JPH10329918A - コンベアベルトのキャリアガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 土砂や採石や石炭等の粉粒状物を搬送す
るための、コンベアベルトの低摩耗性樹脂板と緩衝ゴム
体からなるキャリアガイドの取替えに便利な固定手段の
提供。 【解決手段】 コンベアベルト下側に搬送方向の所定間
隔で配置されているスタンドフレ−ム上に固定されてい
る低摩耗性樹脂板と緩衝ゴム体からなるキャリアガイド
が、低摩耗性樹脂のボルトで接合一体化されているコン
ベアベルトのキャリアガイド。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、土砂や採石や石炭等
の粉粒状物を搬送するための、コンベアベルトの低摩耗
性樹脂板と中空緩衝体からなるキャリアガイドの接合一
体化に関するものである。

【０００２】従来、コンベアベルト運搬装置において、
ホッパ−等から搬送物をベルトコンベア上に投入し、搬
送するとき、ベルトコンベアのキャリアロ−ラの搬送方
向の間のベルトの乗り継ぎ部が搬送物の重みで下に撓む
のを防止するためにベルトキャリアロ−ラの搬送方向の
間に高分子ポリエチレンのような耐磨耗性の優れた樹脂
板とゴム弾性体の複合体を配置して、その上にベルトを
慴動させてベルトの撓みを防止しようとすること（実開
昭６０−１３７７１１号公報）は知られており、さらに
ベルトコンベアの下側に沿って衝撃緩和性ゴム材の上面
に超高分子ポリエチレン板を被覆した支持体を配設し、
搬送方向のベルト上の両側側部にスカ−ト板を配置して
両側部よりの搬送物の散逸を防止する技術（実開昭和６
２−１８３６０９号公報）も開示されている．このよう
にコンベアベルトのキャリアロ−ラ間のベルト乗り継ぎ
部に配置するキャリアガイドとベルト上の両側側部にス
カ−ト板を併設することにより、搬送物の落下投入によ
る衝撃が緩和され、搬送物の落下，逸散を防止すること
も可能となったが、セメント粉や小麦粉のように重量の
ないものの搬送ではベルトの撓みも少なく、その分ベル
トコンベア上のスカ−ト板との間隙からの粉体の逸散も
少ないけれども、土砂、鉱石や石炭のような重量のある
搬送物の場合、単位面積当たりの重量が大きく、その分
コンベアベルトの撓みも大きく、これを防止するための
キャリアロ−ラの配置数にも限界があり、ベルトの緩み
を防ぐことによる搬送物の漏喪散逸を防止することは大
きな問題であった。

【０００３】耐衝撃性及び耐磨耗性に優れたキャリヤガ
イドとして、超高分子量ポリエチレンのような優れた低
磨耗性樹脂を使用しても、重量積載物であればあるほど
コンベアベルト下面との大きな摩擦のために、キャリヤ
ガイドの磨耗損失が大きく、それだけ頻繁な交換が求め
られている。このように磨耗によるベルトコンベア自体
の損傷が生じる前に、キャリヤガイドの磨耗程度を確実
に検知し、磨耗限界を的確にキャッチし、適時にキャリ
ヤガイドを交換することは経済上極めて重要なことであ
る。しかしながら、汎用の耐磨耗性のキャリヤガイド
は、低摩耗性樹脂板と中空緩衝体の二者が接着剤で接着
一体化されているのが普通であるので、一方の低摩耗性
樹脂樹脂板が磨耗したとしても、低摩耗性樹脂と中空緩
衝体の接着一体化したキャリヤガイド全体を取り替えな
ければならず、不経済であった。これを改善するために
キャリヤガイドの低摩耗性樹脂が磨耗したときに、低摩
耗性樹脂板のみを取り替える手段も開示された（実開平
５−８２９２０号公報）が、この技術は低摩耗性樹脂板
と中空緩衝体の擦動防止のために複雑な嵌め合い形を必
要とするなるため、上記二者を製作するために複雑な金
型が必要となり、その上、一体化のための嵌め合わせに
手数のかかる不便さがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、低摩耗
性樹脂板と中空緩衝体からなるキャリアガイドは、ベル
トの撓みを防止し、搬送物の落下衝撃を緩和するものと
して、有用性であるが、コンベアベルトとの激しい摩擦
によって低摩耗性樹脂板が摩耗したときに、低摩耗性樹
脂板の取り替えの煩わしさと経済性に問題があり、低摩
耗性樹脂板のみを取り替える簡易で、経済的な手段が求
められていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、キャリア
ガイドの低摩耗性樹脂板が摩耗し、取替えの必要なとき
に，低摩耗性樹脂板のみを取替えるための簡易で、経済
的な手段を求めて、鋭意検討した結果、遂に本発明を着
想するに到った。本発明では、キャリアガイドにおける
低摩耗性樹脂板と中空緩衝体とを低摩耗性樹脂ボルトで
接合一体化し、キャリアガイドの低摩耗性樹脂板の摩
耗、取替えの必要が確認された時点で、低摩耗性樹脂ボ
ルトを取り外し、摩耗した低摩耗性樹脂板のみを取り替
えて新しい低摩耗性樹脂板を同材質のボルトで取付ける
ことができる。

【０００６】本発明の構成は、基本的には以下の構成か
らなる。 （１）トラフ形状断面の水平域及び／又は両側の外高傾
斜の側壁部に配置されたされた低摩耗性樹脂板と中空緩
衝体とからなるコンベアベルトのキャリアガイドが、低
摩耗性樹脂性のボルトによって該低摩耗性樹脂板と中空
緩衝体とが接合一体化されているコンベアベルトのキャ
リアガイド。 （２）上記キャリアガイドが、コンベアベルト下面側に
搬送方向に所定間隔、即ち、コンベアベルトのキャリア
ロ−ラ間に配置されているスタンドフレ−ム上に固定さ
れていることを特徴とする請求項１のコンベアベルトの
キャリアガイド。 （３）低摩耗性樹脂が、超高分子量ポリエチレンである
ことを特徴とするコンベアベルトのキャリアガイド。 （４）低摩耗性樹脂板の上面幅は、中空緩衝体１個の上
面幅に等しくするか、トラフ形状断面の水平域と両側の
外高の側壁域に配置されたされた複数の中空緩衝体の連
設１単位に等しくする又はこの両者を混在させたコンベ
アベルトのキャリアガイド。 この発明の中空緩衝体と接合一体化する低摩耗性樹脂板
は、方形の長尺の板体で、超高分子量ポリエチレンや耐
摩耗性ポリアミド等の低摩耗性樹脂が使用される。中空
緩衝体は、天然及び合成ゴム等の範囲であれば，特に材
質の制限は受けない。中空緩衝体は、上部の低摩耗性樹
脂板を支え緩衝作用を与えるもので、形状と大きさにも
制限はないが、断面が中空で、内部が空洞の直方体が好
ましい。また、直方体を数個並列に連設して搬送物の重
みでトラフ形状となったコンベアベルトを下側から支え
るように使用される。また、低摩耗性樹脂板の材質は、
超高分子量ポリエチレンや耐磨耗性ポリアミドがある
が、特に分子量が４００万〜５００万程度の超高分子量
ポリエチレンが耐摩耗性に優れ本発明では適当である。
低摩耗性樹脂板の幅は、中空緩衝体１個の幅に等しくす
るか、又はトラフ形状断面の水平域と両側の外高傾斜の
側壁部に分断、配置されたされた中空緩衝体の各１単
位、例えば該水平域に３個、両側側壁に各２個の緩衝体
が配置された場合は、該水平域について３個の合計幅、
該側壁については、片側２個の合計幅にそれぞれ等しく
する。さらに磨耗の程度差、例えば頻繁な交換の必要な
個所は、できるだけ細分化した方が材料コスト的には理
想的であるが、取替えの手数がかかるので、適宜に両者
を組み合わせることが適当である。

【０００７】

【作用】本発明のコンベアベルトのキャリアガイドは、
低摩耗性樹脂板と中空緩衝体の一体化が、ボルトを使用
した接合一体化によって行なわれてるから、低摩耗性樹
脂板が摩耗したときに、ボルトを取り外し、摩耗した低
摩耗性樹脂板のみを取り替えて新しい低摩耗性樹脂板を
ボルトにて取り付ける。ボルトは、低摩耗性樹脂板と同
材質で製造されたものを用いることによって、低摩耗性
樹脂板と同じ程度に摩耗し、ボルトが残存突出してコン
ベアベルトを損傷することはない。

【０００８】

【実施の態様】図面に示す実施例に基いて、本発明のコ
ンベアベルトのキャリアガイドについて具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。図１
は、従来の搬送装置における土砂、鉱石、石炭等の塊状
搬送物の案内シュ−ト域での落下，搬送状態を示す。図
１では，搬送方向横側よりの搬送物２の落下を防ぐため
の落下防止用スカ−ト板３を備えたベルトコンベア４
が、キャリアロ−ラ５の乗り継ぎ間で搬送物の重みと衝
撃により撓み、ベルトコンベア上でスカ−ト板３の下部
との間に隙間を生じ、その隙間から搬送物２がこぼれ落
ちる状態を示している。また、図２は、従来のコンベア
ベルト装置における搬送方向に直角の角度の断面（即
ち、搬送方向断面）を示すもので、ベルトの搬送方向に
配置されたキャリアロ−ラ５の間で、搬送物２を搬送す
る状態を示すもので、搬送物の重みでトラフ形状になる
コンベアベルトの下側に低磨耗性樹脂板７と中空緩衝体
８からなるキャリヤガイド６を設け、さらにベルト上の
両側部に略垂直のスカ−ト板３を設けている。本発明の
低摩耗性樹脂板と中空緩衝体の接合一体化は、図３や図
４に示すもので、ボルト９は低摩耗性樹脂板７と同材質
で製造されたものを用いる。ボルト９による接合一体化
は、低摩耗性樹脂板７の固定個所にタップ（雌ネジ溝）
穴１１をあけ、中空緩衝体８の必要個所にあけたタップ
孔１１と位置合わせして、固定板１２やワッシャ−１３
を介し，該ボルト９を用いて行なう．中空緩衝体８は、
方形で内部が空洞１４の直方体であるから、レンチのよ
うな締め具により簡単にボルト締めで接合一体化でき
る。図５は，中空緩衝体８のスタンドフレ−ム１０の固
定態様を示すもので，中空緩衝体８は、コンベアベルト
４の下面側に所定間隔で配置されているスタンドフレ−
ム１０上に、適当なボルト１５により固着する。本発明
では、低摩耗性樹脂板７が摩耗したときに、低摩耗性樹
脂板７のみを取り替える際には、ボルト９を取り外し、
摩耗した低摩耗性樹脂板のみを除去して新しい低摩耗性
樹脂板をボルトにて取付けることとなる。

【０００９】

【発明の効果】キャリアガイドの低摩耗性樹脂板が摩耗
したときに、低摩耗性樹脂板のみを簡単な手段により取
り替えることができるので、経済的である。また、接合
一体化用のボルトは低摩耗性樹脂板と同材質のものを用
いるから、低摩耗性樹脂板と均等に摩耗し、ボルトが残
存突出してコンベアベルトを損傷することがない。中空
緩衝体が空洞を有しているから、緩衝作用が大である。

【図面の簡単な説明】

図１：従来の搬送装置の搬送物の案内シュ−ト域の横断
面図 図２：従来装置の搬送方向断面図 図３：本発明に係るボルトを用いた低摩耗性樹脂板と中
空緩衝体 図４：図３における接合一体化の詳細図 図５：本発明に係る中空緩衝体とスタンドフレ−ムの固
定図

【符号の説明】

１：案内シュ−ト ２：搬送物 ３：スカ−ト板 ４：ベルトコンベア ５：キャリアロ−ラ ６：キャリアガイド ７：低摩耗性樹脂板 ８：中空緩衝体 ９；ボルト 10：スタンドフレ−ム 11：タップ穴 12：固定板 13：ワッシャ− 14：空洞 15：中空緩衝体固定ボルト

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラフ形状断面の水平域及び／又は両側
   の外高傾斜の側壁部に配置されたされた低摩耗性樹脂板
   と中空緩衝体とからなるコンベアベルトのキャリアガイ
   ドが、低摩耗性樹脂性のボルトによって該低摩耗性樹脂
   板と中空緩衝体とが接合一体化されていることを特徴と
   する、コンベアベルトのキャリアガイド。
2. 【請求項２】 キャリアガイドが，コンベアベルト下面
   側に搬送方向に所定間隔で配置されているスタンドフレ
   −ム上に固定されていることを特徴とする請求項１のコ
   ンベアベルトのキャリアガイド。
3. 【請求項３】 搬送方向の所定間隔が、コンベアベルト
   のキャリアロ−ラ間であることを特徴とする請求項２の
   コンベアベルトのキャリアガイド
4. 【請求項４】 低摩耗性樹脂が、超高分子量ポリエチレ
   ンであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに
   記載のキャリアガイド。
5. 【請求項５】 低摩耗性樹脂板の上面幅は、中空緩衝体
   １個の上面幅に等しくすることを特徴とする請求項１乃
   至請求項４にいずれかに記載のコンベアベルトのキャリ
   アガイド。
6. 【請求項６】 低摩耗性樹脂板の上面幅は、トラフ形状
   断面の水平域と両側の外高の側壁域に配置されたされた
   複数の中空緩衝体の連設１単位に等しくすることを特徴
   とする、請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のコン
   ベアベルトのキャリアガイド。
7. 【請求項７】 低摩耗性樹脂板の上面幅は、中空緩衝体
   １個の上面幅に等しい部分と複数の中空緩衝体の連設１
   単位に等しくする部分とを混在させたことを特徴とす
   る、請求項１乃至請求項４にいずれかに記載のコンベア
   ベルトのキャリアガイド。