向且つまた半径方向の両方向へ環状中央パネル232から延在し
、また鋭角の内方への折り返しで終端しており、この折り返しは、係合位置にあ
るときに被加工物と接触するように寸法決めされ、そのようになされる。ノーズ
部分240は中央パネル32の軸線方向へ延在しており、ノーズ部分240はス
ピンドル212の通路213のような長手方向通路の中に挿入されるように寸法
決めされ、そのようになされる。ノーズ部分240は環状中央部分232と一体
形成されることが好ましく、またスピンドルの長手方向通路213を密封するの
と同様に、チャック部材の中央開口を密封するように作動される。弾性部材23
0をスピンドル212およびチャック部材220に固定するために、緊締プラグ
242がノーズ部分240の内部241に挿入されるような寸法とされて、その
ようになされる。このために、プラグ242は主本体244を有し、この主本体
244が内部241に組み合って受け入れられるのであり、またノーズ部分24
0の外部に形成されたリブ246を圧潰すようにテーパーを付形されている。環
状の中央部分232は内縁233を有し、この内縁はノーズ部分240の包囲壁
から僅かに突出しており、またプラグ242は半径方向内方へ延在する溝246
および半径方向外方へ延在するリブ247を含み、これはプラグ242がノーズ
部分241に緊締されたときに縁部233と組み合うように作用する。更に、プ
ラグ240は半径方向へ延在するプラグフランジ248を有し、このプラグフラ
ンジ248は縁部233の近くで中央パネル232の内縁部に重なって、弾性部
材230をスピンドル212およびチャック部材220に固定的に緊締する助成
をなす。
本発明による弾性部材の第3の代表的実施例が第9図に示されている。この実
施例では、弾性部材250は中央開口254を取り囲む環状の中央パネル252
を含む。リップ構造256は中央パネルの周縁から長手方向および半径方向の両
方向へ向かって外方へ延在する。この図に示されるように、リップ構造256は
横断面をテーパー形とされた壁で形成され、可変の復元力を圧潰し時に作用させ
るようになされている。弾性部材250をスピンドル212およびチャック部材
250に取り付けるために、スピンドル212は位置214にねじを形成され、
ねじ付きプラグ260がスピンドル212のねじ部分214と螺合するように備
えられる。弾性部材250は長手方向通路215の端部に挿入されるようになさ
れた整合用ショルダ258を有し、したがってねじ付きプラグ260は弾性部材
250の開口254を通して挿入されてねじ214と螺合される。プラグ260
は半径方向へ延在するプラグフランジ262を含み、このプラグフランジ262
は中央パネル252の内縁部259を捕捉して通路213を密封する。プラグ2
60は軸線方向穴264を含み、この軸線方向穴264は選択した多角形の横断
面を有して、アーレンレンチなどのような適当なレンチが係合されるようになさ
れる。
本発明の第4の代表的な実施例が第10図に示されている。本明細書では、弾
性部材270は中央パネル272を有し、この中央パネル272は円形状をして
いるとともに通路213を完全に横断して延在している。中央パネル272はス
ピンドル212の先端にねじ孔274と、その中に螺合により組み合う取付けね
じ276とを備えることで固定される。ワッシャ278は、ねじ276の取付け
面積を増大させる。ここで再び述べるが、直立リップ構造280は長手方向且つ
また半径方向外方へ中央パネル272の縁部から突出している。リップ構造28
0は拡大された突出部282にて終端している。
本発明の第5の代表的な実施例が第11図に示されている。本明細書では、弾
性部材290は中央パネル292を含み、この中央パネル292はチャック部材
220に接着層294で接着されて、通路213を密閉するようになされている
。緊密な細密気泡の重合体発泡材料で形成された環状体290は接着層298に
より中央パネル292に接着されて、凹部300が環状体296の内部に備えら
れることができる。
これまでの説明から、各種の弾性部材が本発明の教示により構成できることが
認識されねばならない。このような弾性部材は復元力である取り出し力を被加工
物に作用させるために弾性的なリップ構造体のような構造形状において変化でき
るだけではなく、別の構造および弾性部材をスピンドルに取り付ける方法および
(または)チャック部材が使用される方法においても変化できる。事実、チャッ
ク部材はスピンドル上に螺合によって受け入れられてそれ自体がその長手方向通
路を密封し、これにより油の漏れに対する長手方向通路のシールなどを考慮せず
に、弾性部材を都合よい方法でそのチャック部材に緊締することだけが必要とさ
れるような方法で構成できる。したがって、当業者には代表的な実施例に対する
様々な変更が本明細書の教示に基づいてなし得ることを認識しなければならない
。
更に、本発明はまた、機械加工を施すようになされた機械から被加工物を取り
出す方法に関するものであることを認識しなければならない。ここで、この機械
は係合位置に被加工物を受け入れるようになされたシート座を有するチャック部
材と、チャック部材と協動作動して機械加工を施す成形ステーションを画成する
少なくとも1つの成形ローラーと、被加工物を成形ステーションにおける係合位
置に移動させるために前進し、また後退して被加工物が成形ステーションから取
り出せるようになす位置決め機構とを含む。本発明による方法は広義に、まず被
加工物が係合位置に移動されたときに弾性部材が被加工物に接触して圧潰される
ような方法で弾性部材をチャック部材に対して固定的な関係状態で固定する段階
を含む。次ぎに、この方法は位置決め機構を前進させて被加工物が係合位置へ移
動されると同時に弾性部材に接触して圧潰すようにする段階を含む。したがって
、弾性部材は被加工物をチャック部材から取り出す(放出する)傾向を与える復
元力を作用させる。次ぎに、この方法は、機械加工が完了するまで復元力に抗し
て被加工物を係合位置に保持する段階を含む。最後に、この広義の方法は機械加
工が完了した後、位置決め機構を後退させて弾性部材を復元させ、被加工物を取
り出す(放出する)ようにさせる段階を含む。ここで、機械加工が施された後、
弾性部材によって与えられる復元力が被加工物を成形ステーションから取り出す
(放出する)のに十分となるように、弾性部材が構成される。
本発明による方法は、機械加工が容器の上側リム上に蓋をシーム接合するよう
な蓋シーム接合機で、蓋がプルオープナーを有しているような機械に特に使用で
きる。ここで、弾性部材を接触させる段階は蓋によって行われ、プルオープナー
から間隔を隔てた状態に配置された蓋部分でのみ生じる。更に、本発明の方法は
上述した装置によって固有に実行される段階の全てを含む。
したがって、本発明はその代表的な実施例に特に関係して或る程度説明された
。それにも拘わらず、本発明は先行技術に照らして構成された以下の請求の範囲
で制限されるのであり、本明細書に含まれた本発明の概念から逸脱せずに本発明
の代表的な実施例に対して変更または修正をなし得ることが認識しなければなら
ない。
【手続補正書】
【提出日】1997年6月11日
【補正内容】
請求の範囲
1. 少なくとも1つの成形ローラーを含む成形ステーションを有し、また機
械加工を行うことができる前記成形ステーションにおける係合位置に被加工物を
移動させるように前進し、かつ前記被加工物が前記成形ステーションから放出さ
れるべく後退するように作動する位置決め機構を有する、被加工物に機械加工を行う
ようにされた機械において、前記機械に取付け可能で、機械加工を行うため
に前記成形ローラーと協動する成形面を有するチャック部材を含み、また前記チ
ャック部材に取り付けられた圧縮可能な高分子系の弾性部材を含み、該弾性部材
は前記被加工物が係合位置にあるときに被加工物の一部分が前記弾性部材に係合
してこれをつぶすようにし、それにより前記位置決め機構が後退すると、前記弾
性部材が復元力を前記被加工物に作用して、これにより前記被加工物を成形ステ
ーションから放出するように位置決めされていることを特徴とする機械。
2. 請求の範囲第1項に記載の機械において、前記弾性部材が接着剤により
前記チャック部材に固着されていることを特徴とする機械。
3. 請求の範囲第1項に記載の機械において、前記チャック部材および前記
弾性部材に係合するように作動して、これにより前記弾性部材を前記チャック部 材
に機械的に取り付ける取付け部材を含む機械。
4. 請求の範囲第1項に記載の機械において、前記弾性部材が独立気泡の発
泡材料で形成された一部分を含み、前記弾性材料が成形されたゴム材料の一体片 として形成されていることを特徴とする機械。
5. 中央にプルオープナーが配置された蓋を容器の上側リムの上にシーム接
合して蓋付き容器を製造する蓋シーム接合機に取り付け可能なチャック組立体で
あって、前記蓋シーム接合機は貫通した長手方向通路を有する細長いスピンドル
を含み、前記長手方向通路はエジェクタロッドをスライド可能に取り付けるようにさ
れ、また前記チャック組立体を解除可能に取り付けるようにされており、ま
た前記チャック組立体と相互作用して前記蓋の周縁と前記容器の上側リムとを結
合するための加工ステーションを画成するように作動する少なくとも1つのシー
ム接合ローラーを含み、前記蓋シーム接合機は前記蓋および前記容器を前記成形
ステーションの係合位置に移動させるように前進し、かつ前記成形ステーション
から前記蓋付き容器を放出できるように後退するように作動する位置決め機構を
含み、前記チャック組立体は、
(a)前記スピンドルに解除可能に取り付け可能であり、前記成形ローラーと
協動してシーム加工を行う成形面を有するチャック部材であって、前記スピンド
ル上に配置されたときに長手方向通路と軸線方向に整合される軸線方向の開口を
有し、また係合位置にあるときに前記蓋の一部分を受け入れるような寸法にされ た
軸線方向の開口を取り囲む環状の座を形成している、凹部を取り囲む直立リム を含む
チャック部材、および
(b)前記チャック部材の凹部内に配置された弾性部材であって、前記蓋が係
合位置にあるとき、前記蓋の周縁部分が前記弾性部材と係合して前記弾性部材をつぶ
し、これにより前記位置決め機構が後退すると前記弾性部材が復元力を前記
蓋付き容器に作用させて、前記蓋付き容器を成形ステーションから放出するよう
にさせる寸法にされた前記弾性部材とを含むチャック組立体。
6. 請求の範囲第5項に記載のチャック組立体において、前記弾性部材が凹
部内に受け入れられた中央パネル部分と、そこから外方へ突出した環状のリップ
構造体とを含み、前記リップ構造体は前記中央パネルの周縁の近くに配置され、
前記蓋が前記リム上に着座されるときに前記プルオープナーのまわりに延在し、かつ
前記蓋の周縁部分と接触し、またこれによりつぶされて前記位置決め機構が
後退すると係合位置から蓋付き容器を放出するため復元力を作用させるような寸 法にされ、前記中央パネル部分が密封関係で前記チャック部材の軸線方向の開口 にわたって延在し、前記スピンドルの長手方向の通路が密封されることを特徴と する
チャック組立体。
7. 請求の範囲第6項に記載のチャック組立体において、前記スピンドルはその末
端に形成された複数の長手方向穴を有し、また前記弾性部材を貫通し、前
記弾性部材を前記スピンドル、したがってそれに取り付けられている前記チャッ
ク部材に固定するように作動する取付け具を含むことを特徴とするチャック組立
体。
8. 請求の範囲第6項に記載のチャック組立体において、前記中央パネル部
分は環状形状で中央パネル開口を形成されており、また半径方向に延在するプラ
グフランジを有する取付けプラグを含み、前記取付けプラグは中央パネル開口を
通して長手方向通路に挿入されるように作動され、前記プラグフランジは前記中
央パネル部分に衝接して前記弾性部材を前記スピンドルおよびそれに取り付けら
れたチャック部材に固定することを特徴とするチャック組立体。
9. 請求の範囲第8項に記載のチャック組立体において、前記弾性部材が長
手方向通路に挿入される寸法にされたノーズ部分を含み、前記ノーズ部分は前記
環状の中央部分と一体形成されて前記チャック部材の中央開口および前記スピン
ドルの長手方向通路を密封するように作動することを特徴とするチャック組立体
。10
. 請求の範囲第6項に記載のチャック組立体において、環状溝が中央開口
を取り囲む関係に前記凹部内に形成され、前記弾性部材は前記リップ構造体と反
対側の側面で前記中央パネル部分から突出した隆起構造体を含み、前記隆起構造体
は前記溝に組み合って受け入れられて、それにより前記弾性部材を緊締状態で
前記チャック部材に固定するように作動し、前記溝内にあって前記隆起構造体お よび前記溝を一緒に固着するように作用する接着剤を含むことを特徴とする
チャ
ック組立体。11
. 請求の範囲第10項に記載のチャック組立体において、前記溝は前記チ
ャック組立体の中心軸線に直角に配向された横断方向面に対して大きな鋭角で形
成された壁を有し、また前記隆起構造体は前記大きな鋭角で形成され、それによ り
緊締状態にあるときに前記中央パネルは前記チャック組立体の横断方向に延在
し、前記隆起構造体および前記溝は互いにスナップ嵌合されることを特徴とする
チャック組立体。12
. 機械加工を行うようにされた機械から被加工物を放出する方法であり、
前記機械が前記被加工物を係合位置に受け入れるようになされた座を有するチャ
ック部材と、前記チャック部材と相互作用するように作動して、それにより機械
加工を行う成形ステーションを画成する少なくとも1つの成形ローラーと、前記
被加工物を前記成形ステーションにおけるの係合位置へ移動させるように前進し
、かつ後退して前記成形ステーションから被加工物が放出されるように作動する 位置決め機構を含むような方法において、
(a)前記被加工物が係合位置へ移動されると、弾性部材が前記被加工物と接
触してつぶされるような仕方で、リムおよび凹部により画成される前記チャック 部材の座に
弾性部材を固定する段階と、
(b)前記位置決め機構を前進させ、それにより前記被加工物が係合位置へ移
動されると同時に前記弾性部材と接触して、これをつぶし、前記被加工物を前記
チャック部材から放出する傾向のある復元力を作用させる段階と、
(c)機械加工が完了するまで、復元力に抗して被加工物を係合位置に保持す
る段階と、
(d)機械加工が完了した後、前記位置決め機構を後退させて前記弾性部材を 復元して
前記被加工物を放出させるようにする段階であって、前記弾性部材が、 それ自体の与える復元力が機械加工の実施後に前記被加工物を前記成形ステーシ ョンから放出するの
に十分であるように構成されているような段階とを含む方法
。13
. 少なくとも1つの成形ローラーを含む成形ステーションを有し、また機 械加工を行うことができる前記成形ステーションにおける係合位置に被加工物を 移動させるように前進し、かつ前記被加工物が前記成形ステーションから放出さ れるため後退するように作動する位置決め機構を有する、被加工物に機械加工を 施すようにされた機械において、前記機械に対して取付け可能で、機械加工を行 うために前記成形ローラーと協動する成形面を有するチャック組立体を含み、前 記チャック組立体が長手方向に貫通する中心軸線と、内部に形成された溝を含む 凹部とを有し、前記凹部が前記チャック組立体の一端に形成され、これにより直 立した周縁リムが前記チャック組立体の一端のまわりに円周方向に延在し、また 凹部内に配置された弾性部材を含み、前記弾性部材がその第1側から突出した隆 起構造体を有し、前記隆起構造体は前記溝に組み合って受け入れられ、これによ り前記弾性部材を緊締状態で前記チャック部材に固定し、該弾性部材は、前記被 加工物が係合位置にあるとき、被加工物の一部分が前記弾性部材に係合してこれ をつぶし、前記位置決め機構が後退すると、前記弾性部材が復元力を前記被加工 物に作用させて、これにより前記被加工物を成形ステーションから放出するよう に位置決めされていることを特徴とする機械。 14
. 請求の範囲第13項に記載の機械において、前記溝が前記チャック組立 体の中心
軸線に直角に配向された横断方向面に対して大きな鋭角で形成された壁
を有し、前記隆起構造体が大きな鋭角で形成されており、これにより緊締状態の ときに前記中央パネルが前記チャック組立体の横断方向へ延在し、前記隆起構造 体および前記溝が互いにスナップ嵌合されていることを特徴とする機械。 15
. 請求の範囲第13項に記載の機械において、前記弾性部材が前記中央パ
ネルの前記第1側と反対側の第2側から外方へ突出したリップ構造体を含み、前
記リップ構造体は前記中央パネルの周縁の近くに配置され、かつ被加工物が前記
リム上に着座したときに前記リップ構造体がつぶされ、これにより前記位置決め
機構が後退すると係合位置から前記被加工物を放出する復元力を作用させるような
寸法にされていることを特徴とする機械。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
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W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN