JPH10326593A - 光源および照明器具 - Google Patents

光源および照明器具

Info

Publication number
JPH10326593A
JPH10326593A JP9361281A JP36128197A JPH10326593A JP H10326593 A JPH10326593 A JP H10326593A JP 9361281 A JP9361281 A JP 9361281A JP 36128197 A JP36128197 A JP 36128197A JP H10326593 A JPH10326593 A JP H10326593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
light
glass
outer bulb
visible light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9361281A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Honda
久司 本田
Akira Ito
彰 伊藤
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
Kiyoko Kawashima
浄子 川島
Kazuyoshi Okamura
和好 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP9361281A priority Critical patent/JPH10326593A/ja
Publication of JPH10326593A publication Critical patent/JPH10326593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】特別な構成を付加することなく、可視光線の照
射量を低下させることなく紫外線の放射量を向上させた
照明用光源を提供する。 【解決手段】熱膨張係数αが20〜70の範囲内のガラ
ス製であって、可視光線および波長300〜320nm
の範囲の紫外線の最大透過率が50%以上の外管バルブ
22と;この外管バルブ22内に配設され、放電媒体が
封入されるとともに電極手段を有し、放電によって可視
光線および紫外線を放射する発光管2と;を具備してい
ることを特徴とする。特に、光触媒機能付の照明器具用
の光源、例えば高圧ナトリウムランプとして用いる場合
には、可視光線の照射量を低減させることなく光触媒活
性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ナトリウムラ
ンプなどの可視光線および紫外線を放射する光源に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般照明用の光源として多く用いられて
いる高輝度放電ランプや蛍光ランプのバルブは、その多
くがガラス製であり、ソーダライムガラスなどの軟質ガ
ラスやホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラスが用いられて
いる。
【0003】このガラスは、例えば特開平8−3250
31号公報に開示されているように、一般照明用として
は不要である紫外線の透過率を極力低くするような組成
で構成されている。
【0004】一方、国際公開WO94/11092に
は、室内照明用光源から放射された微量な紫外線によっ
て酸化チタン(TiO2)が励起され、光触媒作用によ
って室内の有機物などを分解する技術が開示されてい
る。
【0005】この光触媒作用を応用した照明器具とし
て、例えば特開平7−111104号公報には、蛍光ラ
ンプに対向して設けられた透光性カバーに透明な光触媒
膜を形成し、光触媒作用によって室内の消臭を行うとと
もに照明器具から放射される紫外線を遮断する構成が開
示されている。
【0006】また、屋外用照明器具の透光性カバーの外
面側に光触媒膜を形成し、セルフクリーニング機能を付
加した構成が本発明者らによって開発されている。この
構成は、光源から放射された紫外線によって光触媒膜が
透光性カバーの外表面に付着した汚れ物質を分解・除去
して、透光性カバーの清掃作業を低減させたものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光触媒作用は、その活
性度が光触媒を構成する金属酸化物からなる半導体に照
射される紫外線の強度に比例している。すなわち、紫外
線の強度が高いほど光触媒の活性度が高く、消臭、殺
菌、防汚などの光触媒作用の効果が大きくなることが実
験により確かめられている。
【0008】また、光触媒膜を有する照明器具は、汚れ
の度合いが大きい設置場所などでも十分な光触媒作用を
得られるように、その活性度のさらなる向上が望まれて
いる。
【0009】ところが、照明器具に配設される光源は、
上述のように紫外線の透過率が低いガラスによってバル
ブが成形されており、そこから放射される紫外線の量は
微量なものであった。
【0010】特に、高圧ナトリウムランプの放電による
発光スペクトルには波長313nm、335nmおよび
365nmをピークとする紫外線が多く含まれている
が、この紫外線はほとんどがバルブに吸収されてしまう
のでバルブ外に放射される紫外線は微量ものであった。
【0011】また、高輝度放電ランプの場合、点灯時に
かなり高温になるため、外管バルブに使用されるガラス
には制限があり、半硬質または硬質ガラスでないと使用
することができない。
【0012】本発明は、特別な構成を付加することなく
紫外線の放射量を向上させた照明用光源を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を達成するための手段】請求項1の光源は、熱膨
張係数αが20〜70の範囲内のガラス製であって、可
視光線から紫外線までの波長領域の透過率変化が連続的
でかつ紫外線領域で透過率が減衰し始めて330nmの
波長で透過率が60%以上となる特性を有する外管バル
ブと;この外管バルブ内に配設され、放電媒体が封入さ
れるとともに電極手段を有し、放電によって可視光線お
よび紫外線を放射する発光管と;を具備していることを
特徴とする。
【0014】請求項2の光源は、熱膨張係数αが20〜
70の範囲内のガラス製であって、可視光線および波長
300〜320nmの範囲の紫外線の最大透過率が50
%以上の外管バルブと;この外管バルブ内に配設され、
放電媒体が封入されるとともに電極手段を有し、放電に
よって可視光線および紫外線を放射する発光管と;を具
備していることを特徴とする。
【0015】各請求項における用語の定義は以下によ
る。
【0016】外管バルブは、可視光線を透過するもので
あって、その直線透過率が80%以上有するものが望ま
しい。
【0017】外管バルブの形状はBT形、T形などに制
限されることなく任意の形状であることを許容し、その
肉厚も可視光線および紫外線の透過率が本発明で定義す
る範囲にあれば特に制限されない。
【0018】外管バルブのガラスの熱膨張係数αが70
を超えると通常点灯時に高温となる場合にガラスが軟化
し始めるため強度的な面において好ましくなく、20よ
り小さいと成形が困難になるのでやはり好ましくない。
【0019】発光管は、気密容器内の放電によって発生
する可視光線および紫外線を透過でき、1000℃以上
の温度に耐え得るものであればよく、材質および形状は
限定されない。一般的に、工業的、経済的理由から放電
ランプに使用される石英ガラス、アルミナが好ましい
が、これに限定されるものではない。
【0020】電極手段は、冷陰極、熱陰極、外部電極ま
たは励起用高周波誘導コイルなど使用できるがこれらに
限定されない。
【0021】放電媒体は、電極手段によって放電するも
のであればよく、ナトリウム、水銀またはその他の金属
蒸気やキセノンなどの希ガスが適用可能である。
【0022】請求項1の光源によれば、外管バルブの3
30nmの波長の透過率が60%以上であるので、発光
管から放射された紫外線を良好に透過する。特に、ソー
ダライムガラスは波長330nmの紫外線まではある程
度透過する特性を有しているので、ソーダライムガラス
製のカバーガラスの外面側に光触媒膜が形成されている
照明器具の光源として最適である。
【0023】すなわち、カバーガラス基体がソーダライ
ムガラスであると、カバーガラス自体が波長330nm
以下の紫外線をほとんど透過しないので、光触媒活性の
向上にはあまり影響を及ぼさない。
【0024】請求項2の光源によれば、外管バルブの波
長300〜320nmの範囲の紫外線の最大透過率が5
0%以上であるので、発光管から放射された紫外線を良
好に透過する。特に、請求項2の光源の外管バルブと同
材質ガラスによって形成されたカバーガラスの外面側に
光触媒膜が形成されている照明器具の光源として最適で
ある。
【0025】また、波長300nmよりも短波長側の紫
外線によって照明器具内の他の部品が劣化してしまうお
それがあり、光触媒機能を有する照明器具の光源として
は、請求項1または2の光源を用いるのが望ましい。
【0026】請求項3は、請求項1または2記載の光源
において、外管バルブはホウケイ酸ガラスによって成形
されていることを特徴とする。
【0027】本請求項では、ホウケイ酸ガラスを用いた
ので、比較的安価に外管バルブを成形することができ
る。
【0028】請求項4は、請求項1ないし3いずれか一
の光源において、外管バルブを成形するガラスは、酸化
鉄(Fe23)の含有率が0.03wt%以下であるこ
とを特徴とする。
【0029】請求項4の光源によれば、酸化鉄(Fe2
3)の含有量の最適範囲を規定したので、波長300
〜400nmの紫外線の透過率を向上させることができ
る。
【0030】請求項5は、請求項1ないし4いずれか一
の光源の発光管が高圧ナトリウムランプであることを特
徴とする。
【0031】発光管内に封入される放電媒体は、ナトリ
ウムを含み、電極手段によって放電するものであればよ
い。また、水銀・ナトリウムアマルガムと希ガスとから
構成され、高圧蒸気放電によって発光するものも使用可
能である。また、水銀が含まれていなくてもよく、また
ハロゲン元素が含まれていてもよい。
【0032】請求項5の光源によれば、高圧ナトリウム
ランプの放電による発光スペクトルの波長313nm、
335nmおよび365nmをピークとする紫外線も外
管バルブから多く放射することができる。
【0033】請求項6は、請求項5の光源において、発
光管にナトリウム(Na)が水銀(Hg)に対して12
〜25wt%で封入され、かつ始動用希ガスとしてキセ
ノン(Xe)が50〜200torr封入され、この発
光管の入力電力が150W以下であることを特徴とす
る。
【0034】請求項6の発明によれば、150W以下の
高圧ナトリウムランプの発光管に封入されるナトリウム
(Na)および水銀(Hg)の封入量とキセノン(X
e)の封入圧力を適正範囲に規定したことによって、有
効紫外線の放射量が増加するとともに、始動電圧を一定
値以下に抑えることができる。
【0035】請求項7の照明器具は、請求項1ないし6
いずれか一記載の光源と;この光源が配設されるととも
に、可視光線を透過する光触媒膜が少なくとも外面側に
形成されたカバーガラスを有した器具本体と;を具備し
ていることを特徴とする。
【0036】照明器具は、室内用の天井吊下げ形または
直付形の器具や、屋外用の道路用、トンネル用などの照
明器具が挙げられる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。なお、図面中同一または相当部分
には同一符号を付している。
【0038】図1は第1の実施形態の光源としての高圧
ナトリウムランプの要部断面図である。1は高圧ナトリ
ウムランプ、2は発光管である。発光管2は、透光性ア
ルミナ(Al23)セラミックスにより密閉円筒状に形
成されていて、この発光管2の両端部には電極軸に巻回
された電極コイルからなる一対の電極手段(図示しな
い)が封装されている。
【0039】発光管2内には、ナトリウム(Na)およ
び始動用希ガスとしてネオン(Ne)とアルゴン(A
r)とのペニングガスを適量封入している。
【0040】このネオンとアルコンとの混合ガスは高圧
の始動用パルスにより点灯せしめる必要がないように放
電開始(始動)電圧を低下せしめるものであり、例えば
500W以下の始動電圧で点灯されるように適量封入さ
れる。
【0041】22は、ホウケイ酸ガラスからなる透光性
の外管バルブであり、発光管2を収容している。高圧放
電ランプ1は、外管バルブ22の長手方向中間部には膨
出部が形成されており、その上下部に小径なトップ部2
3aとネック部23bを形成して、いわゆるBT形をな
している。ネック部23b端部には口金24を被着して
いる。外管バルブ22内は真空に保たれている。
【0042】外管バルブ22内は発光管2を収容してお
り、この発光管2は外管バルブ22内において、サポー
トワイヤ25により支持されている。サポートワイヤ2
5はステンレスワイヤを四角の枠状に形成したものであ
り、上部が弾性片26を介して外管バルブ22のトップ
部23a内に係止されているとともに、下部はステム2
7に封着した一方の封着線28aに溶接されている。
【0043】発光管2の上端から導出された一方の導電
体4aは、導電線を兼用する上部導電性ホルダ29aを
介して上記サポートワイヤ25に電気的および機械的に
接続されている。
【0044】発光管2の下端から導出された他方の導電
体4bは絶縁体を介して他の下部ホルダー29bに機械
的に支持されており、この下部ホルダー29bはサポー
トワイヤ25に機械的に取り付けられている。したがっ
て、発光管2は上下端部でホルダー29a,29bに支
持され、これらホルダー29a,29bを介してサポー
トワイヤ25に支持されている。
【0045】発光管2の下部導電体4bは、リード線3
0を介してステム27に封着した他の封着線28bに電
気的に接続されている。これら封着線28a,28bは
口金24のシェル24aおよ外部端子24bに接続され
ている。
【0046】発光管2の外面には始動補助のための近接
導体31が接近して配置さている。
【0047】近接導体31は高融点金属からなり、一端
がバイメタル33片に支持されていると共に、他端は上
部ホルダー29aに形成した係止部に支持されている。
32はゲッターである。なお、ナトリウムを金属ハロゲ
ン化物のナトリウムに置換することによりメタルハライ
ドランプに構成することができる。
【0048】発光管2は、定格ランプ入力および電極間
距離との関係で、定格ランプ入力70〜100Wに対し
ては管壁負荷が30〜40W/cm2、定格ランプ入力
150〜400Wに対して管壁負荷が20〜35W/c
2、定格ランプ入力660〜1000Wに対して管壁
負荷が15〜25W/cm2で点灯されるように構成さ
れる。
【0049】なお、発光管2の内表面に窒素原子を含む
保護層を形成してもよい。この窒素原子を含む保護層
は、発光管2を構成するアルミナ(Al23)中の酸素
(O2)成分を窒素(N2)に置換した反応構造からなる
窒素原子を含む層であり、この層の深さは例えば0.0
5μm以上であればよい。
【0050】図2は、外管バルブの透過率特性を表すグ
ラフである。図中の実線で示す(a)が本実施形態の外
管バルブ、波線(b)および一点波線(c)は従来の外
管バルブを示し、(a)、(b)および(c)はいずれ
も可視光線から紫外線までの波長領域の透過率変化が連
続的でかつ紫外線領域で透過率が減衰し始める。
【0051】(a)、(b)および(c)はホウケイ酸
ガラス製の外管バルブであり、その熱膨張係数α(×1
-7/℃)は、それぞれ39、43、46である。
【0052】図2のグラフに示すように、波長300n
mの透過率では、(a)が約48%であるのに対し、
(b)は0%、(c)は0.8%に過ぎない。
【0053】波長313nmの透過率では、(a)が約
60%であるのに対し、(b)および(c)は10%に
も満たない。
【0054】波長320nmの透過率は、(a)が約7
0%であるのに対し、(b)および(c)は約10%で
ある。
【0055】波長330nmの透過率は、(a)が約8
2%であるのに対し、(b)は約36%であり、(c)
は約16%である。
【0056】このように、従来の外管バルブ(b)
(c)の透過率が50%を超えるのは波長350nmよ
りも長波長側であり、従来の外管バルブでは発光管から
放射される波長330nm以下の紫外線を透過して有効
に放射することができない。
【0057】図2の(a)に示す特性を有するガラスは
半硬質ガラスであって、特に酸化鉄(Fe23)の含有
率を0.03wt%以下に調整しながら、熱膨張係数α
=39×10-7/℃としている。
【0058】次に、第2の実施形態について説明する。
【0059】本実施形態の高圧ナトリウムランプは、ラ
ンプ入力電力が150W以下であり、発光管の封入物、
封入量および封入圧力以外の構成については第1の実施
形態と同一であるので、同一部分の説明は省略する。
【0060】発光管2は、一般的にナトリウム(Na)
が水銀(Hg)に対して重量比で8〜15%の範囲内で
アマルガムとして用いられることが多い。
【0061】また、始動用希ガスとしてのキセノン(X
e)の封入圧力は、外部始動器形では20〜40tor
r、始動器内蔵形でも50〜100torrである。こ
の封入圧力の範囲は、ランプ電力が小さく、始動時およ
び安定点灯中のランプ電流も小さいためである。
【0062】そこで、第1の実施形態のように光触媒用
光源としての最適な封入量および封入圧力を選定するた
めに、種々の高圧ナトリウムランプを試作してその効果
を確認した。
【0063】具体的には、ナトリウム(Na)を水銀
(Hg)に対して5〜30wt%、キセノン(Xe)の
封入圧力を20〜300torrの範囲で変化させた発
光管を9種類製作し、第1の実施形態の外管バルブ22
を用いて9個の高圧ナトリウムランプのサンプルを用意
した。
【0064】効果の確認のための実験は、上記高圧ナト
リウムランプのサンプルを光触媒膜付カバーガラスを備
えた照明器具に搭載し、この照明器具のカバーガラスに
付着したディーゼル自動車の排気ガス汚れの分解度を調
べた。カバーガラスは平板状であって、塗布された光触
媒膜は透明なTiO2薄膜(膜厚0.05〜0.3μ
m)である。照明器具、光触媒膜の膜厚等、その他の構
成は同一条件のもとで全サンプルについて測定を行っ
た。測定内容は、照明器具を排気ガスを適当な濃度で充
満させた密閉雰囲気空間に配置し、その点灯時間および
カバーガラスの透過率変化である。
【0065】次に、上記サンプルのランプ仕様について
説明する。
【0066】・外管バルブ:ホウケイ酸ガラス製(全長
240mm、外径40mm)、口金:E39 ・発光管:透光性アルミナ製(全長80mm、外径7.
1mm、内径φ5.5mm、肉厚0.8mm) ・放電媒体:キセノン(Xe)ガスの封入圧力20〜2
50torr、ナトリウム(Na)の水銀(Hg)に対
する封入量8〜25wt%、アマルガム15mg ・電極:電極コイルにエミッタ物質(BaO−CaO−
WO3)を塗布、電極間距離62mm ・定格ランプ入力:110W ・管壁負荷:16W/cm2
【表1】 上記表1の測定結果から、ランプサンプル(1)、
(2)、(5)、(9)のように、ナトリウム(Na)
の封入量を多くしたほうが光触媒効果が高いことが確認
された。この実験の前には、ナトリウム(Na)の封入
量を減らす代わりに水銀(Hg)の波長365nmの輝
線の強度を高くしたほうが光触媒効果が高められると考
えられていたが、全く逆の結果であった。
【0067】実際に発光スペクトルを詳細に分析したと
ころ、ナトリウム(Na)の封入量(水銀に対する重量
比)が多いほど光触媒効果に有効で、かつ外管バルブを
透過する300〜380nmの波長域の連続発光が強く
なることが判明した。
【0068】表1のようにナトリウム(Na)の重量比
が12%以上、キセノン(Xe)封入圧力が50tor
r以上では、ランプ効率95lm/W以上、1年経過後
のカバーガラスの透過率80%以上を確保できる。
【0069】一方、キセノン(Xe)封入圧力を250
torr以上とすると、始動電圧が高くなり(JISで
は180V以下)、ランプとしての商品性に問題があ
る。
【0070】図3は、上記実施形態の高圧ナトリウムラ
ンプ1を取付けた道路灯の一実施形態を示す概略断面図
である。
【0071】40は道路灯であり、41は器具本体で、
沿道に立設されたポールに取付けられる。高圧ナトリウ
ムランプ1は器具本体41に配設されたソケットに取付
けることで器具本体41内に収容される。42は反射体
で、ランプ1に対向して器具本体41内に配設されてい
る。43はガラスで成形された透光性グローブであり、
外表面に酸化チタン(TiO2)を主体とした光触媒膜
が形成されている。
【0072】高圧ナトリウムランプ1からは、可視光線
および紫外線が放射されるが、特に、外管バルブ22が
波長330nmの紫外線を最大で60%以上透過して放
射する。また、高圧ナトリウムランプ1の発光スペクト
ルである波長313nm、335nmおよび365nm
の紫外線も有効に放射され、光触媒膜に照射される紫外
線の強度が大きくなり、活性度が向上する。
【0073】図4は、上記実施形態の高圧ナトリウムラ
ンプ1を取付けたトンネル用照明器具を示す斜視図であ
る。
【0074】トンネル用照明器具50は、中空の薄箱直
方体の器具本体51を有し、この器具本体51の下面に
投光開口52が形成され、器具本体51の背面には取付
用の板状の取付脚53が形成されている。また、器具本
体51内には開口52に対向して開口52方向に向けて
光を反射する曲面上の反射板が取り付けられている。こ
の反射板の長手方向の一端側にはランプソケットが取付
けられており、このランプソケットには、上記実施形態
の高圧ナトリウムランプ1(外管バルブT形)が着脱自
在に取付けられる。
【0075】開口52は器具本体51の一部をなす枠体
54に形成されており、枠体54の開口52には平板状
の強化ガラス製の透光性部材としての透光性カバー55
が装着されている。透光性カバー55はソーダライムガ
ラス製であるが、ホウケイ酸ガラスなどの他の材質によ
って構成されていてもよい。枠体54は一側に設けられ
た蝶番56により器具本体51に開閉可能に取付けら
れ、開口52の他側に設けられたラッチにて、枠体54
が閉塞した状態で器具本体51に保持される。さらに、
器具本体51には、枠体54を器具本体51に閉塞した
状態で水密にシールするパッキング57が取付けられて
いる。
【0076】透光性カバー55の外表面側には、上記実
施形態と同様に、光触媒膜が形成されている。そして、
本実施形態も、高圧ナトリウムランプ1を点灯させるこ
とにより、上記実施形態と同様の作用および効果を奏す
る。
【0077】図3、4に示すようにグローブまたはカバ
ーの外面には光触媒膜が構成された照明器具の場合に、
グローブまたはカバーの汚れを防止して、長期間にわた
り明るさの低減が少なく、したがってメンテナンスの容
易な照明器具を提供できる。
【0078】光触媒膜は、アナターゼ形酸化チタンを主
成分とするのが好ましい。主成分とは、光触媒の50重
量%以上がアナターゼ形チタンであることを意味する。
光触媒作用は酸化チタン以外にも知られているが、光触
媒作用が強く、無色透明な膜を得ることができて、しか
も工業的規模において比較的安価に入手できるという理
由から、アナターゼ形酸化チタンを主成分とする。副成
分としてはアナターゼ形酸化チタン以外の既知の各種光
触媒物質(たとえばルチル形またはアモルファス状のT
iO2、ZnO、WO3、Fe23、FeTiO3、Sr
TiO3、CeO2、Tb23、MgO、Er23
ど)、光触媒作用を助長する貴金属(たとえばPt、A
g、Pd、Auなど)またはその化合物およびその他適
宜の物質を許容する。
【0079】本発明の光触媒膜は、その膜厚が0.01
μmないし0.3μmの範囲である。膜厚が0.01μ
mを下回ると、光触媒膜による光の吸収が極端に低下す
るため、また光触媒膜を必要な範囲でなるべく均一に形
成することが困難となり、したがって光触媒の活性が低
下するので、不可である。また、膜厚が0.3μmを越
えると、光触媒を透過して外面近傍の光触媒にまで到達
する光の割合が減少するために、やはり光触媒の活性が
低下するので、不可である。
【0080】なお、本発明の実施形態として高圧ナトリ
ウムランプを説明したが、光源としては蛍光ランプであ
ってもよい。この場合、バルブをソーダライムガラスの
代わりに上記実施形態の外管バルブに用いられたガラス
を成形してバルブとする。バルブの内面には、たとえば
3波長発光形蛍光体を主成分とし、必要に応じて300
nm〜410nmの間にピーク発光を呈する紫外線発光
蛍光体を混合してなる蛍光体層を被着してもよい。3波
長発光形蛍光体としては、例えば610nm付近にピー
ク波長を有する赤系蛍光体としては、Y23:Eu3+
用いる。また、540nm付近にピーク波長を有する緑
系蛍光体としては、(La,Ce,Tb)PO4を用い
る。さらに、450nm付近にピーク波長を有する青系
蛍光体としては、BaMg2Al1627:Eu2+を用い
る。紫外線発光蛍光体を混合してもよい。紫外線発光蛍
光体としては、ユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ
酸塩、鉛付活アルカリ土類ケイ酸塩、ユーロピウム付活
アルカリ土類金属リン酸塩、またはユーロピウム付活ア
ルカリ土類金属ホウ酸塩にハロゲンが添加された蛍光体
の少なくとも1種類以上を用いることができる。ユーロ
ピウム付活アルカリ土類金属ほう酸塩としては、たとえ
ば368nmにピーク波長をもつSrB47:Eu2+
有効であり、鉛付活アルカリ土類ケイ酸塩としては37
0nmにピーク波長をもつ(Ba,Sr,Mg)3Si2
7:Pb2+や350nmにピーク波長をもつBaSi2
5:Pb2+などが好適であり、またユーロピウム付活
アルカリ土類金属アルミン酸塩としては358〜360
nmにピーク波長をもつものなどが有効である。
【0081】
【実施例】高圧ナトリウムランプの好ましい実施例を以
下に示す。
【0082】・外管バルブ:ホウケイ酸ガラス製(全長
88mm、外径8.55mm、内径φ6.85mm、肉
厚0.85mm)、熱膨張係数α=39×10-7/℃、
313nmの透過率60%、335nmの透過率82% ・発光管:透光性アルミナ製(全長88mm、外径8.
55mm、内径φ6.85mm、肉厚0.85mm) ・放電媒体:ペニングガスとしてのネオン(Ne)とア
ルゴン(Ar)との混合ガス80KPa、水銀(Hg)
発光管の単位容積当り1.0mg/cc、ナトリウム(N
a)発光管の単位容積当り7.3mg/cc ・電極:電極コイルにエミッタ物質(BaO−CaO−
WO3)を塗布、電極間距離62mm ・保護層:50μm ・定格ランプ入力:360W ・管壁負荷:25W/cm2
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成によって発
光管内の放電によって放射される330nm以下の紫外
線を可視光線とともに有効に光源から放射することがで
き、被照射体の紫外線照射量を多くすることができる。
特に、光触媒機能付の照明器具用の光源として用いる場
合には、可視光線の照射量を低減させることなく光触媒
活性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の高圧ナトリウムランプの
要部断面図。
【図2】同上外管バルブの透過率特性を表すグラフ。
【図3】同上高圧ナトリウムランプを取付けた道路灯の
概略断面図。
【図4】同上高圧ナトリウムランプを取付けたトンネル
用照明器具の斜視図。
【符号の説明】
1・・・光源としての高圧ナトリウムランプ、2・・・発光
管、22・・・外管バルブ、41,51・・・器具本体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 浄子 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 岡村 和好 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨張係数αが20〜70の範囲内のガ
    ラス製であって、可視光線から紫外線までの波長領域の
    透過率変化が連続的でかつ紫外線領域で透過率が減衰し
    始めて330nmの波長で透過率が60%以上となる特
    性を有する外管バルブと;この外管バルブ内に配設さ
    れ、放電媒体が封入されるとともに電極手段を有し、放
    電によって可視光線および紫外線を放射する発光管と;
    を具備していることを特徴とする光源。
  2. 【請求項2】 熱膨張係数αが20〜70の範囲内のガ
    ラス製であって、可視光線および波長300〜320n
    mの範囲の紫外線の最大透過率が50%以上の外管バル
    ブと;この外管バルブ内に配設され、放電媒体が封入さ
    れるとともに電極手段を有し、放電によって可視光線お
    よび紫外線を放射する発光管と;を具備していることを
    特徴とする光源。
  3. 【請求項3】 外管バルブはホウケイ酸ガラスによって
    成形されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の光源。
  4. 【請求項4】 外管バルブを成形するガラスは、酸化鉄
    (Fe23)の含有率が0.03wt%以下であること
    を特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の光源。
  5. 【請求項5】 発光管が高圧ナトリウムランプであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の光
    源。
  6. 【請求項6】 発光管にナトリウム(Na)が水銀(H
    g)に対して12〜25wt%で封入され、かつ始動用
    希ガスとしてキセノン(Xe)が50〜200torr
    封入され、この発光管の入力電力が150W以下である
    ことを特徴とする請求項5記載の光源。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか一記載の光源
    と;この光源が配設されるとともに、可視光線を透過す
    る光触媒膜が少なくとも外面側に形成されたカバーガラ
    スを有した器具本体と;を具備していることを特徴とす
    る照明器具。
JP9361281A 1997-03-25 1997-12-26 光源および照明器具 Pending JPH10326593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9361281A JPH10326593A (ja) 1997-03-25 1997-12-26 光源および照明器具

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7164297 1997-03-25
JP9-71642 1997-03-25
JP9361281A JPH10326593A (ja) 1997-03-25 1997-12-26 光源および照明器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10326593A true JPH10326593A (ja) 1998-12-08

Family

ID=26412751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9361281A Pending JPH10326593A (ja) 1997-03-25 1997-12-26 光源および照明器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10326593A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3573392B2 (ja) 光触媒体、光源および照明器具
US5801483A (en) Fluorescent lamp having visible and UV radiation
JP2001081460A (ja) 紫外発光物質及びこれを使用した紫外線発光蛍光ランプ、紫外発光素子
JP3683143B2 (ja) 紫外発光物質及びこれを使用した紫外線発光蛍光ランプ、紫外発光素子
US6515422B1 (en) Photo catalyzer and discharge lamp having a photo catalytic layer
JP4159276B2 (ja) 紫外線発光器
JPH10326593A (ja) 光源および照明器具
JP3491382B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JP4662778B2 (ja) 電灯および蛍光灯
JP2004006185A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JP2001015068A (ja) 紫外線発光蛍光ランプ
JP4459022B2 (ja) 清浄装置
JP2003100258A (ja) 蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプ
JP2002245967A (ja) 高圧放電ランプ、高圧放電ランプ点灯装置および照明装置
JPH11114511A (ja) 光触媒膜を備えた部材のクリーニング方法、光触媒膜活性化用高圧放電ランプおよび照明器具
JP3396993B2 (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JP3608706B2 (ja) 蛍光ランプ、照明器具および蛍光ランプの製造方法
JPH11288693A (ja) 高圧ナトリウムランプおよび照明器具
JPH09265940A (ja) 蛍光ランプおよび照明装置
JPS62172659A (ja) 無電極放電ランプ
JP2003157804A (ja) 紫外線発光形蛍光ランプおよび照明装置
JP2000100384A (ja) 蛍光ランプ及び光源装置
JP5213027B2 (ja) 蛍光ランプ
JPH10214599A (ja) 蛍光ランプおよび照明器具
JPH0864173A (ja) 水銀蒸気放電灯およびこれを用いた照明装置