JPH1047595A - バルクローリーから液化ガスを液送する方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルクローリータンク本体より液化ガスをポ
ンプなどを用いないで冷却してバルク容器に液送するこ
とができる。 【解決手段】 バルクローリータンク本体１から液化ガ
ス液を気化器３に液送して気化器３にて気化した液化ガ
スをバルクローリータンク本体１に還流してバルクロー
リータンク本体１内を加圧して、液化ガスをバルク容器
に導出する。バルク容器に充填する液化ガスとバルクロ
ーリータンク本体１から導出して減圧した液化ガスとを
冷却器で熱交換して冷却する。減圧した液化ガスは冷却
器で気化してエンジンの燃料として供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バルクローリータ
ンクからバルク容器にＬＰＧなどのの液化ガスを移送す
るためのバルクローリーから液化ガスを液送する方法お
よびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の液化ガスなどバルクローリータン
クからバルク容器に移送するには、バルクローリータン
ク本体から、電動式の液中ポンプ、またはエンジンの駆
動による油圧ポンプなどを駆動させて液送する方法が採
られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のポンプによる液送では、動力源としての電力装備
が必要となり、また、エンジンを駆動源とする油圧ポン
プにおいても油圧装置が必要であるため、車輌の改造を
必要とし、その改造費用および設備費がかかり、バルク
ローリータンク自体が大きくなる問題があった。

【０００４】また、バルクローリータンク自体が大きく
なると、それを搭載する車輌も大きくなり、車輌限界を
越えて道路を通行できなくなる問題も生じてくる。

【０００５】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、バルクローリータンクからバルク容器に液化ガスの
液送に際して、液送ポンプなどを必要とせず、バルクロ
ーリータンク本体を小形化でき、バルクローリータンク
本体からバルク容器に容易に液化ガスを液送することが
できるようにしたバルクローリーから液化ガスを液送す
る方法およびその装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明のバ
ルクローリーから液化ガスを液送する方法は、バルクロ
ーリータンク本体から液化ガス液を気化器に液送し、こ
の気化器にて液化ガス液をエンジンとラジエーターとの
間を循環する加温された冷却水と熱交換により気化さ
せ、この気化した液化ガスを前記バルクローリータンク
本体の気相部に還流することによって、バルクローリー
タンク本体内を加圧し、このバルクローリータンク本体
の液化ガスをバルク容器へ液送するものである。

【０００７】そして、バルクローリータンク本体に充填
してある液化ガス液を気化器に液送し、気化器にて液化
ガス液をエンジンとラジエーターとの間を循環する加温
された冷却水によって熱交換させて気化させ、バルクロ
ーリータンク本体の液化ガス液を気相部に還流すること
によりバルクローリータンク本体内の圧力が高められ、
バルクローリータンク本体内の圧力上昇で液化ガスをバ
ルク容器に液送する。

【０００８】請求項２記載の発明のバルクローリーから
液化ガスを液送する方法は、バルクローリータンク本体
より液送される液化ガス液を減圧し、この減圧した液化
ガス液を冷却器へ液送し、この冷却器で熱交換により気
化された液化ガスをエンジンへ燃料として供給するとと
もに、前記バルクローリータンク本体から導出された液
化ガス液を前記冷却器にて前記減圧された液化ガスとの
熱交換により冷却してバルク容器へ液送するものであ
る。

【０００９】そして、バルクローリータンク本体からバ
ルク容器へ液送する液化ガスを減圧した液化ガス液とを
冷却器にて熱交換させることにより液化ガスを冷却して
バルク容器に液送することにより液送を促進するととも
に減圧された液化ガスは気化され、エンジンの燃料とし
て供給ができる。

【００１０】請求項３記載の発明のバルクローリーから
液化ガスを液送する装置は、バルクローリータンク本体
と、このバルクローリータンク本体の液相部から気相部
に還流する還流路と、この還流路を流動する液化ガスを
エンジンとラジエーターとの間を循環する加温されてい
る冷却水と熱交換して、前記バルクローリータンク本体
からの液化ガス液を気化させる気化器と、前記バルクロ
ーリータンク本体に接続されバルク容器に液送される液
化ガス液とこのバルクローリータンク本体に接続された
減圧調整弁により減圧されエンジンに燃料として供給さ
れる液化ガス液とを熱交換してバルク容器に供給される
液化ガス液を冷却するとともにエンジンに供給される液
化ガスを気化させる冷却器とを備えたものである。

【００１１】そして、バルクローリータンク本体の液相
部から気相部に還流するする液化ガスは還流路にてエン
ジンとラジエーターとの間を循環する加温された冷却水
と熱交換されて気化し、バルクローリータンク本体内を
加圧し、このバルクローリータンク本体の圧力上昇で液
化ガスは液送され、このバルク容器に充填する液化ガス
と減圧調整弁により減圧して冷却器に液送される液化ガ
スと熱交換され、バルク容器へ液送する液化ガス冷却す
るとともに減圧された液化ガスは気化され、エンジンの
燃料として供給することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明のバルクローリーから液化
ガスを液送する方法およびその装置の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１３】図１において、１は、液化ガス（石油液化
ガス）を収容する圧力容器から構成され、例えば、タン
クローリー車などに搭載されるバルクローリータンク本
体で、このバルクローリータンク本体１の液相部2bの底
部から液導出管２が導出され、この液導出管２は気化器
３に接続した連結管４と、減圧調整弁５に向う導管６
と、冷却器７の冷却管８とにそれぞれ分岐されている。

【００１４】前記連結管４は逆止弁９を経て前記気化器
３の気化コイル管10に接続され、この気化コイル管10に
接続した連結管11を経て前記バルクローリータンク本体
１の上部の気相部2bに開口する還流路を形成している。
なお、バルクローリータンク本体１内では、液化ガスは
気相部2aと液相部2bとに分留した状態で貯留されてい
る。

【００１５】次に、前記気化器３は、この気化器３内に
設けた気化コイル管10に液送される液化ガス液をエンジ
ンとラジエーターとの間を循環するエンジン冷却ライン
の加温された冷却水と熱交換により気化されるようにエ
ンジン冷却水を導入する供給側の循環管12a と排出側の
循環管12b が連通され、エンジンよりの加温された冷却
水は気化コイル管10を通過する液化ガスと熱交換して、
ラジエーターに還流し、エンジンが駆動しているとき
は、エンジンの水ポンプにより常時高温の冷却水が循環
されるようになっている。

【００１６】一方前記液導出管２から分岐した冷却管８
は、第１冷却器7a、第２冷却器7bおよび第３冷却器7c内
を順次に挿通され、バルク容器の供給管14に接続してい
る液化ガスの供給ラインを形成することによって液化ガ
スを段階的に冷却し、液化ガスを最も安定した冷却温度
でバルク容器へ液送されるようになっている。

【００１７】さらに、前記液導出管２から分岐した導管
６は、減圧調整弁５を経て、第３冷却器7c内に連通接続
され、この第３冷却器7cに接続した連通管7dは第２冷却
器7b内に連通接続し、この第２冷却器7bに接続した連通
管7eから、第１冷却器7a内に連通接続され、第１冷却器
7aに接続した連通管7fはエンジンに気化した燃料を供給
する燃料管13に接続する燃料供給ラインを構成してい
る。

【００１８】また、前記バルクローリータンク本体１
を、図示しないタンクローリー車などの液化ガス輸送車
輌に搭載した場合には、エンジンの燃焼システムを既存
の燃焼系より液化ガス燃焼系に切替可能にすることによ
り、搭載したバルクローリータンク本体１に収容してい
る液化ガスを燃料とする車輌を得ることができる。

【００１９】次に、この実施の形態の作用を説明する。

【００２０】バルクローリータンク本体１には、１５℃
（外気温度）で、飽和圧力６．８kg／ｃｍ² の市販液化
混合プロパン（プロパン９０モル％・ブタン・その他１
０％モル）などの液化ガスが貯留されている。

【００２１】この液化ガスがバルクローリータンク本体
１から液導出管２、連結管４、逆止弁９を経て気化器３
の気化コイル管10に液送されると、この気化器３の中で
エンジンからの加温された冷却水（通常は、６０℃から
８０℃前後の高温水）と熱交換されて、液化ガス液は気
化し、連結管４を経由してバルクローリータンク本体１
の気相部2bに流入され、バルクローリータンク本体１内
の液高差圧力例えば２５０ｍｍAqをもって、バルクロー
リータンク本体１内は加圧され、この圧力差によってバ
ルクローリータンク本体１から液化ガス液は液導出管２
から導出される。そして、液導出管２から導出された液
化ガス液の一部は液導出管２から分岐した導管６から減
圧調整弁５に流動し、この減圧調整弁５にて減圧され第
３冷却器7c、第２冷却器7b、第１冷却器7a内を順次流動
される。

【００２２】一方バルクローリータンク本体１から液導
出管２に流出した一部の液化ガス液の一部は第１冷却器
7a、第２冷却器7b、第３冷却器7c内を挿通した冷却管８
を流動し、前記減圧して第３冷却器7c、第２冷却器7b、
第１冷却器7aを流動する減圧された液化ガスと対向流で
効率よく熱交換し、冷却管８を流動する液化ガスは冷却
されてバルク容器の供給管14からバルク容器に充填され
る。

【００２３】そして、前記の各冷却器7c，7b，7aを流動
して熱交換されて気化した液化ガスはエンジン駆動用の
燃料として燃料管13へ液送される。

【００２４】また、エンジンの冷却ラインを気化器３に
導入したことにより、車輌のラジエーターの冷却源とし
て機能するからエンジン冷却水のオーバーヒートを防止
し、放熱負担を軽減する効果がある。

【００２５】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、バルクロ
ーリータンク本体から液化ガスを気化器に供給し、気化
器にてエンジン冷却水との間で熱交換することによって
気化ガスをバルクローリータンク本体に還流循環させる
ことによりバルクローリータンク本体内を加圧してバル
ク容器などへの液送がポンプなどの液送手段を必要とせ
ず、バルクローリータンク本体を小型にでき、設備費、
運転費、保安管理費など大幅に削減できる。

【００２６】請求項２記載の発明によれば、バルクロー
リータンク本体から導出され減圧調整弁により減圧した
液化ガスとバルクローリータンク本体から導出する液化
ガスとを冷却器で熱交換することにより液化ガスを冷却
してバルク容器への充填を促進でき、また、減圧された
液化ガスは冷却器で熱交換されて気化させてエンジンの
燃料として供給できる。

【００２７】また、冷却器に液送することによりポンプ
などの液送装置を必要とせずに、エンジンへ気化ガスを
供給することができる。

【００２８】請求項３記載の発明によれば、バルクロー
リータンク内の液化ガスをエンジンとラジエーターとの
間を循環する冷却水と気化器にて熱交換により気化させ
て加圧することによりバルクローリータンク内の液化ガ
スを導出でき、このバルクローリータンク本体から導出
された液化ガスをバルクローリータンク本体から導出さ
せて減圧調整弁により減圧した液化ガスと冷却器で熱交
換して冷却することにより、液化ガスをバルク容器への
充填を円滑に行うことができるとともに減圧された液化
ガスは、冷却器内の熱交換によって気化され、気化ガス
をエンジンへ燃料として供給でき、また、バルクローリ
ータンク本体からバルク容器へ加圧液送される液化ガス
液を減圧された液化ガスと冷却器により熱交換させて冷
却できるので、電気ヒータなどの加熱装置を利用しない
で液化ガスを冷却することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示すバルクローリーか
ら液化ガスを液送する方法およびその装置の系統図であ
る。

【符号の説明】

１ バルクローリータンク本体 ２ 循環路を形成する液導出管 2a 気相部 2b 液相部 ３ 気化器 ４ 循環路を形成する連結管 ５ 減圧調整弁 ７ 冷却器 ８ 冷却管 11 循環路を形成する連結管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルクローリータンク本体から液化ガス
   液を気化器に液送し、この気化器にて液化ガス液をエン
   ジンとラジエーターとの間を循環する加温された冷却水
   と熱交換により気化させ、この気化した液化ガスを前記
   バルクローリータンク本体の気相部に還流することによ
   って、バルクローリータンク本体内を加圧し、このバル
   クローリータンク本体の液化ガスをバルク容器へ液送す
   ることを特徴とするバルクローリーから液化ガスを液送
   する方法。
2. 【請求項２】 バルクローリータンク本体より液送され
   る液化ガス液を減圧し、この減圧した液化ガス液を冷却
   器へ液送し、この冷却器で熱交換により気化された液化
   ガスをエンジンへ燃料として供給するとともに、前記バ
   ルクローリータンク本体から導出された液化ガス液を前
   記冷却器にて前記減圧された液化ガスと熱交換により冷
   却してバルク容器へ液送することを特徴とするバルクロ
   ーリーから液化ガスを液送する方法。
3. 【請求項３】 バルクローリータンク本体と、 このバルクローリータンク本体の液相部から気相部に還
   流する還流路と、 この還流路を流動する液化ガスをエンジンとラジエータ
   ーとの間を循環する加温されている冷却水と熱交換し
   て、前記バルクローリータンク本体からの液化ガス液を
   気化させる気化器と、 前記バルクローリータンク本体に接続されバルク容器に
   液送される液化ガス液とこのバルクローリータンク本体
   に接続された減圧調整弁により減圧されエンジンに燃料
   として供給される液化ガス液とを熱交換してバルク容器
   に供給される液化ガス液を冷却するとともにエンジンに
   供給される液化ガスを気化させる冷却器とを備えたこと
   を特徴とするバルクローリーから液化ガスを液送する装
   置。