JPH10337476A - メタン酸化触媒 - Google Patents

メタン酸化触媒

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JPH10337476A
JPH10337476A JP16514997A JP16514997A JPH10337476A JP H10337476 A JPH10337476 A JP H10337476A JP 16514997 A JP16514997 A JP 16514997A JP 16514997 A JP16514997 A JP 16514997A JP H10337476 A JPH10337476 A JP H10337476A
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JP
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catalyst
sapo
palladium
methane oxidation
supported
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JP16514997A
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English (en)
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Kiyoshi Noro
清 野呂
Kazuhiro Nomura
和弘 野村
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Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toho Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタン酸化触媒の触媒活性を改善し、水蒸気
が共存し、かつ排ガス温度が低い条件下においても、未
燃メタンを効率よく酸化させることができ、かつ耐久性
の優れたメタン酸化触媒を提供すること。 【解決手段】 シリコアルミノホスフェート系材料を触
媒担体とし、該シリコアルミノホスフェートの酸点もし
くは細孔構造内に、イオン交換法により1〜2重量%の
Pd及び1〜2重量%のPtを高分散担持させるように
した。また、前記シリコアルミノホスフェート系材料の
酸点もしくは細孔構造内に、さらにイオン交換法により
1〜2重量%のLa又は1〜2重量%のCeを高分散担
持させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼ガスエン
ジンの排ガス中に含まれる未燃メタンを酸化させるため
のメタン酸化触媒に関し、さらに詳しくは、水蒸気が共
存する排ガス条件下においても、希薄燃焼ガスエンジン
から排出される未燃メタンを効率よく酸化させることが
でき、かつ高い耐久性を維持することができるメタン酸
化触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスエンジンは、ガスの燃焼を利用して
発電すると共に、その排熱を冷暖房、給湯などの熱需要
に利用する熱併給発電(コージェネレーション)に用い
られる機関の一つである。ガスエンジンは、種々の形態
のものが開発されているが、排ガス処理技術で分類すれ
ば、三元触媒法と希薄燃焼法に分けられる。
【0003】三元触媒法は、空気過剰率が1近傍の狭い
範囲でNOx、CO、及びHCの三成分を同一触媒で同
時に処理する方式である。一方、希薄燃焼法は、過剰空
気中でガスを燃焼させ、火炎温度を下げ、NOx発生量
を抑制する方式である。三元触媒法と異なり、希薄燃焼
法は、触媒交換のためにエンジンを停止する必要がな
く、エンジンの熱効率が高く、イニシャルコストも安い
等のメリットがある。
【0004】しかしながら、希薄燃焼法は、低NOxで
ある反面、排ガス中に含まれるメタン(CH4 )等の未
燃分が多いという欠点を有していた。排ガス中に含まれ
るメタン(CH4 )等の未燃分については、現在、規制
はされていないが、二酸化炭素(CO2 )の約21倍の
温室効果を有することから、将来の規制も予想されてお
り、また、地球環境の点からもできるだけ抑制すること
が望ましい。さらに、排ガス中に含まれるメタン等の未
燃分を酸化処理できれば、排ガス温度上昇による廃熱回
収効率の向上が図れ、経済的メリットもある。そのた
め、このような未燃メタン等を酸化処理するための酸化
触媒が種々開発されている。
【0005】例えば、「平成8年触媒研究発表会講演予
稿集、P96」には、コージェライト製ハニカムに、担
体のアルミナをウオッシュコートし、さらにその上に浸
漬法によりパラジウム(Pd)及び/又は白金(Pt)
を担持させた触媒が開示されている。
【0006】また、「76th CATSJ Meet
ing Abstracts、No.1B08、p47
8」には、シリコアルミノホスフェート((SixAly
z)O2、以下「SAPO」という)を硝酸アンモニウ
ム(NH4NO3 )を用いてアンモニウムイオン(NH4
+)でイオン交換し、450℃で空気焼成してH型とし
た後、テトラアンミンジクロロパラジウム(Pd(NH
34Cl2 )を用いてイオン交換し、SAPO上に1重
量%のパラジウムを高分散担持させた触媒が開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、浸漬法により
パラジウムを単独でアルミナ上に担持させた触媒では、
希薄燃焼ガスエンジンの排ガス温度(約400℃)に相
当する低温領域ではメタンの酸化活性が低いという欠点
があった。また、水蒸気を含む実際の排ガス条件下で
は、排ガス中に含まれる水蒸気がメタンの酸化反応を阻
害するために触媒活性が低く、さらに排ガス中に含まれ
る水蒸気の影響により担持金属がシンタリングを起こす
ために触媒の耐久性が低いという欠点があった。
【0008】さらにまた、浸漬法でパラジウムをアルミ
ナコート層に担持させているため、パラジウムが高分散
担持されておらず、このため触媒活性が低く、実用に足
りる高い触媒活性を得るにはパラジウム担持量を10g
/l(推定6重量%程度)とする必要があり、触媒のコ
ストが高くなるという欠点があった。
【0009】また、浸漬法によりパラジウムと白金をア
ルミナ上に複合担持させた触媒では、水蒸気共存下にお
けるメタン酸化活性及び耐久性等を向上させることがで
きるが、実用に足りる特性とするには、パラジウム担持
量を10g/l程度(推定6重量%程度)、及び白金担
持量を10g/l程度(推定6重量%程度)とする必要
があり、さらにコストが高くなるという欠点があった。
【0010】さらに、イオン交換法による後者の触媒で
は、イオン交換の際、テトラアンミンジクロロパラジウ
ム(Pd(NH34Cl2 )が水中で解離して酸性を呈
するため、これにSAPOを浸漬するとSAPO中のS
i成分が溶け出し、SAPOの結晶構造が破壊され、触
媒性能が低下するという欠点があった。また、このよう
な酸性条件下では、SAPO表面上でイオン交換された
パラジウムイオン(Pd2+)が再びプロトン(H+ )と
交換されるため、パラジウムイオン交換率が低下すると
いう欠点があった。これを避けるためには、イオン交換
中にアンモニア水を適宜追加して水溶液を常に塩基性に
保つ等の手段を講じる必要があり、イオン交換が煩雑で
あるという欠点があった。
【0011】本発明は、上記した従来技術の欠点を除く
ためになされたものであって、その目的とするところ
は、メタン酸化触媒の触媒活性を改善し、水蒸気が共存
する排ガス条件下における未燃メタンの酸化率を飛躍的
に向上させることである。
【0012】また他の目的は、イオン交換法を用いてS
APOの酸点に触媒金属を高分散担持させることによ
り、メタン酸化率を向上させるとともに、触媒金属消費
量を大幅に削減してメタン酸化触媒の低価格化を図るこ
とである。
【0013】さらに他の目的は、パラジウムと白金をS
APOの酸点又は細孔構造内に複合担持させることによ
り触媒金属のシンタリングによる触媒劣化を防止し、長
期にわたり高い触媒活性を維持することが可能なメタン
酸化触媒とすることである。
【0014】また他の目的は、パラジウムと白金の他に
さらに助触媒としてランタン(La)又はセリウム(C
e)を添加することにより、メタン酸化触媒の耐久性と
酸化活性をさらに高めることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
請求項1に記載の発明は、シリコアルミノホスフェート
(SAPO)系材料を触媒担体とし、このSAPO系材
料の触媒担体における酸点もしくは細孔構造内にパラジ
ウム(Pd)及び白金(Pt)を高分散担持させたこと
を要旨とするものである。これにより、従来触媒よりも
少ない貴金属担持量であっても、水蒸気共存下における
メタン酸化触媒の酸化活性と耐久性とを飛躍的に向上さ
せることが可能となる。
【0016】ここで、本発明に用いるSAPOは、アル
ミノホスフェート(AlPO4 )のAl及びPの一部が
Siにより置換されたものであり、そのためにアルミノ
ホスフェートのフレームワークに酸点を有し、イオン交
換現象を示す、モレキュラーシーブの一種である。本発
明は、このイオン交換現象を利用して、SAPOの酸点
又は細孔構造内に貴金属触媒を高分散担持させるもので
ある。
【0017】SAPOは、燐源、アルミニウム源、珪素
源及び有機テンプレートを含む水性混合物を調製し、密
閉圧力容器内で100〜250℃の温度で水熱反応する
ことにより合成される。通常、燐源としてはオルト燐酸
が、アルミニウム源としては擬ベーマイト、アルミニウ
ムアルコキシド等が、珪素源としてはシリカゾル、融合
シリカ、非晶質沈殿シリカ、シリカゲル、シリコンアル
コキシド等が、又、有機テンプレートとしては、アミ
ン、第4級アンモニウム化合物等が用いられる。
【0018】有機テンプレートは、結晶成長の際、細孔
を形成する型となるものであり、使用する有機テンプレ
ートにより種々の結晶構造を有するSAPOを合成する
ことができる。例えば、有機テンプレートとしてテトラ
プロピルアンモニウムを用いると、0.7〜0.8nm
のポア径を有するAFI型の「SAPO−5」が、ジ−
n−プロピルアミンを用いると、0.6nmのポア径を
有するAEL型の「SAPO−11」が、又、テトラエ
チルアンモニウムを用いると、0.4nmのポア径を有
するchabazite型の「SAPO−34」が得ら
れる。どのような結晶構造のSAPOを触媒担体として
用いるかは、触媒の種類によって、適宜最適なものを選
ぶ必要がある。
【0019】パラジウムは、発火点の高いメタンを効率
よく酸化させる触媒としての作用を有するものであり、
SAPO上に高分散担持させることにより、高いメタン
酸化活性を有するメタン酸化触媒を得ることができる。
【0020】また、白金は、担持量が少ない場合には、
単独では発火点の高いメタンを効率よく酸化させる作用
をほとんど持たないが、パラジウムと複合担持させる
と、メタンの酸化活性を著しく向上させることが可能と
なる。特に、パラジウムを単独で担持させた触媒では、
水蒸気が共存する排ガス雰囲気中においては、未燃メタ
ンの酸化活性が著しく低下するのに対し、パラジウムと
白金とを複合担持させた触媒では、酸化活性の低下が少
なく、高いメタン酸化率を長時間維持することができる
という効果がある。
【0021】貴金属担持量は、多いほど初期活性と耐久
性が向上する傾向にあるが、この場合、前記シリコアル
ミノホスフェート系材料の触媒担体に対するパラジウム
(Pd)の担持量は、1〜2重量%、前記白金(Pt)
の担持量は1〜2重量%の範囲であることが特に望まし
い(請求項2)。
【0022】パラジウム担持量が1重量%以下では十分
な酸化活性が得られないからであり、また2重量%以上
担持させるのは、むしろ高コストとなるからである。
【0023】また、白金担持量が1重量%以下では十分
な複合化効果が認められないからであり、また2重量%
以上担持させても効果に差はなくむしろ高コストとなる
からである。
【0024】また、請求項3に記載の発明は、パラジウ
ム(Pd)及び白金(Pt)を複合担持させた前記SA
POの酸点又は細孔構造内に、助触媒としてさらにラン
タン(La)もしくはセリウム(Ce)を高分散担持さ
せたことを要旨とするものである。これにより、パラジ
ウム及び白金のみを担持させた場合に比べて、水蒸気共
存下におけるメタン酸化触媒の酸化活性と耐久性とをさ
らに向上させることが可能となる。
【0025】ランタン及びセリウムは、それぞれ単独で
はほとんどメタン酸化触媒としての作用を有しないが、
パラジウム及び白金と同時にSAPO上に担持させるこ
とにより、パラジウム及び白金の初期活性と耐久性をさ
らに高める助触媒としての作用を有するものである。
【0026】この場合、前記シリコアルミノホスフェー
ト系材料の触媒担体に対するランタン(La)の担持量
は1〜2重量%、セリウム(Ce)の担持量は1〜2重
量%の範囲であることが特に望ましい(請求項4)。
【0027】ランタン又はセリウムの担持量が1重量%
以下では初期活性及び耐久性向上効果が認められないか
らであり、また2重量%以上担持させても効果に差はな
くむしろ高コストとなるからである。
【0028】本発明に係る触媒は、各種の方法により製
造されるが、その一例を次に示す。まず、触媒担体の形
状としては、市販のSAPO自体を原料に用いて、ハニ
カム形状の触媒担体としたり、16〜60メッシュ程度
に整粒した粒状の担体としてもよい。また、コージェラ
イト等を原料に用いてハニカム状の基材を作製し、この
上にSAPOの微粉をウオッシュコートしても良い。
【0029】次いで、このような担体をパラジウム塩、
白金塩等を含む水溶液に浸漬して所定条件下、イオン交
換を行い、乾燥、還元後、さらに酸素気流中において焼
成することによりメタン酸化触媒が得られる。
【0030】なお、ランタン又はセリウムをSAPOに
担持させる場合は、初めにパラジウム塩等を含む水溶液
を用いてイオン交換した後、ランタン塩又はセリウム塩
の水溶液を加える必要がある。パラジウム塩等と同時に
ランタン塩等を加えると、ランタン又はセリウムが選択
的にイオン交換され、パラジウム及び白金の担持量が減
少するからである。
【0031】イオン交換に用いるPd塩は、硝酸パラジ
ウム(Pd(NO32)、テトラアンミンジクロロパラ
ジウム(Pd(NH34Cl2 )、テトラアンミンパラ
ジウム硝酸塩(Pd(NH34(NO32)等でもよい
が、これらの塩は水溶液中で酸性を示す欠点がある。す
なわち、SAPOは、酸性溶液中ではSiが溶解して結
晶構造が破壊されるので、これらの塩を使用すると触媒
性能が低下し、イオン交換率も減少する。これを避ける
ためには、イオン交換中にアンモニア水を滴下してpH
を7程度に保持する等の手段を講じる必要があり、イオ
ン交換が煩雑である。
【0032】従って、使用するPd塩としては、水溶液
中でアルカリ性を示すテトラアンミンパラジウム水酸塩
(Pd(NH34(OH)2 )が特に望ましい。該塩を
使用すると、イオン交換中にアンモニア水を滴下する等
の手段が不要となるので、イオン交換工程が極めて簡略
化され、かつイオン交換率も向上するという効果がある
からである。
【0033】イオン交換に用いる白金塩は、種々の塩が
使用可能であるが、パラジウムの場合と同様の理由か
ら、水溶液中でアルカリ性を示すテトラアンミン白金水
酸塩(Pt(NH34(OH)2)が特に望ましい。
【0034】イオン交換に用いるランタン塩及びセリウ
ム塩も同様に、水溶液中でアルカリ性を示す塩が望まし
いが、パラジウム塩及び白金塩としてそれぞれテトラア
ンミンパラジウム水酸塩及びテトラアンミン白金水酸塩
を用いる場合には、酢酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等、各
種の塩を用いることができる。これらの塩は、水溶液中
で酸性を呈するものであるが、テトラアンミンパラジウ
ム水酸塩等と同時に用いる場合には、水溶液のpHが6
〜7程度となるので、SAPOに悪影響を与えないから
である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0036】(実施例1)まず初めに、予備実験とし
て、触媒担体として最も適するSAPOを特定する試験
を行った。
【0037】触媒担体として、結晶構造の異なる3種の
SAPO(SAPO−5(水澤化学工業製、以下同
じ)、SAPO−11(UOP製)、及びSAPO−3
4(UOP製))を用い、これらを酸素気流中、600
℃で6時間焼成して、有機テンプレート等の不純物を除
去した後、これらをそれぞれテトラアンミンパラジウム
水酸塩水溶液と混合し、80℃で6〜12時間イオン交
換した。次いで、混合物を濾過して純水で洗浄し、12
0℃で12時間乾燥し、さらに水素気流中、300℃で
3時間還元した後、酸素気流中、600℃で6時間焼成
することにより、パラジウムを1重量%担持させた種々
のPdイオン交換SAPOを調製した。
【0038】次に、これらのPdイオン交換SAPOを
成形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1
gを反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成し
た。さらに、これを所定温度まで降温した後、反応試験
を行い、各Pdイオン交換SAPO触媒の初期活性を調
べた。
【0039】反応試験は、常圧固定床流通式反応試験装
置を用い、試験温度を250〜600℃とし、水蒸気を
含む反応ガス(メタン(CH4 )=4000ppm、一
酸化炭素(CO)=500ppm、二酸化炭素(C
2)=5%、水蒸気(H2O)=10%、残部窒素(N
2))を流速5000ml/hrで供給して行った。ま
た、比較のため、水蒸気を全く含まない反応ガスについ
ても、同様に反応試験を行った。
【0040】結果を図1に示す。水蒸気非共存下ではS
APO−11=SAPO−5>SAPO−34の順に高
い活性を示し、400℃の低温において、SAPO−1
1及びSAPO−5のメタン酸化率は95%を越えた。
しかし、10%の水蒸気共存下では著しく活性が低下
し、反応温度400℃におけるメタン酸化率は、SAP
O−5(65.1%)>SAPO−11(28.4%)
>SAPO−34(24.3%)の順になった。この結
果から、パラジウムを担持させる触媒担体としては、S
APOー5が最も優れていることがわかった。
【0041】次に、触媒担体としてSAPO−5を選択
し、触媒貴金属源としてテトラアンミンパラジウム水酸
塩及び/又はテトラアンミン白金水酸塩を用いた以外
は、前記予備実験と同一の手順により、パラジウム1重
量%及び白金1重量%を担持させたPdーPtイオン交
換SAPO(1%Pdー1%Pt−SAPO−5)、パ
ラジウム1重量%を担持させたPdイオン交換SAPO
(1%Pd−SAPOー5)、及び白金1重量%を担持
させたPtイオン交換SAPO(1%Pt−SAPO−
5)をそれぞれ調製した。
【0042】得られたこれらのイオン交換SAPOを成
形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1g
を反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成した。
さらに、これを所定温度まで降温した後、耐久試験を行
った。
【0043】耐久試験は、常圧固定床流通式反応試験装
置を用い、試験温度を400℃、試験時間を40時間と
し、水蒸気を含む反応ガス(メタン(CH4 )=400
0ppm、一酸化炭素(CO)=500ppm、二酸化
炭素(CO2 )=5%、水蒸気(H2O)=10%、残
部窒素(N2))を流速5000ml/hrで供給する
ことにより行った。また、比較のため、水蒸気を全く含
まない反応ガスについても、同様に耐久試験を行った。
結果を図2に示す。
【0044】1%Pd−SAPO−5触媒は、水蒸気を
含まない反応ガスの場合は、40時間経過後も95%以
上の高いメタン酸化率を示した。しかし、水蒸気を含む
反応ガスの場合は、試験時間初期においてメタン酸化率
が40〜50%まで急激に低下し、40時間耐久後はさ
らに約20%まで低下した。また、1%Pt−SAPO
−5触媒は、当初からほとんどメタン酸化活性を示さ
ず、メタン酸化率は5%以下であった。一方、1%Pd
−1%Pt−SAPO−5触媒は、試験時間初期にメタ
ン酸化率が68%から約50%に低下したが、その後メ
タン酸化率は安定し、40時間耐久後も40%以上の高
いメタン酸化率を示した。
【0045】以上の結果から、パラジウムと白金をSA
PO上に複合担持させると、パラジウムを単独で担持さ
せた場合と比べて、実際の排ガス温度に相当する低温領
域(400℃近傍)での初期活性が高く、かつ水蒸気が
共存する排ガス条件下でも高い耐久性を示すことがわか
った。
【0046】また、白金のみを1重量%担持させた触媒
では、水蒸気が共存し、かつ排ガス温度が低い条件下で
は、ほとんでメタン酸化活性を示さなかったが、本発明
の方法によりパラジウムと複合担持させることにより、
白金担持量が少なくても初期活性と耐久性が著しく向上
するという、従来例にはない際立って優れた効果を奏す
ることがわかった。
【0047】(実施例2)触媒担体として、SAPO−
5を用い、これらを酸素気流中、600℃で6時間焼成
して、有機テンプレート等の不純物を除去した後、これ
らをそれぞれテトラアンミンパラジウム水酸塩及びテト
ラアンミン白金水酸塩を含む水溶液と混合し、80℃で
6時間イオン交換した。次いで、これに酢酸ランタン
(La(OCOCH33)又は酢酸セリウム(Ce(O
COCH33)の水溶液を加えて、さらに80℃で6時
間イオン交換を行った。
【0048】次に、混合物を濾過して純水で洗浄し、1
20℃で12時間乾燥し、さらに水素気流中、300℃
で3時間還元した後、酸素気流中、600℃で6時間焼
成することにより、パラジウム1重量%、白金1重量%
及びランタン1重量%を担持させたPdーPtーLaイ
オン交換SAPO触媒(1%Pdー1%Pt−1%La
ーSAPO−5)、及びパラジウム1重量%、白金1重
量%及びセリウム1重量%を担持させたPdーPtーC
eイオン交換SAPO触媒(1%Pdー1%Pt−1%
Ce−SAPOー5)をそれぞれ調製した。
【0049】また、比較のため、上記と同様の手順に従
い、セリウム1重量%のみを担持させたCeイオン交換
SAPO触媒(1%Ce−SAPOー5)を調製した。
【0050】得られたこれらのイオン交換SAPOを成
形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1g
を反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成した。
さらに、これを所定温度まで降温した後、水蒸気を10
%含む反応ガスについて、実施例1と同様の手順により
耐久試験を行った。その結果を図3に示す。
【0051】1%Ce−SAPOー5は、ほとんどメタ
ン酸化活性を示さなかったが、1%Pdー1%Pt−S
APOー5にさらにセリウムを1重量%担持させた、1
%Pdー1%Pt−1%Ce−SAPOー5では、試験
時間初期にはメタン酸化率が80%を越え、40時間耐
久後も約60%の高いメタン酸化率を示した。
【0052】また、1%Pdー1%Pt−1%LaーS
APO−5も、同様に、試験時間初期においてはメタン
酸化率80%以上、40時間耐久後もメタン酸化率約5
0%を維持しており、実施例1において作製した1%P
dー1%Pt−SAPOー5よりも高い初期活性と耐久
性を示した。
【0053】以上の結果から、パラジウムと白金をSA
PO上に複合担持させると共に、さらにランタン又はセ
リウムを担持させると、実施例1における1%Pd−1
%Pt−SAPO−5触媒よりも、さらに低温領域(4
00℃近傍)での初期活性が高く、かつ水蒸気が共存す
る排ガス条件下でも高い耐久性を示すことがわかった。
【0054】また、セリウムのみを1重量%担持させた
触媒では、水蒸気が共存し、かつ排ガス温度が低い条件
下では、ほとんどメタン酸化活性を示さなかったが、本
発明のように、パラジウム及び白金に加えて、ランタン
又はセリウムとを複合担持させると、ランタン又はセリ
ウムの担持量が僅かであっても、初期活性と耐久性が著
しく向上するという、従来例にはない際立って優れた効
果を奏することがわかった。
【0055】(比較例1)触媒担体として16〜60メ
ッシュのアルミナを用い、浸漬法により1重量%のパラ
ジウムを担持させた1%Pd/アルミナ触媒、並びに1
重量%のパラジウム及び1重量%の白金を担持させた1
%Pd−1%Pt/アルミナ触媒をそれぞれ調製した。
得られた上記の各触媒について、実施例1における予備
実験と同一の手順により、10%の水蒸気を含む反応ガ
スについて、反応試験を行った。結果を図4に示す。
【0056】従来型の1%Pd/アルミナ触媒は、全温
度域にわたって1%Pd−SAPO−5触媒よりもメタ
ン酸化率が低く、ガスエンジンの排ガス温度に相当する
400℃においては、後者の65.1%に対して、前者
はわずか10.8%であった。また、1%Pd/アルミ
ナ触媒にさらに1%の白金を複合担持させた1%Pd−
1%Pt/アルミナ触媒については、メタン酸化率の増
加はわずかであり、400℃におけるメタン酸化率は、
14.3%であった。
【0057】以上の結果は、従来型のアルミナ触媒で
は、低温における触媒活性が低く、高いメタン酸化率を
得るには、触媒担持量を多くする必要があることを示し
ている。また、従来型触媒では、パラジウム及び白金の
担持量が、各1%程度の低担持量では、複合化効果がほ
とんど認められないことを示している。
【0058】一方、以上の結果は、触媒担体としてSA
POを用いることは、貴金属触媒消費量を大幅に低減す
る上で極めて重要であり、さらに、第2図及び第3図か
ら明らかなように、パラジウムの他に、白金、セリウム
等を複合担持させると、触媒金属担持量が僅かであって
も著しい複合化効果が発現され、従来型触媒では得られ
なかった高いメタン酸化活性と耐久性が得られることを
示している。
【0059】なお、本発明は、上記した実施例に何ら限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の改変が可能である。例えば、SAPO自体をハ
ニカム形状としたり、あるいはコージェライト等でハニ
カム形状の基材を作製し、その上にSAPOをウオッシ
ュコートし、その後、パラジウム等をイオン交換法によ
り担持させても上記実施例と同様の効果が得られる。
【0060】また、上記実施例では、貴金属担持量を各
1重量%としているが、これに限定されるものではな
く、貴金属担持量を増加させれば、さらに初期活性及び
耐久性を向上させることが可能となるので、コスト対効
果の兼ね合いから適宜、最適な触媒担持量を選択すれば
よい。
【0061】
【発明の効果】本発明は、上記のようにSAPOにパラ
ジウム及び白金を高分散担持させたので、メタン酸化触
媒の触媒活性が著しく向上し、水蒸気が共存する排ガス
条件下においても未燃メタンの酸化率を飛躍的に向上さ
せることができるという効果がある。また、SAPOの
酸点又は細孔構造内に触媒金属を高分散担持させたの
で、メタン酸化率が向上し、その結果、触媒金属消費量
を大幅に削減できるのでメタン酸化触媒の低価格化を図
ることができるという効果がある。
【0062】さらに、パラジウムと白金をSAPOの細
孔構造内に複合担持させたので、触媒金属のシンタリン
グによる触媒劣化を防止され、その結果、長期にわたり
高い触媒活性を維持することができるという効果があ
る。
【0063】また、パラジウムと白金の他にさらに助触
媒としてランタン(La)又はセリウム(Ce)を添加
することにより、従来例にはない、高い酸化活性と耐久
性とを有するメタン酸化触媒が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々のPd−SAPO触媒のメタン酸化の初期
活性を示す図である。
【図2】本発明に係るPd−Pt−SAPO触媒の触媒
活性の経時変化を示す図である。
【図3】本発明に係るPd−Pt−Ce−SAPO触媒
及びPd−Pt−La−SAPO触媒の触媒活性の経時
変化を示す図である。
【図4】従来型触媒のメタン酸化の初期活性を示す図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコアルミノホスフェート系材料を触
    媒担体とし、該シリコアルミノホスフェート系材料の触
    媒担体における酸点もしくは細孔構造内に、Pd及びP
    tが高分散担持されていることを特徴とするメタン酸化
    触媒。
  2. 【請求項2】 前記シリコアルミノホスフェート系材料
    の触媒担体に対するPdの担持量が1〜2重量%、前記
    Ptの担持量が1〜2重量%の範囲であることを特徴と
    する請求項1記載のメタン酸化触媒。
  3. 【請求項3】 前記シリコアルミノホスフェート系材料
    の触媒担体における酸点又は細孔構造内に、さらにLa
    もしくはCeが高分散担持されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載のメタン酸化触媒。
  4. 【請求項4】 前記シリコアルミノホスフェート系材料
    の触媒担体に対するLaの担持量が1〜2重量%、Ce
    の担持量が1〜2重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載のメタン酸化触媒。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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