JPH1049077A

JPH1049077A - 装飾電球

Info

Publication number: JPH1049077A
Application number: JP8204573A
Authority: JP
Inventors: Yukio Yabukuro; 幸夫矢袋
Original assignee: HIYOSHI DENSHI KK; HIYOSHI ELECTRIC
Current assignee: HIYOSHI DENSHI KK; HIYOSHI ELECTRIC
Priority date: 1996-08-02
Filing date: 1996-08-02
Publication date: 1998-02-20
Also published as: EP0822371A2; TW350031B; EP0822371A3; CN1172921A

Abstract

(57)【要約】【課題】耐久性があり放射光の視認性がよく電力消費の
少ない複数の発光球を内部に備えた装飾電球を提供す
る。【解決手段】装飾電球１０（１０ａ、１０ｂ、１０ｃ）
はガラス又は硬質樹脂からなる中空の透明な球１１と、
該球１１の下部に固着して電極を形成する口金１２と、
口金１２の電極１２−１、１２−２間に適宜の抵抗を介
して接続されて球１１内に封入された複数個のＬＥＤ発
光球１４とからなる。ＬＥＤ発光球１４は、表面に特別
な加工を施されており、その発光が底部を除く全円球面
方向に放射されるように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の光放射性
を有するＬＥＤ発光球を中空の透明な球内に複数個封入
した装飾電球に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、照明よりも飾りを主眼とした
装飾電球が広く知られている。例えば透明な細長い球内
で線状の放電光が慌ただしく揺らめくバイブレーション
・ランプ、球内で炎状の放電光が緩やかに揺らめくフリ
ッカー・ランプ、丸い球の全面を一色に彩色したカラー
・ボール、懐古的な線状のフィラメントを折り返した状
態の赤味を帯びた発光で煌びやかな弱い光を放射するカ
ーボン球（実際にカーボン・フィラメントを使用してい
るわけではない）などがある。

【０００３】これらの装飾電球は、壁際の装飾電球用ソ
ケットに差し込まれ、あるいはテーブル上の電気スタン
ドに差し込まれるなどして単体で用いられ、又は天井に
吊り下げたシャンデリヤなどに多数取り付けて使用され
る。

【０００４】図５は、そのような装飾電球の具体的な一
例を示す図である。同図に示す装飾電球１は、中空の透
明な球２（図では手前右側を切り欠いて示している）の
中に、複数個の豆電球３を封入し、これらの豆電球３を
リード線４で直列に接続した両方の終端を、口金５の一
方の電極５−１（口金の側部）と他方の電極５−２（絶
縁材を介して口金５の底部を挿通する導電部材）に夫々
接続している。この装飾電球１は、複数個の豆電球３を
夫々異なる色に彩色するなどして用いると華麗な電飾を
実現することができる。尚、上記の豆電球３には、通
常、タングステンの通電抵抗による熱で発光する白熱豆
電球が用いられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、元来、白熱
電球は電力の光変換効率が極めて悪い。蛍光灯に比較す
ると、電力の多くは熱として消失してしまい、発光する
光量の割りには消費電力が大きい。したがって、上記の
ように多数の白熱豆電球を一度に点灯して用いる装飾電
球では、電力が不経済であるという問題を有している。
また、白熱豆電球は種々の特性も比較的不揃いで寿命も
短い。そして１個でも白熱豆電球の寿命が尽きると装飾
電球が使用出来なくなるから全体としての装飾電球の寿
命が短くなるという問題が発生する。

【０００６】もっとも、消費電力が小さく寿命が長い発
光体としてはＬＥＤ（発光ダイオード）素子が知られて
いる。図６は、ＬＥＤ素子を透明な樹脂又はガラス製の
球体内に埋設したＬＥＤ発光球を示す図である。同図
(a) はその平面図であり、同図(b) は側断面図、同図
(c) は底面図である。同図(a),(b),(c) に示すように、
ＬＥＤ発光球は、底部にフランジ６を一体に形成された
エポキシ樹脂製の球体７と、この球体７の外に一端が引
き出され、他端が球体７内に埋設された２本のリード線
８と、球体７の内に埋設され上記２本のリード線８の他
端に接続されたＬＥＤチップ９とで構成されている。Ｌ
ＥＤチップ９には１個又は複数個のＬＥＤ素子が配設さ
れている。ＬＥＤ発光球の光量を増やしたいときには所
望の光量に応じてＬＥＤ素子数を増やすか、又はＬＥＤ
素子に印加する電圧が大きくなるようにする。このよう
なＬＥＤ発光球の球体７の直径Ψは、通常は３ｍｍ〜５
ｍｍ程度のもが多く、大きなものでも１０ｍｍ程度であ
る。

【０００７】ところで、図７(a) 〜(e) に示すように、
ＬＥＤ素子の発光は、指向性が極めて強い。同図(e) に
示すように、照射角度が狭いものでは正面方向に１０度
以下の照射角度しか有していない。同図(d) から同図
(a) まで上に行くほど照射角度が広いものを示している
が、同図(a) に示す照射角度が広いものでも正面方向に
８０度程度の広がりしか有していない。したがって、一
般には、ＬＥＤ発光球は、例えば駅構内などで見受けら
れる発車時刻表示板、空港で見受けられる発着時刻案内
板、あるいは比較的小型の信号灯など、正面方向から情
報を読み取る装置の表示素子として用いられることが多
い。

【０００８】このように、ＬＥＤ発光球の放射光の広が
りは極めて狭いから、これを装飾電球に封入してみて
も、その発光が四方八方に照射されないため装飾光にな
らず、用途としては不向きである。したがって、ＬＥＤ
発光球を装飾電球に組み付けるという発想は元来から無
く、上記のように四方八方から発光が眺められる必要の
ある装飾電球などには、照射光に指向性の無い白熱豆電
球を専ら使用せざるを得なかったものである。

【０００９】そして、図５に示したような装飾電球に白
熱豆電球を使用する場合、所望の色に合わせて予め白熱
豆電球の球面を彩色しなければならないから、手数がか
かって面倒であるという問題も解決されないままであっ
た。

【００１０】本発明の課題は、耐久性があり八方からの
視認性がよく電力消費の少ない複数の発光球を内部に備
えた装飾電球を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
装飾電球の構成を述べる。本発明は、中空の透明な球
と、該球の開口部に固着して複数の電極を形成する基部
と、該基部の電極に接続され上記球内に封入された複数
個の発光球とを備えた装飾電球を前提とする。

【００１２】本発明の装飾電球においては、上記発光球
は、球体の底部方向を除く全球面方向に光を放射するＬ
ＥＤ発光球で構成される。上記球体は、例えば請求項２
記載のように、表面をすりガラス状に形成してなり、ま
た、例えば請求項３記載のように、頂上部をすり鉢状に
形成してなり、また例えば請求項４記載のように、表面
に球体とほぼ同質の微細粒子を貼着してなり、また、例
えば請求項５記載のように、表面をダイヤカット状に形
成してなり、また、例えば請求項６記載のように、表面
に光拡散性部材を覆着してなり、また例えば請求項７記
載のように、光拡散剤を含有してなる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図１(a),(b),(c) は、本発明
の実施の形態における装飾電球の構成を模式的に３例示
している。同図(a) に示す装飾電球１０ａは、ガラス又
は硬質樹脂からなる中空の透明な球１１と、該球１１の
開口部（図では下部）に固着して電極を形成する口金１
２（基部）と、球１１内に封入された複数個（図では４
個）のＬＥＤ発光球１４とからなる。これら複数個のＬ
ＥＤ発光球１４は、口金１２の一方の電極１２−１（口
金１２の胴部）と他方の電極１２−２（口金１２の下部
に絶縁部材１５を介して挿通されている導電部）との間
に後述するリード線によって夫々個別に適宜の抵抗を介
して接続されている。これらの接続は例えばスポット熔
接などの高熱に耐え得る方法によって行われる。これは
以下の例においても同様である。

【００１４】同図(b) に示す装飾電球１０ｂ（図では手
前左側を一部切り欠いて示している）は、同様に球１１
と口金１２と複数個（図では６個）のＬＥＤ発光球１４
を備えている。この装飾電球１０ｂでは、輪状の２つの
端子１６−１及び１６−２に、６個のＬＥＤ発光球１４
が並列に接続されている。輪状の一方の端子１６−１は
口金１２の一方の電極１２−１に接続され、輪状の他方
の端子１６−２は、抵抗１７を介して口金１２の他方の
電極１２−２に接続されている。

【００１５】そして、同図(c) に示す装飾電球１０ｃ
（この図も手前左側を一部切り欠いて示している）も、
同様に、球１１と口金１２と複数個（図では５個）のＬ
ＥＤ発光球１４を備えている。この場合は、複数個のＬ
ＥＤ発光球１４が直列に接続され、その一方の終端が口
金１２の一方の電極１２−１に接続され、他方の終端が
抵抗１８を介して口金１２の他方の電極１２−２に接続
されている。

【００１６】このように、球１１に封入されるＬＥＤ発
光球１４の数は適宜でよく、また口金１２へは個々に接
続してもよく、並列に接続してもよく、または直列に接
続してもよい。いずれの場合も、ＬＥＤ発光球１４の接
続方法及び個数並びに使用する電源電圧に応じて適宜の
値を有する抵抗を介して電極に接続する。

【００１７】図２(a) 〜(f) は、上記の装飾電球１０
（１０ａ、１０ｂ、１０ｃ）に用いられるＬＥＤ発光球
１４の構成の例を夫々示す図である。同図(a),(b),(e),
(f) は側断面図で示しており、同図(c),(d) は外観側面
図で示している。同図(a) 〜(f) に示すＬＥＤ発光球１
４（１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ、１４ｅ、１４
ｆ）は、いずれもエポキシ樹脂製の球体２１（２１ａ、
２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ、２１ｅ、２１ｆ）と、この球
体２１の外に一端が引き出され、他端が球体内に埋設さ
れた２本のリード線２２と、これら２本のリード線２２
の他端に接続され球体２１内に埋設されたＬＥＤチップ
２３（同図(c),(d) では、外観側面図であるため、ＬＥ
Ｄチップ２３は見えない）とで構成されている。

【００１８】上記ＬＥＤチップ２３には適宜の色の光を
発光する１個のＬＥＤ素子が搭載されている。ＬＥＤ素
子が発光する色の種類は、ＬＥＤ素子を構成する材料に
よって異なる。例えば、ｐ−ｎ結合においてＧａ−Ａｓ
の構成であれば赤外光、Ｏ2をドープ（semiconductor d
oping: 不純物添加）したＧａ−Ｐの構成であれば赤色
光、また、Ｎ2 をドープしたＧａ−Ｐの構成であれば緑
色光を発光する。さらに近年、青色を発光するＬＥＤ素
子も研究段階から漸く実用の域に入っている。これらの
ＬＥＤ素子が発光する光量は、ＬＥＤ素子に印加される
バイアス電圧によって流れる電流によって決まる。した
がって、抵抗素子の抵抗値を適宜に変更すれば光量を変
えることができる。また、チップに搭載する素子数を増
やしてもよい。あるいは球体内に埋設するチップ数を増
やしても良い。

【００１９】尚、上記球体２１の直径φは３ｍｍ〜１０
ｍｍ程度に形成される。勿論、直径φはこれより大きく
てもよく、また小さくてもよい。そして、いずれの球体
２１（２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ、２１ｅ、２１
ｆ）も、その表面は適宜の処理により夫々特別の加工が
施されている。

【００２０】先ず、図２(a) に示すＬＥＤ発光球１４ａ
の場合は、球体２１ａの表面に、すりガラス状の形状加
工２５が食刻により又は成型によって施されている。こ
れにより、ＬＥＤ素子２３の発光が、すりガラス状に形
状加工された球体２１ａの表面のランダムな方向を向く
空気との界面で、一部はランダムな方向に屈折して外部
に放射され、残る部分はランダムな方向で内部に反射さ
れる。その反射方向の球体２１ａ表面のランダムな方向
を向く界面で再び一部はランダムな方向に屈折して外部
に放射され、残る部分は内部にランダムに反射されると
いうことを繰り返して、ＬＥＤ発光球１４ａの発光が、
球体２１ａの底部方向を除く全球面方向に拡散して放射
される。

【００２１】次に、同図(b) に示すＬＥＤ発光球１４ｂ
は、球体２１ｂの胴側部２６は平滑であるが頭頂部（球
体正面）に、すり鉢状の凹部２７が切削又は成型により
形成されている。すり鉢状の凹部２７の表面の傾斜を適
宜に設定することにより、ＬＥＤ素子２３から放射され
る照射角度の狭い発光が、一部は外部に屈折して拡散照
射し、残りは横方向に反射して側面から外部に照射され
る。この場合も球体２１ｂの正面、横方向および斜め後
方に、すなわち、球体２１ｂの底部方向を除く全球面方
向に光が放射される。

【００２２】続いて、同図(c) に示すＬＥＤ発光球１４
ｃは、球体２１ｃの全面にダイヤカット面２８が刻設又
は成型されている。この場合もＬＥＤ素子２３から放射
される照射角度の狭い発光は、球体２１ｃの表面のダイ
ヤカット面２８のランダムな方向を向く界面で乱反射さ
れて、球体２１ｃの底部方向を除く全球面方向に放射さ
れる。

【００２３】また、同図(d) に示すＬＥＤ発光球１４ｄ
は、球体２１ｄの全面に球体２１ｄとほぼ同質の無数の
微細粒子２９を樹脂性接着剤等で被着して形成される。
この場合もＬＥＤ素子２３から出射される照射角度の狭
い発光は、球体２１ｄの表面の微細粒子２９の不規則な
界面で乱反射されて、球体２１ｄの底部方向を除く全球
面方向に光が放射される。

【００２４】更に、同図(e) に示すＬＥＤ発光球１４ｅ
は、通常のＬＥＤ発光球の球体２１ｅの全面に、光拡散
性を備えたキャップ部材３１を纏着して形成される。キ
ャップ部材３１の光拡散性はどのように形成してもよ
い。例えば同図(a)、(c) 又は(d) のような表面構造に加
工したものでもよい。このキャップ部材３１は、通常の
ＬＥＤ発光球に纏着して用いることができるの、既存の
ＬＥＤ発光球をそのまま活用できて便利である。この場
合もＬＥＤ素子２３から出射される照射角度の狭い発光
は、球体２１ｅに纏着したキャップ部材３１の光拡散性
により拡散され、球体２１ｅの底部方向を除く全球面方
向に光が放射される。

【００２５】また、同図(f) に示すＬＥＤ発光球１４ｆ
は、球体２１ｆの内部に、光拡散剤３２を含有してい
る。この球体２１ｆの外観は乳白色である。この場合
は、ＬＥＤ素子２３が発光すると、光は光拡散剤によっ
て球体２１ｆの内部で拡散される。そして、やや蛍光を
帯びた感じの光となって球体２１ｅの底部方向を除く全
球面方向に放射される。

【００２６】このように装飾電球１０内に封入される複
数個のＬＥＤ発光球１４が、いずれも四方八方に光を放
射するので、白熱豆電球を用いた場合と同様な視認性の
よい装飾電球を構成できる。しかも、耐久性があり、省
電力であり、任意の発光色を容易に設定でき、ＬＥＤ特
有の波長の収束したきらめきのある光が得られるから、
電飾に極めて適した装飾電球を形成することができる。

【００２７】図３及び図４に、上述したＬＥＤ発光球１
４を封入して用いる装飾電球の形状について参考のため
数例を図示している。図３(a) 〜(e) は、ねじ込み式の
口金を有する装飾電球の例であり、いずれも球内に配設
されたＬＥＤ発光球の図示を省略している。同図(a) は
ボール型の球、同図(b) は白熱電球型の球、同図(c)は
やや長方形の球、同図(d) は縦長に延びた球、同図(e)
は卵形に先の尖った球を夫々示している。

【００２８】また、図４(a),(b) は、側部下端に２個の
ボスを備えた差し込み式の口金を有する装飾電球の例で
ある。この形状の口金は、ソケットに差し込んで少しひ
ねっただけで、口金の側部下端の２個のボスが、ソケッ
トの差し込み部の裏側に回り込んでソケットに係止する
にようになっており、ソケットへの着脱が容易である。
この場合も球内に配設されたＬＥＤ発光球の図示を省略
している。同図(a) は逆三角形の球、同図(b) はボール
型の球を夫々示している。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装飾電球の球内に封入する複数個の発光球に四方八方に
光を放射するＬＥＤ発光球を用いるので、全体として耐
久性があり省電力で経済的な装飾電球を提供することが
できる。また、ＬＥＤ発光球を用いるので、発光色の設
定が容易で且つ量産でき、したがって、あらゆる規模の
需要に対処することができる。また、ＬＥＤ発光球を用
いるので、ＬＥＤ特有の波長の収束したきらめきのある
発光が得られ、したがって、より電飾に適した装飾電球
を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a),(b),(c) は本発明の実施の形態における装
飾電球の構成を模式的に３例示す図である。

【図２】(a) 〜(f) は本発明の実施の形態における装飾
電球に用いられるＬＥＤ発光球の構成の例を夫々示す図
である。

【図３】(a) 〜(e) は本発明の実施の形態における装飾
電球の形状の例を夫々示す図（その１）である。

【図４】(a),(b) は本発明の実施の形態における装飾電
球の形状の例を夫々示す図（その２）である。

【図５】従来の装飾電球の一例を示す図である。

【図６】従来のＬＥＤ発光球の例を示す図である。

【図７】(a) 〜(e) はＬＥＤ素子の発光が強い指向性を
持つことを説明する図である。

【符号の説明】

１従来の装飾電球２球３豆電球４リード線５口金５−１電極（口金側部）５−２電極（口金底部の導電部材）６フランジ７球体８リード線９ＬＥＤチップ１０（１０ａ、１０ｂ、１０ｃ）装飾電球１１球１２口金１２−１電極（口金胴部）１２−２電極（口金下部の導電部）１４（１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ、１４ｅ、１４
ｆ）ＬＥＤ発光球１６−１、１６−２輪状の端子１７、１８抵抗２１（２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ、２１ｅ、２１
ｆ）球体２２リード線２３ＬＥＤチップ２５すりガラス状の形状加工２６胴側部２７すり鉢状の凹部２８ダイヤカット面２９微細粒子３１光拡散性キャップ部材３２光拡散剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中空の透明な球と、該球の開口部に固着
して複数の電極を形成する基部と、該基部の電極に接続
され前記球内に封入された複数個の発光球とを備えた装
飾電球において、前記発光球は、球体の底部方向を除く全球面方向に光を
放射するＬＥＤ発光球であることを特徴とする装飾電
球。
【請求項２】前記球体は、表面をすりガラス状に形成
してなることを特徴とする請求項１記載の装飾電球。
【請求項３】前記球体は、頂上部をすり鉢状に形成し
てなることを特徴とする請求項１記載の装飾電球。
【請求項４】前記球体は、表面に球体とほぼ同質の微
細粒子を貼着してなることを特徴とする請求項１記載の
装飾電球。
【請求項５】前記球体は、表面をダイヤカット状に形
成してなることを特徴とする請求項１記載の装飾電球。
【請求項６】前記球体は、表面に光拡散性部材を覆着
してなることを特徴とする請求項１記載の装飾電球。
【請求項７】前記球体は、光拡散剤を含有してなるこ
とを特徴とする請求項１記載の装飾電球。