JPH1035042A - ページ記述展開装置 - Google Patents

ページ記述展開装置

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JPH1035042A
JPH1035042A JP8198048A JP19804896A JPH1035042A JP H1035042 A JPH1035042 A JP H1035042A JP 8198048 A JP8198048 A JP 8198048A JP 19804896 A JP19804896 A JP 19804896A JP H1035042 A JPH1035042 A JP H1035042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ページ記述が入力された時点で各処理装置が
持つ資源に応じて処理の負荷が処理装置間で均等になる
ように展開処理の振り分けを行う。 【解決手段】 入力されたページ記述1をページ記述解
析手段2で解析し、描画オブジェクトの存在領域の抽出
を行う。ページ構造抽出手段3では描画オブジェクトの
依存関係からページ記述を構造化する。パラメータ取得
手段5では描画オブジェクトの展開負荷を求め、処理装
置4a,4b,・・・の有効リソースを取得する。プロ
セス割り付け手段6では展開負荷の大きい描画オブジェ
クトを有効リソースの多い処理装置へ割り付け、展開負
荷の小さい描画オブジェクトを有効リソースの少ない処
理装置へ割り付ける。そして、各処理装置においてそれ
ぞれ生成されたイメージ群をページ生成手段7にて合成
し、一つのページイメージにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はページ記述展開装置
に関し、特にページ記述を入力とし、これを複数の処理
装置(PE:Processing Element
s)にて展開処理してプリントデータやプレビューデー
タを生成するようにしたページ記述展開装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリントサーバなどにおいて、ク
ライアント計算機からページ記述言語によって記述され
たプリントデータを受けると、そのページ記述はページ
記述展開装置(デコンポーザ)に入力され、展開処理が
行われてページイメージとして出力される。ページ記述
の展開処理は一般に負荷が大きいので、展開処理中にメ
モリ不足になってラスタ処理ができなかったり、出力が
極端に遅くなることがある。そこで、ページ記述の展開
処理を複数の処理装置が分担して行うことにより、処理
時間を短縮することが考えられている。たとえば、特開
平7−104988号公報では、複数の処理装置を有す
るページ記述展開装置において、入力されたページ記述
が含むオペレータ(画像処理手続き)数を処理装置の数
で単純に均等割りし、その数を各処理装置への割り付け
オペレータ数としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プリントサー
バは、一つのページ記述が入力されて展開処理を行うこ
とは少なく、複数のページ記述が入力される。このた
め、展開処理の待ち行列がある場合や、展開処理中のペ
ージ記述があって実際に使うことができる資源が減って
いる場合や、ハードウェアが持つ処理装置ごとの資源が
異なっている場合のように、処理装置ごとに稼働率が異
なっているので、一律に同数のプロセスを各処理装置へ
割り付けると、負荷の大きい処理装置と負荷の小さい処
理装置とで処理時間が異なり、総処理時間が最も負荷の
大きい処理装置に依存する、という問題点があった。
【0004】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ページ記述が入力された時点で各処理装置が
持つ資源に応じて処理の負荷が処理装置間で均等になる
ように展開処理の振り分けを行うことができるページ記
述展開装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、ページ記述の展開処理を複数の処理装置
にて行うページ記述展開装置において、ページ記述を入
力してその構文解析を行うとともにページ中に含まれる
描画オブジェクトの存在領域の抽出を行うページ記述解
析手段と、前記ページ記述解析手段にて実施した構文解
析および描画オブジェクトの存在領域の抽出結果をもと
に前記ページ記述に含まれる描画オブジェクトの相互依
存関係を判定してページ記述の論理構造を抽出するペー
ジ構造抽出手段と、展開処理を実施する前記処理装置の
それぞれのリソース情報を取得するパラメータ取得手段
と、前記ページ構造抽出手段にて抽出されたページ記述
の論理構造から展開するページ記述中の各描画オブジェ
クトの展開負荷を求め、前記パラメータ取得手段より取
得した前記処理装置のリソース情報をもとに、前記展開
負荷の大きい描画オブジェクトを有効リソースの多い処
理装置へ割り付け、展開負荷の小さい描画オブジェクト
を有効リソースの少ない処理装置へ割り付けるプロセス
割り付け手段と、前記プロセス割り付け手段にて割り付
けられた各処理装置において生成されたイメージ群を統
合してページイメージを生成するページ生成手段とを備
えていることを特徴とするページ記述展開装置が提供さ
れる。
【0006】上述の構成によれば、ページ記述解析手段
が入力されたページ記述を順次解析し、ページ構造抽出
手段が描画オブジェクトの依存関係を調べて、ページ記
述を構造化する。パラメータ取得手段は描画オブジェク
トの展開負荷を求めるとともに、実際に展開処理しよう
としている処理装置のリソースに対してどれだけ動的な
負荷がかかっているかという有効リソースの情報を取得
する。たとえば、有効リソースはハードウェア資源が有
する処理装置の稼働率、有効メモリ数、有効バス帯域幅
を任意の時間サンプリングした上で各々その平均値を取
得して、処理装置当たりの偏差値を算出することにより
求められる。プロセス割り付け手段はページ構造抽出手
段で求めた展開負荷が各処理装置に対してなるべく対応
する有効リソースをもった各処理装置にて処理されるよ
うに、各処理装置への描画オブジェクトの処理を配分す
る。すなわち、サンプリング時間における処理装置当た
りの負荷を偏差値で比較して順序付けを行い、展開する
ページ記述中の各描画オブジェクトの中で展開負荷の大
きい描画オブジェクトは有効リソースの多い処理装置へ
割り付け、展開負荷の小さい描画オブジェクトは有効リ
ソースの少ない処理装置へ割り付けるようにする。そし
て、各処理装置においてそれぞれ生成されたイメージ群
はページ生成手段にて合成され、一つのページイメージ
として出力される。これにより、各処理装置への処理配
分をそれらの有効リソースに応じて動的に割り付けるこ
とができ、ページ記述展開装置全体の処理効率を向上さ
せることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明のページ記述展開装
置の原理構成を示す図である。本発明のページ記述展開
装置は、ページ記述1を入力とするページ記述解析手段
2と、ページ記述の論理構造を抽出するページ構造抽出
手段3と、展開処理を実施する複数の処理装置(PE)
4a,4b,4c,4d,・・・と、これらのリソース
情報を取得するパラメータ取得手段5と、各処理装置へ
の処理配分を決めるプロセス割り付け手段6と、各処理
装置において生成されたイメージからページイメージを
出力するページ生成手段7とから構成されている。
【0008】ページ記述解析手段2は、入力されたペー
ジ記述1を順次解析してその構文解析を行い、ページ中
に含まれる描画オブジェクトの存在領域の抽出を行う。
ページ構造抽出手段3では、ページ記述解析手段2にて
実施した構文解析および描画オブジェクトの存在領域の
抽出結果から、ページ記述1に含まれる描画オブジェク
トの相互依存関係を判定し、ページ記述1の論理構造を
抽出して処理単位への分割を行う。パラメータ取得手段
5は、その処理単位の展開負荷を求めるとともに、実際
に展開処理しようとしている処理装置4a,4b,4
c,4d,・・・のリソースに対してどれだけ動的な負
荷がかかっているかという情報、すなわち、処理装置の
稼働率、有効メモリ数、有効バス帯域幅を有効リソース
の情報として取得する。有効リソースの情報は任意の時
間サンプリングした上で各々その平均値を取得して、処
理装置当たりの偏差値を算出する。プロセス割り付け手
段6は、パラメータ取得手段5より取得した処理単位の
描画オブジェクトの展開負荷と、処理装置4a,4b,
4c,4d,・・・の有効リソース情報とをもとに、展
開負荷の大きい描画オブジェクトを有効リソースの多い
処理装置へ割り付け、展開負荷の小さい描画オブジェク
トを有効リソースの少ない処理装置へ割り付ける処理を
する。処理装置4a,4b,4c,4d,・・・は、プ
ロセス割り付け手段6にて配分された描画オブジェクト
の描画処理を行い、それぞれの処理装置4a,4b,4
c,4d,・・・において生成されたイメージは、ペー
ジ生成手段7にて統合され、ページイメージを生成す
る。
【0009】次に、本発明の実施の形態を、ネットワー
クにより結合されたプリントサーバに適用した場合を例
に説明する。図2はプリントサーバの構成例を示す図で
ある。この図において、複数のクライアント計算機1
1,12,・・・がネットワーク20に接続されてお
り、このネットワーク20にはプリントサーバ30が接
続されている。プリントサーバ30は、ネットワーク2
0に接続されてページ記述を入力する命令解析部31
と、この命令解析部31の出力を受けるように接続され
たページ記述構造化部32と、このページ記述構造化部
32の出力の一部を受けるように接続されたリソース情
報取得部33と、ページ記述構造化部32の出力の一部
を受けるように接続されたプロセス割り付け部34と、
複数の描画処理部35a,35b,35c,35d,・
・・と、バストラフィック監視部36と、画像メモリ3
7と、プリンタインタフェース38とから構成され、リ
ソース情報取得部33、プロセス割り付け部34、複数
の描画処理部35a,35b,・・・、バストラフィッ
ク監視部36、画像メモリ37、およびプリンタインタ
フェース38はバス39によって接続されている。プリ
ンタインタフェース38はプリントエンジン40に接続
されている。さらに、描画処理部35aは、プロセッサ
(CPU)351と、メモリ352と、メモリ監視部3
53とから構成されており、他の描画処理部35b,3
5c,35d,・・・についてもそれぞれ同じ構成であ
り、各々の描画処理部ごとにプロセッサに対応するロー
カルなメモリを有している。
【0010】あるクライアント計算機からプリントサー
バ30がページ記述言語で記述されたページ記述を受け
ると、命令解析部31にて構文解析が行われ、さらに、
ページの中に含まれるオブジェクトごとの存在領域の抽
出が行われる。ページ記述構造化部32では、ページ記
述が構造化されて、領域が独立している、すなわち、存
在領域に重なりのないオブジェクトに分割される。リソ
ース情報取得部33は、そのオブジェクトの展開処理に
必要と思われる展開負荷、すなわち、ページ記述構造化
部32で得られたオブジェクトのオブジェクトサイズを
求め、ページ生成処理を実行するために有効な資源に関
するリソース情報を取得する。すると、オブジェクトサ
イズとリソース情報をもとに得られた有効リソースとか
ら、プロセス割り付け部34は描画処理部35a,35
b,35c,35d,・・・へのオブジェクトの割り付
けを行う。すなわち、プロセス割り付け部34では、展
開負荷の大きい描画オブジェクトが有効リソースの多い
処理装置へ割り付けられ、展開負荷の小さい描画オブジ
ェクトが有効リソースの少ない処理装置へ割り付けられ
る。各描画処理部35a,35b,35c,35d,・
・・において生成された部分的なページイメージは、画
像メモリ37に転送されて最終的なページイメージに合
成され、プリンタインタフェース38を介してプリント
エンジン40より出力される。
【0011】バストラフィック監視部36は描画処理部
相互のバストラフィックを監視して、そのトラフィック
を指定された時間間隔でサンプリングし、リソース情報
取得部33に対して有効バス帯域幅の情報を提供する。
また、各描画処理部内のプロセッサ351は、ローカル
なメモリ352に対するアクセスとバス39を介して他
の描画処理部に対するアクセスとを行う。メモリ監視部
353は、メモリ352へのアクセス頻度を監視して、
各描画処理部内でメモリ352の空き状態を指定された
時間調べて単位時間当たりの平均空きメモリ容量を描画
処理部ごとに取得し、リソース情報の一つとしてリソー
ス情報取得部33に提供する。
【0012】以下、ページ記述展開装置を構成する各構
成要素について説明する。まず、命令解析部31に入力
されるページ記述の例を示す。図3はページ記述の一例
を示す図である。図示のページ記述50によれば、最初
の「Pagesize」において、描画するページのサ
イズを100×100と指定している。次に、「wid
th」により、以降に描画する線の線幅を「5」に指定
している。「move」は描画開始座標点を指定してお
り、x−y座標で(40,10)の位置から描画するこ
とを示している。「line」は「move」で指定し
た描画開始点から描画した線分の終了点を指定してい
る。次に、「width」で線幅を別の値に変更して、
「move」で指定した点を描画開始点として「lin
e」で順次線分を描画する。こうしてすべての描画オペ
レータが実行されると一つのページイメージが生成され
る。
【0013】図4はページ記述に従って生成されたペー
ジイメージの例を示す図である。図示のページイメージ
60は、その外枠がページ記述50の「Pagesiz
e」によって指定されたサイズを示しており、その中
に、描画オペレータが実行されることにより、直線のオ
ブジェクト61、四角のオブジェクト62、三角のオブ
ジェクト63とがその位置に生成されることを示してい
る。
【0014】図3に示すようなページ記述50を入力す
る命令解析部31は、そのページ記述50の構文解析を
行い、内部データ構造を生成する。なお、構文解析の方
式は公知であり、ここではその説明は割愛する。入力さ
れたページ記述50を解析して生成された内部構造の一
例を図5に示す。
【0015】図5はページ記述から生成された内部デー
タ構造の一例を示す図である。命令解析部31におい
て、ページ記述50が構文解析されて内部データ構造が
生成されるが、その内部データ構造は、オペレータのリ
スト71,72,73とオペランドのリスト81,8
2,83とから構成される。各オペレータのリストは対
応するオペランドのリストを参照し、かつ、次のオペレ
ータのリストを参照するようにしている。図中、矢印は
参照先をそれぞれ表している。たとえば、「widt
h」なるオペレータのリスト71は対応するオペランド
のリスト81を参照し、次のオペレータのリスト72を
参照している。
【0016】また、命令解析部31では、ページ中に含
むオブジェクトごとの存在領域を判定するための判定関
数を生成する。図6は存在領域判定用の判定関数を示す
図である。図示の例によれば、ページ記述を解析して内
部構造を生成する過程で、オブジェクト62に対してそ
の領域を判定する判定関数f1(x,y)が生成され、
オブジェクト61に対してその領域を判定する判定関数
f2(x,y)が生成され、そしてオブジェクト63に
対してその領域を判定する判定関数f3(x,y)が生
成される。これらの判定関数f1、f2、f3は、任意
の点x,yを与えたとき、その点を内部に包含するかど
うかの判定を行う。たとえば、f1に(16,21)を
与えたとき、f1(16,21)は真(TRUE)を返
し、f1(10,10)では偽(FALSE)を返す。
【0017】ページ記述構造化部32では、命令解析部
31が生成する図5に示したページの内部構造と図6に
示したオブジェクトの領域判定関数とを基にしてページ
記述を構造化する。
【0018】図7は命令解析部で生成された内部構造表
現をページ記述構造化部で構造化した例を示す図であ
る。図6の判定関数によれば、判定関数f1は判定関数
f2を包含しているので、これを「オブジェクト1」9
1とし、判定関数f3は領域が独立しているので「オブ
ジェクト2」92とする。「オブジェクト1」91は
「オブジェクト1−1」93および「オブジェクト1−
2」94からなり、それぞれのオブジェクトは図5に示
したページの内部構造表現に従ってオペレータリストお
よびオペランドリストにより構造化される。「オブジェ
クト2」92は一つのオブジェクトからなっているの
で、そのオブジェクトについて内部構造表現に従ったペ
ージ記述の構造化が行われる。
【0019】次に、このページ記述の構造化に関するペ
ージ構造の抽出処理の流れについて以下に説明する。図
8はページ構造抽出処理の流れを示すフローチャートで
ある。最初に、命令解析部31において生成された内部
構造のオペレータリストからベースデータをフェッチす
る(ステップS1)。ここで、ベースデータがなく、リ
ストが終了であるかどうかが判定され(ステップS
2)、リストが終了であれば、このページ構造抽出処理
は終了する。リストが終了でなければ、フェッチしたデ
ータがすでに領域判定されているかどうかをフラグで判
定する(ステップS3)。データがすでに領域判定され
ていれば、ステップS1に戻って次のベースデータをフ
ェッチする。もし、未判定であれば、判定領域を該ベー
スデータの領域関数で更新し、同時に新規領域別リスト
を追加する(ステップS4)。次に、該データのサイズ
およびオブジェクトタイプをチェックして領域フィール
ドへ記録し、チェックフラグを立てる(ステップS
5)。
【0020】次に、オペレータリストから現在のベース
データの次のデータを検査データとしてフェッチする
(ステップS6)。ここで、リストが終了であるかどう
かが判定され(ステップS7)、リストが終了であって
検査データがなければ、ステップS1に戻って次のベー
スデータをフェッチする。リストが終了でなければ、先
にフェッチした検査データがすでに領域判定済みかどう
かをチェックフラグで判定する(ステップS8)。ここ
で、チェックフラグが立っていれば、ステップS6に戻
って次の検査データをフェッチする。もし、チェックフ
ラグが立っていなければ、フェッチした検査データが判
定領域に含まれるか否かが判定される(ステップS
9)。ここで、検査データが判定領域に含まれなけれ
ば、ステップS6に戻って次の検査データをフェッチす
る。もし、検査データが判定領域に含まれるならば、該
データを領域別リストへ登録して該検査データのチェッ
クフラグを立てる(ステップS10)。
【0021】この処理の結果、図7に示す構造化された
ページデータが生成される。この実施の形態では、デー
タは、描画領域ごとにまとめて領域ごとのリスト構造と
各々の領域が含むオブジェクトのリスト構造と各オブジ
ェクトの実体とからなる3階層のリスト構造にしてあ
る。オブジェクトの属性フィールドにはオブジェクトの
タイプ、サイズをストアしている。
【0022】リソース情報取得部33は、ページ生成処
理を実行するために有効な資源に関する情報を取得す
る。この実施の形態では、有効な資源は、任意の時間サ
ンプリングをしたCPUの稼働率と平均有効メモリ量と
平均有効バス帯域幅とする。
【0023】図9はリソース情報取得部が取得した情報
の一例を示す図である。リソース情報取得部33が取得
した図示の情報100は、ページ記述の展開処理に利用
することができる描画処理部35a,35b,35c,
35d,・・・の数(PE数)が8つであり、サンプリ
ング時間が10ミリ秒の場合を示しており、サンプリン
グ時間中の各描画処理部当たりの、負荷状況、有効メモ
リ(MB)、有効バス帯域幅(MB/秒)のデータを含
んでいる。なお、この例ではPE数を8、サンプリング
時間を10ミリ秒としているが、これは言うまでもな
く、任意のPE数、任意の時間でサンプリングすること
ができる。
【0024】リソース情報取得部33では、これらの情
報から、描画処理部当たりの処理負荷を計算する。具体
的には、(1)すべての描画処理部の非負荷(すなわ
ち、1から負荷を差し引いた値)、有効メモリ、有効バ
ス帯域幅から平均値を計算し、(2)各描画処理部ごと
に、描画処理部の非負荷、有効メモリ、有効バス帯域幅
の偏差値を求め、(3)描画処理部ごとに(2)で計算
した偏差値の平均値を計算し、(4)(3)で計算した
平均値でソートする。
【0025】図10はリソース情報取得部で計算された
描画処理部当たりの処理負荷の例を示す図である。図示
の計算結果110によれば、各描画処理部に対して、描
画処理部当たりの非負荷、有効メモリ、有効バス帯域幅
の偏差値がそれぞれ求められ、そして、有効なリソース
の偏差値の平均を計算した結果が求められている。この
計算結果110から、有効なリソースが豊富な描画処理
部は、描画処理部の識別番号(PEid)で6,7,
8,5,1,2,4,3の順序であることがわかる。
【0026】次に、プロセス割り付け部34は、ページ
記述構造化部32とリソース情報取得部33における処
理結果から、描画処理部へ描画オペレータ列からなるプ
ロセスを割り付ける。プロセス割り付け部34は、ペー
ジ記述構造化部32にて生成された図7に示す構造化リ
ストからオブジェクトの属性フィールドを読み出して、
オブジェクトサイズが大きい順序でオブジェクトを有効
リソースが豊富な描画処理部へ割り付けるような処理を
行う。このとき、オブジェクトタイプがラスタイメージ
の場合には、オブジェクトサイズが同じである他のタイ
プの画像オブジェクトよりも処理負荷が大きいので、同
一のサイズで異なるタイプの画像オブジェクトに対して
優先的にリソースが豊富な描画処理部へ割り付けるよう
にしている。
【0027】図11はプロセス割り付け部でのプロセス
割り付けの一例を示す図である。この図において、その
左側には、ページ記述構造化部32から得られたオブジ
ェクトごとのオブジェクトタイプおよびオブジェクトサ
イズの表121が示されており、右側にはリソース情報
取得部33から得られた描画処理部ごとの有効リソース
の表122が示されている。これらの表の間を結ぶ矢印
は、プロセス割り付け部34において割り付けられたオ
ブジェクトの割り付け先を示している。
【0028】プロセス割り付け部34では、まず、オブ
ジェクトサイズが最も大きいオブジェクトを有効リソー
スが最も豊富な描画処理部へ割り付ける処理を行う。こ
の例では、オブジェクトサイズが最も大きいオブジェク
トは、オブジェクトの識別番号(id)が1および8
で、オブジェクトサイズが1.2MBと同じである。こ
の場合は、オブジェクトタイプを参照し、オブジェクト
タイプがラスタイメージであるときには、他のタイプの
オブジェクトに優先してリソースが豊富な描画処理部へ
割り付けるので、id=8のオブジェクトが有効リソー
スの最も豊富なPEid=6の描画処理部へ割り付けら
れる。その次に、id=1のオブジェクトが2番目に有
効リソースの豊富なPEid=7の描画処理部へ割り付
けられる。以降は、オブジェクトサイズの大きい順にオ
ブジェクトが有効リソースの豊富な描画処理部へ順に割
り付けられていく。
【0029】このようにしてプロセス割り付け部34で
割り付けられたオブジェクトは、割り付け先の描画処理
部にてそれぞれ部分的なページイメージの生成が行わ
れ、最終的に、画像メモリ37に集められて全体的なペ
ージイメージの生成処理が行われる。
【0030】図12はページイメージ生成処理の概念を
示す図である。プロセス割り付け部34にて処理が割り
付けられたそれぞれの描画処理部35a,35b,35
c,35d,35e,35f,35g,35hは、割り
付けられたオブジェクトからその描画オペレータ列を実
行して描画処理部ごとに部分的なページイメージを生成
する。このようにして、描画処理部ごとに生成された部
分的なページイメージは画像メモリ37に転送され、こ
こで統合されて最終的なページイメージが生成される。
画像メモリ37にて統合されたページイメージは、プリ
ンタインタフェース38を介してプリントエンジン40
へ転送される。
【0031】以上は、図2に示したように、各描画処理
部がそれぞれローカルなメモリを有する分散メモリ型マ
ルチプロセッサを備えたプリントサーバの場合について
示したが、次に、描画処理部の別な構成を例示する。
【0032】図13はプリントサーバの描画処理部の別
な構成例を示す図である。この図では、プリントサーバ
の中でパラメータ取得に関する部分の構成だけを示し、
図2に示した構成要素と同じ要素については同じ符号を
付してある。
【0033】バス39には、バストラフィック監視部3
6と、メインメモリ121と、メモリ監視部122と、
複数の描画処理部123,124,・・・とが接続さ
れ、これにより、共有記憶型マルチプロセッサを構成し
ている。各描画処理部123,124,・・・はそれぞ
れ同じ構成を有し、たとえば描画処理部123において
は、プロセッサ(CPU)123aと、キャッシュメモ
リ123bとから構成されている。
【0034】バストラフィック監視部36は描画処理部
相互のバストラフィックを監視する。メモリ監視部12
2は描画処理部とメインメモリと間のアクセス頻度を監
視する。メインメモリ121は各描画処理部123,1
24,・・・のプロセッサ(CPU)に共有され、バス
を介してアクセスされる。描画処理部123,124,
・・・ごとのキャッシュメモリ(特にスヌープキャッシ
ュと呼ぶ)123bはメインメモリ121の内容の一部
をコピーしたり描画処理部内のデータを保持する。
【0035】バストラフィック監視部36は描画処理部
間を結合するバス39を監視してそのトラフィックを指
定された時間でサンプリングする。メモリ監視部122
はメインメモリ121の空き状態を指定された時間調べ
て単位時間当たりの平均空きメモリ容量を取得する。描
画処理部ごとのキャッシュはメモリ監視部122では監
視しない。これはキャッシュメモリがメインメモリ12
1に比べて高速に動作するため、メインメモリ121と
同一のサンプリング時間ではキャッシュメモリの空き容
量を正確に把握できないためである。各描画処理部12
3,124,・・・のプロセッサ(CPU)稼働率、メ
モリ監視部122にて監視された有効メモリ量、バスト
ラフィック監視部36にて監視されたバス帯域幅の各情
報は、リソース情報取得部33へ与えられる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、複数の
処理装置を有するページ記述展開装置において、各処理
装置への処理配分を処理装置の有効リソース量に応じて
動的に割り付けることで、処理装置上のリソースを効率
的に利用することができる。これによって、展開処理の
待ち行列がある場合や、展開処理中のページ記述がある
場合、ハードウェアが含む処理装置ごとの資源が異なる
場合のように処理装置ごとの稼働率が異なる場合でも、
各処理装置に対して均等な負荷割合で処理を割り付ける
ことができるので、負荷割合を考慮せずに割り付けた場
合に比して、ページイメージ生成時間がワーストケース
の処理装置(リソースに対して割り当て処理量が多い処
理装置)に依存することがない。また、展開処理全体の
時間見積もりも任意の一処理装置の処理量に割り付けオ
ーバーヘッドを加えた時間で見積もることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のページ記述展開装置の原理構成を示す
図である。
【図2】プリントサーバの構成例を示す図である。
【図3】ページ記述の一例を示す図である。
【図4】ページ記述に従って生成されたページイメージ
の例を示す図である。
【図5】ページ記述から生成された内部データ構造の一
例を示す図である。
【図6】存在領域判定用の判定関数を示す図である。
【図7】命令解析部で生成された内部構造表現をページ
記述構造化部で構造化した例を示す図である。
【図8】ページ構造抽出処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図9】リソース情報取得部が取得した情報の一例を示
す図である。
【図10】リソース情報取得部で計算された描画処理部
当たりの処理負荷の例を示す図である。
【図11】プロセス割り付け部でのプロセス割り付けの
一例を示す図である。
【図12】ページイメージ生成処理の概念を示す図であ
る。
【図13】プリントサーバの描画処理部の別な構成例を
示す図である。
【符号の説明】
1 ページ記述 2 ページ記述解析手段 3 ページ構造抽出手段 4a,4b,4c,4d,・・・ 処理装置(PE) 5 パラメータ取得手段 6 プロセス割り付け手段 7 ページ生成手段 11,12,・・・ クライアント計算機 20 ネットワーク 30 プリントサーバ 31 命令解析部 32 ページ記述構造化部 33 リソース情報取得部 34 プロセス割り付け部 35a,35b,35c,35d,・・・ 描画処理部 36 バストラフィック監視部 37 画像メモリ 38 プリンタインタフェース 39 バス 40 プリントエンジン 351 プロセッサ(CPU) 352 メモリ 353 メモリ監視部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ページ記述の展開処理を複数の処理装置
    にて行うページ記述展開装置において、 ページ記述を入力してその構文解析を行うとともにペー
    ジ中に含まれる描画オブジェクトの存在領域の抽出を行
    うページ記述解析手段と、 前記ページ記述解析手段にて実施した構文解析および描
    画オブジェクトの存在領域の抽出結果をもとに前記ペー
    ジ記述に含まれる描画オブジェクトの相互依存関係を判
    定してページ記述の論理構造を抽出するページ構造抽出
    手段と、 展開処理を実施する前記処理装置のそれぞれのリソース
    情報を取得するパラメータ取得手段と、 前記ページ構造抽出手段にて抽出されたページ記述の論
    理構造から展開するページ記述中の各描画オブジェクト
    の展開負荷を求め、前記パラメータ取得手段より取得し
    た前記処理装置のリソース情報をもとに、前記展開負荷
    の大きい描画オブジェクトを有効リソースの多い処理装
    置へ割り付け、展開負荷の小さい描画オブジェクトを有
    効リソースの少ない処理装置へ割り付けるプロセス割り
    付け手段と、 前記プロセス割り付け手段にて割り付けられた各処理装
    置において生成されたイメージ群を統合してページイメ
    ージを生成するページ生成手段と、 を備えていることを特徴とするページ記述展開装置。
  2. 【請求項2】 前記パラメータ取得手段は、前記処理装
    置のリソース情報として処理装置ごとの稼働率、有効メ
    モリ数、有効バス帯域幅を取得し、各々の平均値から算
    出した偏差値に基づいて有効なリソースを順序付けるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のページ記述展
    開装置。
  3. 【請求項3】 ページ記述の展開処理を複数の処理装置
    にて行うページ記述展開方法において、 ページ記述を入力してその構文解析を行い、 ページ中に含まれる描画オブジェクトの存在領域の抽出
    を行い、 抽出された描画オブジェクトの存在領域から描画オブジ
    ェクトの相互依存関係を判定してページ記述の論理構造
    を抽出し、 展開処理を実施する前記処理装置からそれぞれのリソー
    ス情報を取得し、前記ページ記述の論理構造から展開し
    ようとするページ記述中の各描画オブジェクトの展開負
    荷を求め、 取得した前記リソース情報をもとにして前記処理装置を
    有効リソースの多い順にソートし、 前記描画オブジェクトの展開負荷の大きい順に前記ソー
    トした順番で前記処理装置に対して前記描画オブジェク
    トの処理の割り付けを行い、 割り付けられた各処理装置において生成されたイメージ
    群を統合してページイメージを生成する、 ことからなるページ記述展開方法。
  4. 【請求項4】 前記描画オブジェクトの処理の処理装置
    への割り付けを行うステップは、前記描画オブジェクト
    のオブジェクトサイズが同じである場合には、処理負荷
    の大きいオブジェクトタイプの描画オブジェクトを他の
    オブジェクトタイプの描画オブジェクトに優先して、よ
    り有効リソースの多い処理装置に割り付けるようにした
    ことを特徴とする請求項3記載のページ記述展開方法。
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JP2011204079A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理制御装置、画像処理装置及びプログラム
JP2012022695A (ja) * 2000-04-14 2012-02-02 Samsung Electronics Co Ltd デジタルドキュメント処理のための方法
JP2012185697A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Canon Inc 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2019166816A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 キヤノン株式会社 画像処理装置、記録装置及び画像処理方法

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