JPH1043278A - マットレスの消毒方法およびその装置 - Google Patents

マットレスの消毒方法およびその装置

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JPH1043278A
JPH1043278A JP8202205A JP20220596A JPH1043278A JP H1043278 A JPH1043278 A JP H1043278A JP 8202205 A JP8202205 A JP 8202205A JP 20220596 A JP20220596 A JP 20220596A JP H1043278 A JPH1043278 A JP H1043278A
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松弘 小池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明はマットレスに付着した細菌を外部
に放散させずに、その内部までも消毒できるようにした
マットレスの消毒方法を提供することにある。 【解決手段】 マットレスを気密性の消毒袋21に収容
し、この消毒袋に殺菌性気体を供給して消毒するマット
レスの消毒方法において、上記消毒袋に所定量の殺菌性
気体を供給し、この殺菌性気体を大気中に放散させずに
循環させて上記マットレスを消毒する予備消毒工程と、
この予備消毒工程の後で上記消毒袋内の減圧と減圧され
た消毒袋内への殺菌性気体の供給とを繰返すことで上記
マットレスを消毒する本消毒工程とを具備したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はたとえば病院など
で用いられたマットレスを消毒する消毒方法およびその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、病院などにおいては同じマッ
トレスを異なる患者に対して繰返して使用するというこ
とが行なわれており、そのような場合、マットレスに付
着した細菌によって他の利用者が感染する、いわゆる院
内感染を招く虞がある。そこで、マットレスの利用者が
変わる場合、そのマットレスを消毒して院内感染を防止
するといことが行なわれている。
【0003】上記マットレスの消毒は、通常オゾンなど
の殺菌性気体を用いて行なわれている。すなわち、上記
マットレスを気密性の消毒袋に収容し、この袋内に殺菌
性気体を供給して上記マットレスを殺菌するようにして
いる。
【0004】しかしながら、上記マットレスはスプリン
グユニットに弾性シ−トを積層し、この積層体を袋状の
外装布で被覆して形成されている。そのため、マットレ
スが収容された消毒袋内に単に殺菌性気体を供給しただ
けでは、その殺菌性気体を、たとえば弾性シ−トの内部
などマットレスの内部全体にわたって均一に行き渡らせ
ることが難しいから、表面は消毒できても、内部を確実
に消毒することができないということがあった。
【0005】そこで、上記マットレスを消毒袋に収容し
たならば、この消毒袋の内部を減圧することでマットレ
スを圧縮状態にし、その状態で消毒袋に殺菌性気体を供
給するということを回繰返して行なうことで、殺菌性気
体をマットレスの内部全体に行き渡らせ、このマットレ
スの表面だけでなく、内部も確実に消毒するということ
が行なわれている。
【0006】しかしながら、このような消毒方法による
と、未消毒のマットレスを消毒袋に収容してこの内部を
減圧する際、消毒袋内の空気が大気中に排出されること
になる。そのため、消毒袋からは上記マットレスに付着
した細菌も一緒に排出されることになるので、細菌が大
気中に放散されるという虞があった。
【0007】また、マットレスはかなり大きくて重たい
ものであるから、その取扱が容易でない。そのため、消
毒する際に、上記マットレスを上記消毒袋に一人の作業
者によって収容することが容易でないため、作業性が悪
いということがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにマットレス
を消毒袋に入れて殺菌性気体で消毒する場合、消毒効果
を高めるために、上記消毒袋の内部を減圧すると、減圧
時に上記消毒袋から排出される空気にマットレスに付着
していた細菌が含まれることがあるから、衛生上、好ま
しくないということがあった。
【0009】また、一人の作業者によって大きなマット
レスを上記消毒袋に出入する作業は容易でないから、消
毒袋を用いて消毒を行なう場合の作業性が悪いというこ
とがあった。
【0010】この発明は、消毒袋から細菌を出さずに消
毒することができるようにしたマットレスの消毒方法を
提供することにある。この発明は、マットレスを消毒袋
に対して容易に出入できるようにしたマットレスの消毒
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、マッ
トレスを気密性の消毒袋に収容し、この消毒袋に殺菌性
気体を供給して消毒するマットレスの消毒方法におい
て、上記消毒袋に所定量の殺菌性気体を供給し、この殺
菌性気体を大気中に放散させずに循環させて上記マット
レスを消毒する予備消毒工程と、この予備消毒工程の後
で上記消毒袋内の減圧と減圧された消毒袋内への殺菌性
気体の供給とを繰返すことで上記マットレスを消毒する
本消毒工程とを具備したことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、マットレスを殺菌性気
体によって消毒するマットレスの消毒装置において、固
定フレ−ムと、この固定フレ−ムにスライド自在に設け
られた可動フレ−ムと、気密性を備えた可撓性シ−トに
よって長手方向一端面が開閉自在な出入部に形成されそ
の長手方向一端側が上記可動フレ−ムに吊り下げられ他
端側が上記固定フレ−ムに吊り下げられて設けられた消
毒袋と、この消毒袋に設けられこの内部に殺菌性気体を
供給する供給部と、上記固定フレ−ムに設けられ上記可
動フレ−ムを後退させて上記消毒袋を縮小させた状態で
この消毒袋内に挿入された上記マットレスの一端部を支
持する支持部とを具備し、上記マットレスが縮小された
消毒袋に一端部が挿入されて上記支持部に支持された状
態で、上記可動フレ−ムを前進方向へスライドさせるこ
とで、伸張される上記消毒袋内に上記マットレスが収容
されることを特徴とする。
【0013】請求項1の発明によれば、消毒袋内の気体
を大気中に排出させずにマットレスを予備消毒してか
ら、上記消毒袋の減圧と殺菌性気体の供給とを繰返す本
消毒が行なわれるため、本消毒時に大気中に排出される
消毒袋内の気体に細菌が含まれることがなくなる。
【0014】請求項2の発明によれば、可動フレ−ムを
後退させた状態でマットレスの一端部を固定フレ−ムの
支持部に載置し、ついで可動フレ−ムを前進方向にスラ
イドさせれば、マットレスを消毒袋に収容することがで
きる。
【0015】
【発明の実施形態】図1(a)〜(c)に示すマットレ
スの消毒装置は固定フレ−ム1を有する。この固定フレ
−ム1は矩形状の前枠2と後枠3との上部と下部がそれ
ぞれ4本の上部連結杆4と下部連結杆5とによって平行
に連結されてなる。上記前枠2と後枠3との下端にはそ
れぞれストッパ付きのキャスタ6が設けられている。な
お、上記前枠2と後枠3とはステ−1aによって補強さ
れている。
【0016】上記上部連結杆4は図2(a)に示すよう
に角筒状をなしていて、その下面には長手方向に所定間
隔で上部固定フック7が設けられ、また内部には可動フ
レ−ム8を形成するチャンネル形状の可動杆9がスライ
ド自在に挿入されている。4本の可動杆9の前端には門
型形状の可動枠11の上辺部が連結固定されている。こ
の可動枠11の下端部にはストッパ付きのキャスタ12
aが設けられている。
【0017】上記可動杆9はスリット状に開口した一側
面を下方に向けて設けられ、その内部には複数の可動フ
ック12がスライド自在に設けられている。4本の下部
連結杆5は2本で対をなし、それぞれが後述するごとく
マットレスMの長手方向一端部を支持させるための支持
部13となっていて、対をなす隣り合う2本の下部連結
杆5には、図2(a)に示すように下部固定フック13
aが長手方向に沿って所定間隔で設けられている。
【0018】上記固定フレ−ム1と可動フレ−ム8とに
は2つの消毒袋21(図1(c)に一方のに図示)が並
設保持される。すなわち、消毒袋21は、気密性を備え
た可撓性のシ−トによって上記マットレスMをその幅方
向を上下方向にした状態で収容できる高さと長さ寸法に
形成されていて、その長手方向一端面は開閉自在な出入
部22に形成されている。この出入部22は、図2
(c)に示すようにビニ−ルチャック22aによって開
閉できるとともに、折り曲げ状態でベルベットファスナ
22bによって保持できるようになっている。つまり、
出入部22は閉塞時に内部圧力の変動に対して、気密性
を保つことができるようになっている。
【0019】上記消毒袋21の外周面には長手方向に所
定間隔でベルト23が設けられている。このベルト23
は図2(a)、(b)に示すように消毒袋21の外周面
全長にわたって設けられているとともに、消毒袋21の
上面の幅方向両端部には上部連結片23a、下面の幅方
向中央部には下部連結片23bがそれぞれ形成されてい
る。
【0020】上記消毒袋21の長手方向一端側、つまり
出入部22側に位置する上部連結片23aは可動フレ−
ム8の隣り合う一対の可動杆9に設けられた可動フック
12に取り付けられ、長手方向他端側の上部連結片23
aは固定フレ−ム1の隣り合う一対の連結杆4に設けら
れた上部固定フック7に取付けられている。さらに、下
部連結片23aは固定フレ−ム1の隣り合う下部連結杆
5にわたって設けられた下部固定フック13に取付けら
れている。
【0021】したがって、上記固定フレ−ム1と可動フ
レ−ム8とにわたって設けられた消毒袋21は、上記可
動フレ−ム8が固定フレ−ム1内に位置する後退位置で
は図3(a)に示すように縮小され、可動フレ−ム8か
ら引き出す前進方向にスライドさせたときには図3
(c)に示すように伸張するようになっている。
【0022】上記消毒袋21の上面には図1(c)に示
すように長手方向一端側に第1の給排気孔25aが形成
され、他端側には第2の給排気孔25bが形成されてい
る。これら給排気孔25a、25bには第1のチュ−ブ
26aと第2のチュ−ブ26bとの一端がそれぞれ着脱
自在に接続され、他端には消毒ユニット27が接続され
る。
【0023】上記消毒ユニット27は図4(a)〜
(c)に示すように消毒性気体としてのオゾンを分解す
るオゾン分解器28、上記消毒袋21に供給されるオゾ
ンを発生するオゾン発生器29とを有する。
【0024】上記オゾン分解器28の下流側と上流側と
にはそれぞれ電動式の第1の三方弁V1 と第2の三方弁
V2 とが接続されている。上記オゾン発生器29の上流
側と下流側には同じく電導式の第3の三方弁V3 と第4
の三方弁V4 とが接続されている。そして、上記第4の
三方弁V4 には上記第1のチュ−ブ26aの他端が接続
され、上記第2の三方弁V2 には上記第2のチュ−ブV
2 の他端が接続されている。
【0025】上記第1の三方弁V1 と第3の三方弁V3
との1つのポ−トはそれぞれ大気に連通している。ま
た、第2の三方弁V2 の1つのポ−トと上記オゾン発生
器29の下流側とは第1のバイパス管31によって接続
され、第4の三方弁V4 とオゾン分解器28の上流側と
は第2のバイパス管32によって接続されている。さら
に、上記第1の三方弁V1 と上記第3の三方弁V3 との
間にはポンプ33とエアクリ−ナ34とが設けられてい
る。
【0026】つぎに、上記構成の消毒装置によってマッ
トレスMを消毒する手順について説明する。まず、作業
者は、図3(a)に示すように可動フレ−ム8を後退さ
せ、消毒袋21の上記可動フレ−ム8に吊持された一端
部を縮小させるとともに、その消毒袋21の出入部23
を開放する。そして、マットレスMを立てた状態でその
長手方向一端部を上記出入部23から消毒袋23内へ挿
入し、挿入された一端部を固定フレ−ム1の下部に設け
られた支持部13に消毒袋23の他端部を介して載置す
る。この状態を図3(b)に示す。
【0027】つぎに、作業者は一方の手でマットレスM
の出入部23から突出した部分を押さえながら、他方の
手で図1(c)に示すように可動フレ−ム8を前進方向
へスライドさせる。それによって、上記マットレスMは
消毒袋23内に収容されることになるから、上記出入部
23を閉じて消毒袋23を密閉する。
【0028】このとき、消毒袋23は縮小された部分が
伸張する。つまり、消毒袋23は、マットレスMの一端
部が支持された支持部13に対応する他端部はもともと
伸張しているため、可動フレ−ム8をスライドさせて
も、ほとんど伸張することがなく、出入部23が形成さ
れた一端部側が伸張するから、一端部を上記支持部13
に支持されたマットレスMが可動フレ−ム8とともに伸
張する消毒袋23によって支持部13から外れる方向に
スライドすることがほとんどない。
【0029】このようにして消毒袋23にマットレスM
を収容したならば、このマットレスMを消毒する。マッ
トレスMの消毒は予備消毒工程と本消毒工程とによって
行なわれる。予備消毒工程は、図4(a)〜(c)で示
すステップ1〜3の工程で行なわれる。
【0030】図4(a)に示すステップ1は、ポンプ3
3を作動して図中に破線の矢印で示すように第1の三方
弁V1 から外気を吸引し、その外気をクリ−ナ34およ
び第3の三方弁V3 を通じてオゾン発生器29に供給す
る。
【0031】それによって、オゾン発生器29では殺菌
性気体であるオゾンが発生する。そのオゾンは、同図に
実線の矢印で示すように一部が第4の三方弁V4 から第
1のチュ−ブ26aを通じて第1の給排気孔25aから
消毒袋23に供給され、また残りは第1のバイパス管3
1と第2の三方弁V2 を通って第2の給排気孔25bか
ら消毒袋23に供給される。
【0032】消毒袋23に所定量のオゾンが供給される
と、図4(b)に示すステップ2の工程が行なわれる。
ステップ2では第1の三方弁V1 と第2の三方弁V2 が
切換えられ、オゾン発生器29で発生したオゾンは同図
に実線の矢印で示すように第1の給排気孔25aから消
毒袋23内に供給されるとともに、第2の給排気孔25
bから吸引される。
【0033】吸引されたオゾンはオゾン分解器28で分
解されて毒性のない酸素になって同図に破線の矢印で示
すようにポンプ33、クリ−ナ34および第3の三方弁
V3を通ってオゾン発生器29に戻り、ここで再びオゾ
ンにされて実線の矢印で示すように第1の給排気孔25
aから消毒袋23に供給される。
【0034】ステップ2が所定時間継続されると、第2
の三方弁V2 と第4の三方弁V4 とが切り替わり、図4
(c)に示すステップ3が行なわれる。このステップ3
ではオゾン発生器29で発生したオゾンは同図に実線の
矢印で示すように第1のバイパス管31および第2の三
方弁V2 を通って第2の給排気孔25bから消毒袋23
に供給され、消毒袋23内のオゾンは第1の給排気孔2
5aから第4の三方弁V4 と第2のバイパス管32を通
じてオゾン分解器28に流入する。
【0035】分解された気体は同図に破線の矢印で示す
ようにオゾン発生器29に流れ、オゾンとなって消毒袋
23に流入する。このステップ3が所定時間行なわれる
ことで、予備消毒工程が終了する。
【0036】このような予備消毒工程によれば、消毒袋
23内にオゾンを循環させることで、マットレスMを消
毒するため、少なくともマットレスMの表面を確実に殺
菌消毒することができる。しかも、消毒袋23内の気
体、とくにオゾンとなる前の空気を外部に全く排出せず
に予備消毒が行なわれるから、マットレスMに付着した
細菌を外部に放散させることがない。
【0037】予備消毒工程が終了すると、本消毒工程が
行なわれる。この本消毒工程は、図5(a)〜(c)に
示すステップ4〜6の工程で行なわれる。ステップ4で
は消毒袋23内を減圧する。すなわち、予備消毒工程に
よって消毒袋23に残留するオゾンは、ポンプ33の吸
引力によって、同図(a)に実線の矢印で示すように第
1、第2の給排気孔25a、25bからオゾン分解器2
8に吸引され、ここで分解されて同図(a)に破線の矢
印で示すように第3の三方弁V3 から大気中に放散され
る。
【0038】上記第3の三方弁V3 から大気中に放散さ
れる気体のほとんどは、予備消毒工程で使用されたオゾ
ンが分解されたものであるから、その気体にはほとんど
細菌が含まれることがない。また、消毒袋23を減圧す
ることで、マットレスMが圧縮されてその弾性シ−トの
内部などに含まれた気体が排出されるが、予備消毒工程
でオゾンを循環させてマットレスMを消毒しているた
め、その気体にも細菌が含まれることがほとんどない。
【0039】上記消毒袋23を減圧したならば、ステッ
プ5では図5(b)に破線の矢印で示すように第1の三
方弁V1から外気を吸引し、オゾン発生器29で発生し
たオゾンを第1の給排気孔25aからだけ消毒袋23へ
供給し、第2の給排気孔25bは第2の三方弁V2 によ
って遮断する。この時、消毒袋23内は減圧状態から圧
力が増加することで、圧縮状態のマットレスMが膨張す
るため、オゾンはマットレスの内部に十分に吸引され
る。
【0040】消毒袋23にオゾンを所定の圧力まで供給
したならば、図示しないが、ステップ4と同様、第1の
給排気孔25aと第2の給排気孔25bとから消毒袋2
3内のオゾンを吸引し、第3の三方弁V3 から大気中に
放散することで、この消毒袋23の内部を減圧する。こ
れをステップ5´とする。
【0041】ステップ6では、ステップ5とは逆に第1
の給排気孔25aは第4の三方弁V4 で遮断し、第2の
給排気孔25bからオゾンを供給する。そして、消毒袋
23を膨張させることで、ステップ5と同様、マットレ
スMの内部にオゾンを吸入させることができるから、そ
の内部も確実に消毒することができる。
【0042】ステップ6で所定量のオゾンを供給し終え
たならば、図示しないが、ステップ4と同様に、消毒袋
23内のオゾを第1、第2の給排気孔25a、25bか
ら吸引し、オゾン分解器28で分解して第3の三方弁V
3 から大気中に放散させることで、本消毒工程が終了す
る。これをステップ6´とする。
【0043】このような消毒方法によれば、予備消毒工
程では大気中に消毒袋23内の気体を外部に放散させる
ことがないため、マットレスに付着した細菌を周囲に飛
散させる虞がなく、また本消毒工程では消毒袋23内に
気体を外部に放散させるが、その気体は予備消毒工程で
使用されたオゾンであること、また予備消毒工程でマッ
トレスMがある程度消毒されているため、本消毒工程で
マットレスMが圧縮されてその内部から気体が排出され
ても、細菌がほとんど含まれていないことなどから、マ
ットレスMに付着した細菌を外部に飛散させることなく
消毒を行なうことができる。
【0044】しかも、予備消毒工程と本消毒工程におい
て、オゾンの供給を消毒袋23の長手方向一端側と他端
側に形成された第1の給排気孔25aと第2の給排気孔
25bとから交互に行なうようにしているため、消毒袋
23が長尺であっても、その内部の一端側と他端側との
内部全体にわたってオゾンを循環させることができる。
そのため、長尺なマットレスMを全長にわたって確実に
消毒することができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、消毒袋内の気
体を大気中に排出させずにマットレスを予備消毒してか
ら、上記消毒袋の減圧と殺菌性気体の供給とを繰返す本
消毒を行なうようにした。
【0046】そのため、予備消毒時にはマットレスの表
面に付着した細菌とともに消毒袋内の気体が外部に放散
されることがなく、本消毒時には消毒袋内の気体が外部
に放散されるものの、その気体の大半は予備消毒時に使
用された殺菌性気体であり、しかも予備消毒時にマット
レスに付着した細菌のほとんどは死滅するから、消毒工
程全体を通じて大気中に排出される消毒袋内の気体に細
菌が含まれることがなくなる。
【0047】請求項2の発明によれば、マットレスの消
毒装置を、支持部を有する固定フレ−ム、可動フレ−ム
およびこれらフレ−ムに取付けられ一端が開閉自在な出
入部に形成された消毒袋から構成した。
【0048】そのため、可動フレ−ムを後退させた状態
で上記出入部から消毒袋内へ挿入したマットレスの一端
部を上記支持部に載置し、ついで可動フレ−ムを前進方
向にスライドさせることで、マットレスを消毒袋に収容
することができるから、その収容作業を一人の作業者に
よって容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)この発明の一実施形態の消毒装
置を示し、(a)は可動フレ−ムを後退させた状態の斜
視図、(b)は同じく前進させた状態の斜視図、(c)
は消毒袋を伸張させた状態の斜視図。
【図2】(a)は固定フレ−ムに取付けられた消毒袋の
断面図、(b)は同じく可動フレ−ムに取付けられた状
態の消毒袋の断面図、(c)は同じく消毒袋の先端部に
形成された出入部の一部を示す斜視図。
【図3】(a)〜(c)は同じくマットレスを消毒袋に
収容する手順を順次示した説明図。
【図4】(a)〜(c)は同じく予備消毒工程のステッ
プ1〜ステップ3の説明図。
【図5】(a)〜(c)は同じく本消毒工程のステップ
4〜ステップ6の説明図。
【符号の説明】
1…固定フレ−ム 8…可動フレ−ム 13…支持部 21…消毒袋 27…消毒ユニット(供給部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マットレスを気密性の消毒袋に収容し、
    この消毒袋に殺菌性気体を供給して消毒するマットレス
    の消毒方法において、 上記消毒袋に所定量の殺菌性気体を供給し、この殺菌性
    気体を大気中に放散させずに循環させて上記マットレス
    を消毒する予備消毒工程と、 この予備消毒工程の後で上記消毒袋内の減圧と減圧され
    た消毒袋内への殺菌性気体の供給とを繰返すことで上記
    マットレスを消毒する本消毒工程とを具備したことを特
    徴とするマットレスの消毒方法。
  2. 【請求項2】 マットレスを殺菌性気体によって消毒す
    るマットレスの消毒装置において、 固定フレ−ムと、 この固定フレ−ムにスライド自在に設けられた可動フレ
    −ムと、 気密性を備えた可撓性シ−トによって長手方向一端面が
    開閉自在な出入部に形成されその長手方向一端側が上記
    可動フレ−ムに吊り下げられ他端側が上記固定フレ−ム
    に吊り下げられて設けられた消毒袋と、 この消毒袋に設けられこの内部に殺菌性気体を供給する
    供給部と、 上記固定フレ−ムに設けられ上記可動フレ−ムを後退さ
    せて上記消毒袋を縮小させた状態でこの消毒袋内に挿入
    された上記マットレスの一端部を支持する支持部とを具
    備し、 上記マットレスが縮小された消毒袋に一端部が挿入され
    て上記支持部に支持された状態で、上記可動フレ−ムを
    前進方向へスライドさせることで、伸張される上記消毒
    袋内に上記マットレスが収容されることを特徴とするマ
    ットレスの消毒装置。
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