JPH1048776A - 印刷用紙および用紙パッケージ - Google Patents

印刷用紙および用紙パッケージ

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JPH1048776A
JPH1048776A JP20568696A JP20568696A JPH1048776A JP H1048776 A JPH1048776 A JP H1048776A JP 20568696 A JP20568696 A JP 20568696A JP 20568696 A JP20568696 A JP 20568696A JP H1048776 A JPH1048776 A JP H1048776A
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printing
printing paper
package
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JP20568696A
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English (en)
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Kenichi Sato
健一 佐藤
Morihiko Yamada
守彦 山田
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Cycolor System Inc
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Cycolor System Inc
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性の印刷用紙において、様々な要因で発
生する感度のばらつきをプリンターで自動的に調整する
ことができる印刷用紙および用紙パッケージを提供す
る。 【解決手段】 感度のばらつきにより印刷装置の露光条
件を制御するための情報をバーコード化して印刷用紙1
の裏面1aあるいは用紙パッケージの先頭に挿入された
データシートに設ける。バーコード30は、印刷装置の
紙送り方向に沿って形成されるので、印刷装置に紙送り
されるときにバーコード30の内容を印刷装置側で読み
取り、露光条件を自動的に調整することが可能になる。
これにより、ユーザーは感度のばらつきを気にすること
なく、均質な画像を印刷することができ、一方、印刷用
紙を提供する側も、少量づつパッケージングして流通過
程にのせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイカラーメディ
アなどの感光材の層が形成された感光性の印刷用紙およ
び用紙パッケージに関するものであり、特に、プリンタ
ーやファックスなどの印刷装置において印刷するときに
印刷用紙の感度によって露光条件を調整することが望ま
しい印刷用紙およびその用紙パッケージに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カラープリントの可能な感光性用紙とし
ては、例えば、赤、緑および青の感乳剤層を感光材とし
て表面に積層した多層乳剤発色法を用いたプリント材料
(メディア)や、発色物質を含んだ無数のマイクロカプ
セルを備えた感光材の層を有するサイカラーメディアな
どが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1に、近年開発さ
れ、市販が計画されている支持フィルムと感光フィルム
が一体となったコンポジット型のサイカラーメディアの
概要を示してある。このサイカラーメディア1は、薄い
ポリエステルなどのフィルム(支持フィルム)2上に、
サイリスと呼ばれるマイクロカプセルを無数に含んだ感
光材の層9が形成されたメディアである。サイリスを含
んだ感光材は、従来、感光フィルムとして支持フィルム
とは別途提供されていたものであるが、図1に示したメ
ディアは支持フィルム2に感光材9が積層されたコンポ
ジットタイプとして提供されている。一般に、サイリス
3は、シアン、マゼンダ、イエローの発色物質のうちの
1つと、特定の波長の光に感度を有するフォトイニシェ
ーターと呼ばれる感応物質が封入された3色に対応した
ものが均等に塗布されており、様々な色の画像が形成で
きるようになっている。それぞれのサイリス3に封入さ
れたフォトイニシェーターは特定の波長の光が照射され
ると、該当するサイリスを硬化させて発色物質の発色反
応を不活性化させるようになっており、各発色物質を含
んだサイリス3はそれぞれの補色の光、すなわち、シア
ンを含んだサイリス3aは赤、マゼンダを含んだサイリ
ス3bは緑、イエローを含んだサイリス3cは青の光が
照射されるとフォトイニシェーターによってサイリス3
a〜3cのそれぞれが不活性化するようになっている。
【0004】サイカラーメディア1は、まず、このよう
な3色のサイリス3a〜3cを所定の色の光で画像を露
光し、活性化あるいは不活性化する。そののち、高い圧
力をかけて活性化しているサイリス3a〜3cをつぶし
てサイリス3a〜3cの上面にコーティングされたレシ
ーバ4と呼ばれる透明なポリエステル等により形成され
ている受像層と化学反応させることにより画像を発色さ
せる。たとえば、赤の光のみを照射した場合には、3色
のサイリス3a、3b、および3cのうちシアンのサイ
リス3aのみがフォトイニシェーターによって硬化す
る。このため、圧力をかけるとマゼンダ、イエローのサ
イリス3bおよび3cがつぶれてマゼンダとイエローの
発色物質が発色する。その結果、それらの発色物質が混
ざって赤を発色する。同様に、緑の光を照射した場合に
は、シアンとイエローのサイリス3aおよび3cがつぶ
れて緑を発色し、青の光を照射した場合には、シアンと
マゼンダのサイリス3aおよび3bがつぶれて青を発色
する。
【0005】さらに、フォトイニシエーターの光に対す
る応答はデジタル的ではなく連続であるため、露光時に
照射された光量に応じたそれぞれのサイリスの発色が得
られる。従って、露光時の光量を制御することにより任
意の階調が表現することが可能であり、サイカラーメデ
ィアを用いてフルカラープリントを実現することができ
る。
【0006】このように、露光時に適当な光量を照射す
ることによって任意の階調を表現できるが、メディアの
製造過程においては、レシーバの厚みの差などの製造工
程上の公差があり、また、フォトイニシエーターやレシ
ーバなどの素材の微妙な性能の差などによりメディア毎
に感度にばらつきがある。このため、メディア毎に微妙
な色や色調の差が発生する。このような感度のばらつき
は、製造時期あるいは素材によってロット毎に傾向や差
がほとんど同じになることが多い。このため、製造され
たロット毎に感度のばらつきの傾向や量などを示す表示
が付されており、従来は、ユーザーがロット毎の表示に
基づいてプリンターやファックスなどの感光性の印刷用
紙を取り扱う印刷装置の特性を手動で調整していた。
【0007】従来のサイカラーメディアにおいては、感
光フィルムが支持フィルムとは別に供給され、感光フィ
ルムを印刷装置にセットするときにその表示に基づいて
印刷装置の調整を行えば良かった。さらに、専門のユー
ザーが1ロットの感光フィルムを一括で購入するケース
が殆どであり、いったん印刷装置の露光条件を調整すれ
ば長期間にわたり同一色調の画像を印刷することができ
た。
【0008】これに対し、近年登場した、上記の図1に
示したようなコンポジット型のサイカラーメディアは、
定型のシートサイズの印刷用紙として提供することが可
能であり、少量をパッケージングして一般のユーザーに
対して必要に応じて購入できる商品として安価に提供す
ることができる。このような少量の枚数のメディア(印
刷用紙)をパッケージングした形態の商品として提供す
ると、一般のユーザーの購入経路は様々であるので、同
一の一般ユーザーが同一のロットのサイカラーメディア
を連続して使用するほとんどない。従って、印刷用紙が
終わってパッケージを交換するたびに印刷装置の特性を
調整する作業が必要になってしまう。また、パッケージ
に感度の差を示す表示を付したとしても、印刷が専門の
ユーザーと異なり、パソコンなどと共にプリンターを使
用する一般のユーザーは必ずしもその意味を的確に理解
して印刷装置の特性を調整するとは限らず、さらに、色
調の異なる画像が印刷されると印刷装置の不良やサイカ
ラーメディアの不良として解釈される可能性もある。ロ
ット間の感度の差がほとんど生じないメディアを製造
し、提供することも可能になるとは思われるが、そのた
めに必要な製造工程や薬品の管理、さらに、許容範囲が
狭くなることによる歩留りの低下を考慮するとサイカラ
ーメディアの製造コストが大幅に高くなり、一般のユー
ザーに対し安価に提供することが難しくなる。このよう
な問題は、サイカラーメディアにかぎらず、他の感光材
を用いた印刷用紙にとって共通したものである。特に、
今後、フルカラー印刷が一般化するにつれて、微妙な色
調の差や発色強度の差に対する一般ユーザーの要求品質
は高くなるものと考えられる。
【0009】そこで、本発明においては、ある程度のロ
ット間の感度のばらつきを許容して安価に印刷用紙を提
供できると共に、印刷時にはユーザーが調整しなくと
も、自動的に色調や発色強度などがほぼ均一な画像が得
られる印刷用紙および用紙パッケージを提供することを
目的としている。さらに、印刷装置側においても、簡単
な構造で安価に露光条件の調整ができる印刷用紙および
用紙パッケージを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、印刷用紙の裏面に露光条件の調整を行うための情
報を設け、各印刷用紙毎に印刷装置が情報を読み込んで
露光条件を自動的に調整できるようにしている。また、
本発明においては、複数の印刷用紙がパッケージングさ
れた用紙パッケージの先頭に露光条件の調整を行うため
の情報を備えたデータ用紙を挿入し、用紙パッケージ毎
に印刷装置がデータ用紙から情報を読み込んで自動的に
露光条件の調整を行えるようにしている。すなわち、本
発明の、表面に感光材が塗布され、印刷装置によって画
像を露光可能な印刷用紙においては、裏面に印刷装置の
露光条件を制御するための情報を有することを特徴とし
ている。また、本発明の、表面に感光材の層が形成さ
れ、印刷装置によって画像が露光可能な複数の印刷用紙
が積み重ねられてパッケージングされた用紙パッケージ
においては、印刷用紙に先立って印刷装置に給紙される
ように積み重ねられたデータ用紙を有しており、このデ
ータ用紙に印刷装置の露光条件を制御するための情報が
設けられていると共に、データ用紙であることを示す情
報も設けられていることを特徴としている。
【0011】本発明の印刷用紙および用紙パッケージに
おいては、印刷用紙毎あるいは用紙パッケージ毎に露光
条件を調整するための情報が印刷装置によって自動的に
読み取られるようになっているので、ユーザーが関与せ
ずに印刷装置側で自動的に露光条件を制御することが可
能となる。このため、感度の異なる印刷用紙や用紙パッ
ケージが使用されても、印刷装置の側で自動的に露光条
件を制御し、ほぼ同一の色調や発色強度を備えた画像を
印刷することができる。従って、少量の印刷用紙をパッ
ケージングして供給することによりロットが異なり、感
度のばらついた印刷用紙がユーザーの手元に供給される
ことになっても、ユーザーの手を煩わせることなく印刷
用紙の感度に合った印刷を行うことが可能となる。この
ため、メディアを安価に提供でき、そのメディアを用い
て均一なカラープリントを行うことができる。
【0012】感光性のメディアを小量毎に流通するため
に、流通過程での露光を防止する遮光性のパッケージン
グ材でそれぞれのパッケージが梱包される。従って、パ
ッケージング材(外装材)の表面に金属箔などの導通材
を貼って導通、非導通を検出し、感度のばらつきに関す
る情報を読み取れるようにすることも可能である。しか
しながら、外装材ごと印刷用紙が印刷装置にセットされ
るとは限らず、外装材から印刷用紙を取り出してセット
するような機構になっているとユーザーがその情報を何
らかの手段により印刷装置に与える必要が生ずる。さら
に、外装材ごと印刷用紙が印刷装置にセットされても、
導通、非導通を検出するためには、給紙口に複数の電極
を配置した検出機構が必要となり、そのような検出機構
はスペースが必要となる割りに高価であり、また、得ら
れる情報量も少ない。外装材の表面にバーコードなどの
情報量の多い符号を付すことも可能であるが、表面に記
載された符号を読み取るためには、パッケージ材の表面
を走査するような読み取り機構が必要になってしまう。
【0013】これに対し、本発明の印刷用紙において
は、印刷装置に必ず紙送りされる印刷用紙に感度のばら
つきに関する情報が付されているので、印刷装置内でそ
の情報を読むことができる。また、用紙パッケージにお
いても、印刷用紙と同様に紙送りされるデータ用紙に情
報を付してあるので、印刷装置側で自動的に情報を読む
ことができる。さらに、感度のばらつきに関する情報を
印刷装置に対して紙送りされる方向に沿って並んだ符号
によって形成することにより、印刷装置内の紙送り動作
を用いて符号を走査し情報を読み込むようにすることが
できる。従って、符号の検出装置や検出光を情報が走査
可能なように移動する機構を印刷装置側に設ける必要は
なく、簡単な機構で露光条件を制御するための情報を読
み込むことができる。さらに、情報を表示する符号とし
ては、バーコードのような情報密度が高く、読み取り時
の信頼性の高い符号を用いることができる。符号は、光
学的に読み取れるもの、磁気的に読み取れるものなど様
々な検出方法に対応したものを印刷用紙あるいはデータ
用紙に付すことができる。
【0014】印刷用紙の裏面に符号を付す場合は、表面
に画像が印刷された際に、その画像に符号の影が写り込
まないように、少なくとも可視光領域では透明となる素
材により付すことが望ましい。例えば、赤外線領域での
反射率が高くなるように屈折率の異なる薄膜を積層して
バーコードなどの符号を形成することが可能である。ま
た、透明な磁気インクなどを用いて符号を付すことも可
能である。
【0015】一方、情報を備えたデータ用紙をパッケー
ジ内に設ける場合は、データ用紙であることを示す第1
の情報、および露光条件を制御するための第2の情報を
共にデータ用紙の紙送りされる方向にほぼ一列に並んで
形成することが望ましい。印刷装置内の紙送り機構を用
いて1つの検出機構で第1および第2の情報を読み取る
ことができる。また、これら第1および第2の情報は、
バーコードなどの符号を用いて構成することが可能であ
り、データ用紙に符号を付す場合は、可視光で判別でき
るインクを用いても良く、あるいはアパーチャーカード
のように、列状に並んだ開口により情報を符号化するこ
とも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2に、感光性のメディア、例え
ば、上述したサイカラーメディアを印刷可能なプリンタ
ーの例を示してある。本例のプリンター10は、薄いほ
ぼ直方体状のハウジング11に収納されており、その前
面のフロントパネル12に用紙カセット15をセットす
る装着口13と、印刷されたメディア(印刷用紙)1が
排出される排出口14が上下に並んで設けられている。
本例のプリンター10は、CD−ROMドライブ装置あ
るいは5インチのフロッピーディスクドライブ装置など
と同じ5インチファイルベイサイズに纏められており、
パソコン本体にこれらのドライブ装置と同様にビルトイ
ンできるようになっている。パソコン本体にこのプリン
ター10を収納すると、パソコン本体の前面にプリンタ
ーのフロントパネル12が現れ、フロントパネル12か
ら用紙カセット15をセットでき、印刷された用紙を前
面から排出できるフロントイン・フロントアウトのフロ
ントローディング方式のプリンターである。
【0017】本例の用紙カセット15は、複数枚の印刷
用紙1がパッケージングされた定型の用紙パッケージ6
を収納可能な形状であり、8方の壁面が全て遮光性のプ
ラスチックにより形成されている。そして、プリンター
10の装着口13に差し込まれる側に開閉可能なシャッ
ター15aが設けられており、このシャッター15aを
介して用紙カセット15からプリンター10の内部にメ
ディア(印刷用紙)1が供給されるようになっている。
印刷用紙1は、複数枚が上下に積み重ねられてたものが
1つのセットとして供給されており、このセットを遮光
性の薄膜からなるパッケージ材5によってパッケージン
グし、用紙パッケージ6としてユーザーに供給される。
従って、ユーザーは購入した用紙パッケージ6を用紙カ
セット15の内部にセットして、その用紙カセット15
をプリンター10に装着することにより感光性の印刷用
紙1に印刷できるようになっている。このように、定型
型の感光性の印刷用紙を数十枚程度に分けてパッケージ
ングすることにより、ユーザーは必要に応じた量を何時
でも購入することが可能となるので、手軽に、また、安
価に感光性の印刷用紙を用いた印刷を行うことができ
る。例えば、サイカラーメディアを用いることにより、
写真のような光沢性のがある綺麗な印刷を行うことがで
き、さらに、保存のためにラミネートなども不要で耐久
性の高い印刷が行える。また、感光性の印刷用紙は、ト
ナーやインクリボンなどは不要なので消耗品が少なくて
すみ、省資源および環境保護の面でも優れている。
【0018】図3に示したように、本例の用紙パッケー
ジ6は、印刷用紙1を複数枚束ねて用紙束8として、そ
の用紙束8を黒色のポリプロピレンなどの遮光性の薄膜
の外装材5に収納してある。本例の印刷用紙1は、図1
に基づき説明したように、表面1aにサイリス(マイク
ロカプセル)を備えた感光材の層が形成された長方形の
定型形のメディアであり、裏面1bには印刷用紙1の長
手方向に沿ってバーコード30が付されている。このバ
ーコード30は、印刷用紙1の感度のばらつきを示す情
報であり、印刷用紙1が工場製作される最終過程で各ロ
ット毎に感度のばらつきが決定され、その状態を示す情
報がバーコードとして符号化されて印刷されたものであ
る。従って、印刷装置10は、このバーコード30を読
み取ることにより露光条件を微調整することが可能であ
り、各印刷用紙1の感度に適した露光量を設定し、感度
の異なる印刷用紙1に対しても同じ色調や同じ発色度合
いの均質な画像を印刷することができる。先に説明した
ように、印刷用紙の感度のばらつきは製造工程の条件の
微妙な相違や感光材として用いられている素材の性能の
微妙な相違などによって発生するものである。そこで、
本例の印刷用紙は、この感度のばらつきを印刷する際に
吸収可能な適当な範囲に収めることにより、過剰な品質
管理によるコストアップを防止し、安価に一般ユーザー
に感光性のメディアを提供可能とすると共に、その感度
のばらつきを自動的に読み取れる情報化して均質な画像
が得られるようにしている。
【0019】印刷用紙1の裏面1bに印刷されたバーコ
ード30は、図4に示すように、パッケージ5から印刷
装置内に紙送りされる方向Xに沿って形成されている。
従って、印刷装置の紙経路において、印刷用紙の裏面1
bと対峙する側の、バーコード30に面する位置に光検
出センサーを設けておけば、印刷用紙1が紙送りされる
ときにバーコード30が検出センサーの前面を所定の速
度で動くのでバーコード30を自動的に読み取ることが
できる。このため、印刷装置側でセンサーを移動させた
り、レーザー光をバーコード30に沿って走査するとい
った機構は不要であり、極めて簡単な読み取り機構で本
例の印刷用紙1に付されたバーコード30を読み取るこ
とができる。
【0020】さらに、本例のバーコード30は、屈折力
の異なる透明な薄膜を積層して赤外領域の光は反射し、
可視領域の光は透過する透明タイプのバーコードとなっ
ている。このため、印刷装置の側には赤外線をバーコー
ドに照射して反射した光を検出する光を用意する必要が
ある。このような赤外線を用いた検出機構は現状では極
めて安価に入手可能であり、感光性の印刷用紙を取り扱
う印刷装置においては紙エンドセンサーなどとして通常
用いられるものである。一方、可視光領域では透明なバ
ーコード30を採用することにより、印刷用紙の表面1
aの側から裏面1bのバーコードが透けて見えたり、あ
るいは、画像の中に写り込んでしまうような事態を防止
できる。コンポジットタイプのサイカラーメディアにお
いても、支持フィルム2を薄くして軽量化・低価格化
し、さらに、フレキシビリティーのあるメディアにする
ことが盛んに検討されている。従って、今後のメディア
においては、裏面1bに印刷されたバーコードなどの影
響が表面1aに現れないように十分に配慮することが必
要になると思われる。
【0021】これに対し、現状の写真用の印画紙のよう
に十分な厚みを持った印刷用紙においては、裏面1bに
印刷した内容の影響が画像の形成された表面1aに現れ
ることはないので、通常のインクを用いてバーコード3
0を印刷することももちろん可能である。あるいは、裏
面1bに印刷された適当なデザインの一環としてバーコ
ード30を印刷することも可能である。さらに、予めバ
ーコードの印刷されたシートをそれぞれの印刷用紙1の
裏面1bに貼りつけて感度のばらつきの情報を印刷用紙
1に付与することも可能である。また、磁気インクなど
の光学的な検出方法によらない素材によりバーコードを
形成することも可能である。さらに、感光材の感度のば
らつきを示す情報を磁気インク文字や磁気データなどの
他の媒体を用いて符号化して印刷用紙1に設けることも
もちろん可能である。
【0022】プリンター10の概略構成を側方から示し
た図5および図6のレイアウト図に基づき説明する。本
例のプリンター10は、フロントパネル12に装着され
た用紙カセット15から印刷用紙1を一枚一枚ピックア
ップしてハウジング11の内部に供給するピックアップ
ローラー21と、このピックアップローラー21によっ
て引き出された印刷用紙1をハウジング11のほぼ中央
上部に位置する紙送り機構23に導くための給紙経路2
2を備えている。図5に示すように、紙送り機構23
は、給紙経路22から供給された印刷用紙1をハウジン
グ11の後方の保持経路24に送り込む。そして、図6
に示すように、印刷用紙1は保持経路24で方向を18
0度変えられ、再び紙送り機構23によって反対側に紙
送りされながら印刷ヘッド27によって印刷用紙1の表
面1aに画像が露光される。露光された印刷用紙1は、
給紙経路22の上部に設けられた排紙経路28を通って
排紙ローラー29により排出口14からプリンター10
の外部に排出される。
【0023】本例のプリンター10においては、紙送り
機構23の給紙経路22の上方に赤外線を用いたバーコ
ードリーダー26が設置されている。本例においては、
印刷ヘッド27が保持経路24の下側に設けてあるの
で、印刷用紙1は表面1aが下側を向いて給紙される。
従って、バーコードリーダー26は印刷用紙1の裏面1
bと対峙する給紙経路22の上方に設けてある。さら
に、本例のプリンター10においては、印刷用紙1がい
ったん保持経路24に送り込まれた後に印刷(露光)を
開始するので、保持経路24に紙送りされている最中に
バーコード30が読み取れるように、紙送り機構23の
給紙側にバーコードリーダー26を設けてある。これに
より、露光を開始するまえに印刷用紙1に付されたバー
コードを読み取ってその情報によって露光条件を微調整
できるようにしている。従って、本例のプリンター10
においては、感度にばらつきのある印刷用紙1がセット
されても、露光する直前に露光の対象となる印刷用紙に
適した露光条件に調整することが可能である。このた
め、感度の異なる印刷用紙がセットされてもほぼ均質な
色調や発色強度が得られる。
【0024】図7および図8に、データシート7を用い
た用紙パッケージの例を示してある。図7に示すよう
に、本例の用紙パッケージ6は、感光性の印刷用紙の束
8に同じ形状のデータシート7を重ねて外装材5によっ
てパッケージングされている。そして、図8に示すよう
に、用紙パッケージ6が用紙カセットに設定され、プリ
ンター10にセットされると先ず最初にデータシート7
がピックアップされてプリンター10の内部に紙送りさ
れるようになっている。データシート7には、紙送りさ
れる方向Xに沿ってデータシート7であることを示す情
報を備えたバーコード31と、外装材5に同梱された用
紙束の感度のばらつきを示す情報を備えたバーコード3
0が形成されている。本例のバーコード30および31
は、アパーチャーカードと同様に紙送りされる方向に沿
って並んだ複数の開口32から構成されており、図5お
よび図6に示したプリンター10のバーコードリーダー
26によって読み取りできるようになっている。
【0025】本例の用紙パッケージ6がセットされたプ
リンター10においては、先ず最初に、ピックアップロ
ーラー21によって用紙カセット15からデーターシー
ト7がピックアップされる。データシート7は給紙経路
22を通って紙送り機構23によって保持経路24に送
りこまれる。この過程で、バーコードリーダー26によ
り先ずバーコード31が読み取られる。これによって、
プリンター10はデータシート7が送り込まれたことを
判別できる。次に、バーコードリーダー26によってバ
ーコード30が読み取られ、プリンター10の露光条件
の調整が行われる。バーコード31によって、送り込ま
れているシートがデータシート7であることが判別され
ているので印刷(露光)は行われずにデータシート7は
排紙経路28を通ってプリンター10から排紙される。
そして、次の印刷用紙1がピックアップローラー21に
よってピックアップされ、プリンター10に送りこまれ
る。データシート7の情報によってプリンター10は送
り込まれた印刷用紙1の感度に合わせて調整されている
ので、印刷用紙1に適した露光時間などの条件に従って
画像が露光され、適当な色調や色強度のカラープリント
が行われる。プリンター10は、次のデータシートが読
み込まれて情報が更新されない限り、同一の露光条件で
印刷を繰り返す。本例の用紙パッケージ6においては、
少量の印刷用紙1が梱包されているだけなので、同一の
ロット、すなわち、同一の感度を備えた印刷用紙が梱包
されている。従って、そのパッケージ6の最初の印刷用
紙1を印刷するのに先立ってデータシート7に基づきい
ったん適当な露光条件に設置することにより、そのパッ
ケージ6の印刷用紙1に対しては全て同じ露光条件で適
当な画像を得ることができる。
【0026】また、本例の用紙パッケージ6において
は、データシート7を一枚余分に入れることになるが、
用紙束8を構成する印刷用紙1のそれぞれにはバーコー
ドなどを設けておらず、そのための費用を低減すること
ができる。また、データシート7には画像を形成する必
要がないので、開口32を用いてバーコード30および
31を構成したり、あるいは、黒色などの有色のインク
を用いてバーコード30および31を印刷することが可
能である。磁気文字や磁気コードなどの他の媒体を用い
て感度のばらつきに関する情報を付与することも可能で
ある。
【0027】一方、図3および図4に示した用紙パッケ
ージ6は、個々の印刷用紙毎に感度のばらつきを示す情
報が設けられているので、複数の用紙カセットに適当な
サイズの印刷用紙を入れて1つのプリンター10におい
て使い分けたり、あるいは、用紙が終了する以前に用紙
パッケージを入れ換えたりしても印刷する個々の印刷用
紙毎に露光条件の設定が可能である。従って、様々な印
刷用紙に対し均質な画像をプリントすることができる。
もちろん、いったんプリンター10に読み込まれたデー
タシート7を破棄せずに、同一のパッケージを用いた一
連の印刷作業を開始するたびにプリンター10にデータ
シート7を読み込ませることにより確実にプリンターの
感度調整を行うようにすることも可能である。また、本
例においては、データシート7および印刷用紙1の長手
方向に沿ってバーコードを設けてあるが、長手方向と直
交する幅方向に紙送りされる場合は、幅方向にバーコー
ドを設けても良いことはもちろんである。また、長手方
向および幅方向のいずれの方向が紙送りされる方向にな
っても良いように、長手方向および幅方向の両方にバー
コードを設けておくことももちろん可能である。さら
に、データシートあるいは印刷用紙が前後の区別なく紙
送りできるようになっている場合は、前後いずれの方向
から給紙されてもバーコードが読み取りできるようにバ
ーコードを双方向に設けておくことももちろん可能であ
る。
【0028】このように、本例の印刷用紙あるいは用紙
パッケージにおいては、製造ロット毎に感度のばらつき
が発生する場合に、その感度のばらつきに対応してプリ
ンター側の露光条件を調整する情報が印刷用紙の裏面あ
るいは用紙パッケージ中のデータシートに記載されてい
る。従って、プリンターは、印刷を行う前にその情報を
読み取って自動的に露光条件を制御することが可能とな
り、感度の異なる印刷用紙に対してもほぼ同一の色調や
発色強度を備えた画像を印刷することができる。このた
め、ユーザーは、感度の異なる印刷用紙を購入した場合
であっても、その違いを特に意識することなく、同一の
品質の画像を印刷することができる。従って、同一の特
性の印刷用紙を大量に購入しておかなくても、必要に応
じた量を購入すれば良い。少量づつ購入してもそれに伴
う印刷上の手間は増えず、さらに、感光性用紙を印刷前
に感光させてしまうなどといった無駄を防止することが
できる。また、メーカー側においても、印刷用紙のロッ
ト毎に、様々な原因によって多少の感度のばらつきが発
生しても、本発明の印刷用紙あるいは用紙パッケージを
用いてユーザーに提供することにより感度の微調整をプ
リンターの側で自動的に行わせることができる。このた
め、安価に印刷用紙を提供することができ、また、ロッ
トの管理にかかる手間や費用を大幅に削減することがで
きる。さらに、小量づつのパッケージングで販売しても
ユーザーに手間をかけずに使用してもらうことができ、
また、感度にばらつきがあってもほぼ同一の性能の画像
を印刷できるので、印刷用紙の不良あるいは印刷装置の
不良などといった誤解や問い合わせ、さらには製品に対
する不評を未然に防止でき、ユーザーが満足して使用で
きる印刷用紙および用紙パッケージを提供することがで
きる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の印刷用
紙および用紙パッケージは、様々な要因によって発生す
る感度のばらつきに対応して印刷装置の露光条件を制御
するための情報を備えており、印刷装置が自動的にその
情報を読み取って調整できるようになっている。従っ
て、一般のユーザーが、パッケージ毎に感度の異なる印
刷用紙を使用することになっても、各パッケージ毎の感
度のばらつきを気にする必要はなく、また、感度のばら
つきに対応した何らかの操作が要求されることもない。
また、印刷装置の側で自動的に印刷用紙の感度に合わせ
た調整が行われるので、感度の異なる用紙パッケージを
用いてもほぼ同一の品質のカラープリントを得ることが
できる。このため、本発明の印刷用紙および用紙パッケ
ージは、一般のユーザーの使用量に合わせて少量づつパ
ッケージングして販売するのに適しており、安価で均一
な品質の印刷が可能な印刷用紙を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性の印刷用紙の一例としてサイカラーメデ
ィアの構成を示す図である。
【図2】図1に示した印刷用紙を用いてカラープリント
を行うプリンターの概要を示す斜視図である。
【図3】図1に示した印刷用紙をパッケージングする例
を示す図である。
【図4】図3に示した用紙パッケージから印刷用紙が給
紙される様子を示す図である。
【図5】図2に示すプリンターの概略構成を示すレイア
ウト図であり、印刷用紙を給紙する状態を示す図であ
る。
【図6】図2に示すプリンターの概略構成を示すレイア
ウト図であり、印刷用紙を排紙する状態を示す図であ
る。
【図7】図1に示した印刷用紙をデータシートと共にパ
ッケージングする例を示す図である。
【図8】図7に示した用紙パッケージからデータシート
が給紙される様子を示す図である。
【符号の説明】
1・・メディア(印刷用紙) 2・・メディアの支持層 3・・サイリス(マイクロカプセル) 4・・レシーバ 5・・パッケージング材(外装材) 6・・用紙パッケージ 7・・データシート 8・・用紙束 9・・感光材の層 10・・プリンター 11・・ハウジング 12・・フロントパネル 13・・用紙カセットの装着口 14・・印刷用紙の排出口 15・・用紙カセット 21・・ピックアップローラー 22・・給紙経路 23・・紙送り機構 24・・保持経路 26・・バーコードリーダ 27・・印刷ヘッド(露光ヘッド) 28・・排紙経路 29・・排紙ローラー 30、31・・バーコード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に感光材の層を有し、印刷装置によ
    って画像を露光可能な印刷用紙において、裏面に前記印
    刷装置の露光条件を制御するための情報を有することを
    特徴とする印刷用紙。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記情報が前記印刷
    装置に対して紙送りされる方向に沿って並んだ符号によ
    り形成されていることを特徴とする印刷用紙。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記符号はバーコー
    ドであることを特徴とする印刷用紙。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記符号は、少なく
    とも可視光領域では透明な素材により付されていること
    を特徴とする印刷用紙。
  5. 【請求項5】 表面に感光材の層を有し、印刷装置によ
    って画像を露光可能な複数の印刷用紙が積み重ねられて
    パッケージングされた用紙パッケージであって、前記印
    刷用紙に先立って前記印刷装置に給紙されるように積み
    重ねられたデータ用紙を有し、このデータ用紙がデータ
    用紙であることを示す第1の情報と、前記印刷装置の露
    光条件を制御するための第2の情報を備えていることを
    特徴とする用紙パッケージ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記第1および第2
    の情報が前記印刷装置に対して紙送りされる方向に沿っ
    て並んだ符号により形成されていることを特徴とする印
    刷用紙。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記符号はバーコー
    ドであることを特徴とする印刷用紙。
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