JPH10337455A - 水素透過性膜の製造方法 - Google Patents

水素透過性膜の製造方法

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JPH10337455A
JPH10337455A JP14895297A JP14895297A JPH10337455A JP H10337455 A JPH10337455 A JP H10337455A JP 14895297 A JP14895297 A JP 14895297A JP 14895297 A JP14895297 A JP 14895297A JP H10337455 A JPH10337455 A JP H10337455A
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JP
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hydrogen
plating
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film
particles
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JP14895297A
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English (en)
Inventor
Toshiro Kobayashi
敏郎 小林
Toyoaki Yasui
豊明 安井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pd系水素透過膜の製造において、多孔質体
表面へのPd〜Ag(パラジウム〜銀)電気めっき法が
適用されると、めっきの進行中に被めっき体の表面で活
性状態の水素が発生するため、めっき膜内に残留して組
織の内部歪発生の原因となって、めっき膜のクラック
(亀裂)発生からその破壊に至り、水素透過性膜の性能
及び寿命を阻害するようなことがあり、めっき法による
水素透過性膜製造上の大きな課題である。 【解決手段】 めっき液中に化学的、電気的に不活性な
平均粒子径が100nm以下の微細粒子を、1〜100
g/リットルの濃度で分散、浮遊させて電気めっきを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度水素ガスの
製造装置や精製装置に適用される水素分離膜及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素混合ガスから高純度の水素ガスを分
離・回収する手段として、水素を選択的に透過する金属
膜(箔)を使う方法が、既に実用化されている。例え
ば、パラジウム(Pd)系金属膜が極めて高い水素選択
透過性を示すことを利用して、現在、半導体製造用水素
の分離、精製などに実用されている。
【0003】Pdおよびその合金膜が示す水素選択透過
現象は、水素混合ガス中の水素分子がPd膜に吸着され
て原子状態になり、さらにイオン化して膜の反対側に拡
散して再結合し、再び水素ガスになるためとされてい
る。工業的には膜の混合ガスに接触する面の圧力を該膜
の反対側面の圧力よりやや高くして水素透過の推進力を
付加し、膜を透過して出て来る水素を集めて回収するこ
とにより、水素混合ガスから高純度の水素を回収するあ
るいは精製するプロセスとして使用することができる。
【0004】以下に従来の水素透過性膜(箔)の製造方
法について簡単に説明する。膜にはPdまたはPdとA
g(銀)の合金が一般的に使われるが、最近ではPdに
各種の希土類元素を配合した新材料も開発されている。
成膜法としては、膜の支持体となる多孔質体の表面にめ
っき法でPd〜Ag合金膜を形成させる場合が多い。例
えば、電気めっき、無電解めっき等が挙げられる。
【0005】最近、透過性膜の実用性が認められるにつ
れて、各種の改善努力が高まってきている。例えば、次
のような点の改良を目指して実用的な見地からの技術開
発が各所で行われている。 1)水素の選択透過性が大きく、さらに膜厚が小さくで
き、水素透過抵抗が小さいこと。膜の機械的強度が大き
いこと。 2)成膜時の欠陥発生がなく生産歩留りも高く、膜コス
トが低いこと。 3)金属膜の場合、金属が水素との接触で冶金的変化を
受けて脆化し強度低下するようなことがなく、耐用寿命
が長いこと等。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来から、Pd系水素
透過膜の製造には、多孔質体表面へのPd〜Ag(パラ
ジウム〜銀)めっき法がしばしば用いられることは前述
した。電気めっき法が適用されると、めっきの進行中に
被めっき体の表面で活性状態の水素が発生するので、め
っき膜内に残留して組織の内部歪発生の原因となって、
めっき膜のクラック(亀裂)発生からその破壊に至り、
水素透過性膜の性能及び寿命を阻害するようなことがあ
った。これはめっき法による水素透過性膜製造上の大き
な課題であった。すなわち、めっき層を作る析出金属の
結晶構造に水素が取り込まれると(金属の格子空間に水
素が浸入すると)、金属格子を歪ませて内部応力発生の
原因となる。この時、単位量の金属中に同一量の水素が
存在しても、局所的に偏在する場合の方が、平均的に分
布する場合に比較して材料欠陥の原因となり易い。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来法における前記課題
の解決手段として、本発明では、めっき液中に化学的、
電気的に不活性な平均粒子径が5〜100nm(1nm
は10-9m)の微細粒子を、1〜100g/リットルの濃度
で分散、浮遊させて電気めっきを行う。
【0008】
【発明の実施の形態】電気めっき法は、めっき界面に
は、めっきされる金属の析出と共に発生機の水素ができ
る。めっき膜内にこの水素が大量に吸蔵されたり、部分
的に大量に偏在すると、めっき金属の欠陥が発生し易
い。めっき界面での現象は、化学式を用いて次のように
表せる。 Me+ +e- → Me(但し、Meは金属原子。) H+ +e- → H (但し、H+ は水の電離で発生、H
は発生機の水素原子。) 2H → H2 (ガス分子)
【0009】本発明は、めっき膜中の水素含有量分布を
できるだけ均一にし、水素の偏在の影響を抑えると共
に、めっき膜中の含有水素量を可能な限り低くする手段
として、不活性微粒子をめっき液中に分散させた。
【0010】めっき液中に分散させた不活性微細粒子
は、めっき界面で次のような作用を及ぼして、発生する
水素によるめっき膜の被害を軽減する。 1)めっき液中に分散した不活性な微細粒子が、めっき
進行界面に存在することによって、めっき面と粒子の接
触点付近の電気抵抗が増し、その周辺には高い電流密度
を持っためっき界面が現れて、その部位にはめっき金属
(Pd+ ,Ag+)が優先的に析出する。以上のような
粒子接触点付近の高電流密度部位がめっき進行面の至る
ところに存在するため、めっき金属は同時に数多くの核
発生を起こして、析出結晶は微細化する(粒子表面活性
度も大きくなる。)。従って、金属結晶相互の接触点
も、結晶径が大きい場合より多くなり、めっき現象によ
って同時的に発生する水素を金属膜内に吸蔵する場合
も、膜を形成する金属結晶の全面に分布し易く、多量の
水素の偏在を防止して材質欠陥の発生を防止する。
【0011】2)微細粒子は単位重量当りの表面積(比
表面積)が極めて大きく表面活性度が高いため、めっき
液中に微細な粒子を分散させておくことによって、めっ
き界面に流動する粒子がめっき界面に発生する水素を吸
着、払拭してめっきされる膜表面を清浄化するため、金
属めっき膜内に吸蔵される水素量は低減され、膜欠陥の
発生が抑制される。
【0012】3)めっき液中に分散させる微細粒子の粒
子径の下限は、現在工業的に製造できる極限粒子径であ
る5nmとし、上限はめっき液中での分離(沈降)が起
こり難いように100nmとした。粒子径範囲をこのよ
うに選ぶことにより、粒子に極めて大きな表面活性度を
持たせることができ、さらにブラウン運動によって、粒
子は沈降分離を起こすことなく、めっき界面に極限まで
近づいて水素を吸着除去できる。
【0013】4)めっき液中の粒子濃度は、微細粒子が
めっき液中に安定的に分散し、かつ通常的なPdめっき
条件で本発明効果が発揮できる濃度を実験的に調査した
結果で1〜100g/リットルとした。
【0014】本発明の対象である水素透過性膜の膜に
は、PdまたはPd系合金を用いることができる。Pd
系合金としては、PdとAg(銀)の合金、PdとY
(イットリウム)の合金、PdとGd(ガドリニウム)
の合金、PdとAgとYとの合金等が挙げられる。
【0015】本発明で用いることができる基体に関して
は、不活性微粒子の使用によって制限されることなく、
通常使用できる基体が使用でき、SUS410の直径2
〜10μmのファイバーを加圧燒結した多孔体が挙げら
れる。
【0016】本発明で用いる微粒子は、めっき液中に化
学的に、電気的に不活性な粒子をいい、セラミック微粒
子、高分子微粒子が挙げられる。これらの微粒子は、表
面処理を特に必要とせず、表面処理の有無にかかわらず
使用できる。セラミック微粒子としては、SiO2 、A
2 3 、ZrO2 、TiO2 等が挙げられ、好ましく
は、SiO2 、Al2 3 である。高分子微粒子として
は、PP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)が挙げられ、好ましくは、PPであ
る。前述のように、本発明で用いる微粒子の平均粒径
は、100nm以下であり、より具体的には、下限は、
現在工業的に製造できる極限粒子径である5nmとし、
上限はめっき液中での分離(沈降)が起こり難いように
100nmである。
【0017】本発明では、めっき液中に化学的、電気的
に不活性な微粒子を、1〜100g/リットルの濃度で分
散、浮遊させて電気めっきを行う。1g/リットル未満で
は、結晶の微細化が不十分で割れを防止できず、100
g/リットルをこえると、めっき液の粘度が大きくなり不都
合だからである。
【0018】
【実施例】本発明に基づいて、Pd〜Ag合金めっき膜
を基体上に作りその特性を調査する実験を行った。 実施例1 供試する基体はSUS410板材(厚さ1mm)とし、そ
の上にNi(ニッケル)めっき液を用いて極微厚のめっ
き(ストライクめっき)層を作った後、本提案によるめ
っき液を使って10μm厚の電気めっきを行った。めっ
き条件及びめっき液の組成は次のようにした。 <めっき液> <めっき条件> Pd(NH3)4(NO3)2 :0.1mol/リットル 浴温度 25℃ Ag(NH3)2 NO3 :0.01mol/リットル 電流密度 1A/dm2 NH4 NO3 :0.4mol/リットル pH :9.5 (アンモニア水で調整) 分散粒子種 セラミックス(SiO2) 粒子径 平均粒子径 16nm 粒子濃度 30g/リットル
【0019】実験で得ためっき試体は、洗浄、乾燥後、
本発明の分散粒子を添加していない従来のめっき液を用
いて作成しためっき試体と比較した。前記の二種のめっ
き試体の表面を、電子顕微鏡を用いて倍率10,000倍に拡
大して観察し、めっき表面の割れをチェックした。その
結果、本発明による試体には、めっき面の割れは見当た
らなかったが、従来法による試体では結晶粒界に沿って
できた割れが認められた。この試験結果により、本発明
を適用して製作した水素透過性合金めっき膜は、初期欠
陥のない均質な膜であることが確認でき、水素分離膜を
製作する場合も機械的強度の大きいものが得られると推
定された。
【0020】実施例2 SUS製金属不織布から成る金属多孔質支持体の上に、
真空蒸着法によって約100μm厚のNi(ニッケル)
の柱状構造膜を作り、本発明の電気めっき法を適用する
基体とした。上記基体上に、実施例1と同一のめっき液
及び同一のめっき条件を適用してPd〜Agめっき膜を
10μm成膜した。得られたPd〜Agめっき膜を供試
体として、水素透過性能試験装置を用いて水素透過性を
測定したところ、温度500℃、差圧2kgf/cm2
の条件下で、水素透過量35 m3N/m2hを示した。この
水素透過性能値は、Pd〜Ag20%の冷間圧延膜(1
0μmt )と比較して遜色がなく、本発明による水素透
過性膜の実用性に問題がないことが判った。
【0021】
【発明の効果】本発明の適用により、電気めっき法によ
る水素透過性Pd(合金)膜の製造において、めっき時
に発生する水素を膜内に吸蔵する現象を制御できるた
め、膜欠陥トラブルが発生し難く信頼性の高い水素透過
性膜を製作できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pd単体またはPd系合金の膜で構成さ
    れる水素透過性膜を基体上にめっきする方法において、
    めっき液中に平均粒径100nm以下の微粒子を分散さ
    せて基体をめっきすることを特徴とする水素透過性膜の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記めっき液中の上記微粒子の含有率が
    1〜100g/リットルであることを特徴とする請求項1に
    記載の水素透過性膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記微粒子がセラミック微粒子または高
    分子微粒子のいずれかであることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の水素透過性膜の製造方法。
JP14895297A 1997-06-06 1997-06-06 水素透過性膜の製造方法 Withdrawn JPH10337455A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004057993A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Dainippon Printing Co Ltd 水素製造用フィルタの製造方法
JP2010269226A (ja) * 2009-05-20 2010-12-02 Dainippon Printing Co Ltd 水素選択透過膜およびその製造方法

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Effective date: 20040907