JPH1048314A - 衛星受信装置及び衛星受信システム - Google Patents

衛星受信装置及び衛星受信システム

Info

Publication number
JPH1048314A
JPH1048314A JP8202580A JP20258096A JPH1048314A JP H1048314 A JPH1048314 A JP H1048314A JP 8202580 A JP8202580 A JP 8202580A JP 20258096 A JP20258096 A JP 20258096A JP H1048314 A JPH1048314 A JP H1048314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
receiving
reception
satellite
channel
gps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8202580A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinori Hirai
幸紀 平井
Takayuki Kurokawa
隆之 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsumi Electric Co Ltd
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsumi Electric Co Ltd filed Critical Mitsumi Electric Co Ltd
Priority to JP8202580A priority Critical patent/JPH1048314A/ja
Publication of JPH1048314A publication Critical patent/JPH1048314A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、人工衛星から送信された電波が複
数の伝搬経路で多重受信(マルチパス)されて位置デー
タに生じた誤差を減少させることを課題とする。 【解決手段】 GPS受信装置3は、複数のGPS衛星
2からの電波を受信するアンテナユニット4と、アンテ
ナユニット4で受信された信号から現在位置を演算する
GPS本体ユニット5と、現在位置の周辺地図を表示す
る操作・表示部6から構成されている。GPS本体ユニ
ット5は、RFコンバータ9とGPS復調・演算部10
からなる。GPS復調・演算部10のCPU14は、各
GPS衛星からの擬似距離に基づき受信地点から当該G
PS衛星までの補正距離を算出し、擬似距離と補正距離
との差から受信チャンネルが間接受信しているか否かを
判定し、当該受信チャンネルが間接受信しているとき
は、当該受信チャンネルのロックを解除して再度当該受
信チャンネルによる受信周波数をサーチさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星からの電
波を受信し、受信した信号に基づいて現在位置を検出す
る衛星受信装置及び衛星通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星からの電波を受信して現在位置
を求める衛星受信装置及び衛星受信装置を使用した衛星
通信システムとして全世界的側位システム:GPS(Gl
obal Positioning System)を利用した商品開発(例え
ば、測量システムやナビゲーションシステム等)が進め
られている。このGPSは、地球の大気圏外に打ち上げ
られた非静止衛星から放射された電波を受信して受信位
置を求める非静止衛星通信システムであり、軌道高度約
2万kmに周期約12時間、軌道傾斜角度55度で6つ
の軌道面に24個の人工衛星が配置されている。
【0003】GPSで使用される人工衛星(以下「GP
S衛星」と称する)は、精密時刻標準として10-13
日(10ナノ秒/日)の高安定ルビジウム発振器とセシ
ウム発振器の原子時計を搭載している。そして、全ての
GPS衛星の時刻信号がGPSのシステム全体として管
理されている時刻に同期している。
【0004】そのため、各GPS衛星に搭載された原子
時計は、地上の制御局によって常にモニタされており、
定期的に更新された時刻補正データが衛星の軌道予測デ
ータと共に各GPS衛星に送信され、各GPS衛星から
はこの軌道予測データが電波により地上に向けて送信さ
れる。
【0005】尚、GPS衛星から送信された航法信号
は、PN(Pseudo Noise:擬似雑音)コードでスペクト
ル拡散変調されたPSK波(Phase Shift Keying:位相
偏移キーイング)で1575.42MHz(L1)と1
227.6MHz(L2)の2種類の電波が送信されて
いる。このコードはPコード(Precision Code) とC/
Aコード(Clear and Acquisition Code) の2種類があ
る。Pコードは10.23Mbps、周期1週間でL1
とL2の2波使用により電離層補正が行われ、精密測位
を可能にしている。C/Aコードは、1.023Mbp
s、周期約1ミリ秒でL1のみを使用する。
【0006】GPSを利用した測位方法には、次のよう
な原理的に方式の異なる2つの方法がある。として、
直接法による測位で複数の衛星からの電波を受け、その
航法情報(衛星の時刻、軌道要素等)を解読することに
より受信位置を直接算出する方法と、として干渉法に
よる測位方法で2地点に置いた受信装置でGPS衛星か
らの電波を受信し、2台の受信装置に到達する信号の到
達時間差から相対測位を行う方法とがある。
【0007】上記の直接法では、受信装置が3個以上
のGPS衛星から送信された航法信号を受信し、受信装
置に内蔵された水晶時計の時刻と航法情報から得られる
衛星時刻との差から衛星までの距離を測定して受信点の
3次元的位置を求めることができる。実際には、受信装
置の時計自体がずれている可能性があるので、時計の誤
差は4個以上のGPS衛星から送信された観測データか
ら受信装置の位置座標と共に算出できる。
【0008】このの直接法による測位精度は、Pコー
ドで10m以内、C/Aコードで30〜100m程度と
なる。尚、C/Aコードの測位精度は、衛星の航法情報
(軌道、時刻)に故意に誤差を与えるSA(Selective
Availability:選択利用)と呼ばれる利用制約により測
位精度の劣化が図られているが、一般にC/Aコードを
使用する方法が自動車等の移動体測位方法として用いら
れている。
【0009】また、上記の干渉法では、2台の受信装
置に到達する到達する信号の到達時間差から相対測位を
行うため、GPS衛星から放射された電波の伝搬遅延及
びGPS衛星の時刻誤差等を相殺することができるとい
う利点があり、の直接法による測位よりも高い精度で
測位することができるので、測地・測量用としての開発
が進められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようにしてGPS
衛星から電波が送信されてから受信されるまでの時間を
基に現在位置を求める衛星受信システムでは、各GPS
衛星に精密な原子時計が搭載されているのに対し、衛星
受信装置には水晶発振器を有する時計が搭載されている
だけである。そのため、衛星受信装置の時刻情報に時計
オフセットが生じやすい。
【0011】そこで、衛星受信装置では、3個以上(4
個〜12個程度)のGPS衛星から送信された電波を同
時に受信し、各GPS衛星と受信点との間の時計オフセ
ットを含んだ擬似距離データと各受信衛星の軌道位置デ
ータとから受信点の位置を演算している。そのため、衛
星受信装置には、4〜12個の受信チャンネルが設けら
れている。
【0012】また、GPS衛星からの電波は、直進する
のではなく電離層あるいは成層圏、対流圏を通過する際
ある曲率で湾曲するため、受信地点からGPS衛星まで
の距離は擬似距離として算出される。しかも、GPS衛
星は移動しながら電波を地上に向けて放射しているた
め、同一衛星からの電波を地上の広範囲で受信可能であ
る。
【0013】ところが、GPS衛星から送信された電波
は広範囲に放射されているため、衛星受信装置のアンテ
ナに直接受信される場合と、建物等に反射して間接的に
受信される場合がある。このように同一のGPS衛星か
ら送信された電波が複数の伝搬経路で多重受信される所
謂マルチパスが生じると、同一周波数の信号がある時間
差で複数回受信されてしまうため、算出された位置デー
タに誤差が入ってしまい受信地点からGPS衛星までの
正確な距離(擬似距離)を求めることができず、ディス
プレイに表示された現在位置が不正確なものになってし
まう。
【0014】このようにGPS衛星から送信された電波
を受信して測位を行う衛星受信装置及び衛星受信システ
ムでは、マルチパスがあるとGPS衛星までの距離(擬
似距離)を正確に求めることができず、特に移動体の現
在位置を表示する場合には、頻繁にマルチパスが発生す
るため、ディスプレイに表示された現在位置の誤差が大
きくなるといった問題があった。
【0015】そこで、本発明は上記課題に鑑みなされた
もので、上記問題を解消した衛星受信装置及び衛星受信
システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、本発明は以下のような特徴を有する。上
記請求項1の発明では、複数の受信チャンネルのうち人
工衛星からの電波を受信した受信チャンネルをロックす
る受信器と、該受信器の受信チャンネルにより受信され
た信号に基づき受信地点から当該人工衛星までの擬似距
離を算出して現在位置を演算する演算手段とを有する衛
星受信装置において、前記複数の受信チャンネルで求め
られた各人工衛星からの擬似距離に基づき受信地点から
当該人工衛星までの補正距離を算出する補正距離算出手
段と、前記擬似距離と補正距離との差から前記受信チャ
ンネルが間接受信しているか否かを判定する間接受信判
定手段と、該間接受信判定手段により当該受信チャンネ
ルが間接受信しているものと判定したときは、当該受信
チャンネルのロックを解除して再度当該受信チャンネル
による受信周波数をサーチさせる周波数再サーチ手段
と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0017】従って、請求項1によれば、複数の受信チ
ャンネル毎に算出された擬似距離に基づき受信地点から
当該人工衛星までの補正距離を算出し、擬似距離と補正
距離との差から受信チャンネルが間接受信しているもの
と判定したときは、当該受信チャンネルのロックを解除
して再度当該受信チャンネルによる受信周波数をサーチ
させるため、人工衛星から送信された電波が複数の伝搬
経路で多重受信されても受信チャンネルが間接受信して
得られた擬似距離を排除して再度当該受信チャンネルに
よる受信周波数をサーチさせて直接受信により得られた
誤差の少ない擬似距離を算出することができる。
【0018】また、請求項2の発明では、複数の人工衛
星と、複数の受信チャンネルのうち人工衛星からの電波
を受信した受信チャンネルをロックすると共に、該受信
チャンネルにより受信された信号に基づき受信地点から
当該人工衛星までの擬似距離を算出して現在位置を演算
する衛星受信装置とを有する衛星受信システムにおい
て、前記衛星受信装置は、前記複数の受信チャンネルで
求められた各人工衛星からの擬似距離に基づき受信地点
から当該人工衛星までの補正距離を算出する補正距離算
出手段と、前記擬似距離と補正距離との差から前記受信
チャンネルが間接受信しているか否かを判定する間接受
信判定手段と、該間接受信判定手段により当該受信チャ
ンネルが間接受信しているものと判定したときは、当該
受信チャンネルのロックを解除して再度当該受信チャン
ネルによる受信周波数をサーチさせる周波数再サーチ手
段と、を有することを特徴とするものである。
【0019】従って、請求項2によれば、衛星受信装置
が複数の受信チャンネル毎に算出された擬似距離に基づ
き受信地点から当該人工衛星までの補正距離を算出し、
擬似距離と補正距離との差から受信チャンネルが間接受
信しているものと判定したときは、当該受信チャンネル
のロックを解除して再度当該受信チャンネルによる受信
周波数をサーチさせるため、人工衛星から送信された電
波が複数の伝搬経路で多重受信されても受信チャンネル
が間接受信して得られた擬似距離を排除して再度当該受
信チャンネルによる受信周波数をサーチさせて直接受信
により得られた誤差の少ない擬似距離を算出することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例の構成図
に示す。GPS受信システム(衛星受信システム)1
は、地球の大気圏外に打ち上げられた非静止衛星から送
信された電波を受信して受信位置を求める非静止衛星通
信システムであり、軌道高度約2万kmの軌道面に24
個のGPS衛星2が配置されている。
【0021】GPS受信装置(衛星受信装置)3は、少
なくとも4個のGPS衛星2(2a〜2d)からの電波
を受信するアンテナユニット4と、アンテナユニット4
で受信された信号から現在位置を演算するGPS本体ユ
ニット(受信器)5と、現在位置の周辺地図を表示する
操作・表示部6から構成されている。
【0022】アンテナユニット4は、GPS衛星2(2
a〜2d)からの電波を受信するアンテナ7と、アンテ
ナ7で受信された信号を増幅するLNA(ローノイズア
ンプ)8とよりなる。また、GPS本体ユニット5は、
RF信号を中間周波信号(IF)に変換するRFコンバ
ータ9と、RFコンバータ9からの中間周波信号(I
F)を復調したディジタルデータを生成した後、このデ
ィジタルデータを用いて演算処理を行い、位置データ、
速度データ等の測位データを生成するGPS復調・演算
部10からなる。
【0023】従って、GPS衛星2(2a〜2d)から
地上に放射された電波は、アンテナユニット4で受信さ
れて増幅された後、RFコンバータ9に供給される。R
Fコンバータ9は、図示しないがRFアンプ、第1及び
第2のミキサ、第1及び第2のIF回路、VCO及びP
LL回路等から構成される。そして、RFコンバータ9
は、RF信号を中間周波信号(IF)に変換して、GP
S復調・演算部10に供給する。
【0024】さらに、GPS復調・演算部10は、現在
位置を特定するための位置データ、速度データ等の測位
データを操作・表示部6に出力し、操作・表示部6は、
操作部のキーボードで行われた操作に応じて、GPS復
調・演算部10から供給された測位データ(受信位置)
を表示する。尚、GPS受信装置3がメモリカード等に
より地図データを持っている場合には、操作・表示部6
に周辺地図及び地図上に現在位置を表示する。
【0025】図2はGPS復調・演算部10の構成を示
すブロック図である。GPS復調・演算部10は、CP
U14と、カスタムLSI15と、TCXO(温度補償
水晶発振器)16とから構成される。CPU14は、操
作・表示部6のキー操作により衛星サーチ制御、キャリ
ア同期制御、C/Aコード同期制御を行い、操作・表示
部6にGPS衛星2(2a〜2d)と利用者の現在位置
との距離(補正なし)を示す疑似距離データを出力す
る。カスタムLSI15は、RFコンバータ9より中間
周波数信号(IF)が入力されると共にTCXO16よ
り温度補償されたクロックが入力されるもので、ベース
バンドコンバータ、キャリア同期回路、相関処理回路、
C/Aコード発生回路、C/Aコード同期回路、ベース
バンドフィルタ、PSK(位相シフトキーイング)デー
タ復調回路、及びCPU周辺ロジックを備える。
【0026】TCXO16は、ハウジング内に温度補償
を行うため温度センサ17が内蔵されており、ハウジン
グ側面には温度センサ17により検出された温度信号を
出力するための出力端子18が設けられている。そし
て、出力端子18から引き出されたリード線19はCP
U14の入力端子20に接続されている。
【0027】そのため、CPU14は、後述するように
TCXO16に内蔵された温度センサ17から出力され
た温度信号により温度補償の演算処理を行うため、TC
XO16の温度を正確に検出することが可能になる。図
3はアンテナ7で受信された信号の周波数変換を行う回
路構成を示すブロックである。
【0028】VCO(電圧制御発振器)22は、RFコ
ンバータ9に設けられ、TCXO16から出力された電
圧によって発振周波数を変える。また、NCO23は、
GPS復調・演算部10に設けられ、TCXO16から
発振された周波数を可変してチューニングを行う。
【0029】この構成では、RFコンバータ9の周波数
変換は固定で、NCO23によりチューニングを行う。
そして、受信周波数は、次式により求まる。 受信周波数=VCO+TCXO+NCO =84.5×TCXO+TCXO+Tune×TCXO …(1) 尚、TCXO16の公称発振周波数は18.414MH
z、RFコンバータ9のIFは、1.023MHzであ
る。
【0030】ここで、GPS衛星2からの電波発射周波
数1575.42MHzを受信しようとしたとき、GP
S衛星2からの電波をロックしたときの値はTune=
1.023/18.414となる。ところが、TCXO
16の基準周波数に偏差ΔFが含まれていると、次式の
ように表せる。
【0031】TCXO=tcxo+ΔF …(2) 尚、基準周波数はtcxo=18.414MHzであ
る。従って、実際の受信周波数は、1575.42+8
5.555×ΔF〔MHz〕とまる。しかし、TCXO
偏差が不明であるので、TCXO偏差により生ずる受信
周波数誤差範囲をサーチする必要がある。
【0032】初期の周波数サーチは、従来の場合と同様
に行う。しかし、1番目のGPS衛星2をロックしたと
き、次式に基づいて当該GPS衛星2からの電波をロッ
クしているチャンネルのNCO23の発振周波数とドッ
プラーシフト予測(Dopp)からTCXO偏差を知る
ことができる。 1575.42+Dopp=85.5×TCXO+Tune×TCXO…(3) そして、未だロックしていない他のチャンネルのサーチ
中心周波数をTCXO偏差補正を含めた値にする。これ
により、1番目のGPS衛星2をロックした後、2番目
以降の他のGPS衛星2をロックするまでの時間を短縮
することができる。
【0033】このようにしてGPS衛星2から送信され
た電波を受信して現在位置を求める衛星受信システム1
では、各GPS衛星2(2a〜2d)に精密な原子時計
が搭載されているのに対し、GPS受信装置3にはTC
XO16からのクロックを利用した水晶発振時計が搭載
されているだけである。そのため、GPS受信装置3の
時刻情報には時計オフセットが生じやすい。
【0034】そこで、GPS受信装置3では、3個以上
のGPS衛星2から送信された電波を同時に受信し、各
GPS衛星2(2a〜2d)と受信点との間の時計オフ
セットを含んだ擬似距離データと受信した各GPS衛星
2(2a〜2d)の軌道位置データとから受信点の位置
を演算している。
【0035】ところで、GPS受信装置3においては、
電源がオフからオンに切り換えられた直後は、基準信号
発生源としてのTCXO16の発振周波数の温度特性に
より発振周波数が急激に変化するため、GPS衛星2
(2a〜2d)からの電波を捕捉した場合、TCXO1
6の発振周波数が安定するまでの期間だけ信号をサーチ
する周波数の範囲を広げて電波を捕捉する必要がある。
【0036】しかしながら、サーチする周波数の範囲を
広げて電波を捕捉すると、TCXO16の発振周波数が
安定するまで正確な現在位置を求めることができず、現
在位置が演算されるまでに相当な時間がかかることにな
る。そこで、GPS受信装置3では、TCXO16の発
振周波数の温度特性をCPU14のメモリ21に記憶さ
せると共に、TCXO16に内蔵された温度センサ17
から導出される温度情報を基にメモリ21に記憶してあ
るTCXO16の温度特性に係る予測周波数を読み出
す。これにより、CPU14は、電源投入後にGPS衛
星2(2a〜2d)からの電波を捕捉するまでの時間を
短縮することができる。
【0037】このようにCPU14のメモリ21には、
TCXO16に内蔵された温度センサ27により検出さ
れた温度情報を読み込み、TCXO16の温度特性に応
じた周波数に基づいてGPS衛星2(2a〜2d)から
の電波の周波数サーチ範囲を設定する周波数設定手段と
して周波数設定プログラムが記憶されている。
【0038】また、CPU14のメモリ21には、受信
チャンネルにより受信された信号に基づき受信地点から
当該GPS衛星2までの擬似距離を算出して現在位置を
演算する演算プログラムと、受信チャンネルで求められ
た各GPS衛星2からの擬似距離に基づき受信地点から
当該GPS衛星2までの補正距離を算出する補正距離算
出プログラム(補正距離算出手段)と、擬似距離と補正
距離との差から受信チャンネルが間接受信しているか否
かを判定する間接受信判定プログラム(間接受信判定手
段)と、当該受信チャンネルが間接受信しているものと
判定されたときは、当該受信チャンネルのロックを解除
して再度当該受信チャンネルによる受信周波数をサーチ
させる周波数再サーチプログラム(周波数再サーチ手
段)とが記憶されている。
【0039】また、CPU14は、電源電圧Vccが供給
されると、上記のような受信動作を開始し、RFコンバ
ータ9から供給される復調信号の疑似距離データに基づ
いて演算を行い、位置データ、速度データ、及び時刻デ
ータ等の測位データを生成する。さらに、CPU14は
メインプログラム及び地図CD−ROM(図示せず)か
らのデータに基づいて画像処理を行う。
【0040】図4はGPS衛星2から得られた測位デー
タから現在位置を表示する処理を示すフローチャートで
ある。CPU14は、ステップS1(以下「ステップ」
を省略する)において、TCXO16に内蔵された温度
センサ27により検出された温度情報を読み込む。
【0041】続いて、TCXO16に内蔵された温度セ
ンサ27の温度情報に基づいてメモリ21に記憶してあ
るTCXO16の温度特性に係る予測周波数を読み出し
て周波数変動を予測する(S2)。そして、TCXO1
6の温度に対応する予測周波数に応じてGPS衛星2
(2a〜2d)からの電波の周波数サーチ範囲を設定す
る(S3)。その後、設定された予想周波数を中心に基
準発振器と最大偏差による周波数サーチ範囲で受信可能
な周波数をサーチする(S4)。
【0042】次にGPS衛星2(2a〜2d)からの電
波の周波数と同期すると、GPS衛星2(2a〜2d)
からの電波が受信可能となる。そして、RFコンバータ
9からの中間周波信号(IF)を復調したディジタルデ
ータを生成した後、このディジタルデータを用いて演算
処理を行い、位置データ、速度データ等の測位データを
生成する(S5)。
【0043】その後、測位データを読み込み、この測位
データ中の位置データ(緯度、経度)が現在位置を示す
(S6)。続いて、現在位置を示すマークを操作・表示
部6のディスプレイに表示するための画面データを生成
する(S7)。現在位置は、緯度、経度のデータである
のに対して、地図CD−ROM内の地図データは、縦
軸、横軸の座標に対応づけて記憶されている。この現在
位置の緯度、経度のデータを、地図のデータの座標デー
タに変換する(S8)。
【0044】操作・表示部6のキー操作で指定した縮尺
率等に合わせて、現在位置の座標に対応して操作・表示
部6のディスプレイに表示する地図の領域を、座標で求
める。この求めた領域の地図データを、地図CD−RO
Mから読み込む(S9)。また、S9で読み込んだ地図
データを基にして、地図をディスプレイに表示するため
の画面データを生成する(S10)。続いてS7で生成
した現在位置表示用の画面データと、S10で生成した
地図表示用の画面データを用いて、両画面データを重ね
る方法で、ディスプレイ上に地図と現在位置のマークを
表示する(S11)。このステップS11で読み込んだ
測位データに対応する表示が完了した後、再びS1に戻
り、上記S1〜S11の処理を繰り返す。
【0045】このように、TCXO16に内蔵された温
度センサ17から導出される温度情報を基にメモリ21
に記憶してあるTCXO16の温度特性に係る予測周波
数を読み出し、電源投入後にGPS衛星2(2a〜2
d)からの電波を捕捉するまでの時間を短縮することが
できる。
【0046】図5はGPS衛星2(2a〜2d)からの
電波が各受信チャンネルでロックされて測位された状態
を示す図である。CPU14は、各GPS衛星2(2a
〜2d)からの電波が受信された位置を受信地点Aとす
ると、各GPS衛星2(2a〜2d)から送信されて受
信されるまでの時間から受信地点Aから各GPS衛星2
(2a〜2d)までの擬似距離L 1 〜L4 を算出する。
各GPS衛星2(2a〜2d)から送信された電波が直
接GPS受信装置3のアンテナ7で受信された場合に
は、同一周波数の電波が多重受信(マルチパス)される
ことがないので、各GPS衛星2(2a〜2d)との擬
似距離L1 〜L4 の交点が1箇所だけであるので、受信
地点Aの位置を正確に求めることができる。
【0047】ところが、受信地点Aの周囲に設けられた
建物等に反射した電波が間接受信された場合、その分受
信時間が遅れてしまい、各GPS衛星2(2a〜2d)
までの擬似距離がL1'〜L4'となり、現在位置に誤差が
生じてしまう。例えばマルチパスにより擬似距離がL1'
〜L4'になった場合、各擬似距離L1'〜L4'の交点が複
数存在してしまい、どの交点が正当な受信地点Aである
のか判別できない。各GPS衛星2(2a〜2d)から
の電波を受信して得られた擬似距離L1'〜L4'は、本来
の擬似距離L1 〜L4 よりも大きな値であるので、擬似
距離L1'〜L4'の交点を求めると、誤差範囲Bの中に複
数の交点が点在することになる。
【0048】しかしながら、受信チャンネルの全てがマ
ルチパスの影響を受ける可能性は少ないため、受信位置
が移動すると共に各受信チャンネル毎の擬似距離L1
4がマルチパスによる擬似距離L1'〜L4'に複雑に変
化する。例えば、GPS衛星2aからの信号を受信する
受信チャンネルAのみでマルチパスが生じた場合、受信
チャンネルAの擬似距離はL1'となり、他の受信チャン
ネルB〜Dの擬似距離はL2 〜L4 となる。
【0049】そのため、本実施例では、受信された全て
の電波がマルチパスである可能性は極めて低いので、一
の受信チャンネルがロックされて擬似距離が算出される
と、他の擬似距離の値に基づいて補正された補正距離を
求めて擬似距離と補正距離との差が許容範囲内である否
かを判定し、擬似距離と補正距離との差が許容範囲外で
あるときは、一の受信チャンネルのロックを解除して周
波数サーチをやり直す。これにより、一の受信チャンネ
ルの擬似距離がマルチパスの影響を受けない値に変更さ
れる。
【0050】そして、擬似距離L1'の値が他の擬似距離
2 〜L4 から算出された補正距離に近い場合は、擬似
距離と補正距離との差が許容範囲内に入っているので、
一の受信チャンネルのロックを継続する。これにより、
擬似距離L1'〜L4'により形成された誤差範囲Bが本来
の受信地点Aに近い補正範囲Cに縮小される。その結
果、マルチパスによる誤差が減少され、本来の受信地点
Aに近い誤差範囲B内の位置を現在位置として表示する
ことができる。
【0051】図6は各受信チャンネルの擬似距離を補正
する演算処理のフローチャートである。尚、この擬似距
離補正演算処理の所定時間毎の割り込みとして実行して
も良いし、あるいは上記測位データを生成するS5のサ
ブルーチンとして実行するようにしても良い。
【0052】CPU14は、S21で一の受信チャンネ
ルAの受信周波数をサーチする。そして、GPS衛星2
aからの信号を受信すると受信チャンネルAをロックさ
せる。S22では、受信チャンネルがロックされたか否
かを判定しており、チャンネルロックされないときは、
当該受信チャンネルが受信不能であるので、S23に移
行してサーチ周波数を次の受信チャンネルBに更新す
る。そして、S21に戻り受信チャンネルBの受信周波
数をサーチする。
【0053】このように、S21〜S23を繰り返して
一のGPS衛星2からの電波が受信されるまで受信チャ
ンネルを切替えながら受信周波数をサーチする。また、
S22において、受信チャンネルがロックされた場合、
S24に進み、受信した信号からGPS衛星2までの擬
似距離Laを算出する。
【0054】次のS25では、他の受信チャンネルの擬
似距離から補正距離Lbを算出する。この補正距離Lb
は、補正距離Lbから得られる計算上の現在位置が図5
に示す許容範囲C内に入るように補正された値である。
続いて、S26に進み、S24で算出された擬似距離L
aからS25で算出された補正距離Lbを差し引いてず
れ量Sを求める。そして、S27では、ずれ量Sの値が
例えば200m以下であるか否かを判定する。このずれ
量Sの許容値は、前述した許容範囲Cの半径であり、2
00mに限るものではない。そのため、受信位置検出精
度をより高めるのであれば200mより小さい値(例え
ば100m)を設定することも可能である。
【0055】S27において、ずれ量Sが200m以下
である場合、マルチパス(間接受信)による誤差が小さ
いので、S23に戻り、次の受信チャンネルに切替えて
再びS21〜S27の処理を繰り返す。しかし、S27
でずれ量Sが200m以上である場合、マルチパス(間
接受信)による誤差が大きいので、S28に進み、当該
受信チャンネルのロックを解除する。
【0056】続いて、S29で当該受信チャンネルの受
信周波数を再度サーチする。次のS30では、当該受信
チャンネルがロックされたか否かを判定しており、チャ
ンネルロックされるまで受信周波数をサーチする。そし
て、当該受信チャンネルがロックされると、前述したS
24に戻り、再度S24〜S27の処理を繰り返す。こ
のようにしてずれ量Sが200m以下になるまで当該受
信チャンネルのサーチ動作を繰り返してより正確な受信
位置を求めることができる。
【0057】そのため、GPS衛星2から送信された電
波が複数の伝搬経路で多重受信(マルチパス)が生じて
も、誤差の大きい場合(ずれ量Sが許容範囲Cを越える
場合)そのGPS衛星2からの受信データを無視して当
該受信チャンネルの受信周波数を再度サーチすることに
よりマルチパスによる誤差の少ない受信データを得てよ
り正確な受信位置を求めることができる。その結果、受
信地点からGPS衛星2までの正確な距離(擬似距離)
を求めることができ、現在位置を正確に表示することが
できる。
【0058】
【発明の効果】上述の如く、請求項1及び請求項2によ
れば、複数の受信チャンネル毎に算出された擬似距離に
基づき受信地点から当該人工衛星までの補正距離を算出
し、擬似距離と補正距離との差から受信チャンネルが間
接受信しているものと判定したときは、当該受信チャン
ネルのロックを解除して再度当該受信チャンネルによる
受信周波数をサーチさせるため、人工衛星から送信され
た電波が複数の伝搬経路で多重受信されても受信チャン
ネルが間接受信して得られた擬似距離を排除して再度当
該受信チャンネルによる受信周波数をサーチさせて直接
受信により得られた誤差の少ない擬似距離を算出するこ
とができる。そのため、同一の人工衛星から送信された
電波が複数の伝搬経路で多重受信(マルチパス)が生じ
ても、誤差の大きい場合、その人工衛星からの受信デー
タを無視して当該受信チャンネルの受信周波数を再度サ
ーチすることによりマルチパスによる誤差の少ない受信
データを得てより正確な受信位置を求めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】図1のGPS復調・演算部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】受信された信号の周波数変換を行う回路構成を
示すブロックである。
【図4】GPS衛星から得られた測位データから現在位
置を表示する処理を示すフローチャートである。
【図5】各GPS衛星と受信地点との擬似距離及び誤差
範囲、許容範囲を説明するための図である。
【図6】各受信チャンネルの擬似距離を補正する演算処
理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 GPS受信システム 2(2a〜2d) GPS衛星 3 GPS受信装置 4 アンテナユニット 5 GPS本体ユニット 7 アンテナ 9 RFコンバータ 10 GPS復調・演算部 14 CPU 15 カスタムLSI 16 TCXO(温度補償水晶発振器) 21 メモリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の受信チャンネルのうち人工衛星か
    らの電波を受信した受信チャンネルをロックする受信器
    と、該受信器の受信チャンネルにより受信された信号に
    基づき受信地点から当該人工衛星までの擬似距離を算出
    して現在位置を演算する演算手段とを有する衛星受信装
    置において、 前記複数の受信チャンネルで求められた各人工衛星から
    の擬似距離に基づき受信地点から当該人工衛星までの補
    正距離を算出する補正距離算出手段と、 前記擬似距離と補正距離との差から前記受信チャンネル
    が間接受信しているか否かを判定する間接受信判定手段
    と、 該間接受信判定手段により当該受信チャンネルが間接受
    信しているものと判定したときは、当該受信チャンネル
    のロックを解除して再度当該受信チャンネルによる受信
    周波数をサーチさせる周波数再サーチ手段と、 を備えてなることを特徴とする衛星受信装置。
  2. 【請求項2】 複数の人工衛星と、複数の受信チャンネ
    ルのうち人工衛星からの電波を受信した受信チャンネル
    をロックすると共に、該受信チャンネルにより受信され
    た信号に基づき受信地点から当該人工衛星までの擬似距
    離を算出して現在位置を演算する衛星受信装置とを有す
    る衛星受信システムにおいて、 前記衛星受信装置は、前記複数の受信チャンネルで求め
    られた各人工衛星からの擬似距離に基づき受信地点から
    当該人工衛星までの補正距離を算出する補正距離算出手
    段と、 前記擬似距離と補正距離との差から前記受信チャンネル
    が間接受信しているか否かを判定する間接受信判定手段
    と、 該間接受信判定手段により当該受信チャンネルが間接受
    信しているものと判定したときは、当該受信チャンネル
    のロックを解除して再度当該受信チャンネルによる受信
    周波数をサーチさせる周波数再サーチ手段と、 を有することを特徴とする衛星受信システム。
JP8202580A 1996-07-31 1996-07-31 衛星受信装置及び衛星受信システム Pending JPH1048314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8202580A JPH1048314A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 衛星受信装置及び衛星受信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8202580A JPH1048314A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 衛星受信装置及び衛星受信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1048314A true JPH1048314A (ja) 1998-02-20

Family

ID=16459849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8202580A Pending JPH1048314A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 衛星受信装置及び衛星受信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1048314A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008070243A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Seiko Epson Corp サーチレンジの更新方法、端末装置の制御プログラム、記録媒体及び端末装置
JP2009031278A (ja) * 1999-02-01 2009-02-12 Snaptrack Inc 衛星測位システム(sps)信号の測定処理用の方法および装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009031278A (ja) * 1999-02-01 2009-02-12 Snaptrack Inc 衛星測位システム(sps)信号の測定処理用の方法および装置
JP2009168804A (ja) * 1999-02-01 2009-07-30 Snaptrack Inc 衛星測位システム(sps)信号の測定処理用の方法および装置
JP2012163566A (ja) * 1999-02-01 2012-08-30 Snaptrack Inc 衛星測位システム(sps)信号の測定処理用の方法および装置
JP2008070243A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Seiko Epson Corp サーチレンジの更新方法、端末装置の制御プログラム、記録媒体及び端末装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6175775B2 (ja) タイミング信号生成装置、電子機器及び移動体
US6937187B2 (en) Method and apparatus for forming a dynamic model to locate position of a satellite receiver
US7463188B1 (en) Wireless CPU GPS application
US7456782B2 (en) Timing calibration for fast signal reacquisition in navigational receivers
JP6379549B2 (ja) タイミング信号生成装置および電子機器
JP6201585B2 (ja) タイミング信号生成装置、電子機器および移動体
EP1115008A2 (en) A method for determining reference time error and an electronic device
US10222482B2 (en) Position information generation device, timing signal generation device, electronic apparatus, and moving object
JP4848146B2 (ja) 測位信号を送信するための装置、その装置を備える測位システムおよび測位信号を送信するシステム
US8482458B2 (en) Position determination method, positioning device, and electronic instrument
JP6264973B2 (ja) タイミング信号生成装置、電子機器および移動体
JPH1048314A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
JP4916660B2 (ja) 衛星測位システムにおける支援
JP3557024B2 (ja) 測位装置
US20110212718A1 (en) Methods and apparatus for stabilizing reference oscillators
JPS63308587A (ja) Gps航法装置
JPH1048313A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
JPH1048315A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
RU2377592C2 (ru) Способ слежения за радиочастотными сигналами
JPH1048312A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
JPH1048311A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
JPH1048316A (ja) 衛星受信装置及び衛星受信システム
JPH0661979A (ja) ダイバシティgps受信機
JP6485501B2 (ja) 信号生成方法
JPH0666917A (ja) Gpsロケーションシステム