JPH1037702A - タービン動翼及びその組立方法 - Google Patents

タービン動翼及びその組立方法

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JPH1037702A
JPH1037702A JP19196196A JP19196196A JPH1037702A JP H1037702 A JPH1037702 A JP H1037702A JP 19196196 A JP19196196 A JP 19196196A JP 19196196 A JP19196196 A JP 19196196A JP H1037702 A JPH1037702 A JP H1037702A
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JP19196196A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Namura
清 名村
Masakazu Takazumi
正和 高住
Eiji Saito
英治 斉藤
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
Takeshi Sato
武 佐藤
Kazuo Ikeuchi
和雄 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、タービン運転中、非運転中を
通じて全周すべての翼について隣接翼との連結状態を保
てるタービン動翼およびその組立技術を提供することに
ある。 【構成】翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側に略円
周方向に延びるインテグラルシュラウドを有する翼を、
その翼根部をディスクに設けられたノッチ部から半径方
向に挿入し、ディスク円周方向に延びるディスク溝に順
次係合、摺動させて組立てるものにおいて、ディスクの
全周の複数箇所、略等間隔にノッチ部を設け、ノッチ部
を除くすべてのディスク溝に翼を植え込んだ後、該複数
個のノッチ部にそれぞれ止め翼を半径方向から同時に挿
入する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン、蒸気タ
ービン、航空機のジェットエンジンなどのタービンの翼
とりわけ翼と一体形に形成されたシュラウドを有する翼
(インテグラルシュラウド翼)の構造およびその組立技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、翼と一体形に形成され、翼の背側
と腹側に略円周方向に延びるインテグラルシュラウドを
有するインテグラルシュラウド翼としては、特開平5ー
98906号公報に記載のものがある。多くは隣接翼の
インテグラルシュラウド同志が円周方向の端面において
相対向するように組立てられる。この時、インテグラル
シュラウドの端面間は、一定の間隙が設けられる場合
と、端面同志が接触するように組立てられる場合があ
る。端面間に間隙がある場合は、各翼は翼根以外では隣
接翼とはつながらない、いわゆる単独翼の状態となる。
一般に、同じ動翼であれば単独翼状態の翼は連結部材で
連結された群翼に比べ作用する励振力に対し、共振した
時の振動応力が大きくなることはよく知られている。ま
た、単独翼は、翼の連結部材の接触部などにおける摩擦
による振動減衰効果が期待できる群翼に比べ振動減衰能
が劣ることが知られている。このため、単独翼状態で群
翼と同等の信頼性を得るためには翼自体を大きく堅牢に
作る必要があるなど、製作コストの面でも不利がある。
【0003】次に、端面同志が接触している場合は、隣
接翼同志がなんらかの連結状態となっているので、翼群
としての振動特性を有し、また、翼の振動時、接触連結
部の摩擦による振動減衰効果も期待できることになり、
単独翼状態よりも好ましい状態である。しかし、タービ
ンは一般に高温流体を作動流体として高速で回転するた
め、熱膨張及び遠心力の影響により、例えば翼を植え込
んでいるディスクの直径が大きくなる。また、インテグ
ラルシュラウドの設けられている位置の半径方向寸法の
増加により、円周方向ピッチ(円周を全周の翼本数で割
った翼一本あたりの寸法)がタービン運転前のインテグ
ラルシュラウドの円周方向ピッチより大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インテグラルシュラウ
ドの端面同志がほとんど接触面圧が発生しない程度にゆ
るやかに接している場合は、上記ピッチの増加により間
隙が生じ各翼は単独翼の状態となる。この状態の不具合
さは先に述べたとおりである。一方、インテグラルシュ
ラウドの端面同志が非常に強固に大きな接触面圧が発生
するように組立られている場合には、円周方向ピッチの
増加に対しても接触面の面圧がなくなるまでは接触連結
状態を保つことができるから上述の観点から好ましい。
しかし、タービン運転時においてもインテグラルシュラ
ウド同志のこのような強固な接触連結状態を実現するこ
とは、技術的に重要な課題であるにもかかわらず従来法
では具体的な配慮がなされていなかった。このため、振
動特性上たとえば全周で一カ所でも接触連結状態が確保
されていない翼があると、その部分で翼の連結がとぎれ
ることになり、全周連結翼としての好ましい振動特性が
発揮できなくなるという問題があった。これはこのよう
な望ましい翼構造や組立て技術に関する技術的課題が未
解決であったことによる。
【0005】本発明の第一の目的は、以上述べた技術課
題を解決し、タービン運転中、非運転中を通じて全周す
べての翼について隣接翼との連結状態を保てるタービン
動翼およびその組立技術を提供することにある。また、
本発明の第二の目的は、隣接翼間の接触連結部の高い振
動減衰効果を発揮できるようにすることにより、信頼性
の高いタービン動翼およびその組立技術を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1.多数の通常翼、これら通常翼を円周状外縁に係合支
持するディスク及び通常翼をディスクに固定するための
止め翼からなり、前記通常翼は翼部と翼部の背側と腹側
に略円周方向に延びるインテグラルシュラウド及び翼根
部を有し、前記ディスクは前記通常翼をその翼根部にお
いて円周方向に摺動可能に係合保持するディスク溝と同
翼根部を半径方向に挿入するためのノッチ部を有し、前
記止め翼は翼部と翼部の背側と腹側に略円周方向に延び
るインテグラルシュラウド及び翼根部を有すると共に前
記ノッチ部にその翼根部を半径方向に挿入した後前記デ
ィスクに固定するようにしたタービン動翼において、前
記ノッチ部及び止め翼を全周上の二ヶ所以上に設けたこ
とを特徴とするタービン動翼。
【0007】2.前記止め翼のインテグラルシュラウド
を通常翼のインテグラルシュラウドの形状と異なる形状
としたことを特徴とする上記1.記載のタービン動翼。
【0008】3.前記止め翼の夫々のインテグラルシュ
ラウドの円周方向端面のタービン軸方向に対する傾斜角
を前記通常翼のインテグラルシュラウドの円周方向端面
のタービン軸方向に対する傾斜角よりも小さくしたこと
を特徴とする上記2.記載のタービン動翼。
【0009】4.前記通常翼並びに止め翼の夫々のイン
テグラルシュラウドの円周方向端面がタービンの軸方向
に対して傾斜した平面であり、これらインテグラルシュ
ラウドの円周方向の実際のピッチをインテグラルシュラ
ウド取り付け半径位置の理論上円周方向ピッチより大き
く形成したことを特徴とする上記1.ないし3.記載の
タービン動翼。
【0010】5.前記通常翼並びに止め翼の夫々のイン
テグラルシュラウドの円周方向端面がタービンの軸方向
に対して傾斜した平面であり、これらインテグラルシュ
ラウドの円周方向の実際のピッチをインテグラルシュラ
ウド取り付け半径位置の理論上円周方向ピッチより大き
く形成し、止め翼シュラウドの円周方向端面のタービン
軸方向に対する傾斜角を通常翼の傾斜角よりも小さくす
るとともに、その円周方向ピッチも通常翼のインテグラ
ルシュラウドの円周方向ピッチと異なるようにしたこと
を特徴とする上記1.ないし4.記載のタービン動翼。
【0011】6.前記止め翼のインテグラルシュラウド
の円周方向端面をテーパ形に形成し、この止め翼に隣接
する通常翼のインテグラルシュラウドの円周方向端面に
前記テーパ形に合致する斜面を形成し、止め翼の翼根部
を半径方向に挿入することにより楔効果によって円周方
向の押しつけ力を発生させるようにしたことを特徴とす
る上記1.ないし5.記載のタービン動翼。
【0012】7.前記ディスクの全周の複数箇所に略等
間隔に前記ノッチ部を設け、前記ノッチ部を除くすべて
の前記ディスク溝に翼を植え込んだ後、該複数個の前記
ノッチ部にそれぞれ前記止め翼を半径方向から挿入する
とともに、止め翼を中心に止め翼前後の翼にそれらの翼
間を拡大する方向に略等しい荷重を、複数の止め翼箇所
同時に加えることによって、各止め翼前後の翼間の拡大
された間隙を生じさせ、前記止め翼前後の通常翼のイン
テグラルシュラウド間の拡大された間隙の形状に合致す
るように形成されたインテグラルシュラウド形状を有す
る止め翼を所定の位置に挿入するようにしたことを特徴
とするタービン動翼の組立方法。
【0013】8.上記7.記載において、前記複数個す
べての止め翼を所定の位置に挿入した後、該荷重の除去
と前後して止め翼を止め翼翼根部とディスクを貫通する
ピン等で固定するようにしたことを特徴とするタービン
動翼の組立方法。
【0014】9.上記7.または8.記載において、前
記止め翼前後の翼に互いに反対方向かつ略円周方向に荷
重を負荷する手段として、翼に円周方向の荷重をほぼ均
一に作用させるための治具とこの治具に荷重を与えるた
めの油圧ジャッキを用いることを特徴とするタービン動
翼の組立方法。
【0015】10.上記1.ないし6.のタービン動翼
をそなえた蒸気タービン。
【0016】11.上記1.ないし6.のタービン動翼
をそなえたガスタービン。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から9によって
説明する。図1は、本実施例のインテグラルシュラウド
翼組立構造の正面図である。図2は、本実施例の翼構造
の部分の斜視図である。図3は、本実施例の翼構造に用
いる通常翼の斜視図である。図4は、本実施例の翼構造
に用いる止め翼の斜視図である。図5は、本実施例の翼
構造の部分の正面図である。図6は、図5のA−A矢視
平面図である。図7は、同じく図5のA−A矢視平面図
であり、変形例を示す。図8は、図5のB−B矢視平面
図である。図9は、本実施例の組立後の翼構造を示す正
面図である。
【0018】まず、図2から4によってタービン動翼お
よびその組立構造の概要を説明する。タービン動翼のう
ち、通常翼8は、翼部1、翼根部2、及びインテグラル
シュラウド3を主要部として構成される。ここで、通常
翼とは以下に説明する止め翼と区別するために、止め翼
以外のすべての翼をこのように呼ぶことにする。ディス
ク4の外周部には円周方向に延びるディスク溝5を形成
し、通常翼8をディスク溝5のフック6が形成されてい
ないノッチ部7から半径方向に挿入し、次いで円周方向
に摺動して組み立てる。通常翼8の翼根部2はディスク
フック6を介してディスク4に係合される。なお、本実
施例の翼根部のようにディスク溝5を外側から囲んで取
り付けられるようなものを以下鞍型翼根部9と称する。
通常翼8のインテグラルシュラウド3は略平行四辺形を
しており、その背側と腹側の円周方向の端面は互いに略
平行で軸方向線38に対して角度αだけ傾斜した面10
を有している。これに伴い一般に翼根部2の円周方向端
面も軸方向線38に対して角度αだけ傾斜している。ま
た、インテグラルシュラウド3の円周方向ピッチ11は
インテグラルシュラウド取り付け位置における円周の長
さを全周の翼本数で除した所定のピッチ(理論ピッチ)
よりも大きく形成されている。次に、通常翼8を順次円
周方向に摺動して組み立てた後、ノッチ部7には図4に
示す止め翼12を取り付ける。
【0019】止め翼12のインテグラルシュラウド23
の形状は通常翼8とは異ならせてある。すなわち、背側
と腹側の円周方向の端面10の傾斜角α′は通常翼8の
傾斜角αより小さく形成される。また、止め翼シュラウ
ド23の円周方向ピッチ39も一般に通常翼8の円周方
向ピッチ11とは異なる大きさに形成される。止め翼1
2の円周方向ピッチ39の与え方については後述する。
さて、これらの通常翼8と止め翼12を翼車の全周にわ
たって取り付ける方法について図1、図5を用いて説明
する。図2で説明したノッチ部7は全周で複数箇所設け
られる。図1では全周に4カ所設けた例が示されてい
る。まず、ノッチ部7を除き通常翼8を全部ディスク4
に取り付ける。次に、該複数のノッチ部7に略同時に複
数の止め翼12を外周から半径方向に挿入する。この
時、止め翼12の翼根部2のテーパにより矢符号17の
ように円周方向における押しつけ力が発生する。これに
より、ある程度翼根部円周方向の固定が確保される。次
に、止め翼12の前後の翼13、14に治具15、16
を介して矢符号18のように円周方向における荷重を複
数箇所同時に加える。これにより、止め翼前後の翼間の
止め翼スペース22が円周方向に広げられることにな
る。次いで、その空間形状に合致した形状を有する止め
翼シュラウド23を半径方向に所定の位置までさらに挿
入する。最後に、該荷重を除去するのと前後して、止め
翼の翼根部2とディスク4を貫通する図1、図5には図
示しないピンで止め翼を固定することにより翼車全体の
組立構造が完成する。
【0020】次に、矢符号18で示した円周方向の荷重
を加える手段を図6によって説明する。止め翼の前翼1
3に略円周方向(回転方向)に荷重を付加する治具1
5、止め翼の後翼14に略円周方向(回転逆方向)に荷
重を付加する治具16を設け、治具16には油圧ジャッ
キ19が組み込まれている。複数箇所の油圧ジャッキ1
9油圧を同時に加えることによって、治具15、16に
は円周方向に互いに逆方向に荷重が付加され、複数箇所
の止め翼前後の翼13、14に矢符号18で示す荷重を
同時に作用させることができる。なお、治具15、16
は、止め翼12の組立後は取り外すことを可能にするた
めに、ボルト21により分解可能となっている。また、
必要に応じて、治具15、16の変形をできるだけ小さ
くするためのガイド20が設けられる。図7は、治具1
5、16の他の変形例を示しておりこの場合は、図6に
示したものよりも部品点数を少なくし、やや簡便な構造
となっている。
【0021】次に、矢符号18で示した荷重を付加した
時のインテグラルシュラウド3の変形状態を図8によっ
て説明する。通常翼8のインテグラルシュラウド3の円
周方向ピッチ11は理論ピッチより大きく、かつ、軸方
向にたいして傾斜した端面10を有しているので、止め
翼前後の翼13、14を介して矢符号18のように円周
方向荷重が加えられると、インテグラルシュラウド3は
破線で示すように変形する。すなわち、円周方向荷重に
よってねじりモーメントが発生し、翼はねじられること
になる。これにより、各通常翼8間の円周方向ピッチは
減少し、一方止め翼前後の翼13と14の間の止め翼ス
ペース22が増大する。これに伴い止め翼前後の翼13
と14のインテグラルシュラウド3の変形後の円周方向
端面10が軸方向線となす角度α′は荷重付加前の傾斜
角αより小さくなる。また、止め翼スペース22の円周
方向ピッチも荷重付加前のインテグラルシュラウド3の
円周方向ピッチ11とは異なったものになる。図4で説
明した止め翼12のシュラウド23は、このような破線
で示した止め翼前後の翼の変形後の止め翼スペース22
の形状にちょうど合致するように形成されており、止め
翼12は該止め翼スペース22に止め翼シュラウド23
を挿入して組み立てられる。ただし、一般に翼は加工及
び組立状態の差違により、荷重付加後のスペースはあら
かじめ正確に知ることはできないので、止め翼シュラウ
ド23を調整加工して組み立てる。荷重を除去すると弾
性変形に対する復元力により、止め翼12のインテグラ
ルシュラウドの円周方向接触端面にも面圧が発生して連
結効果が得られる。
【0022】図9は全周の複数箇所で止め翼を組み立て
たあとの全体の翼構造を示す。止め翼をピン24でディ
スク4に固定する方法は図9の例では止め翼と止め翼前
後の翼根部の接触端面間にピン24を取り付けるものを
示している。ピンの位置は止め翼翼根部の円周方向幅の
中間部でもよい。
【0023】さて、以上説明したように、止め翼前後の
翼に矢符号18で示した荷重を加え、それによって広が
った止め翼スペース22に止め翼シュラウドを挿入して
組み立てる方法においては、全周で複数箇所において荷
重を同時に付加し、複数の止め翼を挿入することが特に
重要である。一般に、止め翼を組み立てる前において各
通常翼8の間には組立上微小な円周方向間隙が生ずるこ
とは避けられないから、一ヶ所で加えられ円周方向に伝
達される荷重は、荷重点から離れるにつれて該間隙とそ
こに発生する摩擦によって順次減少するため、翼間の連
結効果を得るための円周方向荷重が不足する部分が生
じ、翼車全体の翼が連結されたいわゆる全周連結翼を実
現できないという問題が生じる。特に、止め翼を円周方
向に1箇所だけ設けて円周方向荷重を加えた場合、該荷
重をいくら大きくしても止め翼から円周方向に180度
の位置ではほとんど翼の連結効果が得られないことがわ
かった。これに対し、円周方向に少なくとも2箇所以上
の位置で止め翼を挿入できるようにすることによって、
全周の各翼が連結した全周連結翼構造とする事ができ
る。この場合、複数箇所で円周方向荷重を加える際、各
翼の過大な円周方向の位置ずれを防ぐために、複数点の
荷重を同時に付加する必要がある。
【0024】これに関して本実施例に示した油圧ジャッ
キを用いる方法は油圧源を共通にするなどにより容易に
同時に付加できるので最適である。また、止め翼挿入箇
所を多くするほど一カ所あたりに付加する荷重を小さく
でき、かつ、全周の各翼の連結状態をできるだけ均一に
することが可能であるが、逆にディスクに設けるノッチ
部と止め翼の数が増えること、荷重付加設備の数が増え
ることになるが、実際上はこれらを考慮して止め翼の複
数箇所を決めることになる。
【0025】次に、本発明の第2の実施例を図10から
12によって説明する。図10は、本実施例に用いる通
常翼の斜視図である。図11は、本実施例に用いる止め
翼の斜視図である。図12は、本実施例の翼構造の部分
の正面図である。第1の実施例では、インテグラルシュ
ラウド形状は、略平行四辺形である。これに対し、図1
0に示すものは、それぞれ背側、腹側に延びるインテグ
ラルシュラウド3の円周方向端面が互いに略平行でかつ
タービン軸方向に対し平行かつ半径方向に対して傾斜し
た面25を有し、該インテグラルシュラウド3の円周方
向ピッチ11がインテグラルシュラウド取り付け位置に
おける前記理論ピッチより大きく形成されている。図1
2に示すように、止め翼前後の翼13、14に治具1
5、16を介して荷重を加えると、インテグラルシュラ
ウドは破線のように変形する。すなわち、翼の円周方向
の曲げ変形が生じ、やはり各通常翼8間の円周方向ピッ
チは減少し、止め翼前後の翼13と14の間の止め翼ス
ペース22が広がることになる。該止め翼スペース22
に合致する形状を持つインテグラルシュラウド23を持
つ止め翼12を挿入、固定することによって全体の翼構
造を組み立てる。組立て手順その他は第1の実施例と同
じである。
【0026】なお、以上の第1と第2の実施例におい
て、矢符号18で示す荷重は加えないものとし、一例と
して図11に形状を示すように、止め翼シュラウド23
の円周方向端面と止め翼前後の翼のインテグラルシュラ
ウドの止め翼側の円周方向端面を半径方向内周側が小さ
くなるようなテーパ面27形に形成し、止め翼12のイ
ンテグラルシュラウドを半径方向に挿入することにより
楔効果によってインテグラルシュラウドの円周方向に押
しつけ力を発生させるようにして組み立てることも可能
である。ただし、円周方向に発生しうる荷重は油圧ジャ
ッキの場合よりも小さくなるので、インテグラルシュラ
ウド接触部の連結効果は小さくなる。
【0027】次に、本発明の第3の実施例を図13、1
4によって説明する。図13は、本実施例の翼構造の部
分の斜視図である。図14は、本実施例の翼の斜視図で
ある。第1、2の実施例では鞍型翼根部に限定して説明
したが、図13、14に示すように、翼8はディスク円
周方向に延びるフォーク溝28に嵌合するフォーク型翼
根部29を持ったものでもよい。この実施例では通常翼
8と図示しない止め翼は略同形状に形成されるが、止め
翼のインテグラルシュラウドは通常翼8のインテグラル
シュラウド3の形状とは異なる第1の実施例と同様の形
状に形成される。通常翼8をディスクに取り付け複数個
の図示しない止め翼を同時に挿入することは第1の実施
例と同様である。ただし、止め翼を挿入し、荷重を付加
することにより通常翼8は円周方向に若干移動するの
で、通常翼8はあらかじめ止めピン30で固定せずディ
スクからの脱落を防止するため、円周方向の移動を許容
するように仮止めし、止め翼を組み立てた後、全周の翼
を止めピン30で固定するようにする。
【0028】次に、本発明の第4の実施例を図15から
17によって説明する。図15は、本実施例の翼構造の
部分の斜視図である。図16は、本実施例に用いる通常
翼の斜視図である。図17は、本実施例に用いる止め翼
の斜視図である。第1、第2の実施例では鞍型翼根部に
限定して説明したが、図15、16に示すように内挿型
のディスク溝31、内挿型翼根部32を持つものであっ
てもよい。すなわち、通常翼8を順次円周方向に内挿型
ノッチ部7から半径方向に挿入して、円周方向に摺動し
て組み立てた後、ノッチ部7には図17に示す止め翼1
2を取り付けるものであるが、複数個の止め翼を挿入す
ることによって第1の実施例と同様にインテグラルシュ
ラウドの連結効果を得ることができる。
【0029】図18は、以上説明した各実施例のタービ
ン動翼およびその組立構造を流体シール構造と組み合わ
せて用いたタービンの断面図の一部を示したものであ
り、動翼33と静翼34の組み合わせからなる段落が形
成されている。図18に示すように、各実施例に示すタ
ービン動翼およびその組立構造をタービンの複数段に適
用することによって、タービン全体の信頼性、性能に優
れたタービンを提供することができる。
【0030】
【効果】以上の本発明によれば、全周に少なくとも2個
以上の止め翼を配置してこれらの止め翼をほぼ同時に組
み込むタービン動翼およびその組立構造を採用すること
によって、タービン運転時、非運転時を通じて全周のす
べての翼について円周方向に強固な押しつけ力を作用さ
せることができ、隣接翼のインテグラルシュラウド間に
十分な接触連結状態を保つことができ、全周の翼が切れ
目なく連結されるとともに、押しつけ力が作用している
ことによって、翼が振動した時、接触部の摩擦により高
い振動減衰効果が発揮でき、信頼性の高いタービン動翼
およびその組立構造が得られる。また、以上説明した各
実施例のタービン動翼およびその組立構造を流体シール
構造と組み合わせて用いたタービンの複数段に採用する
ことによって、タービン全体の信頼性、性能に優れたタ
ービンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の翼構造を示す正面図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施例の翼構造の部分の斜視図
である。
【図3】本発明の第1の実施例に用いる通常翼の斜視図
である。
【図4】本発明の第1の実施例に用いる止め翼の斜視図
である。
【図5】本発明の第1の実施例の翼構造の部分の正面図
である。
【図6】図5のA−A矢視平面図である。
【図7】図5のA−A矢視平面図であり、図6の一部を
変形したものである。
【図8】図5のB−B矢視平面図である。
【図9】本発明の第1の実施例の組立後の翼構造を示す
正面図である。
【図10】本発明の第2の実施例に用いる通常翼の斜視
図である。
【図11】本発明の第2の実施例に用いる止め翼の斜視
図である。
【図12】本発明の第2の実施例の翼構造の部分の正面
図である。
【図13】本発明の第3の実施例の翼構造の部分の斜視
図である。
【図14】本発明の第3の実施例の翼の斜視図である。
【図15】本発明の第4の実施例の翼構造の部分の斜視
図である。
【図16】本発明の第4の実施例に用いる通常翼の斜視
図である。
【図17】本発明の第4の実施例に用いる止め翼の斜視
図である。
【図18】本発明の翼および翼構造を採用した蒸気ター
ビンの部分の断面図である。
【符号の説明】
1:翼部、2:翼根部 、3:インテグラルシュラウ
ド、4:ディスク、5:ディスク溝 、6:ディスクフ
ック、7:ノッチ部 、8:通常翼 、9:鞍型翼根部
、10:軸方向に対する傾斜面、11:円周方向ピッ
チ、12:止め翼 、13: 止め翼前翼、14: 止め
翼後翼、15:止め翼前翼治具 、16:止め翼後翼治
具、17: 矢符号、18: 矢符号 、19:油圧ジャ
ッキ 、20:ガイド 、21:ボルト 、22:止め翼
スペース 、23:止め翼シュラウド 、24:ピン、2
5:半径方向に対する傾斜面、27:テーパ面 、2
8:ディスク部フォーク溝、29:フォーク型翼根部、
30:軸方向ピン、31:内挿型ディスク溝、32:内
挿型翼根部、33:動翼 、34:静翼、38:軸方向
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 義昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 佐藤 武 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 池内 和雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の通常翼、これら通常翼を円周状外縁
    に係合支持するディスク及び通常翼をディスクに固定す
    るための止め翼からなり、前記通常翼は翼部と翼部の背
    側と腹側に略円周方向に延びるインテグラルシュラウド
    及び翼根部を有し、前記ディスクは前記通常翼をその翼
    根部において円周方向に摺動可能に係合保持するディス
    ク溝と同翼根部を半径方向に挿入するためのノッチ部を
    有し、前記止め翼は翼部と翼部の背側と腹側に略円周方
    向に延びるインテグラルシュラウド及び翼根部を有する
    と共に前記ノッチ部にその翼根部を半径方向に挿入した
    後前記ディスクに固定するようにしたタービン動翼にお
    いて、前記ノッチ部及び止め翼を全周上の二ヶ所以上に
    設けたことを特徴とするタービン動翼。
  2. 【請求項2】前記止め翼のインテグラルシュラウドを通
    常翼のインテグラルシュラウドの形状と異なる形状とし
    たことを特徴とする請求項1のタービン動翼。
  3. 【請求項3】前記止め翼の夫々のインテグラルシュラウ
    ドの円周方向端面のタービン軸方向に対する傾斜角を前
    記通常翼のインテグラルシュラウドの円周方向端面のタ
    ービン軸方向に対する傾斜角よりも小さくしたことを特
    徴とする請求項2のタービン動翼。
  4. 【請求項4】前記通常翼並びに止め翼の夫々のインテグ
    ラルシュラウドの円周方向端面がタービンの軸方向に対
    して傾斜した平面であり、これらインテグラルシュラウ
    ドの円周方向の実際のピッチをインテグラルシュラウド
    取り付け半径位置の理論上円周方向ピッチより大きく形
    成したことを特徴とする請求項1ないし3のタービン動
    翼。
  5. 【請求項5】前記通常翼並びに止め翼の夫々のインテグ
    ラルシュラウドの円周方向端面がタービンの軸方向に対
    して傾斜した平面であり、これらインテグラルシュラウ
    ドの円周方向の実際のピッチをインテグラルシュラウド
    取り付け半径位置の理論上円周方向ピッチより大きく形
    成し、止め翼シュラウドの円周方向端面のタービン軸方
    向に対する傾斜角を通常翼の傾斜角よりも小さくすると
    ともに、その円周方向ピッチも通常翼のインテグラルシ
    ュラウドの円周方向ピッチと異なるようにしたことを特
    徴とする請求項1ないし4のタービン動翼。
  6. 【請求項6】前記止め翼のインテグラルシュラウドの円
    周方向端面をテーパ形に形成し、この止め翼に隣接する
    通常翼のインテグラルシュラウドの円周方向端面に前記
    テーパ形に合致する斜面を形成し、止め翼の翼根部を半
    径方向に挿入することにより楔効果によって円周方向の
    押しつけ力を発生させるようにしたことを特徴とする請
    求項1ないし5のタービン動翼。
  7. 【請求項7】前記ディスクの全周の複数箇所に略等間隔
    に前記ノッチ部を設け、前記ノッチ部を除くすべての前
    記ディスク溝に前記通常翼を植え込んだ後、該複数個の
    前記ノッチ部にそれぞれ前記止め翼を半径方向から挿入
    するとともに、止め翼を中心に止め翼前後の通常翼にそ
    れらの翼間を拡大する方向に略等しい荷重を、複数の止
    め翼箇所同時に加えることによって、各止め翼前後の翼
    間の拡大された間隙を生じさせ、前記止め翼前後の通常
    翼のインテグラルシュラウド間の拡大された間隙の形状
    に合致するように形成されたインテグラルシュラウド形
    状を有する前記止め翼を所定の位置にほぼ同時に挿入す
    るようにしたことを特徴とするタービン動翼の組立方
    法。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記複数個すべての止
    め翼を所定の位置に挿入した後、該荷重の除去と前後し
    て止め翼を止め翼翼根部とディスクを貫通するピン等で
    固定するようにしたことを特徴とするタービン動翼の組
    立方法。
  9. 【請求項9】請求項7または8において、前記複数の止
    め翼前後の前記通常翼に互いに反対方向かつ略円周方向
    に荷重を負荷する手段として、夫々の翼に円周方向の荷
    重をほぼ均一に作用させるための複数の治具とこの治具
    に荷重を与えるための複数の油圧ジャッキを備えこれら
    油圧ジャッキを同時に作動させるようにしたことを特徴
    とするタービン動翼の組立方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし6のタービン動翼をそな
    えた蒸気タービン。
  11. 【請求項11】請求項1ないし6のタービン動翼をそな
    えたガスタービン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064074A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Toshiba Corp 軸流タービン
US20110158814A1 (en) * 2009-12-31 2011-06-30 General Electric Company Turbine engine rotor blades and rotor wheels
JP2011185193A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Toshiba Corp タービン動翼翼列および蒸気タービン
CN112372451A (zh) * 2020-11-05 2021-02-19 中国航发哈尔滨东安发动机有限公司 一种高精度转子叶片及其轮缘尺寸控制方法

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