JPH1038514A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JPH1038514A
JPH1038514A JP8193049A JP19304996A JPH1038514A JP H1038514 A JPH1038514 A JP H1038514A JP 8193049 A JP8193049 A JP 8193049A JP 19304996 A JP19304996 A JP 19304996A JP H1038514 A JPH1038514 A JP H1038514A
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signal
mark
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wafer
reference signal
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JP8193049A
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English (en)
Inventor
Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸の段差量の極めて小さい位置検出マー
ク、又は凹凸の段差量が小さく且つ計測方向に非対称と
なった位置検出マークを使用する場合であっても高精度
にその位置を検出する。 【解決手段】 例えばシート状のレーザビームに対して
検出対象のウエハマークを計測方向に走査し、そのウエ
ハマークから発生する回折光を光電変換することによ
り、そのウエハマークのX座標の関数としてのマーク検
出信号f(X)を得る。予め別のウエハマークについて
検出されたマーク検出信号の変化(エッジ)を強調して
基準信号g(X)を求めておき、基準信号g(X)とマ
ーク検出信号f(X)との相互相関関数h(X)を求
め、この相互相関関数h(X)の値が最大値を取るとき
のX座標X1をマーク位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
基板の表面に形成された位置検出マークの検出を行うた
めの位置検出装置に関し、特に例えば半導体素子、撮像
素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド
等の製造工程内のフォトリソグラフィ工程でマスクパタ
ーンを感光性の基板上に露光する露光装置に設けられ、
感光性の基板上の位置検出マークの位置検出を行うため
のアライメントセンサに使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体素子等を製造するための
フォトリソグラフィ工程(マスクパターンのレジスト像
を基板上に形成する工程)では、マスクとしてのレチク
ルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが
塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に露光す
るステッパー等の投影露光装置、あるいはレチクルのパ
ターンを直接ウエハ上に転写するプロキシミティ方式の
露光装置等の露光装置が使用されている。
【0003】例えば、半導体素子はウエハ上に多数層の
回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成される
ので、そのような露光装置で2層目以降の回路パターン
をウエハ上に露光する際には、露光に先立ってレチクル
とウエハの各ショット領域内の回路パターンとの位置合
わせ(アライメント)を高精度に行う必要がある。この
アライメントを行うために、ウエハ上にはそれまでの工
程中で位置検出マークとしてのアライメントマーク(ウ
エハマーク)が形成されており、露光装置に装着された
アライメントセンサによってそのアライメントマークの
位置を検出することで、ウエハ上の各ショット領域内の
回路パターンの正確な位置を検出できるようになってい
る。
【0004】従来のアライメントセンサとしては、例え
ばスポット状又はシート状のレーザビームとアライメン
トマークとを計測方向に相対走査し、発生する散乱光や
回折光を検出し、その強度変化に基づいてマーク位置を
検出する方式(以下、「レーザビームスキャン方式」と
称す)や、ハロゲンランプ等を光源としてアライメント
マークを含む所定範囲の領域をブロードバンドな光束で
照明し、そのマークの像を結像光学系を介して撮像し、
その撮像信号に基づいて位置検出を行う方式(以下、
「結像式位置検出方式」と称す)等が知られている。ま
た、レーザビームスキャン方式は、レーザ・ステップ・
アライメント方式(LSA方式)と呼ばれることもあ
り、結像式位置検出方式はFIA(Field Image Alignm
ent)方式と呼ばれることもある。
【0005】これらのアライメントセンサにより得られ
たマーク検出信号よりアライメントマークの位置を正確
に検出する信号処理方法としては、特定の強度レベルに
てマーク検出信号をスライスして、その交点の座標をマ
ーク位置とするものと、マーク検出信号と特定の基準信
号波形(テンプレート信号)との相関を算出し、最も相
関の大きくなる位置を採用するものとがある。
【0006】上述のような従来のアライメントセンサの
内、レーザビームスキャン方式においては、使用される
検出光束が単色のレーザビームであることに伴い、ウエ
ハ表面とその上に塗布されたフォトレジストの表面との
間で多重干渉が生じ、マークの検出位置に大きな誤差が
生じる恐れがある。その対策として、検出光束を複数波
長(複数の異なる波長のレーザビームの合成光束)と
し、単色性に起因する多重干渉の影響を軽減する試みも
なされている。一方、結像式位置検出方式では、一般に
照明光束としてブロードバンドな光束を使用するので、
上記のような多重干渉が生じる恐れはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体集積回路
等の微細化に伴い、成膜工程後であってフォトリソグラ
フィ工程前にウエハ表面を平坦化する工程が導入される
ようになってきた。この平坦化工程には、回路パターン
が形成される生成膜の厚さを均一化して素子特性を改善
する効果と、フォトリソグラフィ工程においてウエハ表
面の凹凸が転写パターンの線幅誤差に与える悪影響を改
善する効果とがある。
【0008】しかしながら、ウエハ表面のアライメント
マーク部での凹凸変化や反射率変化に基づいて位置検出
を行う方式においては、平坦化工程によりアライメント
マーク部での凹凸の変化量が著しく減少するため、アラ
イメントマークの検出が困難になるという不都合があ
る。特に、不透明な生成膜(金属や半導体膜)に対する
工程では、アライメントマークは一様な反射率の不透明
膜で被われるため、位置検出はアライメントマークの凹
凸に応じて僅かに変化するその上の生成膜の表面の凹凸
のみに頼ることになり、益々位置検出が困難となる。即
ち、不透明な生成膜に対して平坦化を行うと、アライメ
ントマークの位置検出が最も困難となる。
【0009】また、その不透明な生成膜の表面の凹凸の
段差量は、検出光束の波長や波長幅により定まる光のコ
ヒーレント長よりも圧倒的に小さくなるため、従来の段
差量のマークではブロードバンド光を使う限り問題とな
らなかった凹凸(段差部)の上部からの反射光と下部か
らの反射光との干渉も問題となってくる。そして、例え
ば凹凸マークの凹部の底部に傾斜等の非対称性がある
と、その底部の両側のマークエッジにおいてマーク段差
の上部及び下部からの反射光の干渉条件が異なるため検
出される信号波形にも非対称が生じ、ひいては位置検出
結果にも誤差が生じることとなる。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、凹凸の変化量の
極めて小さい位置検出マーク、又は凹凸の変化量が小さ
く且つ計測方向に非対称となった位置検出マークを使用
する場合であっても、高精度にその位置を検出できる位
置検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による位置検出装
置は、処理対象の基板(W)上の位置検出マーク(13
X)に照明光を照射し、その位置検出マークからの戻り
光を受光して、この戻り光の強度に対応する検出信号
(DS;DSA)を出力する検出光学系(11;11
A)を備え、この検出光学系から出力される検出信号に
基づいて位置検出マーク(13X)の位置を検出する位
置検出装置において、その検出信号(DS;DSA)に
比べて変化が強調された所定の基準信号を記憶する記憶
手段(31,62)と、検出信号(DS;DSA)とそ
の記憶手段から読み出されたその基準信号とを相対的に
横ずれさせながら相関関数を算出し、この相関関数が所
定の値を取るときのそれら2つの信号の相対的な横ずれ
量を求める信号処理手段(30;61)と、を設け、こ
の信号処理手段によって求められたその相対的な横ずれ
量に基づいて位置検出マーク(13X)の位置を検出す
るものである。
【0012】斯かる本発明によれば、記憶手段(31;
62)から読み出された変化が強調された所定の基準信
号と、その検出信号(DS;DSA)とを相対的に横ず
れさせながら相関関数を算出しているため、極めて低段
差(例えば検出光束のコヒーレント長よりも低段差)の
位置検出マーク、又は低段差で且つ計測方向に非対称な
位置検出マークからの検出信号に対しても、それら2つ
の信号が合致しているときと外れているときとで値が大
きく異なる相関関数が得られる。従って、この相関関数
に基づいて、従来例以上の精度でその位置検出マークの
位置を検出できる。
【0013】この場合、その検出光学系(11:11
A)を介して複数の位置検出マークについて順次得られ
る検出信号の平均信号を求め(和信号を求めるのと等価
である)、この平均信号の変化を強調する信号強調手段
(32)を設け、その基準信号として信号強調手段(3
2)によって変化が強調された信号を使用することが望
ましい。これによって、実際の位置検出マークから検出
される検出信号に基づいてその基準信号が生成される。
【0014】また、その信号強調手段(32)は、その
平均信号の変化を強調すると共に、この変化を強調され
た信号を計測方向に対して対称な形状にすることが望ま
しい。これによって、検出対象の位置検出マークが計測
方向に非対称であっても、得られる基準信号は計測方向
に対して対称な形状になり、その後の位置検出精度が向
上する。
【0015】更に、その信号強調手段(32)は、その
平均信号の所定の第1の位置に対応する信号をA倍し
(Aは正の実数)、その平均信号のその第1の位置に対
して計測方向の前後にそれぞれ所定間隔だけ離れた第2
及び第3の位置に対応する信号をB倍し(Bは負の実
数)、そのA倍された信号とそのB倍された2つの信号
とを加算する処理(コンボリューション演算)を行って
その平均信号の変化を強調することが望ましい。それら
A及びBの値を調整することによって、容易にその平均
信号に対する強調の程度を調整できる。この場合、更に
そのA及びBは次の条件を満たすことが望ましい。
【0016】A+2B=1 (1) この条件を満たすことによって、その平均信号の平均レ
ベルを変えることなく、変化分のみを強調することがで
き、後の信号処理が容易となる場合がある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による位置検出装置
の第1の実施の形態につき、図9及び図1〜図3を参照
して説明する。本例は、投影露光装置に備えられるオフ
・アクシス方式で、且つレーザビームスキャン方式のア
ライメントセンサに本発明を適用したものである。
【0018】先ず、図9は本例のアライメントセンサを
備えたステッパー型の投影露光装置の一例を示し、この
図9において、照明光学系1からの露光用の照明光(水
銀ランプのi線等の輝線、又はエキシマレーザ光等)I
LはレチクルRの下面(パターン形成面)のパターンを
均一な照度分布で照明し、そのパターンが投影光学系3
により結像倍率β(βは例えば1/5)で縮小されて、
フォトレジストが塗布された半導体ウエハ(以下、単に
「ウエハ」という)W上の各ショット領域に投影され
る。以下では、投影光学系3の光軸AXに平行にZ軸を
取り、Z軸に垂直な平面内で図9の紙面に垂直にX軸を
取り、図9の紙面に平行にY軸を取って説明する。
【0019】レチクルRは、このレチクルRをX方向、
Y方向に位置決めすると共に、所望の角度だけ回転して
固定するレチクルステージ2上に保持されている。一
方、ウエハWは不図示のウエハホルダを介して試料台4
上に保持され、試料台4はXYステージ5上に固定され
ている。不図示のウエハホルダ、試料台4、及びXYス
テージ5よりウエハステージが構成されている。XYス
テージ5は、X方向及びY方向にウエハWの位置決めを
行い、試料台4は、ウエハWのZ方向の位置(フォーカ
ス位置)を制御すると共に、ウエハWの傾斜角の補正を
行う。また、試料台4の上面にその表面がウエハWの表
面と同じ高さになるように基準板10が固定され、基準
板10の表面にベースライン計測(投影光学系3の光軸
AXとアライメントセンサの検出中心との間隔の計測)
等に用いられる基準マークが形成されている。
【0020】更に、試料台4上に固定された移動鏡6
と、対向するように配置されたレーザ干渉計7とにより
試料台4のX座標、及びY座標が常時0.01μm程度
の分解能で計測されている。このように、レーザ干渉計
7により計測される座標に基づいて定まる座標系を、ス
テージ座標系(X,Y)と呼ぶ。レーザ干渉計7により
計測された座標は装置全体の動作を統轄制御する主制御
系8、及び後述のアライメント信号処理系12に供給さ
れ、その供給された座標に基づいて主制御系8は、ウエ
ハステージ駆動系9を介してXYステージ5の位置決め
動作を制御する。具体的に、ウエハW上の或るショット
領域への露光が終了すると、XYステージ5のステッピ
ング動作によって次のショット領域を投影光学系3の露
光フィールド内に位置決めして露光を行うという、ステ
ップ・アンド・リピート方式で露光が行われる。
【0021】また、図9の投影露光装置には、ウエハW
上の各ショット領域に付設された位置検出マークとして
のウエハマークの座標を検出するための、オフ・アクシ
ス方式で且つレーザビームスキャン方式のアライメント
光学系11、及びアライメント信号処理系12よりなる
アライメントセンサが設けられている。このアライメン
トセンサの詳細な構成については後述する。
【0022】アライメント光学系11で光電変換して出
力される検出信号DSがアライメント信号処理系12に
供給され、アライメント信号処理系12にはレーザ干渉
計7で計測される試料台4の座標も供給されている。ア
ライメント信号処理系12では、後述のようにその検出
信号DSが所定の状態になるときの試料台4の座標値を
求めることにより、検出対象のウエハマークのステージ
座標系での座標値を検出し、この座標値を主制御系8に
供給する。また、アライメント光学系11の検出中心か
ら投影光学系3の光軸AX(露光中心)までの距離であ
るベースライン量は、予め基準板10を用いて求められ
て主制御系8内の記憶装置に記憶されている。従って、
主制御系8は、供給されたウエハマークの座標値をその
ベースライン量で補正して得られた座標に基づいてXY
ステージ5を駆動することにより、そのウエハマークが
属するショット領域の中心を露光中心に正確に合わせ込
むことができる。
【0023】次に、本例のレーザビームスキャン方式の
アライメントセンサの構成につき詳細に説明する。以下
では、X軸の位置検出マークを検出する機構につき説明
するが、Y軸の位置検出マークについても同様の機構で
検出される。図1は、本例のアライメント光学系11、
及びアライメント信号処理系12の概略構成を示し、こ
の図1のアライメント光学系11において、レーザ光源
21より出力された波長λのレーザビームALは、ビー
ム整形レンズ系22、シリンドリカルレンズ23、ハー
フミラー24、及び対物レンズ25を介して、ウエハW
上の位置検出マークとしてのX軸のウエハマーク13X
の近傍にシート状に集光される。レーザビームALとし
ては、ウエハW上のフォトレジストに対して非感光性の
波長域のレーザビーム、例えばHe−Neレーザ光源か
らの波長633nmのレーザ光、又はレーザダイオード
からのレーザビーム等が使用される。なお、検出対象が
現像処理後のレジストパターン等である場合には、レー
ザビームALの波長域に対する制限はない。
【0024】図2(A)はそのX軸のウエハマーク13
Xを示す拡大平面図、図2(B)は図2(A)のBB線
に沿う拡大断面図、図2(C)は図2(A)のCC線に
沿う断面図であり、図2(A)に示すように、ウエハマ
ーク13Xは、例えば4μm角の複数個の凹部を計測方
向であるX方向に直交するY方向に8μm程度のピッチ
で配列して形成されている。この場合、図2(B)に示
すように、ウエハマーク13Xの中央の凹部の底部13
Xaは計測方向に対して角度θで傾斜して非対称となっ
ており、他の凹部も同様に計測方向に非対称となってい
る。また、図2(C)に示すように、ウエハマーク13
Xの凹部の底部(13Xa等)は、非計測方向(Y方
向)には対称であるが、凹凸の段差はかなり小さくなっ
ている。
【0025】そして、図1の対物レンズ25を介して図
2(A)のウエハマーク13Xの近傍に集光されるレー
ザビームALは、図1のシリンドリカルレンズ23の作
用によって、ウエハマーク13Xと同様に計測方向と直
交するY方向に長いシート状に集光され、そのシート状
の集光領域の計測方向(短辺方向)の幅は例えば4μm
程度である。図1のXYステージ5をX方向に駆動し
て、ウエハマーク13XがレーザビームALを計測方向
に横切るようにウエハWを走査すると、ウエハマーク1
3XとレーザビームALとが少なくとも一部で重なった
ときに、ウエハマーク13Xからはその周期性によって
非計測方向に回折光が発生する。
【0026】図1に戻り、ウエハマーク13Xから非計
測方向に発生する回折光BL,CL及び正反射光等は、
対物レンズ25、及びハーフミラー24を介して空間フ
ィルタ26に至り、空間フィルタ26によってウエハW
からの正反射光等を除去した後の回折光BL,CLがフ
ォトダイオード等よりなる光電検出器27に入射する。
光電検出器27では、回折光BL,CLを光電変換する
ことにより、それら回折光の強度変化に対応する検出信
号DSを出力する。上述のレーザ光源21から光電検出
器27までの部材よりアライメント光学系11が構成さ
れ、その検出信号DSはアライメント信号処理系12に
供給される。なお、アライメント光学系11の構成は、
従来のLSA(レーザ・ステップ・アライメント)方式
のアライメントセンサの光学系と同様である。
【0027】本例のアライメント信号処理系12におい
て、検出信号DSはアナログ/デジタル(A/D)変換
器28を介して記憶部29に供給され、記憶部29には
レーザ干渉計7からの座標値も供給されている。そし
て、記憶部29では、検出信号DSのデジタルデータを
レーザ干渉計7で計測される試料台4のX座標に対応さ
せてメモリに記憶する。このように、試料台4のX座標
の関数として表される検出信号DSのデジタルデータを
マーク検出信号f(X)と呼ぶ。このマーク検出信号f
(X)は信号処理部30に供給される。
【0028】また、記憶部29では、予め所定のウエハ
マークに対して検出されたマーク検出信号を基準信号作
成部32に供給し、基準信号作成部32ではそのマーク
検出信号の計測方向に対する対称化、及び変化部の強調
を行って後述のような基準信号g(X)を求め、この基
準信号を基準信号記憶部31に格納する。そして、信号
処理部30では基準信号記憶部31に記憶されている基
準信号も読み出し、記憶部29から供給されるマーク検
出信号f(X)とその基準信号g(X)との相互相関関
数を算出する。更に、信号処理部30ではその相関関数
の値を最大とする位置を検出対象のウエハマークの位置
として求め、図9の主制御系8に供給する。
【0029】次に、本例の信号処理部30の動作及び基
準信号について詳細に説明する。このとき、検出すべき
ウエハマーク13Xの凹部の底部は、図2(B)の底部
13Xaで示すように、計測方向に対して角度θで傾斜
しているものとする。このように、ウエハマーク13X
が計測方向に非対称になっていると、図1の光電検出器
27から出力される検出信号DSのデジタルデータであ
るマーク検出信号f(X)にも非対称性が生じ、位置検
出値に誤差が生じる恐れがある。このような非対称なマ
ーク検出信号f(X)の例を図3(A)に示す。
【0030】図3(A)において、横軸は試料台4(ウ
エハW)のX座標を、縦軸は各X座標でのマーク検出信
号f(X)の値を示し、マーク検出信号f(X)は実線
の曲線14sで示すように計測方向(X方向)に対して
非対称に変化している。一方、図3(B)の実線の曲線
14tは、基準信号記憶部31に記憶されている基準信
号g(X)を示し、この図3(B)において、点線の曲
線14uは、マーク検出信号f(X)に似た形状で、且
つ中心位置X0について対称な関数を示している。ま
た、基準信号g(X)はその点線の曲線14uで示され
る関数の変化(エッジ)を強調した信号である。
【0031】本例では、信号処理部30にて、次の積分
演算により上記のマーク検出信号f(X)と基準信号g
(X)との相互相関関数h(X)を求め、この相互相関
関数h(X)が最大となる位置をマークの位置として算
出する。 h(X)=∫f(T)・g(T+X0−X)dT (2) 図3(C)の実線の曲線14cは、そのように算出され
た基準信号g(X)とマーク検出信号f(X)との相互
相関関数h(X)を示し、この図3(C)において、相
互相関関数h(X)が最大値hMAXを取るときのX座
標であるX1が信号処理部30にてマーク位置として検
出される。あるいは、特定のスライスレベルSLにて相
互相関関数h(X)をスライスし、その左右のスライス
位置(交点)Xl,Xrの中点をマーク位置として検出
してもよい。
【0032】なお、図3(B)の点線の曲線14uで表
される関数は、従来の相関検出法で用いられていたマー
ク検出信号とほぼ等しい形状の基準信号に相当し、本例
の実線の曲線14tで表される基準信号g(X)は、そ
の従来の基準信号(曲線14u)の変化を強調したもの
に相当する。従来の基準信号(曲線14u)を用いて相
関検出を行うと、マーク検出信号f(X)に非対称性が
ある場合、得られる相関関数にも非対称性が生じ、マー
ク検出値に誤差が生じてしまう問題があった。しかし、
本例においては、信号変化部(エッジ部)の変化がより
強調された基準信号g(X)を用いているため、マーク
検出信号f(X)の非対称性に影響されずに、エッジ位
置の情報をより多く含んだ相互相関関数h(X)を得る
ことができ、結果としてより高精度なマーク位置検出が
可能となる。
【0033】なお、マーク検出信号f(X)の形状は露
光対象のウエハのレイヤ等によって異なるので、基準信
号g(X)として予め各種形状のものを基準信号記憶部
31に記憶させておき、オペレータの指示等によりその
中から現在のプロセスに最適な形状のものを選択して使
用するようにしてもよい。あるいは、現在の露光工程に
おける1ロット内の1枚目のウエハの位置検出時に、こ
のウエハ内の複数箇所のウエハマークのマーク検出信号
を検出し、それらの平均値を基に基準信号g(X)を生
成することもできる。
【0034】以下、図4、及び図5を参照してこの基準
信号の生成方法につき説明する。図4(A)は1枚目の
ウエハW1を表し、この図4(A)において、ウエハW
1の表面には多数のショット領域Sn(n=1,2,
3,…)が縦横に所定ピッチで配列され、これらの各シ
ョット領域にはそれぞれ1個以上のウエハマークが付設
されている。この場合、ウエハW1上の各ショット領域
のウエハマーク中から、例えば8個の特定のウエハマー
クM1〜M8を選択する。この選択に際しては、それら
の配列がなるべくウエハW1の中心に対して対称となる
ようにすることが望ましい。次に、図1のアライメント
光学系11及びアライメント信号処理系12を介してそ
れら8個のウエハマークM1〜M8のマーク検出信号f
i(X)(i=1〜8)を求めて、記憶部29内に記憶
する。そして、記憶部29ではこれらのマーク検出信号
fi(X)を順次基準信号作成部32に供給する。
【0035】図4(B)には、それらのマーク検出信号
fi(X)中の4個のマーク検出信号f1(X)〜f4
(X)を示し、この図4(B)に示すように、マーク検
出信号f1(X)〜f4(X)、及びその他のマーク検
出信号も、それぞれ異なった形状で、且つそれぞれ或る
程度の非対称性を持ったものとなる。基準信号作成部3
2では、これらのマーク検出信号f1(X)〜f8
(X)を逐次加算して、8個のマーク検出信号f1
(X)〜f8(X)の和信号である加算信号s(X)を
求める。但し、この加算時には各マーク検出信号の検出
方向についての位置を或る程度合致させてから行う必要
がある。そこで、基準信号作成部32では、例えば各マ
ーク検出信号の自己相関を算出し、その値が最大となる
位置(これを「加算基準位置X0」と呼ぶ)同士を互い
に合致させてから上記加算を行う。また、その加算信号
s(X)の代わりに、その加算信号s(X)をサンプル
数(この場合には8個)で除算した平均信号を用いても
よい。
【0036】その加算信号s(X)は、ウエハW1内の
比較的中心対称に配置されたウエハマーク群のマーク検
出信号を加算したものであるため、比較的に非対称性は
小さい。しかし、基準信号g(X)として使用するため
には僅かの非対称性も無いことが望ましいので、その加
算基準位置X0を中心としてその加算信号s(X)を反
転(X座標を反転させる)させた信号を、その加算信号
s(X)に加える処理により、その加算信号s(X)を
次のように対称化した加算信号p(X)を得る。
【0037】 p(X)=f(X)+f(2・X0−X) (3) このように、対称化された加算信号p(X)に図5に示
す如き信号強調化数値フィルタe(X)をコンボリュー
ションし、そのエッジを強調することで最終的な基準信
号g(X)を得ることができる。このコンボリューショ
ン演算は次の積分演算で表される。
【0038】 g(X)=∫p(T)・e(X−T)dT (4) 図5において、横軸はX座標、縦軸は数値フィルタe
(X)の値を示し、この数値フィルタe(X)はX座標
上の基準点XCでの値がA(正の実数)であり、その基
準点XCに対してX方向に±Dだけ離れた2点(座標X
p,Xm)での値がB(負の実数)である。そして、こ
のBの絶対値がAの値に対して大きい程、得られる基準
信号g(X)は、より信号変化(エッジ)が強調された
ものとなる。従って、このA,Bの値は、オペレータが
設定(装置に対して入力)可能としておくことが望まし
い。その間隔Dは、例えば0.3μm程度とするが、勿
論他の任意の値としても構わない。また、そのコンボリ
ューション演算時に、得られる基準信号g(X)の平均
値を加算信号p(X)の平均値と同じくするには、(A
+2B=1)の条件を満たせばよい。これによって、後
の信号処理が容易になる場合もある。
【0039】なお、本例の基準信号作成部32における
信号強調処理は、上記の如き数値フィルタとのコンボリ
ューション演算に限られるものではない。例えば、対称
化された加算信号p(X)をフーリエ変換し、その結果
の内の特定の空間周波数成分以上の成分を特定倍に増大
し、更に逆フーリエ変換を施すようにしてもよい。な
お、本例のアライメントセンサを使用する場合でも、従
来例と同様に位置検出に先立って、検出に用いるレーザ
ビームALの照射位置の図9の投影光学系3の光軸AX
(露光中心)に対する位置関係を計測しておく必要があ
る。これは、既に説明したベースラインチェックと呼ば
れる処理であり、本例では、一例として図9の試料台4
上に固設される基準板10の表面にウエハマーク13X
と同一形状の基準マークを形成しておき、予めこの基準
マークが露光中心にあるときの試料台4のX座標X1
計測して記憶しておく。そして、例えばウエハWへの露
光の前に、ウエハ側のXYステージ5を駆動してその基
準マークをアライメント光学系11の下に移動し、アラ
イメント光学系11によってその基準マークのX座標X
2 を検出する。そして、2つのX座標の差分(X1 −X
2)をX軸のベースライン量として記憶すればよい。その
基準マークの検出に際しては、その検出信号は対称であ
るので基準信号g(X)は対称でありさえすれば、どの
ような形状のものを使用してもよい。
【0040】その後、ウエハマーク13XのX座標を検
出したときには、その検出値にそのベースライン量を加
算した値が露光中心となるため、そのウエハマーク13
Xが属するショット領域の中心のX座標を正確に露光中
心に位置合わせ(アライメント)することができる。同
様に、Y方向にも位置合わせを行った後に、重ね合わせ
露光が行われる。なお、実際のアライメントとしては、
ショット領域毎にウエハマークの位置を検出するダイ・
バイ・ダイ方式のみならず、全部のショット領域から選
択されたショット領域(サンプルショット)の位置を計
測し、この計測結果を処理して全部のショット領域の配
列座標を求めるエンハンスト・グローバル・アライメン
ト(EGA)方式も使用することができる。
【0041】次に、図6〜図8を参照して本発明の第2
の実施の形態につき説明する。本例は投影露光装置に設
けられたオフ・アクシス方式で、且つ結像式位置検出方
式のアライメントセンサに本発明を適用したものであ
る。また、本例の投影露光装置は、図9において、アラ
イメント光学系11、及びアライメント信号処理系12
をそれぞれ図6のアライメント光学系11A、及びアラ
イメント信号処理系12Aで置き換えたものであり、本
例の図6〜図8において、図1〜図3、及び図9に対応
する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略す
る。
【0042】図6は、本例のアライメントセンサの概略
構成を示し、説明の便宜上、図6においては図1と異な
り、図6の紙面に平行にX軸を、図6の紙面に垂直にY
軸を取っている。図6において、ハロゲンランプ等の光
源41を発したブロードバンドな照明光(広帯域光)
は、コンデンサーレンズ42、及び波長選択素子(シャ
ープカットフィルター又は干渉フィルター等)43を経
て照明視野絞り44に入射する。
【0043】波長選択素子43は、ウエハW上に塗布さ
れたフォトレジスト(露光波長は例えば365nm又は
248nm)に対して非感光性の波長域(例えば波長5
50nm〜750nm)の光束のみを透過させる。但
し、本例のアライメントセンサをフォトレジストで覆わ
れていない基板の位置検出装置、例えば露光、現像処理
後のウエハ上の回路パターンと転写したレジストパター
ンとの重ね合わせ誤差の検出装置に適用するのであれ
ば、フォトレジストの感光を防ぐ必要はないので、より
短波長の(露光波長に近い)光束も使用することができ
る。
【0044】照明視野絞り44の透過部を透過した照明
光DLは、リレーレンズ45を経て照明開口絞り46に
入射する。更に、照明光DLはビームスプリッター47
及び対物レンズ48を介してウエハW上の位置検出マー
クとしてのX軸のウエハマーク15Xを含む照明領域に
入射する。照明開口絞り46は、ウエハWの表面(ウエ
ハマーク15X)に対して対物レンズ48とビームスプ
リッター47とを介して光学的にフーリエ変換の関係と
なっている面(以下、「照明系瞳面」と呼ぶ)H1に配
置されている。
【0045】また、照明視野絞り44はウエハWの表面
(ウエハマーク15X)と実質的に共役(結像関係)と
なっており、照明視野絞り44の透過部の形状、大きさ
に応じてウエハW上での照明領域を制限することができ
る。ウエハWは不図示のウエハホルダを介して試料台4
上に保持され、試料台4はXYステージ5上に載置され
ているが、それらの構成は第1の実施の形態と同様であ
るので説明は省略する。
【0046】ウエハW上のウエハマーク15Xを含む照
明領域で反射した光束は、対物レンズ48及びビームス
プリッター47を介してウエハWの表面と光学的にフー
リエ変換の関係となる面(以下、「結像系瞳面」と呼
ぶ)H2に配置された結像開口絞り49に至る。そし
て、結像開口絞り49を通過した光束が、結像レンズ5
0により集光され、ビームスプリッター51を透過して
指標板52上にウエハマーク15Xの像が形成される。
【0047】指標板52上には指標マーク52a,52
bが形成されている。また、発光ダイオード(LED)
等の光源55、コンデンサーレンズ56、指標照明視野
絞り57、レンズ58等より指標板照明系が構成され、
この指標板照明系からの照明光が、ビームスプリッター
51を介して指標マーク52a,52bを含む部分領域
のみを照明するように設定されている。逆に、照明視野
絞り44の透過部の形状はこれら指標マーク52a,5
2bを含む部分領域を照明しない(遮光する)ように設
定されている。このため、ウエハマーク15Xの像が指
標マーク52a,52bに重畳して形成されることはな
い。
【0048】指標板52上に形成されるウエハマーク1
5Xの像、及び指標マーク52a,52bからの光束は
それぞれリレーレンズ53によってCCD等の撮像素子
54上に集光され、撮像素子54の撮像面にウエハマー
ク15Xの像、及び指標マーク52a,52bの像が結
像される。上述の光源41から撮像素子54までの部材
よりアライメント光学系11Aが形成され、その撮像素
子54からの撮像信号DSAは、アライメント信号処理
系12Aに供給される。
【0049】本例のアライメント信号処理系12Aにお
いて、撮像信号DSAはA/D変換器59を介して記憶
部60に供給され、記憶部60では撮像信号DSAのデ
ジタルデータを順次メモリに記憶する。この場合、撮像
素子54ではウエハマーク15Xの計測方向(X方向)
に対応する方向に撮像信号の読み出し(走査)が行わ
れ、ウエハWの表面から撮像素子54の撮像面への投影
倍率と、撮像素子54の走査方向、及び非走査方向の画
素のピッチとから、撮像信号DSAの各デジタルデータ
が、例えば撮像素子54の基準となる画素とウエハW上
で共役な位置を原点とした座標系上でX方向、及びY方
向にどの位置のデータに対応するかが予め分かってい
る。但し、本例では指標マーク52a,52bが計測位
置の基準となるため、撮像素子54の基準となる画素の
位置は特に正確に求めておく必要はない。以下では、記
憶部60に記憶される1本の走査信号に対応する撮像信
号DSAのデジタルデータを、ウエハW上でのX座標に
対応するマーク検出信号fA(X)と呼ぶ。本例でも特
定のウエハマークについてのマーク検出信号fA(X)
が記憶部60から基準信号作成部63に供給され、基準
信号作成部63ではそのマーク検出信号fA(X)の変
化部を強調した基準信号gA(X)を作成して、基準信
号記憶部62に格納する。
【0050】記憶部60から読み出されるマーク検出信
号fA(X)は信号処理部61に供給され、信号処理部
61ではマーク検出信号fA(X)と、基準信号記憶部
62から読み出した基準信号gA(X)との相互相関関
数を求め、それに基づいて指標マーク52a,52bに
対するウエハマーク15XのX方向への相対的な位置ず
れ量ΔXを求める。また、信号処理部61にはレーザ干
渉計7で計測される試料台4のX座標も供給されてい
る。そして、信号処理部61では、レーザ干渉計7から
のX座標にその位置ずれ量ΔXを加算して得た値をウエ
ハマーク15XのX座標として求め、このX座標を図9
の主制御系8に供給する。
【0051】次に、本例の信号処理部61の動作及び基
準信号について説明する。先ず、図7(A)は、ウエハ
マーク15Xの拡大平面図であり、この図7(A)にお
いて、ウエハマーク15Xは、一例としてそれぞれ線幅
6μmのY方向に長い矩形の凹部16A,16B,16
Cがピッチ12μmで計測方向であるX方向に並べられ
たライン・アンド・スペースパターンである。また、図
6において、指標板52上の指標マーク52a,52b
とウエハW上で共役となる仮想的な指標マーク像52a
W,52bWを図7(A)に示した。
【0052】図7(B)は、図7(A)中のBB線に沿
う拡大断面図であり、この図7(B)に示すように、ウ
エハマーク15Xを構成する凹部16Bの底部16Ba
は計測方向(X方向)に対して傾斜しており、計測方向
に関して非対称となっているものとする。そして、他の
凹部16A,16Cも同様に計測方向に関して非対称と
なっているものとする。更に、凹部16A〜16Cの段
差(深さ)はウエハ表面の平坦化処理により極めて浅く
(数10nm程度)なっているものと仮定する。このよ
うなウエハマーク15Xの各凹部16A〜16Cに対し
ては、撮像素子54上に形成される像は、図8(A)の
実線の曲線17sに示す如く、極めてコントラストの低
い像となる。
【0053】即ち、図8(A)は、図6の記憶部60か
ら読み出されるマーク検出信号fA(X)をマークの1
周期(ピッチ)分だけ示し、図8(A)の横軸はウエハ
W上のX座標(原点は任意)、縦軸はマーク検出信号f
A(X)の値を示している。マーク検出信号fA(X)
(曲線17s)はウエハマークの凹部では凸部に対して
やや小さくなり、且つウエハマーク15X自体の非対称
性によってマーク像も非対称となっている。マーク検出
信号fA(X)が図8(A)のように低コントラストと
なるのは、上記のウエハマーク15Xの極めて浅い段差
量に起因する。このように、低コントラスト且つ非対称
な像(マーク検出信号fA(X))に対しては、従来例
のようにそれとほぼ同一形状の基準信号との相関関数を
求める相関法では、高精度の位置検出は困難である。
【0054】そこで、本例の信号処理部61では、基準
信号として基準信号記憶部62に記憶された信号変化
(エッジ)の強調された基準信号gA(X)を用いる。
図8(B)の実線の曲線17tは、この基準信号gA
(X)を示し、この図8(A)において、破線の曲線1
7uは、ウエハマークの凹部で信号強度が弱くなるマー
ク検出信号fA(X)(曲線17s)に似せて、ウエハ
マークの凹部に相当する部分では値が負であり、それ以
外では値が0であるような信号である。そして、基準信
号gA(X)はその破線の曲線17uの変化(エッジ)
を強調した信号である。そして、信号処理部61では、
マーク検出信号fA(X)と基準信号gA(X)との相
互相関関数hA(X)を求める。
【0055】図8(C)の実線の曲線17cは、そのよ
うにして求められた相互相関関数hA(X)を示し、こ
の図8(C)に示すように、相互相関関数hA(X)は
全体に負の値となるが、信号処理部61はその中で最大
値hMAXを与える位置X1をウエハマーク15X中の
1つのマーク位置とする。実際には、ウエハマーク15
Xは複数本のマークを含み、マーク検出信号fA(X)
も複数箇所のマーク(凹部)に相当する部分を含むた
め、相互相関関数hA(X)も複数個の極大値を持つ。
信号処理部61は、これらの極大値の各位置を複数本の
マークの各位置と判定し、その平均値をウエハマーク1
5Xの検出位置とする。
【0056】一方、図7より明らかなように、マーク検
出信号fA(X)の両端には、指標マーク像52aW,
52bWの像強度分布が現れるので、信号処理部61は
これらの部分に対応するその相互相関関数hA(X)の
左右の極大値の平均値を指標マーク52a,52bの検
出位置とする。なお、指標マーク52a,52bには非
対称性がなく、従って指標マーク52a,52bに対応
する検出信号は対称となるので、指標マーク52a,5
2bとの相互相関関数を求めるための基準信号は、ウエ
ハマーク15Xを検出するための基準信号とは異なった
ものでよい。即ち、指標マーク52a,52bを検出す
るための基準信号としては、図8(B)に破線の曲線1
7uで示した如きエッジの強調されていない通常の基準
信号を用いてもよい。
【0057】本例の信号処理部61では、上述のように
して求めた指標マーク52a,52bの検出位置に対す
るウエハマーク15Xの検出位置のずれ量ΔX(差)を
求め、レーザ干渉計7が検出するX座標にその位置ずれ
量ΔXを加算して得た値をウエハマーク15XのX座標
として求め、このX座標を図9の主制御系8に供給す
る。
【0058】この場合、前述の第1の実施の形態と同様
に、本例においても、ウエハ上のレイヤ等によってマー
ク検出信号fA(X)の形状は変化するので、基準信号
記憶部62には各種形状の基準信号gA(X)を記憶さ
せておき、オペレータの選択等によって使用する基準信
号を切り換えられるようにしておくとよい。あるいは、
やはり第1の実施の形態と同様に図6の基準信号作成部
63において、1ロット中の1枚目のウエハ上の所定個
数のウエハマークのマーク検出信号fA(X)を取り込
んで加算し、計測方向に対する対称化、及び信号強調を
行って基準信号gA(X)を算出してもよい。なお、本
例では、第1の実施の形態でのマーク検出信号f(X)
とは異なり、ウエハマークのマーク部分以外においても
マーク検出信号fA(X)の値が0にはならない。そこ
で、基準信号gA(X)の算出に際しては、基準信号作
成部63では第1の実施の形態と同様の処理を行った後
に、得られた信号全体からマーク部以外の領域の値を減
算し、マーク部以外の信号を0とする処理を行う必要が
ある。
【0059】なお、上記の第2の実施の形態において、
図6中の結像系瞳面H2上の結像開口絞り49に近接し
て位相差板64を配置し、全体を位相差顕微鏡として構
成することも可能である。この位相差板64は透明なガ
ラス基板の一部に屈折率n、及び厚さdが次式を満たす
薄膜64aを形成したものである。但し、λは検出に用
いる光束の波長域の中心値である。
【0060】(n−1)d=λ/4 (5) また、この位相差板64と照明系瞳面H1(照明開口絞
り46)とは結像関係(共役)となっており、且つ照明
開口絞り46の開口(透過)部の形状は位相差板64上
の薄膜64aの形状とほぼ結像関係とする。以上のよう
に、アライメント光学系(検出光学系)として位相差顕
微鏡を用いると、極低段差のウエハマーク15Xに対し
ても高コントラストな検出像を得ることができる。
【0061】なお、上述の実施の形態は、本発明をオフ
・アクシス方式のアライメントセンサに適用したもので
あるが、本発明は投影光学系を介してウエハマークの位
置検出を行うTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のアラ
イメントセンサ、又はレチクル及び投影光学系を介して
レチクル上の位置検出マーク(レチクルマーク)とウエ
ハマークとの位置ずれ量を検出するTTR(スルー・ザ
・レチクル)方式のアライメントセンサにも同様に適用
できることは言うまでもない。更に本発明は、投影露光
装置用のアライメントセンサのみならず、種々の測定装
置用の位置検出装置にも同様に適用できる。
【0062】このように、本発明は上述の実施の形態に
限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構
成を取り得る。
【0063】
【発明の効果】本発明の位置検出装置によれば、検出光
学系から出力される検出信号に対し、それよりも信号変
化(エッジ)の強調された基準信号との相関関数を求め
ることにより位置検出マークの位置検出を行っているた
め、凹凸の変化量の極めて小さい(極めて低段差の)、
即ちそのマークからの検出信号が極めて低コントラスト
となる位置検出マークに対しても、その位置を高精度に
検出できる利点がある。更に、凹凸の変化量が小さく
(低段差で)且つ計測方向に非対称となった位置検出マ
ークに対しても高精度にその位置を検出できる利点があ
る。
【0064】また、その検出光学系を介して複数の位置
検出マークについて順次得られる検出信号の平均信号を
求め、この平均信号の変化を強調する信号強調手段を設
け、その基準信号としてその信号強調手段によって変化
が強調された信号を使用する場合には、実際の位置検出
マークに基づいて生成された基準信号を使用することで
高精度に位置検出が行われる。また、基準信号を容易に
生成できる利点もある。
【0065】また、その信号強調手段が、その平均信号
の変化を強調すると共に、この変化を強調された信号を
計測方向に対して対称な形状にする場合には、検出対象
の位置検出マークが計測方向に非対称な場合であっても
対称な基準信号が得られる。従って、検出対象の位置検
出マークが計測方向に非対称であってもより高精度に位
置検出が行われる。
【0066】また、その信号強調手段は、その平均信号
の所定の第1の位置に対応する信号をA倍し(Aは正の
実数)、その平均信号の前記第1の位置に対して計測方
向の前後にそれぞれ所定間隔だけ離れた第2及び第3の
位置に対応する信号をB倍し(Bは負の実数)、そのA
倍された信号とそのB倍された2つの信号とを加算して
その平均信号の変化を強調する場合には、比較的簡単な
演算で信号強調を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置検出装置の第1の実施の形態
としてのアライメントセンサを示す構成図である。
【図2】(A)は図1のアライメントセンサで検出対象
となるウエハマーク13Xを示す拡大平面図、(B)は
図2(A)のBB線に沿う拡大断面図、(C)は図2
(A)のCC線に沿う拡大断面図である。
【図3】第1の実施の形態で用いられるマーク検出信号
f(X)、及び基準信号g(X)、並びにこれらより得
られる相互相関関数h(X)の一例を示す図である。
【図4】ウエハ上から選ばれた複数個のウエハマークの
配列の一例、及びそれらのウエハマークから得られるマ
ーク検出信号の一例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の基準信号作成部32で使用
される数値フィルタe(X)を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としてのアライメン
トセンサを示す構成図である。
【図7】(A)は図6のアライメントセンサで検出対象
となるウエハマーク15Xの構成を示す拡大平面図、
(B)は図7(A)のBB線に沿う拡大断面図である。
【図8】第2の実施の形態で用いられるマーク検出信号
fA(X)、及び基準信号gA(X)、並びにこれらよ
り得られる相互相関関数hA(X)の一例を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態としてのアライメントセン
サが装着された投影露光装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
W ウエハ 4 試料台 5 XYステージ 7 レーザ干渉計 11,11A アライメント光学系 12,12A アライメント信号処理系 13X,15X X軸のウエハマーク 21 レーザ光源 23 シリンドリカルレンズ 25 対物レンズ 27 光電検出器 29,60 記憶部 30,61 信号処理部 31,62 基準信号記憶部 32,63 基準信号作成部 41 光源 43 波長選択素子 44 照明視野絞り 46 照明開口絞り 48 対物レンズ 49 結像開口絞り 52 指標板 54 撮像素子 64 位相差板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 525W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象の基板上の位置検出マークに照
    明光を照射し、前記位置検出マークからの戻り光を受光
    して、該戻り光の強度に対応する検出信号を出力する検
    出光学系を備え、該検出光学系から出力される検出信号
    に基づいて前記位置検出マークの位置を検出する位置検
    出装置において、 前記検出信号に比べて変化が強調された所定の基準信号
    を記憶する記憶手段と、 前記検出信号と前記記憶手段から読み出された前記基準
    信号とを相対的に横ずれさせながら相関関数を算出し、
    該相関関数が所定の値を取るときの前記2つの信号の相
    対的な横ずれ量を求める信号処理手段と、を設け、 該信号処理手段によって求められた前記相対的な横ずれ
    量に基づいて前記位置検出マークの位置を検出すること
    を特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置検出装置であって、 前記検出光学系を介して複数の位置検出マークについて
    順次得られる検出信号の平均信号を求め、該平均信号の
    変化を強調する信号強調手段を設け、 前記基準信号として前記信号強調手段によって変化が強
    調された信号を使用することを特徴とする位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の位置検出装置であって、 前記信号強調手段は、前記平均信号の変化を強調すると
    共に、該変化を強調された信号を計測方向に対して対称
    な形状にすることを特徴とする位置検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2、又は3記載の位置検出装置で
    あって、 前記信号強調手段は、前記平均信号の所定の第1の位置
    に対応する信号をA倍し(Aは正の実数)、前記平均信
    号の前記第1の位置に対して計測方向の前後にそれぞれ
    所定間隔だけ離れた第2及び第3の位置に対応する信号
    をB倍し(Bは負の実数)、前記A倍された信号と前記
    B倍された2つの信号とを加算して前記平均信号の変化
    を強調することを特徴とする位置検出装置。
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Cited By (5)

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