JPH10314354A - 自転車用金属チューブを製造する方法 - Google Patents
自転車用金属チューブを製造する方法Info
- Publication number
- JPH10314354A JPH10314354A JP10113109A JP11310998A JPH10314354A JP H10314354 A JPH10314354 A JP H10314354A JP 10113109 A JP10113109 A JP 10113109A JP 11310998 A JP11310998 A JP 11310998A JP H10314354 A JPH10314354 A JP H10314354A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- sleeve
- metal tube
- bicycle
- core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Motorcycle And Bicycle Frame (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 自転車のポストを長くしてフレームを
小さくし、乗心地を向上させることのできるオフロード
自転車あるいは全地形自転車用のシート・ポストに使用
する、内面に少なくとも1つの炭素繊維層を有する内面
補強金属チューブ構造を提供する。 【解決手段】 第1の熱膨張係数を有する金属チュー
ブを形成し、前記第1の熱膨張係数より小さい第2の熱
膨張係数を有する未硬化複合芯を前記金属チューブに挿
入し、前記芯を硬化させその芯を前記金属チューブに接
着させるのに充分な熱と圧力の下で、前記芯を金属チュ
ーブの内側に係合するように膨張させる。
小さくし、乗心地を向上させることのできるオフロード
自転車あるいは全地形自転車用のシート・ポストに使用
する、内面に少なくとも1つの炭素繊維層を有する内面
補強金属チューブ構造を提供する。 【解決手段】 第1の熱膨張係数を有する金属チュー
ブを形成し、前記第1の熱膨張係数より小さい第2の熱
膨張係数を有する未硬化複合芯を前記金属チューブに挿
入し、前記芯を硬化させその芯を前記金属チューブに接
着させるのに充分な熱と圧力の下で、前記芯を金属チュ
ーブの内側に係合するように膨張させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強した金属製チ
ューブに関し、更に具体的に説明すると自転車のシート
・ポストのような補強した金属製チューブに関するもの
である。本発明は、高強度で軽量のチューブを必要とす
るような、管状構造が保護金属外層と強度増大用の繊維
複合下層とからなる用途に広範囲にわたって応用でき
る。このような構造が特に有用となる例としては、自転
車のフレームやシート・ポストの他に、セイルボート、
ウィンド・サーフィン用のマストやブーム、ホッケイ・
スティック、野球バット等、多くのスポーツ用途があ
る。中でも格別に有用な用途として挙げられるのは、ポ
ストを長くしてフレームを小さくし、乗り心地を向上さ
せることのできるオフロード自転車あるいは全地形自転
車用のシート・ポストである。
ューブに関し、更に具体的に説明すると自転車のシート
・ポストのような補強した金属製チューブに関するもの
である。本発明は、高強度で軽量のチューブを必要とす
るような、管状構造が保護金属外層と強度増大用の繊維
複合下層とからなる用途に広範囲にわたって応用でき
る。このような構造が特に有用となる例としては、自転
車のフレームやシート・ポストの他に、セイルボート、
ウィンド・サーフィン用のマストやブーム、ホッケイ・
スティック、野球バット等、多くのスポーツ用途があ
る。中でも格別に有用な用途として挙げられるのは、ポ
ストを長くしてフレームを小さくし、乗り心地を向上さ
せることのできるオフロード自転車あるいは全地形自転
車用のシート・ポストである。
【0002】
【従来の技術】多年にわたって、金属チューブの中空金
属野球バットを設計したものが開示されてきた。たとえ
ば、1981年2月3日にEastonに発行された米
国特許第4,248,425号を参照されたい。こうし
た設計の内いくつかのものは、ボールを打ったときに振
動を減衰しバットの耐衝撃性を向上させる、ということ
を意図した挿入体を含んでいる。このようなタイプの設
計例は、1976年6月15日にH.Fujiiに発行
された米国特許第3,861,682号や、1982年
4月6日に、J.Ishiiに発行された米国特許第
4,323,239号に開示されている。
属野球バットを設計したものが開示されてきた。たとえ
ば、1981年2月3日にEastonに発行された米
国特許第4,248,425号を参照されたい。こうし
た設計の内いくつかのものは、ボールを打ったときに振
動を減衰しバットの耐衝撃性を向上させる、ということ
を意図した挿入体を含んでいる。このようなタイプの設
計例は、1976年6月15日にH.Fujiiに発行
された米国特許第3,861,682号や、1982年
4月6日に、J.Ishiiに発行された米国特許第
4,323,239号に開示されている。
【0003】また、金属チューブに炭素補強繊維の外側
表装面を装備した複合管状要素が、1979年11月6
日に発行された米国特許第4,173,670号、19
78年12月26日に発行された米国特許第米国特許第
4,131,701号、1978年4月18日に発行さ
れた米国特許第4,084,819号、1978年4月
4日に発行された米国特許第4,082,277号、1
977年5月17日に発行された米国特許第4,02
3,801号(これらはすべて、RichardL.V
an Aukenに発行されたものである)などで、様
々に開示されている。
表装面を装備した複合管状要素が、1979年11月6
日に発行された米国特許第4,173,670号、19
78年12月26日に発行された米国特許第米国特許第
4,131,701号、1978年4月18日に発行さ
れた米国特許第4,084,819号、1978年4月
4日に発行された米国特許第4,082,277号、1
977年5月17日に発行された米国特許第4,02
3,801号(これらはすべて、RichardL.V
an Aukenに発行されたものである)などで、様
々に開示されている。
【0004】打撃性能を向上させることを意図した材料
で金属バットの外面を被覆あるいは表装する試みもいく
つかなされてきた。この種の設計例は、1977年5月
24日にY.Tanikawaに発行された米国特許第
4,025,377号に開示されている。
で金属バットの外面を被覆あるいは表装する試みもいく
つかなされてきた。この種の設計例は、1977年5月
24日にY.Tanikawaに発行された米国特許第
4,025,377号に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に云えば、管状
金属物品における外面表装や被覆などは、自転車部品や
野球の金属バット等のような、外部からの衝撃とかその
他の力を受けるのを免れないような物品に対し、さした
る重要な改良をもたらすものではない。このことは、特
に、自転車のフレーム・チューブの内部に締め付けられ
るシート・チューブに云えることであって、それは、フ
レーム・チューブが炭素繊維上に直接締め付けられる
と、シート・チューブの外面上の炭素繊維が損傷して、
構造的な一体性を失うからである。
金属物品における外面表装や被覆などは、自転車部品や
野球の金属バット等のような、外部からの衝撃とかその
他の力を受けるのを免れないような物品に対し、さした
る重要な改良をもたらすものではない。このことは、特
に、自転車のフレーム・チューブの内部に締め付けられ
るシート・チューブに云えることであって、それは、フ
レーム・チューブが炭素繊維上に直接締め付けられる
と、シート・チューブの外面上の炭素繊維が損傷して、
構造的な一体性を失うからである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するために、内面に少なくとも1つの炭素繊維層
を有する内面補強金属チューブ構造を開示する。この金
属チューブ構造の好ましい実施例の1つとして、例えば
細長い中空の金属製管状本体を有する金属製の野球バッ
トが挙げられる。このバット本体の一部はボール打撃領
域と呼ばれていて、このボール打撃領域は、中空金属本
体の壁厚が薄くなっている。この壁の厚さを薄くするの
は本体の内壁面にくぼみを形成することによって達成さ
れる。中空スリーブの形をした補強部材が本体のくぼみ
内に嵌め込んであり、スリーブの外寸法とくぼみの内寸
法は、本体くぼみの内壁面とスリーブの外壁面との間に
圧縮力が発生するように決める。この圧縮嵌めはくぼみ
内にスリーブを錠止し、バットのボール打撃領域に打撃
時の高い壁回復率を与える。
を解決するために、内面に少なくとも1つの炭素繊維層
を有する内面補強金属チューブ構造を開示する。この金
属チューブ構造の好ましい実施例の1つとして、例えば
細長い中空の金属製管状本体を有する金属製の野球バッ
トが挙げられる。このバット本体の一部はボール打撃領
域と呼ばれていて、このボール打撃領域は、中空金属本
体の壁厚が薄くなっている。この壁の厚さを薄くするの
は本体の内壁面にくぼみを形成することによって達成さ
れる。中空スリーブの形をした補強部材が本体のくぼみ
内に嵌め込んであり、スリーブの外寸法とくぼみの内寸
法は、本体くぼみの内壁面とスリーブの外壁面との間に
圧縮力が発生するように決める。この圧縮嵌めはくぼみ
内にスリーブを錠止し、バットのボール打撃領域に打撃
時の高い壁回復率を与える。
【0007】
【発明の実施の形態】その他の目的,特徴および利点
は、図面に関連した以下の説明から明らかとなろう。な
お、図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を
示している。以下においては、本発明の実施方法を金属
製の野球バットを例にとって説明するが、ここにおける
教示内容が他の物品にも同様に応用できることは当業者
には明らかであろう。
は、図面に関連した以下の説明から明らかとなろう。な
お、図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を
示している。以下においては、本発明の実施方法を金属
製の野球バットを例にとって説明するが、ここにおける
教示内容が他の物品にも同様に応用できることは当業者
には明らかであろう。
【0008】図1を参照すると、ここには、本発明の教
示に従って、例えばバット10を製造する時を例にし
て、中空の金属製チューブ12が断面で示してある。チ
ューブ12はほぼ円筒形の胴部14と、テーパ部16
と、ノブ20に終端する握り部18とを包含する。胴部
14は、好ましくは、図2に示すように、チューブ12
の内壁面に形成したくぼみ24を備える。このくぼみ2
4は、胴部14の、バット10のボール打撃部とされる
領域においてチューブ12の壁厚を減らした結果によ
る。
示に従って、例えばバット10を製造する時を例にし
て、中空の金属製チューブ12が断面で示してある。チ
ューブ12はほぼ円筒形の胴部14と、テーパ部16
と、ノブ20に終端する握り部18とを包含する。胴部
14は、好ましくは、図2に示すように、チューブ12
の内壁面に形成したくぼみ24を備える。このくぼみ2
4は、胴部14の、バット10のボール打撃部とされる
領域においてチューブ12の壁厚を減らした結果によ
る。
【0009】たとえば、チューブ12はタイプCU3
1,7046,7178のような合金を使用するアルミ
ニウム合金管工で構成し得る。チューブ12の所望の形
状は、所望の内壁面輪郭が得られるまで、所望の外径と
共にアルミニウム合金管工を連続的に引き抜き加工する
ことによって得ることができる。チューブを引き抜き加
工して胴部くぼみを作り出す方法はバッティングとして
知られている。
1,7046,7178のような合金を使用するアルミ
ニウム合金管工で構成し得る。チューブ12の所望の形
状は、所望の内壁面輪郭が得られるまで、所望の外径と
共にアルミニウム合金管工を連続的に引き抜き加工する
ことによって得ることができる。チューブを引き抜き加
工して胴部くぼみを作り出す方法はバッティングとして
知られている。
【0010】チューブ12の、くぼみ24の領域におけ
る壁厚は、典型的にはくぼみ24のいずれかの端領域で
のチューブ12のくぼみのないところの壁厚の40%〜
60%である。従って、たとえば、くぼみのところの壁
厚は、典型的には、くぼみのないところの壁厚が0.08
インチ(2.03mm)であるバットの場合の0.05インチ
(1.27mm)から、くぼみのないところの壁厚が0.12
インチ(3.05mm)であるバットの場合の0.08インチ
(2.03mm)までの範囲にあり得る。
る壁厚は、典型的にはくぼみ24のいずれかの端領域で
のチューブ12のくぼみのないところの壁厚の40%〜
60%である。従って、たとえば、くぼみのところの壁
厚は、典型的には、くぼみのないところの壁厚が0.08
インチ(2.03mm)であるバットの場合の0.05インチ
(1.27mm)から、くぼみのないところの壁厚が0.12
インチ(3.05mm)であるバットの場合の0.08インチ
(2.03mm)までの範囲にあり得る。
【0011】複合スリーブ26は、拡張可能なマンドレ
ル上に炭素繊維と母材からなるシートを巻き付けること
によって形成する。野球バットの好ましい実施例では、
繊維は双方向90°織布構成に向きを定めた炭素繊維で
ある。炭素繊維の別の向きも、物品が据えられるべき最
終用途に応じては他のタイプの物品にとっては望ましい
かも知れない。繊維は、たとえば、エポキシのような熱
硬化性樹脂(熱硬化するまで、柔らかくてしなやかな状
態のままにある)を含む母材内に支えられる。繊維・母
材の組み合わせはしなやかなシートを構成する。当業者
には明らかなように、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性
樹脂を用いることもできる。
ル上に炭素繊維と母材からなるシートを巻き付けること
によって形成する。野球バットの好ましい実施例では、
繊維は双方向90°織布構成に向きを定めた炭素繊維で
ある。炭素繊維の別の向きも、物品が据えられるべき最
終用途に応じては他のタイプの物品にとっては望ましい
かも知れない。繊維は、たとえば、エポキシのような熱
硬化性樹脂(熱硬化するまで、柔らかくてしなやかな状
態のままにある)を含む母材内に支えられる。繊維・母
材の組み合わせはしなやかなシートを構成する。当業者
には明らかなように、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性
樹脂を用いることもできる。
【0012】スリーブ26は次のようにして形成する。
上述のシート材料を、最終的なスリーブ26をくぼみ2
4内に嵌め込めるように幅寸法を定める。次に、この寸
法決めしたシートを、この技術分野では周知の拡張可能
な袋を含む膨らませ可能なマンドレルのまわりに巻き付
ける。あるいは、長手方向に貫通している引っ張りボル
トを有するシリコーンのような弾性材料の拡張可能な中
実マンドレルを使用しても良い。マンドレルのまわりに
シートを巻き付ける回数は、完成バット10の所望特性
に応じて、1回から複数回まで変わり得る。普通は、3
回の巻付けである。
上述のシート材料を、最終的なスリーブ26をくぼみ2
4内に嵌め込めるように幅寸法を定める。次に、この寸
法決めしたシートを、この技術分野では周知の拡張可能
な袋を含む膨らませ可能なマンドレルのまわりに巻き付
ける。あるいは、長手方向に貫通している引っ張りボル
トを有するシリコーンのような弾性材料の拡張可能な中
実マンドレルを使用しても良い。マンドレルのまわりに
シートを巻き付ける回数は、完成バット10の所望特性
に応じて、1回から複数回まで変わり得る。普通は、3
回の巻付けである。
【0013】拡張してないときのマンドレルの直径は、
スリーブ26を形成する巻き付けシートを端22を通し
てチューブ12内へ挿入できるように決める。スリーブ
26がくぼみ24に隣接したときに、毎平方インチあた
り約80ポンド(6.45平方センチメートルあたり約3
6キログラム)の袋空気圧力を用いてマンドレルを拡張
するか、あるいは、中実マンドレルを使用する場合に
は、引っ張りボルトを引いて中実マンドレルを軸線方向
に圧縮し、半径方向に拡張させる。拡張したマンドレル
は、スリーブ26も拡張し、それをくぼみ24の内壁面
に押し付ける。スリーブ26を胴部14にしっかり結合
するために、American Cyanamidの製
造するタイプFM73のようなフィルム接着剤またはガ
ラス繊維インシュレータをスリーブ26の挿入に先立っ
てくぼみ24の内壁面に塗布しても良い。炭素繊維の、
バットの軸線に対する好ましい向きは、織り繊維の半分
に対しては0°であり、他の半分に対しては90°であ
る。
スリーブ26を形成する巻き付けシートを端22を通し
てチューブ12内へ挿入できるように決める。スリーブ
26がくぼみ24に隣接したときに、毎平方インチあた
り約80ポンド(6.45平方センチメートルあたり約3
6キログラム)の袋空気圧力を用いてマンドレルを拡張
するか、あるいは、中実マンドレルを使用する場合に
は、引っ張りボルトを引いて中実マンドレルを軸線方向
に圧縮し、半径方向に拡張させる。拡張したマンドレル
は、スリーブ26も拡張し、それをくぼみ24の内壁面
に押し付ける。スリーブ26を胴部14にしっかり結合
するために、American Cyanamidの製
造するタイプFM73のようなフィルム接着剤またはガ
ラス繊維インシュレータをスリーブ26の挿入に先立っ
てくぼみ24の内壁面に塗布しても良い。炭素繊維の、
バットの軸線に対する好ましい向きは、織り繊維の半分
に対しては0°であり、他の半分に対しては90°であ
る。
【0014】チューブ12及び拡張したスリーブ26全
体の組立体は、次に、その温度を約250°Fまで約4
5分間で上昇させることによって熱硬化させる。硬化サ
イクル中、空気圧力を袋内に維持するか、あるいは、引
っ張りボルトに適当な張力を維持する。
体の組立体は、次に、その温度を約250°Fまで約4
5分間で上昇させることによって熱硬化させる。硬化サ
イクル中、空気圧力を袋内に維持するか、あるいは、引
っ張りボルトに適当な張力を維持する。
【0015】熱硬化中、温度上昇により、アルミニウム
・チューブ12はやや膨張するので、これもスリーブ2
6の拡張を可能とする。硬化サイクル後、組立体が冷え
るにつれてチューブも収縮するが、今や硬化したスリー
ブは実質的には収縮しない。これは、アルミニウム・チ
ューブの熱膨張係数がスリーブの炭素繊維の熱膨張係数
よりもかなり大きいためである。したがって、冷却しつ
つあるチューブが硬化済みのスリーブ26上に収縮し、
毎平方インチあたり数千ポンドのオーダーのかなりの圧
縮力を発生する。炭素複合スリーブはバックリングなし
にこれらの力を扱い、したがって、スリーブ上にプリロ
ード応力を生じさせる。組立体が冷却してしまえば、袋
の圧力を抜くか、あるいは、引っ張りボルトの張力を緩
めて、拡張可能マンドレルをチューブ12から取り出す
ことができる。
・チューブ12はやや膨張するので、これもスリーブ2
6の拡張を可能とする。硬化サイクル後、組立体が冷え
るにつれてチューブも収縮するが、今や硬化したスリー
ブは実質的には収縮しない。これは、アルミニウム・チ
ューブの熱膨張係数がスリーブの炭素繊維の熱膨張係数
よりもかなり大きいためである。したがって、冷却しつ
つあるチューブが硬化済みのスリーブ26上に収縮し、
毎平方インチあたり数千ポンドのオーダーのかなりの圧
縮力を発生する。炭素複合スリーブはバックリングなし
にこれらの力を扱い、したがって、スリーブ上にプリロ
ード応力を生じさせる。組立体が冷却してしまえば、袋
の圧力を抜くか、あるいは、引っ張りボルトの張力を緩
めて、拡張可能マンドレルをチューブ12から取り出す
ことができる。
【0016】バット10の上述した構造により、バット
のボール打撃部分のアルミニウム壁を非常に薄くするこ
とができ、その結果、従来の金属バットよりも重量を軽
く、慣性を低くすることができる。本発明の教示によっ
て構成したバットの一例はマイナス13ozの「空重量」
を有する。負の、または、マイナスの空重量は、バット
の重量(オンス)をバットの長さ(インチ)から引いた
ときに得られる。たとえば、34インチ(86.36cm)
長の代表的な従来のバットは、普通は、約34オンス
(963.9g)であり、したがって、有意の負空重量を
有しない。空重量が負であると、より重いバットよりも
同じエネルギ入力量でより速くバットを振ることができ
る。その結果、ボールとの接触時にかなり大きな衝撃を
ボールに加えることになる。
のボール打撃部分のアルミニウム壁を非常に薄くするこ
とができ、その結果、従来の金属バットよりも重量を軽
く、慣性を低くすることができる。本発明の教示によっ
て構成したバットの一例はマイナス13ozの「空重量」
を有する。負の、または、マイナスの空重量は、バット
の重量(オンス)をバットの長さ(インチ)から引いた
ときに得られる。たとえば、34インチ(86.36cm)
長の代表的な従来のバットは、普通は、約34オンス
(963.9g)であり、したがって、有意の負空重量を
有しない。空重量が負であると、より重いバットよりも
同じエネルギ入力量でより速くバットを振ることができ
る。その結果、ボールとの接触時にかなり大きな衝撃を
ボールに加えることになる。
【0017】上述した胴部14の収縮がくぼみ24内で
のスリーブ26の錠止動作をもたすことになる。さら
に、アルミニウム胴部14内に複合スリーブ26を設置
することにより、ボールからの直接的な衝撃によって発
生する破砕力から複合スリーブを保護することができ
る。こうして作ったバット10は複合スリーブの破壊が
なく、高い耐久性を備える。そして順次、スリーブは、
打撃時にバットに高い壁回復率を与えるようになる。こ
れは、炭素繊維母材のより高い弾性率から生じる壁の低
慣性と高曲げ剛性による。
のスリーブ26の錠止動作をもたすことになる。さら
に、アルミニウム胴部14内に複合スリーブ26を設置
することにより、ボールからの直接的な衝撃によって発
生する破砕力から複合スリーブを保護することができ
る。こうして作ったバット10は複合スリーブの破壊が
なく、高い耐久性を備える。そして順次、スリーブは、
打撃時にバットに高い壁回復率を与えるようになる。こ
れは、炭素繊維母材のより高い弾性率から生じる壁の低
慣性と高曲げ剛性による。
【0018】くぼみを有するバットを例にして本発明の
製造方法を説明してきたが、当業者であれば、くぼみは
本発明を実施するに必須要件ではない、ということが容
易に理解できよう。
製造方法を説明してきたが、当業者であれば、くぼみは
本発明を実施するに必須要件ではない、ということが容
易に理解できよう。
【0019】本発明は、特にまた、シート・ポストのよ
うな金属チューブの製造にも適している。全地形自転車
のような、小さいフレームを有する自転車では、ライダ
ーが正しい姿勢を保てるように、普通の自転車よりもシ
ート・ポストが長くなければならない。半径方向の衝撃
力を受ける野球バットと異なり、自転車シート・ポスト
の製造で第1に考慮しなければならない事は、まず軽量
であること、そして、長手方向における撓み強度につい
てである。
うな金属チューブの製造にも適している。全地形自転車
のような、小さいフレームを有する自転車では、ライダ
ーが正しい姿勢を保てるように、普通の自転車よりもシ
ート・ポストが長くなければならない。半径方向の衝撃
力を受ける野球バットと異なり、自転車シート・ポスト
の製造で第1に考慮しなければならない事は、まず軽量
であること、そして、長手方向における撓み強度につい
てである。
【0020】したがって、この種の用途にとっては、炭
素繊維の、チューブの軸線に対する向きは0°、すなわ
ち、チューブに長手方向であることが望まれる。典型的
には、外径が0.990〜1.080インチ(25.1〜27.
4mm)で、壁厚が0.025〜0.045インチ(0.64〜
1.14mm)である、7075T9アルミニウム合金(A
lcoa Aluminum命名)に、上述の方法を用
いて、チューブの軸線に対して0°の向きの単一繊維層
からなる0.030〜0.050インチ(0.76〜1.27m
m)の太さの炭素繊維補強材を設けた。比較として同じ
外径を持つオフロード自転車用の代表的な従来のシート
・ポストを、長さインチあたり約0.470オンス(13.
32g)の重量と、40,000psi(2800kg
/cm2)の曲げにおける降伏強さとを有する5XXX、
6XXX合金で全体を作った。
素繊維の、チューブの軸線に対する向きは0°、すなわ
ち、チューブに長手方向であることが望まれる。典型的
には、外径が0.990〜1.080インチ(25.1〜27.
4mm)で、壁厚が0.025〜0.045インチ(0.64〜
1.14mm)である、7075T9アルミニウム合金(A
lcoa Aluminum命名)に、上述の方法を用
いて、チューブの軸線に対して0°の向きの単一繊維層
からなる0.030〜0.050インチ(0.76〜1.27m
m)の太さの炭素繊維補強材を設けた。比較として同じ
外径を持つオフロード自転車用の代表的な従来のシート
・ポストを、長さインチあたり約0.470オンス(13.
32g)の重量と、40,000psi(2800kg
/cm2)の曲げにおける降伏強さとを有する5XXX、
6XXX合金で全体を作った。
【0021】本発明の肉薄アルミニウム補強シート・ポ
ストは、1インチあたり0.210オンス(5.95g)
の重量であり、90,000psi(6300kg/c
m2)の曲げにおける降伏強さを持ち、したがって、従来
のすべての金属製構造のポストよりも軽く、強く、剛
い。本発明は、さらに、ゴルフクラブのシャフトの製造
にも適する。野球バットや自転車シート・ポストと異な
り、ゴルフクラブのシャフトは適切なる耐捩り抵抗を持
っていなければならない。したがって、この種の用途に
とっては、シャフトの軸線に対して±45°のような向
きの選択角度で炭素繊維の向きが使用され得る。
ストは、1インチあたり0.210オンス(5.95g)
の重量であり、90,000psi(6300kg/c
m2)の曲げにおける降伏強さを持ち、したがって、従来
のすべての金属製構造のポストよりも軽く、強く、剛
い。本発明は、さらに、ゴルフクラブのシャフトの製造
にも適する。野球バットや自転車シート・ポストと異な
り、ゴルフクラブのシャフトは適切なる耐捩り抵抗を持
っていなければならない。したがって、この種の用途に
とっては、シャフトの軸線に対して±45°のような向
きの選択角度で炭素繊維の向きが使用され得る。
【0022】本発明を実施例について詳しく説明した
が、本発明をこれに限定するつもりはない。これらの構
造の他の多くの用途が発明の精神と範囲内にあることは
当業者には明らかであろう。したがって、本発明は特許
請求の範囲によってのみ制限を受けるものである。
が、本発明をこれに限定するつもりはない。これらの構
造の他の多くの用途が発明の精神と範囲内にあることは
当業者には明らかであろう。したがって、本発明は特許
請求の範囲によってのみ制限を受けるものである。
【図1】本発明の実施例を金属バットに適用した場合の
中空金属製管状本体の断面図である。
中空金属製管状本体の断面図である。
【図2】図1の本体と同様の金属製バット本体であっ
て、転造端を有し、中に補強スリーブを据え付けた内部
くぼみを備えている本体を示す断面図である。
て、転造端を有し、中に補強スリーブを据え付けた内部
くぼみを備えている本体を示す断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図であり、金属バ
ットの本体内面に補強スリーブを設置した状態を示す図
である。
ットの本体内面に補強スリーブを設置した状態を示す図
である。
10 バット 12 中空金属製チューブ 14 円筒形胴部 16 テーパ部 18 握り部 20 ノブ 24 くぼみ 26 複合スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29C 70/06 B29C 67/14 V (72)発明者 ギャリー ダブリュ. フィリス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 93021 ムーアパーク ノース スカイラ ーク コート 4380 (72)発明者 ロジャー スーダーズ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92064 ポウエイ ポメラド ロード 12748 (72)発明者 チャールズ ティ−クセイラ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 93543 リトルロック イースト アベニ ュー アール―8 11647
Claims (6)
- 【請求項1】 自転車用金属チューブを製造する方法で
あって、その製造工程が、 a)第1の熱膨張係数を有する金属チューブを形成し、 b)第2の熱膨張係数を有する未硬化複合芯を、前記第
2の熱膨張係数より実質的に大きい前記第1の熱膨張係
数を有する前記金属チューブに挿入し、 c)前記芯を硬化させ該芯を前記チューブに接着するの
に充分な熱および圧力の下で、前記芯を前記金属チュー
ブの内側と係合するように膨張させる、工程からなるこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の自転車用金属チューブを
製造する方法において、前記芯は、拡張可能なマンドレ
ルを該芯に挿入して前記マンドレルを拡張させることに
よって膨張させられるようになることを特徴とする方
法。 - 【請求項3】 請求項2記載の自転車用金属チューブを
製造する方法において、前記芯は前記チューブ中で、約
250゜Fの温度で約45分間、熱硬化されることを特
徴とする方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の自転車用金属チューブを
製造する方法において、前記芯は、前記チューブの軸線
に対して0゜の角度に向いた繊維から成ることを特徴と
する方法。 - 【請求項5】 前記請求項の内のいずれかの請求項に記
載の自転車用金属チューブを製造する方法において、前
記複合芯は炭素繊維複合物から成ることを特徴とする方
法。 - 【請求項6】 前記請求項の内のいずれかの請求項に記
載の自転車用金属チューブを製造する方法が更に、前記
チューブをアルミニューム合金から形成する工程を含む
ことを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10113109A JPH10314354A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 自転車用金属チューブを製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10113109A JPH10314354A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 自転車用金属チューブを製造する方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3078996A Division JP2835201B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | 野球バット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10314354A true JPH10314354A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14603738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10113109A Pending JPH10314354A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 自転車用金属チューブを製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10314354A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111070736A (zh) * | 2019-12-13 | 2020-04-28 | 上海工程技术大学 | 一种提高碳纤维缠绕金属混合管弯曲性能的方法 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP10113109A patent/JPH10314354A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111070736A (zh) * | 2019-12-13 | 2020-04-28 | 上海工程技术大学 | 一种提高碳纤维缠绕金属混合管弯曲性能的方法 |
CN111070736B (zh) * | 2019-12-13 | 2021-07-23 | 上海工程技术大学 | 一种提高碳纤维缠绕金属混合管弯曲性能的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5364095A (en) | Tubular metal ball bat internally reinforced with fiber composite | |
US7475705B2 (en) | Manufacturing method for multi-material tube structures | |
US4983242A (en) | Tennis racquet having a sandwich construction, vibration-dampening frame | |
US6251034B1 (en) | Ball bat | |
US6524195B1 (en) | Tubular body | |
JP2760489B2 (ja) | 模造木製複合ボールバット | |
JPH08243197A (ja) | ゴルフクラブの柄 | |
JP5281767B2 (ja) | バドミントンラケットの製造方法 | |
US6213488B1 (en) | Exposed carbon core bicycle seat post and method of manufacture thereof | |
US20040116217A1 (en) | Lacrosse stick handle with a reinforcing insert | |
JP2835201B2 (ja) | 野球バット | |
JPH10314354A (ja) | 自転車用金属チューブを製造する方法 | |
JP2003062127A (ja) | ラケットフレーム | |
KR100257784B1 (ko) | 섬유복합체로 내부 보강된 관형 금속 볼배트 | |
JP2768841B2 (ja) | シャフトおよびフレーム構造体 | |
KR100953226B1 (ko) | 다중 튜브 구조를 갖는 합성 배트 | |
AU670669B2 (en) | Monoshaft composite tennis racquet | |
WO2001047611A1 (en) | Method for localizing weight in a golf club shaft | |
US20030073523A1 (en) | Method for manufacturing rackets with shock absorbing members with single heating process | |
US6491778B1 (en) | Bent tip composite golf shaft | |
US5409218A (en) | Metal game racket | |
US20030079839A1 (en) | Bent tip composite golf shaft | |
JPH0793950B2 (ja) | バドミントン用ラケットフレームのシャフトとグリップの製造方法 | |
US20030073522A1 (en) | Method for manufacturing rackets with shock absorbing members | |
TW492886B (en) | Method for producing racket by combining metal pipe with fiber material |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040602 |