JPH1034125A - 汚泥・有機性土壌・有害土壌用固化処理剤 - Google Patents

汚泥・有機性土壌・有害土壌用固化処理剤

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JPH1034125A
JPH1034125A JP8199411A JP19941196A JPH1034125A JP H1034125 A JPH1034125 A JP H1034125A JP 8199411 A JP8199411 A JP 8199411A JP 19941196 A JP19941196 A JP 19941196A JP H1034125 A JPH1034125 A JP H1034125A
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Mitsuru Kitahata
満 北畠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土木または各種工場から排出される有機性、
無機性の汚泥または土壌の固化処理に有効で、重金属類
や悪臭を固化生成物内部に封じ込めて再溶出させず、二
次的な環境汚染を防止する能力を持つ固化処理剤を提供
する。 【解決手段】 本固化処理材は、硫酸アルミニウム20
〜50重量部、硫酸カルシウム20〜50重量部、二酸
化ケイ素10〜30重量部、水酸化ナトリウム1〜5重
量部、硫酸ナトリウム1〜5重量部、ソフトセラミック
ス粉体10〜30重量部、紙粉10〜30重量部を配合
した基本的な固化反応剤〔A剤〕と、石炭灰等の焼却灰
30〜60重量部、セメントまたは早強セメント30〜
60重量部を均一に配合・混合した固化剤主剤〔B剤〕
とから成る。〔A剤〕10〜40重量部、〔B剤〕60
〜90重量部が均一に配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浚渫、土木また
は各種工場から排出される有機性、無機性の汚泥または
土壌の固化処理に有効であると同時に、重金属類や悪臭
を固化生成物内部に封じ込める事で再溶出させず、二次
的な環境汚染を防止する能力を持つ固化処理剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、地盤の支持力不足を解消する
為、地盤の締固め、脱水、固化、良質土による置換え
等、多くの方法によって地盤支持力の増大、圧密沈下促
進または止水等、目的と対象土壌によって様々な手法が
模索されてきた。締固め、脱水等は汚泥や有機性土壌、
有害土壌に関しては再汚泥化や再溶出の問題が解消され
ず、良質土の置換えは施工上のコストの問題を解消でき
ない。その他、様々な現場から発生する汚泥、工場排水
から排出される汚泥等、特に、有機性、有害性に問題の
ある汚泥処理に関しては、固化を除く手法では抜本的解
決が図れない。
【0003】そこで、固化剤を検証すると、従来の固化
剤は、主に、セメント系、石灰系に分類される。セメン
ト系は、特に、有機性汚泥、土壌に対してその能力を発
揮できずにいるのが現状である。通常、自然界の土粒子
はマイナスの電荷を持ち、セメントはカルシウム陽イオ
ンである為に、無機性汚泥や土壌に対してはその固化能
力を発揮してくれるものの、有機性汚泥や土壌の場合
は、マイナス電荷の土粒子表面を有機性フミン質がコー
ティングする様に付着し、それ故に、土粒子(−)とセ
メントカルシウムイオン(+)との接触が阻害されてし
まう。つまりカルシウムイオン(セメント成分)の反応
が土粒子を巻き込まずに、独立した形で起こってしまう
為、固化剤としての当初の目的を充分に期待ができな
い。それが有機性汚泥や土壌に対して、反応が阻害され
る要因である。
【0004】一方、石灰系は、水分に触れる事で約20
0℃と言う急激にして強力な発熱反応が引き起こされる
為、有機質の存在の可否に関わらず、強制的に汚泥や軟
弱土壌中の水分を蒸発させてしまう事で固化効果を得よ
うとする物である。その意味で有機性土壌に対して多用
されるのであるが、固化剤としての使用には、同時に大
きな問題を内包している。例えば、石灰で改良された土
の場合、そこに石灰が存在する間中アルカル溶出が継続
する。石灰でもセメントでも、その使用によって得られ
る強度はアルカリに依存している為、アルカリ分の溶出
は強度の溶出と同義語である。石灰改良土からアルカリ
溶出が止まるのは、石灰分が完全に消滅した段階、つま
り、強度も完全に失い再泥化した段階がある。つまり、
再泥化する事が明白な固化剤は、軟弱地盤改良によって
恒久的な構造物を構築する目的においては、長期的安定
を懸念せざるを得ない。また、構造物構築を目的としな
い汚泥処理などの場合にも、再泥化はその流出等の大き
な問題を抱える事になる。それらの目的を考慮した場
合、固化剤は半永久的な団粒構造の維持が、重要なポイ
ントの一つでもある。
【0005】尚、水分との反応でこれだけ強烈な発熱反
応を起こす材料故に、施工時に周辺作業員の安全性や、
使用重機の棄損、周辺住民や周辺施設等に対する二次公
害問題を無視できない。また、石灰系はもとより、セメ
ント系も同様に発熱反応を伴う固化剤であるが故に、汚
泥や土壌中の有害成分や塩分等、問題の原因になってい
る物質に対しては、単に水分を蒸発させ表面に残留させ
てしまうだけで、その処理には一切効果を期待できない
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】固化剤の反応を最も理
想的に設計するとするならば、対象土の有機、無機成分
に影響を受けず、少ない量で充分な反応または固化強度
が得られるもので、使用目的を考慮すれば安価な材料を
選択しなければならない。同時に、周辺にアルカリを溶
出させず、植生にも影響を及ぼさず、接触水の放流によ
っても周辺環境に影響を与えないものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、汚泥・有機性
土壌・有害土壌用固化処理剤に関するものであり、該固
化処理材は、硫酸アルミニウム20〜50重量部、硫酸
カルシウム20〜50重量部、二酸化ケイ素10〜30
重量部、水酸化ナトリウム1〜5重量部、硫酸ナトリウ
ム1〜5重量部、ソフトセラミックス粉体10〜30重
量部、紙粉10〜30重量部を配合し、基本的な固化反
応剤(エキス)〔A剤〕と、石炭灰等の焼却灰30〜6
0重量部、セメントまたは早強セメント30〜60重量
部を均一に配合・混合して固化剤主剤〔B剤〕とから成
り、上記〔A剤〕10〜40重量部、〔B剤〕60〜9
0重量部が均一に配合されていることを特徴とするもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の固化剤は、従来のセメン
ト凝結力に依存してきたソイルセメント工法の欠点を解
消し、更により多くの利点を併せ持った資材として作ら
せたものである。本固化剤はセメントとフライアッシュ
を主剤〔B剤〕としており、その点のみではセメント系
として性質が懸念されるが、本来のセメント系固化剤の
持つ欠点を羅列した上で、それらの緒問題を解決する様
に配合を設計し、有機無機汚泥等の固化試験を通じて決
定したものが固化反応剤〔A剤〕であり、同じく、〔B
剤〕中のフライアッシュ等の焼却灰である。その上にお
いてセメント系固化剤の欠点を徹底的に排除したもので
ある。
【0009】以下、〔A剤〕〔B剤〕それぞれの成分の
働きを個別に解説し、その総体としての相乗効果が前記
の問題点緒点を如何に解決するものであるかを解説す
る。 〔A剤〕 ◇硫酸アルミニウム(Al23):最も多用されている
のが無機凝集剤として用途である。凝集剤として使用す
る場合のメカニズムは、アルミニウム多価イオン(+)
によって、汚濁水中の縣濁物質(−)に橋を架け、それ
らの粒子相互を付着凝集させて団粒化させる効果(架橋
効果)である。固化剤中においても全く同様の効果を期
待して使用されている。上壌粒子を固化剤そのものと共
に団粒化させて、土壌粒子を巻き込んだ固化反応に寄与
している。同時に多くのポゾランの効果はSiO2によ
るものではなく、Al23の反応効果に依存させてい
る。また、酸系であるので、アルカリ傾向の固化剤のメ
カニズム中において、アルカリに対する刺激剤としても
働くので、固化反応を早強化させる効果がある。また、
固化後のアルカリ溶出問題に対しても、アルカリの中和
に一役買うと同時に、固化後のアルカリ分の酸化促進に
も役立ち、故に、アルカリ溶出の防止にも寄与してい
る。
【0010】この場合、酸化促進効果は同時に固化体に
残留する可溶性カルシウム成分を、不溶性化させる様に
も反応するので、複合的に固化体内部に残留するアルカ
リの溶出を抑制する効果にも寄与する(炭酸化反応)。
尚、硫酸塩として、以下の硫酸カルシウムともども、本
固化剤における固化メカニズムの主役の一つであるエト
リンガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・32
2O)やモノサルフェート水和物(3CaO・Al2
3・CaSO4・12H2O)を生成して行く反応に大き
く関係してくる。ちなみに前者は高硫酸塩型であり、後
者は低硫酸塩型となる。
【0011】◇硫酸カルシウム(CaSO4):水和
物、無水和物があり、その二水和物は《石膏》と呼ば
れ、0.5水和物と無水和物の混合物は《焼石膏》と呼
ばれ、いずれも急速な固化が特徴である。また、無水和
物は水との反応過程で、徐々に水酸化カルシウムと無水
硫酸カルシウムとなって固化する。本剤中においては、
フライアッシュ等の焼却灰と並んで、またそれらとの相
互の化学反応を起こし、同時に他の様々な混合薬品類と
の相乗効果によって、エトリンガイトやCSH(珪酸カ
ルシウム水和物)等の水和生成物を生み出す事に寄与し
ている。pHはほぼ中性である。
【0012】◇二酸化ケイ素(SiO2): 別名:シリカ、構造は無定形の物から高圧下で安定なも
のまで様々な多形が存在し、Si−O四面体構造単位の
すべての角が共有された三次元網目構造である。本固化
剤の構成においては、特に、シリカヒュームと呼ばれる
無定形二酸化ケイ素を使用する事が、実験によって固化
反応に最適であるとの結果を得ている。構造がアモルフ
ァス(非晶質)である為、二酸化ケイ素の多形中最も化
学的に活発である。水分の吸着力に優れ(→シリカゲ
ル)、他の種々の薬品と反応しポゾラン効果にも寄与し
ているが、アモルファシリカが固化の全体メカニズムの
中で活躍するのは、特にAl23の加水分解過程で生成
される水酸化アルミニウムコロイドの反応途上に生成す
る重縮合イオンと、反応のpH領域の違いによって生成
される、それらの不溶性無機高分子体の生成行程におい
て非晶質高分子化する事に由来する。故にアモルファシ
リカの存在が固化体の強度発現に貢献する。
【0013】◇水酸化ナトリウム(NaOH):水10
0gに対する溶解度は42g(0℃)、109g(20
℃)、347g(100℃)の潮解性を持つが、本固化
剤においてはこれを単体で用いる事なく、特にフライア
ッシュの微細粒子の中に含ませる事から、それらの微細
粒子が水酸化ナトリウム粒子表面を被覆し、大気との隔
離を行う事によって固化剤として対象物の持つ水分に溶
解するまでは、水酸化ナトリウムの持つ潮解性は発揮さ
れない。尚、対象物の持つ水分と接触する事によって急
速に溶解し、その水溶液は強アルカリ性を示し、腐食性
が強く有機物を分解する。また、以下に記す硫酸ナトリ
ウムと反応し、ケミカルパルプの一種である「硫酸塩パ
ルプ」製造工程に用いられるメカニズムによって、リグ
ニン等の非セルロース物質を溶解する。有機物の分解能
は大変に強力であるが、水溶液が強アルカリを示す事か
ら添加量の調整を要する。
【0014】◇硫酸ナトリウム(Na2SO4):水酸化
ナトリウムと共に非セルロース物質を溶解する為に働
く。硫酸ナトリウムは還元されて硫化ナトリウムとして
機能する。硫化ナトリウムは水酸化ナトリウム同様、潮
解性で強いアルカリ性を示す。添加量調整の必要性は、
水酸化ナトリウムと同じである。
【0015】◇ソフトセラミックス粉体:水処理に使用
される連続多孔質セラミックスの粉体である。使用済み
のセラミックスを再度利用する為に再焼成する過程で、
再焼成分の約30%が粉体となって排出される。連続多
孔質であり1g当たり表面が23m2、強力な吸水能力
を持つ為、再焼成過程で排出される粉体は主に緑化事業
の保水剤としてリサイクルされている。有害物質や臭気
など、水中に溶け込んで害をなす成分を、周辺に各種の
水和物が生成する前段階で水と一緒に取り込み、生成水
和物中にそれらを封じ込める作業に貢献する。尚、焼成
によってセラミックス成分は化学的に不活性であり、残
土中に混合しても経時変化からは一切解放されている
為、安全である。尚、且つ、連続多孔質の性状によっ
て、有機物分解工程において発生する各種ガス性成分を
吸着する能力も発揮する。
【0016】◇紙粉:紙の粉であるが、その粒径はミク
ロンオーダからオングストロームオーダまで在である。
粉状であっても繊維質を持っており、固化体の中でそれ
ぞれの水和物を繋ぎ止め、且つ、また、エトリンガイト
等針状結晶の絡み合う方向性を指示する役割を担う。最
も自然な形で活用できる繊維である。
【0017】〔B剤〕 ◇フライアッシュ等の焼却灰:火力電所等から排出され
る石炭焼却灰、あるいは、製紙工場から排出される製紙
焼却灰(パルプ焼却火)等は、その組成中の成分に数多
くの硬化反応性イオンを内包している(製紙焼却灰は製
紙工程で使用される顔料成分に起因する)。また、その
構造が非常にポーラスであり、且つ、また、微粉である
為に1gあたり表面積は平均して約300m2と膨大で
ある。この膨大な表面積を利用して、汚泥中の水分を、
溶け込んだ有害物質や有機物、臭気等を含めてイオン化
したまま吸着する能力を持つ。また、内包する無機の硬
化反応性イオン類は、その吸水過程でそれらの水分中に
溶かし出され、共に添加混合された前記〔A剤〕の無機
薬品類や、〔B剤〕に含まれるセメント等と相互に反応
して固化のメインメカニズムの一翼を担う。これら焼却
灰の成分組成は、セメント等他の水和反応を起こす成分
と親和性がある。その親和性故にフライアッシュセメン
ト等も作られている。一般に、微細粉であるフライアッ
シュを添加したセメントの場合には、セメント水和反応
の遅効性を得る為に使われるが、本固化剤を構成するフ
ライアッシュ量は、フライアッシュセメントに使用され
る量を遥かに凌ぐ使用量である。その場合、前述した水
分を吸収する能力が固化反応の中で、余分な水分を除去
する方向に作用し、引き出す反応としては逆に各種水和
反応の早強性に貢献してくれる。
【0018】◇ポルトランドまたは早強セメント:言う
までもなくセメント水和反応による凝結の主役である。
他の諸資材を構成する各種成分は、このセメント水和物
に対する多方向からの干渉作用を引き起こす為に用いら
れている。それによって、従来のセメント系固化剤の効
果を圧倒的に超越した現象として発現させる為の物であ
る。
【0019】本発明の固化剤は、以上の様に分類された
諸資材の働きによってメカニズムを構成しているがあく
までもそれら単発的な効果によらず、複合的な相互作用
によって達成される効果である。材料中の粗組成のセメ
ント成分以外は、熔融及び冷却凝固した結果の生成物で
あり、セメント水和物被膜層との間にポゾラン反応が起
こり、エトリンガイト及びケイ酸カルシウム結晶は針状
及びドーナツ状に成長する。エトリンガイトやモノサル
フェート水和物はその化学組職(前記、化学式参照)か
らも明らかな様に、結晶水として多くの水分を固定でき
るので安定処理効果として含水比低下に威力を発揮す
る。また、同時に各種複塩化合物(AL23の一部がF
23,SO4がCO3,CrO4に置換等)を生成する
事ができる為、これらの性質はヘドロやスラッジ処理に
おける重金属の固定に、重要なポインドである事が特記
できる。
【0020】尚、重金属や各種有害物質(臭気も含む)
は、対象土壌の遊離水の中に溶け込んで存在する部分が
大きく、これらはフライアッシュやソフトセラミック粉
体の多孔質部分に吸収されその部分を中心に水和物が生
成したり、上記各種複塩化合物が生成する為、これらの
反応が複合的に効果を高める事になる。尚、土壌中の有
機物は本固化剤の使用によって分解され、あるいは吸収
されるが、エトリンガイトの生成反応は有機物などが存
在する環境にあっても、あまり阻害される事がなく、更
に、メカニズムの一工程に組み入れているセメント水和
反応も、有機物が除外された状況下で本来の水和反応を
取り戻してくれる。
【0021】エトリンガイトの結晶構造は、1μm〜数
10μm位までの様々な大きさの針状結晶を構成し、処
理土中にあって三次元的に組合わさった骨格構造を形成
し、モノサルフェート水和物は数10μmの大きな板状
結晶として生成され、処理土中ではカードハウス状の構
造を呈する。材令の経時的経過と共に、ポゾラン反応生
成物がマトリックスのセメント水和物被膜層に入り込
み、絡み合って一体化し、一方では結晶成長に伴う体積
変化が水和物を緻密化し、固化体の組職を強化する事に
なる。これらフィーラ材的な効果もまた強度発現のメカ
ニズムである。故に、セメント水和単体では得られない
効果を獲得する事が出来るのである。
【0022】尚、ナトリウム、カリウム等の可溶性アル
カリ金属、及びマグネシウム等の焼却灰中の成分、そし
て固化の主役であるカルシウム等の可溶性アルカリ土類
金属は、固化反応後、短時間で炭酸化反応により不溶性
(特に不溶性カルシウム化)に変化する為、アルカリの
溶出が短時間でおさまるのである。尚、前記使用薬剤類
には含んでいないが、入手が容易な場合には、高炉スラ
グ微粉末を一部フライアッシュに置き換えて使用すれ
ば、高炉スラグは石灰、シリカ、アルミナを主要成分と
しており、水硬性成分を含有している為安定処理効果に
寄与する事ができる。また、高炉スラグの水和反応の特
徴として、アルカリ成分や硫酸塩の刺激により、一旦開
始された水和反応が、その後高炉スラグ中の成分により
独自に進行する事にある。
【0023】(実施例1) 石川県七尾市中島地区:高有機性汚泥処理 安定処理混合物の強度試験 試料名 中島地区発生有機汚泥処理 試料含水比 162.82% 試料湿潤密度 γt=1.289t/m3 試料乾燥密度 γt=0.478t/m3 試供体寸法 H10.0×R2.5(cm) 混合方法 手練り 混合時間 3分間 養生方法 空気飽和養生 養生日数 7日間 供試体作成日 平成7年6月17日 供試体試験日 平成7年6月25日
【0024】
【表1】
【0025】固化対象泥土がヘドロと呼ばれる高有機性
汚泥であり、有機物が高濃度に存在している為固化が容
易ではなく、強度試験に供する為の試料段階では、全く
強度を持たないと言って良い性状であった(現場N値は
数mの深度までゼロ)。その試料に1m3あたり100k
g見当の本発明固化剤を混合し、空気養生で7日間経過
した段階で計測した一軸圧縮強度が、1cm2あたり1.4
8kgの強度であった。つまり、1m2では14.8tの荷
重に耐えられる強度が発現した。
【0026】(実施例2) 大分県国東郡「大分フラワーカントリークラブ」:無機
性現場土強度試験 安定処理混合物の強度試験 試料産地 大分県国東郡現場現状土 混合方法 手練り 混合時間 3分間 供試体寸法 H10.0×R5.0(cm) 供試体作成日 平成7年6月11日 試料湿潤密度 γt=1.365(g/cm3) 試料乾燥密度 γt=1.189(g/cm3) 養生方法 自然空気養生 養生日数 7日間
【0027】
【表2】
【0028】[備考]現地現状土の性状及び含水状況か
ら、基本データベースとなる100kg/m3の投入量比
率にて、供試体作成を設定した。なお、(作)は供試体
作成時、(試)は試験時を指す。
【0029】現場は造成盛土を行い、その上を各種重機
が工事作業の為に活動するので、当然その荷重に耐えら
れるだけの強度が要求される。平均6.31kgf/cm2
強度は、1m2あたりの荷重耐性は63.1tあり、要求
された強度をはるかに凌ぐものであった。
【0030】(実施例3) アルカリ溶出に関する試験結果報告書 一関遊水池築堤工事に関する固化体室内試験 1.現場土1m3を改良するにあたり、下記配合を採用
内定とする。 固化剤 70kg *室内試験強度 材令7日強度(第1種強度)4.55
kgf/cm2 2.pH値変動試験 *試験室にある5本の供試体を使用して、pH値の変動
を観察した。 《試験方法》供試体を水に浸け、一定時間後にpH値を
測定した。ある供試体は、1時間経過後に水を交換し、
遊離アルカリイオンを飛ばした後、再度pH値を測定
し、その後のアルカリ溶出の有無を試験した。 供試体♯1:材令12日経過モールド 1本 供試体♯2:材令 3日経過モールド 3本 供試体♯3:材令10日経過モールド 1本
【0031】
【表3】
【0032】3.結論 1時間後pHは、7.4〜10.0の中性から弱アルカ
リ領域を示すが、水で洗い1時間経過させると、pH
は、7.2〜7.4の中性を示す。これは、水に浸すこと
で、モールド表面に付着していた遊離アルカリ分が水中
に溶け出すことから、若干、pHが上昇するものと思わ
れる。 水交換で遊離アルカリを除去したモールドからは、ア
ルカリの溶出は見られない。 pH値は、改良土及び時間(2,000時間にどれだ
け近いか)により多少のバラツキはあるが、最大でも1
周間前後でpH値は中性に落ち着く。
【0033】通常、セメント系の場合は28日経過以降
にアルカリ溶出試験を行う。その位の期間まではアルカ
リ溶出が継続する。石灰系の場合は、現場土中に石灰成
分が存在する間中アルカリ溶出が継続する。固化剤で
は、固化のメカニズム自体をアルカリ反応に依存してい
るので、どうしてもアルカリ溶出を抑制出来ないと言う
問題がある。本発明固化剤もまた固化反応をアルカリ反
応に依存していることは同様であるが、急速な炭酸化反
応によって、残留カルシウム成分を不溶性カルシウム皮
膜とすることによって、非常に短時間でアルカリ溶出を
止めて(抑制)しまう。
【0034】試験方法は、以下の通りである。対象試料
に、1m3あたり70kgの割合で本発明固化剤を添加混
合した供試体を用いる。供試体はそれぞれの番号によっ
て経過日数(材令)が相違し、#1は既にモールド作成
日より12日が経過している為、中性水に浸けて1時間
後に計測したpHでも中性域にあった。そのまま水を交
換せずに、3時間後に再度pHを計測したところ、2時
間前に計測したpHと同じ値を得た。結果からの考察と
しては、材令12日経過によって既にモールドに付着し
た遊離アルカリも酸化されており、更に水交換無しで行
った水浸3時間後のpH計測でも、pH値に変動が無か
ったことから、既にモールド内部からのアルカリ溶出は
無いと判断出来る。
【0035】#2−1〜#2−3までは、モールド作成
からまだ3日しかたっていない。#2−1と#2−2
は、水浸1時間後にpH9.0で、水交換をせずにその
2時間後(水浸3時間後)のpHを計測したところ、p
H値は微増していた。材令3日後では、まだモールド内
部からのアルカリ溶出が若干継続していることが示され
る。但し、#2−3の結果で判断すると、水交換を行っ
たことでモールドに付着していた遊離アルカリが洗い流
された為、水交換2時間後(水浸3時間後)のpHは中
性域にある。つまり、水浸1時間後に検出された9.0
〜9.2のpH値は、その殆どがモールドに付着してい
た遊離アルカリ分であることが推察される。
【0036】#3は、材令10日経過のモールドであ
る。材令12日経過の#1と比較すると、遊離アルカリ
の酸化が進んでいないのが気になるが、作成時の添加量
等の多少の誤差,計測の多少の誤差を考慮して判断せざ
るを得ない。但し、水浸1時間後のpH値は、水交換後
に中性域にあることから、殆どすべてが付着していた遊
離アルカリ分であることが分かる。これらの結果から判
断すると、本発明固化剤を使用すれば、急速に固化体か
らのアルカリ溶出が抑制されると判断される。試験室内
部よりも、自然界の条件(雨,日射等)にさらされる現
場では、遊離アルカリの酸化も日射等でより促進され、
雨で洗浄される場合にも、ビーカー中に残存するアルカ
リと比較するとより低い値で推移することが判断出来
る。また、現在は、降雨自体が酸性雨であることから、
適度な中和が自然に試されることが想定できる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、従来固化が容易でなかった有機性土壌を固化
する作用に大きく貢献する。勿論、無機性土壌の固化に
は全く問題がないことから、本発明固化剤は対象となる
土壌の性質を選ばない固化剤であると言える。主成分で
あるフライアッシュが、構造上非常に微細な多孔質であ
ると言う性状と、配合された薬品類によってもたらされ
る各種水和反応によって、汚泥中に含まれる重金属,有
害物質,臭気等を封じ込める作用が顕著である。また、
従来の固化剤であるセメント系や石灰系が克服出来なか
った、アルカリ溶出による被害を抑制する固化剤として
も機能する。このことから、例えば、有機性土壌の代表
格であるヘドロや農業用地盤改善によって試される農道
建設や、農業用水路の新設・改良等の工事に使用するこ
とで、最も悩みの多かったアルカリ害から解放される。
【0038】その他の改良土壌にしても、これまではセ
メント系や石灰系固化剤を混合することでpH値が上昇
してしまい、廃棄物として処分されてきたが、本発明固
化剤を使用することによって、一般残土として認定され
る条件内にある。本発明固化剤による改良土はよく団粒
化した良質土であり、良質土を必要とする埋立て等の現
場に、転用して再利用することができる。また、主成分
として使用しているフライアッシュ(石炭灰)は、火力
発電所から排出される廃棄物であり、既に全国的に不足
し始めている廃棄物処分場への投棄を回避し、リサイク
ルでの大量使用によって、時代が要請する廃棄物の減量
化に大きく貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 17/06 C09K 17/50 P 17/08 B09B 3/00 ZAB 17/44 301E 17/50 // C09K 103:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸アルミニウム20〜50重量部、硫
    酸カルシウム20〜50重量部、二酸化ケイ素10〜3
    0重量部、水酸化ナトリウム1〜5重量部、硫酸ナトリ
    ウム1〜5重量部、ソフトセラミックス粉体10〜30
    重量部、紙粉10〜30重量部を配合してなる基本的な
    固化反応剤(エキス)と、石炭灰等の焼却灰を30〜6
    0重量部、セメントまたは早強セメント30〜60重量
    部を均一に配合・混合して固化剤主剤とから成り、上記
    固化反応剤10〜40重量部、前記固化剤主剤60〜9
    0重量部が均一に配合されていることを特徴とする汚泥
    ・有機性土壌・有害土壌用固化処理剤。
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