JPH10323351A - 骨固定ピンおよびその製造方法 - Google Patents

骨固定ピンおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH10323351A
JPH10323351A JP9136228A JP13622897A JPH10323351A JP H10323351 A JPH10323351 A JP H10323351A JP 9136228 A JP9136228 A JP 9136228A JP 13622897 A JP13622897 A JP 13622897A JP H10323351 A JPH10323351 A JP H10323351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bone
plastic
pin
cross
fixation pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9136228A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimimasa Kazuno
公正 数野
Susumu Nagai
晋 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP9136228A priority Critical patent/JPH10323351A/ja
Publication of JPH10323351A publication Critical patent/JPH10323351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/56Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor
    • A61B17/58Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
    • A61B17/68Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
    • A61B17/683Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin comprising bone transfixation elements, e.g. bolt with a distal cooperating element such as a nut
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/56Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor
    • A61B17/58Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
    • A61B17/68Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
    • A61B17/84Fasteners therefor or fasteners being internal fixation devices
    • A61B17/86Pins or screws or threaded wires; nuts therefor
    • A61B17/866Material or manufacture
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B2017/00004(bio)absorbable, (bio)resorbable, resorptive

Abstract

(57)【要約】 【課題】骨折や骨切り術での骨片や人工物の骨への固定
の際に、簡便性を失うことなく強固にそれらを固定する
ことができる。 【解決手段】長軸方向の少なくとも一部が変形あるいは
加熱によって断面積の増大する性質を有する配向された
プラスチックからなる骨固定ピン、及び金属製管体にプ
ラスチックを挿入し共に延伸して前記骨固定ピンを製造
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整形外科や口腔外
科において利用される骨固定ピンおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来用いられてきた金属で作製されたス
クリュー、プレート、ワイヤーや髄内釘などの骨内固定
具は、整形外科や口腔外科において骨折治療や変形関節
の骨切りの際の骨片固定、さらには人工球蓋や人工関節
等の固定をする際に使用されてきた。骨折の治療法には
ギプス固定に代表される外固定および骨折部を外科的に
開放し骨内固定具を用いて固定する内固定があり、外固
定に比べ内固定は術後早期の運動が可能となる。内固定
に求められる特性は、およそ4週から3カ月かかる骨折
癒合期間中接合した骨片同士の位置関係がずれないよう
にすることにあり、接合面がこの時期にずれると偽関節
や遷延治癒といった不具合がおこり、良好に治癒しない
ことがある。現在使用されているステンレス製内固定具
のうち、ピンは先端についた刃によって骨片の位置を合
わせながら、2個以上の骨片を串刺しにして固定し、骨
から露出した部分はカッター等で容易に切断できるた
め、骨にネジ山を切る必要のあるネジと比べると簡便に
固定ができる。
【0003】しかしながら、ステンレスピンの表面が平
滑であるためピンの軸方向に骨片がずれやすく、また骨
密度の低い骨を接合した場合、ステンレスピンと骨との
実質的な接触面積が小さいため、さらに骨片がずれやす
く、強固な固定は期待できない。さらに、ステンレスピ
ンと接触している骨がステンレスピンの異物反応によっ
て体内で徐々に吸収されたりした場合、骨とステンレス
ピンの間に間隙が生じ、ステンレスピンが体内で迷走
し、周囲の組織を傷害したりする問題があった。また、
まれに金属アレルギーをおこす患者もあるため、このよ
うなステンレス固定具は、骨折が治癒した後、適当な時
期に体外に取り出す2度目の手術(抜釘術)が必要であ
った。さらに、近年MRIにより癒合状態を確認しなが
ら治療することが広く行われるようになったが、ステン
レスはMRI画像を妨害するため、正しい治療判断に苦
渋するという不具合もある。
【0004】また最近前記の抜釘術を不要としMRI画
像を妨害せず体内で吸収消失するプラスチック製のピン
が市販されてきた。しかしながら、このようなプラスチ
ック製ピンはステンレスと比べて柔らかいためステンレ
スピンのように先端に刃を付けて孔をあけながら骨内に
挿入することは出来ず、プラスチックピンを挿入できる
孔をあけた後挿入しなければならない。その結果、作業
が煩雑になるだけではなく、孔をプラスチックピンの直
径より大きくあけなければ骨とプラスチックピンとの界
面での抵抗が高くなりプラスチックピンを挿入する時プ
ラスチックピンが曲がったり壊れたりして挿入し難くな
る。一方で、前記孔をプラスチックピンの直径より大き
くあければあけるほどプラスチックピンの挿入は容易に
できるが、骨とプラスチックピンの界面に隙間ができ骨
片ががたつきやすくなるという欠点があった。また、こ
のがたつきを軽減するため、テーパー付きのプラスチッ
クピンも考案されている(特開平2-63450)が、
固定した骨片に力が加わったりするとピンの太い方向へ
ずれやすく、緩みやすいことは明らかである。
【0005】また、体内での異物反応が少なく、ステン
レスよりMRI画像を妨害しにくく、骨と親和性が良い
ため骨と密着し易いチタンやサファイヤセラミックスで
作製した固定具が市販されている。これらの固定具は、
硬い為にしっかり固定できる。また、体内で異物反応を
おこしにくくかつ骨と接着し易い為、骨と固定具の間に
隙間ができることで体内を迷走したり金属アレルギーを
おこすという不具合が、ステンレス固定具より少ないと
され、体内に残しておいて大きな問題を生ずる危険性
は、ステンレス製固定具より少ないとされる。しかしな
がら、一方で、チタンやサファイヤ製固定具の近傍での
再骨折や、固定不良での遷延治癒、偽関節化、まれに生
ずるアレルギー、変形性関節症治療のための骨切り固定
手術後長期間たって人工関節を移植する場合などで、固
定具を除去する必要が生じても硬い固定具と骨とが強固
に接着しているため、容易には除去することが困難であ
り除去できない場合は、残存する固定具を避けて行う必
要があるという不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を鑑み、簡単な固定作業でしっかり固定でき、体内
に残存しても安全であり、MRI画像を妨害せず、再手
術の際邪魔にならない骨固定ピンを提供することにあ
る。さらに、この骨固定ピンの製造方法である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の本発明
により達成される。 (1)長軸方向の少なくとも一部が変形あるいは加熱に
よって断面積の増大する性質を有する配向されたプラス
チックからなる骨固定ピンである。 (2)一端がテーパー状に成形され、他端に開口部を有
する中空構造体からなる上記(1)に記載の骨固定ピン
である。また、その断面が多角形の形状を有することを
特徴とする骨固定ピンである。
【0008】(3)前記プラスチックが生体内で分解吸
収される材料である上記(1)乃至(2)に記載の骨固
定ピンである。 (4)前記プラスチックが、ポリヒドロキシ酪酸または
その共重合体からなる上記(1)乃至(3)に記載の骨
固定ピンである。 (5)プラスチック材料を金属製管体に挿入し、当該金
属製管体と共に延伸を行った後、一定の温度にて処理を
行うことを特徴とする骨固定ピンの製造方法である。
【0009】本発明の骨固定ピンは、骨或いは移植物に
接触するプラスチック部分の実質的な断面積が骨片や移
植物に固定具を挿入する前には骨片や移植物にあけられ
た孔の断面積より小さくしておき、挿入後に変形または
加熱によって断面積を増大させることによって骨片ある
いは移植物を骨に固定し、さらに骨片あるいは移植物が
長軸方向に沿って移動することを効果的に阻止すること
ができる。本発明の骨固定ピンの変形あるいは加熱によ
って断面積の増大する部分の位置は骨固定ピン全体でも
よく、また固定しようとする骨片や移植物が効果的に固
定できる部分のみでも良い。例えば、骨固定ピンが2つ
の骨片を完全に突き通して固定する場合、骨片にあけら
れた開口部近傍に位置する部分のみとし、この部分のみ
屈曲変形あるいは加熱によって断面積を増大させること
で骨片が骨固定ピンの長軸方向にそって引き離される作
用を阻止できる。
【0010】本発明の骨固定ピンの外観的形状は特に限
定されず、棒状体であって少なくとも長軸方向の一部に
変形あるいは加熱によって断面積の増大する性質を有す
る配向したプラスチック部分を有するものであれば良
い。また本発明でプラスチック部分の断面積の増大の範
囲は特に限定しないが、もとの断面積に対して200%
程度までの範囲を示す。
【0011】本発明に用いる変形あるいは加熱によって
断面積が増大する性質を有するプラスチックの具体的な
材料としては、硬質の材料であれば既存の様々な材料が
利用可能であり、生体内において分解吸収され、骨固定
ピンと骨組織の間にがたつきを生じさせないものであれ
ばよく、例えば、ポリ乳酸、ポリジオキサノンやポリヒ
ドロキシ酪酸のような生分解性ポリエステルやキチン、
キトサンなどの多糖類、さらにはそれらの材料にヒドロ
キシアパタイトのような骨置換の可能な燐酸塩類などを
含有させたものが利用できる。実際にどのような材質を
利用するかは、応力を必要とする期間によって選択する
ことができる。例えば、ポリ乳酸やポリヒドロキシ酪酸
は、移植前の各ポリマーの形状や分子量などにもよる
が、体内での応力保持は6カ月から3年の間可能であると
予測される。また、ポリジオキサノンは1から3カ月、吸
収性縫合糸に利用されているポリグリコール酸やポリグ
リコール酸とポリ乳酸との共重合体は2週間前後である
と予想される。これらは、骨固定ピンの応力保持の必要
な期間から適当に設定可能である。ポリヒドロキシ酪酸
は他の生分解性プラスチックに比べ結晶化度が高く延伸
により配向しやすいため、変形あるいは加熱によって断
面積の増大する性質を生かすプラスチックとしては好適
である。また、他の生分解性プラスチックはその製造法
が主に化学合成に頼っているのに対し、ポリヒドロキシ
酪酸は微生物の発酵合成で製造しているため、化学合成
で使用している合成触媒を含まないことから、分解され
た後に合成触媒由来の炎症反応などを引き起こす心配が
なく好適である。また、骨片あるいは移植物に接触する
以外の部分は別の素材で作製されても良いが、MRI造
影を妨害しないものや、固定作業直後に切断し体外に除
去できるもの等であることが望ましい。
【0012】本発明において、長軸方向に変形あるいは
加熱によって断面積が増大する性質を有する配向したプ
ラスチックは、未延伸の上述した材料を金属製の管に挿
入し共に延伸した後、一定の温度にて処理することによ
って得られる。本発明の骨固定ピンは、加熱や変形によ
って分子配向がもとに戻る延伸プラスチックの性質を利
用するため、骨固定ピンを利用する温度では配向した分
子状態で無負荷で一定の形状を保つ必要があり、従来こ
のような分子状態を目的とする形状で均一に作製するこ
とは非常に難しく、かつこのような分子状態を一定形状
の延伸配向した同一材料の一部に安定に作製することは
さらに困難であったが、本発明の配向させる方法によっ
て克服できる。
【0013】さらに具体的に説明すると、塑性変形し易
くかつ初期弾性率が目的のプラスチック延伸物より充分
大きい素材、好ましくはアルミ、真鍮、銅のような金属
で作製したパイプに、未延伸のプラスチック成形物を挿
入し、通常の金属パイプの引き落とし加工と同様に引き
落とすことによって、金属パイプと共にプラスチック成
形物を引き落とし、プラスチックの分子を配向させる。
このとき延伸配向した金属パイプの中のプラスチック
は、金属パイプとプラスチックとの界面の滑り抵抗と引
き落としによって金属パイプの内面方向に生じる圧迫力
によって外力を加えずかつ結晶化を進めなくとも分子の
配向した状態を広い温度範囲で維持できる。金属パイプ
内側に生じる圧迫力は、通常の延伸の際分子間に発生す
る可能性のある微少なボイドの発生を抑えつつ、均一か
つ良好な延伸が可能である。その後、金属パイプと一体
の状態で高強度化する必要のある部分のみプラスチック
が結晶化する温度に加熱し、もとに戻したい部分はその
熱が伝わらないよう冷却したり、あるいは金属パイプを
はぎ取っても外径が変化しない適当な熱処理を行うこと
ができる。
【0014】すなわち、上述した方法によればプラスチ
ックを配向していながら結晶化が進みにくい状態に特別
に外力を加えることなしに維持できるため、例えば熱処
理前に金属パイプごと複雑に曲げておいた後に加熱結晶
化させて、均一に曲げ癖にのついた延伸物を得ることも
可能であり、延伸配向したプラスチック製のバネを造る
ことも自在にできる。これは、通常のダイス延伸や紡糸
に使われる連続延伸、静水圧押し出しによる延伸方法で
は困難であり、多数の延伸物を均一に作製することはさ
らに困難である。なお、成形と熱処理を終えた金属パイ
プ被覆プラスチック延伸物を金属パイプから取り出すこ
とは、通常考え得る方法で容易に行える。例えば、複雑
な3次元形状にした場合には酸や電気分解で金属を溶か
し去ることも可能であり、また金属パイプの軸に平行に
スリットを加え引き裂くように金属パイプをはぎ取るこ
とも可能であり、さらにスリットをいれた後3次元形状
に成形して酸や電気分解と物理的にはぎ取る方法を混在
させることも可能である。
【0015】また、上述した方法によると次の3点の利
点を有する。結晶化に使う加熱の条件を広く設定でき
るため、太い成形物でもしっかり温度制御することがで
き、プラスチック延伸物の内部と外部で熱のかかり具合
が違うことによる不均一さが生じにくいという利点もあ
り、太い延伸高強度プラスチックを作製するためには非
常に有効な方法である。延伸前のプラスチック成形物
は断面が均一な長尺物である必要はなく、テーパー状の
ものにして出来上がりの延伸成形物をテーパー状の部分
延伸ロッドとしたり、2種の異なる材料で作製したプラ
スチック成形物を使うことで、例えば、パイプのような
様々な形の延伸成形物を得ることが可能である。引き
落としダイスを何段階にも変えて、段階で徐々に引き落
とすことが可能なため、延伸時に破壊しやすいプラスチ
ックでも延伸しやすいだけでなく、ダイスの孔の形を適
当に変えることで、断面が丸以外の、例えば、6角形や
星形、楕円など様々な断面形状の延伸プラスチック成形
物を得ることができる。
【0016】変形により本発明の骨固定ピンの断面積を
増大させる方法としては、骨片、移植物、骨に設けた下
孔の開口部付近で屈曲させる等により変形させて増大さ
せる方法がある。
【0017】加熱により本発明の骨固定ピンの断面積を
増大させる方法としては、固定ピンを中空状に成形し、
例えば電気や電磁誘導で発熱するニクロム線やコイル、
高温に加熱した金属棒などの発熱体、あるいは超音波の
発生する棒などを挿入する方法があげられる。この時、
発熱体は骨固定ピンに挿入前に装着して加熱後骨固定ピ
ンの断面積を増大させた後に骨固定ピンの1端から外部
に抜き去っても良いし、骨固定ピンを下孔に挿入後、固
定具の一端から挿入して発熱させて骨固定ピンの断面積
を増大させた後抜き去っても良い。
【0018】さらに、棒状体の固定具の少なくとも一端
に骨片や移植物に突き通した固定具挿入用の下孔の外径
より充分小さい外径で、下孔を容易に通過できる下孔通
過用ガイド部分を設けた骨固定ピンにより、このガイド
部分から下孔に挿入することにより、屈曲した下孔でも
通しやすくできる。この時、屈曲した下孔を通過する
際、外径が増すため、骨と固定具が密着し易く、よりし
っかりとした固定が可能である。また、前記ガイド部分
と固定具部分は、挿入時に実質的に骨に引っかからない
ようスムースに連結されていることが重要であるが、挿
入方向と逆の方向に抜こうとすると骨固定ピンが骨に引
っかかるようなカエリがついていても差し支えない。
【0019】本発明の骨固定ピンは、断面の形状を多角
形にしたものであっても良く、固定しようとする骨片同
士や骨片と移植物を突き通した下孔を通して挿入する際
に効果的である。すなわち断面を多角形にすることによ
り、骨固定ピンと骨あるいは移植物の間の滑り抵抗が低
減し、挿入しやすく、かつ、挿入作業時骨固定ピンの角
が骨の一部を削ることで、骨固定ピンを軸として骨片や
移植物が回転することを防ぐことができ、さらに変形や
加熱によって骨固定ピンの太さを増すことで、骨片や移
植物が骨固定ピンの軸方向に滑ることも抑えられ、より
効果的な固定ができる。また、本発明の骨固定ピンは加
熱により断面積を増大させて用いる時に必ずしもヒータ
ーを挿入するために中空構造にする必要はなく、穴をあ
けながら熱などを加えて断面積を増大させても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の骨固定ピンの第1
の実施形態を示す上面図及び正面図である。なお、以
下、各図中の下側を「先端」、上側を「基端」として説
明する。図1に示すように、本発明の骨固定ピン1は、
主に骨片同士を固定する棒状の部材であって、少なくと
も長軸方向の一部に断面積の増大する性質を有する配向
した部分を持つプラスチック部分11とそれ以外の部分
12からなり、先端側のプラスチック部分11が一方の
骨片(先端側骨片22)の骨界面を挟むように存在す
る。また、基端側のプラスチック部分11も基端側骨片
21の骨界面を挟んで存在する。プラスチック部分11
の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシ
酪酸、及びそれらの共重合体等の生分解性ポリマーで構
成されていることが望ましいが、少なくとも長軸方向の
一部に断面積の増大する性質を有する配向した部分を持
つプラスチック材料であれば何でもよい。部分12は特
に限定されずプラスチック部分11と同じ材料でも良
い。
【0021】次にこの骨固定ピンの使用方法について、
図2及び図3に基づき説明する。骨片21、22に骨固
定ピン1が挿入される下孔をあけ、同時に先端側のプラ
スチック部分12が一方の骨片(先端側骨片22)の骨
界面を挟むように、さらに基端側のプラスチック部分1
2も基端側骨片21の骨界面を挟むように挿入する(図
2)。骨固定ピン1を挿入後、先端側のプラスチック部
分12を外力または熱によってその断面積を増大させ、
アンカー部32を形成させる。続いて骨固定ピン1の基
端側最後端を引っ張りながら基端側のプラスチック部分
12に、外力、熱によってアンカー部31を形成させ固
定を行う(図3)。なお、プラスチック部分12にかか
る外力とは、曲げによる力、剪断力、捻りによる力、超
音波等プラスチック部分12の断面積を増大させるもの
であれば限定されない。また、プラスチック部分12に
かかる熱とは、ヒーターによる加熱、摩擦による熱、超
音波による熱、赤外線等、プラスチック部分12の断面
積を増大させるものであれば限定されない。
【0022】図4は本発明の骨固定ピンの第2の実施形
態を示す上面図及び正面図である。なお、以下、各図中
の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。本
発明の骨固定ピン4は、少なくとも長軸方向の一部に断
面積の増大する性質を有した配向したプラスチック部分
41と、その中心の中空部分42からなる。プラスチッ
ク部分41の構成材料は、特に限定されないが例えばポ
リグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒ
ドロキシ酪酸、及びそれらの共重合体等の生分解性ポリ
マーで構成されていることが望ましいが、少なくとも一
方向において断面積の増大する性質を有した材料であれ
ば限定されない。
【0023】次にこの骨固定ピンの使用方法について、
図5及び6に基づき説明する。あらかじめドリルにて骨
固定ピンを挿入する孔45を形成し、プラスチック部分
41の先端側が一方の骨片(先端側骨片44)の孔45
の先端に届くよう先端部分にヒーターが内蔵されている
挿入具5にて挿入する。挿入後、挿入具5のヒーターを
加熱することによりプラスチック部分41の断面積を増
大させ、骨との隙間のないように固定する。また、プラ
スチック部分41にかかる熱には、ヒーターによる加熱
以外にも、摩擦による熱、超音波、赤外線等があげら
れ、プラスチック部分41の断面積を増大させるもので
限定されない。
【0024】図7は本発明の骨固定ピンの第3の実施形
態を示す上面図及び正面図である。なお、以下、各図中
の下側を「先端」、上側を「基端」として説明する。骨
固定ピン6は、少なくとも長軸方向の一部に断面積の増
大する性質を有した配向したプラスチック部分61とそ
れ以外の部分62からなりテーパー状に構成されてい
る。プラスチック部分61の構成材料は、特に限定され
ないが、例えばポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオ
キサノン、ポリヒドロキシ酪酸、及びそれらの共重合体
等の生分解性ポリマーで構成されていることが望ましい
が、少なくとも一方向において断面積の増大する性質を
有した材料であれば限定されない。
【0025】次にこの骨固定ピンの使用方法について、
図8及び9に基づき説明する。あらかじめドリルにて骨
固定ピンを挿入するテーパー状の孔を形成し、プラスチ
ック部分61が一方の骨片(基端側骨片63)の骨界面
を挟んで存在するように挿入する。挿入後、基端部分を
引っ張り上げ、外力、熱によってプラスチック部分61
の断面積を増大させ、アンカー部7を形成させ骨との隙
間のないように固定する。なお、プラスチック部分61
にかかる外力とは、曲げによる力、剪断力、捻りによる
力、超音波等プラスチック部分61の断面積を増大させ
るものであれば限定されない。また、プラスチック部分
61にかかる熱とは、ヒーターによる加熱、摩擦による
熱、超音波、赤外線等、プラスチック部分12の断面積
を増大させるものであれば限定されない。プラスチック
部分41にかかる熱とは、ヒーターによる加熱、摩擦に
よる熱、超音波、赤外線等、プラスチック部分41の断
面積を増大させるものであれば限定されない。
【0026】
【実施例】以下、実施例を本発明を更に詳細に説明す
る。 (実施例1)直径3mmのポリ乳酸からなる棒体を銅管
と共に延伸した後、そのまま20〜160℃の温度で4
時間熱処理し、配向した直径2.0mmのポリ乳酸の棒
体を得た。次に、この棒体をプラスチック部分11とす
る図1に示す形状の骨固定ピン1を作成した。
【0027】羊前腕骨肘頭に骨切りを施した後、電動ド
リルにて2.1mmの下穴を開けた。そして図2に示す
ように骨固定ピン1を骨切り線に対して垂直に挿入し
た。先端側のプラスチック部分11を左右に90度屈曲
させたところ、骨固定ピン1の断面積より40%断面積
が増大し、アンカー部32(図3に記載)が形成され
た。図3に示すように先端側プラスチック部分11を骨
界面になるべく近いところで切断し、骨固定ピンの基端
側を引っ張り上げた後、基端側プラスチック部材11を
左右に90度屈曲させ、骨固定ピンの断面積より40%
断面積を増大させ、固定を行った。また同様な方法で、
それぞれの骨片のドリル穴が屈曲してつながっている穴
を開け(穴と穴の角度が90度)固定を行ったところ、
ドリル穴が90度で屈曲しているところでプラスチック
部分11の断面積が増大し、より固定力が保持できる固
定を行うことができた。この際、プラスチック部分11
の先端部分はガイド部分として直径1.5mmに切削し
て用いた。
【0028】(実施例2)実施例1と同様の方法により
配向した直径3.5mmのポリヒドロキシ酪酸の棒体を
得た。この棒体の一端から中空状に直径2mmの穴を開
け、この穴を中空部分42とする図4にその形状を示す
骨固定ピン4を作製した。羊上腕骨骨頭に骨切りを施し
た後、電動ドリルにて3.6mmの下穴を開けた。骨固
定ピンを、骨切り線に対して垂直にヒーターを内蔵した
挿入具5を用いて挿入した。その後挿入具5に内蔵した
ヒーターによりプラスチック部分41の断面積を増大さ
せ、骨との隙間のないように固定を行うことができた。
また、配向した直径3.92mmのポリヒドロキシ酪酸
からなる骨固定ピン4と同形状の骨固定ピンを使用し
て、ヒーターを内蔵した挿入具5の代わりに同形状で先
端から超音波(40.0kHz)が発生する装置を用い
て骨固定ピンの断面積の増大を求めたところ、最大で1
22%の断面積の増大が見られた。実際に牛中手骨を用
いて、2つの骨片に4.0mm径のドリルで下穴を開け、
配向した直径3.92mmの骨固定ピンを挿入し、超音
波にて骨固定ピンの断面積を増大させ固定を行ったとこ
ろ良好な固定が得られた。
【0029】本発明の骨固定ピンは棒状であれば、その
断面が円形とは限らず多角形でもよく、六角形にポリヒ
ドロキシ酪酸の延伸を行い、その六角形の一辺が2mm
の骨固定ピンに1mmの穴をあけ中空構造としたものを
用いて、先端から超音波(4(40.0kHz)が発生
する装置を用いて断面積を増大させて羊肘頭の骨折を固
定したところ、良好な固定結果が得られた。
【0030】(実施例3)実施例1と同様の方法によ
り、配向した直径3.5mmのポリヒドロキシ酪酸の棒
体を得た。この棒体を先端5mm、基端2mmとなるよ
うなテーパー形状に成形し骨固定ピンを得た。羊中手骨
にに電動ドリルにて3mmから5mmの下穴を開けた
後、骨固定ピンを挿入した。その後基端部分を引っ張り
上げ、左右に90度屈曲させて断面積を増大させ固定を
行ったところ、良好な固定が得られた。
【0031】
【発明の効果】上述したとおり、本発明により長軸方向
の少なくとも一部に断面積の増大する性質を有する配向
したプラスチック部分からなる骨固定ピンを提供するこ
とができる。本発明の骨固定ピンは、骨折や骨切り術で
の骨片や人工物の骨への固定の際に、屈曲等による変形
や、ヒーターによる加熱、摩擦による加熱、超音波及び
赤外線の照射等の操作により、簡便性を失うことなく強
固にそれらを固定することができる。また、分解吸収性
の材料で作製することより、抜釘が不要になり患者に対
する負担を軽減させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の骨固定ピンの第1の実施形態の上面図
及び正面図である。
【図2】図1に示す骨固定ピンを骨片に挿入した状態を
示す模式(断面)図である。
【図3】図1に示す骨固定ピンの一部分の断面積を増大
させた状態を示す模式(断面)図である。
【図4】本発明の骨固定ピンの第2の実施形態の上面図
及び正面図である。
【図5】図4に示す骨固定ピンを骨片に挿入した状態を
示す模式(断面)図である。
【図6】図4に示す骨固定ピンの一部分の断面積を増大
させた状態を示す模式(断面)図である。
【図7】本発明の骨固定ピンの第3の実施形態の上面図
及び正面図である。
【図8】図7に示す骨固定ピンを骨片に挿入した状態を
示す模式(断面)図である。
【図9】図7に示す骨固定ピンの一部分の断面積を増大
させた状態を示す模式(断面)図である。
【符号の説明】
1、4、6 ・・・ 骨固定ピン 11、41、61 ・・・ 配向したプラスチック部分、 12、62 ・・・ 配向したプラスチック部分以外の部分 42 ・・・ 中空部分 21、22、43、44、63、64 ・・・ 骨片 31、7 ・・・ アンカー部 5 ・・・ 挿入具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長軸方向の少なくとも一部が変形あるいは
    加熱によって断面積の増大する性質を有する配向された
    プラスチックからなる骨固定ピン。
  2. 【請求項2】前記プラスチックが生体内で分解吸収され
    る材料である請求項1に記載の骨固定ピン。
  3. 【請求項3】前記プラスチックが、ポリヒドロキシ酪酸
    またはその共重合体からなる請求項1乃至請求項2に記
    載の骨固定ピン。
  4. 【請求項4】プラスチック材料を金属製管体に挿入し、
    当該金属製管体と共に延伸を行った後、一定の温度にて
    処理を行うことを特徴とする骨固定ピンの製造方法。
JP9136228A 1997-05-27 1997-05-27 骨固定ピンおよびその製造方法 Pending JPH10323351A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9136228A JPH10323351A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 骨固定ピンおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9136228A JPH10323351A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 骨固定ピンおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10323351A true JPH10323351A (ja) 1998-12-08

Family

ID=15170292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9136228A Pending JPH10323351A (ja) 1997-05-27 1997-05-27 骨固定ピンおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10323351A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000056236A1 (en) * 1999-03-19 2000-09-28 Eaves Felmont F Iii Fastener and method for bone fixation
US6913666B1 (en) 1997-03-21 2005-07-05 Woodwelding Ag Process for anchoring connecting elements in a material with pores or cavities and connecting elements therefor
US7160405B2 (en) 1999-06-18 2007-01-09 Woodwelding Ag Integral joining
US8834469B2 (en) 2009-06-30 2014-09-16 Smith & Nephew, Inc. Orthopaedic implant and fastener assembly
US8932337B2 (en) 2001-03-02 2015-01-13 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US8939978B2 (en) 2007-03-20 2015-01-27 Smith & Nephew, Inc. Orthopaedic plate and screw assembly

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6913666B1 (en) 1997-03-21 2005-07-05 Woodwelding Ag Process for anchoring connecting elements in a material with pores or cavities and connecting elements therefor
WO2000056236A1 (en) * 1999-03-19 2000-09-28 Eaves Felmont F Iii Fastener and method for bone fixation
US7160405B2 (en) 1999-06-18 2007-01-09 Woodwelding Ag Integral joining
US7815409B2 (en) 1999-06-18 2010-10-19 Woodwelding Ag Integral joining
US8932337B2 (en) 2001-03-02 2015-01-13 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US8945192B2 (en) 2001-03-02 2015-02-03 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US9216083B2 (en) 2001-03-02 2015-12-22 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US9615872B2 (en) 2001-03-02 2017-04-11 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US9924988B2 (en) 2001-03-02 2018-03-27 Woodwelding Ag Implants for creating connections to tissue parts, in particular to skeletal parts, as well as device and method for implantation thereof
US8939978B2 (en) 2007-03-20 2015-01-27 Smith & Nephew, Inc. Orthopaedic plate and screw assembly
US8834469B2 (en) 2009-06-30 2014-09-16 Smith & Nephew, Inc. Orthopaedic implant and fastener assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200222090A1 (en) Intermedullary devices for generating and applying compression within a body
EP1902680B1 (en) A bioabsorbable elongated member
EP3068325B1 (en) Intermedullary devices for generating and applying compression within a body
US6080161A (en) Fastener and method for bone fixation
US9622803B2 (en) Orthopedic fixation screw with bioresorbable layer
US20150230843A1 (en) Controlling the unloading stress of nitinol devices and/or other shape memory material devices
JP6650395B2 (ja) 身体内で圧縮を生成し印加するためのねじ
EP1864616B2 (en) Method for producing a bone fixation device
USRE49667E1 (en) Shape changing bone implant and method of use for enhancing healing
US6221075B1 (en) Bioabsorbable, deformable fixation plate
EP1903966B1 (en) A bioabsorbable band system, a bioabsorbable band, a method for producing a bioabsorbable band
EP2127608B1 (en) A medical device and its manufacture
TWI527557B (zh) 植入物,植入工具及組件
JP2004512090A (ja) 非金属製インプラント装置と、術中に組み立ておよび固定する方法
CA3085922A1 (en) Fiber bundle reinforced biocomposite medical implants
JPH11512626A (ja) 組織条件下分解性材料及びそれを製造するための方法
GB2266246A (en) Fracture fixation device
US5529736A (en) Process of making a bone healing device
JPH10323351A (ja) 骨固定ピンおよびその製造方法
JP3029266B2 (ja) 骨接合材
JPH07213534A (ja) 骨固定用ネジ
RU2691326C1 (ru) Рассасывающийся интрамедуллярный стержень для фиксации переломов длинных трубчатых костей
JPH10305043A (ja) 骨固定具及びその製造方法
JP3023470B2 (ja) 貫通孔を有する骨接合材料の製造方法