JPH1037141A - 蓄光性路面標示部及びその施工方法 - Google Patents

蓄光性路面標示部及びその施工方法

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JPH1037141A
JPH1037141A JP8193621A JP19362196A JPH1037141A JP H1037141 A JPH1037141 A JP H1037141A JP 8193621 A JP8193621 A JP 8193621A JP 19362196 A JP19362196 A JP 19362196A JP H1037141 A JPH1037141 A JP H1037141A
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JP
Japan
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luminous
sheet
road
marking
marking portion
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JP8193621A
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Hideyuki Taguchi
秀之 田口
Hiroshi Abe
弘 阿部
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜表面部への蓄光性材料の均一な分散を実
現し、蓄光性材料を有効に利用する。蓄光性シートの利
用によって施工作業を簡便なものとし、既設の標示部を
簡単に夜間視認性の高い標示部に変更する。高価な蓄光
性材料の有効活用による使用量の節減で大幅なコスト削
減を達成する。 【解決手段】 本発明の蓄光性路面標示部は道路表面に
加熱溶融型粉体塗料、加熱硬化型塗料又は常温硬化型塗
料によって形成された標示部の表面に、蓄光性材料を含
有した蓄光性シートが貼付たものである。これは、たと
えば、道路表面に加熱溶融型粉体塗料によって形成され
た標示部の表面に、蓄光性材料を含有した蓄光性シート
を貼付し、ついで該蓄光性シートを表面から加熱して同
シートを標示部に密着させることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路面に区画線や
停止線、危険箇所標示線、道路中央線、横断歩道などの
標示線や文字、記号などを明示する標示(本明細書全体
を通して、これらを「標示部」と総称する)に関し、よ
り詳細には、蓄光性を有する路面標示部及びその施工方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、暗所での視認性確保の一手段と
して蓄光性材料が利用されている。蓄光性材料は太陽光
や電灯の光エネルギーを吸収して内部に蓄え、数時間に
亙ってこの光エネルギーを外部に放出するもので、夜間
や暗闇における非常時の表示物などに有用なものであ
る。例えば、特開昭52−89137号公報には、蓄光
性材料を熱可塑性樹脂に均一混合して蓄光性塗料を調製
し、これを路面などに塗布して暗所での視認確保の一手
段とすることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭5
2−89137号公報記載の蓄光性塗料では、塗料全体
に非常に高価な蓄光性材料を含有させる必要があり、標
示部に形成された塗膜は大変なコスト高を招くものであ
る。加えて、蓄光性材料は比重3〜5といった高比重を
有するものであるため、塗料は保管中に蓄光性材料の沈
降を生じ、さらには路面への塗布後乾燥するまでの間に
塗膜内で厚み方向に蓄光性材料の沈降を来たし、そのた
め塗膜表面部への蓄光性材料の均一な分散が困難とな
る。また、このような蓄光性塗料を用いる塗布方式で
は、通常の既設路面標示部を、蓄光性を有する標示部に
変更する場合、路面への塗布作業がはなはだ煩雑でしか
も長時間を要する難点がある。
【0004】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、その目的とするところは、塗膜表面部への蓄光性材
料の均一な分散を実現し、蓄光性材料を有効に利用する
ことにある。また、蓄光性シートの利用によって施工作
業を簡便なものとし、既設の標示部を簡単に夜間視認性
の高い標示部に変更することにある。さらには、高価な
蓄光性材料の有効活用による使用量の節減で大幅なコス
ト削減を達成することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、本発明による蓄光性を
有する路面標示部及びその施工方法を提供するに至っ
た。
【0006】まず、請求項1記載の発明は、道路表面に
加熱溶融型粉体塗料、加熱硬化型塗料又は常温硬化型塗
料によって形成された標示部の表面に、蓄光性材料を含
有した蓄光性シートが貼付されていることを特徴とする
蓄光性路面標示部である。
【0007】請求項2記載の発明は、道路表面に加熱溶
融型粉体塗料によって形成された標示部の表面に、蓄光
性材料を含有した蓄光性シートを貼付し、ついで該蓄光
性シートを表面から加熱して同シートを標示部に密着さ
せることを特徴とする蓄光性路面標示部の施工方法であ
る。
【0008】請求項3記載の発明は、道路表面に加熱溶
融型粉体塗料によって標示部を形成し、該標示部を高温
状態に保持しておいて、蓄光性材料を含有した蓄光性シ
ートを該標示部の表面に貼付し、ついで該蓄光性シート
を表面から加熱して同シートを標示部に密着させること
を特徴とする蓄光性路面標示部の施工方法である。
【0009】請求項4記載の発明は、道路表面に加熱硬
化型塗料又は常温硬化型塗料によって路面標示部を形成
し、該標示部を加熱下又は常温で硬化、乾燥させた後、
蓄光性材料を含有した蓄光性シートを硬化後の標示部の
表面に貼付し、ついで該蓄光性シートを表面から加熱し
て同シートを標示部に密着させることを特徴とする蓄光
性路面標示部の施工方法である。
【0010】請求項5記載の発明は、蓄光性シートを構
成する樹脂の主成分が、塗料を構成する樹脂の主成分と
同系列のものであることを特徴とする請求項2〜4のう
ちいずれか1項記載の蓄光性路面標示部の施工方法であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を示す。
【0012】道路表面の標示部は公知のトラフィックペ
イントを用いて形成すればよく、具体的には、ペイント
としてJIS K5665 1種、JIS K5665
2種、及びJIS K5665 3種に準ずるトラフ
ィックペイントのいずれかが好ましく用いられる。
【0013】請求項1記載の発明において、その標示部
はJIS K5665 1種、JIS K5665 2
種、及びJIS K5665 3種に準ずるトラフィッ
クペイントを用いて形成したものである。
【0014】また、請求項2及び請求項3記載の施工方
法において、その標示部を形成するのに用いる加熱溶融
型粉体塗料は上記JIS K5665 3種に準ずるト
ラフィックペイントである。請求項2記載の施工方法は
既に設置を完了した標示部に対して蓄光性を付与する施
工方法の発明であり、請求項3記載の施工方法は通常の
標示部を形成しさらにこれに蓄光性を付与する施工方法
の発明である。請求項3記載の施工方法によれば、請求
項2記載の施工方法に比べて、蓄光性シートを標示部に
貼付して加熱する際に必要なエネルギーが小さくて済む
上に、加熱前に蓄光性シートを標示部に固定し易い利点
がある。
【0015】請求項4記載の施工方法において、その標
示部を形成するのに用いる加熱硬化型塗料又は常温硬化
型塗料は、上記JIS K5665 1種、JIS K
5665 2種に準ずるトラフィックペイントである。
すなわち請求項4記載の施工方法はこれらトラフィック
ペイントによって標示部に蓄光性を付与する施工方法の
発明である。
【0016】請求項5記載の施工方法は請求項2〜4の
うちいずれか1項記載の施工方法の好適な実施形態であ
って、より好ましい樹脂主成分を規定した発明である。
【0017】つぎに、本発明に用いる蓄光性シートにつ
いて詳しく述べる。本発明で言う蓄光性材料とは、燐光
現象を有する物質を用いた材料であり、太陽光や電灯な
どの光線を吸収蓄積し、その蓄積した光を徐々に放出、
発光するものである。光吸収−蓄積−発光からなるサイ
クルは何度も繰り返すことができる。蓄光性材料は特に
限定されず、一般的に用いられている硫化カルシウム/
ビスマス系(CaS/Bi)、硫化カルシウム・ストロ
ンチウム/ビスマス系((Ca,Sr)S/Bi)、硫
化亜鉛/銅系(ZnS/Cu)、硫化亜鉛・カドミウム
/銅系((Zn,Cd)S/Cu)を使用することがで
きる。特に、環境面および蓄光輝度や蓄光時間などの蓄
光性に優れた以下の蓄光材料を使用することが好まし
い。すなわち、アルミナ、酸化ストロンチウム、酸化バ
リウム、酸化カルシウム、酸化セリウムなどの金属酸化
物と、Eu(ユウロピウム)、Dy(ディスプロシウ
ム)、Ru(ルテニウム)、Tb(テルビウム)などの
希土類元素とを焼成してなるもの、具体的には根本特殊
化学社製の「N夜光」、日本ケミックス社製の「ケミカ
ラーNL」などを挙げることができる。
【0018】蓄光性材料粒子の大きさは、シートの厚み
によって決まってくるが、好ましくは20〜400me
shの範囲、より好ましくは30〜300meshの範
囲である。これは、蓄光性材料粒子の大きさが20me
shに満たないとシート成形時にクラックが発生し易く
なり、400meshを超えると粒子同士が凝集して分
散が困難となるおそれがあるためである。蓄光性材料の
樹脂への添加量は、使用する蓄光性材料の種類や粒径に
よって左右されるが、バインダー樹脂100重量部に対
して、好ましくは5重量部〜250重量部の範囲であ
り、より好ましくは10重量部〜200重量部の範囲で
あり、特に好ましくは15重量部〜150重量部の範囲
である。蓄光性材料の添加量が5重量部に満たないと蓄
光性材料の絶対量が不足し十分な発光輝度が得られ難く
なり、250重量部を超えると蓄光性材料の添加量が多
くなりすぎてシート形状の保持が困難になる場合があ
る。
【0019】蓄光性シートの厚みは、この20μm〜1
0mmの範囲であり、より好ましくは30μm〜5mm
の範囲であり、特に好ましくは40μm〜3mmの範囲
である。蓄光性シートの厚みが20μmに満たないとシ
ート(=フィルム)の取り扱いが困難になり、10mm
を超えると重量増加による施工性の悪化と共に、標示部
に溶融融着するときに浮きや剥がれを発生することがあ
る。
【0020】本発明に用いられる蓄光性シートを構成す
る樹脂は、道路標示部に使用可能な強度や耐候性を有す
るものであることが望ましく、また従来の道路標示用塗
料(トラフィックペイント)が持つ白色や黄色等の色合
いを失わせないものであることが望ましい。標示部との
密着性、コスト面の理由から、最も好ましい樹脂主成分
(バインダー樹脂)は、加熱溶融型粉体塗料、加熱硬化
型塗料又は常温硬化型塗料の樹脂主成分と同系列のもの
である。樹脂主成分の具体例としては、ナフサのクラッ
キングにより抽出されるC5留分やC9留分を各々カチ
オン重合して得られるいわゆる石油樹脂、ウレタン変成
アルキド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、マレイン化ロ
ジンエステル、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹
脂、他のポリエチレン、ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹脂
などを挙げることができる。本明細書全体を通して、
「同系列」とは、例えばC5留分の多い石油樹脂同士
や、C9留分の多い石油樹脂同士のように、上記樹脂主
成分同士のことである。
【0021】ビニル系樹脂の具体例としては、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンが挙げられ
る。
【0022】スチレン系樹脂としては、スチレンやo−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチル
スチレン、ブチルスチレンなどのアルキルスチレンやク
ロルスチレンなどのスチレン誘導体などから重合される
ホモポリマーやコポリマーが好適に挙げられる。
【0023】(メタ)アクリル樹脂としては、具体的に
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシ
ジル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタク
リル酸及び、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−
ビニルアセトアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド、さらに(メタ)アクリロニトリルやヒドロキ
シ(メタ)アクリレートなどから重合されるホモポリマ
ーやコポリマーが好適である。
【0024】上記以外の好ましい樹脂としてはエポキシ
樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、
アクリルシリコーン樹脂や他の不飽和ポリエステル等が
挙げられる。
【0025】エポキシ樹脂としてはビスフェノールA、
ビスフェノールF、フェノールノボラックなどのフェノ
ール類のグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどのアルコール類のグリシジルエ
ーテル、フタル酸などのグリシジルエーテルなどから重
合されるホモポリマーやコポリマーが好適である。
【0026】なお、これらの樹脂は単独で用いられても
よいし、2種以上をブレンドしてもよい。また各モノマ
ー同士を共重合して用いてもよい。
【0027】本発明で用いる蓄光性シートには、ガラス
ビーズやアルミニウムチップなどの反射材を添加しても
よいし、顔料、染料などの着色剤を必要に応じて含めて
もよい。着色剤としては通常の塗料で用いられる顔料、
染料などが使用できる。例えば顔料では酸化チタン、ク
ロムイエロー、シリカ処理クロムイエロー、酸化鉄、カ
ーボンブラック、シアニン系顔料、キナクリドン系顔料
などがあり、染料ではアゾ系染料、アントラキノン染
料、インジゴイド系染料、スチルベン系染料などがあ
り、またアルミニウムフレーク、ニッケル粉、金粉、銀
粉などの金属粉などを着色剤として用いてもよい。
【0028】一般に顔料は高隠蔽性であるため、これら
の着色剤を用いる場合には、着色剤の総量は樹脂100
重量部に対して80重量部以下の範囲が好ましい。着色
剤の総量が80重量部を超えると着色顔料が蓄光性材料
による発光を阻害してしまったり、着色剤のシートへの
均等な分散が困難となることがある。また、上記樹脂組
成物には、必要に応じて、炭酸カルシウム、滑石粉、硅
石粉、ガラス繊維、マイカ、タルクなどの充填剤、耐汚
染性を向上させるためにパラフィンワックス、マイクロ
クリスタレンワックス、ポリエチレンワックスなどの滑
剤の他、老化防止剤、紫外線吸収剤、硬化剤などが含有
されてもよい。
【0029】蓄光性シートを製造する方法は特に限定さ
れない。具体例としては、溶液キャスティング法、カレ
ンダー性、押出法が挙げられ、そのうち層の厚み精度や
生産性の面から溶液キャスティング法及び押出法が好ま
しい。
【0030】蓄光性シートを加熱する方法は特に限定さ
れず、標示物に蓄光性シートを貼付した後、同シートに
熱を与える方法であればよい。蓄光性シート表面を赤外
線ヒーター加熱や熱風吹き付け加熱あるいはバーナー等
で直接加熱する方法が好適に採用される。
【0031】蓄光性シートにおける標示部と接する側に
は、必要に応じて接着剤層を設けてもよい。この接着剤
層の積層は共押出によってもよいし、二次加工で行って
もよい。この接着剤の例としては、例えばEVA系ホッ
トメルト接着剤、SIS系ホットメルト接着剤、アクリ
ル系ホットメルト接着剤、不飽和ポリエステル系の未架
橋物、アクリル系粘着剤、後硬化アクリル接着剤などが
挙げられ、これらのブレンド品あるいは積層物でもよ
い。
【0032】蓄光性シートは上記接着剤層によって標示
部に貼付される。また、請求項2〜5記載の施工方法で
はその後加熱溶融により標示部と強固に密着される。
【0033】(作用)本発明によれば、既設の標示部の
表面に、別途成形しておいた蓄光性シートを貼付して加
熱することによって格段に優れた簡便性、低コスト、高
夜間視認性を有する蓄光性路面標示部を実現することが
できる。これは、標示部と蓄光性シートは互いに別体で
あるため、蓄光性シートの施工時において、シート加熱
→バインダー樹脂溶融→標示部への密着の過程で、同シ
ートの加熱溶融時に標示部の溶融が抑制され、シートに
含まれる蓄光性材料が標示部の内部への沈降をほとんど
起こさないためである。さらに、本発明の施工方法によ
って得られる蓄光性路面標示部は、その表面部に蓄光性
材料が集中的かつ均一に分散されるため、夜間の視認を
確保するのに必要な蓄光性材料の量を大幅に減少させる
ことができる。これは、蓄光材粒子は光線不透過性であ
る(隠蔽性が樹脂よりも高い)ため、光の到達深度は浅
いが、前記のような均一分散形態をとるため必要以上の
蓄光性材料の添加をしなくても済むことに起因する。
【0034】このように、本発明によれば、まず公知の
標示塗料(=トラフィックペイント)の塗布によって標
示部(既に設置されたものであれ、新規に施工中のもの
であれ)を形成し、続いてその表面に蓄光性シートを貼
付し、さらに蓄光性シートの加熱によって同シートを標
示部に強固に密着(蓄光性シートの溶融あるいはホット
メルト型接着剤による密着)することができる。
【0035】したがって、標示部に貼付した蓄光性シー
ト内において、蓄光性材料がシート厚み方向へ沈降する
のを確実に防ぎ、蓄光性材料をシート表面部で均一に分
散させることが可能となる。これは、高価な蓄光性材料
の有効活用による使用量の節減で大幅なコスト削減を実
現することに繋がる。また、蓄光性シートの利用によっ
て施工作業を簡便なものとし、既設の標示部を夜間視認
性の高い標示部に容易にかつ短時間に変更することがで
きる。さらに蓄光性シートは標示部に加熱密着されるた
め、蓄光性材料は標示部表面に高い密着性を示し強固に
付着される。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に述べ
る。 実施例1 ラジカル重合によって得られたメタクリル系樹脂[メチ
ルメタクリレート(以下「MMA」と略記する)/ブチ
ルメタクリレート(以下「BMA」と略記する)共重合
体]100重量部を酢酸エチルに溶解させ、この溶液に
蓄光性材料(日本ケミックス社製「ケミカラーNL」、
粒子径150mesh)65重量部を添加し、よく混合
し、樹脂組成物を調製した。ついで、アプリケーターを
用いて、溶液キャスティング法によって上記樹脂組成物
から厚み200μmの樹脂シートを作製した。この樹脂
シートを蓄光性シートとし、アスファルト面上の既設の
標示部の上に貼付した後、表面から赤外線ヒーターによ
る加熱を行い、該蓄光性シートを上記標示部に溶融、密
着させた。なお既設の標示部は事前に十分な清掃をして
おいた。
【0037】こうして得られた蓄光性路面標示部につい
て、日中8時間放置後、夜間の視認性を目視評価した。
その結果、この蓄光性路面標示部は非常に明るく、視認
性の優れたものであることが認められた。
【0038】実施例2 熱溶融型道路標示用塗料(トウペ社製「トアライナーM
R」)を180℃で加熱溶融させ、下地処理剤(トウペ
社製「トアライナーM用プライマー」)を散布したアス
ファルト路面上に、上記溶融塗料で幅150mm、厚さ
1.5mmの標示部を形成した。この施工後、溶融樹脂
温度が低下しないうちに、実施例1で得られた蓄光性シ
ートを標示部の表面に貼付し、さらに赤外線ヒーターを
用いて蓄光性シートを表面から加熱溶融させた。この施
工は極めて短時間に簡易に実施することが可能であっ
た。
【0039】こうして得られた蓄光性路面標示部につい
て、日中8時間放置後、夜間の視認性を目視評価した。
その結果、この蓄光性路面標示部は非常に明るく、視認
性の優れたものであることが認められた。
【0040】実施例3 常温硬化型道路標示用塗料(日本油脂社製「スターライ
トNo.2000」)を用いて、アスファルト路面上
に、幅150mm、厚さ約0.3mmの標示部を形成し
た。この施工後、この標示部を十分に硬化、乾燥させ、
実施例1で得られた蓄光性シートを標示部の表面に貼付
し、さらに赤外線ヒーターを用いて蓄光性シートを表面
から加熱溶融させた。この施工は極めて短時間に簡易に
実施することが可能であった。
【0041】こうして得られた蓄光性路面標示部につい
て、日中8時間放置後、夜間の視認性を目視評価した。
その結果、この蓄光性路面標示部は非常に明るく、視認
性の優れたものであることが認められた。
【0042】実施例4 加熱硬化型道路標示用塗料(トウペ社製「トアライナー
P#3000」)を用いて、アスファルト路面上に、幅
150mm、厚さ約0.4mmの標示部を形成した。こ
の施工後、赤外線ヒーターを用いて同標示部を加熱し十
分に硬化、乾燥させた。
【0043】別に、上記加熱硬化型道路標示用塗料に実
施例1で得られた蓄光性材料を添加、混合し、塗料組成
物を調製した。この組成物を用いて溶液キャスティング
法によって幅150mm、厚さ約0.2mmの樹脂シー
トを作成した。この樹脂シートを蓄光性シートとし、上
記アスファルト路面上の標示部の表面に貼付し、さらに
赤外線ヒーターを用いて蓄光性シートを表面から加熱溶
融させた。この施工は極めて短時間に簡易に実施するこ
とが可能であった。
【0044】こうして得られた蓄光性路面標示部につい
て、日中8時間放置後、夜間の視認性を目視評価した。
その結果、この蓄光性路面標示部は非常に明るく、視認
性の優れたものであることが認められた。
【0045】実施例5 セルフワイピング型の二条スクリューエレメントとニー
ディングディスクエレメントからなる直径39mm、L
/D42のスクリューを備えた噛み合い型同方向回転二
軸押出機(プラスチック工学研究所社製「BT−4
0」)の先端に幅150mm、厚さ約1.5mmのシー
ト成型用のTダイを取り付けた。そして予め設定温度を
入口部(第1〜第2バレル区間)で100℃、中央部
(第3〜第6バレル区間)で210℃、出口部(第7バ
レル及びダイ区間)で180℃とし、スクリュー回転数
を40回転/分に設定した。該押出機に熱溶融型道路標
示用塗料(トウペ社製「トアライナーMR」)100重
量部に対し、蓄光性材料(日本ケミックス社製「ケミカ
ラーNL」、粒子径150mesh)を100重量部の
割合で供給した。得られた樹脂シートを冷却して蓄光性
シートとした。
【0046】別に、上記熱溶融型道路標示用塗料を19
0℃で加熱溶融させ、下地処理剤(トウペ社製「トアラ
イナーM用プライマー」)を散布したアスファルト路面
上に、上記溶融塗料で幅150mm、厚さ1.5mmの
標示部を形成した。
【0047】前記蓄光性シートをこの標示部の表面に貼
付し、さらにガスバーナーを用いて蓄光性シートを表面
から加熱溶融させた。この施工は極めて短時間に簡易に
実施することが可能であった。
【0048】こうして得られた蓄光性路面標示部につい
て、日中8時間放置後、夜間の視認性を目視評価した。
また、蓄光性シートを施工しなかった標示部との比較も
行った。その結果、この蓄光性路面標示部は非常に明る
く、従来の標示に比べて明らかに視認性の優れたもので
あることが認められた。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、まず通常の標示塗料
(=トラフィックペイント)の塗布によって標示部を形
成し、続いてその表面に蓄光性シートを貼付し、さらに
蓄光性シートの加熱溶融によって同シートを標示部に強
固に密着することができる。
【0050】したがって、標示部に貼付した蓄光性シー
ト内において、蓄光性材料がシート厚み方向へ沈降する
のを確実に防ぎ、蓄光性材料をシート表面部で均一に分
散させることが可能となり、これによって、高価な蓄光
性材料の有効活用による使用量の節減で大幅なコスト削
減を実現することができる。また、蓄光性シートの利用
によって施工作業を簡便なものとし、既設の標示部を夜
間視認性の高い標示部に容易にかつ短時間に変更するこ
とができる。さらに蓄光性シートは標示部に加熱融着さ
れる時、蓄光性材料は標示部表面に高い密着性を示し強
固に付着される。
【0051】こうして、本発明によれば、道路面に区画
線や停止線、危険箇所標示線、道路中央線、横断歩道な
どの標示線や文字、記号などを明示する、安全性の高い
標示部を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路表面に加熱溶融型粉体塗料、加熱硬
    化型塗料又は常温硬化型塗料によって形成された標示部
    の表面に、蓄光性材料を含有した蓄光性シートが貼付さ
    れていることを特徴とする蓄光性路面標示部。
  2. 【請求項2】 道路表面に加熱溶融型粉体塗料によって
    形成された標示部の表面に、蓄光性材料を含有した蓄光
    性シートを貼付し、ついで該蓄光性シートを表面から加
    熱して同シートを標示部に密着させることを特徴とする
    蓄光性路面標示部の施工方法。
  3. 【請求項3】 道路表面に加熱溶融型粉体塗料によって
    標示部を形成し、該標示部を高温状態に保持しておい
    て、蓄光性材料を含有した蓄光性シートを該標示部の表
    面に貼付し、ついで該蓄光性シートを表面から加熱して
    同シートを標示部に密着させることを特徴とする蓄光性
    路面標示部の施工方法。
  4. 【請求項4】 道路表面に加熱硬化型塗料又は常温硬化
    型塗料によって路面標示部を形成し、該標示部を加熱下
    又は常温で硬化、乾燥させた後、蓄光性材料を含有した
    蓄光性シートを硬化後の標示部の表面に貼付し、ついで
    該蓄光性シートを表面から加熱して同シートを標示部に
    密着させることを特徴とする蓄光性路面標示部の施工方
    法。
  5. 【請求項5】 蓄光性シートを構成する樹脂の主成分
    が、塗料を構成する樹脂の主成分と同系列のものである
    ことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか1項記載
    の蓄光性路面標示部の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010052732A (ja) * 2002-07-22 2010-03-11 Defense Holdings Inc 回転物体用の弱光レベル照明
KR101511475B1 (ko) * 2014-07-02 2015-04-13 주식회사 한축테크 도로 표지병의 제조방법

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