JPH10331286A - 複合吸音パネル - Google Patents

複合吸音パネル

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Publication number
JPH10331286A
JPH10331286A JP14262897A JP14262897A JPH10331286A JP H10331286 A JPH10331286 A JP H10331286A JP 14262897 A JP14262897 A JP 14262897A JP 14262897 A JP14262897 A JP 14262897A JP H10331286 A JPH10331286 A JP H10331286A
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JP
Japan
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sound
sound absorbing
absorbing material
thickness
absorbing
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Application number
JP14262897A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sugiyama
武 杉山
Norihiko Katou
伯彦 加藤
Masanao Owaki
雅直 大脇
Yoji Sugiki
陽次 杉木
Toshiyuki Suzuki
敏之 鈴木
Hideo Takenaka
英雄 竹中
Ryuzo Ono
隆三 大野
Kazuhiro Takashima
和博 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUTOUBOU ONKYO ENG KK
Chubu Electric Power Co Inc
Kumagai Gumi Co Ltd
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
NITSUTOUBOU ONKYO ENG KK
Chubu Electric Power Co Inc
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Kumagai Gumi Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜入射音の広範囲にわたる吸音性能を維持し
た複合吸音パネルを提供すること。 【解決手段】 金属製枠体内に正面の音源側より複数の
吸音材がその厚さの1.5〜5倍の空気層を介在させた
状態で配列し固定された吸音パネルにおいて、上記の吸
音材が粒子径0.5mm〜2mmに分布されるものの割
合が全体の70重量%以上である無機質粒子群を接着剤
を介して連続空隙を有する板状体に加圧成形されたもの
であって、道路騒音等に要求される周波数400Hz〜400
0Hz の加重平均斜入射吸音率が0.70以上であること
を特徴とする複合吸音パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は複合吸音パネルに
関し、特に機械、交通機関等の一定の入射角度を持つ騒
音の低減を目的とした複合吸音パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の吸音パネルとしては、グ
ラスウール、ロックウール等の繊維質吸音材を内包した
開口部を有する金属製吸音体が広く用いられている。し
かしながら、特に道路における自動車のタイヤ音やエン
ジン音を主体とした道路下面からの騒音源の場合、ある
一定角度から入射する音の反射率が周辺環境に悪影響を
及ぼすことから、最近、これらの低減が強く要求されて
来ている。従来の吸音体ではその金属部分からの反射音
が問題であり、また、内包された繊維系吸音材自体、吸
水による吸音性能の低下を招く等の欠点もある。一方、
セラミック粒子層からなる吸音材や金属粒子を高温で焼
結した金属粒子吸音材等を用いた吸音体も知られている
が、これらの吸音性能は特定周波数に限られるのが実情
である。
【0003】例えば、セラミック粒子層からなる吸音材
として、特開平5−204385号公報(従来技術1)
ではそれ自体の機械的強度保持のため、使用するセラミ
ックス粒子の粒径を0.1mmから1.0mmで空隙率
30〜45体積%のものに限定している。このような粒
子径の小さいものでは吸音材表面は平滑になるものの、
一定音源に対する反射成分は大きくなってしまう欠点が
ある。
【0004】また吸水による吸音性能の低下を防ぎ、広
範囲にわたる周波数域での高い吸音性能を維持するため
に、無機質粒子或いは金属粒子を結合して形成した吸音
材を空気層を介在させて複数設けた吸音材として、特開
昭55−85709号公報(従来技術2)、及び特開平
6−108552号公報(従来技術3)が提案されてい
る。前者の従来技術2の場合は、2つ以上の吸音材につ
いて、音源側には空気流れ抵抗値の小さい吸音材を配置
し、遮音体側には流れ抵抗値のより大きい吸音材を空気
層を介して組み合わせるもので、その実施例には、各種
の粒子径分布を有する無機質粒子或いは金属粒子があげ
られているが、空気流れ抵抗の差異だけに着目してい
る。さらに後者の従来技術3の場合は、第1吸音材の背
後空気層だけを総厚さの30〜40%に限定しているだ
けである。
【0005】しかしながら、これら従来技術1〜3の性
能評価は、いずれも垂直入射吸音率についてであって、
実際の周辺環境に悪影響を及ぼす一定角度から入射する
音の吸音率(斜入射吸音率)を高める性能評価について
は記載がなく、実際上も低い効果しか得られていない。
特に上記の従来技術3の場合、第1吸音材の背後空気層
だけを総厚さの30〜40%に限定するだけでは道路騒
音等に要求される周波数400Hz〜4000Hzの平均斜入射吸
音率(0.70以上)は必ずしも満足することはできな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状から本発明
の課題は、従来技術で考慮されていなかった斜入射音の
吸音率に関し、特に、比較的単純な構成でかつ道路等の
騒音低減に要求される斜入射音の広範囲にわたる吸音性
能を維持した複合吸音パネルを提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者等が鋭意研究した結果、斜入射吸音率は、
吸音材を形成する特定範囲の粒子径分布を持つ無機質粒
子群によって大きく左右されることを見出し、かかる知
見に基づいて、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の複合吸音パネルは、正面側が解放された金属製
枠体内に正面より背面に向けて順次複数の吸音材がその
厚さの1.5〜5倍の空気層を背後に介在させた状態で
配列し固定された吸音パネルにおいて、上記の吸音材が
粒子径0.5mm〜2mmに分布されるものの割合が全
体の70重量%以上である無機質粒子群を接着剤を介し
て連続空隙を有する板状体に加圧成形されたものであっ
て、正面側を音源に向けて取り付けたときの道路騒音等
に要求される周波数400Hz〜4000Hzの斜入射吸音率が
0.70以上であることを特徴とするものである。
【0008】また本発明において、上記吸音材は、無機
質粒子群の粒子径が0.3mm〜3mmで、かつ粒子径
0.5mm〜2mmに分布されるものの割合が全体の7
0重量%以上のものを、接着剤を介して厚さが5〜15
mm、空隙率が25〜40体積%の板状体に加圧成形さ
れたものが好ましい。更に本発明において、上記吸音材
は、繊維状補強材で一体化して強化されていることが好
ましい。更にまた本発明において、複数の吸音材の背後
に位置する空気層の厚みが略同一であることが好まし
い。
【0009】以下、本発明の構成を詳細に説明する。本
発明の複合吸音パネルの外観を構成する金属製枠体は、
少なくとも正面の音源側と片側又は両側壁面が解放され
た箱枠型であって、その天井面と床面には吸音材の上下
端部を側壁面側からスライドさせて取り付けるためのU
字溝又は2枚の板で形成した溝を所定の間隔毎に少なく
とも2列以上配列して取り付けたものが利用できる。こ
の場合、溝の隣接間隔は複数の吸音材の背後に所要の空
気層を設ける厚さ相当とする。また吸音材を取り付けた
後で、金属製枠体の片側又は両側壁面には金属製のカバ
ーを取り付けることで、吸音材のずれを防止させるとと
もに金属製枠体も補強され、かつ複合吸音パネルが自立
可能となり運搬及び設置が容易となる。さらにこの金属
製枠体の背面側には遮音面を設けてもよいし、或いは、
既設コンクリート壁面等の遮音体に取り付ける部分だけ
を残して正面と同様に解放したものでもよい。
【0010】金属製枠体内に配列されている吸音材は、
無機質粒子群を接着剤を介して連続空隙を有する板状体
に加圧成形されたものである。ここで吸音材の厚さが5
〜15mm、空隙率が25〜40体積%のものが好まし
い。ここで板厚が5mm未満であると板としての十分な
強度が得られず、また15mmを越えると所定の吸音性
能が得られないためである。また空隙率が25体積%未
満であると斜入射音の反射機能が大きくなり過ぎて吸音
率が低下し、また逆に40体積%を越えると斜入射音の
空気流れ抵抗の減少により、吸音率が低下するとともに
成形板としての強度が低くなるので好ましくない。
【0011】この吸音体の吸音性能は低音域から高音域
まで広い範囲で高い吸音性能(斜入射吸音の平均吸音率
0.70以上)を示すことが出来る。これら各吸音材ど
うしの間、又はそれぞれの背後には吸音材の厚さの1.
5倍から5倍、好ましくは3倍から4.5倍程度の空気
層を設けて金属製枠体内で配列して取り付けられてい
る。ここで、各吸音材の背後の空気層が各音源側の吸音
材の厚さの1.5倍以下であると、低音域での吸音性能
が低下してしまい、一方、5倍以上の空気層をとると全
領域、特に高音域での吸音性能が低下してしまう。なお
複数の吸音材の背後に位置する空気層の厚みが略同一で
あることが本発明には特に好ましい。ここで本発明でい
う斜入射音の吸音率は、建設技術評価基準(平成7年度
建設技術評価制度公募課題『騒音低減効果の大きい吸音
板の開発』)で定められた『吸音性能測定方法(改定9
6.04.01)』によって得られるものである。
【0012】本発明の吸音材は、無機質粒子群を接着剤
を介して連続空隙を有する板状体に加圧成形されたもの
であるが、この場合の無機質粒子とは、各種天然石、け
い砂、セラミック粒子等の他に、黒曜石、真珠石、抗火
石、シラス、頁岩、ガラスあるいは各種セラミックの焼
成発泡体、パーライト、軽石、中空バルーン、軽量骨材
等の軽量無機質粒子も使用できる。なおかさ密度が0.
1から1.0g/cm3程度の軽量無機質粒子を使用す
る場合には、それら吸音材の表面にかさ密度の大きい未
発泡の無機質粒子からなる補強層を形成させることが好
ましい。
【0013】また吸音材を形成する無機質粒子群として
は、粒子径が0.5mm〜2mmに分布されるものの割
合が全体の70重量%以上であることが重要である。こ
こで、粒子径が0.5mm以上2mm以下のものが70
重量%未満でかつ細粒分が多くなると表面が緻密化して
しまい特に斜入射音は反射成分が多くなり騒音低減効果
が損なわれる。また、粒子径が0.5mm以上2mm以
下のものが70重量%未満でかつ粗粒分が多くなると空
気流れ抵抗の減少により吸音性が低下するとともに成形
板としての強度が低いものになってしまう。この場合、
無機質粒子群の粒径範囲が超微粉末や大きな粗粒子を含
む広範囲では吸音性に支障が生じるので、全粒子径を
0.3mm〜3mmの範囲内とするのが好ましい。この
ためには粉砕した無機質粒子から標準フルイ等を使用し
て篩分けることによって容易に上記の無機質粒子群を得
ることができる。
【0014】無機質粒子群を加圧成形で一体化させる接
着剤としては有機又は無機系の任意の接着剤が使用可能
である。有機系接着剤としては、フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂(尿素樹脂)、ポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化
型樹脂接着剤を用いることができる。また、無機系では
ケイ酸ソーダ、ポリリン酸等を用いることが出来る。か
かる接着剤の無機質粒子への配合量は、必要強度が得ら
れかつ粒子間空隙を樹脂で埋めて吸音性能を阻害しない
ことを条件として決められるが、例えば、かさ密度0.
5のガラス焼成発泡体粒子100重量部に対して3〜7
重量部の範囲で使用するのが好ましい。また接着剤を均
一に配合した無機質粒子群を板状成形金型内に充填して
高圧プレスにて加圧成形されるが、接着剤が未硬化エポ
キシ樹脂等の熱硬化型接着剤の場合は、ホットプレス
(熱圧成形)方式が好ましい。
【0015】なお本発明の吸音材は、無機質粒子群を接
着剤を介して連続空隙を有する板状体に加圧成形された
ものであるが、表面強度や全体強度を高める必要がある
場合は、必要に応じて、金属線、鉄筋及び望ましくは熱
硬化性樹脂がプリプレグされた繊維状補強材等を吸音材
の上下表層面に補強層として設けることが好ましい。こ
こで繊維状補強材としては、ガラス繊維、カーボン繊
維、合成繊維等の繊維からなる不織布、織布、編布等が
用いられ、なかでもガラスクロス等を用いることが好ま
しい。この繊維状補強材の開口率は5〜80面積%とさ
れる。5%未満であると吸音性能が得られず、80%を
越えると十分な補強効果が得られない。
【0016】また繊維状補強材をプリプレグ化する樹脂
としては一般に、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる
ことができるが、吸音材の無機質粒子群を結着している
接着剤としての樹脂と同じものが製造条件を簡略化でき
るので好ましい。これにより、本発明による吸音板は最
大1×3m以上の大きな板状体でも実用強度および耐衝
撃性に優れたものになる。なお補強層の数および配置位
置はこれらに限ることなく、例えば、基材層の中間に補
強層を設けることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳しく説明する。図1は本発明の複合吸音
パネルを遮音体に取り付けた状態の縦断面図(図2のA
−A’矢視)であり、図2は本発明の組み立てられた複
合吸音パネルの一例を示す正面図であり、また図3は吸
音材の表層面に補強層を取り付けた状態を示す一部拡大
断面図である。図1,図2において、1は金属製枠体内
の音源A側に取り付けられた第1の吸音材、2は内部に
取り付けられた第2の吸音材、3はコンクリート等の剛
体からなる遮音体、4は第1の吸音材1と第2の吸音材
2の間に介在させた第1空気層、5は第2の吸音材2と
背後の遮音体3の間に介在させた第2空気層、6は金属
製枠体で、正面の音源側Aが解放され、全体的に鉄骨材
で箱枠型に組み立てられている。7は、金属製枠体の天
井面Bと床面Cに設けた吸音材の取り付け溝である。8
は吸音パネルを遮音体(剛体壁)に取り付ける場合の取
り付け用アンカーボルトである。
【0018】本発明の複合吸音パネルは、現場施工する
前に、予め工場内で組み立てられる。即ち、図1に示さ
れるように金属製枠体6内の天井面Bと床面Cに設けた
取り付け溝7内に予め用意した吸音材1と2の上下端部
を所定の空気層4を介在させた状態で側壁面側からスラ
イドさせて取り付けた後で、図2に示すように複合吸音
パネルの両側壁面をカバー10で被覆しビス11等で固
定する。なお12はパネル取り付けフランジであって遮
音体(剛体壁)のアンカーボルトをこれで受けさせる。
こうして組み立てられた複合吸音パネルPを現場施工す
る際には、任意の数だけ横方向、所望により上下方向に
連結して、コンクリート等の遮音体(剛体壁)3に取り
付けることによって、道路騒音等に要求される広範囲の
周波数での加重平均斜入射吸音率が0.70以上に高め
ることが可能である。
【0019】なお吸音材1及び吸音材2は、音源の種類
に応じてその厚みを5から15mmの範囲で適宜変えて
も良いが、本発明では同一寸法で統一しても好ましい効
果が得られる。従って、複数の吸音材を特別に作り分け
る必要がないので製造上の手間が軽減出来る。この吸音
材1と吸音材2の間には吸音材1の厚さの1.5倍から
5倍、望ましくは3倍から4.5倍程度の空気層4をと
り、また、吸音材2と背後の剛体壁との間にも空気層5
を設けるが、これらの空間層4と5は同じ厚さの空気層
としてもよい。図1では、吸音材は2枚配列している
が、勿論3枚以上で構成してもよく、これら複数の吸音
材の背後に位置する空気層の厚みが略同一とすることが
好ましい。
【0020】次に、図3には吸音材1や2に、金網や、
熱硬化性樹脂がプリプレグされた繊維状補強材9を前記
吸音材の左右表層面に補強層として設けた一部拡大断面
図が示されている。このような補強層を一体に取り付け
られた本発明の吸音材の場合には、吸音板は最大で1m
×3m以上の大きな板状体に形成しても実用強度および
耐衝撃性に優れたものとなる。なお補強層の数および配
置位置は特に限定するものではなく、例えば、吸音材を
加圧成形する際に中間に配置させて一体化させれば補強
層を内部に介在させることも可能である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を示して具体的に説明
する。なお、下記実施例において、斜入射吸音率の測定
方法は、道路騒音等で想定される一定角度からの騒音を
継続時間100μ sec以下で再現性のあるパルス音を発
生させ、このときの反射音を、角度毎(0,15,30,45度)
にマイクロホン(B&K社製 Type4165)で測定するこ
とによって、剛体壁面だけの場合と吸音体設置の場合の
音のエネルギー比から吸音率を求めた。性能値として
は、角度毎の斜入射吸音率に道路交通騒音の周波数特性
の加重を行ったうえで平均化した値で評価される。(参
考文献:松本晃一他 ハイウエイ技術、No.2 10.(199
5)、橘他「エネルギーベースの道路騒音予測方法」日本
音響学会誌、50巻3号(1994)など)。
【0022】実施例1 粒子径が0.3mmから1.2mmの範囲にあり、か
つ、0.5mmから1.2mmの粒子が89重量%であ
るガラス粉体造粒発泡体(比重0.45、点加重強度10〜20
N,製品名:Gライト、(株)サンライト製)の各粒子
表面に未硬化のノボラック系フェノール樹脂接着材を全
体で5重量%となるように被覆したものを用意する。加
圧成形用金属板の表面に離型剤を塗布し、上述のフェノ
ール樹脂で被覆されたガラス粉体造粒発泡体を1060
mm×2060mmの面積に5kg/m2、厚さ9mm
になるように散布積層した。この積層体の上に成形用金
属板をかぶせ、ホットプレスに入れて、160℃、2M
Pa、10分間の条件で熱圧成形した。このようにして
作成した吸音材は1060mm×2060mm、厚さ7
mmであり、その空隙率は30体積%であった。この吸
音材を500mm×2000mmに切断して2枚とし、
厚さ1.6mmの金属製の枠体に配置して複合吸音パネ
ルを得た。このとき、2つの吸音材の層間距離は30m
mとし、さらに音源と反対側の内部吸音材は設置するコ
ンクリート壁等の剛体から30mm離れるように配置し
た。この場合の斜入射吸音率の測定結果と加重平均値の
求め方を表1に、また斜入射吸音率と周波数Hz(1/3オク
ターブ中心周波数)の特性を図4に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 実施例1に用いた吸音材をホットプレス成型する際に上
下表面層に半硬化のフェノール樹脂を含浸した開口率2
3面積%のガラスクロスをおいてホットプレス時に同時
に一体成形して吸音材の強度及び剛性を高めた。このよ
うにして作成した吸音材は厚さ7mmであり、その空隙
率は30体積%であった。その他は実施例1と同一条件
で金属製の枠体に該吸音材を配置して複合吸音パネルを
得た。この場合の斜入射吸音率の測定結果を表2と図4
に示す。
【0025】比較例1 実施例1の吸音材を1枚だけ使い金属製の枠体内で空気
層25mmを介在させて、コンクリート壁に取り付け
た。この場合の斜入射吸音率の測定結果を表1と図4に
示す。
【0026】比較例2 実施例1の吸音材を1枚だけ音源側に設置し、内側には
32kg/m2、厚さ25mmのグラスウール吸音材を
用い、かつ音源側吸音材とグラスウールの層間距離及び
グラスウールの背後空気層が共に30mmとなるように
金属製の枠体内に支持した複合吸音パネルをコンクリー
ト壁に取り付けた。この場合の斜入射吸音率の測定結果
を表1と図4に示す。
【0027】比較例3 実施例1における層間空気層及び背後空気層をそれぞれ
吸音材の厚みよりも薄い5mmとした他は実施例と同一
条件でコンクリート壁に取り付けた。この場合の斜入射
吸音率の測定結果を表1と図4に示す。この例では、加
重平均斜入射吸音率が0.70以上を満たしていない。
【0028】比較例4 実施例1と同一条件で得られた厚さ7mmの2枚の吸音
材を用いて、各吸音材間の層間空気層を25mmとし、
音源側と反対側の内部吸音材は設置するコンクリート壁
等の剛体から35mm離れるように配置した吸音体構成
である。この場合の斜入射吸音率の測定結果を表1と図
4に示す。この例では、加重平均斜入射吸音率が0.7
0以上を満たしていない。
【0029】比較例5 実施例1の吸音材に使用した原料無機質粒子の粒子径が
0.5から2.0mmのものを50%で含み、かつ0.
5mm以下の粒子が48%である吸音材を2枚使った他
は、実施例1と同一条件で金属製の枠体に該吸音材を配
置して複合吸音パネルを得た。この場合の斜入射吸音率
の測定結果を表1と図4に示す。この例では、加重平均
斜入射吸音率が0.70以上を満たしていない。
【0030】比較例6 実施例1の吸音体において原料無機質粒子の粒子径が
0.5から2.0mmのものを58%で含み、かつ2m
m以上の粒子が41%である吸音板を2枚使った他は、
実施例1と同一条件で金属製の枠体に該吸音材を配置し
て複合吸音パネルを得た。この場合の斜入射吸音率の測
定結果を表1と図4に示す。この例では、加重平均斜入
射吸音率が0.70以上を満たしていない。
【0031】
【表2】
【0032】上記した実施例1,2及び比較例1〜6の
各吸音体についての斜入射吸音率の測定結果によると、
実施例1、2の斜入射吸音率は、400Hz から 4000Hz ま
での広範囲にわたって高い吸音性能を示し、加重平均斜
入射吸音率は 0.76 であり道路騒音等に要求される性能
値(0.70 以上)を十分に満足していることが分かる。
これに対して、比較例1,3,4,5,6の加重平均斜
入射吸音率はいずれも全体的に低く 0.5 前後の値であ
った。一方、比較例2は特に高音域での吸音率が低く、
加重平均斜入射吸音率は 0.68 であり、実施例1に比べ
1ランク下の吸音性能であることがわかる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合吸音
パネルによると、道路騒音等で要求される周波数400Hz
〜4000Hz の加重平均斜入射吸音率0.70以上の条件
を十分に満足することが可能である。これによって特に
道路における自動車のタイヤ音やエンジン音等の周辺環
境に悪影響を及ぼしていた道路下面から入射する音を効
率よく低減することができる。さらに本発明の複合吸音
パネルは、工場での組み立、運搬や現場での取り付けが
容易であることから、各種工場、鉄道、道路、トンネ
ル、橋脚、あるいは道路に面したビル外壁または植栽桝
等に広く利用することによって、各種騒音の低減を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合吸音パネルを遮音体に取り付けた
状態を示す断面図である。
【図2】本発明の組み立てられた複合吸音パネルの一例
を示す正面図である。
【図3】吸音材の表層面に補強層を取り付けた状態を示
す一部拡大断面図である。
【図4】本発明の各実施例と比較例でそれぞれ得られた
斜入射吸音率特性を測定した結果をグラフ化した図であ
る。
【符号の説明】
1 音源側吸音材 2 内部吸音材 3 遮音体 4 第1空気層 5 第2空気層 6 金属製枠体 7 吸音材取り付け溝 8 アンカーボルト 9 補強層 10 カバー 11 ビス 12 パネル取り付けフランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 武 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 加藤 伯彦 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 大脇 雅直 茨城県つくば市大字鬼が窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 杉木 陽次 茨城県つくば市大字鬼が窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内 (72)発明者 鈴木 敏之 千葉県木更津市畑沢南2丁目36番地2号 (72)発明者 竹中 英雄 千葉県君津市八重原1338番の1 (72)発明者 大野 隆三 東京都墨田区緑1丁目13番地12号 日東紡 音響エンジニアリング株式会社技術部内 (72)発明者 高島 和博 東京都墨田区緑1丁目13番地12号 日東紡 音響エンジニアリング株式会社技術部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正面側が解放された金属製枠体内に正面
    より背面に向けて順次複数の吸音材がその厚さの1.5
    〜5倍の空気層を背後に介在させた状態で配列し固定さ
    れた吸音パネルにおいて、上記の吸音材が粒子径0.5
    mm〜2mmに分布されるものの割合が全体の70重量
    %以上である無機質粒子群を接着剤を介して連続空隙を
    有する板状体に加圧成形されたものであって、正面側を
    音源に向けて取り付けたときの道路騒音等に要求される
    周波数400Hz〜4000Hzの加重平均斜入射吸音率が0.7
    0以上であることを特徴とする複合吸音パネル。
  2. 【請求項2】 吸音材は、無機質粒子群の粒子径が0.
    3mm〜3mmで、かつ粒子径0.5mm〜2mmに分
    布されるものの割合が全体の70重量%以上のものを、
    接着剤を介して厚さが5〜15mm、空隙率が25〜4
    0体積%の板状体に加圧成形されたものである請求項1
    記載の複合吸音パネル。
  3. 【請求項3】 吸音材は、繊維状補強材で一体化して強
    化されている請求項1又は2記載の複合吸音パネル。
  4. 【請求項4】 複数の吸音材の背後に位置する空気層の
    厚みが略同一である請求項1又は2記載の複合吸音パネ
    ル。
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