JPH10333042A - 照明光学系 - Google Patents

照明光学系

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JPH10333042A
JPH10333042A JP9141237A JP14123797A JPH10333042A JP H10333042 A JPH10333042 A JP H10333042A JP 9141237 A JP9141237 A JP 9141237A JP 14123797 A JP14123797 A JP 14123797A JP H10333042 A JPH10333042 A JP H10333042A
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JP
Japan
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optical system
light
illumination optical
illumination
light source
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Pending
Application number
JP9141237A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Takahashi
高橋浩一
Kazunari Hanano
花野和成
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない構成枚数の光学素子1つによって、装
置全体は小型軽量であっても、広い照射面を均一性良く
照明することを可能にする照明光学系。 【解決手段】 光源1から放射する光を照射面4に照明
させる照明光学系であり、光源1から放射された発散光
を集光させる作用を持ち、3面からなり屈折率が1より
大きい媒質からなるプリズム3を備えており、プリズム
3内に形成された光路が、光源1から射出された光束が
入射面11からプリズム3内部に入射され、その入射光
がプリズム3内部を通過して透過作用と反射作用とを有
する面12で反射され、その反射光がプリズム3内部を
通過して反射面13で反射され、その反射光が最終的に
透過作用と反射作用とを有する面12からプリズム3外
部に射出されることにより、光路を折りたたみコンパク
ト化を図った照明光学系。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明光学系に関
し、特に、照射面を略均一に照明することを可能にする
小型軽量な照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、照明光学系の周知なものとして実
開平7−14434号のものがある。この照明光学系
は、図12に全体の光学系を示すように、凹面鏡21の
焦点位置に配置された光源22のからの光を表示デバイ
ス23の表示面を照射するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
7−14434号のものでは、光源22に対して傾いた
反射面21を1面用いているため、この反射面21にお
いて発生するディストーションが大きく、照射面におけ
る光量むらが大きく発生する。
【0004】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、少ない構成枚数
の光学素子1つによって、装置全体は小型軽量であって
も、広い照射面を均一性良く照明することを可能にする
照明光学系を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の照明光学系は、光源から放射する光を照射面に照明
させる照明光学系において、前記照明光学系は少なくと
も2面を有し、その少なくとも2面で形成された空間を
屈折率が1より大きい媒質からなるプリズム部材を少な
くとも備えて構成され、前記照明光学系の照明光を射出
する面の少なくとも一部は透過作用と反射作用とを有す
る面であり、前記照明光を射出する面に対向した面は、
軸上主光線に対して偏心するかあるいは傾いており、か
つ、正のパワーを有する反射面であることを特徴とする
ものである。
【0006】本発明のもう1つの照明光学系は、光源か
ら放射する光を照射面に照明させる照明光学系におい
て、前記照明光学系は少なくとも2面を有し、その少な
くとも2面で形成された空間を屈折率が1より大きい媒
質からなるプリズム部材を少なくとも備えて構成され、
前記照明光学系を構成する少なくとも1面は回転非対称
な面であり、前記照明光学系の照明光を射出する面の少
なくとも一部は透過作用と反射作用とを有する面であ
り、前記照明光を射出する面に対向した面は、軸上主光
線に対して偏心するかあるいは傾いており、かつ、正の
パワーを有する反射面であることを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明のさらにもう1つの照明光学系は、
光源から放射する光を照射面に照明させる照明光学系に
おいて、前記照明光学系は少なくとも3面を有し、その
少なくとも3面で形成された空間を屈折率が1より大き
い媒質からなるプリズム部材を少なくとも備えて構成さ
れ、前記照明光学系の照明光を射出する面の少なくとも
一部は透過作用と反射作用とを有する面であり、前記照
明光を射出する面に対向した面は、軸上主光線に対して
偏心するかあるいは傾いており、かつ、フレネル面を有
する反射面であることを特徴とするものである。
【0008】本発明のさらに別の照明光学系は、光源か
ら放射する光を照射面に照明させる照明光学系におい
て、前記照明光学系は、前記光源から放射された発散光
を集光させる作用を持ち、少なくとも入射面と、反射面
と、透過作用と反射作用とを有する面の3面を含み、屈
折率が1より大きい媒質からなるプリズム部材を少なく
とも備えて構成され、かつ、前記プリズム部材内に形成
された光路が、前記光源から射出された光束が入射面か
ら前記プリズム部材内部に入射され、その入射光が前記
プリズム部材内部を通過して前記透過作用と反射作用と
を有する面で反射され、その反射光が前記プリズム部材
内部を通過して前記反射面で反射され、その反射光が最
終的に前記透過作用と反射作用とを有する面から前記プ
リズム部材外部に射出されるように構成することによ
り、光路を折りたたみコンパクト化を図ったことを特徴
とするものである。
【0009】この場合、反射面が、正のパワーを有する
ように媒質側に凹面を向けた形状に構成されていること
が望ましい。
【0010】また、以上の照明光学系において、透過作
用と反射作用とを有する面が、プリズム部材における折
りたたみ光路によって発生する偏心収差により生じる照
明光量のむらを補正する作用を持った回転非対称面形状
に構成されていることが望ましい。
【0011】以下に、本発明において、上記のような構
成をとる理由と作用について説明する。本発明による照
明光学系の代表的なものの断面図を図1に例示する。図
1において、照明光学系3は、光源1から射出した光が
入射する面である第1面11、第1面11に対向した反
射作用と透過作用を有する面である第2面12、反射面
である第3面13によって構成される空間を屈折率が
1.5の光学的に略透明な媒質で満たされている。
【0012】また、図1において、照明光学系3を構成
する各面の形状は、第1面11は球面である。第2面1
2、第3面13は以下に記述される(a)式で表される
回転非対称な非球面である自由曲面である。
【0013】実際の光線経路は、光源1から発した光
は、照明光学系3の入射面である第1面11から入射
し、第2面12で内部反射する。この際、照明光が射出
する領域Stにおける反射角は臨界角以上になるように
設定されており、全反射することになる。一方、照明光
が射出しない部分Snでは臨界角より小さい反射角で反
射する光も存在するため、その表面にはアルミニウム等
の反射率の高いコーティングが施されている。第2面1
2で内部反射した後は第3面13において反射され、再
び第2面12において屈折して照明光学系3から射出
し、照射面4を照明する。
【0014】以下の説明において用いる座標系について
説明する。光線の追跡方向を光源1から照射面4に向か
う順光線追跡で考える場合、図1に示すように、光源1
中心を通り、照射面4の中心に到達する軸上主光線2が
光源1を射出し照明光学系3の第1面11に交差するま
での直線によって定義される軸(光軸)2をZ軸とし、
光源1中心を通りこのZ軸と直交し、かつ、照明光学系
3を構成する各面の偏心面内の軸をY軸と定義する。ま
た、光源1中心を通り光軸2と直交し、かつ、Y軸と直
交する軸をX軸とする。そして、光源1から第1面11
に向かう方向をZ軸の正方向、第2面12で反射されて
第3面13に向かう方向をY軸の負方向とし、Y軸、Z
軸と右手直交座標系を構成するX軸の方向をX軸の正方
向とする。
【0015】本発明の照明光学系は、少なくとも2面
(図1に示した実施例においては3面)で形成された空
間を屈折率が1よりも大きい(例えば1.5の)光学媒
質で満たされているため、光源1から射出した光は第1
面11から照明光学系3に入射する際にスネルの法則に
従って屈折する。したがって、ある角度で射出した光は
第1面11において屈折されて照明光学系3に入射され
るため、光学系3の主な正のパワーを有する第3面13
に入射する光線高を低く設定することが可能となる。そ
のため、光学系3をコンパクトに構成することと同時
に、大きな開口数(NA)を実現することができる。
【0016】さて、一般にカメラ等で用いられる球面レ
ンズ系では、球面で発生する球面収差とコマ収差、像面
湾曲等の収差を他の面で補正する構成になっている。そ
こで、レンズ系を構成する面に非球面を用いることによ
って、このレンズ系で発生する各種収差を少なくし、構
成する面数を少なくすることが可能となる。これは非球
面による収差補正の効果が絶大であるためであり、1面
で球面数枚の収差補正効果が得られるためである。
【0017】一方、本発明の照明光学系のように、軸上
主光線2に対して傾くかあるいは偏心した面を用いた光
学系においては、従来の回転対称非球面では補正できな
い偏心による収差が発生する。偏心により発生する収差
には、コマ収差、非点収差、像歪み、像面湾曲等があ
る。
【0018】本発明は、光源1から射出した光を照射面
4に照射する照明光学系3を、少なくとも2面で構成さ
れた偏心プリズム(プリズム部材)で構成し、上記した
偏心による諸収差を同時にしかも良好に補正するため
に、非回転対称な面である自由曲面を使用したことを特
徴としている。
【0019】ここで、本発明の照明光学系において用い
ている自由曲面とは、例えば以下の式で定義されるもの
である。 Z=C2 +C3 Y+C4 X +C5 2 +C6 YX+C7 2 +C8 3 +C9 2 X+C10YX2 +C113 +C124 +C133 X+C142 2 +C15YX3 +C164 +C175 +C184 X+C193 2 +C202 3 +C21YX4 +C225 +C236 +C245 X+C254 2 +C263 3 +C272 4 +C28YX5 +C296 +C307 +C316 X+C325 2 +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36YX6 +C377 ・・・・ ・・・(a) さて、以下に偏心プリズムを構成する各面の働きについ
て説明する。
【0020】(第1面)本発明の照明光学系3において
は、入射面である第1面11を光源に対して凸面にする
ことが望ましい。光源1から照射面4に到る光線追跡に
おいて、光源1から射出した光線は照明光学系3の第1
面11に屈折して入射する。この第1面11が凸面であ
れば、正のパワーを有することになり、光源1から大き
なNAで射出した軸外光線が正のパワーを有する内部反
射面である第3面13に入射する光線高を低く抑えるこ
とができる。したがって、大きなNAを確保すると共
に、小型軽量の光学系を実現することができる。さら
に、偏心した凹面鏡である第3面13で発生する偏心に
よる収差、特に軸上も含めたコマ収差の発生を抑えるこ
とが可能となる。
【0021】(第2面)照明光学系3の照明光を射出す
る面である第2面12は、光源1から射出した光を第3
面13側に内部反射させる反射作用と、第3面13で反
射した後照射面4へ射出する透過作用を有する。図1に
示したSn部においては、透過領域と反射領域が重なら
ないため、反射コーティングを施してもよい。したがっ
て、その領域における光の反射角に条件は必要ない。し
かし、図1のSt部においては、透過領域と反射領域が
重ね合っているため、反射コーティングを施すことがで
きない。したがって、この透過領域と反射領域が重ねあ
った領域Stにおける内部反射は全反射とする必要があ
るため、反射角は臨界角以上が必要となる。つまり、S
t部における光の反射角をθ、光学系の媒質の屈折率を
nとした場合、 θ≧sin-1(1/n) ・・・(1) なる条件を満たしていることが重要となる。
【0022】また、上記した設定によって、光源1から
射出した光線の照明光学系3における内部反射面と、照
明光学系3から射出する射出面とを、第2面12の同一
面で構成していることが、照明光学系3を小型化、低コ
スト化、広画角にすることに有効に作用する。光源1か
ら射出した光線が照明光学系3に入射した後反射する反
射面と、照明光学系3から射出する射出面とを1面で構
成しているため、2面における作用を1面で行うことに
なる。したがって、光学系を構成する面数を削減するこ
とになり、製造コストを低くすることが可能である。
【0023】さらに、1面12で反射と射出を同時に行
うことによって、広い画角を達成し、偏心による収差の
補正を有効に行うことが可能となる。一般に、凹面鏡に
入射する光線の入射角が大きくなればなる程偏心による
コマ収差が大きく発生する。反射面と射出面を1面で構
成することで、反射面と射出面を分離する必要がなくな
るため、1回目の反射面である第2面12と2回目の反
射面である第3面13のなす角度を余り大きくする必要
がなく、第2面12は射出面でもあるため、第3面13
に近接して配置することができる。したがって、第3面
13での反射角を余り大きくすることがなくなり、第3
面13における偏心収差、特にコマ収差の発生を低減す
ることが可能となる。
【0024】また、第2面12は、照射面4に対して凹
面であることが好ましい。光源1から射出した光は第2
面12の一部において全反射をする必要がある。第2面
12の形状が照射面3に対して凹面であれば、内部反射
角を大きくとることができるため、全反射に有利に作用
する。
【0025】さらに、第2面12は軸上主光線2に対し
て偏心するかあるいは傾いた非球面であることが望まし
い。図1に示すように、本発明の照明光学系3において
は、構成する各面が光源1から出た軸上主光線2に対し
て偏心あるいは傾いている。したがって、それぞれの面
で偏心による収差が大きく発生することになる。この場
合、第2面12をY−Z面内(図1の面内)において非
対称なパワーを有するように設定することで、偏心によ
る収差の補正に有利に作用する。
【0026】さらに、第2面12は軸上主光線2に対し
て偏心するかあるいは傾いた非回転対称な非球面である
ことが望ましい。非回転対称な非球面によれば、Y−Z
面内におけるパワーの非対称性をより適切に設定するこ
とが可能となる。したがって、偏心による収差の補正を
一層良好に行うことが可能となる。
【0027】また、第2面12を上記の(a)式で表さ
れる自由曲面で構成することによって、偏心によるコマ
収差の発生を抑えることができる。これは、第2面12
で光線が屈折作用する場合に、軸上主光線2に対して面
を傾いて配置することで、偏心によるコマ収差を補正す
ることが可能となるためである。
【0028】さらに、本発明において第2面12は照射
面4に面した面でもある。照射面4に近接した屈折面で
ある第2面12を自由曲面にすることによって、像歪み
の発生を補正することができる。これは、屈折面が照射
面4に近接して配置されているために、他の収差を悪化
させることなく像歪みを補正するのに良い結果を与える
ためである。
【0029】(第3面)本発明の照明光学系3におい
て、主な正のパワーを有するのは凹面鏡の作用を有する
第3面13である。この面は軸上主光線2に対して偏心
するか傾いて配備されているため、軸上においてもコマ
収差が発生する。また、同様に偏心による非点収差、デ
ィストーション等の収差も発生する。偏心によるコマ収
差に対しては、第3面13を偏心した非球面とするか、
あるいは、偏心した非回転対称非球面とすることによっ
て、第3面13のY−Z面内の非対称性を適切に設定し
て補正することが可能となる。また、軸上でも発生する
非点隔差の補正には、非回転対称な非球面とすること
で、Y−Z面内のパワーとY−Z面に直交する面である
X−Z面内のパワーを適切に変化させて補正が可能とな
る。さらに、偏心によるディストーションは、第3面1
3を(a)式で表される自由曲面に設定することによっ
て、第3面13における光線高の差によって適切に面の
傾きが設定され、補正することが可能となる。
【0030】さらに好ましくは、光学部品製作性を考慮
すると、自由曲面は必要最小限にすることが望ましい。
そこで、照明光学系3を構成する面の中で少なくとも1
つの面を平面若しくは球面又は偏心した回転対称面にす
ることによって、製作性を上げることが可能となる。
【0031】本発明のもう1つの発明の照明光学系は、
少なくとも3面を有し、この少なくとも3面で形成され
た空間を屈折率が1より大きい媒質で満たされており、
照明光学系の照明光を射出する面の少なくとも一部は透
過作用と反射作用とを有する面であり、照明光を射出す
る面に対向した面は、軸上主光線に対して偏心するかあ
るいは傾いており、かつ、フレネル面を有する反射面で
あるものである。
【0032】このような本発明の照明光学系の代表的な
ものを図4に例示する。図4において、照明光学系3
は、光源1から射出した光が入射する面である第1面1
1、第1面11に対向した反射作用と透過作用を有する
面である第2面12、フレネル反射面である第3面13
によって構成される空間が屈折率が1.5の光学的に略
透明な媒質で満たされている。図4において、光源1か
ら発した光が照射面4に達する光線経路は前記図1のも
のと同様である。また、図2において、照明光学系3を
構成する各面の形状は、第1面11は球面である。第2
面12は回転対称非球面、第3面13はフレネル反射面
である。ここで、フレネル反射面とは、フレネル面から
なる反射面であり、フレネル面とは、フレネルレンズの
ように、基礎となる曲面を細い輪状に切断してその曲面
を平らに潰したように接続してなる複合面であって、基
礎となる曲面と同様の反射作用をなす面である。
【0033】本発明の照明光学系3において、反射面で
ある第3面13は照明光学系3の主な正のパワーを有す
る面である。つまり、強いパワーを持つ必要がある。し
かしながら、強いパワーを持たせるためには、通常の球
面又は非球面等を用いると、その曲率が強くなり、照射
面4の反対側に光学系3が張り出してしまい大型化する
ことになる。そこで、反射面である第3面13をフレネ
ル面に設定することによって、強い正のパワーを持ちな
がらこの反射面を平坦に形成することができる。したが
って、照明光学系3は照射面4と反対側に張り出すこと
なく、コンパクトでありながら所望のパワーを有するた
め、高いNAを得ることが可能となる。
【0034】さらに、光源1からの光を入射する面であ
る第1面11、あるいは、照明光を射出する面である第
2面12は偏心した非球面であることが好ましい。上述
したように、Y−Z面内におけるパワーの非対称性を適
切に設定することで、第3面13の偏心による収差の補
正、特にコマ収差の補正が可能となる。
【0035】さらに、第1面11あるいは第2面12を
非回転対称非球面とすることで、上述したように、偏心
による諸収差をより良好に補正することが可能となる。
【0036】さらに、本発明の照明光学系3によって照
射される照射面4は、別の光学系である投影光学系によ
って観察者眼球に投影される画像表示素子としてももち
ろんよい。また、この画像表示素子は液晶表示素子であ
ってももちろんよい。
【0037】次に、本発明の照明光学系に関するいくつ
かの条件について説明する。照射面3を画像表示素子と
し、投影光学系によって観察者眼球にその画像表示素子
の画像を投影する場合、投影光学系としてマイクロレン
ズアレイを用いた場合の構成図を図10に例示する。図
10において、光源1から発した光(軸上主光線2のみ
を図示してある。)は、照明光学系3を介して画像表示
素子4を照明する。投影光学系5は、マイクロレンズア
レイ31と接眼光学系32によって構成されている。照
明光学系3から射出した光は、画像表示素子4を構成し
ている各画素を略垂直に照明し、投影光学系5によって
観察者の虹彩又は眼球の回旋中心近傍を射出瞳7として
観察者眼球6内に投影される。画像表示素子4とマイク
ロレンズアレイ31の拡大図を図11に示す。画像表示
素子4に垂直に入射した光L1は画素G1を通過し、マ
イクロレンズM1を透過する。一方、照明光L2が画像
表示素子4の法線に対して角度βを持っていた場合、画
像表示素子4からマイクロレンズアレイ31までの距離
Lとすると、マイクロレンズアレイ31上ではD=L×
tanβだけずれた位置に光線L2が到達する。この位
置に隣のマイクロレンズM2があった場合、観察者の眼
球7には多重像が形成され所謂クロストークが生じるた
め、鮮明な観察像を提示することが困難となる。したが
って、このような各画素毎に光学素子(マイクロレン
ズ)を対応させるタイプの投影光学系の設定において
は、画像表示素子を照射する照明光はその光線傾角が小
さいことが必要となる。照射面4の法線に対して照明光
の光線傾角をγとした場合、 γ≦10° ・・・(2) なる条件を満たすことが好ましい。
【0038】上述したような現象は、画像表示素子の画
素の大きさ、ピッチ等によって照明光の光線傾角の許容
値は異なるため、画素ピッチが小さい場合には、照射面
の法線に対して記照明光の光線傾角をγとした場合、 γ≦5° ・・・(3) なる条件を満たすことが好ましい。
【0039】さらに、照射面の法線に対して照明光の光
線傾角をγとした場合、 γ≦2° ・・・(4) なる条件を満たすことがより好ましい。
【0040】通常、照射面における照明むらはできるだ
け少ない方が望ましい。例えば、照射面が画像表示素子
である場合には、観察者が観察している全領域にわたっ
て明るい画像を提示することが望ましい。本発明の照明
光学系においては、光源からある広がりを持って射出し
た光線を照射面に照明するが、この広がりを持った光線
それぞれを主光線として考えた場合、照射面におけるそ
れらの光線高のばらつきはディストーションとして捉え
ることができる。照明光学系の照射面におけるディスト
ーションをDとした場合、 −40%≦D≦40% ・・・(5) なる条件を満たすことが重要である。
【0041】この条件の上限及び下限を越えて±40%
より大きいディストーションが発生すると、照射面にお
ける照明むらが大きくなり、例えば照射面が画像表示素
子の場合には、提示している画像の部分によって光量が
異なり、観察者に疲労感を与える等の危惧が生じる。
【0042】さらに好ましくは、照明光学系の照射面に
おけるディストーションをDとした場合、 −20%≦D≦20% ・・・(6) なる条件を満たすことが重要である。
【0043】そして、本発明の全ての発明の照明光学系
においては、照明光学系を構成する面の形状を、その面
内及び面外共に回転対称軸を有せず、しかも、対称面を
1つのみ有する例えば(a)式で表される自由曲面とし
ている。これは、例えば図1のように座標系をとった場
合に、偏心して配置される面の偏心方向を含む面である
Y−Z面が対称面となるような自由曲面とすることで、
逆光線追跡における結像面の像も、そのY−Z面が対称
面として両側で対称にすることができ、収差補正の労力
が大幅に削減できるためである。
【0044】なお、本発明における反射作用を有する反
射面には、全反射面、ミラーコート面、半透過反射面等
の反射作用を有する全ての反射面が含まれる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の照明光学系の実
施例1〜6について説明する。後述する各実施例の構成
パラメータにおいては、図1に示すように、光源1中心
を照明光学系3の原点として、光軸2を照射面3の中心
と光源1の中心(原点)とを通る光線で定義し、光源1
から光軸2に進む方向をZ軸方向、このZ軸に直交し光
源1中心を通り、光線が照明光学系2によって折り曲げ
られる面内の方向をY軸方向、Z軸、Y軸に直交し光源
1中心を通る方向をX軸方向とし、光源1から照明光学
系2に向かう方向をZ軸の正方向、第2面12で反射さ
れて第3面13に向かう方向をY軸の負方向とし、そし
て、これらZ軸、Y軸と右手系を構成する方向をX軸の
正方向とする。なお、光線追跡は光源1側を物体側とし
て、照射面3側を像面側とした順追跡により行ってい
る。
【0046】なお、後記する構成パラメータにおいて、
偏心が与えられている面については、その面の面頂位置
の照明光学系3の原点である光源1の中心からのX軸方
向、Y軸方向、Z軸方向の偏心量(それぞれx、y、
z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記の
(a)式のZ軸、アナモルフィック面については、下記
の(b)式のZ軸、回転対称非球面については、下記の
(c)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心と
する傾き角(°)(それぞれα、β、γ)とが与えられ
ている。なお、その場合、αとβの正はそれぞれの軸の
正方向に対しての反時計回りを、γの正はZ軸の正方向
に対しての時計回りを意味する。その他、媒質の屈折
率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。面間隔
は意味がない。
【0047】また、自由曲面の形状は前記の(a)式に
より定義する。その定義式のZ軸が自由曲面の軸とな
る。無論、自由曲面を表す式はこれに限らず、面内面外
に対称面を有しない面として、又は、面内面外共に対称
面を1面のみ有する面として構成できる式であればよ
い。
【0048】また、アナモルフィック面の形状は以下の
(b)式により定義する。面形状の原点を通り、光学面
に垂直な直線がアナモルフィック面の軸となる。 Z=(CX・x2 +CY・y2 )/[1+{1−(1+Kx )CX2 ・x2 −(1+Ky )CY2 ・y2 1/2 ] +Σ Rm {(1−Pm )x2 +(1+Pm )y2 m+1 m=1 例として、m=4(4次項)までを考えると、展開した
ときに以下の式で表せる。
【0049】 Z=(CX・x2 +CY・y2 )/[1+{1−(1+Kx )CX2 ・x2 −(1+Ky )CY2 ・y2 1/2 ] R1 {(1−P1 )x2 +(1+P1 )y2 2 2 {(1−P2 )x2 +(1+P2 )y2 3 3 {(1−P3 )x2 +(1+P3 )y2 4 4 {(1−P4 )x2 +(1+P4 )y2 5 ・・・(b) ただし、Zは面形状の原点に対する接平面からのずれ
量、CXはX軸方向曲率、CYはY軸方向曲率、Kx
X軸方向円錐係数、Ky はY軸方向円錐係数、Rm は非
球面項回転対称成分、Pm は非球面項回転非対称成分で
ある。なお、後記する実施例の構成パラメータでは、 Rx :X軸方向曲率半径 Ry :Y軸方向曲率半径 を用いており、曲率CX、CYとの間には、 Rx =1/CX,Ry =1/CY の関係にある。
【0050】また、回転対称非球面の形状は以下の式に
より定義する。その定義式のZ軸が回転対称非球面の軸
となる。 Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+K)(Y2 /R2 )}1/2 ] +A4 4 +A6 6 +A8 8 +A1010・・・ ・・・(c) ただし、YはZに垂直な方向であり、Rは近軸曲率半
径、Kは円錐係数、A4、A6 、A8 、A10は非球面係
数である。
【0051】なお、後記の構成パラメータ中、データの
記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率
については、d線(波長587.56nm)に対するも
のを表記してある。長さの単位はmmである。
【0052】実施例1〜6の照明光学系3は、それぞれ
図1〜図6に断面図を示すように、光源1に対向して光
軸2に偏心配置された透過面である第1面11を経て光
学系3に入射した光源1からの光は、第2面12で内部
反射し、第3面13で内部反射し、再び透過面である第
2面12を透過して照明光学系3から射出して、照射面
4を照明する。
【0053】以下に、上記実施例1〜6の構成パラメー
タを示す。なお、表中、アナモルフィク面は"ANAM0"
と、フレネル面は"FRESNEL" と、回転対称非球面は"RSA
SF" と表記してある。 実施例1 NA=0.45 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 37.792 偏心(1) 1.4922 57.5 2 自由曲面[1] 偏心(2) 1.4922 57.5 3 自由曲面[2] 偏心(3) 1.4922 57.5 4 自由曲面[1] 偏心(2) 像 面 ∞ 偏心(4) 自由曲面[1] C5 1.2280×10-37 4.7616×10-38 2.3358×10-510 1.0287×10-412 1.7439×10-714 -8.8309×10-816 9.8510×10-717 -2.4542×10-919 -4.0075×10-821 -1.8690×10-7 自由曲面[2] C5 3.6258×10-37 6.7712×10-38 -4.0025×10-510 -1.6145×10-412 2.8569×10-714 -5.4790×10-616 -2.8775×10-617 9.0539×10-919 -5.4949×10-821 -1.0711×10-7 偏心(1) x 0.000 y 4.219 z 13.344 α -16.39 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y -9.236 z 35.857 α 47.41 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -5.210 z 7.766 α 54.76 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y -9.330 z 42.737 α 40.70 β 0.00 γ 0.00 。
【0054】 実施例2 NA=0.53 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 33.029 偏心(1) 1.4922 57.5 2 ANAM0[1] 偏心(2) 1.4922 57.5 3 ANAM0[2] 偏心(3) 1.4922 57.5 4 ANAM0[1] 偏心(2) 像 面 ∞ 偏心(4) ANAM0[1] Ry 2971.151 Rx 149.734 Ky 0.0000 Kx 0.0000 R1 5.0893×10-10 2 2.3129×10-93 0.0000 R4 0.0000 P1 1.3780×101 2 -2.0652×10-13 0.0000 P4 0.0000 ANAM0[2] Ry 58.678 Rx 68.462 Ky -0.7420 Kx -1.6878 R1 -1.4132×10-62 2.8415×10-93 -2.1868×10-12 4 6.3915×10-16 1 6.5176×10-12 7.9619×10-23 -5.2488×10-24 -1.2490×10-1 偏心(1) x 0.000 y 7.845 z 8.304 α -17.15 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y -9.041 z 33.527 α 46.28 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -7.156 z 7.302 α 55.00 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y -8.064 z 37.672 α 49.29 β 0.00 γ 0.00 。
【0055】 実施例3 NA=0.45 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 ∞ 2 自由曲面[1] 偏心(1) 1.4922 57.5 3 自由曲面[2] 偏心(2) 1.4922 57.5 4 自由曲面[3] 偏心(3) 1.4922 57.5 5 自由曲面[2] 偏心(2) 6 ∞ 偏心(4) 像 面 ∞ 自由曲面[1] C5 1.2984×10-27 1.4418×10-28 -2.0655×10-410 4.5828×10-512 2.5101×10-614 4.8495×10-616 -3.2836×10-6 自由曲面[2] C5 1.5103×10-37 4.8247×10-38 7.7747×10-610 5.4438×10-512 2.0450×10-714 5.8998×10-716 3.3063×10-717 -1.0887×10-819 -3.9061×10-821 -9.5993×10-8 自由曲面[3] C5 1.6380×10-37 6.2212×10-38 -1.1013×10-410 -1.5952×10-412 -1.5805×10-614 -5.3799×10-616 -1.7957×10-617 -1.0894×10-819 -7.1797×10-821 -6.5336×10-8 偏心(1) x 0.000 y -0.846 z 11.791 α -13.10 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y -11.077 z 37.397 α 45.77 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -5.625 z 10.102 α 54.76 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y -5.827 z 43.081 α 35.09 β 0.00 γ 0.00 。
【0056】 実施例4 NA=0.47 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 ∞ 2 2461.546 偏心(1) 1.4922 57.5 3 RSASF[1] 偏心(2) 1.4922 57.5 4 FRESNEL[1] 偏心(3) 1.4922 57.5 5 RSASF[1] 偏心(2) 像 面 ∞ 偏心(4) RSASF[1] R -348.386 K 4.1670 A4 1.3970×10-76 -1.8199×10-11 8 1.7598×10-15 10 -6.6360×10-20 FRESNEL [1] R 108.662 K 0.0000 A4 -1.4987×10-76 -3.1844×10-11 8 4.4315×10-15 10 -3.2296×10-19 偏心(1) x 0.000 y -18.962 z 8.162 α -14.05 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y -49.849 z 81.356 α 42.41 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -3.995 z -3.647 α 67.97 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y 4.227 z 40.097 α 81.66 β 0.00 γ 0.00 。
【0057】 実施例5 NA=0.6 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 ∞ 偏心(1) 1.5168 64.1 2 ANAM0[1] 偏心(2) 1.5168 64.1 3 FRESNEL[1] 偏心(3) 1.5168 64.1 4 ANAM0[1] 偏心(2) 像 面 ∞ 偏心(4) ANAM0[1] Ry -326.028 Rx -674.203 Ky 10.2667 Kx 20.0000 R1 1.5001×10-72 -1.6118×10-11 3 1.9722×10-15 4 -2.0286×10-20 1 1.5835×10-12 9.6782×10-43 -3.7274×10-24 7.9944×10-2 FRESNEL[1] R 100.155 K 0.0000 A4 -1.0169×10-76 -4.1230×10-11 8 1.5680×10-15 10 -2.9531×10-19 偏心(1) x 0.000 y -7.564 z 5.323 α -25.00 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y -47.942 z 66.428 α 39.59 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -5.387 z 2.326 α 64.10 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y 0.086 z 34.604 α 64.34 β 0.00 γ 0.00 。
【0058】 実施例6 NA=0.5 面番号 曲率半径 間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1 ∞ 2 197.608 偏心(1) 1.5168 64.1 3 自由曲面[1] 偏心(2) 1.5168 64.1 4 FRESNEL[1] 偏心(3) 1.5168 64.1 5 自由曲面[1] 偏心(2) 像 面 ∞ 偏心(4) 自由曲面[1] C5 -3.3999×10-47 -2.8566×10-58 2.1946×10-510 7.2290×10-512 -3.1151×10-814 2.0686×10-716 -1.5105×10-617 -2.9699×10-919 -5.7440×10-921 -3.5562×10-8 FRESNEL[1] R 104.086 K 0.0000 A4 -6.3744×10-76 -1.1700×10-11 8 1.3038×10-14 10 -5.9921×10-19 偏心(1) x 0.000 y 5.551 z 14.310 α -20.35 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) x 0.000 y 4.798 z 21.552 α 47.43 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) x 0.000 y -8.281 z 7.255 α 68.00 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) x 0.000 y 0.373 z 40.339 α 67.91 β 0.00 γ 0.00 。
【0059】以上の実施例では、前記定義式(a)の自
由曲面を用いて構成したが、あらゆる定義の曲面が使え
ることは言うまでもない。しかし、どのような定義式を
用いようとも、本発明に示されている何れかの条件を満
足することにより、また、そのいくつかのものを満足す
ることにより、収差のよく補正された照明光学系が得ら
れることは言うまでもない。なお、偏心を無視した面の
定義座標系の中心で規定される面の曲率、面の焦点距離
等の従来の共軸系で使われる条件式は、本発明のように
各面が大きく偏心して配置されている場合には、何らの
意味も持たない。
【0060】以上、実施例1〜6は何れも光学系作用面
が3面形態のものを示したが、図7〜図9のように、本
発明の照明光学系は4面以上の作用面を有するものであ
ってもよい。
【0061】図7の照明光学系3は、第1面11である
入射面と透過作用と反射作用とを有する第2面12との
間の光路中に第4面14である第2の反射面を配置した
例である。この形態の採用によって、正のパワーを与え
る反射作用面が1面増えることになり、照明光の集光作
用と収差補正作用の相方のバランスを調整し得る構成要
素が増加でき、設計上の自由度が増える点で優れてい
る。
【0062】また、図8は、透過作用と反射作用とを有
する第2面12からの反射光を受けて再びその第2面1
2に反射光を入射させるように、第2の反射面を形成す
る第4面14を配置し、透過作用と反射作用とを有する
第2面12を2回の反射と1回の透過をなすように形成
している。そして、2枚の反射面13、14は共に媒質
側に凸面を向けた形状としている。
【0063】さらに、図9は、3面構成であるが、第1
面11を経て光学系3に入射した光源1からの光は、第
3面13で内部反射し、再び第1面11へ入射し今度は
その面で内部反射し、第2面12で内部反射し、再度第
1面11へ入射して内部反射し、再び第2面12へ入射
し今度はその面を透過して照明光学系3から射出して、
照射面4を照明する構成で、入射面の第1面11が入射
面としての透過作用と2回の反射作用を併せ持つ構成で
ある。
【0064】このように、図8、図9の構成においては
設計の自由度を増すことと共に、長い光路長が必要な照
明光学系の光路にあっても、光路を折りたたむ回数を増
加させることができコンパクト化が実現可能となる。
【0065】なお、図7〜図9の構成から離れて、本発
明の優位点を、簡易な構成(生産性の向上)とコンパク
ト化のバランスという点に置くとすると、実施例1〜6
に示した3面構成が最も優れている。
【0066】以上の本発明の照明光学系は、例えば次の
ように構成することができる。 〔1〕 光源から放射する光を照射面に照明させる照明
光学系において、前記照明光学系は少なくとも2面を有
し、その少なくとも2面で形成された空間を屈折率が1
より大きい媒質からなるプリズム部材を少なくとも備え
て構成され、前記照明光学系の照明光を射出する面の少
なくとも一部は透過作用と反射作用とを有する面であ
り、前記照明光を射出する面に対向した面は、軸上主光
線に対して偏心するかあるいは傾いており、かつ、正の
パワーを有する反射面であることを特徴とする照明光学
系。
【0067】〔2〕 光源から放射する光を照射面に照
明させる照明光学系において、前記照明光学系は少なく
とも2面を有し、その少なくとも2面で形成された空間
を屈折率が1より大きい媒質からなるプリズム部材を少
なくとも備えて構成され、前記照明光学系を構成する少
なくとも1面は回転非対称な面であり、前記照明光学系
の照明光を射出する面の少なくとも一部は透過作用と反
射作用とを有する面であり、前記照明光を射出する面に
対向した面は、軸上主光線に対して偏心するかあるいは
傾いており、かつ、正のパワーを有する反射面であるこ
とを特徴とする照明光学系。
【0068】〔3〕 光源から放射する光を照射面に照
明させる照明光学系において、前記照明光学系は少なく
とも3面を有し、その少なくとも3面で形成された空間
を屈折率が1より大きい媒質からなるプリズム部材を少
なくとも備えて構成され、前記照明光学系の照明光を射
出する面の少なくとも一部は透過作用と反射作用とを有
する面であり、前記照明光を射出する面に対向した面
は、軸上主光線に対して偏心するかあるいは傾いてお
り、かつ、フレネル面を有する反射面であることを特徴
とする照明光学系。
【0069】〔4〕 光源から放射する光を照射面に照
明させる照明光学系において、前記照明光学系は、前記
光源から放射された発散光を集光させる作用を持ち、少
なくとも入射面と、反射面と、透過作用と反射作用とを
有する面の3面を含み、屈折率が1より大きい媒質から
なるプリズム部材を少なくとも備えて構成され、かつ、
前記プリズム部材内に形成された光路が、前記光源から
射出された光束が入射面から前記プリズム部材内部に入
射され、その入射光が前記プリズム部材内部を通過して
前記透過作用と反射作用とを有する面で反射され、その
反射光が前記プリズム部材内部を通過して前記反射面で
反射され、その反射光が最終的に前記透過作用と反射作
用とを有する面から前記プリズム部材外部に射出される
ように構成することにより、光路を折りたたみコンパク
ト化を図ったことを特徴とする照明光学系。
【0070】〔5〕 前記反射面が、正のパワーを有す
るように前記媒質側に凹面を向けた形状に構成されてい
ることを特徴とする上記〔4〕記載の照明光学系。
【0071】〔6〕 前記透過作用と反射作用とを有す
る面が、前記プリズム部材における折りたたみ光路によ
って発生する偏心収差により生じる照明光量のむらを補
正する作用を持った回転非対称面形状に構成されている
ことを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載
の照明光学系。
【0072】〔7〕 前記照明光を射出する面の前記照
明光を射出する領域において、前記光源から射出した光
が前記プリズム部材に入射した後、前記照明光を射出す
る面で内部反射する際の光の入射角をθとする場合、 θ≧sin-1(1/n) ・・・(1) (ただし、nは媒質の屈折率)を満たすことを特徴とす
る上記〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の照明光学系。
【0073】〔8〕 前記照明光を射出する面の前記照
明光を射出する領域より前記光源側の反射領域の少なく
とも一部は反射コーティングがされていることを特徴と
する上記〔1〕〜〔7〕の何れか1項記載の照明光学
系。
【0074】
〔9〕 前記照明光を射出する面は非球面
であることを特徴とする上記〔1〕〜〔8〕の何れか1
項記載の照明光学系。
【0075】〔10〕 前記照明光を射出する面は非回
転対称非球面であることを特徴とする上記
〔9〕記載の
照明光学系。
【0076】〔11〕 前記照明光を射出する面はアナ
モルフィック非球面であることを特徴とする上記〔6〕
記載の照明光学系。
【0077】〔12〕 前記照明光を射出する面は対称
となる面を面内面外共に複数有しない面であることを特
徴とする上記〔6〕記載の照明光学系。
【0078】〔13〕 前記光源から発した光が前記プ
リズム部材に入射する面は、前記光源に対して凸面であ
ることを特徴とする上記〔1〕〜
〔9〕の何れか1項記
載の照明光学系。
【0079】〔14〕 前記照明光を射出する面は、前
記照射面に対して凹面であることを特徴とする上記
〔1〕〜〔3〕の何れか1項記載の照明光学系。
【0080】〔15〕 前記照射面は画像表示素子であ
ることを特徴とする上記〔1〕〜〔14〕の何れか1項
記載の照明光学系。
【0081】〔16〕 前記照射面は投影光学系を介し
て観察者の眼球に投影される画像表示素子であることを
特徴とする上記〔15〕記載の照明光学系。
【0082】〔17〕 前記画像表示素子は液晶表示素
子であることを特徴とする上記〔15〕に記載の照明光
学系。。
【0083】〔18〕 前記照射面の法線に対して前記
照明光の光線傾角をγとした場合、 γ≦10° ・・・(2) なる条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕〜〔1
7〕の何れか1項記載の照明光学系。
【0084】〔19〕 前記照射面の法線に対して前記
照明光の光線傾角をγとした場合、 γ≦5° ・・・(3) なる条件を満たすことを特徴とする上記〔18〕記載の
照明光学系。
【0085】〔20〕 前記照射面の法線に対して前記
照明光の光線傾角をγとした場合、 γ≦2° ・・・(4) なる条件を満たすことを特徴とする上記〔19〕記載の
照明光学系。
【0086】〔21〕 前記照明光学系の前記照射面に
おけるディストーションをDとした場合、 −40%≦D≦40% ・・・(5) なる条件を満たすことを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕
の何れか1項記載の照明光学系。
【0087】〔22〕 前記照明光学系の前記照射面に
おけるディストーションをDとした場合、 −20%≦D≦20% ・・・(6) なる条件を満たすことを特徴とする上記〔21〕記載の
照明光学系。
【0088】〔23〕 上記〔18〕〜〔22〕の何れ
か1項記載の照明光学系と前記照射面を投影するマイク
ロレンズを含む光学系とを有することを特徴とする画像
表示装置。
【0089】〔24〕 上記〔1〕〜〔22〕の何れか
1項記載の照明光学系と、その照明光学系に光を放射す
る照明光源と、前記照明光学系の照射面上に配置された
画像表示面と、前記画像表示面に表示された画像を投影
する投影光学系とを有することを特徴とする画像表示装
置。
【0090】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、広い開口数を有し、照明むらの少ない照明光
を与える照明光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の照明光学系の断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例2の照明光学系の断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例3の照明光学系の断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例4の照明光学系の断面図であ
る。
【図5】本発明の実施例5の照明光学系の断面図であ
る。
【図6】本発明の実施例6の照明光学系の断面図であ
る。
【図7】本発明の照明光学系の可能な変形例を示す概略
断面図である。
【図8】本発明の照明光学系の可能な別の変形例を示す
概略断面図である。
【図9】本発明の照明光学系の可能なさらに別の変形例
を示す概略断面図である。
【図10】本発明による照明光学系を用いて画像表示装
置を形成した1例の全体の構成を示す図である。
【図11】本発明による照明光学系を用いて画像表示装
置を形成した1例の画像表示部を示す図である。
【図12】従来の1つの照明光学系を示す図である。
【符号の説明】
1…光源 2…光軸(軸上主光線) 3…照明光学系 4…照射面 5…投影光学系 6…観察者眼球 7…投影光学系の射出瞳位置 11…照明光学系の第1面 12…照明光学系の第2面 13…照明光学系の第3面 14…照明光学系の第4面 31…マイクロレンズアレイ 32…接眼光学系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から放射する光を照射面に照明させ
    る照明光学系において、 前記照明光学系は少なくとも2面を有し、その少なくと
    も2面で形成された空間を屈折率が1より大きい媒質か
    らなるプリズム部材を少なくとも備えて構成され、 前記照明光学系の照明光を射出する面の少なくとも一部
    は透過作用と反射作用とを有する面であり、 前記照明光を射出する面に対向した面は、軸上主光線に
    対して偏心するかあるいは傾いており、かつ、正のパワ
    ーを有する反射面であることを特徴とする照明光学系。
  2. 【請求項2】 光源から放射する光を照射面に照明させ
    る照明光学系において、 前記照明光学系は少なくとも2面を有し、その少なくと
    も2面で形成された空間を屈折率が1より大きい媒質か
    らなるプリズム部材を少なくとも備えて構成され、 前記照明光学系を構成する少なくとも1面は回転非対称
    な面であり、 前記照明光学系の照明光を射出する面の少なくとも一部
    は透過作用と反射作用とを有する面であり、 前記照明光を射出する面に対向した面は、軸上主光線に
    対して偏心するかあるいは傾いており、かつ、正のパワ
    ーを有する反射面であることを特徴とする照明光学系。
  3. 【請求項3】 光源から放射する光を照射面に照明させ
    る照明光学系において、 前記照明光学系は少なくとも3面を有し、その少なくと
    も3面で形成された空間を屈折率が1より大きい媒質か
    らなるプリズム部材を少なくとも備えて構成され、 前記照明光学系の照明光を射出する面の少なくとも一部
    は透過作用と反射作用とを有する面であり、 前記照明光を射出する面に対向した面は、軸上主光線に
    対して偏心するかあるいは傾いており、かつ、フレネル
    面を有する反射面であることを特徴とする照明光学系。
  4. 【請求項4】 光源から放射する光を照射面に照明させ
    る照明光学系において、 前記照明光学系は、前記光源から放射された発散光を集
    光させる作用を持ち、少なくとも入射面と、反射面と、
    透過作用と反射作用とを有する面の3面を含み、屈折率
    が1より大きい媒質からなるプリズム部材を少なくとも
    備えて構成され、 かつ、前記プリズム部材内に形成された光路が、前記光
    源から射出された光束が入射面から前記プリズム部材内
    部に入射され、その入射光が前記プリズム部材内部を通
    過して前記透過作用と反射作用とを有する面で反射さ
    れ、その反射光が前記プリズム部材内部を通過して前記
    反射面で反射され、その反射光が最終的に前記透過作用
    と反射作用とを有する面から前記プリズム部材外部に射
    出されるように構成することにより、光路を折りたたみ
    コンパクト化を図ったことを特徴とする照明光学系。
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