JPH1039347A - レーザー波長変換装置 - Google Patents

レーザー波長変換装置

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JPH1039347A
JPH1039347A JP21194696A JP21194696A JPH1039347A JP H1039347 A JPH1039347 A JP H1039347A JP 21194696 A JP21194696 A JP 21194696A JP 21194696 A JP21194696 A JP 21194696A JP H1039347 A JPH1039347 A JP H1039347A
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JP
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resonator
light
laser
raman
reflector
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JP21194696A
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English (en)
Inventor
Hideo Tashiro
英夫 田代
Akira Tsunemi
明良 常見
Tokuhito Saito
徳人 斎藤
Keigo Nagasaka
啓吾 長坂
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置全体の大型化ならびに複雑化を招来するこ
となく、しかも高いラマン変換効率を達成できるように
する。 【解決手段】励起レーザー光をラマン媒質内に入射し、
ラマン変換を行なうことによりレーザーの波長変換を行
うレーザー波長変換装置において、第1の反射鏡と第2
の反射鏡とを対向配置して構成される第1の共振器と、
第1の反射鏡と第2の反射鏡との間において第2の反射
鏡に対向配置された第3の反射鏡と第2の反射鏡とによ
り構成される第2の共振器と、第1の共振器内の第1の
反射鏡と第3の反射鏡との間に配置された励起レーザー
光を発生するレーザー媒質と、第2の共振器内の第2の
反射鏡と第3の反射鏡との間に配置されたラマン媒質を
充填したラマン・セルとを有し、第1の共振器を往復す
る光の光軸と第2の共振器を往復する光の光軸とを同軸
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー波長変換装置
に関し、さらに詳細には、誘導ラマン散乱現象によるレ
ーザー波長変換(ラマン変換)を用いたレーザー(ラマ
ン・レーザー)のレーザー波長変換装置に関し、分子レ
ーザー法によるU(ウラン)の同位体分離などに使用し
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、Uの同位体たる235Uを分離す
るために使用されるラマン・レーザー装置として、例え
ば、図1に示すようなラマン・レーザー装置が知られて
いる。この図1に示すラマン・レーザー装置は、ラマン
媒質を励起するための励起光レーザー系100と、内部
にラマン媒質を充填したラマン・セルたる大型マルチ・
パス・ラマン・セル(以下、「MPC」と称す。)11
0との、それぞれ別個独立して設けられた装置群により
構成されている。
【0003】さらに詳細には、励起光レーザー系100
は、大気圧横放電型炭酸ガス(以下、「TEA−C
2」と称す。)レーザー発振器102と多段に構成さ
れた複数のTEA−CO2増幅器104とからなるもの
である。
【0004】また、MPC110は、パラ水素をラマン
媒質として充填しており、凹面鏡よりなる全反射鏡11
4aと凹面鏡よりなる反射鏡114bとを備えている。
【0005】即ち、このラマン・レーザー装置は、励起
光レーザー系100より出射された波長約10μmの励
起レーザー光がMPC110内に入射され、この励起レ
ーザー光がMPC110を通過する間にMPC110内
に充填されたラマン媒質(パラ水素)による誘導ラマン
散乱現象により約16μmの波長に波長変換(ラマン変
換)されて、MPC110よりラマン変換光として1次
ストークス光が出射されるように構成されている。
【0006】そして、MPC110より出射された1次
ストークス光を、Uに照射することにより、Uの同位体
たる235Uを分離することができるものである。
【0007】即ち、上記した従来のラマン・レーザー装
置においては、励起光レーザー系100のCO2レーザ
ー発振器102で作り出した励起レーザー光を、複数の
TEA−CO2増幅器104を通過させることにより増
幅させて、それをMPC110に導入してラマン変換さ
せるものであり、所謂、外部変換型と称することができ
るものである。
【0008】以上の構成において、作動の際には、TE
A−CO2レーザー発振器102より出射された波長約
10μmの励起レーザー光が、複数のTEA−CO2
幅器104により増幅されてMPC110に導入され
る。
【0009】そして、MPC110の導入口112aよ
り導入された励起レーザー光(波長約10μm)は、全
反射凹面鏡114aと全反射凹面鏡114bとの間を数
十回往復しながらラマン変換を行い、ラマン変換光とし
てMPC110の出射口112bより波長約16μmの
1次ストークス光が出射される。
【0010】また、このラマン・レーザー装置おいて
は、励起光レーザー系100より出射された励起レーザ
ー光は、ラマン媒質が充填されたMPC110内を一回
伝搬する間に波長変換される通過型であり、TEA−C
2レーザー発振器102から出射されるレーザ・パル
ス光(励起レーザー光)は、図2に示すように、幅約1
00nsの主スパイク部分と、その後部に約1μsにわ
たる尾とからなり、このようなレーザー・パルス光をM
PC110に導入すると、図3に示すように、主スパイ
クの中心部分のみが幅約50nsの範囲でラマン変換さ
れるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のラマン・レーザー装置では、TEA−CO2
ーザー発振器および多段に構成された複数のTEA−C
2増幅器からなる励起光レーザー系と、ラマン媒質を
充填したMPCとの2つの独立した装置を組合わせて構
成されているために、装置全体が大型化してスペース的
に不利であるとともに取扱性が悪く、しかもコスト高に
なるなどの問題点があった。
【0012】また、上記したラマン・レーザー装置にお
いて高繰り返し動作が要求される場合には、さらに多く
のTEA−CO2増幅器を増設しなければならず、一層
装置が大型化してスペース的不利や取扱性の悪さが顕著
になり、しかも更なるコスト高を招来して経済的効率が
低下するなどの問題点があった。
【0013】さらに、従来のラマン・レーザー装置にあ
っては、励起レーザー光をMPC内を一回伝搬させるこ
とにより波長変換させる通過型であるから、根本的にラ
マン変換効率に限界があった。
【0014】即ち、ラマン変換効率の観点から考察した
場合には、ラマン・レーザーに通常用いられるTEA−
CO2レーザー発振器から出射されるレーザー・パルス
光をMPCに導入すると、図3に示すように、主スパイ
クの中心部分のみ幅約50nsの範囲でラマン変換が起
こるが、それ以外の前後部分は実質的にラマン変換に寄
与しないため、そこでラマン変換効率が制限されること
になっていたという問題点があった。
【0015】さらにまた、上記MPCにおいて、レーザ
ー光はMPC内の全反射鏡と半透過型反射鏡との間を3
0〜40回の反射を繰り返すために、多重反射による反
射損失が大きいという問題点があった。
【0016】なお、上記MPC内の反射において、トー
タルの反射率Rは、一回の反射による反射率をrとし、
反射回数をnすると、 R=rn により表すことができ、例えば、r=0.99、n=4
0としたときには、 R=rn=0.9940=0.67 より、トータルの反射率は「0.67」に低下する。
【0017】本発明は、従来の技術の有する上記した種
々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、装置全体の大型化ならびに複雑化を招来す
ることなく、しかも高いラマン変換効率を達成できるよ
うにしたレーザー波長変換装置を提供しようとするもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるレーザー波長変換装置は、励起レーザ
ー光をラマン媒質内に入射し、ラマン変換を行なうこと
によりレーザーの波長変換を行うレーザー波長変換装置
において、第1の反射鏡と第2の反射鏡とを対向配置し
て構成される第1の共振器と、上記第1の反射鏡と上記
第2の反射鏡との間において上記第2の反射鏡に対向配
置された第3の反射鏡と上記第2の反射鏡とにより構成
される第2の共振器と、上記第1の共振器内の上記第1
の反射鏡と上記第3の反射鏡との間に配置された励起レ
ーザー光を発生するレーザー媒質と、上記第2の共振器
内の上記第2の反射鏡と上記第3の反射鏡との間に配置
されたラマン媒質を充填したラマン・セルとを有し、上
記第1の共振器を往復する光の光軸と上記第2の共振器
を往復する光の光軸とが同軸とされたものである。ま
た、本発明によるレーザー波長変換装置は、励起レーザ
ー光をラマン媒質内に入射し、ラマン変換を行なうこと
によりレーザーの波長変換を行うレーザー波長変換装置
において、第1の反射鏡と第2の反射鏡とを対向配置し
て構成される第1の共振器と、上記第1の共振器内に配
置された励起レーザー光を発生するレーザー媒質と、第
3の反射鏡と第4の反射鏡とを対向配置して構成される
第2の共振器と、上記第2の共振器内に配置されたラマ
ン媒質を充填したラマン・セルとを有し、上記第1の共
振器を往復する光の光軸と上記第2の共振器を往復する
光の光軸とを交差させたものである。
【0019】さらに、本発明によるレーザー波長変換装
置は、上記第1の共振器を往復する光の光軸と上記第2
の共振器を往復する光の光軸とを交差させたものにおい
て、上記第1の共振器を複数備え、上記複数の第1の共
振器内にそれぞれに励起レーザー光を発生するレーザー
媒質を配置し、上記複数の第1の共振器内を往復する光
の光軸が互いに同軸でないとともに、上記第2の共振器
を往復する光の光軸とそれぞれ交差させたものである。
【0020】本発明によれば、レーザー共振器内の励起
レーザー光は、共振器内に配置されたラマン媒質が充填
されたラマン・セル内に導入され、共振器を構成する対
向する反射鏡の間を往復する際に増幅されながらラマン
変換される。このため、共振器内の高い光電場強度を直
接的にラマン変換に利用できるので、効率的なラマン変
換が可能になる。
【0021】従って、従来の技術における多段に構成さ
れた複数のTEA−CO2増幅器や、多重反射による損
失の大きいMPCなどが不要になり、装置全体の小型化
が図られるので設置スペースも少なく、また取扱性が容
易であり、かつ構成部品が少ないので大幅なコスト低減
を図ることができ、しかも高いラマン変換効率を得るこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明に
よるレーザー波長変換装置の実施の形態を詳細に説明す
るものとする。
【0023】図4には、本発明によるレーザー波長変換
装置の第1の実施の形態の一例を示す概略構成図が示さ
れている。
【0024】このレーザー波長変換装置10は、励起レ
ーザー光反射用反射鏡12と励起レーザー光反射・スト
ークス光出射用反射鏡14とにより、励起レーザー光用
共振器16が構成され、励起レーザー光反射用反射鏡1
2と励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡1
4との間に位置する励起レーザー光透過・ストークス光
反射用反射鏡18と励起レーザー光反射・ストークス光
出射用反射鏡14とにより、ストークス光用共振器20
が構成される。
【0025】そして、励起レーザー光用共振器16内の
励起レーザー光反射用反射鏡12と励起レーザー光透過
・ストークス光反射用反射鏡18との間には、TEA−
CO2レーザー22が配置される。符号24は、ZnS
eよりなる全透過性の窓部である。
【0026】また、励起レーザー光透過・ストークス光
反射用反射鏡18と励起レーザー光反射・ストークス光
出射用反射鏡14とは、筒状のラマン・セル26の両端
面にラマン・セル26の内部が密封されるようにして嵌
合されており、ラマン・セル26の内部にはパラ水素
(p−H2)が充填されている。なお、ラマン利得を高
めるために、ラマン・セル26の中心部は、真空(va
cuum)層28により外部と遮断された液体窒素(l
iq.N2)層30により冷却されている。
【0027】符号32は、注入同期用レーザー発振器と
してのCW(連続発振型)CO2レーザー発振器であ
り、この連続型CO2レーザー発振器32から出射され
た波長約10μmの連続レーザー光が、偏光板34なら
びに1/4波長板36を介して円偏光に制御されて注入
レーザー光(シード光)として、反射鏡38、40によ
り反射され励起レーザー光反射用反射鏡12を通って励
起レーザー光用共振器16内に入射される。
【0028】従って、励起レーザー光反射用反射鏡12
は、波長約10μmの連続レーザー光を透過させ、それ
以外の波長の光は約3%程度の透過率を持つようにコー
ティングが施されている。また、励起レーザー光透過・
ストークス光反射用反射鏡18は、励起レーザー光反射
用反射鏡12を介して入射されたシード光に基づいて、
TEA−CO2レーザー22により発生された波長約1
0μmの励起レーザー光を透過させるとともに、波長約
10μmの励起レーザー光がラマン・セル26において
ラマン変換された波長約16μmストークス光を反射す
る。さらに、励起レーザー光反射・ストークス光出射用
反射鏡14は、波長約10μmの励起レーザー光を反射
させるとともに、波長約10μmの励起レーザー光がラ
マン・セル26においてラマン変換された波長約16μ
mのストークス光の一部を透過させて出射し、その残り
は反射する。
【0029】そして、励起レーザー光反射用反射鏡12
と励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡14
とにより反射されて、励起レーザー光用共振器16内を
往復する励起レーザー光の光軸と、励起レーザー光反射
・ストークス光出射用反射鏡14と励起レーザー光透過
・ストークス光反射用反射鏡18とにより反射されて、
ストークス光用共振器20内を往復するストークス光の
光軸とが一致している。このように、励起レーザー光用
共振器16内にTEA−CO2レーザー発振器16とラ
マン媒質を充填したラマン・セル26とを連接したレー
ザー波長変換装置10を、従来の外部変換型に対して、
内部変換型と称することとする。
【0030】なお、符号36はPZTであり、励起レー
ザー光用共振器16の長さを微調整するためのものであ
る。
【0031】以上の構成において、作動の際には、連続
型CO2レーザー発振器32から出射されたシード光に
基づいてTEA−CO2レーザー発振器22より発せら
れた波長約10μmの励起レーザー光は、励起レーザー
光反射用反射鏡12と励起レーザー光反射・ストークス
光出射用反射鏡14とにより構成される励起レーザー光
用共振器16内を往復しながら増幅されるととともに、
ラマン・セル26内の誘導ラマン散乱現象によりラマン
変換されて波長約16μmのラマン変換光たるストーク
ス光となり、このストークス光の一部が励起レーザー光
反射・ストークス光出射用反射鏡14よりレーザー波長
変換装置10の外部に取り出されることになる。また、
励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡14よ
りレーザー波長変換装置10の外部に取り出されなかっ
たストークス光は、励起レーザー光反射・ストークス光
出射用反射鏡14と励起レーザー光透過・ストークス光
反射用反射鏡18とにより構成されるストークス光用共
振器20内を往復しながら増幅される。
【0032】即ち、レーザー波長変換装置10において
は、励起レーザー光用共振器16内の高い光電場強度を
直接的にラマン変換に利用できるので、効率的なラマン
変換が可能になる。即ち、TEA−CO2レーザー発振
器22より発せられた励起レーザー光が、励起レーザー
光反射用反射鏡12と励起レーザー光反射・ストークス
光出射用反射鏡14とにより構成される励起レーザー光
用共振器16内を往復して増幅する過程で、励起レーザ
ー光からラマン変換光にエネルギーが移っていくので、
極めて効率よくラマン変換を行うことが可能となる。
【0033】また、励起レーザー光反射用反射鏡12と
励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡14と
により構成される励起レーザー光用共振器16内では、
通常、定在波ができているため、光路上で前方および後
方に進む電磁波が重なり合うようになり、ラマン変換領
域(ラマン・セル26内)では、前方ラマン散乱および
後方ラマン散乱が同時に起こっていることになって、さ
らにラマン変換が促進される。しかも、ラマン変換され
たストークス光がラマン変換用共振器20内を往復して
増幅するので、一層ラマン変換を促進することができ
る。
【0034】さらに、CO2増幅器やMPCを用いない
内部変換型であるため、装置全体も非常にコンパクトに
なり、またMPCを用いることがないので、多重反射に
よる光エネルギーの反射損失を低減することができ、従
来のラマン・レーザー装置と比較すると、非常に高い効
率でラマン変換を行うことができるようになる。
【0035】図5は、本発明によるレーザー波長変換装
置の第2の実施の形態の一例を示す要部概略構成図であ
り、図5において図4に示す構成と同一あるいは相当す
る構成に関しては、図4に示す符号と同一の符号を用い
て示すことにより、その詳細な構成および作用の説明は
省略する。
【0036】即ち、図5に示す本発明によるレーザー波
長変換装置の第2の実施の形態においては、図4に示す
本発明によるレーザー波長変換装置の第1の実施の形態
のように、励起レーザー光反射・ストークス光出射用反
射鏡14ならびに励起レーザー光透過・ストークス光反
射用反射鏡18を共有して励起レーザー光用共振器16
とストークス光用共振器20とを構成するのではなく、
励起レーザー光反射用反射鏡12と励起レーザー光反射
用反射鏡50とにより励起レーザー光用共振器16を構
成し、ストークス光出射用反射鏡52とストークス光反
射用反射鏡54とによりストークス光用共振器20とを
構成して、励起レーザー光用共振器16を往復する励起
レーザー光の光軸とストークス光用共振器20を往復す
るストークス光の光軸とが互いに交差するようにしてな
るものである。なお、符号56は、励起レーザー光を集
光するためのレンズである。
【0037】つまり、この第2の実施の形態において
は、励起レーザー光用共振器16とストークス光用共振
器20とをそれぞれ独立して設け、励起レーザー光用共
振器16を往復する励起レーザー光の光軸とストークス
光用共振器20を往復するストークス光とを交差したも
のである。
【0038】このように、この第2の実施の形態におい
ては、励起レーザー光用共振器16とストークス光用共
振器20とをそれぞれ独立して設けているので、各光学
部品をレーザー波長毎に最適に設計することが容易であ
り、高効率な波長変換が可能になり、高繰り返し動作に
も適している。
【0039】即ち、図4に示す第1の実施の形態におい
ては、励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡
14ならびに励起レーザー光透過・ストークス光反射用
反射鏡18を共有して励起レーザー光用共振器16とス
トークス光用共振器20とを構成している。このため、
励起レーザー光反射・ストークス光出射用反射鏡14
は、波長約10μmの励起レーザー光を反射するととも
に、波長約16μmのストークス光の一部を透過し残部
を反射するように透過特性や反射特性を設定する必要が
あり、また、励起レーザー光透過・ストークス光反射用
反射鏡18は、波長約10μmの励起レーザー光を透過
するとともに、波長約16μmのストークス光を反射す
るように透過特性や反射特性を設定する必要があるが、
こうした複雑な透過特性や反射特性を備えた光学部品の
設計は一般にそれほど容易ではない。
【0040】しかしながら、図5に示す本発明によるレ
ーザー波長変換装置の第2の実施の形態によれば、上記
したような複雑な透過特性や反射特性を備えた光学部品
を用いる必要がないので、光学部品の設計が容易にな
る。
【0041】また、図5に示す本発明によるレーザー波
長変換装置の第2の実施の形態のように、励起レーザー
光用共振器16とストークス光用共振器20とをそれぞ
れ独立して設け、励起レーザー光用共振器16を往復す
る励起レーザー光の光軸とストークス光用共振器20を
往復するストークス光とを交差するようにした場合に
は、励起レーザー光用共振器16は1個に限られること
なしに複数個設けることができる。図6には、励起レー
ザー光用共振器16を2個備えた例が示されている。
【0042】このように、励起レーザー光用共振器16
を複数設け、その励起レーザー光の出力のタイミングを
制御すると、ラマン変換光たるストークス光のマルチプ
レックス化が可能となる。
【0043】即ち、図7に示すように、4個の励起レー
ザー光用共振器16を設け、各励起レーザー光用共振器
16から所定の時間間隔毎に順番に励起レーザー光(励
起光パルス)を出力すると、それに応じてストークス光
パルスが生成され(図7(1)(2)(3)(4))、
これらストークス光がストークス光用共振器20から出
力されることになる(図7(5))。
【0044】従って、TEA−CO2レーザー22は1
000Hz程度の周波数しか実現できず、ストークス光
用共振器20から出力されるストークス光の周波数もT
EA−CO2レーザー22の周波数に依存することにな
るが、励起レーザー光用共振器16を複数設けることに
より、1000Hz以上の高周波数を容易に実現するこ
とができるようになる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0046】従来のラマン・レーザー装置において必要
とされた多段に構成された複数のTEA−CO2増幅器
や、多重反射による損失の大きいMPCなどが不要にな
るので、装置全体の小型化を図ることができるととも
に、設置スペースも狭くて済む。また、構成部品が少な
くて済むため、取扱性も容易になるとともに、大幅なコ
スト低減を図ることができる。
【0047】また、レーザー発振器より発生された励起
レーザー光が、共振器内で増幅されるとともにラマン変
換されるので、共振器内の高い光電場強度を直接的にラ
マン変換に利用できることになり、効率的なラマン変換
を行うことができ、ラマン変換効率を著しく向上するこ
とができる。
【0048】さらに、共振器内では、通常、定在波がで
きているので、光路上で前方および後方に進む電磁波が
重なり合うようになり、ラマン変換領域では、前方ラマ
ン散乱および後方ラマン散乱が同時に起こることにな
り、一層ラマン変換を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラマン・レーザー装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1に示す従来のラマン・レーザー装置のTE
A−CO2レーザー発振器から出射されるレーザ・パル
ス光の出力波形図である。
【図3】図1に示すレーザー・パルス光をラマン変換し
たときの励起レーザー光およびラマン変換光の出力波形
図である。
【図4】本発明によるレーザー波長変換装置の第1の実
施の形態の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明によるレーザー波長変換装置の第2の実
施の形態の一例を示す要部概略構成図である。
【図6】本発明によるレーザー波長変換装置の第2の実
施の形態において、励起レーザー光用共振器を2個備え
た例を示す要部概略構成図である。
【図7】4個の励起レーザー光用共振器を設け、各励起
レーザー光用共振器から所定の時間間隔毎に順番に励起
レーザー光(励起光パルス)を出力した場合におけるス
トークス光パルスを示し、(1)(2)(3)および
(4)は各励起レーザー光用共振器からの所定の時間間
隔毎の励起レーザー光(励起光パルス)示し、(5)は
ストークス光パルスを示す。
【符号の説明】
10 レーザー波長変換装置 12 励起レーザー光反射用反射鏡 14 励起レーザー光反射・ストークス光出
射用反射鏡 16 励起レーザー光用共振器 18 励起レーザー光透過・ストークス光反
射用反射鏡 20 ストークス光用共振器 22 TEA−CO2レーザー 24 窓 26 ラマン・セル 28 真空層 30 液体窒素 32 連続型CO2レーザー発振器 34 偏光板 36 1/4波長板 38、40 反射鏡 50 励起レーザー光反射用反射鏡 52、54 ストークス光出射用反射鏡 56 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長坂 啓吾 群馬県新田郡藪塚本町山之神233−13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起レーザー光をラマン媒質内に入射
    し、ラマン変換を行なうことによりレーザーの波長変換
    を行うレーザー波長変換装置において、 第1の反射鏡と第2の反射鏡とを対向配置して構成され
    る第1の共振器と、 前記第1の反射鏡と前記第2の反射鏡との間において前
    記第2の反射鏡に対向配置された第3の反射鏡と前記第
    2の反射鏡とにより構成される第2の共振器と、 前記第1の共振器内の前記第1の反射鏡と前記第3の反
    射鏡との間に配置された励起レーザー光を発生するレー
    ザー媒質と、 前記第2の共振器内の前記第2の反射鏡と前記第3の反
    射鏡との間に配置されたラマン媒質を充填したラマン・
    セルとを有し、 前記第1の共振器を往復する光の光軸と前記第2の共振
    器を往復する光の光軸とが同軸とされたことを特徴とす
    るレーザー波長変換装置。
  2. 【請求項2】 励起レーザー光をラマン媒質内に入射
    し、ラマン変換を行なうことによりレーザーの波長変換
    を行うレーザー波長変換装置において、 第1の反射鏡と第2の反射鏡とを対向配置して構成され
    る第1の共振器と、 前記第1の共振器内に配置された励起レーザー光を発生
    するレーザー媒質と、 第3の反射鏡と第4の反射鏡とを対向配置して構成され
    る第2の共振器と、 前記第2の共振器内に配置されたラマン媒質を充填した
    ラマン・セルとを有し、 前記第1の共振器を往復する光の光軸と前記第2の共振
    器を往復する光の光軸とを交差させたことを特徴とする
    レーザー波長変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のレーザー波長変換装置に
    おいて、 前記第1の共振器を複数備え、前記複数の第1の共振器
    内にそれぞれに励起レーザー光を発生するレーザー媒質
    を配置し、 前記複数の第1の共振器内を往復する光の光軸が互いに
    同軸でないとともに、前記第2の共振器を往復する光の
    光軸とそれぞれ交差させたことを特徴とするレーザー波
    長変換装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020054589A (ko) * 2000-12-28 2002-07-08 박태진 라만 레이저 장치의 변환체
KR100921490B1 (ko) 2005-06-28 2009-10-13 삼성탈레스 주식회사 광파장 변환장치

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KR20020054589A (ko) * 2000-12-28 2002-07-08 박태진 라만 레이저 장치의 변환체
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