JPH1033942A - 触媒ブロックおよびその製作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒ユニットを確実に保持することができ、
しかも触媒ユニット同士の軸方向の位置ずれを防止する
ことができるシール性の優れた触媒ブロックおよびその
製作方法を提供する。 【解決手段】 内部に多数のハニカム状貫通孔２を有
し、同一の横断面形状と長さを有する触媒ユニット１
を、前後および左右方向に多数並べて外部保持枠５内に
収納した触媒ブロックＤにおいて、各ユニットの外周の
長さ方向の２カ所に所定幅、所定厚さのパッキンを巻付
け、かつ隣接する触媒ユニットＡ、Ｂのパッキン３ａと
３ｃ、３ｂと３ｄは触媒ユニットの幅方向において重複
することなく、かつ触媒ユニットの長さ方向において一
方の触媒ユニットＡのパッキン３ａ、３ｃの端面に、他
方の触媒ユニットＢのパッキン３ｃ、３ｄの端面が接触
するように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、触媒ブロックおよ
びその製作方法に係り、特に排ガス処理用触媒ユニッ
ト、例えば排ガス中の窒素酸化物を除去するハニカム構
造の触媒ユニットであって、触媒ユニットのブロック化
を容易にした触媒ブロックおよびその製作方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】排ガス中の窒素酸化物（ＮＯｘ）を除去
する方法としては、アンモニアなど還元剤を排ガス中に
混合したのち脱硝触媒が内蔵された脱硝装置に導入し、
排ガス中のＮＯｘを選択的に還元する方法が知られてい
る。前記脱硝装置の脱硝触媒には排ガスの流れに対して
平行な触媒面を持つ板状触媒やハニカム触媒が用いら
れ、例えば火力発電所の脱硝装置など大きな反応容積を
必要とする脱硝触媒は、工場で脱硝触媒ユニットを複数
個組合わせたものを１つの発送単位にする触媒ブロック
化を行い、現地の脱硝装置内に必要数だけ触媒ブロック
を組込む方法が採用されている。

【０００３】触媒のブロック化に関連するものとして
は、例えば特開昭５３−１３７８６６号公報、実開昭５
７−１４９０４号公報に記載されたものがあり、隣接す
るハニカム触媒ユニット間、触媒ユニットとその保持枠
間にパッキンを充填してブロック化を図り、脱硝触媒の
破損を防ぐとともに触媒層周縁の気密性の確保を図って
いる。

【０００４】工場における触媒のブロック化は、図６に
示すようにＬ形保持枠５−１上にパッキン３を置き、触
媒ユニット１とパッキン３を交互にセットして触媒ユニ
ット１を複数個積層した後、図７に示すように保持枠５
−２、５−３を組立て矢印ａ側より枠５−２、５−３に
圧縮力を加えた状態でＬ形保持枠５−１と保持枠５−
２、Ｌ形保持枠５−１と保持枠５−３、保持枠５−２と
保持枠５−３の接合部ｂを溶接等で固定して触媒ブロッ
クＤを製作する。

【０００５】ブロック化は、パッキン３の圧縮に対する
復元力を利用して触媒ユニット１を一体に保持する力と
しているが、さらに保持力を均一化するため排ガス流れ
方向側に格子補強材６が設けられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、触
媒ユニット間、保持枠と触媒ユニット間にパッキンを介
在させる作業は構造上人手作業となり、量産になると作
業効率が悪くなる。また、触媒ブロックの形状が大きく
なればなるほど格子状補強材の数が増すため、製造コス
トも高くなる。

【０００７】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、触媒ユニットを確実に保持することができ、し
かも触媒ユニット同士の軸方向の位置ずれを防止するこ
とができるシール性能の優れた触媒ブロックおよびその
製作方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。 （１）同一の横断面形状と長さを有し内部に多数のハニ
カム状貫通孔を有する触媒ユニットを、前後および左右
方向に複数個並べて外枠内に収納した触媒ブロックにお
いて、各々の触媒ユニット外周には所定幅、所定厚さの
パッキンを巻付け、かつ隣接する触媒ユニットのパッキ
ンはいずれも触媒ユニットの幅方向において重複するこ
となく、かつ触媒ユニットの長さ方向において一方の触
媒ユニットのパッキンの端面に、他方の触媒ユニットの
パッキンの端面が接触するように配置されていることを
特徴とする触媒ブロック。

【０００９】（２）各触媒ユニットは四角形断面形状を
有し、かつその外周の長さ方向の２個所に所定幅、所定
厚さのパッキンを巻付けたことを特徴とする（１）の触
媒ブロック。 （３）同一の横断面形状と長さを有し内部に多数のハニ
カム状貫通孔を有する触媒ユニットを、前後および左右
方向に複数個並べて外枠内に収納した触媒ブロックにお
いて、隣接する触媒ユニットのうちの一方の触媒ユニッ
トはその長さ方向のほぼ両端付近外周に所定幅、所定厚
さのパッキンをそれぞれ取付け、かつ他方の触媒ユニッ
トにはその両端より中央寄りの２個所外周に所定幅、所
定厚さのパッキンを取付けるとともに、隣接する触媒ユ
ニットの各パッキン同士は触媒ユニットの幅方向におい
て重複することなく、かつ触媒ユニットの長さ方向にお
いて一方の触媒ユニットのパッキンの端面に、他方の触
媒ユニットのパッキンの端面が接触するように取付けら
れていることを特徴とする触媒ブロック。

【００１０】（４）同一の横断面形状と長さを有し内部
に多数のハニカム状貫通孔を設けた触媒ユニットを、前
後および左右方向に複数個並べて外枠内に収容してなる
触媒ブロックの製作方法において、該触媒ユニットの一
方の端部付近外周に所定幅、所定厚さのパッキンを取付
け、他方の端部にはその端部より前記パッキンの幅分だ
け中央側寄りに所定幅、所定厚さのパッキンを取付け、
触媒ユニットを外枠内に収容する際には隣接する触媒ユ
ニットの軸方向のパッキンの取付け位置を交互に反転さ
せることにより、一方の触媒ユニットのパッキンの幅方
向端部に他方の触媒ユニットのパッキンの幅方向端部が
接触するようにしたことを特徴とする触媒ブロックの製
作方法。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明の具体例に係る触媒
ユニットの一例の構成を示す斜視図である。四角筒形の
触媒ユニット１（１５０mm角−６００mm長さ）の外周両
端面に幅５０mm、厚さ６mmのパッキン３ａ、３ｂを接着
剤４で取付けた触媒ユニットＡと、両端面よりパッキン
３ａ、３ｂ幅分だけパッキンの取付け位置を内側へずら
せてパッキン３ｃ、３ｄを取付けた触媒ユニットＢを示
している。図２は図１におけるII−II線断面図を示して
いる。図３はパッキン３の取付け位置が異なる前記触媒
ユニットＡと触媒ユニットＢをＬ形保持枠５−１上に、
貫通孔２が互いに平行に位置するように触媒ユニット
Ａ、触媒ユニットＢを交互に上下方向、左右方向へ規制
正しく複数個配置した具体例を示している。触媒ユニッ
トＡ、Ｂを複数個配置したとき、隣合う貫通孔２の方向
のパッキン３ａと３ｃ、パッキン３ｂと３ｄの端面が互
いに接するよう、図１に示すようにパッキン３ａ、３
ｂ、パッキン３ｃ、３ｄはその取付け時にあらかじめ位
置決めされて接着剤４で接着されているので、複数個配
置する作業は、機械的に交互に置くだけで図３に示すよ
うに触媒ブロックＤを形成することができる。

【００１２】また、触媒ユニットＡと触媒ユニットＢを
交互に上下方向、左右方向へ配置することによって、触
媒ユニットＡ、Ｂの長さ方向におけるシールは触媒ユニ
ットＡのパッキン３ａと触媒ユニットＢのパッキン３
ｃ、触媒ユニットＡのパッキン３ｂと触媒ユニットＢの
パッキン３ｄとの接触によってシールすることができ、
しかもパッキン３ａとパッキン３ｃ、パッキン３ｂとパ
ッキン３ｄとの接触によって触媒ユニットＡ、Ｂの長さ
方向への位置ずれが防止できる。

【００１３】なお、触媒ユニットＡ、Ｂの間、触媒ユニ
ットＡ、Ｂと保持枠５−１、５−２、５−３の間は触媒
ブロックＡ、Ｂのパッキン３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄのい
ずれかによってシールされるので、触媒ユニットＡ、Ｂ
へのパック圧（触媒ブロックＤにしたときの保持枠５に
よる圧力）を最小限にすることができる。積層された触
媒ユニット１は、それぞれ外周壁に巻付け接着したパッ
キン３同士が貫通方向で接し、かつ四方外周壁をお互い
のパッキン３で押さえ囲まれているので、このようにし
てブロック化された触媒ブロックＤの触媒ユニット１の
相互間のずれが起こりにくく、シール性も良好である。

【００１４】本発明の他の実施例を図４に示す。図４の
具体例は同一寸法に製作した触媒ユニット１の片方の端
部にパッキン３ａを取付け、他端にはパッキン３の幅分
だけ位置をずらせて３ａ側にパッキン３ｄを取付けた触
媒ユニットＣをブロック化で積層するときに、図５に示
すように貫通方向（ハニカム軸方向）を交互に反転して
配置させたものである。この具体例の触媒ユニット１の
ずれ防止の効果は図３のものに比較して若干劣るが、シ
ール性は同じである。

【００１５】また、触媒ユニット１の左端にパッキン３
ａ、右端からパッキン３の１枚の幅分だけ内側にパッキ
ン３ｄを取付けた触媒ユニットＣによって、図５に示す
触媒ブロックＤを製作する場合は触媒ユニットＣの１種
類の触媒ユニットＣで触媒ブロックＤが製作できるので
安価である。なお、触媒ユニットＣを１つおきに左端と
右端を反転して配置することによって触媒ブロックＤを
簡単に製作できる。

【００１６】上記したように、本発明の触媒ブロックで
は積層された触媒ユニットは、隣合う触媒ユニットのパ
ッキン同士の貫通方向の端面がお互いに接した構造で、
しかも各パッキンが触媒ユニットに接着されているの
で、触媒ユニットの貫通方向に力がかかっても、パッキ
ン同士が干渉して位置ずれが生じることがない。また、
外周１層目以外は隣合う触媒ユニットのパッキンで四方
外周壁を囲まれることから機械抵抗が増加し、触媒ユニ
ットのずれや触媒ユニット間および保持外枠と触媒ユニ
ット間等のガスリークが減少する。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、ブロック化において触
媒ユニットを確実に相互に位置ずれを生じないように保
持でき、輸送時や現地据付け時の触媒ユニットに対する
衝撃力が軽減され、触媒の損傷が減少できる。また、触
媒ユニットへのパッキン取付けが単体でできるので、接
着管理が容易て作業の機械化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のハニカム触媒構成斜視図。

【図２】図１のII−II線矢視方向断面図。

【図３】本発明のブロック化実施例を示す斜視図。

【図４】本発明の他の実施例のハニカム触媒斜視図。

【図５】本発明の他の実施例のブロック化斜視図。

【図６】従来法によるブロック化におけるハニカム組立
て斜視図。

【図７】従来法によるブロック化斜視図。

【符号の説明】

１…触媒ユニット、２…触媒セル貫通孔、３、３ａ〜ｄ
…パッキン、４…接着剤、５−１…Ｌ形保持枠、５−
２、５−３…保持枠。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 同一の横断面形状と長さを有し内部に多
   数のハニカム状貫通孔を有する触媒ユニットを、前後お
   よび左右方向に複数個並べて外枠内に収納した触媒ブロ
   ックにおいて、各々の触媒ユニット外周には所定幅、所
   定厚さのパッキンを巻付け、かつ隣接する触媒ユニット
   のパッキンはいずれも触媒ユニットの幅方向において重
   複することなく、かつ触媒ユニットの長さ方向において
   一方の触媒ユニットのパッキンの端面に、他方の触媒ユ
   ニットのパッキンの端面が接触するように配置されてい
   ることを特徴とする触媒ブロック。
2. 【請求項２】 各触媒ユニットは四角形断面形状を有
   し、かつその外周の長さ方向の２個所に所定幅、所定厚
   さのパッキンを巻付けたことを特徴とする請求項１記載
   の触媒ブロック。
3. 【請求項３】 同一の横断面形状と長さを有し内部に多
   数のハニカム状貫通孔を有する触媒ユニットを、前後お
   よび左右方向に複数個並べて外枠内に収納した触媒ブロ
   ックにおいて、隣接する触媒ユニットのうちの一方の触
   媒ユニットはその長さ方向のほぼ両端付近外周に所定
   幅、所定厚さのパッキンをそれぞれ取付け、かつ他方の
   触媒ユニットにはその両端より中央寄りの２個所外周に
   所定幅、所定厚さのパッキンを取付けるとともに、隣接
   する触媒ユニットの各パッキン同士は触媒ユニットの幅
   方向において重複することなく、かつ触媒ユニットの長
   さ方向において一方の触媒ユニットのパッキンの端面
   に、他方の触媒ユニットのパッキンの端面が接触するよ
   うに取付けられていることを特徴とする触媒ブロック。
4. 【請求項４】 同一の横断面形状と長さを有し内部に多
   数のハニカム状貫通孔を設けた触媒ユニットを、前後お
   よび左右方向に複数個並べて外枠内に収容してなる触媒
   ブロックの製作方法において、該触媒ユニットの一方の
   端部付近外周に所定幅、所定厚さのパッキンを取付け、
   他方の端部にはその端部より前記パッキンの幅分だけ中
   央側寄りに所定幅、所定厚さのパッキンを取付け、触媒
   ユニットを外枠内に収容する際には隣接する触媒ユニッ
   トの軸方向のパッキンの取付け位置を交互に反転させる
   ことにより、一方の触媒ユニットのパッキンの幅方向端
   部に他方の触媒ユニットのパッキンの幅方向端部が接触
   するようにしたことを特徴とする触媒ブロックの製作方
   法。