JPH10323847A - 複合構造oリングの製造法 - Google Patents

複合構造oリングの製造法

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JPH10323847A
JPH10323847A JP15012397A JP15012397A JPH10323847A JP H10323847 A JPH10323847 A JP H10323847A JP 15012397 A JP15012397 A JP 15012397A JP 15012397 A JP15012397 A JP 15012397A JP H10323847 A JPH10323847 A JP H10323847A
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JP
Japan
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ring
core material
composite structure
coating
core
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JP15012397A
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English (en)
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Hideyuki Tokumitsu
英之 徳光
Osamu Kobayashi
修 小林
Taisuke Yamada
泰輔 山田
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Oリング状ゴム製芯材表面に被覆層を設けた
複合構造のOリングを製造するに際し、被覆層の厚さが
均一でしかも内部に空気の層が形成され難く、真空状態
や腐食性流体をシールするのに有効に用いられる複合O
リングの製造法を提供する。 【解決手段】 上記複合構造のOリング製造法におい
て、芯材と略々同形状の中子を用いて2枚の被覆材を予
備成形し、中子を取り除いた後、その空洞部に超臨界抽
出処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、被覆材と共に一
体成形する方法などによってそれの製造が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合構造Oリング
の製造法に関する。更に詳しくは、真空状態や腐食性流
体をシールするのに有効に用いられる複合構造Oリング
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】中実または中空のOリング状ゴム製芯材
の表面にフッ素ゴムやフッ素樹脂よりなる被覆層を設け
た複合構造のOリングが知られている。このような複合
構造のOリングは、圧縮成形法、射出成形法、トランス
ファ成形法等により予め芯材を成形した後、次のような
方法によって二層以上に複合化させることにより製造さ
れている。 (A)帯状被覆材を巻き付けて再度成形する (B)ゴムコンパウンドを冷凍粉砕等の手段により粉末化
したものを、芯材表面に付着させて成形する
【0003】しかしながら、このような成形方法では、
(A)の場合には巻き付けの際に必ず重なり合う部分が生
ずるため、この部分の被覆層の厚さが厚くなり、またそ
の両側に空気の層が生じ易いという問題が、また(B)の
場合においても粉末の圧着の際に空気が入り易く、均一
な厚さで被覆層を形成し難いという問題がそれぞれみら
れる。
【0004】更に、従来の複合構造のOリングには、こ
うした製造法自体に由来する問題点以外にも、次のよう
な欠点がみられる。 (a)到達真空度などの真空性能の点で満足されない。 (b)シールに使用する際、シールを圧縮する力を非常に
高くする必要がある。 (c)それの製造法からみて、被覆層の薄いものが得られ
難い。 (d)フッ素樹脂塗料を焼き付けて被覆層を形成させた場
合、それの接着強度が低く、動的な用途に用いると被覆
層が剥離し易くなり、シール機能を大きく低下させる。
また、腐食性流体との接触によってバインダー成分が腐
食するため、シール機能の低下ばかりではなく、腐食に
よって生成した成分が例えば半導体製造装置のシリコン
基板などに付着して製品を汚染する原因ともなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Oリ
ング状ゴム製芯材表面に被覆層を設けた複合構造のOリ
ングを製造するに際し、被覆層の厚さが均一でしかも内
部に空気の層が形成され難く、真空状態や腐食性流体を
シールするのに有効に用いられる複合Oリングの製造法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
上記複合構造のOリング製造法において、 (1)芯材と略々同形状の中子を用いて2枚の被覆材を予
備成形し、中子を取り除いた後、その空洞部に超臨界抽
出処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、被覆材と共に一
体成形する方法 (2)薄肉円筒状に予備成形された被覆材生地を、その軸
方向が金型面に対して垂直になるように上下金型間に置
き、略々C型断面になるように変形させた後、その空洞
部に超臨界抽出処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、被
覆材生地と共に一体成形する方法 (3)生地表面に凹凸を施したシート状被覆材生地から芯
材と略々同形状の中子を用いて2枚の被覆材を予備成形
し、中子を取り除いた後、その空洞部に芯材形成成分を
注入して被覆材と共に一体成形し、得られた複合構造O
リングについて超臨界抽出処理する方法または (4)複合構造Oリング成形用の上金型と下金型との間に超
臨界抽出処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、該芯材を
非穿孔被覆材生地および芯材内径よりも小さい直径の孔
を型抜きした穿孔被覆材生地で挟み込み、芯材と2枚の
被覆材シートとを一体成形する方法によって行われる。
【0007】
【発明の実施の形態】このような複合構造のOリングに
おいて、ゴム製芯材として超臨界抽出処理物を用いるこ
とは、既に本出願人によって提案されている(特願平8
−207744号)。このような超臨界抽出処理(SFE)ゴム製
芯材を用いて複合構造を製造する際には、被覆層の形成
が、それがゴムの場合には、ゴムコンパウンドをカレン
ダロール等を用いてリボン状とし、これをSFE処理ゴ
ム製芯材に巻き付けて加熱加圧する方法、あるいはゴム
コンパウンドを冷凍粉砕するなどの方法によって粒子化
し、これをSFE処理ゴム製芯材に付着させた後加熱加
圧する方法等によって行われる。しかしながら、このよ
うな複合化方法で得られた複合構造Oリングにおいて
は、形成された被覆層の厚みのバラツキが大きいという
問題がみられ、しかるに本発明方法で製造された複合構
造Oリングにおいては、被覆層のバラツキが大きく改善
されるばかりではなく、到達真空度、耐腐食性などの点
においても、なお一層の改善が達成されている。
【0008】前記(1)の製造法によれば、超臨界抽出処
理されたOリング状ゴム製芯材と同形状の中子を用いて
2枚の被覆材がまず予備成形され、その中子を取り除い
た後、その空洞部にゴム製芯材を挿入し、被覆材と共に
一体成形することにより、複合構造Oリングが製造され
る。
【0009】Oリング状ゴム製芯材は、フッ素ゴム、N
BR、水素添加NBR、アクリルゴム、シリコーンゴム
等から中実状または中空状で成形される。その成形方法
としては、圧縮成形法、射出成形法、トランスファ成形
法等が用いられる。
【0010】かかるゴム製芯材の超臨界抽出(SFE)処
理は、CO2、N2O、エタン、プロパン、トリフルオロメタ
ン等の超臨界状態を形成し得る任意の流体を用い、ゴム
状物質を劣化させないために約150℃以下、好ましくは
約100℃以下の温度で行われる。圧力条件については、
使用する流体の種類によって超臨界状態となる圧力が異
なり、また処理時間についても抽出液の流量や芯材材料
の種類などによって異なってくるが、一般的にはその処
理は約30〜500kgf/cm2、好ましくは約40〜300kgf/cm2
圧力を用いて、約0.5〜24時間程度行われる。
【0011】このようなSFE処理の後、減圧速度が約
10〜200kgf/cm2/hr、好ましくは約20〜100kgf/cm2/hr
で、また降温速度が約5〜720℃/hr、好ましくは約20〜5
00℃/hrで常温常圧の状態に戻すことが必要である。減
圧速度および降温速度がこれ以下では、SFE処理全体
の処理時間が長くなりすぎるので好ましくなく、一方こ
れ以上の減圧速度および降温速度では、芯材にクラック
などの破壊現象がみられるようになる。
【0012】このようにしてSFE処理されたOリング
状ゴム製芯材の表面には、厚さ約10〜500μm、好ましく
は約30〜200μmの被覆層が形成される。被覆層は、従来
行われている如くフッ素樹脂からも形成されるが、一般
にはフッ素ゴム、好ましくはテトラフルオロエチレン[T
FE]-パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[FMVE]共重合
ゴムの如きパーフルオロエラストマーから構成される。
【0013】この態様における複合構造Oリングの製造
は、図1に示される如き方法によって行われる。
【0014】金型内に芯材と同形程度(外径および断面
径がそれぞれ芯材の約0.5〜1.5倍、好ましくは約0.9〜
1.2倍程度)の金属製または樹脂製中子1を用い、それ
を厚さが最終製品の被覆層の厚さの約0.8〜5倍、好まし
くは約1〜3倍の2枚の被覆材シート2,2´の間に挟ん
だ状態(a)で圧縮成形し(b)、そこに形成された被覆材
3を切開して中子を取り除く(c)。その空洞部4に超臨
界処理したOリング状ゴム製芯材5を挿入し(d)、被覆
材3と共に圧縮成形することにより、被覆層3´と芯材
5とを一体化させた複合構造Oリングとする。なお、ゴ
ム製芯材5を挿入する際には、その挿入口を確保するた
めに、予め金属製または樹脂製シートを、金型内の製品
の内側または外側に挟んでおくことが望ましい。
【0015】前記(2)の製造法によれば、薄肉円筒状に
予備成形された被覆材生地を、その軸方向が金型面に対
して垂直になるように上下金型間に置き、略々C型断面
になるように変形させた後、その空洞部に超臨界抽出処
理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、被覆材生地と共に一
体成形することにより、複合構造Oリングが製造され
る。
【0016】この態様における複合構造Oリングの製造
は、図2に示される如き方法によって行われる。
【0017】被覆材生地を押出法により、外径が最終製
品の外径の約0.5〜1.5倍、好ましくは約0.8〜1.1倍、ま
た厚さが最終的な被覆層厚さであるようなパイプ状に成
形し、製品断面径の約1.5〜5倍、好ましくは約2.5〜3.5
倍の長さに切断して薄肉円筒状に成形した生地11を、そ
の軸方向が金型面に対して垂直になるように上金型12と
下金型13との間に置き(a)、上下金型間の離間距離を縮
めることにより(b)、略々C型断面になるように生地11
を変形させた後(c)、その空洞部14に超臨界抽出処理Oリ
ング状ゴム製芯材15を挿入し(d)、被覆材生地11と共に
圧縮成形することにより、被覆層16と芯材15とを一体化
させた複合構造Oリングとする(e)。なお、C型断面に変
形させる際には、必要に応じて中子を用いることもでき
る。
【0018】前記(3)の製造法によれば、生地表面に凹
凸を施したシート状被覆材生地から芯材と略々同形状の
中子を用いて2枚の被覆材を予備成形し、中子を取り除
いた後、その空洞部に芯材形成成分を注入して被覆材と
共に一体成形し、得られた複合構造Oリングについて超
臨界抽出処理することが行われている。
【0019】この態様では、生地表面に凹凸が施された
シート状被覆材シートが用いられる。生地表面への凹凸
の付与は、表面がエンボス加工された中子との接触によ
って行われる。形成される凹凸の径は約10μm〜1mm、好
ましくは約50〜100μm、またその深さは約10〜500μm、
好ましくは約20〜100μmである。これ以下の径の凹凸で
は、中子表面へのエンボス加工が実質的にできないこと
から、凹凸を形成させたことによる効果がみられなくな
り、一方これ以上の大きさの径のものでは、凹凸の数が
少くなって通常の表面状態との差がなくなり、凹凸を付
けることによる被覆層と芯材との間の界面接着面積の増
加によってもたらされる効果が著しく損われるようにな
る。また、これ以下の深さの凹凸では、通常の表面状態
との差がなくなり、凹凸を付けることによる被覆層と芯
材との間の界面接着面積の増加によってもたらされる効
果が著しく損われるようになり、一方これ以上の深さの
ものでは、被覆層形成後に芯材形成材料を射出等の方法
で注入する際、芯材生地がうまく流動せず、被覆層と芯
材との間に空気層が形成され易くなる。
【0020】このようなシート状被覆材シートは、前記
(1)の製造法と同様の方法で予備成形され、中子を取り
除いた後、その空洞部に芯材ではなく芯材形成材料であ
るゴムコンパウンドが射出法などによって注入され、そ
の後被覆材と共に圧縮成形されて、被覆層と芯材とが一
体化された複合構造Oリングとする。この複合構造Oリン
グとした段階で、超臨界抽出処理が行われる。その処理
条件は、Oリング状ゴム製芯材の処理条件と同じであ
る。
【0021】更に、前記(4)の製造法によれば、複合構
造Oリング成形用の上金型と下金型との間に超臨界抽出
処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、該芯材を非穿孔被
覆材生地および芯材内径よりも小さい直径の孔を型抜き
した穿孔被覆材生地で挟み込み、芯材と2枚の被覆材シ
ートとを一体成形することにより、複合構造Oリングが
製造される。
【0022】この態様における複合構造Oリングの製造
は、図3に示される如き方法によって行われる。
【0023】複合構造Oリング成形用の上金型21と下金
型22との間に超臨界抽出処理Oリング状ゴム製芯材23を
挿入し、この芯材を非穿孔被覆材生地24および芯材内径
よりも小さい直径の孔25を型抜きした穿孔被覆材生地26
で挟み込み、芯材23と2枚の被覆材生地24,26とを一体
成形する。このとき、一方の被覆材生地として無穿孔の
ものが用いられるのは、二重構造化する際、Oリングの
内周側迄十分に被覆材を廻り込ませるためである。な
お、符号27は、バリの逃し孔である。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば、被覆層の厚さが均
一でしかも内部に空気の層が形成され難く、到達真空度
や耐腐食性の点においても一段とすぐれているので、真
空状態や腐食性流体をシールするのに有効に用いられる
複合構造のOリングが得られる。
【0025】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。 実施例1 ポリオール系加硫剤配合フッ素ゴム (ダイキン製品ダイエルG−701) 100 重量部 酸化マグネシウム 3 〃 酸化カルシウム 6 〃 MTカーボンブラック 20 〃 以上の各配合成分を3Lニーダで混合した後、10インチ
オープンロールで混練し、混練物を190℃、5分間の条
件下で圧縮成形して、外径149.8mm、断面径4.6mmのOリ
ング状芯材を予備成形した。
【0026】得られたOリング状芯材について、CO2を抽
出剤として、圧力200Kgf/cm2、温度90℃、時間2時間の
条件下で、SFE処理を行った。SFE処理後、減圧速
度100Kgf/cm2/hrで常圧迄戻した後、降温速度500℃/hr
で常温迄戻した。 TFE-FMVE共重合ゴム 100 重量部 MTカーボンブラック 5 〃 トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品タイクM6) 5 〃 有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ3M) 2 〃 以上の各配合成分を10インチオープンロールを用いて混
練し、100mm径のロールを用いて、60℃、1rpmの条件下
で薄通しし、厚さ300μmのシート状被覆材生地を得た。
【0027】この生地2枚に、外径149.4mm、断面径4.4
mmのクロム鍍金鋼製中子を挾み、100℃、1分間の条件
下で圧縮成形して、被覆材を形成させた。その後、中子
を取り除き、SFE処理芯材をその空洞部に挿入し、18
0℃、10分間の条件下で圧縮成形して一体とした後、更
に大気中、200℃、23時間の条件下で二次加硫を行な
い、厚さ200μmの被覆層を有する外径150mm、断面径5.0
mmの二層構造Oリングを得た。
【0028】実施例2 実施例1で得られたTFE-FMVE共重合ゴム混練物を、リン
グ押出により外径150mm、厚さ300μmのチューブ状に成
形し、これを18mmの長さに切断して薄肉短円筒状とし
た。このものを、その軸方向が金型面に対して垂直とな
るように上下金型間に置き、略々C型断面になるように
変形させた後、その空洞部に実施例1のSFE処理芯材
を挿入し、180℃、10分間の条件下で圧縮成形して一体
化した。その後、大気中、200℃、23時間の条件下で二
次加硫を行ない、厚さ200μmの被覆層を有する外径149m
m、断面径5.0mmの二層構造Oリングを得た。
【0029】比較例1 実施例1で得られたTFE-FMVE共重合ゴム混練物を、100m
m径のロールを用いて、60℃、1rpmの条件下で薄通し
し、厚さ200μmのリボンを得た。このリボンを、実施例
1のSFE処理芯材に巻き付け、これを180℃、10分間
の条件下で圧縮成形した後、更に大気中、200℃、23時
間の条件下で二次加硫し、厚さ約200μmの被覆層を有す
る外径150mm、断面径5.0mmの二層構造Oリングを得た。
【0030】 実施例3 水素添加NBR(日本ゼオン製品ゼットポール2010) 100 重量部 HAFカーボンブラック 30 〃 老化防止剤(大内新興化学製品ノックラックMBZ) 1.5 〃 〃 (白石カルシウム製品ナウガード#445) 1.5 〃 酸化亜鉛 5 〃 ステアリン酸 0.5 〃 有機過酸化物(日本油脂製品ペロキシモンF40) 8 〃 以上の各配合成分を3Lニーダで混合した後、10インチ
オープンロールで混練し、混練物を180℃、6分間の条
件下で圧縮成形して、外径59.9mm、断面径5.8mmのOリン
グ状芯材を加硫成形した。
【0031】得られたOリング状芯材について、CO2を抽
出剤として、圧力100Kgf/cm2、温度80℃、時間3時間の
条件下でSFE処理を行った。SFE処理後、減圧速度
20Kgf/cm2/hrで常圧に戻した後、降温速度10℃/hrで常
温迄戻した。
【0032】この芯材を用い、実施例1と同様の方法で
TFE-FMVE共重合ゴム被覆層を形成させ、厚さ約100μmの
被覆層を有する外径60mm、断面径6.0mmの二層構造Oリン
グを得た。
【0033】比較例2 実施例1で得られたTFE-FMVE共重合ゴム混練物を、低温
粉砕装置(ホソカワミクロン製リンレックスミル)を用
いて-170℃で粉砕し、平均粒径30μmのコンパウンド粒
子を得た。この粒子を、実施例3のSFE処理芯材に付
着させ、これを180℃、10分間の条件下で圧縮成形した
後、更に大気中、150℃、20時間の条件下で二次加硫を
行ない、厚さ約100μmの被覆層を有する外径60mm、断面
径6.0mmの二層構造Oリングを得た。
【0034】以上の各実施例および比較例で得られた二
層構造Oリングについて、次の各項目の測定が行われ
た。 到達真空度:ブランクで10-9Torr迄到達するチャンバに
Oリングを入れ、2時間後のチャンバの真空度を測定 耐腐食性:NF3プラズマを1時間照射したときの重量減
少率 スクラッチ試験:安全カミソリを直角に当て、前後に擦
ったときの被覆層の剥離の有無を目視で観察 被覆層厚さ:成形後のOリングを任意の位置で径方向に
切断し、軸方向を起点に15°刻みの各位置における厚み
を測定
【0035】得られた結果は、次の表1に示される。 表1 到達真空 耐腐食 スクラッチ 被覆層厚さ(μm) 度(Torr) 性(%) 試 験 平均 分散 実施例1 1.85×10-9 9.0 剥離なし 190 384 〃 2 1.78×10-9 9.7 〃 197 274 比較例1 2.04×10-9 10.4 〃 203 2370 実施例3 6.53×10-9 10.7 〃 41.7 45.7 比較例2 1.96×10-8 11.2 〃 35.4 224
【0036】 実施例4 TFE-FMVE共重合ゴム 100 重量部 MTカーボンブラック 6 〃 トリアリルイソシアヌレート(タイクM6) 4 〃 有機過酸化物(パーヘキサ3M) 2.5 〃 以上の各配合成分を10インチオープンロールを用いて混
練し、混練物を100mm径ロールを用いて、60℃、1rpmの
条件下で薄通しし、厚さ300μmのシート状被覆材生地を
得た。この生地に、YPK製ブラスト装置PDM-03を用
い、径約100μm、深さ約30μmの凹凸を全面的に施し
た。
【0037】このような生地2枚を用い、外径150mm、
断面径4.9mmのクロム鍍金鋼製中子を挾み、180℃、1分
間の条件下で圧縮成形して被覆材を予備成形した後中子
を取り除き、芯材形成成分を射出法によって被覆材間の
空洞部に注入した。その後、被覆材と共に、180℃、10
分間の条件下で圧縮成形して、二層構造Oリングを得
た。
【0038】ここで、芯材形成成分としては、 ポリオール系加硫剤配合フッ素ゴム(ダイエルG−701) 100 重量部 酸化マグネシウム 2.5 〃 水酸化カルシウム 5.5 〃 MTカーボンブラック 18 〃 の各配合成分を3Lニーダで混合した後、10インチオー
プンロールで混練したものが用いられた。
【0039】得られた二層構造Oリングについて、実施
例1のOリング状芯材に適用されたのと同様のSFE処
理が施された。
【0040】比較例3 実施例4の芯材形成成分を195℃、4分間の条件下で圧
縮成形して得られたOリング状芯材について実施例1と
同様のSFE処理が行われた。これに、実施例4のシー
ト状被覆材生地(凹凸が施されていないもの)を幅10mmに
切ってリボン状として巻き付け、180℃、10分間の条件
下で圧縮成形して、二層構造Oリングを得た。
【0041】得られた二層構造Oリングについては、芯
材/被覆層界面接着強さ(SFE処理後にOリングを切断
し、その界面を顕微鏡で観察して、剥離の有無を目視で
確認)を比較するため、実施例4と同じ条件で、再度S
FE処理が行われた。
【0042】比較例4 実施例4において、ブラスト処理が施されないシート状
被覆材生地がそのまま用いられた。
【0043】 実施例5 水素添加NBR(日本ゼオン製品ゼットポール2010L) 100 重量部 HAFカーボンブラック 35 〃 老化防止剤(ノックラックMBZ) 2 〃 〃 (ナウガード#445) 2 〃 酸化亜鉛 4.5 〃 ステアリン酸 0.8 〃 有機過酸化物(ペロキシモンF40) 5 〃 以上の各配合成分を3Lニーダで混合した後、10インチ
オープンロールで混練し、混練物を芯材形成成分とし
て、実施例4の凹凸が施された被覆材間に、射出法によ
って注入した。その後、被覆材と共に、180℃、10分間
の条件下で圧縮成形して、二層構造Oリングを得た。
【0044】得られた二層構造Oリングについて、CO2
抽出剤として、圧力120Kgf/cm2、温度75℃、時間3時間
の条件下でSFE処理を行った。SFE処理後、減圧速
度20Kgf/cm2/hrで常圧に戻した後、降温速度25℃/hrで
常温迄戻した。
【0045】比較例5 実施例5の芯材形成成分を、165℃、4分間の条件下で
圧縮成形し、得られたOリング状芯材について、実施例
5の二層構造Oリングの場合と同様のSFE処理が行わ
れた。これに、実施例4のシート状被覆材生地(凹凸が
施されていないもの)を幅10mmに切ってリボン状として
巻き付け、180℃、10分間の条件下で圧縮成形して、二
層構造Oリングを得た。
【0046】得られた二層構造Oリングについては、芯
材/被覆層界面接着強さを比較するため、実施例5と同
じ条件で、再度SFE処理が行われた。
【0047】比較例6 実施例5において、ブラスト処理が施されないシート状
被覆材生地がそのまま用いられた。
【0048】以上の実施例4〜5および比較例3〜6で
測定また評価された各項目についての結果は、次の表2
に示される。 表2 界面接着 スクラッチ 到達真空 被覆層厚さ(μm) 強さ 試 験 度(Torr) 平均 分散 実施例4 剥離なし 剥離なし 2.1×10-9 195 215 比較例3 剥離あり 剥離あり 2.9×10-9 211 1263 〃 4 〃 若干あり 2.2×10-9 197 213 実施例5 剥離なし 剥離なし 2.4×10-9 197 274 比較例5 剥離あり 剥離あり 2.6×10-9 205 1136 〃 6 〃 〃 2.45×10-9 199 295
【0049】実施例4の芯材形成成分を用い、195℃、
4分間の条件下で圧縮成形されたOリング状芯材につい
て、実施例1と同様のSFE処理が施された。
【0050】実施例6 実施例4で用いられた芯材形成成分から195℃、4分間
の条件下で圧縮成形されたOリング状芯材(内径149.8m
m、断面径4.6mm)について、実施例1と同様のSFE処
理を行ない、SFE処理芯材を得た。また、実施例4で
用いられたシート状被覆材生地(凹凸を施さないもの)
2枚を用意し、その内の1枚を穿孔被覆材生地(孔の直
径145mm)として孔の位置を芯材内径とほぼ一致するよ
うにしながら、他の1枚の非穿孔被覆材生地と共に、S
FE処理芯材を挟み込み、これらを180℃、10分間の条
件下で圧縮成形して、きれいな被覆層を有する二層構造
Oリングを得た。
【0051】比較例7 実施例6において、シート状被覆材生地を幅1mmのリボ
ン状とし、これをSFE処理芯材に巻き付けて、180
℃、10分間の条件下で圧縮成形したが、小さな芯材の場
合にはリボン状被覆材生地の巻き付け自体困難であり、
それを無理に巻き付けて圧縮成形しても、芯材が金型内
で位置ずれして、二層構造Oリングを得ることはできな
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(1)の態様による複合構造Oリングの製造
工程を示す概略図である。
【図2】本発明(2)の態様による複合構造Oリングの製造
工程を示す概略図である。
【図3】本発明(4)の態様による複合構造Oリングの製造
工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 中子 2 被覆材シート 3 被覆材 3´,16 被覆層 5,15,23 超臨界抽出処理Oリング状ゴム製芯材 11 薄肉円筒状被覆材生地 21 上金型 22 下金型 24 非穿孔被覆材生地 25 孔 26 穿孔被覆材生地

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Oリング状ゴム製芯材表面に被覆層が設
    けられた複合構造のOリングを製造するに際し、芯材と
    略々同形状の中子を用いて2枚の被覆材を予備成形し、
    中子を取り除いた後、その空洞部に超臨界抽出処理Oリ
    ング状ゴム製芯材を挿入し、被覆材と共に一体成形する
    ことを特徴とする複合構造Oリングの製造法。
  2. 【請求項2】 超臨界抽出処理された後、約10〜200Kgf
    /cm2/hrの減圧速度および約5〜720℃/hrの降温速度で常
    温常圧状態に戻されたOリング状ゴム製芯材が用いられ
    る請求項1記載の複合構造Oリングの製造法。
  3. 【請求項3】 Oリング状ゴム製芯材表面に被覆層が設
    けられた複合構造のOリングを製造するに際し、薄肉円
    筒状に予備成形された被覆材生地を、その軸方向が金型
    面に対して垂直になるように上下金型間に置き、略々C
    型断面になるように変形させた後、その空洞部に超臨界
    抽出処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、被覆材生地と
    共に一体成形することを特徴とする複合構造Oリングの
    製造法。
  4. 【請求項4】 超臨界抽出処理された後、約10〜200Kgf
    /cm2/hrの減圧速度および約5〜720℃/hrの降温速度で
    常温常圧状態に戻されたOリング状ゴム製芯材が用いら
    れる請求項3記載の複合構造Oリングの製造法。
  5. 【請求項5】 Oリング状ゴム製芯材表面に被覆層が設
    けられた複合構造のOリングを製造するに際し、生地表
    面に凹凸を施したシート状被覆材生地から芯材と略々同
    形状の中子を用いて2枚の被覆材を予備成形し、中子を
    取り除いた後、その空洞部に芯材形成成分を注入して被
    覆材と共に一体成形し、得られた複合構造Oリングにつ
    いて超臨界抽出処理することを特徴とする複合構造Oリ
    ングの製造法。
  6. 【請求項6】 シート状被覆材生地表面への凹凸の付与
    が、表面がエンボス加工された中子との接触によって行
    われる請求項5記載の複合構造Oリングの製造法。
  7. 【請求項7】 超臨界抽出処理された後、約10〜200Kgf
    /cm2/hrの減圧速度および約5〜720℃/hrの降温速度で常
    温常圧状態に戻される請求項5記載の複合構造Oリング
    の製造法。
  8. 【請求項8】 Oリング状ゴム製芯材表面に被覆層が設
    けられた複合構造のOリングを製造するに際し、複合構
    造Oリング成形用の上金型と下金型との間に超臨界抽出
    処理Oリング状ゴム製芯材を挿入し、該芯材を非穿孔被
    覆材生地および芯材内径よりも小さい直径の孔を型抜き
    した穿孔被覆材生地で挟み込み、芯材と2枚の被覆材シ
    ートとを一体成形することを特徴とする複合構造Oリン
    グの製造法。
  9. 【請求項9】 超臨界抽出処理された後、約10〜200Kgf
    /cm2/hrの減圧速度および約5〜720℃/hrの降温速度で常
    温常圧状態に戻されたOリング状ゴム製芯材が用いられ
    る請求項8記載の複合構造Oリングの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266014A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Toste Co Ltd メタルタッチ式クランプ管継手
KR20210059616A (ko) 2019-11-14 2021-05-25 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 시일재의 제조 방법 및 제조 장치

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