JPH10332911A - 反射フィルム - Google Patents

反射フィルム

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JPH10332911A
JPH10332911A JP9139833A JP13983397A JPH10332911A JP H10332911 A JPH10332911 A JP H10332911A JP 9139833 A JP9139833 A JP 9139833A JP 13983397 A JP13983397 A JP 13983397A JP H10332911 A JPH10332911 A JP H10332911A
Authority
JP
Japan
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film
transmitted light
light scattering
scattering control
polymer resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP9139833A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射方向によって散乱性を制御できる反射フィ
ルムを提供する。 【解決手段】内部に微細な多数の空孔を含有する部分を
有するポリカーボネート等の熱可塑性高分子樹脂配向フ
ィルムからなる透過光散乱性制御フィルムに金属膜を積
層させた反射フィルム。熱可塑性高分子樹脂配向フィル
ムは、フィルムの内部に多数の空孔が生じるように一軸
延伸したものであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射角によりヘー
ズが異なるため、入射角度により平行光線透過率が異な
るといった透過光散乱性制御フィルムに金属膜を積層さ
せたことを特徴とした、反射型液晶表示装置や投写型表
示装置のスクリーン等に用いることが出来る反射フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置は薄型、低消費電力
といった特徴を有し特に携帯用端末等に広く使用される
ようになっている。現在その用途で主に使われている反
射フィルムは観測者から見て裏面に使われており、映り
込み防止等のため、表面に凹凸を設け、金属膜等を積層
させることにより等方的に散乱させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】表面に凹凸を設け、そ
の上に金属膜等を積層させることにより等方的に散乱さ
せる反射板は、映り込み防止には有効であるが、反射型
液晶表示装置の視野角や用途によって散乱性を変え、例
えば特定の方向にのみ輝度を向上させるといった用途に
おいては十分でない。
【0004】これらの用途には入射角によって散乱性を
変化させ得るフィルムの利用が考えられるが、こういっ
たフィルムとしては例えば、ホログラムを利用したもの
等が考えられるが、回折ピッチが揃っていることによる
着色の問題や、生産性に問題があり、必然的に高価にな
らざるを得ない。
【0005】本発明は、入射方向によって散乱性を制御
できる反射フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の反射フィルム
は、内部に微細な多数の空孔を含有する部分を有する熱
可塑性高分子樹脂配向フィルムからなる透過光散乱性制
御フィルムに金属膜を積層させたことを特徴としてい
る。この透過光散乱性制御フィルムは、熱可塑性高分子
樹脂を延伸等の処理によってできる配向フィルムであ
り、フィルム内部に多数の空孔を有している。内部の空
孔は延伸によって生成したものであることが好ましく、
さらに、熱可塑性高分子樹脂配向フィルムは一軸延伸に
よるものであることが好ましい。
【0007】ここで言う配向とは、高分子樹脂の分子鎖
がある方向に並んだ状態を言う。配向状態は一軸配向状
態が好ましい。配向状態は光学異方性の評価によって測
定可能であり、本発明では測定波長590nmにおけるΔ
n・d(Δn;複屈折、d;膜厚)で行う。好ましくはΔn
・d≧50nmであり、より好ましくはΔn・d≧100nmであ
る。測定入射光はサンプル表面法線方向に平行とした。
測定装置としてはキセノンランプを光源とし、光弾性変
調素子及びモノクロメータを有する日本分光(株)製の
商品名「M150」で行った。複数枚使用した場合には
それぞれが上記範囲内であることが好ましい。評価方法
によっては例えば、樹脂の固有複屈折が負の場合、Δn
・dを負の値で評価する場合もあるが、本発明の評価で
は、Δn・dは絶対値評価とする。
【0008】この透過光散乱性制御フィルムの材料とし
ては、ポリマーブレンドでも可能であるが、単一の熱可
塑性高分子樹脂からなることが好ましい。ここで言う単
一の熱可塑性高分子樹脂とは、いわゆるポリマーブレン
ドではないという意味であり、共重合や分子量分布を持
ったものは含まれる。ポリマーブレンドの場合、材料の
最適化の必要性等コストの点で単一の熱可塑性高分子樹
脂からなる場合に比べて生産性において不利な点があ
る。
【0009】本発明において用いられる透過光散乱性制
御フィルムにおいて、高分子樹脂配向フィルム内部の屈
折率の周期的な分布は、多数の空孔の存在によって生じ
るものであるから、フィルム内部に空孔が存在している
ことが必要である。フィルム内部の多数の空孔の存在
は、延伸方向に対して垂直に切ったフィルムの断面にお
いて、走査型電子顕微鏡により倍率1000倍以上にお
いて確認できる。
【0010】このフィルム内部における空孔の大きさ、
分布等は、反射型液晶表示装置の反射フィルムの特性に
影響を与えていると考えられる。一般に内部散乱型の光
散乱フィルムであれば、平行光線分光透過率測定におい
て、透過率に波長依存性が存在し、それが内部の屈折率
分布を表していることが知られている。例えば、高分子
樹脂中に均一に分散された球形の高分子樹脂とは屈折率
の異なる微粒子のようなものを考えた場合、平行光線分
光透過率の波長分散は微粒子の平均直径に依存すること
が知られている。
【0011】そこで、本発明の反射フィルムにおいて用
いられる透過光散乱性制御フィルムは、波長500nmと150
0nmによって測定されたフィルムの平行光線分光透過率
を、それぞれT500(%)、T1500(%)とした場合、0.5≦T150
0/T500≦30かつ3%≦T500(%)≦85%であることが好まし
い。本発明で定義されるT1500/T500及びT500は高分子樹
脂内部の空孔の大きさ、分布状態、密度等の情報を含ん
でいるものと考えられ、個別にそれらの寄与について分
離することは困難であるが、いずれにしても、反射特性
の特異的な反射フィルムを得るためには上記範囲を満足
することが好ましい。
【0012】なお、本明細書中で用いるT1500、T500の
値は、(株)日立製作所製の商品名「U-3500」分光光度
計において、ダブルビーム平行光線分光透過率測定にお
いて得られたものである。また、それらの値は入射光を
フィルム表面の法線方向から入射した値で定義した。透
過光散乱性制御フィルムは1枚でも効果があるが、複数
枚用いた場合にはそれぞれ1枚ずつのフィルムの特性
が、上記分光透過率分散値を示すことが好ましい。
【0013】透過光散乱性制御フィルム内部の空孔分布
状態等は、先述した平行光線分光透過率によって好まし
い状態が規定される。
【0014】また、透過光散乱性制御フィルムの光学特
性としては、法線方向からの入射光で測定したJIS K710
5で定義される全光線透過率が50%以上かつ、ヘーズが1
0〜90%であることが好ましい。さらに光線入射方向に
よりヘーズが異なることにより平行光線透過率が異な
り、平行光線透過率角度依存性を測定する図4に示す光
学系にて測定を行った際に、光透過率が次の条件を満足
することが好ましい。
【0015】ここで図4において、42は平行光を照射す
る光源、41は検出器、43は入射平行光線、40は測定サ
ンプルであり、光線入射方向(=出射方向)はフィルム
表面法線とのなす角θ(°)とその法線を回転中心とし
たフィルム面上での回転角R(°)から定義される。そ
して最小の平行光線透過率Tmin(%)、そのときの入射
角θmin(°)、最大の平行光線透過率Tmax(%)、そ
のときの入射角θmax(°)とした場合に、0°≦θ≦
60°かつ−180°<R≦180°の範囲において、
θmin<θmaxのときは
【0016】
【数3】 Tmax/Tmin>1.1、 ・・・(I) θmin>θmaxのときは
【0017】
【数4】 {Tmax×cos(θmin)}/{Tmin×cos(θmax)}>1.1 ・・・(II) となることが好ましい。
【0018】なお、基準位置としての回転角R=0゜の
位置の設定は、測定に用いる光学装置において任意に行
うことが出来る。同じR値においてこの条件は満足され
なくてはならない。−180°<R≦180°の範囲に
おいて(I)または(II)式を満足するRが存在すればよ
い。入射光は平行光線であることが好ましく、本発明に
おいては光源をハロゲンランプ、フォトマル検出器の前
に、JIS Z8701において定義されるY値を得るためのY視
感度フィルターが設定された光学系を有する、大塚電子
(株)製の商品名「LCD5100」によって定義した。
【0019】ここで言う入射角度によりヘーズが異なる
とは、入射角の変化に伴い、フィルム中を伝搬する光の
行路長が変化するために生じる現象を指すのではなく、
フィルムの構造に起因して生じる現象を指す。
【0020】また、透過光散乱性制御フィルムの材料
は、成形性に優れている点から熱可塑性高分子樹脂であ
ることが必要である。延伸されるフィルムは可視光線に
おいて透明であることが好ましい。
【0021】本発明の反射フィルムにおいて用いられる
透過光散乱性制御フィルムは、フィルム表面に微小な溝
が観測できる場合がある。これは延伸によって生じたも
ので一軸延伸であれば、延伸方向とはほぼ垂直方向に延
びた溝が観測できる場合がある。透過光散乱性制御フィ
ルムの光学特性は、フィルム内部の空孔分布による屈折
率分布によって主に決定されており、このフィルム表面
における溝の形状、分布は本発明の反射フィルムにおけ
る透過光散乱性制御フィルムの光学特性とは無関係であ
るが、入射角によって散乱性の異なる反射フィルムとし
て、好ましい光学特性を有するフィルム表面においてこ
のような溝が生じている場合がある。
【0022】上記フィルム表面における溝は、原子間力
顕微鏡にてフィルム表面を観察した際に見られるもので
ある。延伸方向とは垂直方向に延びた溝が、フィルム表
面上に任意の20μm四方の範囲において、単独あるい
は複数の溝が存在し、さらに溝の方向は角度のばらつき
が延伸方向の垂直方向を中心として±20度以内である
ことが好ましい。また、溝の長さは5μm以上であるこ
と、溝の幅が0.01〜15μmであること、溝の深さが1〜2
00nmであること、長さa(μm)と幅b(μm)の比a/b
が1.5以上であることがそれぞれ好ましい。
【0023】上記溝の形状のうち、深さ、幅は、溝長手
方向と直交する方向に一次元的に原子間力顕微鏡の針を
走査させた際のプロファイルから特定される。例えば、
図5のような一次元プロファイルがあったならば、測定
した領域内において、接線の傾きがJIS B0601-1982に記
載される平均線(直線)に平行となりかつ溝の最も深い
位置53から最も53に近くにある点54における接線
と、点54と点53の間にあって、最も傾きの急な点55に
おける接線との交点50と、図5にて同様に定義される点
52との中点である51から、溝の最も深い点53との距
離を溝の深さと定義する。一方、幅は点50と52との距
離と定義する。さらにフィルム両面に前述した溝が存在
することが好ましい。また、溝の深さ、幅は、溝の長手
方向の中央、両端より0.5μm以内のところにおいて測
定され上記範囲内であることが好ましい。
【0024】透過光散乱性制御フィルム表面において存
在している場合がある溝は、一軸延伸により発現したも
のであることが必要である。一軸延伸以外によっても例
えば、金型転写等により熱可塑性高分子樹脂フィルム表
面に溝を形成することはできるが、このような方法では
内部の周期的な空孔分布の発生を期待することはできな
い。前述したように、フィルム表面上におけるこの溝
は、光学特性を主に決定しているものではない。これ
は、本発明において用いられる透過光散乱性制御フィル
ムの表面上に該熱可塑性高分子樹脂に屈折率の近い透明
な樹脂による膜を形成し、溝を埋めてしまってもほとん
ど光学特性に変化がないことから証明される。
【0025】本発明における熱可塑性高分子樹脂の材料
としては、ガラス転移点温度が50〜300℃であるこ
とが好ましく、より好ましくは80〜250℃である。
ガラス転移点温度が50℃以下では成型後の耐熱性に問
題があり、300℃以上では成型性において問題が生じ
る場合がある。
【0026】かかる熱可塑性高分子樹脂としては、好ま
しくはポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメタク
リレート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリ
レート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリオレ
フィン、トリアセチルセルロース、芳香族系高分子液晶
等であり、それらの共重合体または2種類以上のブレン
ドであってもよいが、前述したように上記1種類の樹脂
を用いて成型することが生産性の点から好ましい。添加
物としては、キシレン、アルコール類、ケトン類等を用
いることが出来るが、これらに限定されない。
【0027】熱可塑性高分子樹脂中の添加剤としてはそ
の他に、延伸性や表面平滑性を改良するためのアクリル
系やシリコーン系等の微粒子やフィラー等を含んでいて
も良い。この場合、添加剤の添加量としては熱可塑性高
分子樹脂量対比で10重量%以下であることが好まし
い。
【0028】本発明において、上記熱可塑性高分子樹脂
は従来の溶融製膜、流延製膜等により製膜され、つい
で、例えば一軸延伸等の延伸処理を行って配向フィルム
を与えることができる。
【0029】このとき、流延製膜法にて延伸前のフィル
ムを作成する場合には残留溶媒を含んでいても良い。流
延製膜法にて作成した延伸前のフィルムを用いた場合に
は、延伸前の残留溶媒量としては0〜10重量%である
ことが好ましい。ここでいう残留溶媒量とは、残留溶媒
を含んだ高分子樹脂中に含まれる溶媒の量を言う。延伸
後には残留溶媒量は3重量%以下であることが好まし
く、より好ましくは1重量%以下である。
【0030】特に、熱可塑性高分子樹脂としてポリカー
ボネートを用い、流延製膜法にて延伸前のフィルムを作
成する場合には、溶媒として好ましくはメチレンクロラ
イド、ジオキソラン等である。
【0031】また、熱可塑性高分子樹脂は非結晶性高分
子樹脂であることが好ましい。非結晶性高分子樹脂とは
通常の延伸条件において、結晶相、液晶相をとらない樹
脂であり、これは一軸延伸後または中に相変化を生じな
いことから、光学特性を制御しやすい場合が多く好まし
く用いられる。非結晶性高分子樹脂としては、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリオレフィン、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホンおよびそれらの共重合体等
であることが好ましい。材料入手の経済性、耐熱性等か
ら特に好ましくはポリカーボネートである。
【0032】ポリカーボネートの平均分子量としては、
0.5万から20万の間であることが好ましく、より好まし
くは0.8万から10万である。分子量が0.5万未満では耐熱
性等に問題がある場合が多く、また、分子量20万より大
きい場合には目的の光学特性を得られない場合がある。
ここで言う平均分子量とは、特別に断らない限り、数平
均分子量のことであり、GPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算の数平均
分子量とする。また、ポリカーボネートとしては公知の
ものを用いることが出来るが、好ましくはビスフェノー
ルAを主成分として用いたもので、ポリー4、4‘ージ
オキシジフェニールー2、2ープロパンカーボネートが
材料入手性、延伸性の観点から特に好ましく用いられ
る。共重合のポリカーボネートも好適に用いられ、例え
ばビスフェノールZ成分やフルオレン骨格等有するもの
等を用いることが出来る。
【0033】例えば熱可塑性高分子樹脂配向フィルムと
してポリ−4,4‘−ジオキシジフェニール−2,2−
プロパンカーボネートを用いた場合には、熱可塑性高分
子樹脂フィルムのガラス転移点温度をTg(℃)とした場
合、延伸温度D(℃)がTg-40≦D≦Tg+20であり、ネッ
クイン率が25%以上70%以下となる延伸条件を用いる
ことが好ましい。ここでいうネックイン率とは、膜厚の
変化で定義するものとされ、延伸前の膜厚をA,延伸後の
膜厚をBとした場合、100×(A-B)/A(%)で表すものとす
る。多段延伸である場合には、すべての延伸終了後に上
記ネックイン率となることが好ましい。
【0034】本発明の反射フィルムにおいて用いられる
透過光散乱性制御フィルムの膜厚としては、1μmから4
00μm程度であることが好ましく、より好ましくは 5μ
mから200μmである。
【0035】また、透過光散乱性制御フィルムは、光学
異方性を有していてもよい。一般に熱可塑性高分子樹脂
からなるフィルムを一軸延伸したものは、その延伸方向
に光学軸を有した配向フィルムとなる。ここでいう光学
異方性は複屈折Δnと膜厚dとの積であるΔn・dで表さ
れる。特に透過光散乱性制御フィルムに対しポリカーボ
ネートを用いた場合には、光学異方性の大きさとして好
ましくは、測定波長590nmの光を用いて、Δn・d≧200nm
であり、より好ましくはΔn・d≧500nmである。複数枚
使用した場合にはそれぞれが上記範囲内であることが好
ましい。測定装置としては光弾性変調素子を有する日本
分光(株)製の商品名「M150」で行うことが好まし
い。
【0036】必要とされるΔn・dの大きさは用途により
異なるので一概には言えないが、液晶表示装置において
用いられる場合には、遅相軸方位の分布は±10°以内
であることが好ましい。光学異方性を積極的に利用し公
知の方法により最適化することにより、例えば、STN
(スーパーツイストネマチック)モードにおける色補償
も兼ねることが可能である。
【0037】本発明によれば、上記透過光散乱性制御フ
ィルムの片側に金属膜を設けることにより、反射特性を
制御可能な、具体的には入射角によって反射特性が大き
く異なる反射フィルムを提供することが出来る。透過光
散乱性制御フィルムは複数枚用いてもよく、例えば、透
過光散乱性制御フィルムの位相差が問題となる場合に
は、同じ位相差を持つフィルムを光学軸を直交させて2
枚貼り合わせることにより、解消することが可能であ
る。金属膜としては公知のステンレス、アルミ、銀等公
知のものが用いられる。この金属膜の積層方法として
は、公知のスパッタリング技術、塗工技術、蒸着技術、
ゾルゲル塗工技術等を用いることが出来る。金属膜を構
成する金属としては、例えば金、ステンレス、アルミニ
ウム、銀、白金等の及びそれらの合金を挙げることがで
きる。
【0038】金属膜は、一層であっても複数の積層体で
あってもよく、光吸収の少ないもので一般に反射材料と
して用いられているものなら使用可能である。また、金
属膜には反射率を損なわない程度に微量の非金属元素が
混入していても良い。上記金属膜の厚さは、10〜10
000Åの範囲が好ましい。
【0039】また、金属膜を積層する方法としては、例
えば透過光散乱性制御フィルムのすぐ上に金属膜を積層
してもよいし、図2または図3に示すような金属膜付フ
ィルム基板と透過光散乱性制御フィルムを粘着剤や接着
剤等を中間層として介して貼り合わせたものでも良い。
かかる中間層は透明なものが好ましい。
【0040】金属膜や透過光散乱性制御フィルム上に透
明な材料を積層し、例えば、ハードコート性や反射防止
性、防眩性、金属膜においては酸化防止性等を付与して
も良い。これらは公知の材料を使用し得る。また、保護
フィルムが必要であれば設置しても良い。保護フィルム
としては好ましくは、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ
メチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリエーテルサルホン、ポ
リサルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケ
トン、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、芳香
族系高分子液晶等である。保護フィルムと透過光散乱性
制御フィルムは公知の接着剤、粘着剤が用いられる。反
射損失を防ぐ点からはこれらの接着剤、粘着剤の屈折率
は透過光散乱性制御フィルムと保護フィルムの中間の屈
折率を取るものが好ましい。
【0041】本発明の反射フィルムにおいては、積層す
る金属膜の種類や膜厚により、透過率を制御することで
バックライトを用いた液晶表示装置にも用いられる半透
過反射フィルムとすることも可能である。
【0042】本反射フィルムを反射型液晶表示装置の観
測者に対して液晶層の裏側に装着することにより、例え
ば特定の方向に輝度の高い反射型液晶表示装置が得られ
る。偏光板を用いた反射型液晶表示装置において、本反
射フィルムの光学異方性により色調変化等で問題となる
場合には、例えば、偏光板の光学軸と本反射フィルムの
光学軸を直交または平行とする等により、または、他の
位相差フィルムとの組み合わせ等、構成の光学設計等に
より回避することが可能である。投写型表示装置におけ
る反射スクリーンとして使用する際も同様である。
【0043】また、本発明の反射フィルムを投写型表示
装置やオーバーヘッドプロジェクターに用いられる反射
型スクリーンとして用いることにより、例えば、左右方
向にのみ明るいといった輝度に方向依存性がある反射ス
クリーンを提供可能である。
【0044】ここで言う反射型液晶表示装置とは、駆動
方式としてはアクテイブマトリクス駆動、単純マトリク
ス駆動等、液晶モードとしては、ツイストネマチック、
スーパーツイストネマチック、ベンド配向、垂直配向、
ハイブリッドアラインドネマチック、ゲストホスト、高
分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶モード
等すべての液晶を用いた表示装置のことである。また、
偏光板を1枚のみ使用するタイプにも適用可能である。
また、本金属膜に液晶表示装置における電極を兼ねさせ
ても良い。
【0045】反射型液晶表示装置に本発明の反射フィル
ムを装着する際には、反射損失等の関係で出来るだけ密
着させることが好ましい。例えば粘着剤を介して液晶層
基板や偏光板、位相差板等と貼り合わせることが出来
る。なお、後述の実施例、比較例におけるその評価は次
のようにして行った。
【0046】
【実施例】
(1)ヘーズ、全光線透過率測定 日本工業規格JIS K7105『プラスチックの光学的特性試
験方法』に準じ積分球式光線透過率測定装置により測定
した。評価装置としては、日本電色工業(株)製の色差
・濁度測定器である商品名「COH-300A」を用いた。
【0047】(2)平行光線透過率入射角度依存性測定 光源をハロゲンランプ、フォトマル検出器の前に、JIS
Z8701において定義されるY値を得るためのY視感度フィ
ルターが設定された光学系を有する大塚電子(株)製の
商品名「LCD5100」を用いた。検出器の開口角は約3.5゜
である。測定温度は25゜とした。平行光線透過率入射
角度依存性測定における光学系概略図を図4に示す。図
4においては40は測定サンプル、41は検出器、42は光
源、43は入射平行光線をそれぞれ表す。
【0048】(3)相対反射率入射角依存性測定 評価装置としては、光源をハロゲンランプ、フォトマル
検出器の前に、JIS Z8701において定義されるY値を得る
ためのY視感度フィルターが設定された光学系を有する
大塚電子(株)製の商品名「LCD5100」を用いた。検出
器の開口角は約3.5゜である。測定光学系概略図を図6に
示す。図6において60は測定サンプル、61は光源、62は
検出器、63は反射測定光線、64は測定される点、65は入
射平行光線である。本測定はポリエチレンテレフタレー
ト(PET)からなる透明フィルム基板上にスパッタ法
により積層したアルミニウム/ステンレス2層膜(膜厚
3000Å/40Å、アルミニウムはPET側)におい
て、入射角a=-30゜,反射角b=30゜のとき、反射率を100
%と設定した。(光はステンレス側から入射) 以下、
この金属膜をリファレンスと呼ぶ。
【0049】(4)走査型電子顕微鏡によるフィルム断
面観察 断面作製は液体窒素中で凍結割断を行い、約3nmのプラ
チナコーテイングを行った。加速電圧は3.0kV、走査型
電子顕微鏡としては(株)日立製作所製の商品名「S-90
0」を用いた。
【0050】(5)原子間力顕微鏡によるフィルム表面
観察 セイコー電子工業(株)製の商品名「SFA300」である原
子間力顕微鏡を用いて、フィルムの表面における任意の
20μm四方を測定した。
【0051】(6)ガラス転移点温度の測定 TAインスツルメント・ジャパン(株)製の商品名「DSC2
920」及びその解析ソフトより求めた。ガラス転移点温
度はDSCチャートにガラス転移点として変化の現れる付
近における最大の傾きの点をガラス転移点と定義した。
また、昇温速度は20℃/分とした。
【0052】(7)分光透過率測定 ダブルビームの平行光線を有する分光透過率測定は、
(株)日立製作所製の商品名「U-3500」にて測定を行っ
た。測定入射光はサンプル表面法線方向に平行とした。
【0053】(8)光学異方性測定 光学異方性の評価は測定波長590nmにおけるΔn・d
(Δn;複屈折、d;膜厚)で行った。測定入射光はサ
ンプル表面法線方向に平行とした。測定装置としてはキ
セノンランプを光源とし、光弾性変調素子及びモノクロ
メータを有する日本分光(株)製の商品名「M150」
で行った。
【0054】[実施例1]溶媒をメチレンクロライドと
した流延製膜法によりポリカーボネート(帝人化成
(株)製商品名「C1400」を使用)からなる幅15cm、膜
厚75μmで、フィルム表面法線方向から入射した光で測
定して全光線透過率91%、ヘーズ0.3%、590nmにおける
Δn・dが10nmである透明フィルムを得た。このポリカー
ボネートのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)法によるポリスチレン換算数平均分子量は2200
0、重量平均分子量は74000であった。また、このフィル
ムのメチレンクロライド含有量は乾燥重量法で測定して
4重量%であった。フィルムのガラス転移点温度は119℃
であった。このフィルムを図7の模式図に示すような縦3
0cm横30cmの加熱延伸ゾーンを有する縦一軸延伸装置に
より、延伸倍率2.1倍、延伸温度103℃で縦一軸延伸を行
った。延伸後の膜厚は41μmであった。なお、図7にお
いて、70〜73はニップロール、74は加熱延伸ゾーン、75
は熱可塑性高分子樹脂フィルムである。この延伸温度は
加熱延伸ゾーン中央部において、フィルムより2cm以内
の距離のところで熱電対により測定した。以下の実施
例、比較例でも延伸温度の測定法はこれと同じとした。
また、延伸法は乾式延伸であり以下の実施例はすべて乾
式延伸法である。
【0055】原子間力顕微鏡にてこのフィルム表面にお
ける任意の20μm四方を測定した。その像から延伸方
向に垂直な溝が観測された。溝は長さ15μm、幅が両
端、中央部でそれぞれ10μm、10μm、11μm、深さが
両端、中央部でそれぞれ50nm、50nm、70nmである溝が存
在しており、かつ溝の長手方向がほぼ延伸方向に垂直方
向である溝の存在を確認した。
【0056】また、該透過光散乱性制御フィルムに対し
て、フィルム表面に垂直でかつ延伸方向に平行に切った
断面に対して走査型電子顕微鏡により観察を行った。延
伸により発生した空孔を多数有する構造であることが分
かった。
【0057】このフィルムの法線方向からの入射光に対
する全光線透過率は90.0%であり、ヘーズは40.2%であ
った。次に大塚電子(株)製の商品名「LCD5100」にて
図4の光学系で、該透過光散乱性制御フィルムの平行光
線透過率を測定した。図4の光学系で延伸方向をR=0゜と
設定した。R=0゜のとき最小の平行光線透過率であるTmi
n(%)=5.1%でこのときθmin=60゜、また最大の平行
光線透過率はTmax=100%でこのときのθmax=0゜であっ
た。θmin>θmaxであり、{Tmax×cos(θmin)}/{Tmi
n×cos(θmax)}=9.8(ただし、0゜≦θ≦60゜)であっ
た。なお、この平行光線透過率は相対的な値であり、本
測定においてはθ=0゜、R=0゜のときの平行光線透過率
を100%と設定した。また、図4の光学系で測定した
平行光線透過率のR,θ依存性を図8に示す。なお、図8
ではR=0,90゜のときθを正の値で表し、一方、R=-90
゜、180゜のときθを負の値で表した。また、図8ではR=
0゜、90゜、-90゜、180゜における平行光線透過率のR
依存性を一つの図に表したため、R=-90゜、180゜のと
きθは負の値となっているが、式(I)、(II)において
は、これら負の値は正の値に変換して考慮するものとす
る。以下の図11においても同様であるとする。
【0058】また、分光透過率測定を行ったところ、測
定波長500nm,1500nmでの分光透過率はそれぞれ55.3%,5
3.1%であった。
【0059】このフィルムを偏光顕微鏡により観察した
ところ、延伸方向に遅相軸のある光学異方性を有するこ
とを確認した。測定光590nmにおけるΔn・dは1600nmで
あった。
【0060】次に該透過光散乱性制御フィルムの片側に
リファレンスと同様な金属膜をスパッタ法により積層
し、目的の反射フィルムを作製した(ポリカーボネート
/ステンレス/アルミニウムの積層体)。図6の光学系
にて測定した相対反射率入射角依存性を図9、図10に
示す。光はポリカーボネート側から入射した。透過光散
乱性制御フィルムの延伸方向をc=0,180゜とした。図
9、10でフィルム法線方向を0゜として入射角a゜を負
の角度で表し、反射角b゜を正の値で表した。図9では
光源、測定点、検出器で作られる反射フィルムに垂直な
平面と反射フィルムとの交線がc=0,180゜の方向と平行
である場合で、図10では該交線がc=±90゜の方向と平
行である場合の測定結果である。図9、10から判るよ
うに、相対反射率が入射方向(c゜)によって大きく異
なり、かつ相対反射率も後述する市販の反射フィルムに
比べて大きいことが判った。図9、10ではそれぞれc=0
゜、90゜の場合のみ記したが、それぞれc=0゜とc=180
゜、c=90゜とc=-90゜は同様の結果となる。
【0061】さらに本反射フィルムを市販の反射型液晶
表示装置に用い、室内にて蛍光灯を点灯させて観察した
が、法線方向より観察しても反射フィルムによる液晶表
示装置の外側の背景の映り込みが気にならず、かつ、反
射フィルムの貼り合わせ角度を適当に調整することによ
り、用途に応じて、見る方向によって明るさを制御可能
な反射型液晶表示装置が得られることが判った。
【0062】[実施例2]溶媒をメチレンクロライドと
した流延製膜法によりポリカーボネート(帝人化成
(株)製商品名「C1400」を使用)からなる幅23cm、膜
厚75μmで、フィルム表面法線方向から入射した光で測
定して全光線透過率91%、ヘーズ0.3%、590nmにおける
Δn・dが10nmである透明フィルムを得た。このポリカー
ボネートのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)法によるポリスチレン換算数平均分子量は2200
0、重量平均分子量は74000であった。また、このフィル
ムのメチレンクロライド含有量は乾燥重量法で測定して
4重量%であった。フィルムのガラス転移点温度は119℃
であった。このフィルムを図7の模式図に示すような縦3
0cm横30cmの加熱延伸ゾーンを有する縦一軸延伸装置に
より、延伸倍率2.4倍、延伸温度103℃で縦一軸延伸を行
った。延伸後の膜厚は40μmであった。なお、図7にお
いて、70〜73はニップロール、74は加熱延伸ゾーン、75
は熱可塑性高分子樹脂フィルムである。この延伸温度は
加熱延伸ゾーン中央部において、フィルムより2cm以内
の距離のところで熱電対により測定した。以下の実施
例、比較例でも延伸温度の測定法はこれと同じとした。
【0063】原子間力顕微鏡にてこのフィルム表面にお
ける任意の20μm四方を測定した。その像から延伸方
向に垂直な溝が観測された。溝は長さ20μm、幅が両
端、中央部でそれぞれ4μm、4μm、6μm、深さが両
端、中央部でそれぞれ40nm、30nm、40nmである溝が存在
しており、かつ溝の長手方向がほぼ延伸方向に垂直方向
である溝の存在を確認した。
【0064】また、該透過光散乱性制御フィルムに対し
て、フィルム表面に垂直でかつ延伸方向に平行に切った
断面に対して走査型電子顕微鏡により観察を行った。延
伸により発生した空孔を多数有する構造であることが分
かった。
【0065】このフィルムの法線方向からの入射光に対
する全光線透過率は89.9%であり、ヘーズは62.7%であ
った。次に大塚電子(株)製の商品名「LCD5100」にて
図4の光学系で、該透過光散乱性制御フィルムの平行光
線透過率を測定した。図4の光学系で延伸方向をR=0゜と
設定した。R=0゜のとき最小の平行光線透過率であるTmi
n(%)=17%でこのときθmin=7゜、また最大の平行光
線透過率はTmax=100%でこのときのθmax=60゜であっ
た。θmin<θmaxであり、Tmax/Tmin=5.9(ただし、0゜
≦θ≦60゜)であった。なお、この平行光線透過率は相
対的な値であり、本測定においてはθ=60゜、R=0゜のと
きの平行光線透過率を100%と設定した。また、図4
の光学系で測定した平行光線透過率のR,θ依存性を図
11に示す。なお、図11ではR=0,90゜のときθを正の値で
表し、一方、R=-90゜、180゜のときθを負の値で表し
た。また、図11ではR=0゜、90゜、-90゜、180゜におけ
る平行光線透過率のR依存性を一つの図に表したため、
R=-90゜、180゜のときθは負の値となっているが、式
(I)、(II)においては、これら負の値は正の値に変換し
て考慮するものとする。
【0066】また、分光透過率測定を行ったところ、測
定波長500nm,1500nmでの分光透過率はそれぞれ25.2%,7
6.1%であった。
【0067】このフィルムを偏光顕微鏡により観察した
ところ、延伸方向に遅相軸のある光学異方性を有するこ
とを確認した。測定光590nmにおけるΔn・dは1900nmで
あった。
【0068】次に該透過光散乱性制御フィルムの片側に
リファレンスと同様な金属膜をスパッタ法により積層
し、目的の反射フィルムを作製した。図6の光学系にて
測定した相対反射率入射角依存性を図12、図13に示す。
透過光散乱性制御フィルムの延伸方向をc=0,180゜とし
た。図12、13でフィルム法線方向を0゜として入射角a゜
を負の角度で表し、反射角b゜を正の値で表した。図12
では光源、測定点、検出器で作られる反射フィルムに垂
直な平面と反射フィルムとの交線がc=0゜,180゜の方向
と平行である場合で、図13では該交線がc=±90゜の方向
と平行である場合の測定結果である。図12、13から判る
ように、相対反射率が入射方向(c゜)によって大きく
異なり、かつ相対反射率も後述する市販の反射フィルム
に比べて大きいことが判った。図12、13ではそれぞれc=
0゜、90゜の場合のみ記したが、それぞれc=0゜とc=180
゜、c=90゜とc=-90゜は同様の結果となる。
【0069】さらに本反射フィルムを市販の反射型液晶
表示装置に用い、室内にて蛍光灯を点灯させて観察した
が、法線方向より観察しても反射フィルムによる液晶表
示装置の外側の背景の映り込みが気にならず、かつ、反
射フィルムの貼り合わせ角度を適当に調整することによ
り、用途に応じて、見る方向によって明るさを制御可能
な反射型液晶表示装置が得られることが判った。
【0070】[比較例1]市販の反射型液晶表示装置で
あるシャープ株式会社製の商品名「ザウルスPI-6000」
に使用されている反射フィルムの相対反射率測定を、実
施例1、2と同様に実施した。画面上下方向をc=0,180
゜とした。図14、15から判るように、相対反射率が入射
方向(c゜)によって大きく異なることはないことが判
った。
【0071】
【発明の効果】本発明は、内部に微細な多数の空孔を含
有する部分を有する熱可塑性高分子樹脂配向フィルムか
らなる透過光散乱性制御フィルムに、金属膜を積層する
ことによる、入射方位によって反射特性が異なる反射フ
ィルムに関するものであり、本発明の反射フィルムを反
射型液晶表示装置や投写型表示装置の反射スクリーン等
に用いることにより、特定の方向に明るい反射型液晶表
示装置や投写型表示装置の反射スクリーンを得られると
いった効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射フィルム構成模式図
【図2】本発明の反射フィルム構成模式図
【図3】本発明の反射フィルム構成模式図
【図4】平行光線透過率角度依存性の測定における光学
系概略図
【図5】透過光散乱性制御フィルム表面における溝の短
径及び深さの定義の説明図
【図6】本発明の反射フィルムの相対反射率角度依存性
測定光学系概略図
【図7】実施例1、2における縦一軸延伸装置加熱延伸
ゾーン付近の概略図
【図8】実施例1における透過光散乱性制御フィルムの
平行光線透過率角度依存性
【図9】実施例1における反射フィルムの相対反射率角
度依存性(c=0゜)
【図10】実施例1における反射フィルムの相対反射率
角度依存性(c=90゜)
【図11】実施例2における透過光散乱性制御フィルム
の平行光線透過率角度依存性
【図12】実施例2における反射フィルムの相対反射率
角度依存性(c=0゜)
【図13】実施例2における反射フィルムの相対反射率
角度依存性(c=90゜)
【図14】比較例1における反射フィルムの相対反射率
角度依存性(c=0゜)
【図15】比較例1における反射フィルムの相対反射率
角度依存性(c=90゜)
【符号の説明】
1:透過光散乱性制御フィルム 2:金属膜 3:透過光散乱性制御フィルム 4:粘着層または接着層 5:金属膜 6:フィルム基板 7:透過光散乱性制御フィルム 8:粘着層または接着層 9:フイルム基板 10:金属膜 40:測定サンプル 41:検出器 42:光源 43:入射平行光線 50:測定した領域内において、接線の傾きがJIS B0601-
1982に記載される平均線(直線)に平行となりかつ溝の
最も深い位置53から最も53に近くにある点54におけ
る接線と、点53と点54の間にあって、最も傾きの急な点
55における接線との交点 51:点50、52の中点 52:点50と同様にして決定される点 53:溝の最も深い点 54:測定した領域内において、接線の傾きがJIS B0601-
1982に記載される平均線(直線)に平行な直線と、表面
一次元プロファイルとの接点 55:点54と点53の間にあって、最も傾きの急な点 56:フィルム表面の溝長手方向と直交する方向に一次元
的に原子間力顕微鏡の針を走査させた際の表面一次元プ
ロファイル 60:測定サンプル 61:光源 62:検出器 63:反射測定光線 64:測定点 65:入射平行光線 70,71,72,73:ニップロール 74:加熱延伸ゾーン 75:熱可塑性高分子樹脂フィルム

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に微細な多数の空孔を含有する部分
    を有する熱可塑性高分子樹脂配向フィルムからなる透過
    光散乱性制御フィルムに、金属膜を積層してなる反射フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 透過光散乱性制御フィルムが、波長500n
    mと1500nmによって測定されたフィルムの平行光線分光
    透過率を、それぞれT500(%)、T1500(%)とした場合、0.5
    ≦T1500/T500≦30であり、かつ3%≦T500(%)≦85%であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の反射フィルム。
  3. 【請求項3】 透過光散乱性制御フィルムの平行光線透
    過率入射角度依存性測定において、光線入射方向(=出
    射方向)とフィルム表面法線とのなす角θ(°)、及び
    その法線を回転中心としたフィルム面上での回転角R
    (°)から定義される光学系を用い、最小の平行光線透
    過率をTmin(%)、そのときの入射角θmin(°)、最
    大の平行光線透過率をTmax(%)、そのときの入射角θ
    max(°)とした場合に、0°≦θ≦60°かつ−18
    0°<R≦180°の範囲において、θmin<θmaxのと
    きは 【数1】 Tmax/Tmin>1.1、 ・・・(I) θmin>θmaxのときは 【数2】 {Tmax×cos(θmin)}/{Tmin×cos(θmax)}>1.1 ・・・(II) となる回転角R(゜)が存在することを特徴とする請求
    項1〜2のいずれかに記載の反射フィルム。
  4. 【請求項4】 透過光散乱性制御フィルムの全光線透過
    率が50%以上、かつヘーズが10〜90%であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
  5. 【請求項5】 透過光散乱性制御フィルムが非結晶性高
    分子樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の反射フィルム。
  6. 【請求項6】 透過光散乱性制御フィルムが単一の高分
    子樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の反射フィルム。
  7. 【請求項7】 透過光散乱性制御フィルムの光学異方性
    の大きさが波長590nmの光で測定して、Δn・d≧50nm
    (Δn;複屈折、d;膜厚)であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の反射フィルム。
  8. 【請求項8】 透過光散乱性制御フィルムがポリカーボ
    ネートからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の反射フィルム。
  9. 【請求項9】 透過光散乱性制御フィルムの光学異方性
    の大きさが波長590nmの光で測定して、Δn・d≧200n
    m(Δn;複屈折、d;膜厚)であることを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載の反射フィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003500684A (ja) * 1999-05-20 2003-01-07 ツムトーベル シュタッフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 光線を反射させるための光学要素、およびその製造方法
JP2007213034A (ja) * 2006-01-12 2007-08-23 Tomoharu Oana プラスチックミラー積層体
JP2012048246A (ja) * 2006-01-12 2012-03-08 C I Kasei Co Ltd プラスチックミラー積層体
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JP2016193603A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 住友化学株式会社 光学積層体及び液晶表示装置

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