JPH10319453A - フォトリフラクティブ材料組成物 - Google Patents

フォトリフラクティブ材料組成物

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JPH10319453A
JPH10319453A JP13346297A JP13346297A JPH10319453A JP H10319453 A JPH10319453 A JP H10319453A JP 13346297 A JP13346297 A JP 13346297A JP 13346297 A JP13346297 A JP 13346297A JP H10319453 A JPH10319453 A JP H10319453A
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JP
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polymer
electron transfer
group
potential
electron transporting
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JP13346297A
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Hisaya Sato
壽彌 佐藤
Hiroo Shirane
浩朗 白根
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 書き込み光を遮断した後もメモリ性が得ら
れ、望ましくは印加電界を切ってもメモリ性が得られる
ようなポリマー系フォトリフラクティブ材料を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 電子輸送性ポリマーと非線形光学色素を
含むフォトリフラクティブ材料組成物において、前記電
子輸送性ポリマーの残留電位を帯電電位の3%以上とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光照射した際にその
照射パターンに応じた屈折率分布を生じるフォトリフラ
クティブ材料に関するもので、光記録、特にホログラフ
ィックな記録の媒体や光情報処理の各種素子に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】フォトリフラクティブ効果、すなわち照
射した光強度パターンに応じてその物質の屈折率パター
ンが変化する現象は、P.Guenter 及びJ.P.Huignard編
の"Photorefractive Materials and Their Application
s I&II" (Springer-Verlag、1988)に述べら
れているようにニオブ酸リチウム(LiNbO3)やチタン酸
バリウム(BaTiO3)、珪酸ビスマス(Bi12SiO20 )など
の無機結晶においてよく知られていた。フォトリフラク
ティブ材料における光照射による屈折率変化の過程は、
(1)光照射による電荷の発生、(2)電荷の拡散ある
いは電界によるドリフト、(3)電荷のトラップ、
(4)空間電荷による電界の形成、(5)電気光学効果
による屈折率分布の形成、のように考えられる。従っ
て、フォトリフラクティブ材料には、(1)光導電性
(電荷発生と電荷輸送)、(2)電荷のトラッピング、
(3)一次の電気光学効果(ポッケルス効果)が要求さ
れる。ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、珪酸ビス
マスなどの無機結晶はこれらの条件を満たす材料であ
る。しかし、これらの無機結晶は感度と応答速度がトレ
ードオフの関係にあるため両者を共に向上させることが
困難であり、また成形性、加工性に劣るという欠点を有
している。
【0003】そこで、これらの無機結晶の欠点を克服す
るものとしてポリマー系のフォトリフラクティブ材料が
提案されている。特公平6−55901号には、キャリ
ア輸送分子と非線形光学色素をポリマーバインダ中に分
散させるか、または当該分子を共有結合によりポリマー
の主鎖中に若しくは側鎖として導入したフォトリフラク
ティブ材料が開示されている。また、特開平5−265
062号にはキャリア輸送分子と非線形光学色素の外に
更にキャリアトラップを主鎖中にまたは側鎖として導入
したフォトリフラクティブポリマーも開示されている。
このようなポリマー系フォトリフラクティブ材料の実用
特性についても無機結晶に匹敵するかそれ以上の値が得
られている。光導電性のポリ(4−n−ブトキシフェニ
ル)エチルシランに非線形光学色素として(E)−β−
ニトロ−(Z)−β−メチル−3−フルオロ−4−N,
N−ジエチルアミノスチレンを、また電荷発生剤として
フラーレンC60を添加したポリマー系を使用した縮退四
波混合において、印加電界1.14×107 V/m、記
録光強度1W/cm2 の条件下で回折効率立ち上がりの
時定数として39msecという高速の値が得られてい
る(S.M.Silence etal., J.Opt.Soc.Am.B, Vol.10, No.
12, 2306, 1993 )。また、ホール輸送性のポリビニル
カルバゾールに非線形光学色素として2,5−ジメチル
−4−(p−ニトロフェニルアゾ)アニソールを、電荷
発生剤としてトリニトロフルオレノンを、ガラス転移温
度を下げるための可塑剤としてN−エチルカルバゾール
を添加したポリマー系において、約90%の回折効率が
得られている(K.Meerholz etal., Nature, Vol.371, 4
97, 1994 )。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フォトリフラクティブ
材料を光記録に用いる場合には、書き込み光の照射によ
って形成された屈折率パターンが書き込み光を遮断した
後も安定して保存されること、すなわちメモリ性が要求
される。更には、書き込み後に印加電界を切っても屈折
率パターンが安定して保存されることが望ましい。しか
し、これまでに公知のポリマー系フォトリフラクティブ
材料では、書き込み光を遮断すると徐々に屈折率パター
ンが消失していき、十分なメモリ性が得られていない。
また、印加電界を切ると典型的には数秒〜数十秒のオー
ダーで屈折率パターンが消失する。従って本発明の目的
は、書き込み光を遮断した後もメモリ性が得られ、望ま
しくは印加電界を切ってもメモリ性が得られるようなポ
リマー系フォトリフラクティブ材料を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、電子輸送
性ポリマーと非線形光学色素を含むフォトリフラクティ
ブ材料組成物において、前記電子輸送性ポリマーの残留
電位が帯電電位の3%以上であることを特徴とするフォ
トリフラクティブ材料組成物とすることにより解決する
ことができる。すなわち本発明は以下のものを提供する
ものである。 [1] 電子輸送性ポリマーと非線形光学色素を含むフ
ォトリフラクティブ材料組成物において、電子輸送性ポ
リマーの残留電位が帯電電位の3%以上であることを特
徴とするフォトリフラクティブ材料組成物。 [2] 電子輸送性ポリマーが側鎖にチオキサンテン誘
導体を有することを特徴とする前記[1]記載のフォト
リフラクティブ材料組成物。 [3] 電子輸送性ポリマーが側鎖にフルオレノン誘導
体を有することを特徴とする前記[1]記載のフォトリ
フラクティブ材料組成物。 以下に本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明における残留電位とは、電子写真に
用いられる感光体の電気特性の1つである残留電位と同
じものである。すなわち、予めある電位に帯電させた感
光体に光を照射する場合を考えると、図1に示すように
光照射の直前にVS であった表面電位は光照射と共に急
激に減衰し、その後比較的緩やかな減衰が起こるが、こ
の緩やかな減衰がはじまるときの表面電位Vr を残留電
位という。本発明の組成物における電子輸送性ポリマー
は、光照射直前の帯電電位VS に対して3%以上、好ま
しくは5%以上、より好ましくは7%以上の残留電位V
r を与えるものである。本発明の組成物における電子輸
送性ポリマーはその中に電子輸送剤を含む。電子輸送剤
は共有結合により主鎖中にもしくは側鎖としてポリマー
に導入することもでき、またポリマー中に分散させるこ
ともできるが、側鎖として共有結合させることが好まし
い。本発明の組成物は約20重量%以上、好ましくは約
50重量%以上の電子輸送剤を含む。また、本発明の組
成物におけるポリマーはホモポリマーでもコポリマーで
もよい。本ポリマーは好ましくは、約5000より大き
な数平均分子量と、使用する波長において100cm-1
以下の光学吸収係数を有する。
【0007】本発明の組成物における電子輸送剤として
使用可能な化合物の代表例を以下に示す。チオキサンテ
ン誘導体、例えば
【化1】 [式中、R1 、R2 はH、アルキル基(エチル基、プロ
ピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ基、アルコキシ基
(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブトキシ基等)等で
あり、R3 はO、C(CN)2 等である]
【0008】フルオレノン誘導体、例えば
【化2】 [式中、R1 、R2 はH、アルキル基(エチル基、プロ
ピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ基、アルコキシ基
(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブトキシ基等)等で
あり、R3 はO、C(CN)2 等である]
【0009】オキサジアゾール誘導体、例えば
【化3】 [式中、R1 、R2 、R3 はH、アルキル基(エチル
基、プロピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ基、アルコ
キシ基(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブトキシ基
等)等である]
【0010】トリアゾール誘導体、例えば
【化4】 [式中、R1 、R2 、R3 はH、アルキル基(エチル
基、プロピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ基、アルコ
キシ基(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブトキシ基
等)等である]
【0011】ベンゾオキサゾール誘導体、例えば
【化5】 [式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はH、アルキル
基(エチル基、プロピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ
基、アルコキシ基(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブ
トキシ基等)等である]
【0012】ベンゾチアゾール誘導体、例えば
【化6】 [式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はH、アルキル
基(エチル基、プロピル基、ter-ブチル基等)、ニトロ
基、アルコキシ基(エトキシ基、プロポキシ基、ter-ブ
トキシ基等)等である]
【0013】本発明の組成物における非線形光学色素は
共有結合により主鎖中にもしくは側鎖としてポリマーに
導入することもでき、またポリマー中に分散させること
もできる。本組成物が永久的な二次の非線形光学応答
(一次の電気光学応答)を必要とされるような用途に使
用される場合には非線形光学色素を主鎖中にもしくは側
鎖として導入することが好ましく、また高速応答性が必
要とされるような用途に使用される場合には非線形光学
色素をポリマー中に分散させることが好ましい。本発明
の組成物は約1重量%以上、好ましくは5〜50重量%
の非線形光学色素を含む。
【0014】本発明の組成物における非線形光学色素と
しては二次の非線形光学性を有するものが使用可能であ
り、これにはD.S.Chemla及びJ.Zyss編の"Nonlinear Opt
icalProperties of Organic Molecules and Crystals"
(Academic Press、1987)に記載されたものなどが
知られている。代表的な化合物の例を以下に示す。
【化7】
【0015】本発明の組成物において、電子輸送剤及び
/または非線形光学色素と共にポリマーを形成する主鎖
の材料は、使用する波長において吸収がなければ特に限
定されるものではなく、ポリアクリレート、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキ
シなどのよく知られた材料が使用可能である。また、共
重合体を形成する場合のコモノマーも、使用する波長に
おいて吸収がなければ特に限定されるものではなく、例
えば上記のポリマーのモノマーなどが使用可能である。
また、本発明の組成物が使用光源波長で十分な電荷発生
が得られないような場合には電荷発生剤を添加してもよ
い。添加する電荷発生剤は、使用する波長において吸収
があれば特に限定されるものではないが、例えばC60
2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノンなどが使用
可能である。これらの電荷発生剤の添加量は好ましくは
3重量%以下である。
【0016】更に、電荷発生を促進させる別の方法とし
て、電子輸送性ポリマーにドナー分子をドープして電荷
移動錯体を形成し、これにより電荷発生を行わせること
も可能である。ドープするドナー分子は使用する波長に
おいて吸収があれば特に限定されるものではなく、例え
ばホール輸送性の分子、トリフェニルアミン、カルバゾ
ール、ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(4−メチルフェニル−[1,1’−ビフェ
ニル]−4,4’−ジアミン(TPD)などが使用可能
である。これらのドナー分子の添加量は好ましくは0〜
約10重量%である。
【0017】本発明の組成物には特に電荷トラップ剤を
添加しなくても電荷のトラップ機能は得られるが、必要
に応じてトラップ剤を添加することによりトラップ機能
を増強することが可能である。本発明の組成物において
は輸送される電荷が電子であることから、トラップ剤と
しては使用する電子輸送剤よりも低い還元電位を有する
分子を添加すればよい。本組成物へトラップ剤を添加す
る場合には0〜約10重量%添加する。
【0018】
【作用】本発明の組成物にある一定の強度パターンをも
った光を照射すると、非線形光学色素あるいは添加され
た電荷発生剤により電荷(ホールと電子)が発生する。
このうち電子は電子輸送剤の間をホッピング伝導し、近
くの光非照射部にある電荷トラップに捕獲され、このこ
とにより電荷の偏りを生じる。このため空間電界が形成
され、一次の電気光学効果(二次の非線形光学効果)に
より光照射パターンに対応した屈折率パターンが形成さ
れる。ここで、本発明の組成物に使用される電子輸送性
ポリマーは3%以上の残留電位を有しているため電荷ト
ラップの密度が高く、電荷が空間的に安定して保持され
る。従って、空間電界が光や温度などの外的因子に対し
て乱されることなく安定化し、メモリ性が向上する。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これにより本発明は何ら限定されるものではな
い。
【0020】[実施例1]チオキサンテン誘導体を側鎖
に有するポリアクリレートの合成 以下の2工程により上記ポリマーを合成した。 (工程1) チオキサンテン誘導体アクリレート型モノマーの合成。 9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−カルボン酸1
0,10−ジオキサイドを30g(104mmol)、
2−ヒドロキシルエチルアクリレートを54.4ml
(520mmol)、テトラヒドロフラン(THF)を
500ml窒素下で仕込み、室温で撹拌させ溶解させ
た。その後、N,N−ジメチルアミノピリジンを1.2
6g(10.4mmol)、N,N’−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドを23.6mg(114mmol)を
加え、室温で24時間撹拌した。反応後、濾過して沈澱
物を除いた後、THFを約200ml留去した。この溶
液を水1000ml中に投入し、これを濾過して白色の
沈澱物を得た。この沈澱物をクロロホルム400mlに
溶解させ、ガム状の物質を除去した後、0.1N塩酸水
溶液250mlで2回、炭酸水素ナトリウム水溶液で2
回洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、クロロホルムを留去した。得られた固体は、TH
F:メタノール=1:2の混合溶媒を用いて再結晶を2
回行うことにより精製し、60℃で24時間真空乾燥さ
せ、下記構造の目的物チオキサンテン誘導体アクリレー
ト型モノマーを白色粉末として4.42g(11.38
mmol)を得た。収率62%。
【化8】
【0021】(工程2) ポリマー化 重合管に工程1で得られたチオキサンテン誘導体モノマ
ー3.0g(7.8mmol)、2,2−アゾビス(イ
ソブチルニトリル)12.8mg(0.078mmo
l)を入れて窒素置換を行った後、N,N−ジメチルフ
ォルムアミド7.8mlを入れて溶封し、60℃で24
時間重合した。開封後、アセトン100ml中に投入し
て再沈澱を行い、濾過によりポリマーを回収した。回収
したポリマーをクロロホルム40mlに溶解させ、これ
をメタノール250ml中に投入し、再沈澱を行った。
これを濾過により回収後、真空乾燥し、下記構造の目的
物を白色粉末として2.6g得た。収率86%。
【化9】 得られたポリマーは数平均分子量が17,900、重量
平均分子量が47,000であり、ガラス転移温度は1
13℃であった。
【0022】[実施例2] フルオレノン誘導体を側鎖に有するポリスチレンの合成 以下の3工程により上記ポリマーを合成した。 (工程1) フルオレノンのジシアノメチレン化。 メタノール300ml、マロノニトリル5.9g(8
9.33mmol)、9−フルオレノン−4−カルボン
酸20.0g(89.20mmol)を窒素下で仕込ん
で室温で撹拌し、ピペリジン0.4mlを滴下した後、
4時間還流させた。反応後、濾過し、沈澱物をメタノー
ル300ml、続いて水300mlで洗浄後、再度メタ
ノール300mlで洗浄した。その後、風乾させ、下記
の構造の目的物を橙色粉末として17.04g(62.
60mmol)得た。収率70%。
【化10】
【0023】(工程2) フルオレノン誘導体スチレン型モノマーの合成 9−ジシアノメチレンフルオレノン−4−カルボン酸
5.0g(18.36mmol)、炭酸水素ナトリウム
3.1g(36.90mmol)、N,N−ジメチルフ
ォルムアミド60ml、クロロメチルスチレン5.6m
l(36.69mmol)を窒素下で仕込み、40℃で
24時間撹拌させた。反応後、反応液を水500ml中
に投入し、クロロホルム350mlで抽出した。これ
を、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、クロロホルムを留
去し、得られた液体を冷凍庫で冷却した。その後、これ
を濾過して得られた固体は、クロロホルム:メタノール
=1:1の混合溶媒を用いて再結晶し、得られた粉末を
60℃で24時間真空乾燥させて下記構造の目的物フル
オレノン誘導体スチレン型モノマーを黄色粉末として
4.42g(11.38mmol)得た。収率62%。
【化11】
【0024】(工程3) ポリマー化 重合管に工程2で得られたフルオレノン誘導体スチレン
型モノマー3.0g(7.7mmol)、2,2−アゾ
ビス(イソブチルニトリル)10.6mg(0.077
mmol)を仕込んで窒素置換した後、THF7.7m
lを入れて溶封し、70℃で48時間重合した。開封
後、アセトン150ml中に投入して再沈澱を行い、濾
過によりポリマーを回収した。回収したポリマーをクロ
ロホルム40mlに溶解させ、これをメタノール250
ml中に投入し、再沈澱を行った。これを濾過により回
収後、真空乾燥し、下記構造の目的物を黄色粉末として
0.3g得た。収率10%。
【化12】 得られたポリマーは数平均分子量が4,000、重量平
均分子量が6,900であった。
【0025】[実施例3]実施例1、2で得られたポリ
マーの残留電位の測定を行った。測定のための試料は以
下のようにして作製した。先ず、アルミニウム基板上に
チタニルフタリシアニン分散溶液をスピンコートした。
この上に、実施例1および2で得られたポリマーの1,
2−ジクロロエタン溶液(ポリマー0.25g/ジクロ
ロエタン1ml)を塗布し、90℃で1時間乾燥させ
た。ポリマー層の厚さは約100μmであった。残留電
位の測定には静電気帯電試験装置EPA−8100(川
口電気製)を使用した。測定は、先ず試料をコロナ放電
により帯電させ、これに白色光を照射した(照度50l
ux)ときの表面電位の低下の様子を観察することによ
り行った。すなわち、光照射時の表面電位は図1のよう
に変化するが、光照射後で緩やかな表面電位の減衰が起
こり始めるときの表面電位の値Vr を残留電位とし、光
照射直前の表面電位(帯電電位とする)の値Vs に対す
る比率、Vr /Vs により残留電位の程度を評価した。
この結果、実施例1のチオキサンテン誘導体については
残留電位は帯電電位の10.3%であった。また、実施
例2で得られたフルオレノン誘導体については残留電位
は帯電電位の8.9%であった。
【0026】[実施例4]実施例1で得られたポリマー
をベースとしたフォトリフラクティブ組成物の二光波混
合法による結合利得係数の測定を行った。測定のための
フォトリフラクティブ素子は以下のようにして作製し
た。先ず、実施例1で得られたチオキサンテン誘導体ポ
リマー70重量部、4−(N,N−ジエチルアミノ−
(β)−ニトロスチレン(DEANST)30重量部を
1,2−ジクロロエタンに溶解(0.25g/ml)さ
せて試料液を作製した。次に、ITO電極上に試料溶液
をキャストし、室温で3時間風乾した後、室温で12時
間真空乾燥を行った。その後、基板を60℃に温め、1
00μmのテフロンスペーサーを挟んで2枚の基板を貼
り合わせ、重りを載せて室温で12時間放置した。この
方法により厚さ100μmの試料が得られた。二光波混
合法による結合利得係数の測定は図2に示す光学系を用
いて行った。
【0027】He−Neレーザーから出射される633
nmのビームはビームスプリッタによって2本に分け
(強度は130mW/cm2 で等しい)、試料内で交差
するようにした(交差角は20゜)。それぞれのビーム
の試料への入射角はビーム1を40゜、ビーム2を60
゜とした。透過ビーム強度の測定にはフォトダイオード
を用いた。ここで、試料へ一定の印加電界をかけ、ビー
ム2(ポンプ光)をONし、一定時間後にOFFしたと
きのビーム1の透過光強度を測定し、続いてビーム1
(プローブ光)をONし、一定時間後にOFFしたとき
のビーム2の透過光強度を測定し、図3に示すような非
対称なエネルギー移動が得られた(図3には両方の測定
結果を重ねて描いてある)。すなわち、図3においてビ
ーム1は、3.5秒の時点でのビーム2のONにより強
度が増大し、この2秒後のビーム2のOFFにより元の
強度に戻った。一方ビーム2は、3.5秒の時点でのビ
ーム1のONにより強度が低下し、この2秒後のビーム
1のOFFにより元の強度に戻った。この測定値を用
い、結合利得係数Γを以下の計算式により求めた。 Γ=(cosθ/d)[ln(γ0 β)−ln(β+1
−γ0 )] β:ビームの強度比 γ0 =P/P0 (P0 :ポンプ光がないときの透過光強
度、 P:ポンプ光があるときの透過光強度) θ:ビームの入射角 d:試料の厚さ この結果、1×107 V/mから6×107 V/mの印
加電界に対して表1に示すような結合利得係数が得られ
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の組成物を用いることにより、書
き込み光を遮断した後も良好なメモリ性を有するポリマ
ー系フォトリフラクティブ材料を得ることができ、光記
録材料、光情報処理素子用の材料などに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光照射時の表面電位の低下から残留電位を評価
する方法の説明図である。
【図2】二光波混合による結合利得係数の測定系の構成
図である。
【図3】本発明の組成物における二光波混合による非対
称なエネルギー移動の測定結果である。
【符号の説明】
1 He−Neレーザー 2 ビームスプリッタ 3 試料 4 ビーム2 5 ビーム1 6 フォトダイオード2 7 フォトダイオード1 8 ミラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子輸送性ポリマーと非線形光学色素を
    含むフォトリフラクティブ材料組成物において、電子輸
    送性ポリマーの残留電位が帯電電位の3%以上であるこ
    とを特徴とするフォトリフラクティブ材料組成物。
  2. 【請求項2】 電子輸送性ポリマーが側鎖にチオキサン
    テン誘導体を有することを特徴とする請求項1記載のフ
    ォトリフラクティブ材料組成物。
  3. 【請求項3】 電子輸送性ポリマーが側鎖にフルオレノ
    ン誘導体を有することを特徴とする請求項1記載のフォ
    トリフラクティブ材料組成物。
JP13346297A 1997-05-23 1997-05-23 フォトリフラクティブ材料組成物 Pending JPH10319453A (ja)

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JP13346297A Pending JPH10319453A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 フォトリフラクティブ材料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100471399B1 (ko) * 2001-03-22 2005-03-07 한국과학기술원 상안정성이 우수한 광굴절 고분자 조성물 및 그 제조 방법

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KR100471399B1 (ko) * 2001-03-22 2005-03-07 한국과학기술원 상안정성이 우수한 광굴절 고분자 조성물 및 그 제조 방법

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