JPH10500345A - カテーテル導入器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ガスケットの中に配置されたカテーテルあるいはガイドワイヤを動かすために必要な力を少なくすると同時に、止血性能が得られる改善された自己シール型のガスケットである。ガスケットの一表面に形成されたスリットは、そのガスケットの反対側の表面に形成された中央開口と交差する。ガスケットの上に形成された円環状のリングが、このガスケットをカテーテル導入器の中に保持することの一助となっている。装置が導入器の中に軸線からずれて挿入されたときに、ガスケットが外れるのを防止するために、ガスケットの先端側に、円環状の棚が具備されることもある。

Description

【発明の詳細な説明】 カテーテル導入器 関連出願 本願発明は、1993年５月７日付の米国特許出願第08／058,594号の一部継続出 願である。 技術分野 本発明は、血管造影術、血管形成術及びその他の冠状動脈手術において、カテ ーテル、ガイドワイヤ及びその他の装置の導入、操作及び患者の冠状動脈系から これらを除去するときに使用される冠状動脈用のカテーテル導入器の改良に関す るものである。本発明は、導入器を通ったり導入器を介して操作される場合に、 カテーテル、ガイドワイヤあるいはその他の装置の動きに対する抵抗を少なくし ながら止血状態を維持するための改良された自己シール型ガスケットを有する導 入器に関連する。 背景技術 カテーテル導入器は、血管造影術、血管形成術あるいは他の医療手術のために 、普通は経皮経管的に、冠状動脈系等の患者の体内に配設される装置である。カ テーテル導入器には、患者の冠状動脈系あるいは他の体内部位に挿入することが 可能なチューブ状の軸と、チューブ状の軸の基部端（患者の体外に具備される端 ）に結合されているハウジングが含まれていることが典型的である。このハウジ ングは、導入器内に装置が何もないときには血液の漏洩を防止するた めに閉鎖し、導入器を介して装置が配設されている間は、血液の損失を防止する ために、このような装置の全周にわたって、装置との間のシールを維持するため に閉鎖する一つ以上の自己シール型止血用ガスケットを有しており、かつ、それ を支持している。 ガスケットが止血用のシールを提供することに加えて、その導入器内に装置が 存在する場合と、そうでない場合との両方の場合に、患者の体内での装置の操作 をし易くするために、カテーテル、ガイドワイヤあるいは他の装置に対して、こ のガスケットによる反対方向に引っ張る力とこれらの動きに対する抵抗力とが最 少になるようにすることが重要である。この動脈系の中をこの装置が前進すると きに、外科医が抵抗物や曲がりくねった冠状動脈の形状を感触で把握できるため に、この装置の基部端で外科医が指に感ずる反応は、外科医にとって重要である 。典型的には、カテーテル導入器用の止血用ガスケットは、あらゆる使用条件に おいても効果的なシールを維持することと、医療用装置に対してガスケットが及 ぼす運動抵抗との妥協物である。 先行技術による装置は、ガスケットを介してのカテーテルの動き易さを不必要 に阻害することなく、シールを維持することが好ましいことを指摘している。導 入器は、限定された範囲の直径を有する装置のみを受け入れ、これとのみシール 効果が生じるようにされた自己シール型ガスケットを使用して作ることも可能で ある。しかし、約0.889ｍｍ（約0.035インチ）から約2.9972ｍｍ（約0.118イン チ）あるいはそれを超える値の範囲の直径を有する導入器を通して挿入しなけれ ばならないガイドワイヤ及びカテーテルを数多く使 用する必要が出てくるのが一般的であるから、これは、典型的には、満足とは言 えない。米国特許第4,000,739（以下、Stevens特許）及び第4,424,833（以下、S pector特許）に記載されている、自己シール型の止血用ガスケットは、特定のサ イズの装置を受け入れるように設計され、かつ、比較的制限された範囲内の装置 直径に適合するようにされた先行技術によるガスケットの代表的なものである。 本発明の譲受人に付与された米国特許第5,304,156（以下、Sylvanowicz特許） には、ガイドワイヤあるいはカテーテルが存在する場合と、そうでない場合との 両方の場合で、受け入れることのできるガイドワイヤ及びカテーテルの直径の範 囲が、Stevens特許及びSpector特許に開示された装置を含めた先行技術の装置の 直径よりも実質的に大きくなっており、シール効果が生じるようにされた自己シ ール型ガスケットを有する導入器で、改良されたカテーテルとガイドワイヤの導 入器が開示されている。更に、Sylvanowicz特許に開示された装置によれば、導 入器を介してカテーテルが操作されたときに、カテーテルの感触を大幅に阻害す ることなく、広範な装置のシール効果が得られる。Sylvanowicz特許に記載され た装置により得られた改良にもかかわらず、効果的な止血用シールを維持したま まで、ガスケットによりカテーテルあるいはガイドワイヤに加えられる引っ張り 力を減少させることにより、この装置を更に改善することは好ましいことである 。これに加えて、特に、比較的大きな直径を有するカテーテルがガスケットを通 して挿入される場合に、ガスケットをハウジング内にしっかりと固定して、直径 の比較的大きなカテーテルがガスケットを外そうとするいかなる傾向にも抵抗す るように、ハウジング内にガスケットを固定する方法を改良することは好まし いことである。同時に、所定の角度からずれてガスケットに挿入される装置が、 ハウジングからガスケットを外すこともあるが、この場合には止血状態を失う結 果となる。このような場合に、ガスケットが外れることを防止する導入器は好ま しいものである。このような改良された導入器とガスケットを提供することは、 本発明の目的の一つである。 発明の開示 本発明の一つの観点では、このガスケットは、特許番号第5,304,156号のSylva nowicz特許および出願番号08／058,594の出願明細書に記載されたガスケットと 同様な形を有するが、ガスケットの材料特性を最適にすると共に、カテーテルお よびガスケットの間に生じる摩擦による引っ張り力を減少させることにより、更 なる改良を提案するために改造された形を有する。特に、このガスケットは、Sy lvanowicz特許に開示されたものよりも実質的に薄く作られており、出願番号08 ／058,594の出願明細書に記載されたものよりも更に薄く作られている。本発明 の他の一つの観点では、ハウジング内で、このガスケットが、より強固に保持さ れるように改善された固定手段を含むようにこのガスケットは改造されている。 このことは、ガスケットが薄く作られているので、大きな直径のカテーテルがガ スケットを通して挿入されたときに、強固に保持されていない場合には外れる傾 向が強くなる薄い形状のガスケットの場合には、特に好ましい。 ガスケットを通すことが出来るカテーテルとガイドワイヤの直径が広範囲にな っても、止血状態を維持しながら動きを容易にするた めに、カテーテル導入器の中で活用できるガスケットを提供することは、本発明 の目的の一つである。 本発明の他の目的は、長時間止血状態を維持する一方で、外科医に、改善され た指の感触が得られるように、先行技術によるカテーテル導入器用のガスケット よりも薄くて、改善された材料特性を有するカテーテル導入器を提供することで ある。 本発明の、更に別の目的は、止血用の一体型ガスケットと、大きな直径を有す るカテーテルが挿入された場合に、ガスケットが外れることに抵抗するために、 ガスケットを固定する改善された手段を有する改善されたカテーテル導入器を提 供することである。 本発明の更に別の目的は、ガスケットの限られた変位を許容しながら、ガスケ ットを通して装置を挿入する間に、ガスケットが外れることを防止する円環状の 保持棚をハウジング内に提供することである。 本発明の更なる目的は、装置が角度をずらして挿入されたときにそれを矯正し ようとし、かつ、これに加えて、装置が中心軸からずれて挿入されたときにガス ケットが外れる現象の発生を減少させる導入器を提供することである。 図面の簡単な説明 本発明の上記の目的および他の目的と特徴は、添付された図面を参照してなさ れる更なる以下の記載からより十分に理解できる。 第１図は、ハウジングの内部構造と、そこに入れられたガスケットを図示する ための、カテーテル導入器のハウジングの断面模式図である。 第２図は、本発明のガスケットの断面図である。 第３図は、中央開口を有するガスケットの表面から見たときのスリットを図示 した本発明のガスケットの別の図面である。 第４図は、カテーテル導入器のハウジング内に設置された本発明のガスケット を図示するものであり、ハウジングの内部構造を図示するための断面図である。 第５図は、ガスケットを通して、大きな直径を有する装置が挿入された場合の 本発明のガスケットの作動方法を図示するものである。 第６図は、ガスケットを通して小さな直径を有するガイドワイヤが通された場 合の、本発明のガスケットの動作方法を図示するものである。 第７図は、第２図および第３図のガスケットに保持用リングが結合された状態 の、本発明の他の実施態様を図示するものである。 第８図は、円環状の保持棚が、カテーテル導入器のハウジング内に形成されて いるところを示す、本発明の、更に、別の実施態様を図示するものである。 発明を実施する為の最良の形態 第１図は、基部側のハウジング６と、ハウジング６に固定され、かつ、それか ら先端側に伸びたチューブ状の鞘４の小部分と共に、カテーテル導入器２の基部 側の部分の断面を図示したものである。このチューブ状の鞘は、典型的には、経 皮手術により、患者の血管内に挿入される。 このハウジングには、第２図および第３図と、本発明の一部としてその全体を 引用する上記米国特許第5,304,156号及び出願番号08／058,594の出願明細書に図 示された形状を有する自己シーリング型の止血用ガスケット８が具備されている 。 このガスケット８は、円盤状の形をしており、ハウジング６と、そのハウジン グ６の基部端に固定されたエンドキャップ14との間に保持されている。このエン ドキャップ14には、ガスケットを通り、ハウジングの内部18および軸４の穴20を 通ってカテーテルおよびガイドワイヤが挿入される開口16が具備されている。こ のキャップ14には、ハウジング６の基部端の肩部と合体する円周状のリップ21が 具備されることもある。このキャップをハウジングに取り付けるその他の形状も 可能である。このエンドキャップとハウジングとは、このような樹脂部品を一体 化して固定するための当業者に公知の多様な接着技術、あるいは、溶接技術によ り、結合することもできる。このハウジングとエンドキャップは、組み合わされ たときに、それぞれ、ガスケット８の先端側と基部側の表面10と12と合体するよ うになって、相互に向かい合った円環状の表面22と24を有している。ハウジング とエンドキャップとの間に、ガスケット８を更に固定する ために、円環状の表面22と24とには、それぞれ、ガスケット８の表面10及び12に しっかりと押さえるように調整された円周状の隆起部26と28とが具備されている 。 このキャップには、出願番号08／058,594の出願明細書に記載されているよう に潤滑剤を保持するための円環状の貯蔵器30がが具備されていることもある。こ の貯蔵器は、エンドキャップの先端側面に形成された円環状のスロット30の形状 を有することもある。開口16を画成するエンドキャップの表面は、貯蔵器30の一 部を画成するリップ31となっている。このリップの先端側のエッジは、一般的に 、潤滑剤を保持するためにガスケットの基部側表面12と接触しているが、しかし 、ガスケット８が、カテーテルを挿入したときに変形した場合には開放すること ができるようになっている。この貯蔵器の機能は、出願番号08／058,594の出願 明細書に更に詳細に記載されている。 第２図及び第３図には、米国特許第5,304,156号及び出願番号08／058,594の出 願明細書に記載されたものと同様な形を有するガスケットが図示されている。こ のガスケット８は、上記特許と上記出願明細書に記載されたガスケットとは、幾 つかの点で異なっている。このガスケットは、より薄くなっており、その薄さは 1.27ｍｍ（0.050インチ）のオーダーである。更に、ガスケットの基部側の表面 にある中央開口304は、上記特許と上記出願明細書に記載されたものと同じ直径0 .7366ｍｍ（0.029インチ）ではあるが、それと同じほどには深くなく、このガス ケット８は、上記特許に開示されたものよりも実質的には薄く、それは、0.508 ｍｍ（0.020インチ）のオーダー である。 上記の通り、ガスケットの全体の好ましい厚さは、1.27ｍｍ（0.05インチ）で ある。このスリット306の深さは0.9144ｍｍ（0.036インチ）である。この中央開 口の深さは、0.508ｍｍ（0.020インチ）であり、このスリットは、中央開口の半 径方向の壁308の中に、0.1524ｍｍ（0.006インチ）の長さまで延びている。中央 開口の壁308を通過して、その中にスリットを延ばすことにより、このガスケッ トは、中央開口を通して挿入されるカテーテルの直径が中央開口の直径よりもは るかに大きな場合でも、比較的大きな直径を有するカテーテルに合わせてしなる ように、中央開口の周囲で弱くなっている。本発明の顕著な点は、比較的大きな カテーテルが、ガスケットの中を前進することができ、しかも、特許番号第5,30 4,156号及び出願番号08／058,594の出願明細書に記載された形状のガスケットと 比較して、より小さな抵抗と改善された感触を提供することが可能である。 中央開口に、部分的なスリットを形成することにより、直径が典型的には、0. 889ｍｍ（0.035インチ）から0.9652ｍｍ（0.038インチ）のガイドワイヤも、直 径が0.7366ｍｍ（0.029インチ）の中央開口によりシールされるという更なる長 所が得られる。ガスケットの一面に取り付けられるスリットの深さと、ガスケッ トの反対側の面に取り付けられる中央開口の深さは、変化させることができるが 、中央開口により形成される半径方向の壁308の中まで少し延びていることが重 要である。好ましい実施態様においては、中央開口の深さは、0.508ｍｍ（0.020 インチ）であり、スリットの好ましい 深さは0.9144ｍｍ（0.036インチ）である。 好ましい実施態様においては、このスリット306には、好ましくは、半径方向 の長さ310が、0.762ｍｍ（0.030インチ）であり、この結果、スリット全体の直 径は1.524ｍｍ（0.060インチ）になる。このスリットの半径方向の直径は、半径 方向の長さが1.905ｍｍ（0.075インチ）の、より長い半径方向の直径を有する米 国特許第5,304,156号に記載された直径とは異なっている。本発明では、このス リットは、ガスケットの厚さが比較的薄いので、半径方向に計った直径がより小 さくなるようにすることも可能である。もし、スリットが、米国特許第5,304,15 6号に記載されたのと同じあるいは同様な半径方向の長さを有するように形成さ れたら、ガスケット内にガイドワイヤあるいはカテーテルが存在する場合と、ガ スケットを通るこのような装置が存在しない場合との両方の場合に、血圧のため に、ガスケットは、漏れる傾向が出てくる。このように、本発明のガスケットは 薄いので、厚手のガスケットの止血性能が得られると同時に、ガスケットを介し てカテーテルが比較的動き易くなっている。 止血性能と、「感触」と、ガスケットを介してガイドワイヤあるいはカテーテ ルの動き易さとに影響を及ぼす、更なるファクターには、ガスケットの作成にい かなる材料を使用すがあり、例えば、硬い材料は、多分、良好な止血特性が得ら れるであろうが、ガスケットを通して挿入された装置の動き易さを阻害すること もある。本発明者らは、本発明によるガスケットにおいては、ガスケットの材料 の硬度が一定の範囲内にあるものが、好ましくはエラストマー的なシリコーンが 、他の材料よりも良好に機能することを発見した。本発明 による止血用ガスケットが機能する最大の範囲は、ショアー式Ａ型デュロメータ で測定した場合の15から60のデュロメータによる値の硬度である。硬度の好まし い範囲は、ショアー式Ａ型デュロメータで測定した場合の32から45の硬度であり 、ショアー式Ａ型デュロメータで測定した値の約37±５の範囲がより好ましく、 材料は、それぞれの場合において、好ましくは、シリコーン等のエラストマー材 料で、説明用にここに記載された寸法で作られている。ガスケットの好ましい厚 さは、1.27ｍｍ（0.050インチ）とされているが、本発明のガスケットによりシ ールが出来て、効果的な「感触」が得られるためには、このガスケットは、1.01 6ｍｍ（0.040インチ）から1.524ｍｍ（0.060インチ）までの範囲内で作られるこ ともある。動き易さと「感触」は勿論、全体としての止血特性は、本発明による ガスケットにおいては、中央開口の深さと、スリットの深さと、スリットの半径 方向の長さとの相対的な大きさと、ガスケットに使用される材料の硬度と種類に 影響される。 第２図及び第３図には、スリットが３つ示されているが、当業者には公知のよ うに、ガスケットを通ったカテーテルや、ガイドワイヤや、他の装置の動き易さ ももちろんのこと、止血状態を維持するという望ましい最終目的を達成する目的 で、ガスケットの特定の望ましい特性を達成するために、これよりも数の多いス リットや、数の少ないスリットも使用できる。 このガスケット８は、比較的薄いので、同様ではあるが、厚手のガスケットと 比較すると、止血状態を維持しながら、カテーテルを動かすための必要な力を軽 減することが可能である。カテーテル導入 器が、患者の血管系に配設された後に、血管造影手術と血管形成手術を行う場合 に、手術相互の間に時間的な間隔を置くことは或る程度一般的である。例えば、 患者の血管内に何らかの障害物がある場合にその位置を調べるための血管造影テ ストを行うために、この導入器が患者の血管系に配設されることもある。もし、 このような障害物が発見されて、血管形成手術が次の日に予定された場合には、 カテーテル導入器を外して、次の日に、別の導入器を挿入することは不便である 。このようなことをする代わりに、導入器は同じ箇所に残しておくのである。導 入器の先端で、周囲の血管が擦過傷を蒙らないようにするためと、患者の体が、 移動したり動いたりしたときに、壁厚の薄い鞘がよじれないようにするために、 カテーテル内に栓子が配設される。厚さが、1.27ｍｍ（0.050インチ）に満たな いガスケットを有するカテーテル導入器においては、この栓子を長時間使用して いると、その薄さ故に、ガスケットが永久的に変形することもある。こうなると 、次に続く血管形成手術において、ガスケットは止血状態を維持することができ なくなる。上述したような厚さが約1.27ｍｍ（約0.050インチ）のシリコンエラ ストマーによるガスケットでは、止血状態を維持する能力は栓子を長時間使用し ても変化しない。 第３図には、中央開口が形成されたガスケットの表面から第１図のガスケット ８を見た場合の、もう一つの図が示されている。第３図から判るように、スリッ ト306は、中央開口で区切られ、かつ、画成されている領域312に開けられた貫通 したスリットでしかない。このことは、スリットが、中央開口の反対側になるガ スケットの表面内に、事前に決められた深さまでカットして作られているが、こ の 開口周辺の外側のスリット同士の間の領域は、ガスケットが一体化された構造に より作られているので、「自由に動く」ものではない。中央開口と、スリット間 のフラップとが重なり合う領域312は自由に動くことができる。スリットの半径 方向の全長は、自由に動かないが、ガスケットの表面に設けられたスリットの深 さにより、この表面が弱くなり、このことにより、中央開口とスリットが重なる ことに加えて、小さな直径の中央開口が存在することにより、大きな直径のカテ ーテルがガスケットを通じて挿入された場合に、小さな直径のガイドワイヤの周 囲をシールする能力を維持したまま、ガスケットが押し広げられることになる。 第４図に、本発明によるガスケット８が挿入されるハウジング314が図示され ている。このガスケット８は、ハウジング314の中にある円形の凹部316の中には め込まれている。チューブ318は、細長くすることも可能であり、患者の冠状血 管系の中に挿入できるように作られている。 第５図および第６図には、直径が各種異なる装置が通った、本発明によるガス ケットの作動方法が図示されている。第５図には、ガスケット８を通して配設さ れた大きな直径のカテーテルあるいは他の装置400がある場合のガスケットの位 置が図示されている。第５図から判るように、このカテーテルは、第２図の中央 開口304の直径よりもはるかに大きな直径を有するものである。例えば、開口の 直径が0.7366ｍｍ（0.029インチ）の場合、本発明によりガスケットと共に、典 型的に使用される８フレンチ（8／3ｍｍ）のカテーテルは、その直径が約2.667 ｍｍ（約0.105インチ）である。カテーテルを挿入 したときに、重なり合うスリットと、カテーテルが通れるようにするための内側 に面した表面にスリットを付けることにより半径方向の壁が弱くなって、中央開 口が伸びて開く。このカテーテルは、止血状態を維持するために、ガスケット８ によりシールされる。このカテーテルが取り外されたときには、このガスケット は第２図および第３図に示された位置に戻る。 第６図には、ガイドワイヤあるいは小さなカテーテル402が通された本発明の ガスケットの動作方法が図示されている。このガイドワイヤは、第２図に示され た中央開口304よりも大幅ではないが、多少、その直径が大きいので、中央開口3 04は伸びるが、大きくは変形せず、そして、ガスケット８のスリットが付けられ た部分は、ガイドワイヤが通れるようにするために、チューブの外に出る。ガイ ドワイヤが取り外されたときは、スリットにより形成されたフラップは、第２図 および第３図に示された通常の位置に戻る。 第７図には、本発明によるガスケットの他の実施態様が図示されている。ガス ケット400は、本発明の第１図あるいは第４図に示されているようなカテーテル 導入器のハウジング402の中に設置されて示されている。ガスケット400は、先端 側に延びる円環状のリング404が、ガスケット400の面406の周囲に形成されてい ることを除いて、第２図及び第３図に図示されたガスケット８と同一あるいは実 質的に同様である。円環状のリング404は、好ましくは、ガスケット400と同一の 材料で形成され、それと一体に形成されており、ハウジング402の端の壁410に形 成されている円環状の凹部408に受け入れられる。次に、エンドキャップ412が、 中央開口を有するガ スケットの側面で、ガスケット400を保持するためと、ハウジング402をシールす るために、接着剤や、溶接あるいは他の公知の手段により、端の壁410に組み合 わされる。円形のリブ414と418が、ハウジング内でガスケットを保持することを 援助する目的で、ガスケット400の比較的弾性のある材料に押さえつけるために 、それぞれ、エンドキャップとハウジング402に形成される。大きなカテーテル が、エンドキャップの開口422を通って、ガスケットのなかを通って挿入される と、そのカテーテルの大きなサイズのために、ガスケットが、それを保持してい る構造からはずれる危険性が増大する。 円環状のリング404により、ガスケットを大きくして、その円環状のリングを 、円環状の凹部408の中に受け止めると、同時に、エンドキャップにより、ガス ケットの外側の表面の周辺を固定することにより、ハウジング402の中にガスケ ットを固定することが確実となり、ガスケットが外れることを防止する。ガスケ ットの内側表面406に円環状のリングを具備することに加えて、更に、外側表面 （中央開口を有する表面）に同様なリングを取り付け、ハウジング402の中にガ スケット400をより良好に保持するために、エンドキャップ412に対応する円環状 の凹部を具備することも可能である。別の方法では、この円環状のリング404は 、ガスケットを保持するために、エンドキャップ412内の円環状の凹部と合体す るガスケットの外側表面にのみ形成することもできる。 第８図には、外科医が栓子等の医療用の装置をガスケットを通して、軸の方向 と一致しない角度で、（第１図のハウジング６および腔空部 20の長手方向の軸とは異なる挿入方向で）押し込もうとするときに、ガスケット が外れないようにするための円環状の保持棚を含む第１図に示されたカテーテル 導入器のハウジングの改造されたタイプのものが図示されている。このような動 作により、第１図のハウジングに示された円周に沿った隆起部26及び28による保 持からガスケットを外そうとする傾向が出る。第８図には、第２図及び第３図に 図示されたタイプのものであることもあるガスケット502を保持する基部側のハ ウジング500が図示されている。エンドキャップ504が、ハウジング500の基部側 の端に固定されている。カテーテル、ガイドワイヤ、栓子およびその他の医療用 装置が、開口506、ガスケット502、基部側のハウジングの内部508を通して挿入 され、基部側のハウジング500の先端側に位置する穴510に達して入れられること もある。 第８図に図示されているように、キャップ504には、ハウジング500の基部側の 端に形成されている肩部514と重なり合い合体するリップ512が具備されることも ある。第１図のハウジングに関して記載されているように、ハウジングにキャッ プを取り付ける場合の各種の形式が使われる。ハウジングとキャップはそれぞれ 、組み立てたときに、ガスケット502の先端側と基部側の表面520と522と組み合 わされる相互に向かい合った円環状の表面516及び518を有している。ハウジング とエンドキャップとの間に、ガスケット502を更に固定するために、円環状の表 面516および518には、それぞれ、表面520および522に押しつけられる円周状の隆 起部分524および526が具備されることもある。これに加えて、このハウジングに は、円環状の表面516から内側に向かって延びている円環状の突 起部あるいは棚528が含まれている。この円環状の棚528は、穴の直径を内部空間 508の直径よりも小さくするために、内部508に向かって隆起している。この円環 状の棚は、ガスケットの表面520に向かい合っている棚の側面で、先端側に向か って折れ曲がった角度で、532のところで好ましくは傾斜している。 円周状の隆起部524および526は、一般的には、ハウジングを通って、ガイドワ イヤ、カテーテル、およびその他の医療用装置を軸方向に挿入するときにガスケ ットを保持するためには十分である。しかしながら、このような装置あるいは拡 張器等のより大きな装置が、導入器の軸に沿ってではなく、軸とは少し角度を持 って（正しい挿入角度は、矢印600で図示されており、軸の方向からずれた角度 での挿入は、矢印602で図示されている）開口506を通って、ガスケットに当たる ように押し込まれたときには、拡張器の先端は、ガスケットの中央開口530とは 接しなくて、表面502の他の部分と接することとなる。このような場合には、拡 張器の先端は、拡張器を受け入れるために開くように設計されている中央開口53 0には押しつけられていなく、開口のない表面に押しつけられることとなる。こ の結果、ガスケットを保持している円周に沿った隆起部524と526から外れること もある。このガスケットが外れると、止血性能が失われ、血液の損失により、患 者も外科医も同様に危険に晒されることとなる。この円環状の棚528により、ガ スケットの外側に面した表面522に押しつけられている拡張器あるいはその他の 道具の力によりガスケットが変形したときに、ガスケットの表面520に支えとな る表面がこの円環状の棚528により提供されることにより、ガスケットが外れる 問題が解決される。この円環状の棚は、外科医が拡 張器を、軸と一致しない角度で挿入しようとする場合に、ハウジングからガスケ ットが外れる可能性を減少させるだけでなく、外科医により拡張器の先端を中心 に持ってこさせるように作用する傾向が出る。これに加えて、拡張器や、その他 の装置を軸に一致させて挿入した場合でも、この円環状の棚は、ガスケットの内 側に向いた表面520により、棚の傾斜した表面を支えることにより、ガスケット の変形量を制限させる一助となる。 この円環状の棚は、ガスケットを形成する材料が先端側で多少膨張したり変形 したりできるように、好ましくは、傾斜した表面532を備えているが、ガスケッ トの動きと変形によって、ガスケットが外れることのないように十分小さい外側 の限界値を有している。内部直径534が5.08ｍｍ（0.200インチ）になったハウジ ングにおいては、円環状の棚は、好ましくは、開口直径536が3.556ｍｍ（0.140 インチ）から4.445ｍｍ（0.175インチ）の範囲になる。開口直径536の最低値は 、ガスケットを通して挿入される最大のカテーテルあるいは他の医療用装置の外 径の値に制限される。内側の穴の直径をわずか0.254ｍｍ（0.010インチ）から0. 381ｍｍ（0.015インチ）減少させる円環状の棚でも、医療用装置を軸からずらし て挿入しようとしたときに、ハウジング内にガスケットを保持することに効果的 である。本発明の上記の記載は、本発明を説明するためのものであり、本発明の 主旨から乖離することのない他の変更および実施態様は当業者に明らかであろう 。本発明の以上の説明から、我々がクレームするものは下記のとおりである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パーテル、ジョージ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01826、ドラカット、スカイライン・ドラ イヴ 100、アパートメント ２ (72)発明者 カルヘーン、ジェームス アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01581、 ウエストボロウ、ウエスト・メ イン・ストリート 52

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ガスケットを含むハウジングを有するカテーテル導入器の中に使用される ガスケットであり、該ガスケットが、 内側に面した表面と、外側に面した表面と、外側に面した表面に形成された 中央開口とを有し、該開口が該ガスケットの中にあらかじめ決められた深さまで 延びており、かつ、円周状の壁面により一部画成された一体型の自己シール型ガ スケットと； 該ガスケットの内側に面した表面に形成され、かつ、中心部分から半径方向 に延びており、該スリットが、円周状の壁面と交差するような深さを有しており 、該スリットの中心部分が該中央開口と重なり合っており、かつ、普通は、該開 口を閉鎖する複数のフラップを画成している複数のスリットと； 該中央開口と該スリットが、ガイドワイヤとカテーテルを含む様々な直径の 範囲を有する装置をシールするような寸法を有しており；かつ、 該導入器の中にガスケットを固定すべくハウジングに係合するようにされた ガスケットの内側に面した表面から延びている円環状のリングを含むことを特徴 とするガスケット。 ２．ガスケットを含むハウジングを有するカテーテル導入器の中に使用される ガスケットであり、該ガスケットが、 内側に面した表面と、外側に面した表面と、外側に面した表面に形成された 中央開口とを有し、該開口が該ガスケットの中にあらかじめ決められた深さまで 延びており、かつ、円周状の壁面により一部画成された一体型の自己シール型ガ スケットと； 該ガスケットの内側に面した表面に形成され、かつ、中心部分から半径方向 に延びており、該スリットが、円周状の壁面と交差するような深さを有しており 、該スリットの中心部分が該中心開口と重なり合っており、かつ、普通は、該ス リットの中心部分が該開口を閉鎖する複数のフラップを画成している複数のスリ ットと；かつ、 ハウジングの中にガスケットを固定すべくハウジングに係合するようにされ たガスケットの少なくとも一つの表面から延びている円環状のリングとを含むこ とを特徴とするガスケット。 ３．円環状のリングが、ガスケットの内側に面した表面に形成されていること を特徴とする請求の範囲第２項に記載のガスケット。 ４．円環状のリングが、ガスケットの外側に面した表面に形成されていること を特徴とする請求の範囲第２項に記載のガスケット。 ５．円環状のリングが外側に面した表面と内側に面した表面との両方に形成さ れていることを特徴とする請求の範囲第２項に記載のガスケット。 ６．ガスケットを含むハウジングを有するカテーテル導入器に使用されるガス ケットであり、該ガスケットが、 内側に面した表面と外側に面した表面とを有する一体型の自己シール型ガス ケットと； 貫通する医療用装置を受け入れ、かつ、シールするガスケットの内側に面し た表面に形成された半径方向に延びるスリットと； かつ、 ハウジングの中にガスケットを固定すべくハウジングに係合するようにされ たガスケットの少なくとも一つの表面から延びている円環状のリングとから成る ことを特徴とするガスケット。 ７．円環状のリングが、ガスケットの内側に面した表面に形成されたことを特 徴とする請求の範囲第６項に記載されたガスケット。 ８．円環状のリングが、ガスケットの外側に面した表面に形成されたことを特 徴とする請求の範囲６項に記載のガスケット。 ９．円環状のリングが、外側に面する表面と内側に面した表面の両方に形成さ れたことを特徴とする請求の範囲第６項に記載のガスケット。 １０．外側に面した表面に在り、かつ、該ガスケットの中にあらかじめ決められ た深さまで延びており、かつ、円周状の壁面により一部画成されている中央開口 を含むガスケットであることを特徴とする請求の範囲第６項に記載のガスケット 。 １１．半径方向に延びるスリットには、円周状の壁面と交差するような深さを有 する複数のスリットが含まれ、該スリットの中央部分が中央開口と重なり合い、 かつ、普通は該開口を閉鎖する複数のフラップを画成していることを特徴とする 請求の範囲第10項に記載のガスケット。 １２．内側の縦孔と、該内側の縦孔の基部側で、かつ、該内側の縦孔と接合部を 形成する外側の縦孔と、該内側の縦孔と該外側の縦孔の接合部に画成される肩部 と、該肩部で画成される円環状の凹部とを有し、該外側の縦孔が該内側の縦孔よ りも大きいハウジングと； 内側に面する表面と外側に面した表面と、該肩部の円環状の凹部と協動する ために、該ガスケットの内側に面する表面から延びている円環状のリングとを含 み、該外側の縦孔の直径と実質的に対応する直径を有するガスケットと； 該ハウジングの中に該ガスケットを保持するために、ハウジングにより支持 され、かつ、該ガスケットの外側に面した表面に接しているキャップとを含むこ とを特徴とするカテーテル導入器。 １３．ガスケットを通して挿入された医療用装置を潤滑するために、キャップと 該ガスケットの外側に面した表面との間の間隙により形成された潤滑用流体を入 れるための貯蔵器を更に含むことを特徴とする請求の範囲第12項に記載のカテー テル導入器。 １４．キャップには、ガスケットを通して挿入された医療用装置を潤滑するため に、傾斜したリップとガスケットの外側に面した表面との間に潤滑剤を入れるた めの円環状の間隙を画成する傾斜したリップを更に含むことを特徴とする請求の 範囲第12項に記載のカテーテル導入器。 １５．内側の縦孔と、該内側の縦孔の基部側で、かつ、該内側の縦 孔と接合部を形成する外側の縦孔と、該内側の縦孔と該外側の縦孔の接合部に画 成される肩部とを有し、該外側の縦孔が該内側の縦孔よりも大きいハウジングと ； 肩部に接する内側に面した表面と外側に面した表面とを含み、該外側の縦孔 の直径と実質的に対応する直径を有する自己シール型ガスケットと； 肩部の先端側に形成され、かつ、内側の縦孔の中に延びており、該円環状の 棚が内側の縦孔の直径を減少させる間隙を内側の縦孔の中に画成し、ガスケット を装置が通過したときに、ガスケットの変形を制限するために円環状の支持表面 を該円環状の棚が提供する円環状の棚と；かつ、 該ハウジングの中に該ガスケットを保持するためにハウジングにより支持さ れ、かつ、該ガスケットの外側に面する表面に接しているキャップとを含むこと を特徴とするカテーテル導入器。 １６．先端方向へのガスケットの変形を制限することができるように、円環状の 棚が先端方向に傾斜した表面を有していることを特徴とする請求の範囲第15項に 記載のカテーテル導入器。 １７．円環状の肩部から基部側に延びており、かつ、ハウジング内にガスケット を固定すべくガスケットの内側に面した表面に接している円周に沿った隆起部を 更に含むことを特徴とする請求の範囲第15項に記載のカテーテル導入器。 １８．エンドキャップから先端側に延びており、かつ、ハウジング内にガスケッ トを固定すべくガスケットの外側に面した表面に 接している円周に沿った隆起部を更に含むことを特徴とする請求の範囲第17項に 記載のカテーテル導入器。 １９．ガスケットには、ガスケットの内側に面した表面から延びた円環状のリン グが含まれており、ハウジングの肩部が、円環状の凹部を画成し、ハウジングの 中にガスケットを固定すべく、該円環状のリングが該円環状の凹部と協動するこ とを特徴とする請求の範囲第15項に記載のカテーテル導入器。 ２０．カテーテル導入器の中に使用されるガスケットであり、該ガスケットが、 内側に面した表面と、外側に面した表面と、外側に面した表面に形成された中央 開口とを有し、該開口が該ガスケットの中にあらかじめ決められた深さまで延び ており、かつ、底壁面で終了している一体型の自己シール型ガスケットと； 該ガスケットの少なくとも一つの表面から延びている円環状のリングと； 該ガスケットの内側に面した表面に形成され、かつ、中心部分から半径方向 に延びており、該スリットが、該底壁面と交差するような深さを有しており、該 スリットの中心部分が該底壁面と交差しており、かつ、普通は、該開口を閉鎖す る複数のフラップを画成している複数のスリットとから成り； 該中央開口の半径が、ガイドワイヤおよびカテーテルを含む各種の直径の範 囲を有する装置をシールするように、各スリットにより画成された半径よりも実 質的に小さいことを特徴とするガスケット。