JPH1043717A - 灰体の処理方法とそのための装置 - Google Patents

灰体の処理方法とそのための装置

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JPH1043717A
JPH1043717A JP8220787A JP22078796A JPH1043717A JP H1043717 A JPH1043717 A JP H1043717A JP 8220787 A JP8220787 A JP 8220787A JP 22078796 A JP22078796 A JP 22078796A JP H1043717 A JPH1043717 A JP H1043717A
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ash
fuel rod
combustion
self
metal oxide
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JP8220787A
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Masateru Matsunaga
全央 松永
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Terabondo KK
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Terabondo KK
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物である各種の焼却灰及び集塵灰
(飛灰)を効率的かつ経済的に減容化、無公害化、資源
の再利用化を図ることができる前記各種の灰体の新規な
処理方法を提供する。 【解決手段】 焼却灰及び/又は集塵灰からなる灰体の
処理方法において、前記処理方法が、(i).前記灰体、ア
ルミニウム粉体、金属酸化物粉体、及び可燃性媒体を混
練、棒状に成形して燃料棒とするとともに、(ii).前記
燃料棒を燃焼させ、前記燃料棒の燃焼時の反応熱により
前記灰体を溶融固化すること、を特徴とする灰体の処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の産業廃棄
物、都市ゴミ、下水汚泥(排水汚泥、脱水ケーキ)など
を焼却することによって排出される焼却灰、及び新たに
一般廃棄物として規定された集塵装置から排出される集
塵灰などからなる各種の灰体(以下、各種の灰体、また
は単に灰体ということがある。)を効率的に減容化、無
公害化、及び再利用を図ることができる前記灰体の処理
方法とそのための装置に関する。なお、本発明におい
て、前記灰体は、焼却設備から排出される灰体のみでな
く、灰体中に含まれる不燃性残渣物、あるいは灰体類似
物などを含むものである、と最広義に解釈されるべきで
ある。
【0002】更に詳しくは、本発明は、前記灰体を利用
して自燃性の燃料棒を構成するとともに、燃焼時に灰体
を超高温下で溶融固化し、無公害化、減容化、再利用を
図ることを可能とする新規な灰体の処理方法とそのため
の処理装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、各種の産業廃棄物、都市ゴミ、下
水汚泥(脱水汚泥、脱水ケーキ)などを焼却することに
より、排出される焼却灰、あるいは昨今、新たに一般産
業物に規定された各種集塵装置から排出される集塵灰
(これは、飛灰ともいわれている。)などの各種の灰体
は、膨大な量に及ぶものである。
【0004】従って、これら灰体を廃棄物埋立地におい
て埋立てるにしても、埋立地の確保がますます困難にな
ってきている。このため、埋立処分地の確保が困難なた
め、例えば下水汚泥はこれを脱水し、焼却、減容化を図
っている。また、前記した各種灰体において、重金属等
の有害物質が混入している場合、これら有害物質の外界
への飛散や焼却灰中への残存が問題になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した各種の灰体の
量的な問題、あるいは重金属などの有害物質を含有して
いるという問題などから、これら灰体を所望の焼却設備
を使用して焼却し、減容化、前記有害物質の溶融固化
(無公害化)、資源の再利用化、などを図る提案が多く
なされている。
【0006】前記した灰体の焼却設備としては、電気溶
融炉、バーナー溶融炉、プラズマ溶融炉あるいはアーク
溶融炉などが知られてる。
【0007】しかしながら、前記した灰体の焼却炉の構
造などから明らかのように、従来の灰体を溶融かつ固化
する焼却技術においては、次のような問題点がある。 (1).焼却灰を溶融するために、大量のエネルギーを消費
する。この点、前記したプラズマ溶融やアーク溶融にお
いては、電力の使用量が650kw/t程度必要である。ま
た、バーナー溶融においては、燃料となる灯油や重油な
どを大量に確保しなければならない。
【0008】(2).焼却設備が高価かつ大型化する。例え
ば、灰体を高温下で溶融するため、焼却炉内の耐火レン
ガの腐食や耐熱性の低下が激しく、連結的かつ安定操作
のためには二基以上の並列運転が必要となる。
【0009】ここで、本発明の自燃性の燃料棒を利用し
た各種灰体の処理方式の優位性を先取りして説明してお
く。本発明の各種灰体の処理のために適用される自燃性
の燃料棒は、詳しくは後述するが、燃料棒を空間燃焼、
空間溶融、別言すれば、焼却炉内において炉の構成部材
と無接触の状態で燃焼かつ溶融することができるもので
あり(これは無接触型の燃焼、溶融法ということができ
る。)、前記した欠点は完全に排除される。なお、前記
燃料棒の溶融時に、燃料棒の中の各種の灰体も溶融さ
れ、事後的に固化(スラグ化)されることになる。即
ち、本発明の自然性の燃料棒を採用する方式は、(i).各
種の灰体が、自燃性の燃料棒の構成成分であること、(i
i).前記自燃性の燃料棒を無接触型に燃焼、溶融法させ
ることができること、からみて、前記した従来技術の欠
点を完全に解消するものである。なお、いうまでもない
ことであるが、本発明の前記した優位性を実現するため
には、自燃特性の燃料棒として、詳しくは後述するが、
各成分が均一に混合、混練され、固形化した燃料棒の形
態をとることが重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した各
種の灰体の減容化、無公害化、再利用化における従来技
術、特に灰体の溶融固化法にみられる限界、問題点を解
消しようとするものである。本発明者らは、灰体の効果
的かつ経済的な溶融固化法について、鋭意検討を加え
た。その結果、本発明者らは、灰体を完全に無害化する
ためには、従来技術と比較してより高い温度のもとで溶
融し、かつ固化することが好ましいこと、そして、前記
高温下での溶融条件を実現するためには、テルミット法
(thermit process)を適用することが好ましいこと、
という知見を見い出した。
【0011】前記テルミット法は、アルミニウムと酸化
鉄などの金属酸化物との間に生じる激しい発熱反応を利
用して酸化物を還元して金属を製造したり、鋼材の溶接
などに利用されている周知の技術である。本発明者ら
は、前記各種の灰体の溶融固化に対するテルミット法の
利用は、(i).その原料となるアルミニウムは、アルミニ
ウム缶などの形態で豊富に存在し、かつ容易に利用する
ことができること、(ii).その原料となる金属酸化物、
例えば酸化鉄などは、天然のイルメナイト鉱石から酸化
チタン(TiO2)を製造する際の産業廃棄物として、し
かも純度の高い産業廃棄物としての酸化鉄を有効利用す
ることができること、また、(iii).金属酸化物は、各種
の灰体それ自体の中に豊富に含まれること、などの観点
から、極めて経済的、省資源的なものであると考えてい
る。
【0012】即ち、前記したように、本発明者は、前記
したテルミット反応剤(アルミニウム及び金属酸化物)
による灰体の溶融固化は、テルミット反応剤それ自体の
原料が産業廃棄物で構成され、かつその再資源化を図る
ものであるため、産業廃棄物の処理や公害対策の観点か
ら、極めて有効な方式であると考えている。
【0013】本発明は、前記した本発明者らの知見をベ
ースにして完成されたものである。本発明により、産業
廃棄物として処理の困難度が増大してきている焼却灰や
集塵灰(飛灰)などの各種の灰体を効率的かつ経済的に
減容化、無公害化、再資源化することができる新規な処
理方法とそのための装置が提供される。特に、本発明の
前記灰体の処理方法の最大の特徴点は、前記灰体と高い
反応熱(燃焼熱)を発生するテルミット反応剤を可燃性
媒体により固形状かつ棒状に成形した自燃性燃料棒を採
用する点にある。
【0014】そして、本発明の灰体の処理方法に適用さ
れる各種の灰体を含有した固形状の自燃性燃料棒は、所
望の燃焼炉内において自燃式に燃焼させるという簡便な
方式により、前記灰体の減容化、無公害化、再資源化を
図ることができる。その際、灰体を溶融かつ固化する溶
融固化剤は、産業廃棄物であるアルミニウムや酸化鉄な
どのテルミット反応剤で構成されるため、本発明の灰体
の処理方法に適用される自燃性燃料棒は、各種の灰体の
処理だけでなく、アルミニウムや金属酸化物の産業廃棄
物の処理や再資源化の面においても有効なものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、焼却灰及び/又は集塵灰からなる灰体の処理方
法において、前記処理方法が、(i).前記灰体、アルミニ
ウム粉体、金属酸化物粉体、及び可燃性媒体を混練、棒
状に成形して燃料棒とするとともに、(ii).前記燃料棒
を燃焼させ、前記燃料棒の燃焼時の反応熱により前記灰
体を溶融固化すること、を特徴とする灰体の処理方法に
関するものである。また、本発明は、前記灰体の処理方
法に適用される効率的かつ経済的な装置にも関するもの
である。
【0016】以下、本発明の技術的構成及び実施態様に
ついて詳しく説明する。
【0017】本発明は、前記したように産業廃棄物とし
て処理の困難性が増大してきている各種の灰体を効率的
かつ経済的に処理する新規な処理方法とそのための装置
を提供しようとするものである。そして、本発明の前記
灰体の処理方法における最大の特徴点は、前記灰体を燃
焼と同時に溶融固化するために採用される自燃性の燃料
棒の構成にある。
【0018】以下、本発明の各種灰体の処理方法に適用
される前記した自燃性の燃料棒の構成について説明す
る。本発明の自燃性燃料棒は、(i).各種の灰体を燃料棒
の必須の構成成分とし、(ii).前記灰体を高温下で溶融
するためにテルミット反応剤を必須の構成成分とし、か
つ、(iii).前記(i)〜(ii)成分を相互に固着し、固形
化、棒状化するための可燃性媒体を必須の構成成分とし
て、構成されるものである。
【0019】周知のように、テルミット法(thermit pr
ocess)は、一般に下式で示されるように、アルミニウ
ム粉末と金属酸化物を混合し、これに着火すると、激し
い発熱反応が起こり、金属酸化物が還元され、生じた金
属は高温のために溶融して反応器の底に回収されるとい
う反応現象をいう。 2Al+3/2・O2=Al23+386.2Kcal
【0020】より具体的にはAl粉末と酸化鉄(Fe3
4)の粉末の場合、これら粉末を混合し、着火(約1
100℃〜1150℃)すると、下式(1)によりテル
ミット反応が進行し、その時、2750℃以上という高
温が得られる。 8Al+3Fe34=9Fe+4Al23…………(1)
【0021】前記式(1)で示されるAl粉末と酸化鉄
(Fe34)粉末の間のテルミット反応により発生する
高温は、2750℃以上であり、従来のバーナー溶融、
プラズマ溶融、あるいはアーク溶融などと比較して極め
て高い温度である。このため、前記した各種の灰体を含
有するとともに、テルミット反応剤を含有する自燃性燃
料の燃焼方式としては、燃焼に際して、燃焼炉の構成要
素の部材、例えば耐火レンガ等に無接触状態で燃焼され
る形態が好ましい。これは、テルミット反応において
は、前記したように極めて高い反応熱が発生するため、
燃焼炉の耐久性、耐火性を短期間に低下させてしまうた
めである。
【0022】本発明は、前記した点を勘案して燃焼炉内
での燃料棒の無接触型燃焼により灰体を溶融することを
保証するために、別言すれば、燃料棒の燃焼による灰体
の空間溶融を保証するために、燃料棒の形態を固形状の
棒状体としている。前記した固形状かつ棒状の形態の燃
料棒を使用することによって、片持ち状態の燃焼棒の先
端部において、テルミット反応剤の燃焼時の高い反応熱
により灰体を溶融させることができる。即ち、各種灰体
を空間溶融させることができる。
【0023】本発明は、前記した燃焼炉内において、燃
料棒を無接触型に燃焼させるために、可燃性媒体を使用
して、灰体とテルミット反応剤を相互に固着し、固形状
の棒状体とするという技術的構成を採用している。本発
明において、前記可燃性媒体を使用することの利点は、
燃料棒を固形状かつ棒状に保形する以外に他の重要な意
義を有するものである。前記したように、本発明の灰体
の処理方法において、灰体の溶融は、主として自燃性燃
料棒の構成成分であるテルミット反応剤の反応熱により
行なわれるものである。テルミット反応剤は、一回の着
火によりその後はその自燃性により接続的(連続的)に
反応することが好ましいことはいうまでもないことであ
る。
【0024】重金属物質などの有害物質を含む各種の灰
体を無害化するためには、完全に溶融し、かつ固化(ス
ラグ化)することが重要である。このために、テルミッ
ト反応剤の燃焼反応が均一に行なわれることが不可欠で
ある。しかしながら、テルミット反応剤のアルミニウム
粉末と酸化鉄などの金属酸化物粉末の混合物において、
ミクロ的にみて不均一混合の領域が存在することがさけ
られない。前記した領域において、灰体は、必ずしも完
全に溶融されるとは限らない。このため、本発明は、燃
料棒の均一燃焼を保証するために、前記可燃性媒体を使
用は、極めて重要な点である。
【0025】前記した目的、即ち無接触媒体の燃焼を保
証するための燃料棒を調製する上で、かつ完全燃焼を支
援するために、本発明において、可燃性媒体の使用は不
可欠の構成要件である。前記した可燃性媒体として、例
えば天然鉱油系物質、合成油系物質、あるいはプラスチ
ック廃棄物などの可燃性媒体を使用することができる。
より具体的には、重油、灯油、潤滑油、廃油などの天然
鉱油系物質、あるいはエステル系や低分子量ポリマー
(ポリエチレンワックスなど)の合成油系物質などを使
用することができる。更には、プラスチック廃棄物(分
別回収されたプラスチックのペレットなど)を可燃性媒
体として使用することができる。本発明の可燃性媒体
は、灰体とテルミット反応剤を相互に固着し、固形状の
棒状体とすることができるものであれば、前記したもの
に限定されない。
【0026】本発明の前記自燃性燃料棒は、他の配合成
分、例えばテルミット反応の促進剤(硫化物や塩化物な
ど)、発火剤(過酸化バリウムとアルミニウム粉末な
ど)を含んでもよいことはいうまでもないことである。
【0027】本発明において、前記自燃性燃料棒の各成
分の使用割合は、所望に設定すればよい。テルミット反
応剤、即ちアルミニウム粉体と金属酸化物粉体の混合重
量比は、一般に1:2〜1:4に設定すればよい。ま
た、アルミニウム粉体と金属酸化物粉体を溶融固化剤と
いうとき、前記溶融固化剤と灰体の混合重量比は、一般
に1:1〜1:4に設定すればよい。更に、アルミニウ
ム粉体と金属酸化物粉体を溶融固化剤というとき、前記
溶融固化剤、灰体、及び可燃性媒体の混合重量比は、一
般に可燃性媒体を基準にして2:2:1〜2:8:1に
設定すればよい。
【0028】本発明の前記自燃性燃料棒の製造の態様及
び燃焼の態様は、所望に選択すればよい。例えば、予め
所望本数の自燃性燃料棒を製造しておき、これを所望の
燃焼炉に所望本数、無接触型燃焼ができるように装着
し、燃焼速度に同期させて各燃料棒を送り出すようにし
て燃焼させればよい。また、自燃性燃料棒を製造すると
同時に、燃料棒の製造装置に隣接配置した燃焼炉に前記
燃料棒を供給し、燃焼させる方式を採用してもよい。
【0029】本発明において、前記自燃性燃料棒は、所
望の燃焼炉において、テルミット反応剤の着火、及び燃
焼反応が誘発されて自燃するとともに、灰体は高温下で
溶融し、燃焼炉の下部に自然落下する。前記した溶融物
は、冷却水で急冷水砕してガラス状の水砕スラグ(固化
物)にされたり、あるいは、空冷して空冷スラグ(結晶
化スラグ)にされる。
【0030】前記した溶融固化物は、コンクリートの骨
材や細骨材、下水道工事用のクッション材、路盤材、道
路舗装用ブロック材、透水性ブロック材などとして再利
用することができるものである。
【0031】以下、図面を参照して、本発明の前記灰体
の処理方法を実施するための処理装置の一例について説
明する。特に、前記処理装置として、自燃性燃料棒の製
造と同時に製造される自燃性燃料棒を燃焼処理する装置
について説明する。図1は、前記自燃性燃料棒の製造と
ともに、同時に燃焼処理を行なうための焼却灰及び/又
は集塵灰の処理装置(A)を説明する図である。なお、
本発明の自燃性燃料棒の製造及び処理の態様は、図示の
ものに限定されず、種々の変形例が可能であることはい
うまでもないことである。
【0032】図示されるように、焼却灰及び/又は集塵
灰の処理装置(A)は、大別して以下の四つの構成要素
からなるものである。 (i).原料の脱水・混合機(B) なお、本発明において原料とは、自燃性燃料棒を製造す
るための原料であり、より詳しくは前記した各種の灰
体、テルミット反応剤(アルミニウム粉体及び金属酸化
物粉体)、及び可燃性媒体を必須成分とするものであ
る。本発明において、所望により他の成分、例えばテル
ミット反応の促進剤などが使用されてもよいことはいう
までもないことである。 (ii).燃料棒製造機(混練押出機)(C) (iii).燃焼炉(D) (iv).溶融物受容器(E)
【0033】図1において、自燃性燃料棒は(1)、前
記燃料棒(1)の燃焼により生成する溶融物は(2)、
前記溶融物(2)の冷却固化体は(3)、で示されてい
る。
【0034】前記原料の脱水・混合機(B)は、脱水・
混合機本体(B1)、ヒータ部(B2)、及び各種原料の
供給路(パイプ)(B3)から構成される。前記ヒータ
部(B2)は、最終的に製造される燃料棒(1)の中の
水分を除去するためのものである。燃料棒(1)の中に
水分が多量に含まれていると、高温下でのテルミネット
反応において極めて危険である。このため、水分除去
(乾燥)は、次に説明する燃料棒製造機(C)において
も、行なわれることが好ましい。なお、本発明におい
て、前記脱水・混合機(B)において、ヒータ部
(B2)は、内部又は外部加熱方式で構成されていても
よく、あるいは別体として構成されてもよいものであ
る。
【0035】前記燃料棒製造機(混練押出機)(C)
は、大径部から小径部へと徐々に縮径される本体部
(1)、及び前記本体部(C1)の端部に配設された固
形状かつ棒状の燃料棒押出し部(C2)、を主要な構成
要素として構成されるものである。
【0036】図1は、前記構成要素のほかに、前記本体
部(C1)の内部にスクリュー(C11)、外部に高さ調
整器(C12)を示している。前記スクリュー(C11
は、原料を十分に混練し、かつ縮径部(C2)において
可燃性媒体により各原料成分を相互に固着もしくは融着
するものである。前記高さ調整器(C12)は、燃料棒
(1)の先端部の後述する燃焼炉(D)の着火装置(D
2)に対する角度を調整するためのものである。これに
より着火装置(D2)に対する燃料棒の角度が所望に設
定される。
【0037】更に、図1は、前記燃料棒製造機(C)を
収容する収容室(C3)を示している。前記収容室
(C3)が配設される場合、前記収容室(C3)内に燃料
棒製造機(C)を外部から過熱する過熱手段を配設して
もよい。前記収容室(4)内での過熱手段は、燃料棒
(1)の中から水分を除去するために重要である。前記
過熱手段は、後述する燃焼炉(D)内で発生する高温に
過熱された空気を利用できることはいうまでもないこと
である。なお、図1には図示されていないが、燃料棒製
造機(D)の本体部(C1)内に内部過熱部(ヒータ
部)を配設してもよいことはいうまでもないことであ
る。
【0038】前記燃焼炉(D)は、燃焼炉本体部
(D1)及び着火装置(D2)で構成される。図示の燃焼
炉本体部(D1)は、燃料棒(1)から着火装置(D2
の方向にみて、その壁部は傾斜をなしており、かつ燃料
棒(1)の燃焼により生成する灰体溶融物(2)を外部
に取り出すための取出口(D11)を有するものである。
図示されるように(図1の回転方向を示す矢線を参
照)、燃料棒(1)の均一燃焼を図るために、(i).燃焼
炉本体部(D1)を燃料棒(1)とともに回転自在とな
るように構成したり、あるいは、(ii).着火装置(D2
を回転自在となるように構成してもよいことはいうまで
もないことである。
【0039】本発明において、前記着火装置(D2
は、テルミット反応剤の燃焼を生起させるに十分な点火
温度(例えば1100℃〜1200℃)が得られるもの
で構成される。前記着火装置(D2)として、例えばバ
ーナー方式、高周波方式、アーク方式などを採用すれば
よい。
【0040】本発明において、前記溶融物受容器(E)
は、燃料棒(1)により生成する灰体溶融物(2)を受
容するものである。灰体溶融物(2)は、燃焼炉(D)
と受容器(E)の間でも冷却固化(スラグ化)するが、
主体的には受容器(E)において固化するものである。
受容器(E)の構造としては、灰体溶融物(2)を冷却
水で急冷し、水砕してガラス状の水砕固化物が得られる
ようにしてもよいし、除冷しながら(ゆっくりと冷やし
ながら)結晶化させた固化物(空冷スラグ、結晶化スラ
グ)が得られるようにしてもよい。また、受容器(E)
を溶融物から金属成分を回収するように構成してもよ
い。例えば、受容器(E)の構成を、溶融物を受容する
とともに、低比重物(スラグ成分)と高比重物(金属成
分)に分離させ、次いで水冷することにより粒状のスラ
グ成分と粒状の金属成分を調製し、金属成分を磁選機な
どにより分離回収するようにしてもよい。前記した灰体
の溶融固化物(2)は、コンクリートの骨材、路盤材、
道路舗装用ブロック材など各種の用途に利用できるた
め、これら用途に適合した形態で冷却固化すればよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は、各種の産業廃棄物、都市ゴ
ミ、下水汚泥(脱水汚泥、脱水ケーキ)などを焼却する
ときに排出される焼却灰、及び新たに一般廃棄物として
規定された集塵灰(飛灰)を、減容化、無公害化、資源
の再利用化の観点から効率的かつ経済的に処理すること
ができるこれら各種の灰体の新規な処理方法とそのため
の装置を提供するものである。特に、本発明の前記灰体
の新規な処理方法は、前記灰体、テルミット反応剤、及
び可燃性媒体とから構成される自燃性燃料棒を採用する
点に最大の特徴点がある。
【0042】本発明の前記灰体の処理方法に適用される
前記自燃性燃料棒は、前記した処理対策が急務である各
種の灰体を含有することはいうまでもないことである
が、前記した各種の灰体を溶融固化するための燃料源と
して、これも産業廃棄物または廃材から容易に入手され
るテルミット反応剤(アルミニウム粉体及び酸化鉄など
の金属酸化物粉体)を利用して構成されるものである。
【0043】また、本発明の前記自燃性燃料棒は、処理
対象物が、重金属等の有害物質を含有している灰体であ
ることに鑑み、灰体が完全に溶融固化されることを確実
にするために(別言すればテルミット反応剤の燃焼反応
を確実にするために)可燃性媒体を利用し、前記灰体及
びテルミット反応剤を相互に固着し、固形状かつ棒状に
構成されるものである。
【0044】前記した本発明の灰体の処理方法に敵用さ
れる自燃性燃料棒は、所望の焼却炉において完全に燃焼
することができ、別言すれば、前記した各種の灰体を完
全に溶融固化させることができる。
【0045】そして、本発明の前記灰体の処理方法に適
用される自燃性燃料棒から得られる溶融固化物は、灰体
中の有害物質はテルミット反応のもとで発生する高温下
での溶融により完全に無害化される。また、本発明の前
記灰体の処理方法に適用される自燃性燃料棒から得られ
る溶融固化物は、前記したように完全に無害化されてい
るためコンクリートの骨材(細骨材)、下水道工事用の
クッション材、路盤材、道路舗装用ブロック材、透水性
ブロック材などとして再利用(資源の再利用)されるも
のである。前記したように、本発明は公害対策技術とし
て位置づけられるものであり、その社会的貢献度及び社
会的意義は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の焼却灰及び/又は集塵灰からなる灰
体を処理するための装置の概略図である。
【符号の説明】
A …………… 灰体の処理装置 B …………… 原料の脱水・混合機 C …………… 燃料棒製造機 D …………… 燃焼炉 E …………… 溶融物受容器 1 …………… 燃料棒 2 …………… 溶融物 3 …………… 溶融固化物

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰及び/又は集塵灰からなる灰体の
    処理方法において、前記処理方法が、 (i).前記灰体、アルミニウム粉体、金属酸化物粉体、及
    び可燃性媒体を混練、棒状に成形して燃料棒とするとと
    もに、 (ii).前記燃料棒を燃焼させ、前記燃料棒の燃焼時の反
    応熱により前記灰体を溶融固化すること、を特徴とする
    灰体の処理方法。
  2. 【請求項2】 燃料棒が、アルミニウム粉体と金属酸化
    物粉体のテルミット反応による自己燃焼性(自燃性)と
    灰体の溶融固化能を有するもので構成されたものである
    請求項1に記載の灰体の処理方法。
  3. 【請求項3】 可燃性媒体が、灰体、アルミニウム粉体
    及び金属酸化物粉体を相互に固着し、固形状の棒状体に
    構成されたものである請求項1に記載の灰体の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 可燃性媒体が、天然鉱油系物質、合成油
    系物質、及びプラスチック廃棄物から選ばれた少なくと
    も1種のものである請求項3に記載の自燃性燃料棒。
  5. 【請求項5】 アルミニウム粉体と金属酸化物粉体の混
    合重量比が、1:2〜1:4である請求項1に記載の自
    燃性燃料棒。
  6. 【請求項6】 アルミウム粉体と金属酸化物粉体を溶融
    固化剤というとき、前記溶融固化剤と灰体の混合重量比
    が1:1〜1:4である請求項1に記載の自燃性燃料
    棒。
  7. 【請求項7】 アルミニウム粉体と金属酸化物粉体を溶
    融固化剤というとき、前記溶融固化剤、灰体、及び可燃
    性媒体の混合重量比が、可燃性媒体を基準にして2:
    2:1〜2:8:1である請求項1に記載の自燃性燃料
    棒。
  8. 【請求項8】 燃料棒が、片持ち状態に保持され、かつ
    保持されない端部を着火することにより燃焼されるもの
    である請求項1に記載の灰体の処理方法。
  9. 【請求項9】 燃料棒が、燃焼の進行に同期して片持ち
    保持部から非燃焼部が送出されるものである請求項8に
    記載の灰体の処理方法。
  10. 【請求項10】 焼却灰及び/又は集塵灰からなる灰体
    の処理装置が、 (i).灰体、アルミニウム粉体、金属酸化物粉体、及び可
    燃性媒体からなる原料を混合するための原料混合機、 (ii).前記混合された原料を混練し、先端部から固形状
    かつ棒状の燃料棒を片持ち状態で押出し成形する燃料棒
    製造機、 (iii).前記燃料棒製造機に隣接配置され、燃料棒の端部
    を着火する着火装置を有する燃料棒を燃焼させる燃焼
    炉、 (iv).前記燃焼炉から排出される灰体の溶融物を受容す
    る溶融物受容器、からなることを特徴とする灰体の処理
    装置。
  11. 【請求項11】 原料混合機が、加熱による脱水機能を
    有するものである請求項10に記載の灰体の処理装置。
  12. 【請求項12】 燃料棒製造機が、外部又は内部の加熱
    方式により加熱されるものである請求項10に記載の灰
    体の処理装置。
  13. 【請求項13】 燃料棒製造機が、棒状の燃料棒を押出
    し成形する先端部の方向にみて、徐々に縮径するもので
    ある請求項10に記載の灰体の処理装置。
  14. 【請求項14】 燃料棒製造機が、燃焼炉の着火装置に
    対する燃料棒の配置角度を可変とする高さ調整器を有す
    るものである請求項10に記載の灰体の処理装置。
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