JPH10314627A - アーク溶射機用のエア―ノズル - Google Patents
アーク溶射機用のエア―ノズルInfo
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- JPH10314627A JPH10314627A JP9148608A JP14860897A JPH10314627A JP H10314627 A JPH10314627 A JP H10314627A JP 9148608 A JP9148608 A JP 9148608A JP 14860897 A JP14860897 A JP 14860897A JP H10314627 A JPH10314627 A JP H10314627A
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- air
- pair
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- air nozzle
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 平面状のジェットエアー34を、一対のノズ
ル口35,35からV字状に噴出供給するアーク溶射機
用のエアーノズルにおいて、スリット状のノズル口3
5、35を容易にしかも高精度に形成して、溶融金属を
安定した状態で霧化する。 【解決手段】 エアーノズル32を、ノズル本体39と
左右一対の閉止ピース40、40とで構成し、スリット
状のノズル口35、35を、各閉止ピース40、40と
ノズル本体39の接合面間に形成する。接合隙間はろう
材を流し込んだ後固化させて封止する。ノズル口35を
構成する一対の傾斜する平面を、閉止ピース40及びノ
ズル本体39のそれぞれに、外面加工によって切削形成
できるので、加工精度を十分に向上できる。加工も容易
におこなえる。
ル口35,35からV字状に噴出供給するアーク溶射機
用のエアーノズルにおいて、スリット状のノズル口3
5、35を容易にしかも高精度に形成して、溶融金属を
安定した状態で霧化する。 【解決手段】 エアーノズル32を、ノズル本体39と
左右一対の閉止ピース40、40とで構成し、スリット
状のノズル口35、35を、各閉止ピース40、40と
ノズル本体39の接合面間に形成する。接合隙間はろう
材を流し込んだ後固化させて封止する。ノズル口35を
構成する一対の傾斜する平面を、閉止ピース40及びノ
ズル本体39のそれぞれに、外面加工によって切削形成
できるので、加工精度を十分に向上できる。加工も容易
におこなえる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶線式のアーク
溶射機に適用されるエア―ノズルに関する。
溶射機に適用されるエア―ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、アトマイジング用のジェッ
トエアーの供給形態に特徴を有するクロスジェット方式
のアーク溶射機を、先に提案している(特開平4−27
461号公報、特開平4−16260号公報等)。そこ
では、V字状に配置した上下一対のガイドで溶線をアー
ク点へ向って送り込み案内し、アーク熱によって溶線を
溶融させる。溶融した溶射金属を霧化して母材表面に吹
き付けるために、ケ―スの前面にエア―ノズルを設けて
いる。エア―ノズルは、左右一対のジェットエアーを溶
線の左右側面に沿ってV字状に噴出供給し、くさび形の
アークチャンバーを形成する。ジェットエアーの噴出中
心軸は、アーク点より前方の溶射中心軸上で収束するよ
う指向してある。
トエアーの供給形態に特徴を有するクロスジェット方式
のアーク溶射機を、先に提案している(特開平4−27
461号公報、特開平4−16260号公報等)。そこ
では、V字状に配置した上下一対のガイドで溶線をアー
ク点へ向って送り込み案内し、アーク熱によって溶線を
溶融させる。溶融した溶射金属を霧化して母材表面に吹
き付けるために、ケ―スの前面にエア―ノズルを設けて
いる。エア―ノズルは、左右一対のジェットエアーを溶
線の左右側面に沿ってV字状に噴出供給し、くさび形の
アークチャンバーを形成する。ジェットエアーの噴出中
心軸は、アーク点より前方の溶射中心軸上で収束するよ
う指向してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】クロスジェット方式の
溶射機は、ジェットエアーを円錐状に送給する従来方式
の溶射機に比らべて、低温溶射が可能で、溶射機の小形
化やエア―消費量の削減を同時に実現できる等の特長を
有する。問題は、一対のジェットエアーの収束部と溶線
のア―ク点とが極めて近接した位置にあるため、ジェッ
トエアーとア―ク点の相対位置の僅かなばらつきや、ジ
ェットエアーの噴出形状のばらつき等によって、霧化状
態にばらつきを生じやすく、最悪の場合には頻繁にア―
ク中断を生じるなど、良質の溶射被膜を安定して形成で
きる溶射条件の許容幅が、狭い範囲内に限られているこ
とにある。
溶射機は、ジェットエアーを円錐状に送給する従来方式
の溶射機に比らべて、低温溶射が可能で、溶射機の小形
化やエア―消費量の削減を同時に実現できる等の特長を
有する。問題は、一対のジェットエアーの収束部と溶線
のア―ク点とが極めて近接した位置にあるため、ジェッ
トエアーとア―ク点の相対位置の僅かなばらつきや、ジ
ェットエアーの噴出形状のばらつき等によって、霧化状
態にばらつきを生じやすく、最悪の場合には頻繁にア―
ク中断を生じるなど、良質の溶射被膜を安定して形成で
きる溶射条件の許容幅が、狭い範囲内に限られているこ
とにある。
【0004】上記のような霧化状態のばらつきを避ける
には、エア―ノズル、とくにノズル口を正確に形成し
て、ジェットエアーを適正に噴射供給する必要がある。
しかし、所定の角度だけ傾斜し、しかも幅寸法が1mm
前後しかない幅狭のノズル口を正確に形成するのは容易
ではなく、とくに、ジェットエアーの指向力を増強する
ために、ノズル口の前後長さを大きく設定する場合に、
その切削加工が困難を極める。本発明者は、試行錯誤を
経ながら繰り返えし試作を行った結果、十分に満足でき
る精度を備えたエアーノズルの製作に成功し、本発明を
提案するに至った。
には、エア―ノズル、とくにノズル口を正確に形成し
て、ジェットエアーを適正に噴射供給する必要がある。
しかし、所定の角度だけ傾斜し、しかも幅寸法が1mm
前後しかない幅狭のノズル口を正確に形成するのは容易
ではなく、とくに、ジェットエアーの指向力を増強する
ために、ノズル口の前後長さを大きく設定する場合に、
その切削加工が困難を極める。本発明者は、試行錯誤を
経ながら繰り返えし試作を行った結果、十分に満足でき
る精度を備えたエアーノズルの製作に成功し、本発明を
提案するに至った。
【0005】この発明の目的は、ノズル口の形状および
構造を高精度に形成でき、従って左右一対のジェットエ
アーを溶射中心軸上へ正確に噴出供給できる、アーク溶
射機用のエアーノズルを提供することにある。この発明
の他の目的は、所定角度で傾斜するスリット状のノズル
口を、容易にしかも高精度で形成でき、クロスジェット
方式のエア―供給を行うエアーノズルをより安価に提供
することにある。
構造を高精度に形成でき、従って左右一対のジェットエ
アーを溶射中心軸上へ正確に噴出供給できる、アーク溶
射機用のエアーノズルを提供することにある。この発明
の他の目的は、所定角度で傾斜するスリット状のノズル
口を、容易にしかも高精度で形成でき、クロスジェット
方式のエア―供給を行うエアーノズルをより安価に提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のエア―ノズル
は、ケース1の前面に装着されて、アーク点Pより前方
の溶射中心軸上へ向って左右一対のジェットエア―34
を噴出供給する。エア―ノズル32は、左右中央に上下
一対のガイド23と交差する溝33を有し、溝33の前
端左右側縁に沿って、平面状のジェットエア―34を噴
き出す左右一対のノズル口35,35がスリット状に開
口してある。エア―ノズル32は、ノズル本体39と、
ノズル本体39に嵌め込み固定した閉止ピ―ス40とを
含んで構成する。以って、ノズル本体39と閉止ピ―ス
40の接合面間に、内面がアーク点Pより前方の溶射中
心軸H上へ向って傾斜した一対のノズル口35、35を
形成する。
は、ケース1の前面に装着されて、アーク点Pより前方
の溶射中心軸上へ向って左右一対のジェットエア―34
を噴出供給する。エア―ノズル32は、左右中央に上下
一対のガイド23と交差する溝33を有し、溝33の前
端左右側縁に沿って、平面状のジェットエア―34を噴
き出す左右一対のノズル口35,35がスリット状に開
口してある。エア―ノズル32は、ノズル本体39と、
ノズル本体39に嵌め込み固定した閉止ピ―ス40とを
含んで構成する。以って、ノズル本体39と閉止ピ―ス
40の接合面間に、内面がアーク点Pより前方の溶射中
心軸H上へ向って傾斜した一対のノズル口35、35を
形成する。
【0007】具体的には、エア―ノズル32を、左右一
対の閉止ピ―ス40、40とノズル本体39とを含んで
構成する。両ノズル口35、35の一方の惻壁35a、
35aはノズル本体39に形成し、他方の側壁35b、
35bは左右の閉止ピ―ス40、40に形成する。エア
―ノズル32の内部に、圧縮空気を左右のノズル口3
5、35へ向って送給案内する縦通路44、44を形成
し、縦通路44、44の一部をノズル本体39と閉止ピ
―ス40との間に形成する。ノズル本体39と閉止ピ―
ス40との接合隙間は、両者39、40間に流し込んだ
ろう材で気密状に封止する。
対の閉止ピ―ス40、40とノズル本体39とを含んで
構成する。両ノズル口35、35の一方の惻壁35a、
35aはノズル本体39に形成し、他方の側壁35b、
35bは左右の閉止ピ―ス40、40に形成する。エア
―ノズル32の内部に、圧縮空気を左右のノズル口3
5、35へ向って送給案内する縦通路44、44を形成
し、縦通路44、44の一部をノズル本体39と閉止ピ
―ス40との間に形成する。ノズル本体39と閉止ピ―
ス40との接合隙間は、両者39、40間に流し込んだ
ろう材で気密状に封止する。
【0008】
【作用】エアーノズル32をノズル本体39と、これと
は別に形成した閉止ピ−ス40とで構成し、両者39,
40の接合面間に、ノズル口35を構成するための壁面
を個別に形成するので、ノズル口35を切削加工によっ
て容易にしかも正確に形成できる。エアーノズル32を
ノズル本体39と、左右一対の閉止ピ−ス40,40と
で構成する場合には、ノズル本体39および閉止ピ−ス
40、40に対する壁面の加工を、外面加工のみで行え
るので、切削加工をさらに容易化できる。ノズル本体3
9と閉止ピ−ス40との接合隙間をろう材で封止したエ
アーノズルは、接着剤を用いて接合隙間を封止する場合
に比らべて、耐熱性や接合強度を向上できる。
は別に形成した閉止ピ−ス40とで構成し、両者39,
40の接合面間に、ノズル口35を構成するための壁面
を個別に形成するので、ノズル口35を切削加工によっ
て容易にしかも正確に形成できる。エアーノズル32を
ノズル本体39と、左右一対の閉止ピ−ス40,40と
で構成する場合には、ノズル本体39および閉止ピ−ス
40、40に対する壁面の加工を、外面加工のみで行え
るので、切削加工をさらに容易化できる。ノズル本体3
9と閉止ピ−ス40との接合隙間をろう材で封止したエ
アーノズルは、接着剤を用いて接合隙間を封止する場合
に比らべて、耐熱性や接合強度を向上できる。
【0009】
【実施例】図1ないし図6は、この発明に係るアーク溶
射機の実施例を示す。図2において、アーク溶射機は、
丸線状の上下一対の溶線Wを用いてアーク溶射を行う。
溶線Wは、角箱状のケース1内へ導入され、ケース1内
の送り機構でケース前方へと強制的に送り出される。
射機の実施例を示す。図2において、アーク溶射機は、
丸線状の上下一対の溶線Wを用いてアーク溶射を行う。
溶線Wは、角箱状のケース1内へ導入され、ケース1内
の送り機構でケース前方へと強制的に送り出される。
【0010】図3において、ケース1は一側面が開口す
るアルミニウム製のケース本体2と、ケース本体2の前
後に固定した絶縁ブロック3、4と、前記開口を揺動開
閉する蓋5と、前側の絶縁ブロック3の前面を覆うブラ
ケット6などで構成する。蓋5は一端内面がヒンジ7で
支持されており、他端外面に設けた掛止片8を、レバー
リンク式の掛金9で掛止固定することにより、閉じ状態
が維持される。ブラケット6は上下一対のねじ10を緩
めることにより、絶縁ブロック3から取り外すことがで
きる。
るアルミニウム製のケース本体2と、ケース本体2の前
後に固定した絶縁ブロック3、4と、前記開口を揺動開
閉する蓋5と、前側の絶縁ブロック3の前面を覆うブラ
ケット6などで構成する。蓋5は一端内面がヒンジ7で
支持されており、他端外面に設けた掛止片8を、レバー
リンク式の掛金9で掛止固定することにより、閉じ状態
が維持される。ブラケット6は上下一対のねじ10を緩
めることにより、絶縁ブロック3から取り外すことがで
きる。
【0011】送り機構は前後の絶縁ブロック3、4間に
設けてあり、図2に示すようにケース本体2の上下壁で
ベアリング12を介して軸支したローラ軸13と、ロー
ラ軸13に固定した上下一対の駆動ローラ14と、溶線
Wを駆動ローラ14に押し付ける上下一対の押えローラ
15(図3参照)と、ローラ軸13を回転駆動するギヤ
ードモータ16などで構成する。押えローラ15は、蓋
5の内面に取り付けたばね腕17で、軸18を介して遊
転自在に支持してある。ばね腕17は、押えローラ15
を押し付け付勢し、同時に蓋5を開き付勢する。モータ
16はグリップ19内に収められており、後側の絶縁ブ
ロック4に設けたトッグルスイッチをオン操作すると起
動できる。
設けてあり、図2に示すようにケース本体2の上下壁で
ベアリング12を介して軸支したローラ軸13と、ロー
ラ軸13に固定した上下一対の駆動ローラ14と、溶線
Wを駆動ローラ14に押し付ける上下一対の押えローラ
15(図3参照)と、ローラ軸13を回転駆動するギヤ
ードモータ16などで構成する。押えローラ15は、蓋
5の内面に取り付けたばね腕17で、軸18を介して遊
転自在に支持してある。ばね腕17は、押えローラ15
を押し付け付勢し、同時に蓋5を開き付勢する。モータ
16はグリップ19内に収められており、後側の絶縁ブ
ロック4に設けたトッグルスイッチをオン操作すると起
動できる。
【0012】溶線Wを導入案内するために、後側の絶縁
ブロック4に上下一対のガイド管22を固定している。
さらに、駆動ローラ14から送り出された溶線Wを、ア
ーク点Pへ向って移行案内するために、前側の絶縁ブロ
ック3の前後に、ガイド23と変向ガイド管24の上下
対をV字状に設けている。ガイド23および変向ガイド
管24は、それぞれ絶縁ブロック3に埋め込まれた給電
端子25にねじ込み装着する。溶線Wは、変向ガイド管
24およびガイド23を通過する間に、内壁面と接触し
てアーク電流が印加される。
ブロック4に上下一対のガイド管22を固定している。
さらに、駆動ローラ14から送り出された溶線Wを、ア
ーク点Pへ向って移行案内するために、前側の絶縁ブロ
ック3の前後に、ガイド23と変向ガイド管24の上下
対をV字状に設けている。ガイド23および変向ガイド
管24は、それぞれ絶縁ブロック3に埋め込まれた給電
端子25にねじ込み装着する。溶線Wは、変向ガイド管
24およびガイド23を通過する間に、内壁面と接触し
てアーク電流が印加される。
【0013】図4において、ガイド23は給電端子25
に接続される取付部26と、取付部26からアーク点P
へ向って突設される軸部27とを一体に形成したステン
レス鋼や銅合金等の旋削加工品からなり、その中心軸に
沿って、溶線Wを移行案内するためのガイド穴28を縦
通する。詳しくは、ねじ軸29と、ねじ込み操作用の断
面六角形の締結部30とで取付部26を形成し、ねじ軸
29を給電端子25にねじ込み固定する。安定したアー
ク状態を得るために、軸部27の全体を小径化し、その
突端をアーク点Pにできるだけ接近して配置することに
より、溶線Wのふらつきを防止した。
に接続される取付部26と、取付部26からアーク点P
へ向って突設される軸部27とを一体に形成したステン
レス鋼や銅合金等の旋削加工品からなり、その中心軸に
沿って、溶線Wを移行案内するためのガイド穴28を縦
通する。詳しくは、ねじ軸29と、ねじ込み操作用の断
面六角形の締結部30とで取付部26を形成し、ねじ軸
29を給電端子25にねじ込み固定する。安定したアー
ク状態を得るために、軸部27の全体を小径化し、その
突端をアーク点Pにできるだけ接近して配置することに
より、溶線Wのふらつきを防止した。
【0014】ブラケット6の前面に、アトマイジング用
の圧縮空気を噴き出すエア−ノズル32を設ける。エア
−ノズル32は縦長の直方体状に形成してあり、図1及
び図5に示すようにその中央に上記のガイド23と交差
する溝33を前後貫通状に通設し、溝33の前端左右縁
に沿って、平面状のジェットエアー34を噴き出す一対
のノズル口35をスリット状に開口してある。圧縮空気
は、ノズル32の下端面に設けたホース継手36を介し
て、ノズル内へ導入される。
の圧縮空気を噴き出すエア−ノズル32を設ける。エア
−ノズル32は縦長の直方体状に形成してあり、図1及
び図5に示すようにその中央に上記のガイド23と交差
する溝33を前後貫通状に通設し、溝33の前端左右縁
に沿って、平面状のジェットエアー34を噴き出す一対
のノズル口35をスリット状に開口してある。圧縮空気
は、ノズル32の下端面に設けたホース継手36を介し
て、ノズル内へ導入される。
【0015】図6に示すように、ノズル口35は溶射中
心軸Hを挟む左右対称位置に開口されて、両ジェットエ
アー34の噴出中心軸Rが、アーク点Pより前方の溶射
中心軸H上で交差するように指向される。これにより、
両ジェットエアー34はアーク点Pから離れた前方位置
で収束して集合気流を形成し、集合するまでの間にくさ
び形のアークチェンバー37を形成する。このアークチ
ェンバー37内にガイド23の突端を位置させ、アーク
点Pをジェットエアー34の収束部よりも手前側に位置
させている。
心軸Hを挟む左右対称位置に開口されて、両ジェットエ
アー34の噴出中心軸Rが、アーク点Pより前方の溶射
中心軸H上で交差するように指向される。これにより、
両ジェットエアー34はアーク点Pから離れた前方位置
で収束して集合気流を形成し、集合するまでの間にくさ
び形のアークチェンバー37を形成する。このアークチ
ェンバー37内にガイド23の突端を位置させ、アーク
点Pをジェットエアー34の収束部よりも手前側に位置
させている。
【0016】上記のように、幅狭で溶射中心軸Hへ向っ
て傾斜する左右のノズル口35を、正確にしかも容易に
形成するために、エアーノズル32を図1に示すよう
に、ノズル本体39と、左右一対の閉止ピ−ス40、4
0と、ホ−ス継手36が一体化された底蓋41とで構成
し、ノズル本体39と両閉止ピ−ス40,40の接合面
間に、ノズル口35を切削加工によって形成する。
て傾斜する左右のノズル口35を、正確にしかも容易に
形成するために、エアーノズル32を図1に示すよう
に、ノズル本体39と、左右一対の閉止ピ−ス40、4
0と、ホ−ス継手36が一体化された底蓋41とで構成
し、ノズル本体39と両閉止ピ−ス40,40の接合面
間に、ノズル口35を切削加工によって形成する。
【0017】ノズル本体39は、銅、銅合金、アルミニ
ウム、ステンレス鋼材、あるいは鋼材等の金属ブロック
を素材にして、その中央部に溝33を通設し、ブロック
底部に長円状のチャンバ−43を切削形成する。さらに
左右一対の縦通路44、44を、チャンバ−43と連通
する状態で、ブロック後偶寄りに下面側から切削形成
し、チャンバ−43の前縁左右中央に、溝33と連通す
るクリ−ニング通路47を形成する。金属ブロックの左
右側面の上下中途部に、金属ブロックを前後に横切る装
填溝45を切削形成しその溝底に所定の角度で傾斜する
浅いコ字溝をエンドミルで切削形成して、ノズル口35
の内側壁(側壁)35aと上下壁とを形成する。内側壁
35aと上下壁とは、それぞれ先の縦通路44に連続し
ており、装填溝45より僅かに小さな上下寸法で形成す
る。これにより、上下壁と装填溝45との間に、閉止ピ
−ス40を受け止める段部46が形成される。
ウム、ステンレス鋼材、あるいは鋼材等の金属ブロック
を素材にして、その中央部に溝33を通設し、ブロック
底部に長円状のチャンバ−43を切削形成する。さらに
左右一対の縦通路44、44を、チャンバ−43と連通
する状態で、ブロック後偶寄りに下面側から切削形成
し、チャンバ−43の前縁左右中央に、溝33と連通す
るクリ−ニング通路47を形成する。金属ブロックの左
右側面の上下中途部に、金属ブロックを前後に横切る装
填溝45を切削形成しその溝底に所定の角度で傾斜する
浅いコ字溝をエンドミルで切削形成して、ノズル口35
の内側壁(側壁)35aと上下壁とを形成する。内側壁
35aと上下壁とは、それぞれ先の縦通路44に連続し
ており、装填溝45より僅かに小さな上下寸法で形成す
る。これにより、上下壁と装填溝45との間に、閉止ピ
−ス40を受け止める段部46が形成される。
【0018】閉止ピ−ス40は、ノズル本体39と同じ
材質の断面台形状の金属ブロックからなり、その断面形
状を段部46より外側方の装填溝45の断面形状と一致
させて、上記の内側壁35aと平行な外側壁(側壁)3
5bを斜辺部に切削形成する。さらに、斜辺部に縦通路
44の一部を形成する部分円弧状の凹部48を切削形成
する。
材質の断面台形状の金属ブロックからなり、その断面形
状を段部46より外側方の装填溝45の断面形状と一致
させて、上記の内側壁35aと平行な外側壁(側壁)3
5bを斜辺部に切削形成する。さらに、斜辺部に縦通路
44の一部を形成する部分円弧状の凹部48を切削形成
する。
【0019】左右一対の閉止ピ−ス40をノズル本体3
9の装填溝45にそれぞれ嵌め込み装着した後、両者3
9、40を所定温度に加熱し、両者39、40の接合隙
間に溶融したろう材を流し込むことにより、閉止ピ−ス
40をノズル本体39に対して固定でき、同時に両者3
9、40の間の隙間をろう材で気密状に封止固定でき
る。同様にして、底蓋41をノズル本体39にろう材で
接合し、接合面を気密状に封止固定した後、外表面を研
磨仕上げすることにより、エアーノズル32を完成でき
る。図4に示すように、エアーノズル32は、ブラケッ
ト6の全面に配置し、ビス49で締結固定する。
9の装填溝45にそれぞれ嵌め込み装着した後、両者3
9、40を所定温度に加熱し、両者39、40の接合隙
間に溶融したろう材を流し込むことにより、閉止ピ−ス
40をノズル本体39に対して固定でき、同時に両者3
9、40の間の隙間をろう材で気密状に封止固定でき
る。同様にして、底蓋41をノズル本体39にろう材で
接合し、接合面を気密状に封止固定した後、外表面を研
磨仕上げすることにより、エアーノズル32を完成でき
る。図4に示すように、エアーノズル32は、ブラケッ
ト6の全面に配置し、ビス49で締結固定する。
【0020】以上のように構成したエアーノズル32に
よれば、ノズル口35を構成する内側壁35aおよび外
側壁35bのそれぞれを、エンドミル等の外面加工によ
って正確に切削加工できるので、ノズル口35の形状、
および構造を精度良く形成して、ジェットエア−34を
正確に噴出供給できる。なお、クリ−ニング通路47
は、ア―ク点Pからガイド23の側へ飛散する溶滴かす
が、軸部27の先端に付着し堆積するのを防ぐために設
けてある。
よれば、ノズル口35を構成する内側壁35aおよび外
側壁35bのそれぞれを、エンドミル等の外面加工によ
って正確に切削加工できるので、ノズル口35の形状、
および構造を精度良く形成して、ジェットエア−34を
正確に噴出供給できる。なお、クリ−ニング通路47
は、ア―ク点Pからガイド23の側へ飛散する溶滴かす
が、軸部27の先端に付着し堆積するのを防ぐために設
けてある。
【0021】
【別実施例】ノズル本体39と閉止ピ−ス40の分割形
態は、上記の実施例に限られない。例えば図7(a)に
示すように、閉止ピ−ス40の前後寸法をノズル本体3
9の前後寸法より小さく設定して、閉止ピ−ス40の後
隅に四分円状の凹部48が形成されるように分割でき
る。さらに、図7(b)に示すように、分割線がノズル
本体39の溝33の側へ回り込むように分割できる。
態は、上記の実施例に限られない。例えば図7(a)に
示すように、閉止ピ−ス40の前後寸法をノズル本体3
9の前後寸法より小さく設定して、閉止ピ−ス40の後
隅に四分円状の凹部48が形成されるように分割でき
る。さらに、図7(b)に示すように、分割線がノズル
本体39の溝33の側へ回り込むように分割できる。
【0022】図8に示す実施例では、ノズル本体39
と、その後面側から嵌め込まれる1個の閉止ピ−ス40
とでエア−ノズル32を構成した。この場合には、閉止
ピ−ス40の左右中央に、ガイド23用の溝33の大
半、あるいは全部を形成する。閉止ピ−ス40は、ノズ
ル本体39の後面側から組み付けるので、上記の各実施
例とは逆に、各ノズル口35の内側壁35aを閉止ピ−
ス40の側に形成し、外側壁35bをノズル本体39の
側に形成する。
と、その後面側から嵌め込まれる1個の閉止ピ−ス40
とでエア−ノズル32を構成した。この場合には、閉止
ピ−ス40の左右中央に、ガイド23用の溝33の大
半、あるいは全部を形成する。閉止ピ−ス40は、ノズ
ル本体39の後面側から組み付けるので、上記の各実施
例とは逆に、各ノズル口35の内側壁35aを閉止ピ−
ス40の側に形成し、外側壁35bをノズル本体39の
側に形成する。
【0023】上記以外に、縦通路44に代わるグルーブ
を左右一対の閉止ピ−ス40とノズル本体39の間に形
成しておき、各閉止ピ−ス40にエアー通路を接続し
て、グルーブへ圧縮空気を供給できる。閉止ピ−ス40
とノズル本体39とは、ろう材以外に接着剤を用いて接
合固定でき、例えば、熱硬化性の接着剤で接合固定でき
る。必要があれば、閉止ピ−ス40をビス等でノズル本
体39に締結固定したうえで、両者間の接合隙間をろう
材や接着剤で封止できる。
を左右一対の閉止ピ−ス40とノズル本体39の間に形
成しておき、各閉止ピ−ス40にエアー通路を接続し
て、グルーブへ圧縮空気を供給できる。閉止ピ−ス40
とノズル本体39とは、ろう材以外に接着剤を用いて接
合固定でき、例えば、熱硬化性の接着剤で接合固定でき
る。必要があれば、閉止ピ−ス40をビス等でノズル本
体39に締結固定したうえで、両者間の接合隙間をろう
材や接着剤で封止できる。
【0024】
【発明の効果】この発明では、エアーノズル32をノズ
ル本体39と閉止ピ−ス40とで構成し、両者39,4
0の接合面間に左右一対のノズル口35を分割形成する
ようにした。従って、ノズル口35が幅狭で所定角度だ
け傾斜しているにも拘らず、ノズル口35を構成するた
めの壁面を、ノズル本体39および閉止ピ−ス40に対
して、切削加工によって正確にしかも容易に形成でき
る。これにより、左右一対のジェットエアー34を溶射
中心軸H上の目標位置へ向って正確に噴出供給し、溶射
金属の霧化状態でのばらつきを解消して、良質の溶射被
膜を安定して形成できる。ノズル口35を穴加工によっ
て形成する場合に比らべて、容易にしかもより高い精度
でノズル口35を形成でき、とくにノズル口35の前後
寸法が大きく設定してある場合であっても、エアーノズ
ル32を安価に製作できる。ノズル本体39と左右一対
の閉止ピ−ス40、40とで構成したエアーノズル32
では、ノズル口35を構成する各壁面の形成をエレドミ
ル等の外面加工によって行えるので、ノズル口35をさ
らに容易に形成でき、加工精度も容易に向上できる。
ル本体39と閉止ピ−ス40とで構成し、両者39,4
0の接合面間に左右一対のノズル口35を分割形成する
ようにした。従って、ノズル口35が幅狭で所定角度だ
け傾斜しているにも拘らず、ノズル口35を構成するた
めの壁面を、ノズル本体39および閉止ピ−ス40に対
して、切削加工によって正確にしかも容易に形成でき
る。これにより、左右一対のジェットエアー34を溶射
中心軸H上の目標位置へ向って正確に噴出供給し、溶射
金属の霧化状態でのばらつきを解消して、良質の溶射被
膜を安定して形成できる。ノズル口35を穴加工によっ
て形成する場合に比らべて、容易にしかもより高い精度
でノズル口35を形成でき、とくにノズル口35の前後
寸法が大きく設定してある場合であっても、エアーノズ
ル32を安価に製作できる。ノズル本体39と左右一対
の閉止ピ−ス40、40とで構成したエアーノズル32
では、ノズル口35を構成する各壁面の形成をエレドミ
ル等の外面加工によって行えるので、ノズル口35をさ
らに容易に形成でき、加工精度も容易に向上できる。
【図1】エアーノズルの分解斜視図である。
【図2】アーク溶射機の側面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】エアーノズルの縦断側面図である。
【図5】エアーノズルの正面図である。
【図6】エアーノズルの横断平面図である。
【図7】ノズル本体と閉止ピ−スの分割形態の別実施例
を示す横断平面図である。
を示す横断平面図である。
【図8】ノズル本体と閉止ピ−スのさらに更の分割形態
を示す横断平面図である。
を示す横断平面図である。
1……ケース、23……ガイド、32……エアーノズ
ル、33……溝、34……ジェットエアー、35……ノ
ズル口、39……ノズル本体、40……閉止ピ−ス、P
……アーク点、H……溶射中心軸、35a……内側壁、
35b……外側壁
ル、33……溝、34……ジェットエアー、35……ノ
ズル口、39……ノズル本体、40……閉止ピ−ス、P
……アーク点、H……溶射中心軸、35a……内側壁、
35b……外側壁
Claims (4)
- 【請求項1】 ケース1の前面に装着されて、アーク点
Pより前方の溶射中心軸H上へ向って左右一対のジェッ
トエア―34を噴出供給するエア―ノズルであって、 エア―ノズル32は、左右中央に上下一対のガイド23
と交差する溝33を有し、溝33の前端左右側縁に沿っ
て、平面状のジェットエア―34を噴き出す左右一対の
ノズル口35,35がスリット状に開口されており、 エア―ノズル32が、ノズル本体39と、ノズル本体3
9に嵌め込み固定した閉止ピ―ス40とを含んで構成さ
れており、 ノズル本体39と閉止ピ―ス40の接合面間に、内面が
アーク点Pより前方の溶射中心軸H上へ向って傾斜した
一対のノズル口35、35が形成してあるアーク溶射機
用のエア―ノズル。 - 【請求項2】 エア―ノズル32が、左右一対の閉止ピ
―ス40、40とノズル本体39とを含んで構成されて
おり、両ノズル口35、35の一方の側壁35a、35
aがノズル本体39に形成され、他方の側壁35b、3
5bが左右の閉止ピ―ス40、40に形成してある請求
項1記載のアーク溶射機用のエア―ノズル。 - 【請求項3】 エア―ノズル32の内部に、圧縮空気を
左右のノズル口35、35へ向って送給案内する縦通路
44、44が形成されており、縦通路44、44の一部
がノズル本体39と閉止ピ―ス40との間に形成してあ
る請求項1または2記載のアーク溶射機用のエア―ノズ
ル。 - 【請求項4】 ノズル本体39と閉止ピ―ス40との接
合隙間が、両者39、40間に流し込んだろう材で気密
状に封止してある請求項1、2または3記載のアーク溶
射機用のエア―ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9148608A JPH10314627A (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | アーク溶射機用のエア―ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9148608A JPH10314627A (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | アーク溶射機用のエア―ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10314627A true JPH10314627A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15456589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9148608A Pending JPH10314627A (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | アーク溶射機用のエア―ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10314627A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016137440A (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 株式会社ダイヘン | 溶射ガンおよびこれを備えた溶射装置 |
JP2016137439A (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 株式会社ダイヘン | 溶射ガンおよびこれを備えた溶射装置 |
-
1997
- 1997-05-21 JP JP9148608A patent/JPH10314627A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016137440A (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 株式会社ダイヘン | 溶射ガンおよびこれを備えた溶射装置 |
JP2016137439A (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 株式会社ダイヘン | 溶射ガンおよびこれを備えた溶射装置 |
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