JPH1047325A - 自己穿孔/自己ねじ立てファスナ - Google Patents

自己穿孔/自己ねじ立てファスナ

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JPH1047325A
JPH1047325A JP9091092A JP9109297A JPH1047325A JP H1047325 A JPH1047325 A JP H1047325A JP 9091092 A JP9091092 A JP 9091092A JP 9109297 A JP9109297 A JP 9109297A JP H1047325 A JPH1047325 A JP H1047325A
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self
thread
fastener
tapping
head
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JP9091092A
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English (en)
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Jiyanuzu Maikeru
ジャヌズ マイケル
Aaru Iisutaa Jiefurii
アール. イースター ジェフリー
Emu Monahan Patoritsuku
エム. モナハン パトリック
Ii Merubuin Guretsugu
イー. メルヴィン グレッグ
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Elco Textron Inc
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    • F16B25/001Screws that cut thread in the body into which they are screwed, e.g. wood screws characterised by the material of the body into which the screw is screwed
    • F16B25/0031Screws that cut thread in the body into which they are screwed, e.g. wood screws characterised by the material of the body into which the screw is screwed the screw being designed to be screwed into different materials, e.g. a layered structure or through metallic and wooden parts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/0093Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for screws; for bolts
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動誘発疲労に十分に耐えることの可能な自
己穿孔/自己ねじ立てファスナを提供する。 【解決手段】 金属支持構造物にスプリンクラシステム
を取り付けるのに適した自己穿孔/自己ねじ立てファス
ナは、ねじ部を有する押込み頭部及び一体軸部を有して
いる。軸部の加工硬化及びねじ切りは、振動荷重に耐え
るのに十分な延性を保持するような硬度に軸部を硬化さ
せる。軸部の端部にあるドリルチップ及びドリルチップ
に近接する食付きねじ山は、金属支持部材を穴あけ及び
ねじ立てするため、比較的高い硬度に局所硬化されてい
る。漸進遷移部は、高硬度部を低硬度部から分離してお
り、単一のファスナが二つの明確に異なる材料特性を一
つのファスナ中で示すことを可能にしている。この二重
加工を経たファスナは、二つの別個の負荷容量を示すこ
とにもなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全体として、鋼製
構造部材に吊下取付具(hanging fixture)を固定する
ファスナに関し、特に、構造部材に対して信頼性の高い
接合を行うのに適した自己穿孔/自己ねじ立てファスナ
(self-drilling/self-tapping fastener)に関する。
【0002】
【従来の技術】大型の商用建造物で使用されるようなス
プリンクラシステムの設置は、通常、厳格な法基準に従
っており、これらの基準は、通常、スプリンクラシステ
ムを建造物から吊り下げるファスナにまで及んでいる。
そのような法規の下で許容されるために、ファスナは、
通常、剛性強度、引抜および振動抵抗の試験を満足しな
ければならない。現在では、多様な方法が実施されてい
る。極めて基本的な方法では、ねじ付きロッドを収容で
きるように大きく鋼部材に穴をあけ、この後、この穴に
ねじ付きロッドを差し込み、ねじ付きロッドの端部を二
重にナット止めする。他の方法としては、カップリング
を備えた粉末活性化スタッドピンの使用がある。鋼ビー
ムの上部または下部フランジに付着するビーム・クラン
プを使用することもできる。これらの方法は、時間がか
かるうえ、幾分複雑なことから費用も相当にかかる。本
発明は、上述の方法から大きく脱皮したものである。
【0003】従来から、構造物を支える金属にスプリン
クラシステム部品を取り付けるために自己穿孔/自己ね
じ立てファスナを使用することが提案されていたが、こ
れは成功しなかった。自己穿孔/自己ねじ立てファスナ
は、概念的には、この種の用途で有効である。というの
も、自己穿孔/自己ねじ立てファスナを用いれば、複数
の穴を個別にあけ、複数のナットを用いて支持構造物に
ファスナを固定する必要がなくなるからである。自己穿
孔/自己ねじ立てファスナの取付方法は周知である。こ
の方法では、事前に穿孔されていない部材に電動工具を
用いてファスナを取り付ける。この電動工具は、取付中
の一つの動作で穿孔とねじ立てを完了する。穿孔、ねじ
立て及び締結は、電動工具を用いて金属構造部材にファ
スナを単に押し込むことにより完了するので、自己穿孔
ファスナを使用することにより、時間及び労力が大きく
節約されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
自己穿孔ファスナは、金属支持構造物にスプリンクラシ
ステムを取り付けるという特に厳しい用途には、一般的
に適切でない。これは、押込みのために鋼構造物を穿孔
及びねじ立てするのに必要な特性とスプリンクラシステ
ム中で加わると予測される力及び荷重に耐えるために必
要な特性とを合わせ持った自己穿孔ファスナを製造する
ことが、これまで不可能だったからである。自己穿孔フ
ァスナのチップねじ山が、建造物用の支持具中で使用さ
れる通常の鋼部材を穿孔及びねじ立てするのに十分なほ
ど硬く作られていると、通常、このねじ山は、スプリン
クラシステムの寿命中に加えられる振動及び疲労荷重に
耐える延性を欠くことになる。また、ファスナの軸部
が、長期にわたって荷重に耐えるのに十分な延性を持っ
ていると、鋼を十分に穿孔できるようにチップねじ山及
び食付きねじ山を硬くすることが難しくなる。このよう
に、スプリンクラシステム中で使用される自己穿孔ねじ
立てファスナは、今まで実現されたことのない漸進的な
硬度パターンを必要とする、ことが分かっている。出願
人の知る限り、既存の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ
の中で、スプリンクラシステムを支持するという用途に
対して保険会社研究所やその他によって課される法関連
の性能基準を満足できるものはない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記に鑑み、本発明は、
振動誘発疲労に十分に耐えることができ、スプリンクラ
システムを金属支持構造物に固定するために使用可能
な、新たに改良された自己穿孔/自己ねじ立てめねじ付
きファスナを提供することを全体的な目的としている。
【0006】より詳しく述べると、本発明は、鋼部材に
吊下取付具を取り付けるための自己穿孔/自己ねじ立て
めねじ付きファスナを提供することを目的としており、
ここで、このファスナは、そのドリルチップが相対的に
高い硬度を持つように製造されている一方、ファスナの
残りの部分は、このファスナがスプリンクラシステムを
鋼支持構造物からしっかりと吊り下げることができるよ
うに十分な延性を有している。
【0007】本発明は、相対的に高い硬度のドリルチッ
プと、ファスナの表面に好適な残留応力パターンを形成
して疲労に起因するひび割れが生じにくくなるように処
理された軸部と、を有する自己穿孔/自己ねじ立てめね
じ付きファスナを提供することを重要な目的としてい
る。
【0008】本発明の上記及び他の目的により、耐疲労
性となるのに十分な延性を保持するように加工硬化され
た(しかし、中性硬化(neutral hardening)はされて
いない)細長い軸部を有する自己穿孔/自己ねじ立てめ
ねじ付きファスナが提供される。加工硬化(process ha
rdening)は、疲労に起因する亀裂が生じにくくなるよ
うに、ファスナの軸部においてファスナの表面に好適な
残留応力パターンを形成する。このファスナは、押込み
工具と係合してこのファスナを回転できるような形に作
られた頭部を有している。このファスナの軸部には、頭
部成形工程、好ましくは押出し、によって頭部が一体的
に形成されている。この軸部は、頭部に近接する嵌め合
いねじ山と頭部の反対側に位置する軸部端部のドリルチ
ップに近接する食付きねじ山とを含む転造ねじ山を備え
たねじ部を有している。ねじ山の転造により、上記表面
に好適な残留応力パターンが形成され、疲労に起因する
亀裂が生じにくくなる。ドリルチップ及び食付きねじ山
は、ドリルチップ及び食付きねじ山が金属構造部材を穿
孔及びねじ立てできるように、相対的に高い硬度に局所
的に硬化される。これにより、このファスナを構造部材
にしっかりと取り付けることができるようになる。チッ
プ及び食付きねじ山の硬化は、嵌め合いねじ山の中に形
成された好適な応力パターンが実質的に影響を受けない
ように局所化されている。軸部のうち嵌め合いねじ山を
有する部分は加工硬化されており、ドリルチップ及び食
付きねじ山よりも相当に小さい硬度になっているので、
このねじ山は、振動誘発疲労に十分耐えることができる
程度の延性を維持している。
【0009】本発明の特徴は、表面に好適な残留応力パ
ターンを形成して疲労に起因する亀裂が生じにくくなる
ように自己穿孔ファスナの軸部が加工硬化されているこ
とである。軸部のドリルチップ部分は、この後、高周波
焼入れ等の局所化された硬化処理を用いて選択的に硬化
されるが、軸部の残りの部分の延性及び疲労抵抗は維持
される。材料の加工硬化を使用することによりファスナ
の選択的硬化部分の上に別個の熱処理硬化プロセスを施
す必要がなくなり、本ファスナの大きく異なる硬さ特性
を良好に制御することが可能になる。
【0010】本発明の特色として、遷移部が硬化チップ
を延性の軸部ねじ山から分離していることが挙げられ
る。このチップは比較的硬く、50ロックウェルCのオ
ーダである。しかしながら、軸部の表面はかなり軟らか
く、ドリルチップ硬度の35%〜50%のオーダであ
る。遷移部は、ファスナの長さが制限されているため比
較的短いが、この遷移部は、チップにおける相対的に高
い硬度から軸部における相対的に軟かい硬度まで遷移す
る中間の可変硬度を有している。
【0011】このファスナは、比較的高い初期引抜き力
を示した後に、第2の引抜き力のピークが続くという点
において、通常とは異なる引抜き力特性を有することが
分かっている。最初、力が引抜きレベルに向かって立ち
上がると、軸部部分の比較的軟かいねじ山が最終的に破
損した後、引抜き力は鋭く減少するが、この後、ファス
ナが完全に構造部材から引き抜かれる前に、引抜き力は
再び鋭く増加する。引抜き力のこの第2のピークは、チ
ップの近傍であって遷移部の先端に位置するねじ山の比
較的高い硬度から生じるものと思われる。この通常と異
なる引抜き力特性は、高度の衝撃荷重状況(例えば地震
によるもの)において有効な場合がある。このような状
況では、最初の衝撃が鋼部材からファスナを引抜き始め
る場合があるが、引抜きが完了する前に引抜き力の第2
のピークに到達することになる。この第2ピークは十分
に引抜き力に耐えることができ、スプリンクラシステム
等の吊下システムが簡単につぶれずに、緩いけれども吊
り下げられた状態に維持されうるようになっている。
【0012】他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を
図面とともに参照することで明らかになる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一例として、
スプリンクラシステムの部品であるパイプ10が示され
ている。パイプ10は、本発明を実施した自己穿孔/自
己ねじ立てめねじ付きファスナ20を用いて鋼支持構造
物に固定されている。図示のように、この鋼支持構造物
は、鋼ビーム12を有しており、この鋼ビーム12は、
垂直方向に間隔をあけて配置され中央の垂直ウェブ18
によって接合された上下の細長い水平フランジ部材1
4、16を備えている。自己穿孔ファスナ20は、鋼ビ
ーム12の下部部材16に穴をあけ、そこに螺入されて
いる。スプリンクラパイプ10は、吊下取付具22によ
ってファスナ20に取り付けられる。本実施形態では、
各吊下取付具22は、ねじ付きロッド24、及びこのロ
ッドの一端に取り付けられたスイベルリング26を有し
ている。このスプリンクラパイプ10は、スイベルリン
グ26内に収容される。ねじ付きロッド24の他端は、
ファスナにしっかりと取り付けられており、これにより
スプリンクラパイプ10が鋼ビーム12の下側で支えら
れるようになっている。
【0014】次に図2を参照すると、自己穿孔/自己ね
じ立てめねじ付きファスナ20は、頭部30と、この頭
部に一体的に形成された細長軸部32と、を有してい
る。頭部の反対側に位置する軸部32の端部は、溝付き
のドリルチップ34に成形されている。このドリルチッ
プ34により、ファスナ20は鋼構造部材を穿孔できる
ようになっている。軸部32のうちドリルチップ34と
頭部30との間にある部分はねじ部31であり、このね
じ部31は、頭部30に近接する嵌め合いねじ山33
と、ドリルチップ34に隣接する食付きねじ山(lead t
hread)37と、を有している。この食付きねじ山37
は、数個のねじ立てねじ山(tapping thread)46と、
このねじ立てねじ山に近接する数個の螺旋ねじ山(heli
cal thread)と、を含んでいる。
【0015】頭部30は、ファスナ20を回転させるこ
とによりドリルチップ34及び軸部32のねじ部31を
図1に示される鋼ビーム12等の鋼構造部材に押込むこ
との可能な押込み工具(driving tool)と嵌合するよう
な形状をしている。この頭部30は、数多くある周知の
回転押込み手段のうち任意のものを有するように形成し
ても良い。本実施形態では、頭部30の端部は、6角形
の押込み端部36として形成されている。押込み端部3
6に接している頭部30上の環状フランジ38は、押込
み端部と嵌合してファスナを押し込むために使用される
6角形ソケット用の止めとして機能する。頭部30は、
吊下取付具をファスナに確実に取り付けることを可能に
する接合手段を更に備えている。図3の横断面図に最も
良く示されるように、本実施形態では、頭部30は、そ
の内部に同軸のねじ山成形部40を有している。このね
じ山成形部40は、図1のねじ付きロッド24のような
ねじ付き管継手を収容するようにねじが切られ、大きさ
が調節されている。頭部30は、肩部39で終わってい
る。この肩部39は、ファスナが穿孔及びねじ立てを行
う支持構造物を支えることができるようになっている。
【0016】ドリルチップ34は、金属切れ刃42及び
溝44によって形成されている。溝44は、軸部32の
端から上方に延び、ドリルチップ34に隣接するねじ部
31の最初の数個のねじ山に及んでいる。この溝によっ
て中断されたこれらのねじ山が、ねじ立てねじ山46を
形成している。本実施形態では、2個の溝44が、ドリ
ルチップ34に形成されている。図4に最も良く示され
るように、2つの面取りすくい面50が、軸部32の中
心軸から上方外側に突出する角度でドリルチップ34の
端部に機械加工されている。これら2つの面取りすくい
面50は、ドリルチップの端部周辺で直径方向に間隔を
あけられている。2個の溝44も、直径方向に間隔をあ
けられており、面取りすくい面から約90度回転してい
る。ドリルチップ34の切れ刃42は、溝44と面取り
すくい面50との交差部でつくられた鋭いエッジによっ
て形成されている。
【0017】本発明の自己穿孔ファスナ20は、図1に
示される鋼ビーム12(但し、これに限定されるもので
はない)等の支持部材を含む金属支持構造物にスプリン
クラシステムを取り付けるのに特に適している。本発明
によれば、自己穿孔ファスナ20は、二重の硬化レベル
を有するように処理される。図3においてクロスハッチ
ングされた部分35として示され、ドリルチップ34及
び食付きねじ山37を含んでいる軸部32の下部は、鋼
部材を穿孔及びねじ立てできるように相対的に高い硬度
を有している。一方、軸部32のうち嵌め合いねじ山3
3を有する部分は、この部分が十分な延性を有し、振動
荷重によって誘起される疲労に耐えることができるよう
に、相対的により低い硬度を有している。しかしなが
ら、嵌め合いねじ山33を有する軸部上部の硬度は依然
として十分に高く、ファスナが鋼部材に押し込まれてい
るときに経験するトルクに耐え、取り付けられたスプリ
ンクラシステムを確実に支えることができるようになっ
ている。漸進遷移部51は、低硬度軸部33から高硬度
部分35、37を分離している。この組合わせは、自身
の中で2つの明確に区別される材料性質を示し、かつ2
つの別個の負荷容量を示す単一のファスナを提供するこ
とになる。
【0018】本発明の特徴は、軸部32を形成して軸部
32を「加工硬化」する工程を利用することにより、十
分に硬いが、疲労抵抗性となるのに十分な延性を有する
ように軸部32の上部33を作ることである。軸部32
を加工硬化することにより、あまり選択されない傾向が
あり、望んでいない全面焼入れを引き起こしやすい熱処
理硬化プロセスを使用する必要がなくなる。軸部32が
形成され、加工硬化された後、局所的な硬化処理を用い
て、ドリルチップ34及び食付きねじ山37を、鋼構造
部材を穿孔及びねじ立てするのに十分な相対的に高い硬
度まで硬化させる。軸部のうち嵌め合いねじ山33を有
する部分の硬度が実質的に影響を受けないように、この
硬化処理は十分に局所化されており、遷移部51は十分
なバッファを与える。本発明の好適な実施形態で利用さ
れる局所硬化処理は、高周波焼入れである。しかしなが
ら、本発明の内容に従って、他の利用可能な局所硬化技
術を使用し、ここで開示されるようなファスナを実現す
ることもできる。
【0019】さらに詳細に説明すると、自己穿孔ファス
ナを形成するため、頭部成形工程によって金属線材が成
形され、頭部及び頭部から延びる一体軸部が形作られ
る。好適な頭部成形工程は、押出しである。押出しが好
適なのは、それが軸部のベース硬度レベルを確立するよ
うに機能する加工硬化技術だからである。この頭部成形
工程は、6角形押込み端部36等の押込み手段の形成を
含んでいる。この好適な実施形態のように、ファスナの
頭部が吊下取付具を取付けるためのねじ付きソケットを
有することになっている場合、このソケットは、頭部及
び軸部を形成した後、ねじ立てを行って内部にねじ山を
形成する頭部成形工程中に形成することができる。
【0020】軸部を形成する頭部成形工程は、軸部の硬
化も行う。軸部が形成された後、軸部上にねじ山が転造
される。更に、ねじ山の転造により、疲労に起因する亀
裂を生じにくくするための好適な残留応力パターンが表
面に形成される。この軸部及びねじ山の形成により、嵌
め合いねじ山は、事前に設定された硬度レベルまで硬化
され、軸部のうち嵌め合いねじ山を有する部分が比較的
延性を維持するようになっている。一例を挙げると、頭
部成形工程後の軸部は、ドリルチップの硬度の約35%
〜50%という硬度を有している。ねじ山を転造するこ
とにより、軸部の硬度は、更に約2%〜4%増加する。
面取りすくい端面及び溝を形成することによってドリル
チップ34が形成された後、この軸部の下部35(図
3)は、好ましくは高周波焼入れ等の局所硬化処理を利
用して、相対的に高い硬度レベル、好ましくは50ロッ
クウェルCを超える硬度レベルに硬化される。
【0021】加工硬化の結果として、軸部32の上部の
ねじ山は、通常の場合の硬化片で得られるものよりも全
体的に軟かくなる。ファスナ20が金属支持部材に押し
込まれると、このねじ山の相対的な軟かさによって、こ
のねじ山は、支持部材中にねじ立てされたねじ山に合う
ようになり、これにより、このねじ山と支持部材とがよ
り好適に接触するようになる。
【0022】本発明の別の特徴としては、ドリルチップ
34によってあけられた穴をねじ立てするためにねじ立
てねじ山46に要求されるトルクが、軸部32の縦軸に
対して角度をつけてドリルチップに溝44を形成するこ
とにより低減されていることが挙げられる。図5のドリ
ルチップの拡大図に最も良く示されるように、溝44
は、ねじ立てねじ山46を切断しており、溝とねじ立て
ねじ山との交差部が、ねじ立てねじ山の切れ刃48を形
成している。自己穿孔ファスナ20がドリルチップ34
を構造部材にあてた状態で工具によって回転させられる
と、チップは構造部材に穴をあけ始める。ドリルチップ
34が構造部材の中に十分に進入した後、ねじ立てねじ
山46は、あけられた穴と係合して、穴の中にねじ山を
ねじ立てし始める。軸部32の軸に対して角度をつけて
溝44を形成することにより、ねじ立てねじ山の複数の
切れ刃48は、軸部の周方向で相互にずれるようにな
る。この結果、あけられた穴のねじ立てを複数のねじ立
てねじ山46が開始すると、その切れ刃48は、この穴
の壁を、同時にではなく順次に切削する。この結果、ね
じ山をねじ立てするために必要とされるトルクが大きく
減少する。本実施形態では、溝44は、軸部32の軸に
対して約8〜15度の角度をなしている。このような配
置を採用することにより、ねじ立てねじ山の切れ刃が軸
部の縦方向に一直線に並べられる配置と比較して、約5
0%のねじ立てトルクの低減が達成されるものと推定さ
れる。
【0023】本ファスナは構造用鋼材を穿孔することの
可能な硬化チップを有しているので、ねじ立てトルクの
低減は、本発明において特に意義が大きい。複数のねじ
立てねじ山をこれらが同時にではなく順次にあたるよう
に形成することにより、ねじ立てトルクが複数のねじ立
てねじ山の間で分散されるような構造が得られる。ねじ
立てねじ山が高い硬度レベルにある場合であっても、こ
のトルクの低減により、ファスナによる穿孔及びねじ立
て作業中のねじ山の形成が一層確実になる。
【0024】本発明の好適な実施形態に係るファスナを
加工する際は、遷移部がチップと低硬化嵌め合いねじ山
との間に適切なバッファを与えるように、このチップの
高周波焼入れ条件を制御することが必要である。このた
め、嵌め合いねじ山を不必要に硬化しないように遷移部
全体に熱を移し過ぎないような方法でチップを硬化させ
ることが必要である。本ファスナの材料、直径及び寸法
が全て条件に影響を与えるため、高周波焼入れ条件、時
間、温度及び電流を選択して、軸部の嵌め合いねじ山を
実質的に硬化することなしにチップの硬化を達成し、か
つ、比較的制限された遷移部内でこのチップ及び軸部に
おける2つの別個のレベル間の漸進硬度を維持すること
が、当業者によって現在考えられている。
【0025】これは、図3を参照することにより良く理
解することができる。図3は、軸部の上部における嵌め
合いねじ山33、相対的に硬い部分35における硬化チ
ップ(ねじ立てねじ山を含む)、及び中間遷移部51を
示している。この遷移部は、低硬度軸部33から高硬度
領域35を分離しており、一つのファスナに2つの明確
に異なる材料性質を与えることを可能にしている。本発
明の好適な実施形態では、チップ35の硬度が50ロッ
クウェルCのオーダであるのに対し、軸部33の硬度は
その35%〜50%未満のオーダである。このような非
常に大きな硬度差は、遷移部51にわたる硬度の遷移に
よって説明される。この遷移部は、その先端部でチップ
35と実質的に同じ硬度レベル、すなわち約50ロック
ウェルCにあり、比較的短い区域にわたって25ロック
ウェルC以下の硬度の遷移をもたらしている。
【0026】嵌め合いねじ山を加工硬化するとともに、
チップの局所硬化プロセスの間その加工硬化が妨害され
ないようにすることにより、重要な構造的特徴が本発明
に与えられる。ねじ山の加工硬化により、軸部のうち嵌
め合いねじ山を含む部分に好適な残留応力パターンが形
成される。軸部表面で嵌め合いねじ山を形成している材
料は、ある応力状態におかれている。このファスナを破
損させようとして亀裂を発生させるためには、この内部
応力に打ち勝たなければならない。このように、好適な
残留応力パターンを形成することにより、ファスナの軸
部内における亀裂の発生と形成を防止しやすくなる。
【0027】本発明者は、この好適な残留応力パターン
を形成するのが、ねじ山の転造であることを見出した。
軸部は、所定の硬度レベルを作り出す加工硬化の一形態
である頭部成形工程(より好ましくは、押出し)によっ
て、最初に望ましい硬度レベルにされる。この後、その
箇所におけるねじ山の転造により、振動誘発破損を避け
るときに重要であることが分かったこの残留応力パター
ンが形成される。但し、この好適な残留応力パターンを
形成するに際して、このパターンがチップの硬化中に壊
されないことが重要である。このため、チップを硬化さ
せる局所化工程を制御してその局所化を確実にするこ
と、及び好適な残留応力パターンを有する軸部を保護す
るため遷移部によって硬化中のチップを軸部から適切に
分離すること、が重要である。このプロセスがここで説
明されるように実行されると、このような条件が満たさ
れ、二重の硬化特性を有するファスナが製造される。
【0028】このようにして形成されたファスナは、鋼
構造物を穿孔及びねじ立てし、かつ、振動誘発荷重に耐
えることができるだけでなく、更に、2つの別個の負荷
容量(load-carrying capacity)を有することが分かっ
ている。このことは、ファスナの引抜き試験により確認
されている。この引抜き試験では、例えば図1に示され
るように、ファスナは、当初、構造部材に固定されてい
る。この後、このファスナには、破損が始まり構造部材
からの引き抜きが始まるまで荷重が加えられる。この荷
重は、ファスナ移動量の関数として測定される。通常、
ファスナは高い引抜き力を有しており、破損が始まる
と、ファスナが構造部材から取り外され引抜き力がゼロ
になるまで、この引抜き力は急激に減少する。しかし、
本発明に従って構成されたファスナは、引き抜き力の最
初のピークに加えて、引き続き第2のピークを示す。
【0029】この2つの同等な引抜き特性は、図6及び
図7を参照することにより、適切に説明される。図6
は、厚さ0.112インチの比較的薄い鋼構造部材中の
ファスナの引抜き試験を表している。図7は、ファスナ
がより厚い鋼中にあることを除いて、同様の試験を表し
ている。この場合の鋼の厚さは、0.250インチであ
る。
【0030】最初に図6を詳しく参照すると、図6に
は、ファスナに加えられる引抜き力(縦座標にプロッ
ト)に対するファスナの変位距離(横座標にプロット)
のグラフが示されていることが分かる。開始時におい
て、引抜き力はゼロであり、変位もゼロであることが分
かる。鋭く上昇する部分60は、最初、非常に大きな引
抜き抵抗を示し、最大の引抜き力を表すピーク61まで
上昇する。ピーク61を超えた後、この引抜き力は、引
抜き距離のごくわずかな変化を伴いつつ、区域62にお
いて急激に下降する。これは、嵌め合いねじ山が引抜き
に耐える最大容量に達した後の嵌め合いねじ山の破損を
示しているものと思われる。
【0031】しかしながら、ゼロまで急激に下降するこ
とはなく、区域62は終点63を有しており、これに続
いて、引抜き力が、このファスナの相当な移動距離の
間、同程度になるようになっている。この区域は、点6
3から別の点64まで延びており、これに続いて、区域
65で引抜き力が突然大きく上昇し、最終的に第2のピ
ーク66に達する。このピーク66を過ぎると、第2の
下降区域67になる。この下降区域67は、支持構造物
からのファスナの取り外しを完了するのに必要な、常に
減少する力を表している。
【0032】本発明者は、ファスナに対する図6のよう
な引抜き力と引抜き距離とを相関させて考えて、点63
及び64間の区域が遷移部51(図2を見よ)を表して
いると結論した。点63及び64間の区域における小さ
な山及び谷は、遷移部が支持構造物中に引き込まれると
きの遷移部中の個々のねじ山の破損を表している。しか
し、遷移部中のねじ山が破損し、支持構造物中に引き込
まれた後、引抜き力は区域65で急激に上昇する。これ
は、チップの付近であって遷移部の先端に位置する硬化
ねじ山と構造鋼部材との相互作用を表している。この
後、これらのねじ山を鋼部材から引き抜くことは非常に
難しくなり、これにより、引抜き特性の第2のピークが
生じる。必要な大きな力を加えることにより硬化ねじ山
が構造部材から引き抜かれると、区域67に示されるよ
うに、ファスナが取り外される。
【0033】図7を簡単に参照すると、図6と同様の区
域(同じ参照番号で示す)が形成されていることが分か
る。また、ファスナが螺入される構造部材が図7の場合
よりも厚いという事実のため、点63′及び64′間の
区域が、図6の点63及び点64間よりも広く間隔をあ
けていることも分かる。2つのグラフのスケールは同じ
ではなく、一つの試験において、図6で引抜きのために
必要な最大ピーク力は約2000ポンドであったのに対
し、図7でピーク最高点に達する最大の力は、6000
ポンドのオーダであった。しかしながら、双方の場合と
も、遷移部という下部のねじ山の引抜き及び破損の後、
第2の非常に大きなピーク66又は66′に到達する。
このピークは、チップ及び遷移部の先端における硬化ね
じ山のかみ合いを表現している。
【0034】図6及び図7に示されるような特性は、ス
プリンクラの設置に特に関連がある。スプリンクラシス
テムは、多くの場合、地震力に耐えるように設計しなけ
ればならないが、地震力が第1の引抜き力ピーク61、
61′を上回るピークを有している場合もある。このた
め、このような状況では、ファスナが破損して、構造支
持部材からの引き抜きが始まる場合がある。しかしなが
ら、地震の中の複雑な振動状況のもとでは、構造部材か
らのファスナの引き抜きが始まる時までにこのピーク力
が通り過ぎ、構造部材からファスナが完全に外れること
を困難にする引抜き力ピークをファスナが再び有するよ
うになる可能性が高い。このため、このファスナは、4
分の1インチ程度引き抜かれて部分的に取り外され、構
造部材の中で緩くなる場合があるが、このファスナは依
然として構造部材とかみ合っており、依然としてスプリ
ンクラシステムを支えることが可能である。従って、地
震の間に火事が起こりそうな場所に位置するスプリンク
ラシステムがこのような状態にあるときに、このスプリ
ンクラシステムが有効に機能する可能性は高い。
【0035】本発明は、種々の変形及び代替構造を採用
することが可能であるが、図示されているのは特定の実
施形態の例であり、これは上記のように詳細に説明され
ている。しかしながら、本発明を特定の形に限定する意
図はなく、逆に、特許請求の範囲によって画定される本
発明の趣旨と範囲内に含まれる全ての変形、代替構造及
び均等物をカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した新たな改良型自己穿孔/自己
ねじ立てめねじ付きファスナを利用して鋼構造部材に取
り付けられたスプリンクラパイプを示す部分斜視図であ
る。
【図2】図1に示される自己穿孔/自己ねじ立てめねじ
付きファスナのうちの1個を示す斜視図である。
【図3】図2のファスナの軸方向に沿った断面図であ
る。
【図4】図2の4−4線に沿って見たファスナの拡大底
面図である。
【図5】図2に示される自己穿孔ファスナのドリルチッ
プの拡大部分斜視図である。
【図6】本発明に係るファスナによって得られる独特の
引抜き力特性を示すグラフである。
【図7】本発明に係るファスナによって得られる独特の
引抜き力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…スプリンクラパイプ、12…鋼ビーム、14及び
16…水平フランジ部材、18…垂直ウェブ、20…自
己穿孔/自己ねじ立てめねじ付きファスナ、22…吊下
取付具、24…ねじ付きロッド、26…スイベルリン
グ、30…頭部、31…ねじ部、32…軸部、33…嵌
め合いねじ山、34…ドリルチップ、36…押込み頭
部、37…食付きねじ山、38…環状フランジ、39…
肩部、40…ねじ山成形部、42…ドリルチップ34の
切れ刃、44…溝、46…ねじ立てねじ山、48…ねじ
立てねじ山46の切れ刃、50…面取りすくい面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー アール. イースター アメリカ合衆国, イリノイ州, ロック フォード, 26番ストリート 2206 (72)発明者 パトリック エム. モナハン アメリカ合衆国, イリノイ州, ロック トン, ダンカン レーン 12986 (72)発明者 グレッグ イー. メルヴィン アメリカ合衆国, イリノイ州, ロック フォード, ブリン マー レーン 1412

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭部と、転造ねじ山を有する加工硬化さ
    れた軸部と、を備える自己穿孔/自己ねじ立てファスナ
    であって、 前記転造ねじ山は、前記頭部に近接する嵌め合いねじ山
    と、前記頭部の反対側に位置する前記軸部の溝付きドリ
    ルチップに隣接した食付きねじ山と、を含んでおり、前
    記嵌め合いねじ山の硬度レベルは、前記軸部の加工硬化
    及び前記ねじ山の転造によって所定の相対的に低い硬度
    レベルにされており、 前記溝付きドリルチップ及び食付きねじ山は、少なくと
    も50ロックウェルCの相対的に高い所定硬度レベルに
    局所的に硬化されており、この相対的高硬度レベルは、
    前記嵌め合いねじ山の延性が実質的に影響を受けないよ
    うに局所的に調節されており、これにより、前記嵌め合
    いねじ山が、振動抵抗特性を示すのに十分な延性を有す
    るとともに、前記チップ及び前記食付きねじ山が、鋼を
    穿孔及びねじ立てできるようになっている自己穿孔/自
    己ねじ立てファスナ
  2. 【請求項2】 前記所定の相対的低硬度レベルは、前記
    ドリルチップ硬度の約35%〜50%である、請求項1
    記載の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ。
  3. 【請求項3】 前記溝付きドリルチップ及び食付きねじ
    山は、前記相対的所定高硬度レベルに高周波焼入れされ
    ている、請求項2記載の自己穿孔/自己ねじ立てファス
    ナ。
  4. 【請求項4】 前記頭部は、ねじ付きロッドと嵌合する
    ような大きさの同軸ねじ山成形部を内部に有している、
    請求項1記載の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ。
  5. 【請求項5】 前記頭部は、当該ファスナを回転させる
    工具との係合を可能にする押込み手段を含んでいる、請
    求項4記載の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ。
  6. 【請求項6】 前記押込み手段は、6角形の押込み端部
    に成形された前記頭部の端部と、この6角形押込み端部
    に隣接する環状フランジと、を含んでいる、請求項5記
    載の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ。
  7. 【請求項7】 前記食付きねじ山は、前記ドリルチップ
    に隣接するねじ立てねじ山を含んでおり、前記ドリルチ
    ップは、前記ねじ立てねじ山まで延びて前記ねじ立てね
    じ山の切れ刃を複数形成する少なくとも2つの溝を有し
    ており、これらの溝は、前記ねじ立てねじ山の複数の切
    れ刃が前記軸部の周方向で相互にずれるように前記軸部
    の縦軸に対して角度をつけて形成されており、これによ
    り、前記ねじ立てねじ山の複数の切れ刃が、前記ドリル
    チップによってあけられた穴に順次に切り込むようにな
    っている請求項1記載の自己穿孔/自己ねじ立てファス
    ナ。
  8. 【請求項8】 建造物用のスプリンクラシステムであっ
    て、前記建造物は、このスプリンクラシステムが吊り下
    げられる鋼ビームを含んだ鋼支持構造物を有しており、 当該スプリンクラシステムは、ドライバと係合する頭
    部、及びこの頭部の反対側に位置して前記鋼ビームに穴
    をあける溝付きチップを有する突出軸部、を各々が含ん
    でいる複数の自己穿孔/自己ねじ立てファスナと、前記
    ファスナの前記頭部に嵌め込まれた複数のねじ付きロッ
    ドと、前記ねじ付きロッドに取り付けられた複数の支持
    ハンガと、前記ハンガ内で支持されたスプリンクラパイ
    プと、の組合せを備えており、 前記軸部は、前記頭部に近接する嵌め合いねじ山と、前
    記溝付きチップに隣接する食付きねじ山と、を有してお
    り、前記軸部は、プロセス硬化されており、前記ねじ山
    は、前記嵌め合いねじ山に相対的に低い所定硬度レベル
    を与えるとともに、その表面に好適な残留応力パターン
    を与えるように形成されていて疲労に起因する亀裂が生
    じにくいようになっており、前記溝付きチップ及び食付
    きねじ山は、前記嵌め合いねじ山の残留応力パターンに
    実質的に影響を与えることなしに、より高い所定硬度レ
    ベルに局所的に硬化されていて、前記溝付きチップ及び
    前記食付きねじ山が前記鋼ビームを穿孔及びねじ立てで
    きるようになっており、 前記ファスナは、前記ファスナの前記頭部の下に位置す
    る肩部が前記鋼支持構造物と係合し、かつ、前記嵌め合
    いねじ山が前記鋼中の自己ねじ切りされた穴に嵌め込ま
    れるまで、前記鋼支持構造物に自己穿孔及び自己ねじ立
    てされるようになっており、 ナットを用いて前記ファスナを前記鋼支持構造物に固定
    する必要なしに設置されるようになっているスプリンク
    ラシステム。
  9. 【請求項9】 前記相対的に低い所定硬度レベルは、前
    記ドリルチップの硬度の約35%〜50%であり、前記
    より高い所定硬度レベルは、少なくとも50ロックウェ
    ルCである、請求項8記載のスプリンクラシステム。
  10. 【請求項10】 金属支持部材に吊下取付具を取り付け
    る自己穿孔/自己ねじ立てファスナであって、 当該ファスナを回転させる押込み工具との係合が可能に
    なるように成形され、内部に同軸ねじ山成形部を有して
    いる頭部と、 一体成形され、前記頭部から延在する加工硬化された軸
    部と、 を備え、 前記加工硬化された軸部は、前記頭部に近接する転造ね
    じ山を有するねじ部と、前記頭部の反対側の軸部端部に
    位置するドリルチップと、を有しており、前記ドリルチ
    ップ及び前記ドリルチップに隣接する前記ねじ山の食付
    き山部は、前記ドリルチップ及び食付き山部が前記支持
    部材を穿孔及びねじ立てすることができ、これによって
    当該ファスナを前記支持部材に固定できるように、所定
    の相対的に高い硬度レベルに局所的に硬化されており、
    前記軸部の残りの部分は、前記軸部及び前記ねじ山の形
    成によって所定の相対的に低い硬度レベルに加工硬化さ
    れており、これにより前記軸部の前記残りの部分に延性
    が残り、振動誘発疲労に耐えることができるようになっ
    ており、前記ドリルチップ及び前記ねじ山の食付き山部
    は、前記軸部の前記残りの部分の硬度に実質的に影響を
    与えることなく硬化されている自己穿孔/自己ねじ立て
    ファスナ。
  11. 【請求項11】 前記所定の相対的に高い硬度レベル
    は、少なくとも50ロックウェルCであり、前記相対的
    に低い硬度レベルは、前記ドリルチップの硬度の約35
    %〜50%である、請求項10記載の自己穿孔/自己ね
    じ立てファスナ。
  12. 【請求項12】 中間硬度の遷移部が、前記嵌め合いね
    じ山の前記相対的に低い硬度レベルから前記ドリルチッ
    プの前記相対的に高い硬度レベルを分離している、請求
    項11記載の自己穿孔/自己ねじ立てファスナ。
  13. 【請求項13】 前記ねじ山の食付き山部は、前記ドリ
    ルチップに隣接するねじ立てねじ山を含んでおり、前記
    ドリルチップは、前記ねじ立てねじ山まで延びて前記ね
    じ立てねじ山の切れ刃を複数形成する少なくとも2つの
    溝を有しており、これらの溝は、前記ねじ立てねじ山の
    複数の切れ刃が前記軸部の周方向で間隔をあけるように
    前記軸部の縦軸に対して角度をつけて形成されており、
    これにより、前記ねじ立てねじ山の複数の切れ刃が、前
    記ドリルチップによってあけられた穴に順次に切り込む
    ようになっている、請求項10記載の自己穿孔/自己ね
    じ立てファスナ。
  14. 【請求項14】 頭部及び加工硬化された軸部と、 前記頭部に近接する嵌め合いねじ山を含んだ前記軸部中
    の転造ねじ山と、 前記頭部の反対側に位置し、少なくとも50ロックウェ
    ルCの相対的に高い所定の硬度レベルに局所的に高周波
    焼入れされた溝付きチップと、 前記相対的に高い硬度レベルを相対的に低い硬度レベル
    から分離している遷移領域と、 を備え、 前記嵌め合いねじ山の中には、前記ねじ山の転造により
    残留応力パターンが形成されており、 前記遷移領域は、前記ドリルチップの局所焼入れの間、
    前記嵌め合いねじ山の中の前記残留応力パターンを孤立
    させて維持するのに十分な大きさを有している自己穿孔
    /自己ねじ立てファスナ。
  15. 【請求項15】 2つの別個のピークを有する引抜き特
    性を示す請求項14記載の自己穿孔/自己ねじ立てファ
    スナ。
  16. 【請求項16】 前記2つのピークの間の相対的に低い
    引抜き力の領域は、前記嵌め合いねじ山及び前記遷移領
    域中のねじ山の相対的に低い硬度レベルに関連してい
    る、請求項15記載の自己穿孔/自己ねじ立てファス
    ナ。
  17. 【請求項17】 前記第2のピークは、前記焼入れチッ
    プに近接するねじ山の比較的高い硬度レベルに対応して
    いる、請求項16記載の自己穿孔/自己ねじ立てファス
    ナ。
  18. 【請求項18】 金属支持部材に自己穿孔接合を行う自
    己穿孔/自己ねじ立てファスナを作製する方法であっ
    て、 金属線材を押出して、頭部及びこの頭部から延在する軸
    部を形成するステップと、 前記頭部の反対側に位置する前記軸部の端部に溝付きド
    リルチップを形成するステップと、 前記頭部の近傍に嵌め合いねじ山を形成し、かつ、前記
    ドリルチップの近傍に食付きねじ山を形成するように、
    前記軸部にねじ山を転造するステップと、 前記ドリルチップ及び前記食付きねじ山が前記金属支持
    部材を穿孔及びねじ立てできるように、前記ドリルチッ
    プ及び食付きねじ山を、前記嵌め合いねじ山の硬度に実
    質的に影響を与えることなく所定の相対的に高い硬度に
    局所的に硬化するステップと、 を備えており、 前記押出しステップ及び前記ねじ山転造ステップによっ
    て、疲労に起因する亀裂が生じにくいように前記軸部の
    表面に好適な残留応力パターンが形成される方法。
  19. 【請求項19】 前記局所的硬化ステップは、前記ドリ
    ルチップ及び食付きねじ山を高周波焼入れするととも
    に、これらとの間に介在する遷移部によって前記嵌め合
    いねじ山を保護する工程を含んでいる、請求項18記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記頭部にねじ付きソケットを形成す
    るステップを更に備えている請求項19記載の方法。
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