JPH10325457A - 車両用パワートレーン - Google Patents

車両用パワートレーン

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JPH10325457A
JPH10325457A JP9134930A JP13493097A JPH10325457A JP H10325457 A JPH10325457 A JP H10325457A JP 9134930 A JP9134930 A JP 9134930A JP 13493097 A JP13493097 A JP 13493097A JP H10325457 A JPH10325457 A JP H10325457A
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JP
Japan
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gutter
oil
casing
lubricating oil
air breather
Prior art date
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Application number
JP9134930A
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English (en)
Inventor
Satoru Miyakoshi
悟 宮腰
Akihiro Morita
明宏 森田
Hiroyoshi Ario
弘好 有尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Machine Industry Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Aichi Machine Industry Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aichi Machine Industry Co Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical Aichi Machine Industry Co Ltd
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Publication of JPH10325457A publication Critical patent/JPH10325457A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0421Guidance of lubricant on or within the casing, e.g. shields or baffles for collecting lubricant, tubes, pipes, grooves, channels or the like
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/027Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
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    • F16H57/0467Elements of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0469Bearings or seals

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑すべき部位に常に潤滑油を送り込み、エア
ブリーザ室内に多量の潤滑油が溜まるのを防止する車両
用パワートレーンを提供する。 【解決手段】ファイナルギヤ22が回転すると、ケーシ
ング8内に封入した潤滑油が掻き上げられて樋部92a
内に流れ込んでいき、樋部内の潤滑油は流出口92bか
ら流れ落ちて潤滑すべき部位61に供給されていく。一
方、車両が高速で走行するとエアブリーザ室100内に
多量の潤滑油が入り込むが、流出口92bの近くに、エ
アブリーザ室の室内上部と室外とを連通する連通部10
4を形成しており、ファイナルギヤが高速で回転して多
量の潤滑油が掻き上げられてオイルガータの樋部に流れ
込んでいるので、オイルガータの流出口から勢いよく潤
滑油が吹き出した状態となる。これにより、流出口の周
囲の圧力が低下するので、エアブリーザ室内の潤滑油が
連通部からエアブリーザ室外に吸引される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用パワート
レーンに係わり、詳細には、潤滑油を封入したケーシン
グ内の上部にエアブリーザ室を設けている電気自動車用
パワートレーンに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】前記電気自動車は、内燃機関自動車と比
較すると、燃料の代わりに蓄電池を搭載し、内燃機関の
代わりに制御装置と電動モータを搭載した自動車であ
る。
【0003】電動モータは、磁界に置かれた導体間に、
印加電圧を加えて電流を通電することによって、電気エ
ネルギーを機械エネルギーに変換し、電磁力によるトル
クを発生して回転する。この電動モータの回転は、電動
モータの出力軸に結合する変速機構の入力軸に伝達さ
れ、適切な出力の変速が行われる。
【0004】ここで、電気自動用モータは、高回転モー
タを採用するためモータ及びモータケース内は高温高圧
になりやすく、しかも、長期に渡る運転では、温度と気
圧の上昇に伴い空気中の水分がケース内部で凝結して結
露が発生し、熱や水に弱い電動モータに悪影響を与える
ことから、モータケース内の上部には、モータケースに
設けた大気連通孔を介してケース外部と連通するエアブ
リーザ室が設けられている。
【0005】また、モータケース内には変速機の出力軸
の回転によって駆動するオイルポンプが配設されてお
り、オイルポンプから送りだされた潤滑油は、入力軸及
び出力軸の軸心に形成した油孔を通過して潤滑すべき部
位(ベアリング、ブッシュ等)に送り込まれるようにな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記電気自
動車が高速走行するときには、変速機構のギヤ部が高速
回転するので、放射状に飛散する潤滑油の油量が増大す
る。このとき、モータケース内の上部に設けたエアブリ
ーザ室には多量の潤滑油が入り込みやすく、多量の潤滑
油がエアブリーザ室に溜まると、大気連通孔からケース
外部に潤滑油が流れ出るおそれがある。
【0007】一方、電気自動車が低速走行するときに
は、オイルポンプの潤滑油供給能力が低下するので、潤
滑の必要な部分に潤滑油を十分に送り込むことが難し
い。そこで、電動オイルポンプを搭載し、潤滑すべき部
位に強制的に潤滑油を供給することが考えられるが、製
造コストの面で問題がある。
【0008】そこで、この発明は上記従来技術の未解決
の課題に着目してなされたものであり、潤滑油供給用オ
イルポンプの能力が低下しても潤滑すべき部位に潤滑油
を送り込むことを可能とすることを第1の目的とすると
ともに、エアブリーザ室内に多量の潤滑油が溜まるのを
防止するのを第2の目的とした車両用パワートレーンを
提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の車両用パワートレーンは、潤滑油を封入
したケーシングに、動力源と直結する変速機構と、この
変速機構の出力軸から大径の駆動ギヤを介して回転力が
伝達される差動装置を内蔵するとともに、前記ケーシン
グの上部に大気連通孔を形成し、前記ケーシング内の上
部に内壁部を形成してこの内壁部の内部空間を前記大気
連通孔を介して大気と連通するエアブリーザ室とした車
両用パワートレインにおいて、一方に傾斜する樋部と、
この樋部の傾斜下部に一体形成した流出口とを備えたオ
イルガータを前記ケーシング内の上部に配設し、前記大
径の駆動ギヤの回転によって掻き上げられた潤滑油を前
記樋部により集めるとともに、潤滑すべき部位の上方位
置に前記流出口を配置した。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の車両用パワートレーンにおいて、前記オイルガータ
の流出口の近くに、前記エアブリーザ室の室内上部と室
外とを連通する連通部を形成した。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の車両用パワートレーンにおいて、前記ケーシング
を、開口部の周縁にフランジ部を形成し、それぞれのケ
ース内部に内壁部を形成した第1ケース及び第2ケース
を備え、これら第1ケース及び第2ケースのフランジ部
どうしを接続すると、前記第1ケースの内壁部と前記第
2ケースの内壁部とが接合して前記エアブリーザ室を形
成する構造とするとともに、前記前記オイルガータの流
出口の近くに位置する内壁部の一部に、一方の内壁部が
他方の内壁部に接合しない非接合内壁部を設け、この非
接合内壁部により前記連通部を形成した。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3の何れかに記載の車両用パワートレーンにおいて、
前記駆動源を電動モータにより構成した。さらに、請求
項5記載の発明は、潤滑油を封入したケーシングに変速
機構を内蔵するとともに、前記ケーシングの上部に大気
連通孔を形成し、前記ケーシング内の上部に内壁部を形
成してこの内壁部の内部空間を前記大気連通孔を介して
大気と連通するエアブリーザ室とした車両用パワートレ
インにおいて、一方に傾斜する樋部と、この樋部の傾斜
下部に一体形成した流出口とを備えたオイルガータを前
記ケーシング内の上部に配設し、前記変速機構を構成す
るギヤの回転によって掻き上げられた潤滑油を前記樋部
により集めるとともに、潤滑すべき部位の上方位置で、
且つ前記エアブリーザ室の室内上部と室外とを連通する
連通部に近接させて前記流出口を配置した。
【0013】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の車両用パワート
レーンによると、大径の駆動ギヤが回転すると、ケーシ
ングの潤滑油が上方に掻き上げられてオイルガータの樋
部内に流れ込んでいき、樋部内の潤滑油は、流出口から
下方に流れ落ちて潤滑すべき部位に確実に供給されてい
く。このため、例えば車両の低速走行時に、出力軸に連
結している潤滑油供給用オイルポンプが出力軸の低回転
によって供給能力が低下しても、本発明は、大径の駆動
ギヤが回転していれば潤滑すべき部位に確実に潤滑油を
供給することができる。
【0014】一方、車両が高速で走行すると、ケーシン
グ内のギヤ、ベアリング等を潤滑した潤滑油が勢いよく
径方向外方に飛散するので、エアブリーザ室内に多量の
潤滑油が入り込んでくる。そして、エアブリーザ室に入
り込んだ潤滑油は、大気連通孔を形成した位置まで溜ま
っていこうとする。
【0015】ところが、請求項2記載の発明では、オイ
ルガータの流出口の近くに、エアブリーザ室の室内上部
と室外とを連通する連通部を形成している。また、大径
の駆動ギヤは高速で回転しており、多量の潤滑油が掻き
上げられてオイルガータの樋部に流れ込んでいるので、
オイルガータの流出口から勢いよく潤滑油が吹き出した
状態となっている。このように、流出口から潤滑油が勢
いよく吹き出すと、流出口の周囲の圧力が低下するの
で、エアブリーザ室内に溜まっている潤滑油が連通部か
らエアブリーザ室の室外に吸引されていく。これによ
り、エアブリーザ室の潤滑油が常に吸引されて減少する
ので、潤滑油が大気連通孔からケーシングの外部に流れ
出るのを防止することができる。
【0016】また、請求項3記載の発明によると、請求
項1又は2記載の効果を得ることができるとともに、第
1ケースの内壁部と第2ケースの内壁部との間に互いに
接合しない非接合内壁部を設けるだけで連通部を形成し
ているので、製造コストの低減化を図ることができる。
【0017】また、請求項4記載の発明によると、駆動
源を電動モータとして電気自動車用パワートレーンとす
る場合、低速走行時には電動モータの出力軸が低速で回
転し、出力軸に連結している潤滑油供給用オイルポンプ
の能力が低下するが、前述した大径の駆動ギヤの回転と
オイルガータによって潤滑すべき部位に確実に潤滑油を
供給することができるので、電動オイルポンプによる潤
滑油の強制供給が不要となり、製造コストの低減化を図
ることができる。また、高速走行時には電動モータの出
力軸が低速で回転するので、エアブリーザ室に多量の潤
滑油が溜まるおそれがあるが、前述したオイルガータの
流出口の近くに、エアブリーザ室の室内と室外とを連通
する連通部を形成したことにより、エアブリーザ室内の
潤滑油を確実に吸引することができる。
【0018】さらに、請求項5記載の発明によると、変
速機構を構成するギヤが回転すると、ケーシングの潤滑
油が上方に掻き上げられてオイルガータの樋部内に流れ
込んでいき、樋部内の潤滑油は、流出口から下方に流れ
落ちて潤滑すべき部位に確実に供給されていく。このた
め、例えば車両の低速走行時に、出力軸に連結している
潤滑油供給用オイルポンプが出力軸の低回転によって供
給能力が低下しても、本発明は、変速機構を構成するギ
ヤが回転していれば潤滑すべき部位に確実に潤滑油を供
給することができる。また本発明では、オイルガータの
流出口を、潤滑すべき部位の上方位置で、且つ前記エア
ブリーザ室の室内上部と室外とを連通する連通部に近接
させて配置したので、前記流出口から潤滑油が勢いよく
吹き出すと流出口の周囲の圧力が低下するので、エアブ
リーザ室内に溜まっている潤滑油が連通部からエアブリ
ーザ室の室外に吸引されていく。これにより、エアブリ
ーザ室の潤滑油が常に吸引されて減少するので、潤滑油
が大気連通孔からケーシングの外部に流れ出るのを防止
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、電気自動車用パワートレ
ーンの平面視断面、図2は側面視断面を示したものであ
る。
【0020】この電気自動車用パワートレーンは、三相
誘導モータ2を動力源としており、三相誘導モータ2か
ら遊星歯車減速機(変速機構)4に回転力が伝達され、
この遊星歯車減速機4で減速した回転力が差動装置6に
伝達されるようになっている。
【0021】図中符号8は、遊星歯車減速機4及び差動
装置6を内蔵するケーシング8であり、三相誘導モータ
2から回転力が伝達される入力軸10と、この入力軸1
0に同軸突き合わせ状態とした出力軸12とが、ケーシ
ング8の内壁に装着したベアリング14、16によって
回転自在に支持されている。
【0022】そして、前記遊星歯車減速機4は入力軸1
0の外周に配置されており、入力軸10の外周に形成し
たサンギヤ4aと、ケーシング8の内壁に固定した環状
のインターナルギヤ4bと、これらサンギヤ4a及びイ
ンターナルギヤ4b間に噛合する複数のピニオン4c
と、ピニオン4cを回転自在に支持するピニオンキャリ
ア4dとを備えている。そして、ピニオンキャリア4d
は、出力軸12の外周にスプライン結合している。
【0023】また、差動装置6は、ピニオンシャフト6
aを介してディファレンシャルケース6bに固定したデ
ィファレンシャルピニオン6cと、このディファレンシ
ャルピニオン6cに噛合するサイドギヤ6dと、サイド
ギヤ6dの内周にスプライン結合した左右のドライブ軸
20a、20bと、ディファレンシャルケース6bの外
周に固定したファイナルギヤ(大径の駆動ギヤ)22と
を備えている。
【0024】そして、出力軸12のベアリング14及び
ピニオンキャリア4d間の外周には、アウトプットギヤ
16及びパーキングギヤ18が同軸に固定されており、
前記差動装置6のファイナルギヤ22がアウトプットギ
ヤ16に噛合している。
【0025】ここで、前述した出力軸12の軸線上には
油路12aが形成されているとともに、複数の分岐油路
12b、12c…が、入力軸10及び出力軸12を支持
している摺動部に向かって開口するように前記油路12
aから分岐している。
【0026】そして、出力軸12の端部にはオイルポン
プ24が連結しており、出力軸12の回転によりオイル
ポンプ24が駆動すると、オイルストレーナ24a内の
潤滑油が、油路12a、分岐油路12b、12c…を介
して摺動部に供給される。
【0027】なお、図2の符号Lで示す水平レベルは、
ケーシング8に封入されている潤滑油のオイルレベルで
ある。ここで、ケーシング8は、図中左側に配置したサ
イドカバー(第1ケース)26と、図中右側に配置した
フロントケース28と、サイドカバー26及びフロント
ケース28の間に締結ボルトにより接続するリアケース
(第2ケース)30とで構成されている。
【0028】サイドカバー26は、図3に示すように、
外周全域にリアケース30と接続するフランジ部32を
形成しているとともに、カバー上部にカバーの内側及び
外側間を連通する大気連通孔34を形成しており、この
大気連通孔34のカバー外側にエアブリーザ36が接続
している。
【0029】そして、サイドカバー26の内部には、大
気連通孔34より左に寄った上部フランジ部32aと右
側フランジ部32b間を接続する第1内壁部40と、こ
の第1内壁部40の上部から右側フランジ32bに向け
て途中まで延在する第2内壁部42、この第2内壁部4
2より下側において第2内壁部42と平行に延在して右
側フランジ32bに接続する第3内壁部44と、大気連
通孔34より右に寄った位置で第2内壁部42及び上部
フランジ部32a間を接続する第4内壁部46とを形成
しており、これら第1、第2、第3及び第4内壁部4
0、42、44、46の高さはフランジ部32と同一高
さに設定している。
【0030】これにより、サイドカバー26の内部に
は、大気連通孔34と通じる第1凹空間48と、この第
1凹空間48の右側に位置する第2凹空間50と、これ
ら第1及び第2凹空間48、50の下側に位置する第3
凹空間52と、この第3凹空間52の下側に位置する第
4凹空間54が画成される。
【0031】そして、前述したように第2内壁部42は
右側フランジ32bに向けて途中まで延在しているの
で、第2内壁部42の端部と右側フランジ32bとの間
に切欠き56を設けており、この切欠き56を介して第
2凹空間50及び第3凹空間52が通じている。
【0032】一方、図4は、リアケース30の内部をサ
イドカバー26と接続する側から示したものであり、図
の左側位置に、サイドカバー26のフランジ部32と接
続するフランジ部60を形成している。そして、フラン
ジ部60に囲まれた中央位置に、出力軸12の左端部側
が貫通して摺動自在に支持する摺動支持部61と、この
摺動支持部61の外周に膨出部63を形成している。そ
して、膨出部63の最も突出した位置の上部には、上方
から摺動支持部61に向けて潤滑油が流れ込むように、
径方向に切欠き溝67を形成している。なお、フランジ
部60に囲まれていない右側位置には、前述した差動装
置6のドライブ軸20aが貫通するドライブ軸用貫通部
65が形成されている。
【0033】そして、フランジ部60で囲まれた位置に
は、上部フランジ部60aから下側に延在する第5内壁
部62と、この第5内壁部62の下端部との間に所定の
隙間64を設けて左側フランジ60bに沿って下側に延
在する第6内壁部66と、この第6内壁部66の下端部
との間に所定の隙間68を設けて右側フランジ60bに
接続する第7内壁部70と、右側フランジ60bから第
5内壁部62の下端部に向けて途中まで延在し、第5内
壁部62との間に切欠き72を設けた第8内壁部74
と、上部フランジ60aから第8内壁部74に向けて途
中まで延在し、第8内壁部74との間に切欠き76を設
けた第9内壁部78と、右側フランジ60bから第6内
壁部66に接続する第10内壁部80とを形成してお
り、これら第5〜第10内壁部62〜80の高さはフラ
ンジ部60と同一高さに設定している。
【0034】これにより、リアケース30のサイドカバ
ー26と接続する側には、切欠き76を介して互いに通
じる第5及び第6凹空間82、84と、切欠き72を介
して第6凹空間84と通じる第7凹空間86と、第7凹
空間86の下側に位置する第8凹空間88が画成されて
いる。
【0035】また、このリアケース30には、摺動支持
部61の上方に位置し、且つ、第5内壁部62及び第6
内壁部66間の隙間64の近くに、リアケース30の表
裏(表側はサイドカバー26と接続する側であり、裏側
はフロントケース28と接続する側)に連通するオイル
ガータ孔90が形成されており、このオイルガータ孔9
0のフロントケース28と接続する側(図4の裏側)
に、後述するオイルガータ92が接続している。
【0036】次に、図5に示すものは、サイドカバー2
6及びリアケース30の接続上部を示すものである。な
お、この図ではサイドカバー26の構成部を斜線で示し
ている。
【0037】サイドカバー26及びリアケース30のフ
ランジ部32、60どうしが当接すると、第1内壁部4
0に第5及び第6内壁部62、66が当接し、第2内壁
部42に第8内壁部74が当接し、第4内壁部46に第
9内壁部78が当接し、これら当接した内壁部の内部に
エアブリーザ室100が形成される。
【0038】このエアブリーザ室100は、第1及び第
6凹空間48、84で画成した内部空間100aが大気
連通孔34を介して大気と連通し、第1及び第5凹空間
50、82で画成した内部空間100bが、前記内部空
間100aと連通するとともに、第7凹空間86で画成
した内部空間100cと連通する。また、内部空間10
0cは、第3内壁部44によって上下方向に仕切られて
いる。また、第8凹空間88により画成され、隙間68
を介してケーシング8内部と連通する内部空間100d
は、第10内壁部80に上下方向に仕切られながら内部
空間100cと連通している。
【0039】そして、エアブリーザ室100は、第5内
壁部62及び第6内壁部66間に隙間64を設けたこと
により、内部空間100cと連通してオイルガータ孔9
0に向けて開口する連通部(非接合内壁部)104が形
成されている。
【0040】図6は、図5のA−B矢視断面を示し、図
7は図5のC−D矢視断面を示すものであるが、リアケ
ース30のフロントケース28と接続する側(図4の裏
側)にオイルガータ92が接続している。
【0041】このオイルガータ92は、ケーシング8内
の潤滑油を受ける樋部92aと、樋部92aに溜まった
潤滑油が流れ出る略円筒形状の吹き出し口(流出口)9
2bとを備えた部材であり、樋部92aの端部に固定し
た接続部92cを、摺動支持部61の上方に形成した内
壁部94にボルト92dを介して固定し、吹き出し口9
2bをオイルガータ孔90に内嵌した状態で配設されて
いる。
【0042】そして、リアケース30のフロントケース
28と接続する側(図4の裏側)を図8で示し、この図
の符号Fで示す一点鎖線の円を差動装置6のファイナル
ギヤ22の外周径で示しているが、ファイナルギヤ22
が回転する際にケーシング8内に封入した潤滑油を掻き
上げると、掻き上げた潤滑油の一部が、オイルガータ9
2の樋部92a内に流れ込むようになっている。
【0043】次に、上述した電気自動車用パワートレー
ンの作用について記載する。電気自動車の運転を開始す
ると、三相誘導モータ2のモータ軸の回転が入力軸10
を介して遊星歯車減速機4に伝達され、この遊星歯車減
速機4により減速された回転として出力軸12に伝達さ
れる。そして、出力軸12の回転は、アウトプットギヤ
16及びファイナルギヤ22を介して差動装置6に伝達
され、左右のドライブ軸20a、20bを介して左右の
車輪に駆動力として伝達される。また、出力軸12の端
部に連結しているオイルポンプ24は出力軸12の回転
により駆動し、昇圧した潤滑油を油路12a、分岐油路
12b、12c…を介して潤滑すべき箇所へ供給してい
く。
【0044】ここで、電気自動車が低速で走行すると、
出力軸12の回転が低速となるのでオイルポンプ24の
能力が低下し、油路12a、分岐油路12b、12c…
を通過する潤滑油が少量となって潤滑すべき箇所に潤滑
油が十分に供給されない場合がある。特に、出力軸12
の左端部外周が摺動する摺動支持部61には常に潤滑油
を供給する必要がある。
【0045】そこで、本実施形態では、図8に示すよう
に、ファイナルギヤ22が回転すると、ケーシング8内
の潤滑油が上方に掻き上げられてオイルガータ92の樋
部92a内に流れ込んでいく。そして、樋部92a内に
流れ込んだ潤滑油は、図6及び図7に示すように、リア
ケース30のオイルガータ孔90に内嵌した吹き出し口
92bから下方に流れ落ちていく。そして、下方に流れ
落ちた潤滑油は、膨出部63に形成した切欠き溝67を
通過して摺動支持部61に向けて順次流れていく。
【0046】このように、ケーシング8内で回転するフ
ァイナルギヤ22により掻き上げられた潤滑油が、オイ
ルガータ92の樋部92aに流れ込み、このオイルガー
タ92の吹き出し口92bから流れ落ちる潤滑油が摺動
支持部61に供給されるので電気自動車が低速走行して
も必要最小限の潤滑を行うことができる。
【0047】また、例えば電動オイルポンプを搭載して
潤滑油を強制的に供給しなくてすむので、製造コストの
低減化を図ることができる。一方、電気自動車が高速で
走行すると、ケーシング8内のギヤ、ベアリング等を潤
滑した潤滑油が勢いよく径方向外方に飛散するので、下
部開口部(隙間68)からエアブリーザ室100内に多
量の潤滑油が入り込んでくる。そして、エアブリーザ室
100に入り込んだ潤滑油は、先ず下側の内部空間10
0dに溜まり、次いで上部の内部空間100cに溜ま
り、さらに上部の内部空間100b、100aに溜まっ
ていこうとする。
【0048】ここで、本実施形態のエアブリーザ室10
0は、内部空間100cと連通して吹き出し口92b
(オイルガータ孔90)に向けて開口する連通部104
を形成している。また、ファイナルギヤ22は高速で回
転しており、多量の潤滑油が掻き上げられてオイルガー
タ92の樋部92aに流れ込んでいるので、オイルガー
タ92の吹き出し口92bから勢いよく潤滑油が吹き出
した状態となる。
【0049】このように、吹き出し口92bから潤滑油
が勢いよく吹き出すと吹き出し口92bの周囲の圧力が
低下するので、内部空間100cに溜まっている潤滑油
が連通部104からエアブリーザ室100の外部に吸引
されていく。これにより、内部空間100cの潤滑油が
常に吸引されて減少するので、大気連通孔34を介して
大気と連通している内部空間100aや内部空間100
bには潤滑油が溜まらない。したがって、潤滑油が大気
連通孔34からケーシング8の外部に流れ出るのを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気自動車用パワートレーンの平
面視断面を示す図である。
【図2】電気自動車用パワートレーンの側面視断面を示
す図である。
【図3】本発明に係るサイドカバーの内部構造を示す図
である。
【図4】本発明に係わるリアケースのサイドケースと接
続する側の内部構造を示す図である。
【図5】サイドカバー及びリアケースを接合して形成し
たエアブリーザ室を示す図である。
【図6】図5におけるA−B線矢視断面図である。
【図7】図5におけるC−D線矢視断面図である。
【図8】本発明に係わるリアケースのフロントケースと
接続する側の内部構造を示す図である。
【符号の説明】
2 三相誘導モータ(動力源、電動モータ) 4 遊星歯車減速機(変速機構) 6 差動装置 8 ケーシング 22 ファイナルギヤ(大径の駆動ギヤ) 26 サイドカバー(第1ケース) 28 フロントケース 30 リアケース(第2ケース) 34 大気連通孔 61 摺動支持部 92 オイルガータ 92a 樋部 92b 吹き出し口(流出口) 100 エアブリーザ室 104 連通部(非接合内壁部) 32、60 フランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有尾 弘好 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油を封入したケーシングに、動力源
    と直結する変速機構と、この変速機構の出力軸から大径
    の駆動ギヤを介して回転力が伝達される差動装置を内蔵
    するとともに、前記ケーシングの上部に大気連通孔を形
    成し、前記ケーシング内の上部に内壁部を形成してこの
    内壁部の内部空間を前記大気連通孔を介して大気と連通
    するエアブリーザ室とした車両用パワートレインにおい
    て、 一方に傾斜する樋部と、この樋部の傾斜下部に一体形成
    した流出口とを備えたオイルガータを前記ケーシング内
    の上部に配設し、前記大径の駆動ギヤの回転によって掻
    き上げられた潤滑油を前記樋部により集めるとともに、
    潤滑すべき部位の上方位置に前記流出口を配置したこと
    を特徴とする車両用パワートレーン。
  2. 【請求項2】 前記オイルガータの流出口の近くに、前
    記エアブリーザ室の室内上部と室外とを連通する連通部
    を形成したことを特徴とする請求項1記載の車両用パワ
    ートレーン。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングを、開口部の周縁にフラ
    ンジ部を形成し、それぞれのケース内部に内壁部を形成
    した第1ケース及び第2ケースを備え、これら第1ケー
    ス及び第2ケースのフランジ部どうしを接続すると、前
    記第1ケースの内壁部と前記第2ケースの内壁部とが接
    合して前記エアブリーザ室を形成する構造とするととも
    に、前記オイルガータの流出口の近くに位置する内壁部
    の一部に、一方の内壁部が他方の内壁部に接合しない非
    接合内壁部を設け、この非接合内壁部により前記連通部
    を形成したことを特徴とする請求項2記載の車両用パワ
    ートレーン。
  4. 【請求項4】 前記駆動源を、電動モータにより構成し
    たことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車
    両用パワートレーン。
  5. 【請求項5】 潤滑油を封入したケーシングに変速機構
    を内蔵するとともに、前記ケーシングの上部に大気連通
    孔を形成し、前記ケーシング内の上部に内壁部を形成し
    てこの内壁部の内部空間を前記大気連通孔を介して大気
    と連通するエアブリーザ室とした車両用パワートレイン
    において、 一方に傾斜する樋部と、この樋部の傾斜下部に一体形成
    した流出口とを備えたオイルガータを前記ケーシング内
    の上部に配設し、前記変速機構を構成するギヤの回転に
    よって掻き上げられた潤滑油を前記樋部により集めると
    ともに、潤滑すべき部位の上方位置で、且つ前記エアブ
    リーザ室の室内上部と室外とを連通する連通部に近接さ
    せて前記流出口を配置したことを特徴とする車両用パワ
    ートレーン。
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