JPH10338787A - 耐γ線性にすぐれるハロゲン含有樹脂組成物 - Google Patents

耐γ線性にすぐれるハロゲン含有樹脂組成物

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JPH10338787A
JPH10338787A JP15068697A JP15068697A JPH10338787A JP H10338787 A JPH10338787 A JP H10338787A JP 15068697 A JP15068697 A JP 15068697A JP 15068697 A JP15068697 A JP 15068697A JP H10338787 A JPH10338787 A JP H10338787A
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JP
Japan
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halogen
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containing resin
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mercaptobenzimidazole
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JP15068697A
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Kimihiro Fujii
公博 藤井
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】γ線照射による変色が実質的になく、しかも、
硫黄臭のないハロゲン含有樹脂組成物を提供することに
ある。 【解決手段】本発明による耐γ線性にすぐれるハロゲン
含有樹脂組成物は、ハロゲン含有重合体100重量部に
対して、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛
塩、2−メルカプトメチルベンツイミダゾール、2−メ
ルカプトベンツイミダゾール、2−(4'−モルホリノジ
チオ)ベンゾチアゾール、2,4,6−トリメルカプト−S
−トリアジン、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウ
ラムジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール及
び4,4'−ジチオジモルホリンから選ばれる少なくとも1
種を0.5〜5重量部の範囲で配合してなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐γ線性にすぐれ
るハロゲン含有樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン含有樹脂からなる成形品
の重要な用途の一つとして、絆創膏、プラスター、皮膚
貼付薬シート等の医療用シート製品のための基材シー
ト、おむつカバー用シート等のシート成形品や血液バッ
グ等の袋状成形品、注射器のような成形品、食品の包装
材料等の分野がある。このような用途には、その成形品
を予め殺菌処理することが必要である。
【0003】従来、一般に、種々の製品の殺菌処理の方
法として、煮沸処理やエチレンオキサイドガス滅菌が知
られている。このうち、煮沸処理は、処理後に製品に残
る湿気を除く必要があり、しかも、耐熱性に乏しいハロ
ゲン含有樹脂からなる成形品の殺菌処理には、本来、不
適当である。他方、エチレンオキサイドガス滅菌は、エ
チレンオキサイドガスが元々、毒性を有するために、残
留ガスの除去やその廃棄処理等、環境衛生上、種々の問
題がある。
【0004】そこで、乾式及び低温での殺菌処理が可能
であり、処理費用が比較的低廉であり、しかも、処理に
要する時間が著しく短いので、生産性の高い処理方法と
して、γ線照射による殺菌処理が知られている。このγ
線殺菌処理は、通常、60Coや 137Cs等の放射線源を
用いて、殺菌対象の材質、性状、汚染状況等を考慮し
て、照射総線量を調整するが、医療用の種々の製品の殺
菌処理においては、照射線量は、通常、20〜30kG
y程度であり、照射時間は、通常、0.5〜2秒程度であ
る。しかしながら、ハロゲン含有樹脂からなる成形品
に、このように、γ線を照射すれば、照射直後には、変
色はみられないものの、時間が経過すれば、樹脂が黄色
又は褐色に変色して、外観や製品価値を損なう問題があ
る。
【0005】かかるγ線照射による経時変色の問題を解
決するために、従来、種々の方法が知られている。例え
ば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン
系化合物、ジアルキルチオジカルボン酸エステル等の従
来より知られている酸化防止剤を樹脂に配合する方法の
ほか、有機スズメルカプト安定剤とエポキシ化合物との
併用(特開昭55−125142号公報)、有機スズメ
ルカプト安定剤と多価アルコールの脂肪酸エステルとの
併用(特開昭55−125144号公報)、有機スズメ
ルカプト安定剤とポリエチレングリコールとの併用(特
開昭56−61448号公報)等が提案されている。し
かしながら、これらの方法によっても、γ線照射による
変色の防止効果、即ち、耐γ線性は十分ではない。
【0006】更に、ハロゲン含有樹脂に含硫黄系ジ有機
スズ安定剤とチオアルコールとを組合わせて配合する方
法も知られているが(特開平2−189352号公
報)、しかし、この方法によれば、特に、製品における
チオアルコールによる硫黄臭が強いのみならず、製品の
製造時における硫黄臭も強く、ハロゲン含有樹脂の成形
品からなる医療用製品に用いるシートや成形品の殺菌処
理方法としては、不適当である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン含
有樹脂からなる成形品のγ線殺菌における上述したよう
な問題を解決するためになされたものであって、耐γ線
性にすぐれ、しかも、硫黄臭のないハロゲン含有樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による耐γ線性に
すぐれるハロゲン含有樹脂組成物は、ハロゲン含有重合
体100重量部に対して、4,4'−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンツ
イミダゾール亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンツイミ
ダゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール、2−
(4'−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、2,4,6−
トリメルカプト−S−トリアジン、テトラキス(2−エ
チルヘキシル)チウラムジスルフィド、2−メルカプト
ベンゾチアゾール及び4,4'−ジチオジモルホリンから選
ばれる少なくとも1種を0.5〜5重量部の範囲で配合し
てなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、ハロゲン含有重
合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、塩素化ポリ塩化ビニル等の単独重合体のほか、
塩化ビニルと酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステア
リン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピ
レン等のα−オレフィン類、メチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、
ステアリルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸類、メチル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香
族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル類等の重合性共単量体との共重合体を挙
げることができる。これらのなかでは、特に、ポリ塩化
ビニルが好ましく用いられる。
【0010】本発明によるハロゲン含有樹脂組成物は、
このようなハロゲン含有重合体100重量部に対して、
4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛塩、2−
メルカプトメチルベンツイミダゾール、2−メルカプト
ベンツイミダゾール、2−(4'−モルホリノジチオ)ベ
ンゾチアゾール、2,4,6−トリメルカプト−S−トリア
ジン、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジス
ルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール及び4,4'−
ジチオジモルホリンから選ばれる少なくとも1種を0.5
〜5重量部の範囲で配合してなるものである。
【0011】上記は、ゴム用老化防止剤としてよく知ら
れているものである。本発明によれば、予期せざること
に、ハロゲン含有樹脂組成物にこれらの所定の老化防止
剤を配合することによって、すぐれた耐γ線性を付与す
ることができ、かくして、本発明による樹脂組成物は、
γ線照射後も、経時変色が実質的に起こらない。
【0012】しかし、これら老化防止剤の配合量がハロ
ゲン含有重合体100重量部に対して、0.5重量部より
も少ないときは、γ線照射後の経時変色が尚、大きく、
他方、5重量部よりも多いときは、樹脂組成物が硫黄臭
を有するようになるので、好ましくない。本発明によれ
ば、上記老化防止剤の配合量は、特に、ハロゲン含有重
合体100重量部に対して、0.55〜0.45重量部の範
囲が好ましい。
【0013】どのようなゴム用老化防止剤も、ハロゲン
含有樹脂組成物に耐γ線性を付与するものではなく、本
発明に従って、所定の老化防止剤を配合することによっ
てのみ、ハロゲン含有樹脂組成物にすぐれた耐γ線性を
付与することができる。例えば、テトラメチルチウラム
ジスルフィドのような老化防止剤をハロゲン含有樹脂組
成物に配合しても、初期着色が著しく、目的とする耐γ
線性にすぐれる樹脂組成物を得ることができない。
【0014】本発明による樹脂組成物は、必要に応じ
て、可塑剤、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤、着色剤、上記以外の老化防止剤等を適量、配
合してもよい。
【0015】本発明による樹脂組成物は、ヘンシェルミ
キサー等のような適当な混合装置を用いて、ハロゲン含
有重合体を前記老化防止剤ほか、必要に応じて、可塑
剤、安定剤、着色剤等と共に混合した後、カレンダー成
形、押出成形、射出成形、ブロー成形等、適宜の成形法
にて所要の成形品に成形すればよい。一般に、予め黄色
や黒色に着色した樹脂組成物では、γ線照射による黄色
又は褐色への変色は目立たないが、白色又は透明の樹脂
組成物では、γ線照射による黄色又は褐色への変色は目
立ちやすい。従って、本発明による樹脂組成物は、白色
又は透明の樹脂組成物に好適である。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によるハロゲン含
有樹脂組成物は、所定の老化防止剤を配合してなり、γ
線照射後も、実質的に変色せず、かくして、耐γ線性に
すぐれているので、医療用の種々の成形品、食品の包装
材料等に好適に用いることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0018】実施例1〜11及び比較例1〜9 表1及び表2に示すように、平均重合度1300のポリ
塩化ビニル100重量部にポリエステル可塑剤52重量
部、酸化チタン12重量部及びCa−Zn系安定剤2重
量部と共に種々の老化防止剤を配合し、2本ロールにて
170℃で0.07mm厚さのシートに成形した。このよ
うにして得た塩化ビニル樹脂シートの臭気の有無を官能
試験によって判定した。○は硫黄臭が殆どない、△は硫
黄臭が少しある、×は硫黄臭が強い、を示す。
【0019】次に、上記塩化ビニル樹脂シートの製造の
直後の着色(初期着色)を目視にて調べると共に、この
塩化ビニル樹脂シートに25.5〜25.9kGyの線量で
γ線を照射した後、ギヤオーブン中で40℃で1か月放
置したときの着色(経時変色)を色差計を用いて照射前
と比較、調査した。初期着色の評価は、○は初期着色が
ない、×は初期着色がある、を示す。経時変色は、γ線
の照射前との比較において、ΔEが2.5以上のときは、
変色が著しく、このように変色する成形品は実用性がな
いが、ΔEが2.5未満のときは、実用性があると判断さ
れる。結果を表1及び表2に示す。表1及び表2中、略
号は次の老化防止剤を意味する。
【0020】a:4,4'−チオビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール) b:2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛塩 c:2−メルカプトメチルベンツイミダゾール d:2−メルカプトベンツイミダゾール e:2−(4'−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール f:2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン g:テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスル
フィド h:2−メルカプトベンゾチアゾール i:4,4'−ジチオジモルホリン j:テトラブチルチウラムジスルフィド k:テトラエチルチウラムジスルフィド l:テトラメチルチウラムジスルフィド m:2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシル
アミン塩 n:チオアルコール(日東化成株式会社製KK−726
1)
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】以上に示す結果から、本発明によるハロゲ
ン含有樹脂組成物は、所定の老化防止剤の少量の配合に
よって、硫黄臭がないか、又は少なく、しかも、γ線照
射後の経時の変色も殆どない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン含有重合体100重量部に対し
    て、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
    ノール)、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛塩、
    2−メルカプトメチルベンツイミダゾール、2−メルカ
    プトベンツイミダゾール、2−(4'−モルホリノジチ
    オ)ベンゾチアゾール、2,4,6−トリメルカプト−S−
    トリアジン、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラ
    ムジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール及び
    4,4'−ジチオジモルホリンから選ばれる少なくとも1種
    を0.5〜5重量部の範囲で配合してなることを特徴とす
    る耐γ線性にすぐれるハロゲン含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】可塑剤及び安定剤を含有する請求項1に記
    載のハロゲン含有樹脂組成物。
JP15068697A 1997-06-09 1997-06-09 耐γ線性にすぐれるハロゲン含有樹脂組成物 Pending JPH10338787A (ja)

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