JPH10332685A - フレッシュコンクリートの空気量測定方法 - Google Patents

フレッシュコンクリートの空気量測定方法

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JPH10332685A JP14419597A JP14419597A JPH10332685A JP H10332685 A JPH10332685 A JP H10332685A JP 14419597 A JP14419597 A JP 14419597A JP 14419597 A JP14419597 A JP 14419597A JP H10332685 A JPH10332685 A JP H10332685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面倒な操作を排除して測定精度を向上させる
こと。 【解決手段】 空気量を測定する際には、容器本体12
内にコンクリートCを収容し、密閉蓋14で気密密閉し
た後に全体重量を図る。接続口18を閉止し、開閉弁2
0を解放した状態で、注水口16を解放して、コンクリ
ートCの上部側の空間に注水する。容器10の内部の空
気が追い出されると、注水口16および開閉弁20を閉
止し、容器10内を概略大気圧に保つ。注水が完了する
と、全体重量W1を測定する。次に、接続口18に圧力
校正器24を接続して、コンクリートCの上部側に2次
注水を行い、容器10内を加圧し、このときの圧力値P
2と全体重量W2とを測定する。v2=(W2−W1)/
ρT,P1・v0=k,P2(v0−v2)=kから、見掛け
の空気量v0=P2・v2/(P2−P1)を求める。ここ
で、P1;大気圧、ρT;水のT℃における比重とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレッシュコンク
リートの空気量の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フレッシュコンクリートの空気量の測定
は、例えば、JISに規定されている空気室圧力方法
(JIS A 1128-1993)により一般的に行われてい
る。この空気量の測定方法では、図3に示す空気量測定
器が用いられている。
【0003】同図に示した空気量測定器は、測定容器1
と圧力計2とを有している。測定容器1は、上端が開口
し、内部に測定対象コンクリートCを収納する容器本体
1aと、容器本体1aの上端開口を気密閉塞する密閉蓋
1bとを有している。
【0004】密閉蓋1aの上面上には、隔壁1cを設け
ることにより空気室3が形成されている。圧力計2は、
空気室3内の圧力を測定するようになっている。
【0005】密閉蓋1bには、容器本体1a内と空気室
3との間を連通・閉塞する作動弁4と、容器1内に水を
注水する注水口5とが設けられている。
【0006】このような構造の空気量測定器を用いる測
定方法では、ボイルの法則(PV=一定,P=圧力,V
=気体の体積)利用し、コンクリートC中の空気量の体
積変化による圧力変化を圧力計2で読取ることにより、
コンクリートC中の見掛けの空気量を測定し、得られた
値から骨材修正係数を減ずることにより空気量が求めら
れる。
【0007】しかしながら、このような従来のフレッシ
ュコンクリートの空気量測定方法には、以下に説明する
技術的な課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上述した空
気量測定器を用いる空気量測定方法では、容器本体1a
内に測定対象コンクリートを詰めた後に、コンクリート
の天端をストレートエッジを用いて、すり切るように指
導されているとともに、容器本体1aの天端についてい
るモルタルやコンクリートを、密閉蓋1bの装着前にウ
エスで拭き取るように指導されている。
【0009】ところが、このようなすり切り操作や拭き
取り作業は面倒である上に、特に、すり切り操作は、測
定精度が低下する一因となっていた。
【0010】つまり、すり切り操作を行うと、コンクリ
ート中のモルタルのみが容器本体1aの外に出易く、モ
ルタルのみが排出されると、コンクリート配合が実体と
異なってくる。
【0011】また、すり切り操作を行う際に、コンクリ
ートの天端が、容器本体1aの天端より低くても、水の
表面張力でモルタルがストレートエッジ側に引き寄せら
れ、コンクリートの天端が、容器本体1aの天端と同一
であると錯誤する場合があり、このまま測定が行われる
と、見掛けの空気量は、注水法では、小さくなり、非注
水法では、大きくなるという問題があった。
【0012】さらに、特に注水法においては、作業手順
を間違えたり、作動弁4の劣化などにより、空気室3内
に容器1側から水が逆流して測定精度が低下するなどの
問題も指摘されていた。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、面
倒な操作や作業を伴うことなく、測定精度を向上させる
ことができるフレッシュコンクリートの空気量測定方法
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、容器本体と密閉蓋とを備えた容器を用いるフレッシ
ュコンクリートの空気量測定方法において、前記容器本
体内に測定対象コンクリートを収容して、前記密閉蓋で
閉塞し、前記測定対象コンクリート上の空間部に一次注
水して、全体重量W1を測定し、前記空間部に2次注水
して、前記空間部の圧力値P2と全体重量W2とを測定
し、式 v0=P2・v2/(P2−P1) v2=(W2−W1)/ρT1;大気圧,ρT;水のT℃における比重,v2;2次
注水量 から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v
0(実容積)を求めるようにした。ここで、いま、容器
の容積V0’が既知であり、容器と収容したコンクリー
トの重量の和がW0とすると、一次注水重量W0’は、 W0’=W1−W0 となる。1次注水量をv1とすると、コンクリートの容
積Vは、 V=V0’−v1=(V0’−W0’)/ρT として求められるので、フレッシュコンクリートの空気
量v0’(%)は、v0/V×100で容積%として求め
ることができる。このような測定方法によれば、容器本
体内に測定対象コンクリートを収容すれば空気量の測定
が可能になり、天端のすり切り操作や拭き取り作業が不
要になる。また、本発明の測定方法では、すり切り操作
を行わないので、測定対象コンクリートの実体の変更が
なく、ありのままでの測定が行われ、測定精度の低下を
回避することができる。さらに、従来の測定器のように
空気室がないので、水の逆流による測定精度の低下も発
生しない。また、本発明の測定方法では、前記2次注水
の後に、3次注水して、前記空間部の圧力値P3と全体
重量W3とを測定し、式 v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2) v2,v3;1次注水量を含まない一次注水以降の加圧し
た水の積算量 から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0
求めることができる。この測定方法によれば、大気圧P
1を測定することなく、見掛けの空気量v0を求めること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気量測
定方法の一実施例を示している。
【0016】図2は、同測定方法に使用される測定器の
容器10の詳細であり、容器10は、容器本体12と密
閉蓋14とを有している。
【0017】容器本体12は、上端が開口した有底円筒
形状のものであり、上端開口縁には、フランジ部12a
が形成されている。
【0018】密閉蓋14は、容器本体12のフランジ部
12aと接合するフランジ部14aが下端外周縁に設け
られた円錐台部14bと、円錐台部14bの上端に垂設
され、上端が開口した円筒部14cとを備え、全体形状
が概略逆ロート状に形成されいる。
【0019】円錐台部14bの傾斜面には、開閉可能な
注水口16と、後述する圧力校正器24の接続が可能で
あって、かつ、開閉自在な接続口18とが設けられてい
る。円筒部14cには、内部の空気を排出した後に、容
器10内を密封するための開閉弁20が設けられてい
る。
【0020】なお、図1,2においては、密閉蓋14の
円錐台部14bの傾斜角度を図示の都合上、概略90°
程度に拡開した状態にしているが、実際には、この傾斜
角度は、概略180°に近い平坦な角度に設定する。
【0021】このような容器10を使用してフレッシュ
コンクリートの空気量を測定する際には、まず、図1
(a)に示すように、容器本体12内に測定対象コンク
リートCを収容する。
【0022】測定対象コンクリートCの収容状態は、容
器本体12の天端近傍まで充填する必要はなく、任意の
高さでよく、すり切り操作を行う必要はない。
【0023】次いで、図1(b)に示すように、容器本
体12のフランジ部12aに、密閉蓋14のフランジ部
14aを接合して、容器本体14内を気密密閉した後
に、接続口18を閉止し、かつ、開閉弁20を解放した
状態で、注水口16を解放して、コンクリートCの上部
側の空間に注水する。
【0024】そして、容器10の内部の空気が追い出さ
れて、空間が水と置換されると、注水口16を閉止し、
接続口18に圧力校正器24を接続して、接続口18か
ら注水し、容器10の内部(接続口18に残存していた
空気)の空気を追い出す。
【0025】その後、開閉弁20を閉止し、容器10内
を概略大気圧に保つ。なお、この場合、コンクリートC
には、注水した水の圧力が加えられているが、コンクリ
ートCの充填量を天端近傍までとし、密閉蓋14の円錐
台部14bの傾斜角度を180°近くにすると、このと
きの注水量は、非常に少なくなるので、注水した水の圧
力は無視できる。
【0026】密閉蓋14で閉塞された容器10は、注水
前に重量計22上に載せておき、以上の1次注水が完了
すると、その全体重量W1を測定する。
【0027】この場合、容器10の容器の容積V0’お
よび、容器10と収容したコンクリートCの重量の和W
0を予め重量計22で測定しておくと、一次注水重量
0’(1次注水量v1に等しい)は、 W0’=W1−W0 として求めることができ、この一次注水重量W0’と、
水のT℃における比重ρTからコンクリートCの容積V
は、 V=V0’−W0’/ρT として求められるので、フレッシュコンクリートCの空
気量v0’(%)や、コンクリートCの単位容積重量を
算出することができる。
【0028】全体重量W1の測定が終了すると、そのま
まの状態で、図1(d)に示すように、接続口18に圧
力校正器24を接続して、接続口18を解放する。圧力
校正器24は、それ自身から2次注水を接続口18側に
送り込み、その圧力値を測定するものであり、例えば、
ドラックジャパン株式会社発売のDPI601HAV
(液圧高圧形)を用いることができる。
【0029】このような2次注水を行うと、コンクリー
ト中の空気が圧縮されて、体積が収縮するが、この収縮
量は、注水量に等しくなる。
【0030】つまり、測定対象コンクリートCの見掛け
の空気量がv0(実容積)であり、これが2次注水によ
りv2だけ収縮したとすると、 v2=(W2−W1)/ρT …… の関係が成り立つ。ただし、ρT;水のT℃における比
重とする。
【0031】一方、ボイルの法則により、図1(c),
(d)の状態において、それぞれ以下の関係が成り立
つ。 P1・v0=k …… P2(v0−v2)=k …… ここで、P1;大気圧とする。
【0032】以上の〜式から、測定対象コンクリー
トCの 見掛けの空気量v0=P2・v2/(P2−P1) となり、P1,P2,v2は、それぞれ測定できるので、
空気量v0(実容積)を求めることができる。
【0033】この場合、2次注水の量ないしは加圧圧力
は、複数の値を段階的に設定し、それぞれの注水量ない
しは圧力値で測定を行い、複数の見掛けの空気量vn
求め、これらの平均値を見掛けの空気量とすることもで
きる。
【0034】以上のようにして見掛けの空気量v0が求
められると、コンクリートCの容積Vを予め求めておく
と、見掛けの空気量v0’(%)は、v0/V×100で
求めることができ、従来と同様に骨材修正係数での補正
を行い、真の空気量を決定する。
【0035】さて、以上のようにして行われるフレッシ
ュコンクリートの空気量測定方法によれば、容器本体1
2内に測定対象コンクリートCを収容すれば空気量v0
の測定が可能になり、天端のすり切り操作や拭き取り作
業が不要になり、面倒な操作や作業が排除される。
【0036】この場合、容器本体12内に充填する測定
対象コンクリートCの高さは、均す必要がなく、例え
ば、本体12の開口部から上方に多少盛り上がっていて
も、密閉蓋14に接触しなければ測定することができ
る。
【0037】また、本発明の測定方法では、すり切り操
作を行わないので、測定対象コンクリートCの実体の変
更がなく、ありのままでの測定が行われ、測定精度の低
下を回避することができる。
【0038】さらに、従来の測定器のように空気室がな
いので、水の逆流による測定精度の低下も発生しない。
【0039】次に、本発明の別の実施例について説明す
る。上記実施例で説明した測定方法では、大気圧P1
測定が必要になるが、以下のような測定方法を行えば、
この測定が不要になる。
【0040】その測定方法は、図1(d)に示した2次
注水の後に、3次注水して、空間部の圧力値P3と全体
重量W3とを測定する。2次および3次注水において、
2,v3を1次注水量を含まない一次注水以降の加圧し
た水の積算量とすると、以下の関係式が成り立つ。 P1・v0=P2(v0−v2) …… P1・v0=P3(v0−v3) …… この式,式を変形すると、 v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2) …… となり、P2,P3,v2,v3がそれぞれ既知なので、こ
の式から見掛けの空気量v0(実容積)および空気量
0’(%)をそれぞれ求めることができる。
【0041】なお、本発明の測定方法では、例えば、重
量計22および圧力校正器24の出力信号をA/D変換
器を介して、パソコンなどに入力すると、予め組まれた
プログラムに従って、見掛けの空気量V0(複数の見掛
けの空気量V0の平均値の演算も含む)を演算し、見掛
けの空気量V0から空気量を自動的に求めることも可能
である。
【0042】また、図1(c)で説明したようにコンク
リートCの単位容積重量を求めておくと、この単位容積
重量と空気量および使用配合とから、コンクリートの水
セメント比を求めることもできる。
【0043】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気量測定方
法によれば、面倒な操作や作業を伴うことなく、測定精
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気
量測定方法の一実施例の測定手順を順に示す断面説明図
である。
【図2】図1の測定方法で使用する容器の断面説明図で
ある。
【図3】従来の空気量測定器の説明図である。
【符号の説明】
10 容器 12 容器本体 14 密閉蓋 16 注水口 18 接続口 20 開閉弁 22 重量計 24 圧力校正器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体と密閉蓋とを備えた容器を用い
    るフレッシュコンクリートの空気量測定方法において、 前記容器本体内に測定対象コンクリートを収容して、前
    記密閉蓋で閉塞し、 前記測定対象コンクリート上の空間部に一次注水して、
    全体重量W1を測定し、 前記空間部に2次注水して、前記空間部の圧力値P2
    全体重量W2とを測定し、式 v0=P2・v2/(P2−P1) v2=(W2−W1)/ρT1;大気圧,ρT;水のT℃における比重,v2;2次
    注水量 から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0
    求めることを特徴とするフレッシュコンクリートの空気
    量測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフレッシュコンクリート
    の空気量測定方法において、 前記2次注水の後に、3次注水して、前記空間部の圧力
    値P3と全体重量W3とを測定し、式 v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2) v2,v3;1次注水量を含まない一次注水以降の加圧し
    た水の積算量 から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0
    求めることを特徴とするフレッシュコンクリートの空気
    量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定対象コンクリートの容積値Vを
    測定し、前記空気量v0をこの容積値Vで除算すること
    により、前記空気量v0を容積%として求めることを特
    徴とする請求項1または2記載のフレッシュコンクリー
    トの空気量測定方法。
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