JPH10332620A - 油分検出装置及び該装置を用いる油分監視システム - Google Patents

油分検出装置及び該装置を用いる油分監視システム

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JPH10332620A
JPH10332620A JP14184997A JP14184997A JPH10332620A JP H10332620 A JPH10332620 A JP H10332620A JP 14184997 A JP14184997 A JP 14184997A JP 14184997 A JP14184997 A JP 14184997A JP H10332620 A JPH10332620 A JP H10332620A
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oil
planetary
electrode
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electrodes
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JP14184997A
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Shuzo Hashiguchi
修三 橋口
Tomio Yanagawa
富雄 柳川
Kunie Tamura
くに江 田村
Hisakatsu Yamazaki
久勝 山崎
Atsushi Muramatsu
敦 村松
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KENSETSUSHO KINKICHIHOU KENSET
KENSETSUSHO KINKICHIHOU KENSETSUKYOKU
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KENSETSUSHO KINKICHIHOU KENSET
KENSETSUSHO KINKICHIHOU KENSETSUKYOKU
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川等に設置され、事故等により流出する油
を自動的に検出する装置及び該装置を利用して油分の流
出を常時監視するシステムを提供する。 【解決手段】 油分検出装置は中空状の本体と、電源
と、該電源と接続されており、本体の外部周囲に且つ本
体が設置される場合にほぼ水面部に位置するように配置
された複数個の遊星電極及び上記本体の外部に且つ水面
よりも下方に設置された共通電極と、遊星電極用の洗浄
装置と、全遊星電極と共通電極との間の通電が遮断され
た場合に油を検知したものとして信号を発信する装置と
を具備している。油分監視システムは、この油分検出装
置が各監視水域に複数個配置され、油分を検出した場合
に自体周知の通信方式を利用して監視局の集中監視装置
に検出信号を伝送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油分検出装置及び該
装置を用いる油分監視システムに係り、事故等により河
川、湖沼等に流出した油の早期検出に利用され、これに
対する対策を迅速ならしめようとするものである。本発
明による技術は河川及び湖沼のみならず、油が誤って排
出される可能性を有する工場における排水の管理にも適
用し得るが、本発明は河川の水質管理を想定して開発さ
れたものであるために、本明細書においては河川を対象
として説明する。
【0002】
【従来の技術】河川の管理に当たっては、定期的な水質
調査と併せて渇水時や異常水質事故等に備えて水質を常
時監視して適切な対応をとることが要求される。従っ
て、建設省の各地方建設局においては管内の河川に環境
基準観測地点と一般観測地点とを設定して定期的な水質
調査を行っており、これらの観測地点の内で特に重要と
考えられる地点には水質自動監視装置を設置して水温、
pH、導電率、濁度、OD (溶存酸素量)、COD (化学的酸素
要求量) 等を測定・記録することにより水質の監視を実
施している。
【0003】過去の記録によれば、発生した水質異常事
故の約 50% は油の流出によるものであり、流域の開発
に伴い事故の件数は増加する傾向にある。
【0004】河川に流出した油を検出する方法として
は、遠隔的なものとして光化学的に蛍光量を測定する方
法と、屈折率又は反射率等を指標として検出する方法が
考えられ、採水して測定する方法としては四塩化炭素を
用いて抽出することにより油分量を測定する方法、乳化
させて濁度から油分量を測定する方法等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】流出油
の検出を上記のように光学的に行う場合には検知可能な
部位は点であり、そのための計測機器は複雑且つ高価で
あり、然もこの種の装置は商用電源を必要とするので設
置する場所が制限され、従って油の流出事故の発生は機
器観測により判明していたのではなく、通報によりもた
らされていたのが実状である。
【0006】従って、本発明の主たる目的は面積当たり
で油を検出することができ、太陽電池又は蓄電池等の小
出力の電源により稼働可能であり、比較的小型で設置が
容易であり、信頼性が高く且つ保守乃至交換が容易な油
分検出装置を提供することにある。本発明の付随的な、
但し実用上重要な目的は油分を検出した場合に、油分検
出装置が信号を発信し、この検出信号を自体周知の通信
方式により監視局に伝送するようになされた油分監視シ
ステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決し目的を達成するための手段】既述の課題
を克服し且つ上記の目的を達成するために、本発明者等
は DC 電源により駆動可能であること、小型化可能であ
ること、或る程度の種類の油に適用し得ること及び厚み
が 1mm 程度の油膜でも検出可能であることを基本とし
て鋭意検討を重ねた処、水と油とは電気伝導度が異なる
ことを検出原理とするものであって、基本的には 2 極
電極式、現実的には面で測定するために 1 つの共通電
極と複数の遊星電極とを備えた方式の抵抗測定 (比抵抗
測定) により可能であることが判明し、斯くて本発明の
端緒を得た。本発明は、これに基づいて更に検討を続け
て完成されるに至ったものである。
【0008】本発明によれば、上記の課題は、中空状の
本体と、電源と、該電源と接続されており、上記本体の
外部周囲に且つ本体が設置される場合にほぼ水面部に位
置するように配置された複数個の遊星電極及び上記本体
の外部に且つ水面よりも下方に配置された共通電極と、
遊星電極用の洗浄装置と、全遊星電極と共通電極との間
の通電が遮断された場合に油を検知したものとして検出
信号を発生する装置とを具備している油分検出装置によ
り解決されると共に、上記の主たる目的が達成される。
【0009】既述の付随的な目的は、上記の油分検出装
置が各監視水域に複数個設置され、油分を検出した場合
に信号が自体周知の通信方式により監視局の集中監視装
置に伝送され、油の検出された水域が特定されるように
なされている油分監視システムにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による油分検出装置におい
て、本体はフロートを備えたブイとして構成されている
のが好ましく、電源としては商用電源も使用し得るが、
この場合には油分検出装置の設置水域が制限されるの
で、本体の外部に設置される太陽電池又は本体の内部に
設置され、本体を設置した場合に他の機材の重量と共に
本体を所定の状態に保つ重錘としての役目をも果たす蓄
電池が好ましい。電極は遊星電極及び共通電極共に薄い
銅板であり、装置の稼働中はこれらの電極間には微弱電
流が通電され、該微弱電流が流れている導線の比抵抗が
測定される (遊星電極に油が付着すれば当該電極の電気
抵抗値は無限大となって通電は遮断されるので導線の比
抵抗値は 0 となる)。洗浄装置は第 1 回目の油分検出
により各遊星電極に付着した油分を除去して遊星電極と
共通電極との間の電気的導通を回復して第 2回目の油分
検出に備え、又装置の稼働中に所定時間間隔、例えば 1
回/日 の割合で作動して遊星電極の極面を洗浄し、油
以外の浮遊物により汚染されるのを防止するためのもの
であり、エアーを噴射し河川水と一緒にて気泡の形で遊
星電極に噴射する形式のものが好ましく、洗浄所要時間
は油の場合は 10 - 15 分間であり、それ以外の場合は
数分間である。
【0011】本発明による油分検出装置の本体内部には
エアーポンプと、計測制御用の CPU基板と、油分検知用
及び上記のエアーポンプ制御用の検知・ポンプ基板とが
搭載されている。
【0012】電源が蓄電池である場合に充電所要間隔を
延長するために、計測を間欠的に行うことも可能である
(但し、共通電極と遊星電極との間には常時電流が流れ
ている必要性があり、この電流値は計測期間中は 200 -
300mA であり、待機期間中は 0.1mA 程度であり、遊星
電極の洗浄期間中は 200mA 程度である)。
【0013】油分検出装置はその本体内部にデータの記
録装置を備えていることができ、この記録は RAM カー
ド方式を採用することができ、この場合には本体内部に
RAMカードドライブが設置され、該 RAM カードドライ
ブに装着された RAM カードは適宜交換され、回収され
た RAM カードに記録された内容は監視局に送られてデ
ータ処理される。
【0014】油分を検知した場合に、これを油分検出装
置の外部に伝える手段は任意であり、例えばブいの頂部
に赤色灯を設置し、検出信号を電圧信号として点灯装置
に送り、赤色灯を点滅させることにより行うこともでき
る。しかしながら、この場合には油分検出装置の付近に
監視者又は点灯監視装置の存在が要求されるので、油分
検出を明確にする付設設備としての価値はあっても実用
性に乏しく、従ってブイの上部に小電力送信アンテナを
設置して付近に設置された例えば無人の観測局に検出信
号を送信し、該観測局から場合により有人又は無人の中
継局を介して単信無線 (有人中継局の場合には送受信可
能な多重無線) により監視局の集中監視装置に送り、該
装置により油分検出を記録し且つ警報を発して油流出事
故に対する迅速にして適切な対応を講じることができる
ようにシステム化するのが好ましい。
【0015】
【実施例等】次に、試験例及び該試験例における結果を
考慮に入れて製作された油分検出装置に関連して本発明
を更に詳細に且つ具体的に説明する。試験例 1 4 極式比抵抗計使用し、共通極板 (固定極) を容器の底
部に設置し、他の 3つの極板 (移動極) を水面部で上下
に移動させて極板に油を付着させ、油の種類や油膜の厚
みによる極板間の導通変化を計測した。即ち、容器内に
水を収容し、極板を水中に沈め、200 - 300mV の電流を
極板間に通電し、次いで各種の油を容器内に流入して油
の厚みが 0.5、1.0、3.0、5.0 又は 10.0mm となるよう
に設定し、移動極を水面上に移動させ該極板に油を付着
させ固定極と移動極との間の導電遮断をもたらしたので
ある。結果は下記の表 1 に示されている通りであり、
油としては自動車用オイル、サラダ油、軽油、灯油及び
ガソリンの 5 種類が使用されたが 1 つの固定極と 3
つの移動極全部の通電が遮断された電圧は 3.67Vであ
り、自動車用オイルに関しては油膜の厚みが 0.5mm に
おいて検出可能であり、サラダ油の場合には 3mm であ
るが軽油、灯油及びガソリンの場合には厚みが 1mm で
あっても検出可能であることが判明した。
【0016】
【表1】 (表中において、単位 : V)
【0017】試験例 2 4 極式ウェンナー抵抗計を用い、濁度が油分検出装置に
及ぼす影響を検討した。即ち、試験例 1 におけると同
様に水槽に水を入れて極板間に電流を通じて電気抵抗を
計測し、次いで水槽に泥土又は自動車用オイルを投入
し、撹拌して濁水を形成した後に電気抵抗を計測した。
その結果、泥土やオイルを添加する前の電気抵抗は 21
Ω (比抵抗値 : 4.76 x 10-4 mS/m) であり、濁度が 50
0ppm になると電気抵抗は 13Ω (比抵抗値 : 0 mS/m)
となった。従って、油分検出装置は濁度による影響を殆
ど受けないものと考えられた。
【0018】試験例 3 油分が付着して導通状態が遮断された電極については洗
浄して導通状態に復帰させねばならない。油分検出装置
が河川に設置される関係上、洗浄方法には自ずから制限
があり、気泡による洗浄を試みた。即ち、気泡発生ポン
プを使用し、油を付着させた電極板の下部に気泡を発生
させて観測した処、気泡により油分は徐々に剥離し、気
泡発生から約 13 分間で極板間は導通状態に復帰した。
尚、流速と導通の状態変化について検討した結果は下記
の表 2 に示されている通りであり、流速が 0.59 - 1.1
0m/sec となるように気泡を発生させれば約20 - 10 分
間で極板間が導通状態に復帰することが判明した。
【0019】
【表2】
【0020】試験例 4 水槽中に 4 個の電極 (1 個の共通乃至固定電極と 3 個
の移動電極) を浸漬し、固定電極と移動電極間に通電
し、電極間の電圧を計測した。その後に移動電極を 1
個づつ水上に上げて電圧を計測した処、何れも 2.5V 以
上の電極信号が確認された。次に、水槽に自動車用オイ
ルを器壁に沿って注下して水面に油膜を形成し、3 個の
移動電極を油膜に接触させた処、固定電極と移動電極と
の間は絶縁状態となった。そこで 3 個の移動電極を水
面下に沈下させ、電極面に空気を吹き込んで気泡による
洗浄を開始した処、15 分間経過後に電圧値は 2.0V 以
下になり、固定電極と移動電極との間の導通が復帰し、
気泡による洗浄により電極に付着した油分を除去し得る
ことが確認された。本試験の状況については図 1 に示
されている。
【0021】実施例 共通電極と、共通面上に配置された複数個の遊星電極と
の間に微弱電流を通電しておき、遊星電極に油が付着す
ると電流が遮断され、斯くて油分を検出し得ること、油
分の検出自体には濁度が影響を与えないこと及び一旦遊
星電極に付着した油膜は気泡を噴射することにより約 1
0 - 15 分間で次第に剥離して共通電極との間の通電が
回復することが上記の試験を通じて確認できたので、ブ
イ形式の油分検出装置を試作した。
【0022】この装置の概要は図 2 - 図 4 に示されて
おり、従ってこれらの図を参照しつつ説明する。これら
の図において油分検出装置 10 はブイ形式のものであ
り、アルミニウム合金製の本体 12 と、ジュラコン製の
蓋体 14 と、アルミニウム合金製であって空気が封入さ
れた袋体であるフロート 16 とを備えており、本体 12
の底部には単数又は複数個の繋留用止め金具 12A が取
り付けられ、蓋体 14 の中央部に形成された開口 (図示
せず) を通じて警報用の灯ろう 18 が設けられている。
この油分検出装置 10 の全高は約 60cm、灯ろう部分の
高さは約 30cm、本体 12 部分の直径は 30cm、本体部分
の耐圧は 0.49Mpa、内部搭載品の重量である約 7kg を
含む全重量は約 18kg、全浮力は約 240N であって、水
中に設置される場合に水面が図 1 において A-A 線程度
のレベルとなるように設定されている。
【0023】図 2 及び 3 において、参照数字 20 にて
示されているのは共通電極であり、22A、22B にて示さ
れているのは同一水平面上に離隔配置された遊星電極で
あって、これらの遊星電極は 4 個配置されており、又
24A、24B にて示されているのは各遊星電極に付属して
いる洗浄用のエアー噴射管である (図 2 及び 3 におい
ては共通電極や遊星電極が本体 12 の外部に突出してい
るように描かれているが、当該部位に実際に設けられて
いるのは直径が 3.5mm であって若干離隔して3 個宛形
成されている開口であり、銅製の電極板は本体 12 の内
部に且つ油分検出装置が水中に設置される場合に水と接
触するように、但し水が本体の内部に侵入しないように
設置されており、一方エアー噴射管 24A、24B は上記の
電極用開口の内部にエアーを噴射し、周囲の水と一緒に
て気泡となって極板を洗浄するようになされている)。
油分検出装置 10 が稼働状態になると、共通電極 20 と
各遊星電極 22A、22b との間には微弱電流が常時流れる
ようになされており、この電流値は計測中は 200 - 300
mA に、待機中は 0.1mA 程度に、又遊星電極の洗浄中は
200mA 程度に設定されており、遊星電極に油が付着す
る場合には両極間の通電が遮断されるようになされてい
る。
【0024】灯ろう 18 の部分にはフレネルレンズ (ZL
-33) が使用され、光源としては赤色の高輝度 LED が 8
個使用されており、全遊星電極の極面に油が付着した
場合に電子式点滅器により LED が点滅して油分の検出
を知らせるようになされている。点灯乃至閃光の発光は
5 秒間に 1 回の割合であり、発光継続時間は 0.5秒間
である (各 LED の光度は 0.8cd である)。灯ろう 18
には DC 12V の電圧が供給されており、点滅時の平均電
流は約 5mA である。
【0025】油分検出装置 10 の本体 12 内に搭載され
ている機器等は図 3 及び 図 4 に示されている通りで
あり、場合により設置される浮力調整用の重錘 30 と、
2 個のシール型蓄電池 32A、32B と、遊星電極洗浄用の
エアーを送るポンプ 34 と、計測制御用の CPU 基板 36
と、油分検知用及び上記のエアーポンプ作動制御用の
検知・ポンプ基板 38 と、RAM カードドライブ 40 とを
備えており、この RAMカードドライブは挿入された RAM
カード (図示せず) に時刻、計測結果等を記録するよ
うになされている。上記の蓄電池 32A、32B の出力電圧
は DC 12V であって、出力電流は 7.0 A/hr であり、上
記のエアーポンプ 34 の作動電圧は DC6V であって平均
電流は約 400mA であり、送気量は毎分 2.5 リットルで
ある。
【0026】本発明による油分検出装置の使用態様は図
5 のフローチャートに示されている通りであり、先ず
準備段階として蓄電池の充電乃至交換、搭載 CPU を通
じ時計回路を利用して日時及び時刻設定、計測インター
バルの設定乃至変更 (このインターバル設定により装置
のメインテナンス・フリー期間が定まるので、10 分間
毎の測定でメインテナンス・フリー期間が 3 ケ 月間以
上であるように、蓄電池や他の搭載機器を選定した)、
灯ろうの正常発光確認、計測開始年月日及び計測開始時
刻の設定等を行う。次いで、油分検出装置を河川等の水
底に着底しているアンカーに繋留する。計測開始の所定
時刻になると、電源が自動的に投入されて装置が稼働
し、共通電極と各衛星電極電極間に通電され、設定され
た所定のインターバルを以て比抵抗の測定が行われる
(ステップ S1)。
【0027】この比抵抗の測定には図 6 のフローチャ
ートに示される論理回路が設定されており、比抵抗値が
瞬時的に 0 値になっても灯ろうが点灯しないようにな
されている。即ち、ブイが傾いて遊星電極が空気に曝さ
れたり、油以外の何等かの異物が遊星電極板の外面に接
触して該電極が絶縁状態となった結果、比抵抗値が 0値
になっても灯ろうへの点灯信号は送られず、この場合に
は約 25 秒後に再計測が行われるように設定されている
(ステップ S2 - S4)。全遊星電極の外方極板面に流出
油が付着し、これらの電極が絶縁状態となって共通電極
との通電が遮断された場合には (ステップ S5)、油分の
検出と判断して信号を灯ろうに送り点滅発光に外部に警
告を発すると共に検出年月日、時刻等のデータが RAM
カードに記録される [ステップ S6 (S6a、S6b)]。この
警告に対して監視員が派遣され、油分検出装置を引き上
げ、水面における油の流れ状態等を目視観察によりチェ
ックした上で適切な措置が講じられ、一方遊星電極に対
しては洗浄が行われるが、油分を検出しなくても任意に
設定されたインターバルを以て遊星電極の洗浄は定期的
に行われ (ステップ S7)、これはエアーポンプからエア
ーを送り周囲の水と一緒になって気泡を遊星電極に送る
ことにより行われ、設定された所定のインターバル後に
油分検出装置は再稼働して油分の検出に供される (ステ
ップ S8)。尚、RAM カードは適宜回収され、格納された
データは監視局のホスト・コンピュータに導入されて解
析され、評価が行われる (ステップ S9)。
【0028】油分監視システム 上記の油分検出装置は試作品であるために油分を検出し
た場合に発光信号により警告するようになされている。
しかしながら、発光信号の監視には労力を要するので油
分監視システムとして実用化する場合には、自体周知の
種々の通信技術を駆使すべきである。例えば、灯ろうに
代えて小電力無線アンテナを設置したブイ形式の油分検
出装置を例えば河川の各監視水域に複数個繋留し、その
近傍に観測局を配置し、油分検出装置が油分を検出した
場合に発する微弱無線信号を受信して、場合により中継
局を介して監視局の集中監視装置に無線送信するように
なされていることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明による油分検出装置は水と油とは
電気伝導度が異なることを検出原理とするものであり、
水中に配置された共通電極と喫水線上に複数個配置され
た遊星電極との間に微弱電流を通じ、全部の遊星電極と
共通電極との電気的連結が遮断された場合に油分が検出
されたものとして信号を発するものであり、油膜の厚み
が 0.5mm 以上であれば検出が可能である。この油分検
出装置を河川等における適宜の各監視水域に複数個配置
しておけば、何等かの事故により油が流出して油分検出
装置に流れついた場合に、直ちに検出信号を発して警告
することができる。油分の検出信号は自体周知の通信方
式により監視局の集中監視装置に直ちに伝送することが
でき、これは記録され、警報機にも送ることができるの
で何処に配置された油分検出装置が検出信号を発したの
かを識別することができ、従って油の流出事故に対する
適切な対応を迅速に講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例 4 による試験の状況及び結果を示す図
である。
【図2】本発明による油分検出装置を示す側面図であ
る。
【図3】図 2 に示された油分検出装置の内部に搭載さ
れる機器等の配置状況を示す側面図である。
【図4】図 2 に示された油分検出装置の横断面図であ
り、内部に搭載された機器等の配置状況を示す図であ
る。
【図5】本発明による油分検出装置の検出論理回路の概
要を示すフローチャートである。
【図6】図 5 に示された論理回路の要部をなす油分検
出・判定論理回路の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 : 油分検出装置、 12 : 本体、 14 : 蓋体、 16 : フロート、 18 : 警報用の灯ろう、 20 : 共通電極、 22A、22B : 遊星電極、 24A、24B : 遊星電極洗浄用のエアー噴射管、 30 : 浮力調整用の重錘、 32A、32B : 蓄電池、 34 : エアーポンプ、 36 : 計測制御用の CPU 基板、 38 : 油分検知用及びポンプ制御用の検知・ポンプ基
、 40 : RAM カードドライブ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の本体と、電源と、該電源と接続
    されており、上記本体の外部周囲に且つ本体が設置され
    る場合にほぼ水面部に位置するように配置された複数個
    の遊星電極及び上記本体の外部に且つ水面よりも下方に
    配置された共通電極と、遊星電極用の洗浄装置と、全遊
    星電極と共通電極との間の通電が遮断された場合に油を
    検知したものとして検出信号を発生する装置とを具備し
    ていることを特徴とする、油分検出装置。
  2. 【請求項2】 本体がフロートを備えたブイとして構成
    されていることを特徴とする、請求項 1 に記載の油分
    検出装置。
  3. 【請求項3】 洗浄装置がエアー噴射方式のものであ
    り、設置水域の水と一緒にて気泡となって遊星電極を洗
    浄することを特徴とする、請求項 1 又は 2 に記載の油
    分検出装置。
  4. 【請求項4】 電源が蓄電池又は太陽電池であり、油分
    検出装置の本体内部にエアーポンプと、計測制御用の C
    PU 基板と、油分検知用及び上記のエアーポンプ制御用
    の検知・ポンプ基板とが搭載されていることを特徴とす
    る、請求項1、2 又は 3 に記載の油分検出装置。
  5. 【請求項5】 油分の検出信号が送られる発光装置又は
    送信アンテナを備えていることを特徴とする、請求項 1
    - 請求項 4 の何れか 1 つに記載の油分検出装置。
  6. 【請求項6】 中空状の本体と、電源と、該電源と接続
    されており、上記本体の外部周囲に且つ本体が設置され
    る場合にほぼ水面部に位置するように配置された複数個
    の遊星電極及び上記本体の外部に且つ水面よりも下方に
    配置された共通電極と、遊星電極用の洗浄装置と、全遊
    星電極と共通電極との間の通電が遮断された場合に油を
    検知したものとして検出信号を発生する装置とを具備し
    ている油分検出装置が各監視水域に複数個設置され、油
    分を検出した場合に信号が自体周知の通信方式により監
    視局の集中監視装置に伝送され、油の検出された水域が
    特定されるようになされていることを特徴とする、油分
    監視システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101502329B1 (ko) * 2013-10-29 2015-03-16 한국해양과학기술원 전기 저항을 이용한 해상 유출유 검출 방법
KR101508980B1 (ko) * 2013-10-29 2015-04-08 한국해양과학기술원 유출유 검출 장치

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