JPH10317262A - 積層材用編布及びこの編布を使用したダイヤフラム - Google Patents

積層材用編布及びこの編布を使用したダイヤフラム

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JPH10317262A
JPH10317262A JP13918197A JP13918197A JPH10317262A JP H10317262 A JPH10317262 A JP H10317262A JP 13918197 A JP13918197 A JP 13918197A JP 13918197 A JP13918197 A JP 13918197A JP H10317262 A JPH10317262 A JP H10317262A
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JP
Japan
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knitted fabric
knitted
wale
loops
diaphragm
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JP13918197A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Nakagome
義正 中込
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TOHO SENI KK
Original Assignee
TOHO SENI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二群の編糸のうちの一方が切断されても他の
編糸に伝線せず、しかも縦横の伸び率が大きく、且つ引
張強度及び伸び率が縦横とも大差ない積層材用編布及び
この編布を用いたダイヤフラムを市場に提供する。 【解決手段】 二重ループを構成する編糸a,bが他の
隣りあう2つの二重ループをそれぞれ構成するようにニ
ットに編成した積層材用編布10及びこの編布10の両
面にゴム層11を形成し、このゴム層11が編布10と
積層一体化したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧を測定又は
検出するセンサー、振動型液圧ポンプ、防水型スイッチ
等に広く採用されているダイヤフラム等、より詳細には
縦横方向の伸び率が略等しく、且つ、伝線し難い編布を
使用したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のダイヤフラムとしては、2
枚のゴム製膜の間に織布若しくは編布をサンドイッチ状
に挟んだものが一般に使用されている。編布を使ったも
のとしては、本出願人の出願にかかる実用新案登録第3
034797が有り、他に特開昭49−93757の如
くメリヤス状の編目を有するシングルデンビ・トリコッ
ト、平編メリヤスを使用したものが開示されている。と
ころが、前記シングルデンビ・トリコット、平編メリヤ
スは織布に比べれば伸縮性は大きいが、縦横の伸率がア
ンバランスで、また編布の一点でも断線すると伝線した
り、縦方向に裂け易い等の点で問題がある。また、前記
トリコット編布は、編成速度が低く、低生産性によるコ
ストアップが避けられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を改善するために、補強布となる編布を特定の
編み方にして、編布の一部が断線した場合でも容易に伝
線したり縦方向に裂けることがなく、かつ縦、横の伸び
率、引張強度が略等しく、しかも生産性の良い積層材用
編布を提供し、及びこの編布を用いたダイヤフラム等の
素材を市場に提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、二群の編糸a及びbによってそれぞれ
ニットに編成されたループがシンカループより先端部分
において二重ループからなり、シンカループの底辺部で
は単一ループからなる編布であって、その一列おきのウ
ェール群Aと他の相隣るウェール群Bを構成するループ
がウェール方向(縦方向)に略一定間隔でずれて編成さ
れてなる編布において、第nコースのウェール群Aの二
重ループ(DA)が編糸(an,bn)によって編成さ
れ、ウェール群Bの二重ループ(DB)が編糸(an+
1,bn)によって編成される編組織又は該編組織と等
価組織の何れか一種からなる積層材用編布とする。
【0005】ここで言う等価組織とは、図1の第nコー
スの二重ルーブ(DA,DB)がそれぞれ編糸(an,
bn)及び(an+1,bn)で表される編組織に対し
て、例えば図2の第nコースの二重ループ(DA,D
B)が(an,bn+1)及び(an,bn)で表され
る組織は、起点の取り方を異にする等価組織であり、又
上記両等価組織の編糸aと編糸bを交換した組織、即ち
上記二重ループ(DA,DB)の編糸が(an,bn)
及び(an,bn+1)乃至(an+1,bn)及び
(an,bn)で表される組織は何れも等価組織であり
(図示せず)、これらの編布は何れも発明として同一で
ある。更に、ウェール群Aとウェール群Bとを交換した
組織(図示せず)の編布も発明として同一である。
【0006】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、25乃至80デニール(30乃至65番手相当)
の天然繊維、化学繊維又はこれらを混合した繊維よりな
る紡績糸、マルチフィラメント糸のうちの少なくとも一
種の編糸によって編成され、JIS L−1018に定
める試験方法(グラブ法)によるコース方向(横方向)
及びウェール方向(縦方向)の伸び率が共に少なくとも
80%であり、破裂強度がJIS L−1018に定め
る試験方法(ミューレン法)により4.0乃至15kg
/cm2であるダイヤフラム用編布とする。
【0007】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、請求項2記載の編布の両面にゴム層が積層一体化
され、総厚が0.5乃至1.5mmとしてあることを特
徴とするダイヤフラムとする。
【0008】また、前記の課題を解決するために、本発
明は、前記両面に形成したゴム層は、編布の編目を通じ
て閂状に接合、編布に直接接合、編布に塗布した接着剤
を介して接合のうちの少なくとも一種の接合構造によっ
て編布と積層一体化されたものであることを特徴とする
ダイヤフラムとすることが好ましい。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、編布は二群の
編糸a及びbでそれぞれニットに編成されているから、
編糸a、bの何れか1本が断線しても他の1本が編布を
保持し、伝線を阻止する作用を為す。しかも、相隣るル
ープが略一定間隔にずれて構成され、1点のループから
出た編糸が相隣る左右のループの前後2つのループを構
成し、それぞれのループを連結するシンカループも斜め
に長く浮き、これによって編布の横方向の伸びが抑えら
れ縦横の伸び率が略等しくなり、かつ編布にかかる力の
バランスを保持する作用を為す。
【0010】請求項2記載の発明にあっては、ダイヤフ
ラム用編布は前記編糸によって編成されているから強度
は充分使用に耐えるものである。また、通常ダイヤフラ
ムの編布にゴム膜を積層した部分の伸び率は一般に20
%乃至50%であり、本発明にかかる編布の伸び率は少
なくとも85%あり、ゴム膜の積層部分の伸縮に充分に
追随して伸縮する作用を為す。
【0011】更に、また、前記の通り、相隣る左右のル
ープを連結するシンカーループが斜めに長く浮き、ルー
プ間の間隙が大きくなり、この間隙を通して表裏のゴム
層を閂状にして編布と容易に接合する作用を為す。
【0012】請求項3記載の発明にあっては、前記ダイ
ヤフラム用編布を使用しているので、ダイヤフラムは圧
力変化に対して敏感に追随する作用を為す。
【0013】請求項4記載の発明にあっては、編布とゴ
ム層は前記の構造で接合しているから、長時間の使用に
よってもこれらが分離することはなく、一方の編糸が破
断しても伝線することがなく耐久性を向上する作用を為
す。
【0014】
【実施例】以下、実施例について図面を参照しながら説
明する。実施例1乃至4は積層材用編布の実施例、実施
例5乃至6はダイヤフラムの実施例である。 実施例1 図1若しくは図2の編組織に示す編糸a及びbには60
番手の綿紡績糸を用い、丸編機で前記編組織に編成し、
これを切開して積層材用編布とした。単位当たり重量は
50g/m2とした。ここで、編糸a、bは、天然繊
維、化学繊維の何れでもよく、紡績糸、マルチフィラメ
ント、モノフィラメントを問わないが、紡績糸、マルチ
フィラメントが好ましい。編糸はa,bそれぞれ同一種
類か又は異種類かの何れであってもよい。
【0015】実施例2 編糸a及びbには40番手の綿紡績糸を用い、実施例1
と同様に編成した。単位当たり重量は85g/m2とし
た。
【0016】実施例3 編糸a及びbには30番手の綿紡績糸を用い、実施例1
と同様に編成した。単位当たり重量は100g/m2
した。
【0017】実施例4 編糸a及びbには75デニールのポリエステルマルチフ
ィラメントを用い、実施例1と同様に編成した。単位当
たり重量は60g/m2とした。
【0018】実施例5 実施例1の編布両端をテンターに挟持して5乃至10%
程伸長し、編目のウェール数が25乃至35、コース数
が38乃至51とした状態で、130゜C1分間ローラ
間で圧着し、熱セットする。次に、この編布の両面に過
酸化物系加硫剤を混合した未加硫のイソプレンゴム(I
R)からなる膜をラミネートし、ローラ間又はローラと
金属ベルト間で圧延し、所定の厚さに調整した後、20
0゜C30分間加熱して加硫し、編布10とゴム層11
を閂状に一体化して図4に示すダイヤフラム1を得る。
【0019】実施例6 実施例3の編布を実施例4の様に巾出し熱セットしたも
のの両面に表1に示すアクリル・メラミン系接着剤を塗
布し、130゜C3分間予備乾燥する。次に、この編布
の両面に予め部分架橋したアクリル二トリルブタジエン
ゴム(NBR)からなる膜をラミネートし、ローラ間又
はローラと金属ベルト間で圧延し、所定の厚さに調整し
た後、200゜C30分間加熱して接着剤を部分架橋
し、編布10とゴム層11を一体化して図3のダイヤフ
ラム1を得る。ゴム層11を形成するゴムは、天然ゴ
ム、合成ゴムを問わないが、イソプレンゴム、アクリル
二トリルブタジエンゴム、シリンゴム等が好ましい。
【0020】
【表1】
【0021】実験例 編糸a,bに60番手、40番手及び30番手の綿紡績
糸を使用した本願請求項1記載の実施例のもの3点をJ
IS L−1018によるグラブ法、及びミューレン法
に基づいて、引張強度、伸び率、破裂強度及び重量を測
定した。
【0022】比較実験として、従来のダイヤフラム等の
素材に通常用いられる60番手トリコット、40番手ト
リコット及び30番手天竺を用いて同様に実験を行っ
た。結果は表2に示す通りであり、従来のトリコットに
比し強度、伸び率において大差はないが、単位面積当た
りの重量が同等乃至20%少なく、天竺に対しては引張
強度が縦横方向とも50%以上も大きく、縦横の伸び率
差が格段に少ない。編糸30番手の実施例のものは、こ
れと重量が同等の40番手トリコットと比較しても、引
張強度が縦横方向とも大きく、破裂強度は40%弱大き
い。
【0023】また、ミューレン法による破裂強度も、編
糸使用量が本件発明の実施例と同等乃至実施例よりも多
いトリコット編に匹敵するものであった。つまり、60
番手の編糸を使用したときの破裂強度は4.5Kg/c
2であり、40番手の編糸を使用したときの破裂強度
は6.1Kg/cm2であり、30番手の編糸を使用し
たときの破裂強度は9.7Kg/cm2であった。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、前記の
編組織で編成されるから編糸a、bの何れか1本が断線
しても他の1本が編布を保持し、伝線を阻止する効果を
奏する。しかも、縦横の伸び率が略等しくなり、かつ編
布にかかる力のバランスを保持し、縦横の引張強度は平
編に比較して強く、重荷重の状態で長期間の繰返し使用
に充分に耐える。
【0026】請求項2記載の発明にあっては、ダイヤフ
ラム用編布は前記編糸によって編成されているから強度
は充分使用に耐えるものであり、ゴム膜の積層部分の伸
縮に充分に追随して伸縮する効果を奏する。
【0027】請求項3記載の発明にあっては、前記ダイ
ヤフラム用編布を使用しているので、ダイヤフラムは圧
力変化に対して敏感に追随し、正確に動作し、センサー
としては精度が良好で、応答性の良い検出ができる効果
を奏する。
【0028】請求項4記載の発明にあっては、編布とゴ
ム層は前記の構造で接合しているから、長時間の使用に
よってもこれらが分離することはなく、従って、過伸長
による破壊、誤作動を起こすおそれもない。糸が破断し
ても伝線することがなく耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明にかかる編布の編組織の一部拡大平面図で
ある。
【図2】発明にかかる編布の等価組織の一部拡大平面図
である。
【図3】実施例6のダイヤフラムの拡大断面図である。
【図4】実施例5のダイヤフラムの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ダイヤフラム 10 編布 11 ゴム層 12 接着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二群の編糸a及びbによってそれぞれニッ
    トに編成されたループがシンカループより先端部分にお
    いて二重ループからなり、シンカループの底辺部では単
    一ループからなる編布であって、その一列おきのウェー
    ル群Aと他の相隣るウェール群Bを構成するループがウ
    ェール方向(縦方向)に略一定間隔でずれて編成されて
    なる編布において、第nコースのウェール群Aの二重ル
    ープ(DA)が編糸(an,bn)によって編成され、
    ウェール群Bの二重ループ(DB)が編糸(an+1,
    bn)によって編成される編組織又は該編組織と等価組
    織の何れか一種からなる積層材用編布。
  2. 【請求項2】請求項1記載の編布は、25乃至80デニ
    ール(30乃至65番手相当)の天然繊維、化学繊維又
    はこれらを混合した繊維よりなる紡績糸、マルチフィラ
    メント糸のうちの少なくとも一種の編糸によって編成さ
    れ、JISL−1018に定める試験方法(グラブ法)
    によるコース方向(横方向)及びウェール方向(縦方
    向)の伸び率が共に少なくとも80%であり、破裂強度
    がJIS L−1018に定める試験方法(ミューレン
    法)により4.0乃至15kg/cm2であるダイヤフ
    ラム用編布。
  3. 【請求項3】請求項2記載の編布の両面にゴム層が積層
    一体化され、総厚が0.5乃至1.5mmとしてあるこ
    とを特徴とするダイヤフラム。
  4. 【請求項4】前記両面に形成したゴム層は、編布の編目
    を通じて閂状に接合、編布に直接接合、編布に塗布した
    接着剤を介して接合のうちの少なくとも一種の接合構造
    によって編布と積層一体化されたものであることを特徴
    とする請求項3記載のダイヤフラム。
JP13918197A 1997-05-15 1997-05-15 積層材用編布及びこの編布を使用したダイヤフラム Pending JPH10317262A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010159509A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Shindo:Kk 高復元性伸縮バンド
CN112638196A (zh) * 2018-08-10 2021-04-09 路易威登马利蒂公司 用于制造行李箱的刚性外壳的方法、行李箱的外壳以及行李箱
JP2021070788A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター プリプレグ、プリプレグの製造方法、成形体、及び成形体の製造方法

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CN112638196A (zh) * 2018-08-10 2021-04-09 路易威登马利蒂公司 用于制造行李箱的刚性外壳的方法、行李箱的外壳以及行李箱
CN112638196B (zh) * 2018-08-10 2023-12-12 路易威登马利蒂公司 用于制造行李箱的刚性外壳的方法、行李箱的外壳以及行李箱
JP2021070788A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター プリプレグ、プリプレグの製造方法、成形体、及び成形体の製造方法

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