JPH1045764A - 4’−メチル置換フルオレセイン誘導体 - Google Patents

4’−メチル置換フルオレセイン誘導体

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JPH1045764A
JPH1045764A JP9106260A JP10626097A JPH1045764A JP H1045764 A JPH1045764 A JP H1045764A JP 9106260 A JP9106260 A JP 9106260A JP 10626097 A JP10626097 A JP 10626097A JP H1045764 A JPH1045764 A JP H1045764A
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JP
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mmol
methyl
isobenzofuran
xanthen
tracer
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JP9106260A
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English (en)
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Mitali Ghoshal
ゴシャル ミタリ
Salvatore Joseph Salamone
ジョセフ サラモン サルバトール
Robert Sundoro Wu
サンドロ ウ ロバート
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F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
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Publication date
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/10Spiro-condensed systems
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/531Production of immunochemical test materials
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    • G01N33/533Production of labelled immunochemicals with fluorescent label

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)におい
ては、トレーサーによる偏光のスパンが大きいほど、ア
ッセイの精度および感度は優れている。本発明は、FP
IAにおける性能を向上させることを課題とする。 【解決手段】 本発明では、環状アミンと直接に反応し
得てフルオレセイン分子と分析対象物との間の環状リン
カーを与えるフルオレセイン誘導体トレーサーを提供す
ることによりFPIAにおける精度および感度を向上さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には生物学
的液体中のリガンドの測定のための方法および試薬に関
するものである。特定的には、本発明は、蛍光偏光イム
ノアッセイにおけるトレイサー試薬として有用な新規な
種類の4’−メチル置換フルオレセイン接合体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】血清試料中の薬剤濃度は、競合結合イム
ノアッセイによって測定され得る。試験試料中の薬剤等
の分析対象物(リガンドとも称される)の濃度測定のた
めの競合得結合イムノアッセイは、試験試料中のリガン
ドと、トレイサーと称される標識試薬との間の、リガン
ドおよびトレイサーに対して特異的な抗体上のレセプタ
結合部位の限られた個数についての競合に基づく。試料
中のリガンド濃度は、抗体に特異的に結合するであろう
トレイサーの量を決定する。生成されるトレイサー−抗
体接合体の量は、定量的に測定され得、かつ試験試料中
のリガンドの量に逆比例する。
【0003】本発明の方法により測定可能なリガンドま
たは薬剤の例は、エストリオール、アドレノコルチコト
リピンホルモン(ACTH)、エストロン、コレステロ
ール、エストラジオール、コルチゾール、テストステロ
ン、プロゲステロン、ケノデオキシコール酸、ジゴキシ
ン、コール酸、ジギトキシン、デオキシコール酸、リソ
コール酸等のステロイド類並びにそのエステルおよびア
ミド誘導体;B−12等のビタミン類、葉酸、チロキシ
ン、トリオドチロキシン、ヒスタミン、セロトニン、プ
ロスタグランジンE(PGE)、プロスタグランジンF
(PGF)、プロスタグランジンA(PGA)等のプロ
スタグランジン類;テオフィリン等の抗喘息薬;ドキソ
ルビシンおよびメソトレキセート等の抗新生物剤;ジソ
ピラミド、リドカイン、プロカインアミド、プロプラノ
ルオール、キニジン、N−アセチルプロカインアミド等
の抗不整脈剤;フェノバルビタール、フェニトイン、プ
リミドン、バルプロン酸、カルバマゼピン、フレカイニ
ドおよびエトスクシミド等の抗痙攣剤;ペニシリン類、
セファロスポリン類、エリスロマイシン、バンコマイシ
ン、ゲンタマイシン、アミカシン、クロラムフェニコー
ル、ストレプトマイシンおよびトブラマイシン等の抗生
物質;サリチレート等の抗関節炎剤;ノルトリプチリ
ン、アミトリプチリン、イミプラミンおよびデシプラミ
ン等の三環式化合物を含む抗鬱剤;等並びにそれらの代
謝物を含む。加えて、薬剤は、モルヒネ、ヘロイン、ヒ
ドロモフォン、オキソモルフォン、メタドン、コデイ
ン、ヒドロコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロヒドロ
キシコデイン、デキストロメトルファン、フェナゾシ
ン、ベンゾイルエクゴニン、テトラヒドロ−カンナビノ
イド(THC)、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピ
ン、リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)、プロポキシ
フェン、フェンシリジン、アンフェタミン類、メタクア
ロンおよびそれらの代謝物等の乱用薬剤を含んでよい。
これらの物質は本発明の方法に従って分析されうる。加
えて、環境汚染物質が、本発明の方法により分析されう
る。環境汚染物質の例は、ポリ塩素化ビフェニル類(P
CB)、アトラジン、シマジン、テルブトリン、s−ト
リアジン、アミトロール、トリフラリン、ノルフラジ
ン、ペルメトリン、シペルメトリン、パラコート、アラ
クロール、メトラクロール、クロルスルフロン、フェニ
ルウレア除草剤、アルドリン、クロルダン、エンドスラ
ン、パラチオン、ダイオキシン、2−アミノベンズイミ
ダゾール、ペンタクロロフェノール、ベンゾ−α−ピレ
ン、多芳香族環炭化水素(PAH)等の農薬、除草剤、
殺虫剤、抗カビ剤、並びにそれらの代謝物を含む。
【0004】蛍光偏光は(FP)、競合結合イムノアッ
セイにおいて生成されるトレーサー−抗体接合体の量を
測定するための定量手段を提供するものとしてイムノア
ッセイの分野で周知である(BioChem.Biop
hys.Res.Comm.5:299、1961参
照)。一般的に、蛍光偏光技術は、直線偏光により励起
された場合にフルオレセイン標識化合物が、その旋回率
に逆比例的関係を持つ偏光度の蛍光を放射する原理に基
づく。
【0005】蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)にお
いて、蛍光偏光はリガンドまたは薬剤濃度の再現性を持
った関数であり、従って、治療的な薬剤モニターのため
の血清中のリガンドまたは薬剤濃度の定量的測定に好適
である。トレーサーと、測定されるべき薬剤に対して特
異的な抗体を含む血清と、薬剤を含まない患者血清とが
混合された場合に、ほとんどのトレーサーは抗体に結合
する。結果として、結合されたトレーサーが489nm
の偏光により励起された場合に520nmの放射光は高
度に偏光された状態に維持される。しかしながら、患者
の試料中に薬剤が存在する場合には薬剤は抗体に対する
結合についてトレーサーと競合するであろう。従って、
より多くのトレーサーが未結合のまま残り、放射光は偏
光しない。
【0006】本発明によるFPIAは、いずれの型の自
動化またはマニュアルFPIAであってもよい。好まし
くは、FPIAは、特異的抗体に対する蛍光標識薬剤
(トレーサー)の結合を測定しうる自動化COBAS
FARA II(商標)化学システム(ロシュ・ダイア
グノスティク・システムズ、インク、ブランチブルグ、
ニュージャージー、米国)によって実施される(Dan
dlikerおよびFeigen、BioChem.B
iophys.Res.Comm.5:299、196
1参照)。
【0007】FPIAにおいて、結果はミリ偏光単位
(mP)により数量化され、これから標準曲線が決定さ
れ、またスパンが計算される。スパンは、遊離の薬剤が
抗体結合部位について結合トレーサーと競合する際の、
抗体に対するトレーサーのmP単位(またはデルタm
P)で測定される最大および最小結合の間の差(または
デルタ)である。より大きいスパンは、FPIAにおい
てより良い精度を与える。蛍光の偏光は、分析対象濃度
の上昇に伴って、規則的に減少する。デルタ値またはス
パンが大きいほど、アッセイの精度および感度は優れて
いる。試料中の薬剤濃度は、標準検量線との比較により
決定されうる。
【0008】フルオレセイン標識化合物またはトレーサ
ーを調製しうる幾つかのフルオレセイン誘導体が知られ
ており、商業的に入手しうる。主なフルオレセイン誘導
体はフルオレセインの5または6位から誘導され(5位
については異性体I、また6位については異性体IIと
も称される)、5−または6−N−ヒドロキシスクシン
イミジルカルボキシフルオレセイン、5−アミノメチル
フルオレセインまたは6−ジクロロ−1,3,5−トリ
アジン−2−イルアミノフルオレセイン(DTAF)を
含む。
【0009】フルオレセインの4’位から合成されるフ
ルオレセイン誘導体も知られている。例えば、4’−ア
ミノメチルフルオレセインは、カルボキシル基を保持す
る薬剤誘導体またはリガンドに結合するための親核性試
薬として有用である(米国特許4,614,823号お
よび4,510,251号参照)。フルオレセインのア
ミノ基は、分析対象物のカルボキシル基と反応してペプ
チド結合を生じる。しかしながらこの方法は、環式基を
含む分析対象物が4’−メチル炭素原子に直接に結合す
ることを許容しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
の一つは、環状アミンと直接に反応し得てフルオレセイ
ン分子と分析対象物との間の環状リンカーを与えるフル
オレセイン誘導体を提供することである。
【0011】更に特定的には、本発明の目的は、親核中
心を有するリガンドに容易に接合することができる結合
基により修飾される改良された4’−メチル置換フルオ
レセイン誘導体を調製することである。また、本発明の
目的は、親核中心を有する結合基により修飾されたリガ
ンドに容易に接合することができる改良された4’−メ
チル置換フルオレセイン誘導体を調製することである。
【0012】更に本発明の目的は、アミノ基を用いて容
易に除去され、而して薬剤誘導体に対するフルオレセイ
ンの結合を容易にすることができる脱離基を有する4’
−メチル置換フルオレセイン誘導体を調製することであ
る。4’−メチル置換フルオレセインそれ自体はアミノ
基により、好ましくは環状アミンとの反応により修飾さ
れうる。別法として、アミノ基は、4’−メチル置換フ
ルオレセインが結合され得る薬剤誘導体、最も好ましく
は環状アミン含有リンカーを有する薬剤誘導体の一部で
あり得る。
【0013】本発明の更に別の目的は、FPIAにおい
てより高精度および高感度をもたらす、より大きい動力
学的スパンを持ったフルオレセイントレーサーを調製す
るために使用され得る4’−メチル置換フルオレセイン
誘導体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、式
【化5】 式中、Xはヒドロキシ、ハロゲンおよび式−O−SO2
−Rを有するスルホン酸エステルからなる群から選択さ
れ、ここでRは、−C6 4 −CH3 またはCH 3 であ
る、を有する新規な種類のフルオレセンス誘導体に関す
るものである。
【0015】ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子およ
びヨウ素原子からなる群から選択される。好ましくはハ
ロゲン原子は、塩素または臭素原子であり、最も好まし
くは塩素原子である。
【0016】式Iのフルオレセイン誘導体は、蛍光偏光
イムノアッセイにおいて使用されうる新規試薬の合成に
おける中間体として有用である。
【0017】本発明は、蛍光偏光イムノアッセイにおけ
るトレーサーとして使用される環状リンカーを含む薬剤
−フルオレセイン接合体にも関する。
【0018】本発明は、下記の図面を参照してより容易
に理解されるであろう。ここにおいて、化合物に続く番
号は、図1−9に示される化合物番号と関連している。
【0019】図1は、出発材料、並びに4’−ヒドロキ
シメチルフルオレセイン:[rac−4’−(ヒドロキ
シメチル)−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベ
ンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−キサンテ
ン]−3−オン](2)および4’−ピペラジニルメチ
ルフルオレセイン:[rac−3’,6’−ジヒドロキ
シ−4’−(1−ピペラジニルメチル)スピロ[イソベ
ンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−キサンテ
ン]−3−オン](4)の合成に関連する中間体の式を
表す。
【0020】図2は、出発材料、並びに環状リンカー含
有バルプロン酸PFトレーサーである(5−[[[4−
[4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−
キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−ピペラジニ
ル]−カルボニル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン
酸(11)の合成に関連する中間体の式を表す。
【0021】図3は、出発材料、並びに非環状リンカー
含有バルプロン酸PFトレーサーであるrac−5−
[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ
[イソベンゾ−フラン−1(3H),9’[9H]キサ
ンテン]−6−イル)カルボニル]アミノ]−2−プロ
ピルペンタン酸(13)の合成に関連する中間体の式を
表す。
【0022】図4は、出発材料、並びにピペラジンを環
状リンカーとして含有するアンフェタミンPFトレーサ
ーである(S)−4’[[4−[[4−(2−アミノプ
ロピル)−フェニル)フェニル]スルホニル]−1−ピ
ペラジニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサ
ンテン]−3−オン(1:1エピマー)(19)の合成
に関連する中間体の式を表す。
【0023】図5は、出発材料、並びに環状リンカーを
含有するアセトアミノフェンPFトレーサーである[r
ac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソス
ピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]
キサンテン]−4’−イル)メチル]−N−(4−ヒド
ロキシフェニル)−ガンマ−オキソ−1−ピペラジンブ
タミド(26)の合成に関連する中間体の式を表す。
【0024】図6は、出発材料、並びに非環状リンカー
を含有するアセトアミノフェンPFトレーサーである
[rac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキ
ソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル)メチル]アミノ]−N
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソブタンアミ
ド(28)の合成に関連する中間体の式を表す。
【0025】図7は、出発材料、並びに環状リンカーを
含有するチロキシンPFトレーサーである[(2S)−
4’−[[4−[2−アミノ−3−[4(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジアイオドフェノキシ)−3,5−ジアイ
オドフェニル]−1−オキソプロピル]−1−ピペラジ
ニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサンテ
ン]−3−オン(1:1エピマー)(33)の合成に関
連する中間体の式を表す。
【0026】図8は、出発材料、並びに環状リンカーを
含有するカルバマゼピンPFトレーサーである[N−
[[[1−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソス
ピロ[イソベンゾフラン−1(3H)−9’−[9H]
キサンテン]−4’−イル)メチル]−4−ピペリジニ
ル]メチル]−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5
−カルボキサミド(37)の合成に関連する中間体の式
を表す。
【0027】図9は、出発材料、並びに非環状リンカー
を含有するカルバマゼピンPFトレーサーであるN−
[(5Hジベンズ[b,f]アゼピン−5−イルカルボ
ニル)メチル]−N−3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−
[9H]キサンテン]−5−イル]チオウレア・二水和
物(40)の合成に関連する中間体の式を表す。
【0028】本発明は、上記に定義される式(I)の新
規フルオレセイン誘導体に関する。後者において、好ま
しくはXは、ヒドロキシである。従って、特に好ましい
フルオレセイン誘導体は、式、
【0029】
【化6】
【0030】を有する4’−ヒドロキシメチルフルオレ
セインである。
【0031】上記化合物は、クロロメチルメチルエーテ
ルを使用し、メタンスルホン酸の存在下にてフルオレセ
インに施されるフリーデル−クラフツ反応により得られ
た。
【0032】本発明の一側面のおいて、新規4’−フル
オレセイン誘導体は、環状リンカーと結合され得て、本
発明の新規な薬剤−フルオレセイントレーサーを形成す
る。
【0033】例えば、4’−メチル置換フルオレセイン
誘導体は、ヒドロキシ脱離基を持つように修飾される。
親核性反応は、4’−フルオレセイン誘導体に対して、
環状アミンを使用し、有機塩基の存在下で行われ、環状
リンカーを持った4’−メチル置換フルオレセイン誘導
体を生じ、式、
【0034】
【化7】
【0035】式中、R1 はH、または薬剤誘導体、例え
ばバルプロン酸もしくは式、
【0036】
【化8】
【0037】を有するバルプロン酸誘導体から選択され
る、化合物を生じる。
【0038】得られる4’−メチル置換フルオレセイン
接合体は、次いで薬剤との反応に付されて、本発明の新
規薬剤−フルオレセイントレーサーを生じる。
【0039】下記に例示されるように、本発明の新規
4’−メチル置換フルオレセイン誘導体は、フルオレセ
イン−薬剤接合体の調製において有用な試薬である。ヒ
ドロキシル基が親核性試薬と置換されることは一般的で
はない。驚くべきことに、C−4’位のヒドロキシル基
は、以下に記述されるように、多くの親核性基により除
去されうる。C−4’メチル基への、環状リンカー・ア
ームの採り入れは、蛍光偏光イムノアッセイにおいてよ
り大きいスパンを生じ、従って、よりすぐれた精度およ
び高い感度をもたらす。従って、環状リンカー・アーム
を含むトレーサーは、FPIAにおける優れた試薬であ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】一実施態様において、親核性反応
は、4’−ヒドロキシメチルフルオレセインに対して、
t−ブチル−1−ピペラジンカルボキシレートを使用
し、ジメチルホルムアミド(DMF)中の2,6−ルチ
ジンおよびヨウ化ナトリウムの存在下で130−140
℃にて行われ、[rac−4−[3’,6’−ジヒドロ
キシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3
H),9’−[9H]キサンテン]−4’−イル]メチ
ル)−1−ピペラジンカルボキシル酸−1,1−ジメチ
ルエチルエステル(3)を生じる(図1)。トリフルオ
ロ酢酸を使用するt−ブチルカルバメート基(t−Bo
c)の脱保護は、式、
【0041】
【化9】
【0042】を有する4’−ピペラジニルメチルフルオ
レセイン(4)を生じる。
【0043】4’−ピペラジニルメチルフルオレセイン
は、リガンドまたは薬剤と接合し得て、FPトレーサー
を形成する。例えば、4’−ピペラジニルメチルフルオ
レセインは、環状リンカーを含むバルプロン酸FPトレ
ーサーの調製のために使用される(図2)。該ピペラジ
ニルメチルフルオレセインは、バルプロン酸誘導体
(9)と結合されて、尿素(10)の形成をもたらす。
トリフルオロ酢酸中におけるt−Boc基の脱保護は、
式、
【0044】
【化10】
【0045】を有する環状リンカーを含むバルプロン酸
トレーサー、5−[[[4−[4−[(3’,6’−ジ
ヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1
(3H),9’−[9H]−キサンテン]−4’−イ
ル)メチル]−1−ピペラジニル]カルボニル]アミ
ノ]−2−プロピル]ペンタン酸(11)を生じる。
【0046】非環状リンカーを含むバルプロン酸の薬剤
−フルオレセイン接合体、rac−5−[[[3’,
6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾ−
フラン−1(3H),9’[9H]キサンテン]−6−
イル)カルボニル]アミノ]−2−プロピルペンタン酸
(13)も調製された。6−カルボキシ−N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステルは、アミノ官能基を有するバ
ルプロン酸誘導体(8)と結合された。トリフルオロ酢
酸中におけるt−Boc基の脱保護は、環状リンカーを
持たないバルプロン酸トレーサーを与えた。
【0047】2種類のバルプロン酸トレーサー、5−
[[[4−[4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]−キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−
ピペラジニル]−カルボニル]アミノ]−2−プロピ
ル]ペンタン酸(11)およびrac−5−
[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ
[イソベンゾ−フラン−1(3H),9’[9H]キサ
ンテン]−6−イル)カルボニル]アミノ]−2−プロ
ピルペンタン酸(13)を、ポリクローナル抗血清(C
OBAS−FP試薬番号44065)を使用して、CO
BAS FARA II(登録商標)化学システムにて
評価した。検量曲線において測定されたスパン(デルタ
mP)は、非環状リンカーを含むトレーサー(121m
P)と比較すると、環状リンカーを含むトレーサー(1
46mP)についてより高かった。
【0048】フルオレセイン誘導体は、環状アミンと直
接に反応し、フルオレセイン分子と分析対象物との間の
環状リンカーを与える。この型の分子設計は、一旦抗体
に結合した場合に環状リンカーを有する薬剤−フルオレ
セイン接合体の回転の自由度をより妨げ、環状リンカー
を持たずに合成された薬剤−フルオレセイン接合体より
も大きいスパンを与える。環状リンカーを有する新規な
トレーサーは、FPIAにおいて使用される場合の標準
曲線の改良された動力学的範囲および向上した偏光を示
した。
【0049】本発明は、また一般式、
【0050】
【化11】
【0051】式中、Yはピペラジン、ホモピペラジン、
4−アミノメチルピペリジン、4−カルボキシピペリジ
ン、プロリンおよび3−カルボキシジヒドロピリジンか
らなる群から選択される環状リンカーであり;Qは、こ
こに記述される薬剤、治療薬または環境汚染物である、
を有する新規薬剤−フルオレセイン接合体を調製するた
めの、環状リンカーにより修飾された薬剤に直接に結合
する4’−メチル置換フルオレセイン誘導体に関する。
【0052】好ましい実施態様において、Yはピペラジ
ン、ホモピペラジン、および4−アミノメチルピペラジ
ンからなる群から選択され;Qは、チロキシン、アセト
アミノフェン、アンフェタミン、およびカルバマゼピン
からなる群から選択される薬剤である。好ましくは、Y
はピペラジンであり、かつQはアンフェタミンまたはア
セトアミノフェンであるか、あるいはYはホモピペラジ
ンであり、かつQはチロキシンであるか、あるいはYは
4−アミノメチルピペリジンであり、かつQはカルバマ
ゼピンである。
【0053】一般に、4’−メチル置換フルオレセイ
ン、好ましくは4’−ヒドロキシメチルフルオレセイン
の、ピペラジン、ホモピペラジンまたはピペリジンから
なる群から選択される環状リンカーを含む薬剤に対する
結合工程は、4’−ヒドロキシメチルフルオレセイン
を、ジメチルホルムアミド中で2,6ルチジンおよびヨ
ウ化ナトリウムの存在下、120℃〜140℃にて環状
リンカーを含む薬剤またはリガンドと反応させることを
含む。
【0054】ピペラジンリンカーを含むアンフェタミン
FPトレーサーは、ピペラジン環を有するアンフェタミ
ン誘導体を使用して合成され、(S)−2,2,2−ト
リフルオロ−N−[1−メチル−2−[4−(1−ピペ
ラジニルスルホニル)フェニル]エチル]アセタミド
(17)を、ジメチルホルムアミド中にて2,6−ルチ
ジンおよびヨウ化ナトリウムの存在下で、120℃にて
4’−ヒドロキシメチルフルオレセインと反応に付し、
(S)−N−[2−[4−[[4−[(3’,6’−ジ
ヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1
(3H),9’−[9H]キサンテン]−4’−イル)
メチル]−1−ピペラジニル]スルホニル]フェニル]
−1−メチルエチル]−2,2,2−トリフルオロアセ
タミドを、1:1エピマー混合物(18)として生じる
(図4)。エタノール中におけるメチルアミンによる脱
保護によって、(S)−4’[[4−[[4−(2−ア
ミノプロピル)フェニル]スルホニル]−1−ピペラジ
ニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサンテ
ン]−3−オン(1:1エピマー)(19)が生成され
る。
【0055】ピペラジンリンカーを含むアセトアミノフ
ェンFPトレーサーの合成には、出発材料としてp−ニ
トロフェノールを使用し、これをメトキシエトキシメチ
ルエーテル(21)に変換した(図5)。保護されたニ
トロフェノールを、エタノール中で蟻酸アンモニウムお
よび10%Pd−Cの存在下でアミノに還元し、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]ベンズアミン
(22)を得る。アミノ基をスクシニル化し、得られる
酸誘導体をピペラジンと結合した。ピペラジン基を含む
アセトアミノフェン誘導体を、4’−ヒドロキシメチル
フルオレセインと結合し、次いでトリフルオロ酢酸の存
在下でのメトキシエトキシメチルエーテルの脱保護によ
り、rac−4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−N−
(4−ヒドロキシフェニル)ガンマ−オキソ−1−ピペ
ラジンブタミド(26)を形成する。
【0056】非環状リンカーを有するアセトアミノフェ
ンFPトレーサーの合成のため、p−ニトロフェノール
をメトキシエトキシメチルエーテルにより保護した(図
6)。ニトロ基をエタノール中で蟻酸アンモニウムおよ
び10%Pd−Cの存在下でアミノに還元し、4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]ベンズアミン
(22)を得る。アミノ基をスクシニル化し、得られる
酸誘導体を4’−ヒドロキシメチルフルオレセインと結
合した。トリフルオロ酢酸の存在下でのメトキシエトキ
シメチルエーテル(27)の脱保護により、rac−4
−[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ
[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサン
テン]−4’−イル)メチル]アミノ]−N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−オキソブタンアミド(28)
を生じた。
【0057】2種類のアセトアミノフェンFPトレーサ
ーの性能を、ポリクローナル抗血清(ロット番号P3
4、Binding Site、カリフォルニア)を使
用して、COBAS FARA II(登録商標)化学
システムにて評価した。環状および非環状リンカーを含
むフルオレセインの4’−位において誘導されたアセト
アミノフェンFPトレーサーにより生成された検量線の
比較結果は、例31に記述される様なアッセイプロトコ
ールを用いて得られ、下記表1に示されている。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示されるように、環式基を有するア
セトアミノフェントレーサー、rac−4−[(3’,
6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフ
ラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−4’
−イル)メチル]−N−(4−ヒドロキシフェニル)ガ
ンマ−オキソ−1−ピペラジンブタミド(26)は、よ
り高いスパン(156.7mP)を有し、従って、非環
状リンカーを含むアセトアミノフェントレーサー、ra
c−4−[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ
スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]
キサンテン]−4’−イル)メチル]アミノ]−N−
(4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソブタンアミド
(28)(スパン、112mP)よりも偏光が大きい。
この結果は、環状リンカーを有するトレーサーが、FP
IAにおいて選りすぐれた感度および精度を示すことを
例示している。
【0060】リンカーとしてホモピペラジンを含むチロ
キシンFPトレーサーの合成のために、チロキシンをジ
−t−ブチルジカルボネートで処理して、チロキシン誘
導体(30)を得た(図7)。チロキシン誘導体(3
0)のカルボキシ基を、N−ヒドロキシスクシンイミド
エステルに活性化し、ホモピペリジンと結合した。ホモ
ピペリジン基を含むチロキシン誘導体(31)を、4’
−ヒドロキシメチルフルオレセインと接合し、次いで脱
保護して、(2S)−4’−[4’−[[4−[2−ア
ミノ−3−[4(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオド
フェノキシ)−3,5−ジアイオドフェニル]−1−オ
キソプロピル]−1−ピペラジニル]メチル]−3’,
6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3
H)9’−[9H]キサンテン]−3−オン(1:1エ
ピマー)(33)を得た。
【0061】該チロキシントレーサーを、ポリクローナ
ル抗血清(COBAS−FP試薬番号44200)を使
用し、COBAS FARA II(登録商標)化学シ
ステムにより、例31に示されるものと同様なプロトコ
ールにてFPIAにより評価した。下記の表2は、環状
リンカーを含む新規チロキシントレーサーを使用して検
量線について得たデータを示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示されるように、新規チロキシント
レーサーの蛍光偏光は、チロキシン標準の増加に伴っ
て、規則的に減少し、試料中のチロキシンの定量測定の
ために好適な標準投与量応答曲線を生じる。従って、こ
のチロキシンFPトレーサーは、FPIAにおいて有効
な試薬である。
【0064】環状リンカーピペリジンを含むカルバマゼ
ピンFPトレーサーの合成において、N−カルバモイル
クロライド(35)を、4−アミノメチルピペリジンと
結合させ、ピペリジン基を含むカルバマゼピン誘導体
(36)を得た(図8)。このカルバマゼピン誘導体を
4’−ヒドロキシメチルフルオレセインと接合させて、
環状リンカーを含むカルバマゼピン誘導体、N−[[1
−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ
[イソベンゾフラン−1(3H)−9’−[9H]キサ
ンテン]−4’−イル)メチル]−4−ピペリジニル]
メチル]−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カ
ルボキサミド(37)を得た。
【0065】フルオレセインと薬剤分子との間の環状リ
ンカーの存在に加えて、フェノール環に隣接するリンカ
ー・アームの位置は、キラル性を生じ、これは薬剤−フ
ルオレセイン全体の回転を妨げてFPIAにおける標準
曲線の動力学的範囲を改善する。
【0066】非環状リンカーを有するカルバマゼピンF
Pトレーサーの調製は、図9に例示されている。イミノ
スチルベンを、アルファ−ブロモアセチルブロマイドと
反応させて、ブロモ誘導体(38)を得る。該ブロモ誘
導体をアンモニアおよびヨウ化ナトリウムと反応させて
アミノ含有カルバマゼピン誘導体(39)を得る。該カ
ルバマゼピン誘導体を、5−フルオレセインイソチオシ
アネートと結合させて非環状リンカーを有するカルバマ
ゼピントレーサー、N−[(5H−ジベンズ[b,f]
アゼピン−5−イルカルボニル)メチル]−N’−
3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベ
ンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサンテン]−
5−イル]チオウレア・二水和物(40)を得る。
【0067】カルバマゼピントレーサーを、ポリクロー
ナル抗体(COBAS−FP試薬番号46206)を使
用し、例31に示すと同様のアッセイプロトコールを使
用してFPIAにて評価した。環状および非環状リンカ
ーを含むカルバマゼピンFPにより生じる標準曲線の対
比は、図3に示される。
【0068】
【表3】
【0069】表3のデータは、フルオレセインのフェノ
ール環の一つを置換するカルバマゼピントレーサー(4
0)中の環状リンカーの存在が、フルオレセインの5位
において誘導された非環状リンカーを含むカルバマゼピ
ンFPトレーサー(スパン、135.9mP)と比較し
た場合に向上した偏光(スパン、167mP)を与え、
FPIAにおいてより高い精度および正確さを与えるこ
とを示している。
【0070】
【実施例】以下は、本発明の新規な4’−メチル置換フ
ルオレセイン誘導体の合成および蛍光偏光イムノアッセ
イのプロトコールを例示する非限定的な例である。表題
および例1−30中の化合物の番号は、図1−9に示す
構造式を引用する。
【0071】全ての溶媒は、特記しない限りFishe
r Scientiffic(Springfiel
d,NJ,米国)から購入した。シリカゲル60 F2
54プレートを使用する薄層クロマトグラフィーおよび
カラムクロマトグラフィー用のフラッシュ級シリカゲル
は、E.M.Science(Gibbstown,N
J,米国)から得た。6−カルボキシフルオレセインお
よび4’−アミノメチルフルオレセインハイドロクロラ
イドは、Molecular Probes(Euge
ne,オレゴン、米国)から購入した。1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(E
DC)、L−チロキシンおよびd−アンフェタミンサル
フェートは、Sigma Chemical Comp
any(セントルイス,MO,米国)から購入した。エ
チル 4−ブロモブチレートおよびジ−t−ブチル ジ
カルボネートは、Fluka(スイス)から購入した。
他の全ての化学品は、Aldrich Chemica
l Company(ミルウォーキー,WI,米国)か
ら購入した。
【0072】例1 rac−4’−(ヒドロキシメチル)−3’,6’−ジ
ヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),
9’−[9H]−キサンテン]−3−オン(2)の調製 0.3mlのメタンスルホン酸中の50mg(0.15
mmol)のフルオレセイン溶液に、室温にて13μl
(0.16mmol)のクロロメチルメチルエーテルを
添加した。混合物を室温にて48時間撹拌した。該反応
混合物を、10mlの氷冷水中に注入した。黄橙色の固
体が沈殿し、これを濾別した。粗生成物を、8:1:1
のクロロホルム:メタノール:トルエンを使用する調製
用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、2mm)によ
り精製し、20mg(37%)のrac−4’−(ヒド
ロキシメチル)−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−キサン
テン]−3−オン(2)を得た。NMR、IRおよびM
Sのデータは、化合物の同一性を確認した。化合物
(2)の構造的同定を確認するために、該化合物を対応
するトリアセテートに誘導した。NMR、IRおよびM
Sのデータは、トリアセテートの同一性を確認した。ト
リアセテートの加水分解は、化合物(2)を生じた。
【0073】例2 rac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ
スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル]メチル)−1−ピペラ
ジンカルボン酸−1,1−ジメチルエチルエステル
(3)の調製 2mlの無水ジメチルホルムアミド中のrac−4’−
(ヒドロキシメチル)−3’,6’−ジヒドロキシスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−
キサンテン]−3−オン]の溶液に、50mg(0.2
6mmol)のt−ブチル ピペラジンカルボキシレー
ト、次いで100μl(0.85mmol)の2,6ル
チジンおよび100mg(0.66mmol)のヨウ化
ナトリウムを添加した。該混合物を120℃にて3時間
加熱し、次いで室温まで冷却した。該混合物を減圧下で
濃縮した。残渣を、7:3のクロロホルム:メタノール
を溶離液として使用する調製用薄層クロマトグラフィー
にて精製し、10mg(0.018mmol、30%)
のrac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキ
ソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル]メチル)−1−ピペラ
ジンカルボン酸−1,1−ジメチルエチルエステル
(3)を、橙赤色の粉末として得た。NMR、IRおよ
びMSのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0074】例3 rac−3’,6’−ジヒドロキシ−4’−(1−ピペ
ラジニルメチル)スピロ[イソベンゾフラン−1(3
H),9’−[9H]−キサンテン]−3−オン(4)
の調製 5mlのトリフルオロ酢酸中の、40mg(0.75m
mol)のrac−4−(3’,6’−ジヒドロキシ−
3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),
9’−[9H]キサンテン]−4’−イル]メチル)−
1−ピペラジンカルボン酸−1,1−ジメチルエチルエ
ステル(3)混合物を、室温にて15分間撹拌した。該
混合物を減圧下で濃縮した。残留するトリフルオロ酢酸
を、3X5mlのトルエンを用いて共沸により除去し
た。残る粗生成物を、メタノール中の1%トリエチルア
ミンを使用して薄層クロマトグラフィーにより精製し、
20mg(0.46mmol、63%)のrac−
3’,6’−ジヒドロキシ−4’−(1−ピペラジニル
メチル)スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’
−[9H]−キサンテン]−3−オン(4)を、橙色固
体として得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化
合物の同一性を確認した。
【0075】例4 テトラヒドロ−3−プロピルピリジン−2(1H)−オ
ンの調製 35mlのテトラヒドロフラン中の、4.2g(42.
3mmol)のδ−バレロラクタムの溶液を、アルゴン
雰囲気下で−78℃に冷却した。この冷却した溶液に、
32mlのn−BuLi(ヘキサン中の2.5M溶液、
80mmol)を、40分間で滴々添加した。該反応混
合物を室温まで暖め、2時間磁気撹拌した。反応混合物
を0℃に冷却し、20mlのテトラヒドロフラン中の
3.87ml(42.5mmol)の1−ブロモプロパ
ンを滴々添加した。反応混合物を室温まで暖め、磁気的
に16時間撹拌した。該反応混合物を75mlの水にて
処理し、濃縮してテトラヒドロフランを除去した。残渣
を、3X200mlのジエチルエーテルにて抽出した。
有機層を合わせ、食塩水にて洗浄し、MgSO4 にて乾
燥させて白色固体を得、これを石油エーテルから再結晶
して3.2g(22.6mmol、54%)のテトラヒ
ドロ−3−プロピルピリジン−2(1H)−オン(6)
を得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の
同一性を確認した。
【0076】例5 rac−5−アミノ−2−プロピルペンタン酸モノハイ
ドロクロライド(7)の調製 2.0g(14.1mmol)のテトラヒドロ−3−プ
ロピルピリジン−2(1H)−オン(6)および、10
mlの6N塩酸の混合物を、6時間還流させて加熱し、
室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を、2X50
mlのトルエンを用いて共沸蒸留することにより、1.
9g(11.9mmol、84%)の5−アミノ−2−
プロピルペンタン酸モノハイドロクロライド(7)を淡
黄色オイルとして得た。NMR、IRおよびMSのデー
タは、化合物の同一性を確認した。
【0077】例6 rac−5−アミノ−2−プロピルペンタン酸 1,1
−ジメチルエチルエステル(8)の調製 7mlのジオキサンの冷却した溶液に、0.7mlの濃
2 SO4 を滴々添加した。溶液は紫色に変わった。こ
の溶液に、700mg(3.5mmol)の5−アミノ
−2−プロピルペンタン酸モノハイドロクロライド
(7)をゆっくり添加し、得られた溶液を圧力容器中に
移した。この溶液に12mlのイソブチレンを添加し、
得られた溶液を加圧下に、室温で20時間、磁気的にゆ
っくり撹拌した。反応容器をドライアイスにて冷却し、
圧力を開放し、反応容器を室温まで暖めて過剰量のイソ
ブチレンを蒸発させた。反応混合物を、100mlの冷
水中に注入した。水性部分を2X150mlのエーテル
にて抽出し、4N水酸化ナトリウムにてpH10に塩基
性化し、3X100mlの酢酸エチルにて抽出して、3
80mg(1.76mmol、49%)のrac−5−
アミノ−2−プロピルペンタン酸 1,1−ジメチルエ
チルエステル(8)を、オイルとして得た。NMR、I
RおよびMSのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0078】例7 rac−5−[[(4−ニトロフェノキシ)カルボニ
ル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン酸−1,1−ジ
メチルエチルエステル(9)の調製 1mlの水および1mlのジクロロメタン中の160m
g(0.74mmol)のrac−5−アミノ−2−プ
ロピルペンタン酸 1,1−ジメチルエチルエステル
(8)の懸濁物に、153mg(0.76mmol)の
4−ニトロフェニルクロロホルメートおよび267mg
の重炭酸ナトリウムを0℃にて添加した。混合物を室温
にて一夜撹拌し、次いで50mlのジクロロメタンおよ
び30mlの水にて希釈した。有機部分を分離した。水
性部分を2X50mlのジクロロメタンにて抽出した。
有機部分を合わせ、2X50mlの5%重炭酸ナトリウ
ム、次いで50mlの水にて洗浄し、MgSO4 にて乾
燥させ、濃縮した。残渣を、1:1の酢酸エチル:ヘキ
サンを溶離液として使用する調製用薄層クロマトグラフ
ィーにより精製し、185mg(0.48mmol、6
6%)のrac−5−[[(4−ニトロフェノキシ)カ
ルボニル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン酸−1,
1−ジメチルエチルエステル(9)を、灰色がかった白
色固体として得た。NMR、IRおよびMSのデータ
は、化合物の同一性を確認した。
【0079】例8 5−[[[−4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−ピ
ペラジニル]カルボニル]アミノ]−2−プロピルペン
タン酸−1,1−ジメチルエチルエステル(10)の調
20mg(0.052mmol)の(3)に、1mlの
ピリジンおよび1mlの乾燥ジメチルホルムアミドを添
加した。得られた溶液に、26mg(0.068mmo
l)のrac−5−[[(4−ニトロフェノキシ)カル
ボニル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン酸−1,1
−ジメチルエチルエステル(9)を添加した。得られた
混合物を、予め加温された油浴上で120℃にて30分
間、加熱した。該反応混合物を室温まで冷却し、減圧下
で濃縮した。得られた残渣を、1:1の酢酸エチル:ヘ
キサンを使用する調製用薄層クロマトグラフィーにより
精製し、10mg(0.014mmol、28%)の5
−[[[−4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オ
キソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−ピ
ペラジニル]カルボニル]アミノ]−2−プロピルペン
タン酸−1,1−ジメチルエチルエステル(10)を得
た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の同一
性を確認した。
【0080】例9 5−[[[4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オ
キソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]−キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−
ピペラジニル]カルボニル]アミノ]−2−プロピルペ
ンタン酸(11)の調製 15mg(0.022mmol)の5−[[[−4−
[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテ
ン]−4’−イル)メチル]−1−ピペラジニル]カル
ボニル]アミノ]−2−プロピルペンタン酸−1,1−
ジメチルエチルエステル(10)に、2mlのトリフル
オロ酢酸を添加した。該混合物を室温にて15分間撹拌
した。得られた反応混合物を濃縮し、10:2の酢酸エ
チル:メタノールを溶離液として使用する薄層クロマト
グラフィーにより精製し、8mg(0.013mmo
l、61%)の5−[[[4−[4−[(3’,6’−
ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−
1(3H),9’−[9H]−キサンテン]−4’−イ
ル)メチル]−1−ピペラジニル]カルボニル]アミ
ノ]−2−プロピル]ペンタン酸(11)を得た。NM
R、IRおよびMSのデータは、化合物の同一性を確認
した。
【0081】例10 rac−5−[[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オ
キソスピロ[イソベンゾ−フラン−1(3H),9’−
[9H]キサンテン]−6−イル)カルボニル]アミ
ノ]−2−プロピルペンタン酸(13)の調製 1mlのジメチルホルムアミド中の50mg(0.13
mmol)の6−カルボキシフルオレセインの溶液を0
℃に冷却した。これに、40mg(0.19mmol)
のジシクロヘキシルカルボジイミド、次いで30mg
(0.26mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミド
を添加した。該混合物を、4℃にて24時間撹拌し、1
mlのピリジンおよび0.3mlの乾燥ジメチルホルム
アミド中の50mg(0.23mmol)の(8)の溶
液を、滴々添加した。該反応混合物を室温にて6時間撹
拌し、濃縮した。残渣を6:4の酢酸エチル:クロロホ
ルムを使用する調製用薄層クロマトグラフィーにより精
製し、80mgのrac−5−[[[3’,6’−ジヒ
ドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾ−フラン−1
(3H),9’[9H]キサンテン]−6−イル)カル
ボニル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン酸 1,1
−ジメチルエチルエステル(12)得た。80mgの
(12)に、3mlのトリフルオロ酢酸を添加し、室温
にて15分間撹拌した。該反応混合物を濃縮し、調製用
薄層クロマトグラフィー(シリカ、0.25mm)によ
り精製して、42mg(0.081mmol、62%)
のrac−5−[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾ−フラン−1(3H),9’
[9H]キサンテン]−6−イル)カルボニル]アミ
ノ]−2−プロピルペンタン酸(13)を得た。NM
R、IRおよびMSのデータは、化合物の同一性を確認
した。
【0082】例11 (S)−N−(1−メチル−2−フェニルエチル) ト
リフルオロアセタミド(15)の調製 55mlのジクロロメタン中の10gのd−アンフェタ
ミンサルフェート(14)の懸濁物を、54mlの1N
水酸化ナトリウムにより処理した。有機層を分離し、水
性層を2X100mlのジクロロメタンにより抽出し
た。水性層のpHは、約7であった。5mlの1N 水
酸化ナトリウム溶液を水層に添加した。次いで、水性層
を、2X50mlのジクロロメタンにより抽出した。全
ての有機層を合わせ、100mlの食塩水にて洗浄し、
MgSO4 にて乾燥させ、濃縮して6.6gのアンフェ
タミン遊離塩基を得た。50mlの蒸留ジクロロメタン
中の6.6g(48.8mmol)のアンフェタミン遊
離塩基の溶液に、40mlの無水トリフルオロ酢酸を、
アルゴン雰囲気下、0℃にて1時間で滴々添加した。該
混合物を室温にて18時間撹拌した。該混合物に、1g
の氷および250mlのエーテルを添加した。有機層
を、2X100mlの水、100mlの飽和酢酸ナトリ
ウム、次いで100mlの水にて洗浄し、MgSO4
て乾燥させ、8.35g(36.7mmol、74%)
の(S)−N−(1−メチル−2−フェニルエチル)ト
リフルオロアセタミド(15)を得た。NMR、IRお
よびMSのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0083】例12 (S)−4−[2−[(トリフルオロアセチル)アミ
ノ]プロピル]ベンゼンスルホニルクロライド(16)
の調製 200mlのクロロホルム中の2.0g(8.64mm
ol)の(S)−N−(1−メチル−2−フェニルエチ
ル)トリフルオロアセタミド(15)の溶液に、24m
lのクロロスルホン酸を0℃にて滴々添加した。混合物
を0℃にて4時間撹拌した。反応混合物を100mlの
氷水に注入し、3X200mlのクロロホルムにて抽出
した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムにて乾燥さ
せ、溶媒除去して2.58g(7.82mmol、90
%)の(S)−4−[2−[(トリフルオロアセチル)
アミノ]プロピル]ベンゼンスルホニルクロライド(1
6)を白色固体として得た。NMR、IRおよびMSの
データは、化合物の同一性を確認した。
【0084】例13 (S)−2,2,2−トリフルオロ−N−[1−メチル
−2−[4−(1−ピペラジニルスルホニル)フェニ
ル]エチル]アセタミド(17)の調製 856mg(9.9mmol)のピペラジンに、40m
lの新たに蒸留したテトラヒドロフラン、次いで850
μl(6.09mmol)のトリエチルアミンを添加し
た。混合物を室温にて撹拌した。25mlの新たに蒸留
したテトラヒドロフラン中の830mg(2.51mm
ol)の(S)−4−[2−[(トリフルオロアセチ
ル)アミノ]プロピル]ベンゼンスルホニルクロライド
(16)の溶液を、上記溶液に滴々添加した。該反応混
合物を室温にて18時間撹拌し、次いで濾過した。濾液
を濃縮し、200mlの酢酸エチルに溶解し、2X10
0mlの水にて洗浄し、MgSO4 にて乾燥させ、濃縮
した。残渣を、クロロホルム中の10%メタノールを溶
離液として使用する薄層クロマトグラフィーにより精製
して、780mg(2.05mmol、82%)の
(S)−2,2,2−トリフルオロ−N−[1−メチル
−2−[4−(1−ピペラジニルスルホニル)フェニ
ル]エチル]アセタミド(17)を得た。NMR、IR
およびMSのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0085】例14 (S)−N−[2−[4−[[4−[(3’,6’−ジ
ヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1
(3H),9’−[9H]キサンテン]−4’−イル)
メチル]−1−ピペラジニル]スルホニル]フェニル]
−1−メチルエチル]−2,2,2−トリフルオロアセ
タミド(18)の調製 61mg(0.160mmol)のrac−4’−(ヒ
ドロキシメチル)−3’,6’−ジヒドロキシスピロ
[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−キ
サンテン]−3−オン(2)、125mg(0.33m
mol)の(S)−2,2,2−トリフルオロ−N−
[1−メチル−2−[4−(1−ピペラジニルスルホニ
ル)フェニル]エチル]アセタミド(17)、150m
g(1.0mmol)のヨウ化ナトリウム、および4.
5mlの無水ジメチルホルムアミド中の600μl
(5.15mmol)の2,6ルチジンの混合物を、1
20℃にて2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、メタ
ノール:THFの1:1混合物を添加した。無機塩を濾
別し、濾液を濃縮した。残渣を、酢酸エチル中の50%
クロロホルムを使用する薄層クロマトグラフィーにて精
製し、41mgの(S)−N−[2−[4−[[4−
[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテ
ン]−4’−イル)メチル]−1−ピペラジニル]スル
ホニル]フェニル]−1−メチルエチル]−2,2,2
−トリフルオロアセタミド(1:1エピマー)(18)
(0.056mmol、35%)を、橙赤色の粉末とし
て得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の
同一性を確認した。
【0086】例15 (S)−4’−[[4−[[4−(2−アミノプロピ
ル)フェニル]スルホニル]−1−ピペラジニル]メチ
ル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフ
ラン−1(3H)9’−[9H]キサンテン]−3−オ
ン(19)の調製 31mg(0.042mmol)の(S)−N−[2−
[4−[[4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オ
キソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−
[9H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−ピ
ペラジニル]スルホニル]フェニル]−1−メチルエチ
ル]−2,2,2−トリフルオロアセタミド(18)
に、2mlのメタノール、次いで2mlのメタノール中
の飽和メチルアミンを添加した。該混合物を60℃にて
24時間加熱し、濃縮した。残渣を、8:2のクロロホ
ルム:メタノールを使用する薄層クロマトグラフィーに
より精製し、10mg(0.015mmol、38%)
の(S)−4’[[4−[[4−(2−アミノプロピ
ル)フェニル]スルホニル]−1−ピペラジニル]メチ
ル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフ
ラン−1(3H)9’−[9H]キサンテン]−3−オ
ン(1:1エピマー)(19)を、橙赤色の粉末として
得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の同
一性を確認した。
【0087】例16 1−[2−メトキシエトキシ)メトキシ]−4−ニトロ
ベンゼン(21)の調製 200mg(0.5mmol)のナトリウムヒドリド
(油中の60%分散物)に10mlのヘキサンを添加し
た。静置した後、ヘキサンをデカントした。残渣に10
mlの新たに蒸留したテトラヒドロフランを添加し、ス
ラリー混合物を0℃に冷却した。これに、200mg
(1.43mmol)の4−ニトロフェノール(20)
を、小分けした固体としてゆっくり添加した。該反応混
合物を0℃にて5分間撹拌し、197μl(1.71m
mol)の2−メトキシエトキシメチルクロライドを添
加した。混合物を室温にて18時間撹拌した。該反応混
合物に、25mlの水をゆっくり添加し、該反応混合物
を50mlの酢酸エチルにより希釈した。有機部分を分
離し、水性層を2X50mlの酢酸エチルにて抽出し
た。有機層を合わせ、7X100mlの飽和炭酸ナトリ
ウム、次いで100mlの水にて洗浄した。酢酸エチル
層をMgSO4 により乾燥させ、濃縮して225mg
(0.99mmol、69%)の1−[(2−メトキシ
エトキシ)メトキシ]−4−ニトロベンゼン(21)を
淡黄色オイルとして得た。NMR、IRおよびMSのデ
ータは、化合物の同一性を確認した。
【0088】例17 4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]ベンゼンア
ミン(22)の調製 200mg(0.88mmol)の1−[(2−メトキ
シエトキシ)メトキシ]−4−ニトロベンゼン(2
1)、100mgの10%Pd/Cおよび10mlの無
水エタノール中の550mg(8.7mmol)の蟻酸
アンモニウムの混合物を、室温にて18時間撹拌した。
反応混合物を100mlの無水エタノールにて希釈し、
Celite(商標)の小型パッドを通した。濾液を濃
縮し、8:2の酢酸エチル:ヘキサンを溶離液として使
用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、130mg(0.65mmol、75%)の4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]ベンゼンアミン
(22)を得た。NMR、IRおよびMSのデータは、
化合物の同一性を確認した。
【0089】例18 4−[[4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]フ
ェニル]アミノ]−4−オキソブタン酸(23)の調製 8mlのジクロロメタン中の510mg(2.58mm
ol)の4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]ベ
ンゼンアミン(22)、および2mlの無水ピリジン
(Aldrich)の溶液に、380mg(3.8mm
ol)の無水コハク酸を小分けに添加した。該混合物を
室温にて18時間撹拌した。該反応混合物に20mlの
メタノールを添加し、混合物を室温にて18時間撹拌し
た。混合物を濃縮し、8:2のクロロホルム:メタノー
ルを溶離液として使用して調製用薄層クロマトグラフィ
ーにより精製し、420mg(1.41mmol、55
%)の4−[[4−[(2−メトキシエトキシ)メトキ
シ]フェニルアミノ]−4−オキソブタン酸(23)を
得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の同
一性を確認した。
【0090】例19 N−[4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]フェ
ニル]−ガンマ−オキソ−1−ピペラジンブタミド(2
4)の調製 8mlの無水ジメチルホルムアミド(Aldrich)
中の407mg(1.36mmol)の4−[[4−
[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]フェニルアミ
ノ]−4−オキソブタン酸(23)の溶液に、0℃にて
339mg(1.64mmol)のジシクロヘキシルカ
ルボジイミドおよび236mg(2.05mmol)の
N−ヒドロキシスクシンイミドを添加した。混合物を4
℃にて18時間撹拌した。活性化エステルを、単離する
ことなくその場で続く反応に使用した。20mlの新た
に蒸留したテトラヒドロフラン中の、1.4g(16.
2mmol)のピペラジンの溶液に、1.5mlのトリ
エチルアミンを添加した。この混合物に、先に調製した
N−ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液を室温にて
滴下添加し、混合物を室温にて2日間、磁気的に撹拌し
た。該反応混合物を濃縮した。残渣を、6:4の酢酸エ
チル:メタノールを使用するシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製して、384mg(1.05mm
ol、77%)のN−[4−[(2−メトキシエトキ
シ)メトキシ]フェニル]−ガンマ−オキソ−1−ピペ
ラジンブタミド(24)を得た。NMR、IRおよびM
Sのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0091】例20 rac−4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキ
ソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−N−(4−
ヒドロキシフェニル)−ガンマ−オキソ−1−ピペラジ
ンブタミド(26)の調製 2.5mlのジメチルホルムアミド中の、30mg
(0.082mmol)のN−[4−[(2−メトキシ
エトキシ)メトキシ]フェニル]−ガンマ−オキソ−1
−ピペラジンブタミド(24)および35mg(0.0
91mmol)のrac−4’−(ヒドロキシメチル)
−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン
−1(3H),9’−[9H]−キサンテン]−3−オ
ン(2)の混合物に、250μl(2.14mmol)
の2,6−ルチジンおよび100mg(0.66mmo
l)のヨウ化ナトリウムを添加した。該混合物を、アル
ゴン雰囲気下で140℃にて3時間加熱した。反応を、
9:1クロロホルム:メタノールを溶離液として使用す
る薄層クロマトグラフィーによりモニターし、これは、
有意な量のN−[4−[(2−メトキシエトキシ)メト
キシ]フェニル]−ガンマ−オキソ−1−ピペラジンブ
タミド(24)と共に新たな生成物の存在を示した。該
反応混合物に、追加の25mg(0.065mmol)
の化合物(2)を添加し、該混合物を更に2.5時間加
熱した。該反応混合物を濃縮し、調製用薄層クロマトグ
ラフィーにより2回精製して、15mg(0.021m
mol、26%)のrac−4−[(3’,6’−ジヒ
ドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1
(3H),9’−[9H]キサンテン]−4’−イル)
メチル]−N−[[4−(2−メトキシエトキシ)メト
キシ]フェニル]−ガンマ−オキソ−1−ピペラジンブ
タミド(25)を得た。15mg(0.021mmo
l)の(25)に、3mlのトリフルオロ酢酸を添加
し、該混合物を室温にて30分間撹拌した。得られた反
応混合物を濃縮し、9:1のクロロホルム:メタノール
を溶離液として使用して、薄層クロマトグラフィーによ
り精製して、7mg(0.011mmol、54%)の
rac−4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキ
ソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−N−(4−
ヒドロキシフェニル)−ガンマ−オキソ−1−ピペラジ
ンブタミド(26)を得た。NMR、IRおよびMSの
データは、化合物の同一性を確認した。
【0092】例21 rac−4−[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オ
キソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル)メチル]アミノ]−N
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−オキソブタンアミ
ド(28)の調製 2.5mlの無水ジメチルホルムアミド中の120mg
(0.40mmol)の4−[[4−[(2−メトキシ
エトキシ)メトキシ]フェニル]アミノ]−4−オキソ
ブタン酸(23)の溶液に、83mg(0.40mmo
l)のジシクロヘキシル−カルボジイミドおよび60m
g(0.52mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミ
ドを、アルゴン雰囲気下で0℃にて添加した。得られた
混合物を4℃にて24時間撹拌した。その場にて生成さ
れたN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを、2ml
の乾燥ピリジン中の25mg(0.062mmol)の
4’−アミノメチルフルオレセインハイドロクロライド
の磁気的に撹拌される溶液に、アルゴン雰囲気下で滴々
添加した。得られた混合物を室温にて48時間撹拌し、
減圧下で濃縮し、15mg(0.023mmol、38
%)のrac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−
[9H]キサンテン]−4−イル)メチル]アミノ]−
N−[(4−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]フ
ェニル]−4−オキソブタンアミド(27)を、橙色の
残渣として得た。15mg(0.023mmol)の
(27)に3mlのトリフルオロ酢酸を添加し、該混合
物を室温にて30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、
8:2のクロロホルム:メタノールを使用して薄層クロ
マトグラフィーにより生成し、8mg(0.014mm
ol、67%)のrac−4−[[[3’,6’−ジヒ
ドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1
(3H)9’−[9H]キサンテン]−4’−イル)メ
チル]アミノ]−N−(4−ヒドロキシフェニル)−4
−オキソブタンアミド(28)を橙色の粉末として得
た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の同一
性を確認した。
【0093】例22 (S)−4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオ
ド)フェノキシ−3,5−ジアイオド]−α−
[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミ
ノ]ベンゼンプロパン酸(30)の調製 18mlのジメチルホルムアミド中の4.5g(5.8
mmol)のL−チロキシン(29)、495mg
(5.9mmol)の重炭酸ナトリウムおよび18ml
の水の磁気的に撹拌される混合物に、18mlのジメチ
ルホルムアミド中の1.28g(5.8mmol)のジ
−t−ブチルジカルボネートを滴々添加した。得られた
反応混合物を、4時間撹拌し、次いで高真空下で室温に
て濃縮した。残渣に45mlのメタノールを添加し、不
溶性の物質を濾別した。濾液に、1N塩酸(20ml)
を沈殿生成が完了するまで添加した。固体を濾別し、空
気乾燥して4.2g(4.8mmol、83%)の
(S)−4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオ
ド)フェノキシ−3,5−ジアイオド]−α−
[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミ
ノ]ベンゼンプロパン酸(30)を灰色がかった粉末と
して得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物
の同一性を確認した。
【0094】例23 (S)−[1−[(ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジア
ゼピン−1−イル)カルボニル]−2−[4−[(4−
ヒドロキシ−3,5−ジアイオド)フェノキシ]−3,
5−ジアイオドフェニル]エチル]カルバミン酸 1,
1−ジメチルエチルエステル(31) 55mlの乾燥ジメチルホルムアミド(Aldrich
密封、99%)中の、1.8g(2.05mmol)の
(S)−4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオ
ド)フェノキシ−3,5−ジアイオドフェニル]−α−
[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミ
ノ]ベンゼンプロパン酸(30)の磁気的に撹拌される
溶液に、539mg(4.68mmol)のN−ヒドロ
キシスクシンイミド、次いで1.02g(5.32mm
ol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドを負荷した。混合物を室温にて2.
5時間撹拌し、次いで20mlの乾燥ピリジン中の3.
6g(36mmol)のホモピペラジン溶液を、25分
間で滴々添加した。得られた反応混合物を室温にて一夜
撹拌し、高真空下で濃縮した。得られたゴム状残渣に、
250mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加した。混
合物を濾過して2.5gの灰色がかった固体粗生成物を
得た。固体を、1:1のメタノール:クロロホルムを使
用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製
し、1.3g(1.35mmol、66%)の(S)−
[1−[(ヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−
1−イル)カルボニル]−2−[4−[(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジアイオド)フェノキシ−3,5−ジアイ
オドフェニル]エチル]カルバミン酸 1,1−ジメチ
ルエチルエステル(31)を、灰色がかった白色固体と
して得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物
の同一性を確認した。
【0095】例24 (2S)−4’−[[4−[2−アミノ−3−[4−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオドフェノキシ)−
3,5−ジアイオドフェニル]−1−オキソプロピル]
−1−ピペラジニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロ
キシ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−
[9H]キサンテン]−3−オン(1:1エピマー)
(33)の調製 2mlの無水ジメチルホルムアミド中の126mg
(0.131mmol)の(S)−[1−[(ヘキサヒ
ドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)カルボニ
ル]−2−[4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイ
オド)フェノキシ−3,5−ジアイオドフェニル]エチ
ル]カルバミン酸 1,1−ジメチルエチルエステル
(31)の溶液に、400μl(3.4mmol)の
2,6−ルチジン、200mg(1.3mmol)のヨ
ウ化ナトリウム、次いで50mg(131mmol)の
rac−4’−(ヒドロキシメチル)−3’,6’−ジ
ヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),
9’−[9H]−キサンテン]−3−オン(2)を添加
した。混合物を130℃にて3時間加熱し、減圧下で濃
縮して、52mg(0.048mmol、37%)の
(2S)−4’−[4’−[[4−[2−[(1,1−
ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ−3−[4(4
−ヒドロキシ−3,5−ジアイオドフェノキシ)−3,
5−ジアイオドフェニル]−1−オキソプロピル]−1
−ピペラジニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシ
スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]
キサンテン]−3−オン(32)を残渣として得た。5
2mg(0.048mmol)の(32)に、3mlの
トリフルオロ酢酸を添加した。混合物を室温にて5分間
撹拌し、濃縮した。残渣を、8:2のクロロホルム:メ
タノールを使用して、調製用薄層クロマトグラフィーに
より2回精製し、15mg(0.011mmol、24
%)の(2S)−4’−[[4−[2−アミノ−3−
[4−(4−ヒドロキシ−3,5−ジアイオドフェノキ
シ)−3,5−ジアイオドフェニル]−1−オキソプロ
ピル]−1−ピペラジニル]メチル]−3’,6’−ジ
ヒドロキシ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H)
9’−[9H]キサンテン]−3−オン(1:1エピマ
ー)(33)を橙色粉末として得た。NMR、IRおよ
びMSのデータは、化合物の同一性を確認した。
【0096】例25 5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボニルク
ロライド(35)の調製 100mlのジクロロメタン中の2.8gのイミノスチ
ルベンの溶液を、1.5gのトリホスゲン、次いで3m
lのピリジンにて処理し、室温にて一夜撹拌した。40
%酢酸エチル−ヘキサンでの薄層クロマトグラフィー
は、一つの生成物の形成を示した。反応混合物を水にて
洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を10%のエーテル/
ジクロロメタンを使用するクロマトグラフィーにかけ
て、3.2gの5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5
−カルボニルクロライド(35)を、灰白色の粉末とし
て得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の
同一性を確認した。
【0097】例26 N−(4−ピペリジニルメチル)−5H−ジベンズ
[b,f]アゼピン−5−カルボキサミド(36)の調
15mlの無水ジメチルホルムアミド中の511mg
(2mmol)の5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−
5−カルボニルクロライド(35)の溶液に、280μ
lのトリエチルアミン、次いで2.3g(2.0mmo
l)の4−アミノメチルピペリジンを添加した。混合物
を室温にて一夜撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣に20
0mlのジクロロメタンおよび150mlの飽和重炭酸
ナトリウム溶液を添加した。有機層を分離し、水性層を
2X100mlのジクロロメタンにより抽出した。有機
層を合わせ、MgSO4 により乾燥させて粗生成物を
得、これを9.5:0.5のメタノール:濃水酸化アン
モニウムを使用する薄層クロマトグラフィーにより精製
して、2種類の異性体生成物を得た。移動速度が遅い成
分を単離して、350mg(1.04mmol、53
%)のN−(4−ピペリジニルメチル)−5H−ジベン
ズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミド(36)を
灰白色の固体として得た。NMR、IRおよびMSのデ
ータは、化合物の同一性を確認した。
【0098】例27 N−[[1−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキ
ソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)−9’−[9
H]キサンテン]−4’−イル)メチル]−4−ピペリ
ジニル]メチル]−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン
−5−カルボキサミド(37)の調製 3mlの無水ジメチルホルムアミド中の35mg(0.
104mmol)のN−(4−ピペラジニルメチル)−
5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミ
ド(36)の溶液に、200μl(1.71mmol)
の2,6−ルチジン、200mg(1.3mmol)の
ヨウ化ナトリウム、次いで40mg(0.105mmo
l)のrac−4’−(ヒドロキシメチル)−3’,
6’−ジヒドロキシスピロ[イソベンゾフラン−1(3
H),9’−[9H]−キサンテン]−3−オン(2)
を添加した。混合物を140℃にて3時間撹拌し、減圧
下で濃縮した。残渣を、7:3:1の酢酸エチル:クロ
ロホルム:メタノールを溶離液として使用する薄層クロ
マトグラフィーにて精製し、不純物を含んだ橙色の生成
物を得た。これを、8:2のクロロホルム:メタノール
を溶離液として使用する薄層クロマトグラフィーにて精
製し、15mg(0.022mmol、21%)のN−
[[1−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソス
ピロ[イソベンゾフラン−1(3H)−9’−[9H]
キサンテン]−4’−イル)メチル]−4−ピペリジニ
ル]メチル]−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5
−カルボキサミド(37)を橙色の粉末として得た。N
MR、IRおよびMSのデータは、化合物の同一性を確
認した。
【0099】例28 N−ブロモアセチルイミノスチルベン(38)の調製 250mlクロロホルム中の6.0g(0.03mmo
l)のイミノスチルベンの溶液を、100mlの水中の
10g(0.09mmol)の炭酸ナトリウム溶液に添
加し、混合物を急速に撹拌した。この急速に撹拌される
溶液に、6.2g(0.03mmol)のブロモアセチ
ルブロマイドを、滴下ロートにて滴々添加し、この時点
では2:1のTHF:ヘキサンを使用する薄層クロマト
グラフィー分析は反応が未完結であることを示した。追
加の1.0g(0.005mole)のブロモアセチル
ブロマイドを添加した。薄層クロマトグラフィーは、出
発材料が全部消費されたことを示した。クロロホルム層
を分離し、Na2 SO4 により乾燥させ、濃縮して、1
1.0gのN−ブロモアセチルイミノスチルベン(3
8)を淡黄色オイルとして得た。この材料は引き続く反
応に使用された。
【0100】例29 5−(アミノアセチル)−5H−ジベンゾ[b,f]ア
ゼピン−ハイドロクロライド(39)の調製 25mlのクロロホルム中の2.2g(7mmol)の
粗製のN−ブロモアセチルイミノスチルベン(38)の
溶液を、250mlの凝縮液体アンモニアに、−33℃
にて注意して添加した。反応混合物に、6.0g(40
mmol)のヨウ化ナトリウムを添加し、混合物を−3
3℃にて2時間撹拌し、一夜蒸発させた。水−白色油状
溶液が残り、これに50mlの水を添加した。溶液を2
X150mlのクロロホルムにて抽出した。溶媒をNa
2 SO4 により乾燥させ、蒸発させて透明なオイルを
得、これを塩酸で飽和した25mlのメタノール中に溶
解させた。得られた溶液を濃縮し、25mlのアセトニ
トリルを添加した。沈殿する固体物質を集め、10ml
のアセトニトリルにて洗浄した。メタノール/エーテル
での再結晶は、1.8g(6.2mmol、90%)の
5−(アミノアセチル)−5H−ジベンゾ[b,f]ア
ゼピン−ハイドロクロライド(39)を与えた。NM
R、IRおよびMSのデータは、化合物の同一性を確認
した。
【0101】例30 N−[(5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−イル
カルボニル)メチル]−N’−3’,6’−ジヒドロキ
シ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)
9’−[9H]キサンテン]−5−イル]チオウレア・
二水和物(40)の調製 75mlの乾燥メタノールおよび75mlの乾燥テトラ
ヒドロフランの混合物中の1.0g(4mmol)の5
−(アミノアセチル)−5H−ジベンゾ[b,f]アゼ
ピン−ハイドロクロライド(39)の溶液を、1.4g
(3.6mmol)の5−フルオレセイン イソチオシ
アネート(異性体I)にて処理し、室温にて一夜撹拌し
た。溶媒を減圧下で除去し、残渣をクロロホルム中の1
2%メタノールを溶離液として使用するカラムクロマト
グラフィーにより精製して、800mg(1.18mm
ol、35%)のN−[(5H−ジベンズ[b,f]ア
ゼピン−5−イルカルボニル)メチル]−N’−3’,
6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフ
ラン−1(3H)9’−[9H]キサンテン]−5−イ
ル]チオウレア・二水和物(40)を、赤色固体として
得た。NMR、IRおよびMSのデータは、化合物の同
一性を確認した。
【0102】例31 本発明の新規4’−メチルフルオレセイントレーサーを
使用する蛍光偏光イムノアッセイ 本発明の新規化合物の性能を、自動化COBAS FA
RA(登録商標)II(Roche Diagnost
ic Systems Inc.,Branchbur
g,NJ,米国)により、装置の操作マニュアルに従っ
てアッセイ試薬およびプロトコールを使用して測定し
た。例示のために、装置を、血清または血漿試料中のア
セトアミノフェンについての蛍光偏光測定に適合させ
た。
【0103】試薬構成: a)抗体試薬 0.1%ナトリウムアジドおよび0.1%ウシガンマグ
ロブリンを含む0.1Mリン酸緩衝溶液pH7.5;抗
体は1:5〜1:40に希釈 b)トレーサー試薬 0.1%ウシガンマグロブリンおよび0.1%ナトリウ
ムアジドを含む0.1Mリン酸緩衝溶液pH7.5;5
X10-7Mのトレーサー c)アセトアミノフェン標準:正常ヒト血清中のアセト
アミノフェン0、10、20、50、100および20
0μg/mlの溶液
【0104】上記例に記述されたアセトアミノフェント
レーサーの各試料について; 1)200μlの抗体試薬を30μlの標準溶液と混
合; 2)背景偏光の読み取りを行う; 3)5.2μlのトレーサー試薬を添加; 4)混合物を30秒間インキュベートする; 5)偏光の読み取りを行う;および 6)トレーサーのスパンを計算する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、出発材料、並びに4’−ヒドロキシ
メチルフルオレセイン:[rac−4’−(ヒドロキシ
メチル)−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イソベン
ゾフラン−1(3H),9’−[9H]−キサンテン]
−3−オン](2)および4’−ピペラジニルメチルフ
ルオレセイン:[rac−3’,6’−ジヒドロキシ−
4’−(1−ピペラジニルメチル)スピロ[イソベンゾ
フラン−1(3H),9’−[9H]−キサンテン]−
3−オン](4)の合成に関連する中間体の式を表すフ
ローチャート。
【図2】 図2は、出発材料、並びに環状リンカー含有
バルプロン酸PFトレーサーである(5−[[[4−
[4−[(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]−
キサンテン]−4’−イル)メチル]−1−ピペラジニ
ル]−カルボニル]アミノ]−2−プロピル]ペンタン
酸(11)の合成に関連する中間体の式を表すフローチ
ャート。
【図3】 図3は、出発材料、並びに非環状リンカー含
有バルプロン酸PFトレーサーであるrac−5−
[[[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ
[イソベンゾ−フラン−1(3H),9’[9H]キサ
ンテン]−6−イル)カルボニル]アミノ]−2−プロ
ピルペンタン酸(13)の合成に関連する中間体の式を
表すフローチャート。
【図4】 図4は、出発材料、並びにピペラジンを環状
リンカーとして含有するアンフェタミンPFトレーサー
である(S)−4’[[4−[[4−(2−アミノプロ
ピル)−フェニル)フェニル]スルホニル]−1−ピペ
ラジニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ
[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサン
テン]−3−オン(1:1エピマー)(19)の合成に
関連する中間体の式を表すフローチャート。
【図5】 図5は、出発材料、並びに環状リンカーを含
有するアセトアミノフェンPFトレーサーである[ra
c−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピ
ロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キ
サンテン]−4’−イル)メチル]−N−(4−ヒドロ
キシフェニル)−ガンマ−オキソ−1−ピペラジンブタ
ミド(26)の合成に関連する中間体の式を表すフロー
チャート。
【図6】 図6は、出発材料、並びに非環状リンカーを
含有するアセトアミノフェンPFトレーサーである[r
ac−4−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソス
ピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キ
サンテン]−4’−イル)メチル]アミノ]−N−(4
−ヒドロキシフェニル)−4−オキソブタンアミド(2
8)の合成に関連する中間体の式を表すフローチャー
ト。
【図7】 図7は、出発材料、並びに環状リンカーを含
有するチロキシンPFトレーサーである[(2S)−
4’−[[4−[2−アミノ−3−[4(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジアイオドフェノキシ)−3,5−ジアイ
オドフェニル]−1−オキソプロピル]−1−ピペラジ
ニル]メチル]−3’,6’−ジヒドロキシスピロ[イ
ソベンゾフラン−1(3H)9’−[9H]キサンテ
ン]−3−オン(1:1エピマー)(33)の合成に関
連する中間体の式を表すフローチャート。
【図8】 図8は、出発材料、並びに環状リンカーを含
有するカルバマゼピンPFトレーサーである[N−
[[[1−[3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソス
ピロ[イソベンゾフラン−1(3H)−9’−[9H]
キサンテン]−4’−イル)メチル]−4−ピペリジニ
ル]メチル]−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5
−カルボキサミド(37)の合成に関連する中間体の式
を表すフローチャート。
【図9】 図9は、出発材料、並びに非環状リンカーを
含有するカルバマゼピンPFトレーサーであるN−
[(5Hジベンズ[b,f]アゼピン−5−イルカルボ
ニル)メチル]−N−3’,6’−ジヒドロキシ−3−
オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)9’−
[9H]キサンテン]−5−イル]チオウレア・二水和
物(40)の合成に関連する中間体の式を表すフローチ
ャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サルバトール ジョセフ サラモン アメリカ合衆国ニュージャージー州ストッ クトン,ヤード ロード 67 (72)発明者 ロバート サンドロ ウ アメリカ合衆国ニュージャージー州ウエス ト オレンジ,ラルフ ロード 25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式、 【化1】 式中、Xはハロゲン、ヒドロキシまたは式−O−SO2
    −Rを有するスルホネートエステルからなる群から選択
    され、ここでRは、−C6 4 −CH3 またはCH3
    ある、を有する化合物。
  2. 【請求項2】 Xが、ヒドロキシである請求項1に記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】 式、 【化2】 式中、R1 はHまたは薬剤誘導体である、を有する化合
    物。
  4. 【請求項4】 R1 がHである請求項3に記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 R1 がバルプロン酸(valproic
    acid)または式、 【化3】 を有するバルプロン酸誘導体である請求項3に記載の化
    合物。
  6. 【請求項6】 式、 【化4】 式中、Yはピペラジン、ホモピペラジン、4−アミノメ
    チルピペリジン、4−カルボキシピペリジン、プロリン
    および3−カルボキシジヒドロピリジンからなる群から
    選択される環状リンカーであり;Qは、薬剤、治療薬ま
    たは環境汚染物である、を有する化合物。
  7. 【請求項7】 Qが、アンフェタミン、アセトアミノフ
    ェン、チロキシンおよびカルバマゼピンからなる群から
    選択される薬剤である請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Yがピペラジンであり、Qがアンフェタ
    ミンまたはアセトアミノフェンである請求項6に記載の
    化合物。
  9. 【請求項9】 Yがホモピペラジンであり、Qがチロキ
    シンである請求項6に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 Yが4−アミノメチルピペラジンであ
    り、Qがカルバマゼピンである請求項6に記載の化合
    物。
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