JPH10331090A - パルプの濾水性を向上させる方法 - Google Patents

パルプの濾水性を向上させる方法

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JPH10331090A
JPH10331090A JP15810697A JP15810697A JPH10331090A JP H10331090 A JPH10331090 A JP H10331090A JP 15810697 A JP15810697 A JP 15810697A JP 15810697 A JP15810697 A JP 15810697A JP H10331090 A JPH10331090 A JP H10331090A
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JP
Japan
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pulp
enzyme
water
water filterability
improving
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JP15810697A
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Akio Onda
昭雄 御田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルプの性質改善を促す叩解作業の導入を容
易にするとともに、抄紙作業を容易にできるようにする
ため、濾水性の悪いパルプの濾水性を向上させる方法を
提供する。 【解決手段】 湿潤状態のパルプにα−1,4−グリコ
シド分解酵素を作用させることを特徴とするパルプの濾
水性を向上させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプの濾水性を向
上させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】濾水性の悪いパルプは、紙、板紙などの
原料として使う際に作業性が悪くて嫌われる。通常、製
紙工場では抄紙に先立って、パルプを叩解して繊維の性
状をいろいろと変えることによって多種類の紙を製造す
ることが可能になるが、叩解によって濾水性は悪くなる
ので抄紙性は悪くなる。したがって、初めから極端に濾
水性の悪いパルプは殆どもしくはまったく叩解すること
ができないので、用途が狭められるなど原料として不利
な点が多かった。濾水性の悪いパルプのうち、その原因
がパルプの中に存在する微細繊維及び微細な塵にあるも
のは、歩留りを犠牲にすれば、篩い分けでこれを除去す
る方法もあった。また、歩留りの低下を嫌う板紙などの
製造などにおいては、地合いを犠牲にすれば抄紙工程に
先立って凝集剤を加えて濾水性の向上を計ることも可能
であった。しかし、パルプの原料に由来する澱粉、デキ
ストリン及び類似の高分子の多糖類からなる粘液性物質
をパルプ中に含む場合、水による洗浄を反復行っても容
易に除去できないため、濾水性の改善は望めなかった。
そして、このようなパルプは、葉繊維、靱皮パルプなど
の長繊維パルプや、さつまいもの蔓などの未利用植物資
源から得られるパルプに多かった。このようなパルプで
も手漉き紙を作るときは、時間を掛ければ何とか使える
が、機械抄きで大量の和紙や更には洋紙の製造に供する
ことは極めて困難で、これが未利用植物資源のパルプ化
が普及しない大きな理由の一つともなっていた。これら
多糖類からなる粘液物質は酸加水分解によって消滅させ
ることはできるが同じく多糖類であるセルロースも同時
に加水分解によって崩壊するので得られるパルプの強度
低下は免れない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パルプの性
質改善を促す叩解作業の導入を容易にするとともに、抄
紙作業を容易にできるようにするため、濾水性の悪いパ
ルプの濾水性を向上させる方法を提供することをその課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、湿潤状態のパルプに澱
粉液化酵素及び/又は澱粉糖化酵素を作用させることを
特徴とするパルプの濾水性を向上させる方法が提供され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるパルプには、葉繊
維、靱皮繊維などの繊維植物原料や、さつまいもの蔓な
どの未利用植物資源を原料とする化学パルプ、半化学パ
ルプ、機械パルプ等の従来公知の各種のパルプのうち、
α−1,4−グリコシド結合を有する澱粉、デキストリ
ン及び類似の多糖類からなる粘液性物質を含む、低い濾
水度を示すパルプを挙げることができる。パルプ中に含
まれる粘液性物質の量は、少なくとも0.1wt%、通
常、0.3〜3wt%程度である。
【0006】本発明の濾水を向上させる方法は、パルプ
を水の存在下において、α−1,4−グリコシド分解酵
素を添加し、加温し、保温することによって、β−グリ
コシド結合を有するセルロース分子に損傷を与えること
なく、α−1,4−グリコシド結合を有する澱粉、デキ
ストリンその他類似の多糖類を選択的に崩壊させて粘性
を失わせてパルプの濾水性の向上を可能とするものであ
る。
【0007】α−1,4−グリコシド分解酵素の種類は
多く、従来公知の各種のものを使用し得るが、使用する
際に好ましいものとしては、長鎖状の構造を有する分子
をアトランダムに切断し、低分子化し、寡糖類まで分解
し可溶性にする性質の強い、耐熱性の液化酵素を主剤と
し、これに副剤としてやや低温で良く働き、主に寡糖類
を二糖類または単糖にまで分解することのできる糖化酵
素を添加したもの等を挙げることができる。このような
糖化酵素を含む分解酵素を用いれば、反応の終点も容易
に判別でき、濾水度向上のための反応操作の管理は容易
である。パルプに対してα−1,4−グリコシド分解酵
素を作用させる方法としては、前記液化酵素と糖化酵素
を同時に作用させる1段階法や、前記液化酵素を作用さ
せた後、糖化酵素を作用させる2段階法等を採用するこ
とができる。主剤として使用する耐熱性の液化酵素の量
(以下処理するパルプの絶乾重量の%として表示)は
0.01〜1%で、好ましくは0.03〜0.3%であ
る。また、副剤として用いる糖化酵素はの量、0.01
〜1%、好ましくは0.03〜0.3%である。
【0008】主剤、副剤およびその混合物のいずれを使
用する際も、酵素のほかにその安定剤として食塩、塩化
カルシウム等のNa塩又は及びCa塩を添加することは
好ましく、その量の目安としては対酵素でNa塩で0.
1〜10mM、Ca塩で0.1〜10mM程度である。
酵素処理に当たっては、pHを4.0〜7.5、好まし
くはpH5.5〜6.5に調整する。反応温度は、液化
酵素では40〜110℃で、好ましくは80〜90℃で
ある。反応時間は0.05〜5時間、好ましくは0.2
〜2時間である。糖化酵素では40〜80℃で、好まし
くは55〜65℃である。反応時間は0.2〜24時間
で、好ましくは0.5〜10時間である。なお、2つの
酵素を同時に働かせ、1段ですます場合には、液化酵素
と糖化酵素をそれぞれ0.01〜1%、好ましくは0.
03〜0.3%使用する。反応温度は40〜100℃
で、好ましくは70〜90℃である。反応時間は0.5
〜24時間で、好ましくは2〜5時間である。又、反応
が進めばヨード反応がまったく無くなるので、反応の完
結は明確に知ることができるが、希望により、ヨード反
応の色によって作業を適当に短縮することもできる。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、製紙原料中に混入する
澱粉、デキストリン及び類似の高分子の多糖類を含むた
め濾水性の著しく劣るパルプに、少量の酵素を添加し加
温するだけの単純かつ簡単な操作だけで多糖類を痕跡を
残さないまでに分解し、顕著に濾水性を向上させること
ができる。本発明方法の特に有利な点は、濾水性を向上
させることにより、パルプに十分な叩解を施すことが可
能となり、パルプに十分な改質ができるので、種々の性
質を持った紙、板紙を効率よく製造することが可能にな
る。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこの実施例によって限定されるもの
ではない。また、以下に記す%はいずれも対絶乾パルプ
重量%である。
【0011】実施例1 バナナの古木の粗繊維をKP法で蒸解し、5段漂白処理
で得られた濾水度CSF.85mlの晒パルプ2.0k
gに水8リットルを加えて離解し、氷酢酸10gを加え
てpH6.0とし、水を加えて10リットルとし、バチ
ルスズブチルスの生産する耐熱性のアルファアミラーゼ
の30,000単位の液化酵素1.0gと30,000
単位の糖化酵素1.0gを加えて混合撹拌し、70℃ま
で加温し、同温度で12時間保持した。処理後のパルプ
は沃度による澱粉反応を示さず、濾水度はCSF.59
0mlに向上した。
【0012】実施例2 バナナの古木の粗繊維とアバカの粗繊維の混合物をPA
法(過酸化水素を含むアルカリ性水溶液を蒸解液として
用いる方法)で蒸解して得られた濾水度CSF.180
mlの未晒パルプ2.0kgに水を加えて離解し、氷酢
酸9gを加えてpH6.3とし、水を加えて10リット
ルとし、これに耐熱性のアルファアミラーゼの30,0
00単位の液化酵素1.0gを加えて沸点まで加温し、
次いで4リットルの水を加えて65℃まで冷却し、3
0,000単位の糖化酵素1.0gを加えて混合撹拌
し、同温度で4時間保持した。この処理後のパルプは沃
度による澱粉の反応はまったく示さず、濾水度はCS
F.680mlに向上した。
【0013】実施例3 さつまいもの蔓をNSSC法でパルプ化し、3段漂白処
理で得られた濾水度CSF.25mlの晒パルプ0.5
kgに水を加えて離解し、氷酢酸2.0gを加えpH
6.4とし、さらに水を加えて2.5リットルとした。
これに30,000単位の耐熱性の液化酵素0.2gと
30,000単位の糖化酵素0.2gを加えて混合撹拌
し、70℃まで加温し、同温度で20時間保持した。こ
の処理後のパルプは沃度による澱粉反応を示さず、濾水
度はCSF.450mlに向上した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤状態のパルプにα−1,4−グリコ
    シド分解酵素を作用させることを特徴とするパルプの濾
    水性を向上させる方法。
  2. 【請求項2】 α−1,4−グリコシド分解酵素として
    澱粉液化酵素と澱粉糖化酵素を用い、それらの酵素を同
    時に作用させるか又は順次作用させる請求項1の方法。
JP15810697A 1997-05-31 1997-05-31 パルプの濾水性を向上させる方法 Pending JPH10331090A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527885A (ja) * 2010-04-15 2013-07-04 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド 酵素とカチオン性凝結剤との組合せを用いた製紙プロセス及びシステム
JP2021088798A (ja) * 2019-12-04 2021-06-10 雅子 加藤 ティッシュペーパ

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