JPH104358A - 信号処理方法および装置 - Google Patents

信号処理方法および装置

Info

Publication number
JPH104358A
JPH104358A JP8174358A JP17435896A JPH104358A JP H104358 A JPH104358 A JP H104358A JP 8174358 A JP8174358 A JP 8174358A JP 17435896 A JP17435896 A JP 17435896A JP H104358 A JPH104358 A JP H104358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
sampling
value
signal
values
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8174358A
Other languages
English (en)
Inventor
Kagenori Nagao
景則 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP8174358A priority Critical patent/JPH104358A/ja
Publication of JPH104358A publication Critical patent/JPH104358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象となる信号の性質に合わせて、できるだ
け誤差の少ない信号復元を簡略な手段で行うことを目的
とするとともに、信号復元処理を伴う信号処理の効率化
を図る。 【解決手段】 原信号を標本化して得た離散信号から原
信号の復元を行う信号復元処理を含む信号処理におい
て、少数の一部の実標本値以外の値を前記実標本値に基
づいて決定された予測値で代用して信号復元処理したデ
ータを用いて信号処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続信号を標本化
して得た離散信号から、非標本位置における標本値の復
元を行うための信号処理方法及び装置に関する。さら
に、動画像信号のフレームレート変換や画像の回転・拡
大/縮小・移動処理、あるいは標本化された音声信号の
ピッチ変換などに関する。
【0002】
【従来の技術】標本化とは時間方向あるいは空間方向
で、連続的な量を離散化する操作である。一方、レベル
方向で連続的な量を離散化する操作は量子化と呼ばれて
いる。
【0003】連続信号をデジタル信号処理する場合、連
続信号を標本化して得た離散信号が用いられるが、動画
像信号のフレームレート変換や画像の回転、拡大/縮
小、移動処理、あるいは音声信号のピッチ変換のような
信号処理では非標本位置での標本値が必要となる。
【0004】非標本位置における標本値の復元方法とし
てしばしば用いられるものに線形補間法がある。線形補
間法は簡易な計算により非標本位置における標本値の推
定ができるという利点を持つ一方で、多くの場合その復
元標本値に比較的大きな誤差を含み、高い精度を要求さ
れる信号処理には不向きである。
【0005】非標本位置における標本値の復元方法の中
で最も高い復元精度が得られるのは、標本化定理を用い
る方法である。標本化については、信号帯域幅の2倍以
上の周波数で標本化した場合はもとの信号の情報は失わ
れないという標本化定理が成立する。言い方を変えれ
ば、原連続信号が標本化周波数の1/2以下の周波数に
帯域制限されている場合、任意の非標本位置tにおける
標本値f(t)は以下の数式により得られる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】ただし、f(it)は原連続信号を標本化した
ときのi番目の標本値、S(t)は標本化関数、Tは標本化
周期である。数1の式より任意の非標本位置tにおける
標本値f(t)を全く誤差なく復元することができる。
【0009】標本化定理を用いる方法では最も高精度の
標本値復元が行えるが、すべての標本点における標本値
に関して標本化関数との重畳積分を計算する必要がある
ため、計算量が膨大になる。そこで次のような簡略化さ
れた計算法も提案されている。
【0010】例えば、特開平5-191722では、数1におけ
る総和の項数を有限項で打ち切り、さらに標本化関数も
有限長になるような関数で近似することにより簡略化し
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】標本化定理では数1に
示したように、全ての標本点における標本値に関して、
標本化関数との重畳積分を計算する必要がある。このた
め、標本化定理を用いて非標本位置における標本値復元
を行う信号処理装置を構成する場合、全ての標本値を保
存しておくための膨大な容量のメモリが必要になる。
【0012】さらに、ある一点の非標本位置における標
本値を復元するためには、全ての標本点における標本値
に関して、標本化関数との重畳積分を行う必要があるた
め、メモリアクセス回数、演算回数ともに膨大になり、
処理時間が大きくなると言う問題もある。
【0013】上記の特開平5-191722の信号復元方法では
数1における総和の項数を有限項で打ち切ることによっ
て参照する標本値の数を減少させている。こうすること
で原信号の標本値を全て保存しておく必要がなくなるた
め、メモリ容量を削減することができる。ただし、総和
の項数をあまり小さくすると復元値の誤差が大きくなる
という問題がある。
【0014】本発明は、できるだけ誤差の少ない信号復
元を簡略な手段で行うことを目的とするとともに、信号
復元処理を伴う信号処理の効率化を図ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、連続信号を標本化して得た少数(n個)の
標本点における実標本値から該標本値以外の複数(m
個)の標本点における標本値を標本値予測手段により予
測する。さらに前記実標本値および前記予測標本値から
なる(n+m)点の離散信号と標本化関数との重畳積分
を計算することにより、非標本位置における標本値の復
元を行う。
【0016】また、変換座標系における再標本化処理を
伴う画像の回転、拡大・縮小、音声ピッチ変換などの処
理において、再標本点における標本値の復元に本発明を
用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】一次元の連続信号に対する本発明
の実施の形態について説明する。処理の対象となる連続
信号f(t)は周期Tで標本化され、図1のような標本値列
{f(iT)}、(i=…,-2,-1,0,1,2,…)となる。図中の×
印で示した非標本位置(t=t')における標本値を復元す
るために、該非標本位置近傍のn個の標本点における標
本値を用いる。図2にn=3の場合を示す。
【0018】次にこれらのn個の標本値を用いて、さら
にその近傍のm点の標本点における標本値を予測する。
図3ではm=4の場合を示す。上記m点の標本値を予測
する手法としては種々の方法を用いることができるが、
以下に、線形予測法と最近傍法について説明する。
【0019】線形予測法により前記n点の実標本値か
ら、その近傍のm点における標本値を予測するためには
以下の手順に従う。予測に用いるn点の実標本値を {f(kT),f((k+1)T),…,f(k+n-1)T} とすると、標本点t=kTからi点だけ離れた標本点におけ
る予測標本値 f´((k+i)T) は以下の数式で求められる。
【0020】
【数3】
【0021】この式において、ai0,…,ain-1,biは予
測係数であり、各iについて独自の値が設定される。こ
れら予測係数は、実際の連続信号を標本化して得た数多
くの標本値の中から連続するn点の標本値、 {f(kT),f((k+1)T),…,f(k+n-1)T} を選び出し、これを説明変量、 f((k+i)T) を目的変量、数3の式を重回帰モデルとする重回帰分析
を行うことにより求められる。線形予測法により図3の
○印で示したような予測標本値が求められる。
【0022】最近傍法は、ある標本位置における標本値
の予測値として、最近傍の実標本値を用いるものであ
る。この方法で求めた予測標本値を図4の○印で示す。
【0023】一般に音声信号や画像信号の場合、標本値
間の相関は2標本点間の距離が短いほど高い。したがっ
て、上記の2種類の予測法により得られる予測値の予測
誤差は、n点の実標本値の近傍ほど小さく、実標本値か
ら離れるにしたがって増加するという傾向がある。
【0024】一方、数2の標本化関数はtが大きくなる
にしたがってその振幅が小さくなるため、今復元値を求
めようとしている非標本位置(t=t')から離れた標
本点における標本値ほど復元値に与える影響が小さいこ
とは数1より明らかである。
【0025】上述したように、予測誤差が大きくなるの
は実標本値から離れた標本点、すなわち、t=t'から
離れた標本点における標本点であるから、予測誤差の増
加が復元値の精度に与える影響は小さいと考えられる。
【0026】本発明では上記の実標本値、および実標本
値を用いて予測した予測標本値のみを用い、それ以外の
標本点における標本値はゼロとして、数1の計算を行う
ことで、非標本位置(t=t')における標本値を復元
する。
【0027】本発明では非標本値における標本値を復元
するために、少数(n個)の実標本値のみを用いるた
め、実標本値を保存しておくために必要とされるメモリ
容量も小さなもので十分となり、またメモリアクセス回
数、演算回数ともに少なくなるため処理時間を短縮でき
るという効果がある。
【0028】また数1の総和の項数を有限個(n個)で
打ち切る特開平5-191722の方法では、n個の実標本値以
外の標本値はゼロとして数1の計算を行っているのに対
し、本発明の方式ではn個の実標本値の他に、その近傍
のm個の予測標本値も合わせて計算に用いている。した
がって、処理に用いる実標本値の個数nを小さくした場
合に生じる復元値の誤差も、本発明の方が一般には小さ
くなる。
【0029】本発明は画像や音声データの処理に有効で
ある。原画像信号を標本化して得た離散信号に対して画
像の回転、拡大・縮小処理等を行う場合、標本信号から
非標本位置における標本値を復元する処理が必要とな
る。この際、上記標本位置近傍のごく少数の標本点にお
ける標本値のみを参照し、それ以外の標本点については
該実標本値から予測される値をもってその点での標本値
とする。これらの実標本値および予測標本値と、標本化
関数との重畳積分を計算することにより、非標本位置で
の標本値復元が行われ、上記の画像処理がなされる。
【0030】音声データ処理では音声ピッチの変更を容
易に行える。原音声信号を標本化して得た離散信号に対
して音声のピッチ変換処理等を行う場合、標本信号から
非標本位置における標本値を復元する処理が必要とな
る。この際、上記非標本位置近傍のごく少数の標本点に
おける標本値のみを参照し、それ以外の標本点について
は該実標本値から予測される値をもって、その点での標
本値とする。これら実標本値および予測標本値と、標本
化関数との重畳積分を計算することにより非標本位置で
の標本値復元が行われ、上記の音声データ処理がなされ
る。
【0031】
【実施例】
(実施例1)本発明の実施例として、図5に示すような
画像傾き補正機能付き複写装置を例にとって説明する。
スキャナにより読み取られ、標本化された画像の標本値
(以下、実標本値とする)は一旦画像メモリに蓄えら
れ、続く傾き角検出部において入力画像の傾き角が検出
される。この部分は傾き角をオペレータが直接入力する
構成とすることもできる。
【0032】傾き角検出部は検出した画像の傾きを補正
するために必要とされる画像回転角を斜め走査座標計算
部に出力する。
【0033】画像の回転は、原画像を回転角に等しい傾
きで斜めに走査し、原画像を再標本化することで行われ
る。この原理を図6に示す。図6(a)のように角度θ
の傾きを持つ文字列画像の傾き補正を例にとって説明す
る。水平方向をx軸、垂直方向をy軸にとり、画像中央
を座標原点とすると、実標本点の座標(xm,yn)は、
以下の数4の式のように表せる。
【0034】
【数4】
【0035】ただし、数4の式におけるTx,Tyはそ
れぞれx方向、y方向の標本化周期であり、(m,n)
は以下の数5の通りである。
【0036】
【数5】
【0037】従ってスキャナにより取り込まれる画像の
大きさは以下の数6で表される大きさになる。
【0038】
【数6】
【0039】図6において、(a)の画像を角度−θだ
け回転させて傾きを補正するためには、(b)のように
角度θで斜めに主走査を行い、(b)の実線枠で示され
た領域内の画像データを標本化し直せば良い。
【0040】換言すれば、x-y座標系をθだけ回転させ
た新たな座標系をx'-y'座標系として、この座標系上で
画像を眺めると(c)のようになり、画像の傾き修正が
行われる。
【0041】x'-y'座標系でのnライン目の主走査線上
におけるm番目の標本点の座標を(Xm,Yn)とする。
この座標(Xm,Yn)の標本点は、x-y座標系において
は座標(x'm,y'n)に対応すると仮定すると、
(x'm,y'n)と(xm,yn)との間には以下の数7の
関係式に示される関係が存在する。
【0042】
【数7】
【0043】図5における斜め走査座標計算部は上記の
数7の(x'm,y'n)を出力する。そして、この
(x'm,y'n)を標本点として原画像を再標本化するこ
とで画像を回転させることができるが、図5の画像メモ
リ内には数4の(xm、yn)を標本点とする実標本値し
か保存されていないため、斜め走査座標計算部から出力
される座標における標本値を得るためには何らかの原画
像の復元処理を行う必要がある。
【0044】前述のように、標本化定理を用いると原画
像を完全に復元することができる。標本化定理によれ
ば、斜め走査座標計算部出力座標(x'm,y'n)におけ
る標本値P(x'm,y'n)は、画像メモリ内の実標本値
P(xi,yj)を用いて数8の式により計算される。
【0045】
【数8】
【0046】ただし、P(xi,yj)はj本目の主走査
ライン上のi番目の画素値を表す。また、数8における
関数Sは標本化関数であり、x方向、およびy方向のカ
ットオフ周波数をそれぞれ1/2Tx、1/2Tyとする
理想低域通過フィルタの逆フーリエ変換である。その関
数形は通過帯域の形状を変えることで無数の異なる形態
を取り得るが、ここでは一例として数9の関数を挙げ
る。
【0047】
【数9】
【0048】数8は標本点以外の任意の一点における画
素値を得るためには、画像メモリ内のすべての実標本値
を参照しなければならないことを表している。つまり斜
め走査による画像回転を行うためには、斜め走査座標上
のすべての標本点について数8の計算を繰り返さなけれ
ばならない。従って画像メモリ内に蓄えられた実標本値
の参照回数は膨大になり、ハードウェアの規模や処理速
度の点で現実的なシステムを構築することが極めて難し
くなる。
【0049】そこで、本発明では数8を計算する際、注
目点近傍のごく少数の標本点における標本値のみを参照
し、それ以外の標本値については該実標本値から予測さ
れる適当数の予測値(以下、予測標本値とする)で代用
することにより、メモリのアクセス回数を大幅に低減す
る。
【0050】以下の例では4標本点分の実標本値のみを
用いて、標本化定理と標本値予測により、図5の斜め走
査座標計算部より出力される斜め走査座標(x'm
y'n)における標本値P(x'm,y'n)(以下、復元標
本値とする)を復元する例を示す。
【0051】
【数10】
【0052】斜め走査座標(x'm,y'n)に関しては、
数4で表される実標本値の標本点座標と、数7で表され
る該標本点座標を座標原点を中心として角度θだけ回転
させた座標について数10の関係を満たす(k,l)を
見つけることができる。このとき実際に使用する実標本
値は数10の(k,l)を用いてP(xk,yl)、P
(xk+1,yl),P(xk,yl+1)、およびP
(xk+1,yl+1)の4点とする。ただし前記4点のうち
で、数5で表される座標の範囲を逸脱するものについて
は、その点での画素値をゼロとして扱う。この4点の実
標本値が図5における標本値予測部、および畳み込み積
分計算部に入力される。
【0053】標本値予測部では上記4点の実標本値か
ら、それ以外の標本点における画素値を予測する。予測
方法は様々な方法が考えられるが、ここでは一例として
線形予測法について記す。線形予測法を用いれば、任意
の標本点座標(xk+i,yl+j)における予測標本値
【0054】
【数11】
【0055】は数12のように求められる。
【0056】
【数12】
【0057】数12において、Aij、Bij、Cij
ij、およびEijは予測係数であり、各(i,j)につい
て独自の値が設定される。ここでi、jはそれぞれ0およ
び1でない整数である。予測係数はいくつかのサンプル
画像を実際に測定することで実験的に決定する。
【0058】具体的には、サンプル画像上の全ての標本
点(xa,yb)について標本値P(xa,yb)、P(x
a+1,yb)、P(xa,yb+1)、P(xa+1,yb+1)、お
よびP(xa+i,yb+j)を測定し、P(xa,yb)、P
(xa+1,yb)、P(xa,yb+1)、P(xa+1,yb+1
を説明変量、P(xa+i,yb+j)を目的変量、数12を
重回帰モデルとする重回帰分析をおこなうことにより、
予測係数を定める。
【0059】画像メモリから読み出された4点の実標本
値、および該実標本値から標本値予測部により求められ
た上記4点以外の標本点における予測標本値は、図5の
畳み込み積分計算部に入力される。畳み込み積分計算部
には標本化関数と斜め走査座標計算部から出力される斜
め走査座標も入力されており、これらの入力値から数8
に従って復元標本値
【0060】
【数13】
【0061】が求められ、続く画像出力部に出力される
ことで傾き修正された複写出力を得る。なお、図5にお
ける標本値予測部や畳み込み積分計算部、および標本化
関数生成部はルックアップテーブル化することで低コス
トかつ高速のシステムを構築をすることができる。
【0062】(実施例2)図5中の斜め走査座標計算部
を、図7のように拡大/縮小走査座標計算部に変えるこ
とで画像拡大/縮小処理装置を構成することもできる。
x-y座標軸を1/aにスケール変換した新たな座標系
をx'-y'座標系として、この座標系上で画像を眺める
ことにより、画像の拡大/縮小を行うことができる。た
だし、aは画像の拡大率である。
【0063】x'-y'座標系でのnライン目の主走査線
上におけるm番目の標本点の座標を(Xm,Yn)とす
る。この座標(Xm,Yn)の標本点は、x-y座標系にお
いては座標(x'm,y'n)に対応すると仮定する。する
と、(x'm,y'n)と(xm,yn)との間には数14に示
される関係が存在する。
【0064】
【数14】
【0065】図7における拡大/縮小走査座標計算部は
数14の(x'm,y'n)を出力する。この数14を数7
と置き換え、その他の処理は実施例1に倣うことで画像
の拡大/縮小処理が行われる。
【0066】(実施例3)本発明を音声ピッチ変換処理
装置に応用した例を図8に示す。音声入力部から取り込
まれ、標本化された音声の標本値(以下、実標本値とす
る)は一旦音声メモリに蓄えられる。音声メモリに蓄え
られる実標本値の標本時刻tmは以下のようになる。 tm=m・T
【0067】ただし、Tは標本化周期であり、mは以下
の値をとる。 m=0,1,2,...,mmax
【0068】従っての音声入力部から取り込まれる音声
データの大きさは T・(mmax+1)
【0069】のようになる。図8における標本時刻計算
部は以下の式で表されるt'mを出力する。
【0070】
【数15】
【0071】そして、この時刻 t'mで音声信号を再標
本化することで音声のピッチ変換を行うことができる
が、図8の音声メモリ内には数15のtmを標本時刻と
する実標本値しか保存されていないため、標本時刻計算
部から出力される時刻における標本値を得るためには何
らかの原信号の復元処理を行う必要がある。
【0072】前述のように、標本化定理を用いると原信
号を完全に復元することができるため、最も精度の高い
処理が可能になる。標本化定理によれば、標本時刻計算
部出力時刻t'mにおける音声標本値f(t'm)は、音声
メモリ内の実標本値f(ti)を用いて以下のように計
算される。
【0073】
【数16】
【0074】数16の関数Sは標本化関数であり、カッ
トオフ周波数を1/2Tとする理想低域通過フィルタの
逆フーリエ変換であり、数17で表されるような関数と
なる。
【0075】
【数17】
【0076】数16は標本時刻以外の任意の時間におけ
る音声標本値を得るためには、音声メモリ内のすべての
実標本値を参照しなければならないことを表している。
つまり、標本時刻を変化させることによる音声のピッチ
変換を行うためには、全ての標本時刻について数16の
計算を繰り返さなければならない。
【0077】従って音声メモリ内に蓄えられた実標本値
の参照回数は膨大になり、ハードウェアの規模や処理速
度の点で現実的なシステムを構築することが極めて難し
くなる。そこで、本発明では数16を計算する際に音声
メモリ内にある実標本値のごく一部のみを参照し、それ
以外の実標本値については該実標本値から予測される予
測値(以下、予測標本値とする)で代用することによ
り、音声メモリのアクセス回数を大幅に低減する。
【0078】以下の例では2標本時刻分の実標本値のみ
を用いて、標本化定理と標本値予測により、図8の標本
時刻計算部より出力される標本時刻 t'mにおける標本
【0079】
【数18】
【0080】(以下、復元標本値とする)を復元する例
を示す。
【0081】標本時刻t'mに関しては、 tm=m・T で表される実標本値の標本時刻とこの式で表される標本
時刻計算部出力時刻について以下の関係を満たすkを見
つけることができる。 tk≦t’m<tk+1
【0082】このとき実際に使用する実標本値は数19
のkを用いて、f(tk)、f(tk+1)の2点とする。ただ
し前記2点のうちで、 m=0,1,2,...,mmax で表される時刻の範囲を逸脱するものについては、その
点での標本値をゼロとして扱う。この2点の実標本値が
図8における標本値予測部、および畳み込み積分計算部
に入力される。
【0083】標本値予測部では上記2点の実標本値か
ら、それ以外の標本時刻における音声標本値を予測す
る。予測方法は様々な方法が考えられるが、ここでは一
例として線形予測法について記す。線形予測法を用いれ
ば、任意の標本時刻tk+iにおける予測標本値
【0084】
【数19】
【0085】は数20のように求められる。
【0086】
【数20】
【0087】数20において、Ai、Bi、およびCi
予測係数であり、各iについて独自の値が設定される。
ここでiは0および1でない整数である。予測係数はい
くつかのサンプル音声を実際に測定することで実験的に
決定する。具体的には、サンプル音声の全ての標本時刻
aについて標本値f(ta)、f(ta+1)、およびf(t
a+i)を測定し、f(ta)、f(ta+1)、を説明変量、f
(ta+i)を目的変量、数20を重回帰モデルとする重回
帰分析を行うことにより、予測係数を定める。
【0088】音声メモリから読み出された2点の実標本
値、および該実標本値から標本値予測部により求められ
る上記2点以外の標本点における予測標本値は、図8の
畳み込み積分計算部に入力される。畳み込み積分計算部
には標本化関数と標本化時刻計算部から出力される標本
時刻も入力されており、これらの入力値から数16に従
って数18の復元標本値が求められ、続く音声出力部に
出力されることでピッチ変換された音声出力を得る。な
お、図8における標本値予測部や畳み込み計算部等はル
ックアップテーブル化することで低コストかつ高速のシ
ステムを構築することができる。
【0089】
【発明の効果】本発明の方法によって信号を復元する場
合、高精度の復元信号を得られる。本発明では非標本値
における標本値を復元するために、少数(n個)の実標
本値のみを用いるため、実標本値を保存しておくために
必要とされるメモリ容量も小さなもので十分となり、ま
たメモリアクセス回数、演算回数ともに少なくなるため
処理時間を短縮できるという効果がある。また、本発明
の方法を画像処理や音声データ処理に応用することで画
像データの拡大、縮小、回転、音声ピッチの変更をなど
が容易に行えるようになどの効果をあげることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一次元の連続信号に対する本発明の実施の形態
についての説明図である。
【図2】一次元の連続信号に対する本発明の実施の形態
についての説明図である。
【図3】一次元の連続信号に対する本発明の実施の形態
についての説明図である。
【図4】一次元の連続信号に対する本発明の実施の形態
についての説明図である。
【図5】本発明の実施例の画像傾き補正機能付き複写装
置の説明図である。
【図6】本発明の実施例の画像傾き補正機能付き複写装
置の動作の説明図である。
【図7】本発明の実施例の画像拡大/縮小装置の説明図
である。
【図8】本発明の実施例の音声ピッチ変換処理装置の説
明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続信号を標本化して得た離散信号を用
    いて非標本位置における標本値の復元を行う信号処理方
    法において、(1)少数の標本点における実標本値から該
    標本点以外の標本点における標本値を予測し、(2)前記
    実標本値および前記予測標本値から成る離散信号と標本
    化関数との重畳積分を計算することにより、非標本位置
    における標本値の復元を行うことを特徴とする信号処理
    方法。
  2. 【請求項2】 連続信号を標本化して得た離散信号を用
    いて非標本位置における標本値の復元を行う信号処理装
    置において、(1)少数の標本点における実標本値から該
    標本点以外の標本点における標本値を予測する標本値予
    測処理手段と、(2)前記実標本値および前記予測標本値
    から成る離散信号と標本化関数との重畳積分を計算する
    ことにより、非標本位置における標本値の復元を行う標
    本値復元処理手段とを備えることを特徴とする信号処理
    装置。
  3. 【請求項3】 原画像を標本化して得た離散信号から原
    画像信号の復元を行う画像信号復元処理を含む画像処理
    において、(1)少数の標本点における実標本値から該標
    本点以外の標本点における標本値を予測し、(2)前記実
    標本値および前記予測標本値から成る離散信号と標本化
    関数との重畳積分を計算することにより、非標本位置に
    おける標本値の復元を行い、該復元された画像データに
    対して座標系を変えて再標本化する手段を備えたことを
    特徴とする画像処理方法。
  4. 【請求項4】 原音声信号を標本化して得た離散信号か
    ら原音声信号の復元を行う音声信号復元処理を含む音声
    ピッチ変換処理において、(1)少数の標本点における実
    標本値から該標本点以外の標本点における標本値を予測
    し、(2)前記実標本値および前記予測標本値から成る離
    散信号と標本化関数との重畳積分を計算することによ
    り、非標本位置における標本値の復元を行い、該復元さ
    れた音声データに対して時間軸のスケールの異なる値で
    再標本化することを特徴とする音声ピッチ変換処理方
    法。
JP8174358A 1996-06-14 1996-06-14 信号処理方法および装置 Pending JPH104358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8174358A JPH104358A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 信号処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8174358A JPH104358A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 信号処理方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH104358A true JPH104358A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15977237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8174358A Pending JPH104358A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 信号処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH104358A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1041510A2 (en) * 1999-03-29 2000-10-04 Riso Kagaku Corporation Method of and system for processing signal
WO2009133948A1 (ja) * 2008-05-01 2009-11-05 独立行政法人科学技術振興機構 音響処理装置及び音響処理方法
JP2009271641A (ja) * 2008-05-01 2009-11-19 Japan Science & Technology Agency 音響処理装置及び音響処理方法
JP2010093433A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Japan Science & Technology Agency 可変特性型信号変換装置および方法
CN102324943A (zh) * 2010-03-22 2012-01-18 通用电气公司 动态可配置传感器底盘

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1041510A2 (en) * 1999-03-29 2000-10-04 Riso Kagaku Corporation Method of and system for processing signal
EP1041510A3 (en) * 1999-03-29 2003-07-23 Riso Kagaku Corporation Method of and system for processing signal
US6763143B1 (en) 1999-03-29 2004-07-13 Riso Kagaku Corporation System and method for variably filtering to compensate for a linearly interpolated signal
WO2009133948A1 (ja) * 2008-05-01 2009-11-05 独立行政法人科学技術振興機構 音響処理装置及び音響処理方法
JP2009271641A (ja) * 2008-05-01 2009-11-19 Japan Science & Technology Agency 音響処理装置及び音響処理方法
US8594343B2 (en) 2008-05-01 2013-11-26 Japan Science And Technology Agency Sound processing apparatus and sound processing method
JP2010093433A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Japan Science & Technology Agency 可変特性型信号変換装置および方法
CN102324943A (zh) * 2010-03-22 2012-01-18 通用电气公司 动态可配置传感器底盘

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3942193B2 (ja) 画像中のパターンを自動的に位置付けるベクトル相関システム
CN113256712B (zh) 定位方法、装置、电子设备和存储介质
JP3318914B2 (ja) ベツィエスプラインをレンダリングするためのシステムおよび方法
JPH0835818A (ja) 画像処理装置および方法
JPH03127282A (ja) ディジタル・イメージのランド変換装置および方法
EP0493872A2 (en) Method and apparatus for image rotation
US7072528B2 (en) Cubic convolution interpolating apparatus and method thereof
JPH104358A (ja) 信号処理方法および装置
Savić et al. Septic-convolution Kernel-Comparative Analysis of the Interpolation Error
TWI287361B (en) Signal processing device and method, and recording medium where signal processing program is recorded
JPH08251400A (ja) 複数の補間カーネルを備えたデジタル画像補間回路
JPH11164325A (ja) パノラマ画像生成方法及びそのプログラムを記録した記録媒体
JPH0719818A (ja) 3次元運動予測装置
JP2003116103A (ja) ディジタル映像処理装置及び方法
FR2565004A1 (fr) Systeme d'affichage video a interpolateur d'agrandissement
WO2000075865A1 (fr) Procede de traitement d'image
JP2839883B2 (ja) 実時間ディジタル集束のための集束遅延計算方法及びその装置
Beetner et al. Generation of synthetic-focus images from pulse-echo ultrasound using difference equations
CN114529481B (zh) 气动光学热辐射效应校正方法、装置、设备及存储介质
JP2877480B2 (ja) 高精度ベクトル近似装置及び方法
JPH11353306A (ja) 二次元データ補間方式
Takala et al. Hardware architecture for real-time distance transform
Savić et al. Optimization of the 2P fifth degree convolution kernel in the spectral domain
EP0418949B1 (en) Method of detecting an amplitude transient in a field of elements having a multivalent amplitude distribution, device suitable for performing the method, and video system including the device
JP2725607B2 (ja) B−スプライン曲面のデータ削減方法および装置