JPH10313896A - マトリックスメタロプロテアーゼに対する発色団又は蛍光団を有する新規な活性測定用合成基質 - Google Patents
マトリックスメタロプロテアーゼに対する発色団又は蛍光団を有する新規な活性測定用合成基質Info
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- JPH10313896A JPH10313896A JP9126087A JP12608797A JPH10313896A JP H10313896 A JPH10313896 A JP H10313896A JP 9126087 A JP9126087 A JP 9126087A JP 12608797 A JP12608797 A JP 12608797A JP H10313896 A JPH10313896 A JP H10313896A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 マトリックスメタロプロテアーゼのスクリー
ニングに必要な,迅速,簡便,高感度かつ多処理可能な
マトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定する方法
を開発すること,及びその測定に用いることが出来る新
規な合成基質を提供すること。 【解決手段】下記式(I)で示される新規な合成基質。 (N末端)Z−B−Gly−Leu−C−Y(C末端)
(I) (但し,ZはN末端の保護基を,Yは発色団又は蛍光団
を,Bはアミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残
基を少なくとも1つ含むペプチド残基を,Cはアミノペ
プチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミノ酸
残基からなるペプチド残基を表す。) 並びに上記合成基質に対する,マトリックスメタロプロ
テアーゼ及びアミノペプチダーゼによる二重消化工程を
含むマトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定する
方法。
ニングに必要な,迅速,簡便,高感度かつ多処理可能な
マトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定する方法
を開発すること,及びその測定に用いることが出来る新
規な合成基質を提供すること。 【解決手段】下記式(I)で示される新規な合成基質。 (N末端)Z−B−Gly−Leu−C−Y(C末端)
(I) (但し,ZはN末端の保護基を,Yは発色団又は蛍光団
を,Bはアミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残
基を少なくとも1つ含むペプチド残基を,Cはアミノペ
プチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミノ酸
残基からなるペプチド残基を表す。) 並びに上記合成基質に対する,マトリックスメタロプロ
テアーゼ及びアミノペプチダーゼによる二重消化工程を
含むマトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定する
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,細胞外マトリック
スの分解に関与する,マトリックスメタロプロテアーゼ
(MMP)によって切断をうける新規な合成基質,及び
該合成基質を用いたMMPの活性を測定する方法に関す
る。
スの分解に関与する,マトリックスメタロプロテアーゼ
(MMP)によって切断をうける新規な合成基質,及び
該合成基質を用いたMMPの活性を測定する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マトリックスメタロプロテアーゼ(MM
Pと略す)は主として細胞外マトリックスを分解する酵
素群であり,これまで16種のサブタイプの存在が確認
されている。生理的には組織の代謝修復に寄与する酵素
であり,発生の諸段階や,生殖サイクルでその役割が重
要視されている。しかし,病的状態ではその発現が増大
し,種々の組織破壊を誘因する,特にType IVコ
ラーゲンが主成分である基底膜の破壊にはゼラチナーゼ
系のMMPが関与し,ガン細胞の浸潤や血管平滑筋細胞
の遊走が招来される。従ってMMP活性の増大が関与す
る疾患は非常に多岐に渡っており,慢性リウマチ関節
炎,変形性関節症,各種ガン細胞の転移,動脈硬化や経
皮的血管再建術(PTCA)での血管内膜肥厚,歯周病
での歯肉破壊,角膜潰瘍,大動脈瘤破綻,不安定狭心症
でのソフトプラークの破綻等が挙げられる。特に昨今老
齢人口の増大と共にその治療法の確立が望まれている変
形性関節症においてはMMPはその軟骨破壊の主たる原
因酵素であることが知られている。変形性関節症は,関
節軟骨の変性を基盤とした非炎症性の疾患で,非可逆性
で緩徐な進行性の慢性疾患である。関節軟骨は大きくわ
けて軟骨細胞と軟骨マトリックスから成り,軟骨マトリ
ックスの内訳はコラーゲン繊維(Type IIが80
〜90%,他Type IX,XI)とプロテオグリカ
ン(アグリカン)(コンドロイチン硫酸とケラタン硫
酸)である。コラーゲンの網目状ネットワークの中にプ
ロテオグリカンが封じ込められた構造をとることにより
衝撃吸収性や粘弾性を発揮する。
Pと略す)は主として細胞外マトリックスを分解する酵
素群であり,これまで16種のサブタイプの存在が確認
されている。生理的には組織の代謝修復に寄与する酵素
であり,発生の諸段階や,生殖サイクルでその役割が重
要視されている。しかし,病的状態ではその発現が増大
し,種々の組織破壊を誘因する,特にType IVコ
ラーゲンが主成分である基底膜の破壊にはゼラチナーゼ
系のMMPが関与し,ガン細胞の浸潤や血管平滑筋細胞
の遊走が招来される。従ってMMP活性の増大が関与す
る疾患は非常に多岐に渡っており,慢性リウマチ関節
炎,変形性関節症,各種ガン細胞の転移,動脈硬化や経
皮的血管再建術(PTCA)での血管内膜肥厚,歯周病
での歯肉破壊,角膜潰瘍,大動脈瘤破綻,不安定狭心症
でのソフトプラークの破綻等が挙げられる。特に昨今老
齢人口の増大と共にその治療法の確立が望まれている変
形性関節症においてはMMPはその軟骨破壊の主たる原
因酵素であることが知られている。変形性関節症は,関
節軟骨の変性を基盤とした非炎症性の疾患で,非可逆性
で緩徐な進行性の慢性疾患である。関節軟骨は大きくわ
けて軟骨細胞と軟骨マトリックスから成り,軟骨マトリ
ックスの内訳はコラーゲン繊維(Type IIが80
〜90%,他Type IX,XI)とプロテオグリカ
ン(アグリカン)(コンドロイチン硫酸とケラタン硫
酸)である。コラーゲンの網目状ネットワークの中にプ
ロテオグリカンが封じ込められた構造をとることにより
衝撃吸収性や粘弾性を発揮する。
【0003】変性性関節症は,この軟骨マトリックスの
MMPによる分解及び変性に起因しており,老齢化の進
む中,日本では400万人の患者がいると言われてい
る。しかしながら,現在まで原因療法薬が存在せず,対
症療法薬として鎮痛薬が用いられている。従って,その
治療が臨床上の重大な問題となっており,その原因療法
薬の創製が切望されている。MMPには幾つかの種類が
あるが,その標的分子としてはType IIコラーゲ
ン繊維が考えられている。MMPは天然の基質の特異的
な配列,即ちPro−(Gly or Leu)−Gly−↓−L
eu (or Ile)の切断面の両側のGlyとLeu(or I
le)を認識する[W. H. Johnson, Advances in the dia
gnosis and treatment of osteoarthritis (1993)]。
MMPにより切断されたコラーゲン繊維は,長期の間に
衝撃吸収性が低下し,非可逆的な変性をきたすと考えら
れている。通常MMPはTIMP(tissue inhibitor o
f metalloproteinase)により,組織内での制御を受け
ている[R. Khokhar et al., Invasion Metastasis 9,
391-405 (1989)]。変形性関節症患者ではMMPの発
現量がTIMPの発現量を上回るため,結果的に軟骨破
壊が進行することとなる。このようにMMPは細胞外マ
トリックスを分解する酵素群であり,その活性の増大が
変形性関節症をはじめとする前記のような疾患に関与し
ており,MMPの活性を阻害する物質は,これらの疾患
の治療剤となり得るものと期待されている。例えば,前
記のようにMMPはコラーゲン繊維を切断することによ
り変形性関節症の発症に大きく関与している事から,M
MP阻害剤は変形性関節症治療薬の有力な治療剤の一つ
と考えられている。以上のような状況から,変形性関節
症治療薬をはじめとする,MMPの活性増大が関与する
疾患の治療薬となりうる化合物を見出すためにMMPの
阻害活性を測定することによるMMP阻害剤のスクリー
ニングが行われつつある。
MMPによる分解及び変性に起因しており,老齢化の進
む中,日本では400万人の患者がいると言われてい
る。しかしながら,現在まで原因療法薬が存在せず,対
症療法薬として鎮痛薬が用いられている。従って,その
治療が臨床上の重大な問題となっており,その原因療法
薬の創製が切望されている。MMPには幾つかの種類が
あるが,その標的分子としてはType IIコラーゲ
ン繊維が考えられている。MMPは天然の基質の特異的
な配列,即ちPro−(Gly or Leu)−Gly−↓−L
eu (or Ile)の切断面の両側のGlyとLeu(or I
le)を認識する[W. H. Johnson, Advances in the dia
gnosis and treatment of osteoarthritis (1993)]。
MMPにより切断されたコラーゲン繊維は,長期の間に
衝撃吸収性が低下し,非可逆的な変性をきたすと考えら
れている。通常MMPはTIMP(tissue inhibitor o
f metalloproteinase)により,組織内での制御を受け
ている[R. Khokhar et al., Invasion Metastasis 9,
391-405 (1989)]。変形性関節症患者ではMMPの発
現量がTIMPの発現量を上回るため,結果的に軟骨破
壊が進行することとなる。このようにMMPは細胞外マ
トリックスを分解する酵素群であり,その活性の増大が
変形性関節症をはじめとする前記のような疾患に関与し
ており,MMPの活性を阻害する物質は,これらの疾患
の治療剤となり得るものと期待されている。例えば,前
記のようにMMPはコラーゲン繊維を切断することによ
り変形性関節症の発症に大きく関与している事から,M
MP阻害剤は変形性関節症治療薬の有力な治療剤の一つ
と考えられている。以上のような状況から,変形性関節
症治療薬をはじめとする,MMPの活性増大が関与する
疾患の治療薬となりうる化合物を見出すためにMMPの
阻害活性を測定することによるMMP阻害剤のスクリー
ニングが行われつつある。
【0004】ところで,MMP阻害剤をスクリーニング
するための活性測定法としては,従来から以下のような
方法が用いられている。 (1)コラーゲン等の天然物由来の配列を有する基質を
蛍光ラベルして,分解による蛍光強度の低下によりMM
P活性の阻害能を測定する方法(Y. Nagai et al., Jp
n. J. Inflamm. 4, 123-130 (1984))。 (2)切断部位を含み,分子内に蛍光団と消光団を併せ
持ち,目的の酵素による切断を受け蛍光団と消光団が分
離して初めて蛍光を発する合成基質(分子内消光型蛍光
合成基質)により,MMP活性の阻害能を測定する方
法。この代表的な基質としては,MCA−Pro−Le
u−Gly−Leu−Dpa−Ala−Arg−NH2
が挙げられる。ここでMCAは蛍光団,Dpaは消光団
であり,Gly−Leu間がMMPで切断されることに
より蛍光を発し,その蛍光活性を測定することによりM
MP活性の阻害能を測定する方法である(L.niedzwiec
ki etal.,Biochemistry 31,12618-12623 (1992),C.
G. Knight et al.,FEBS.296,263-266 (1992))。 いずれの測定法においても,化合物自体が測定波長に自
家蛍光や消光作用を持つものは活性の測定が不可能であ
り,事実これらの測定波長(励起波長/蛍光波長;29
0nm/315nm,328nm/393nm)では,
全化合物の約1割が自家蛍光若しくは消光作用を持つ事
から,全ての化合物をスクリーニングすることは不可能
であった。従って,従来の方法では,すべての被験化合
物を短時間で大量にアッセイして,これらの阻害活性を
測定する,いわゆるハイスループットスクリーニング
(High Throughput Screening)を行うことができなか
った。一方,本発明で用いた二段階法の手法については
古くから知られており,基質のC末端に蛍光団[例えば
7−アミノ−4−メチルクマリン(7−amino−4−met
hyl−coumarin)/以下「AMC」と略称/なお,ペプ
チド又はアミノ酸と共有結合した場合は「MCA」(4
−methyl−coumarine−7−yl−amido)と略称;7−ア
ミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(7−amino−
4−trifluoromethyl−coumarin)/以下「AFC」と
略称/なお,前記と同様の場合は4−トリフルオロメチ
ルクマリン−7−イルアミド(4−trifluoromethyl−c
oumarine−7−yl−amido);β−ナフチルアミン(β
−naphthylamine)/以下「βNA」と略称/なお,前
記と同様の場合はβ−ナフチルアミド(β−naphthylam
ido)]や発色団[例えばパラニトロアニリン(para−ni
troaniline]/以下「pNA」と略称/なお,同様にパ
ラニトロアニリド(para−nitroanilido)を付加した合
成基質を作製し,活性を測定したい酵素で切断したのち
(1次消化),その消化物を過剰量のアミノペプチダー
ゼ(以下「AP」と略称)で消化し(2次消化),遊離
する蛍光団又は発色団の量から1次消化物の量を測定す
る方法である。こうした基質を利用してレニンや大腸菌
リーダーペプチダーゼ等の酵素活性が測定されている
[A. Reinhaiz and M. Roth, European J. Biochem.,
7, 334-339 (1969):K. Murakami et al., Anal. Bioch
em., 110, 232-239 (1981):D. Kuo etal., Biochemist
ry, 33, 8347-8354 (1994)]。しかし,従来の二段階法
は基本的に,活性を測定したい酵素の切断部位を含む天
然の配列を含む基質を利用していた。また,MMPの活
性測定に二段階法基質を適用したという報告もなかっ
た。
するための活性測定法としては,従来から以下のような
方法が用いられている。 (1)コラーゲン等の天然物由来の配列を有する基質を
蛍光ラベルして,分解による蛍光強度の低下によりMM
P活性の阻害能を測定する方法(Y. Nagai et al., Jp
n. J. Inflamm. 4, 123-130 (1984))。 (2)切断部位を含み,分子内に蛍光団と消光団を併せ
持ち,目的の酵素による切断を受け蛍光団と消光団が分
離して初めて蛍光を発する合成基質(分子内消光型蛍光
合成基質)により,MMP活性の阻害能を測定する方
法。この代表的な基質としては,MCA−Pro−Le
u−Gly−Leu−Dpa−Ala−Arg−NH2
が挙げられる。ここでMCAは蛍光団,Dpaは消光団
であり,Gly−Leu間がMMPで切断されることに
より蛍光を発し,その蛍光活性を測定することによりM
MP活性の阻害能を測定する方法である(L.niedzwiec
ki etal.,Biochemistry 31,12618-12623 (1992),C.
G. Knight et al.,FEBS.296,263-266 (1992))。 いずれの測定法においても,化合物自体が測定波長に自
家蛍光や消光作用を持つものは活性の測定が不可能であ
り,事実これらの測定波長(励起波長/蛍光波長;29
0nm/315nm,328nm/393nm)では,
全化合物の約1割が自家蛍光若しくは消光作用を持つ事
から,全ての化合物をスクリーニングすることは不可能
であった。従って,従来の方法では,すべての被験化合
物を短時間で大量にアッセイして,これらの阻害活性を
測定する,いわゆるハイスループットスクリーニング
(High Throughput Screening)を行うことができなか
った。一方,本発明で用いた二段階法の手法については
古くから知られており,基質のC末端に蛍光団[例えば
7−アミノ−4−メチルクマリン(7−amino−4−met
hyl−coumarin)/以下「AMC」と略称/なお,ペプ
チド又はアミノ酸と共有結合した場合は「MCA」(4
−methyl−coumarine−7−yl−amido)と略称;7−ア
ミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(7−amino−
4−trifluoromethyl−coumarin)/以下「AFC」と
略称/なお,前記と同様の場合は4−トリフルオロメチ
ルクマリン−7−イルアミド(4−trifluoromethyl−c
oumarine−7−yl−amido);β−ナフチルアミン(β
−naphthylamine)/以下「βNA」と略称/なお,前
記と同様の場合はβ−ナフチルアミド(β−naphthylam
ido)]や発色団[例えばパラニトロアニリン(para−ni
troaniline]/以下「pNA」と略称/なお,同様にパ
ラニトロアニリド(para−nitroanilido)を付加した合
成基質を作製し,活性を測定したい酵素で切断したのち
(1次消化),その消化物を過剰量のアミノペプチダー
ゼ(以下「AP」と略称)で消化し(2次消化),遊離
する蛍光団又は発色団の量から1次消化物の量を測定す
る方法である。こうした基質を利用してレニンや大腸菌
リーダーペプチダーゼ等の酵素活性が測定されている
[A. Reinhaiz and M. Roth, European J. Biochem.,
7, 334-339 (1969):K. Murakami et al., Anal. Bioch
em., 110, 232-239 (1981):D. Kuo etal., Biochemist
ry, 33, 8347-8354 (1994)]。しかし,従来の二段階法
は基本的に,活性を測定したい酵素の切断部位を含む天
然の配列を含む基質を利用していた。また,MMPの活
性測定に二段階法基質を適用したという報告もなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,MMP阻害
剤のスクリーニングに必要な,迅速,簡便,高感度かつ
多処理可能な(High throughput)MMPのアッセイ系
を開発すること,特に核アッセイ系に用いられる新規な
合成基質を提供することを課題とする。
剤のスクリーニングに必要な,迅速,簡便,高感度かつ
多処理可能な(High throughput)MMPのアッセイ系
を開発すること,特に核アッセイ系に用いられる新規な
合成基質を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,二段階法
に着目し,鋭意努力し合成基質及びアッセイ系の改良を
行い,迅速,簡便,高感度かつ多処理可能なMMPの新
規活性測定系を完成させた。即ち,本発明は,下記式
(I)で示される合成基質, (N末端)Z−B−Gly−Leu−C−Y(C末端) (I) (但し,ZはN末端の保護基を,Yは発色団又は蛍光団
を,Bはアミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残
基を少なくとも1つ含むペプチド残基を,Cはアミノペ
プチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミノ酸
残基からなるペプチド残基を表す。)に関する。また,
本発明は,前記合成基質に対するマトリックスメタロプ
ロテアーゼ及びアミノペプチダーゼによる二重消化工程
を含むマトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定す
る方法に関するものである。以下,本発明につき詳述す
る。コラーゲンのポリプロテイン上の切断部位は既に報
告されている(M. S. Stack et al., Journal of Biolo
gical Chemistry, 264, 4277-4281 (1989))。P3位の
Pro,P1位のGly,P1’位のLeu又はIl
e,P2’位のAla又はLeuの保存性が指摘されて
いる(advances in the diagnos is an treatment at o
steo arthritis. W. H. Johnson et al.,(1993))(プ
ロテアーゼの基質中のアミノ酸残基を,切断点からN末
端に向かいP1,P2,P3・・・と,またC末端に向
かいP1’,P2’,P3’・・・と呼ぶ)。即ち,キ
モトリプシン,トリプシン,エラスターゼ等のセリンプ
ロテアーゼとは異なり,切断点よりC末側の配列も基質
認識に重要であると思われる。よって,切断点のN末側
の配列(例えばP4〜P1)のみを用いた基質,例えば
「Lys−Pro−Leu−Gly」なるアミノ酸配列
を有するペプチドのC末端に発色団を共有結合させた基
質」等はMMPの基質としては適さないと考えられる。
に着目し,鋭意努力し合成基質及びアッセイ系の改良を
行い,迅速,簡便,高感度かつ多処理可能なMMPの新
規活性測定系を完成させた。即ち,本発明は,下記式
(I)で示される合成基質, (N末端)Z−B−Gly−Leu−C−Y(C末端) (I) (但し,ZはN末端の保護基を,Yは発色団又は蛍光団
を,Bはアミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残
基を少なくとも1つ含むペプチド残基を,Cはアミノペ
プチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミノ酸
残基からなるペプチド残基を表す。)に関する。また,
本発明は,前記合成基質に対するマトリックスメタロプ
ロテアーゼ及びアミノペプチダーゼによる二重消化工程
を含むマトリックスメタロプロテアーゼの活性を測定す
る方法に関するものである。以下,本発明につき詳述す
る。コラーゲンのポリプロテイン上の切断部位は既に報
告されている(M. S. Stack et al., Journal of Biolo
gical Chemistry, 264, 4277-4281 (1989))。P3位の
Pro,P1位のGly,P1’位のLeu又はIl
e,P2’位のAla又はLeuの保存性が指摘されて
いる(advances in the diagnos is an treatment at o
steo arthritis. W. H. Johnson et al.,(1993))(プ
ロテアーゼの基質中のアミノ酸残基を,切断点からN末
端に向かいP1,P2,P3・・・と,またC末端に向
かいP1’,P2’,P3’・・・と呼ぶ)。即ち,キ
モトリプシン,トリプシン,エラスターゼ等のセリンプ
ロテアーゼとは異なり,切断点よりC末側の配列も基質
認識に重要であると思われる。よって,切断点のN末側
の配列(例えばP4〜P1)のみを用いた基質,例えば
「Lys−Pro−Leu−Gly」なるアミノ酸配列
を有するペプチドのC末端に発色団を共有結合させた基
質」等はMMPの基質としては適さないと考えられる。
【0007】そこで,本発明者等は,P1’以下のC末
端側の配列について検討した。まず,二段階法基質を設
計するにあたって,本活性測定系においては簡便さの点
からMMPとアミノペプチダーゼM(以下APMと略称
する)は同一緩衝液中で反応することが好ましいことか
ら,MMPの至適緩衝液中に於いてAPMの基質特異性
を検討した。その結果Leu,Ala,Met,Arg
は極めて消化されやすいが,Tyr,Gly,Pheは
やや消化され難く,Ile,Val,Asp,Ser,
Proは消化されにくいことがわかった。そこでAPM
で消化されやすいアミノ酸配列を考慮しMMPとAPM
の両者の基質特異性を同時に満足するようP1’〜P
4’の改変を行った。その結果,P1’にLeuを,P
2’以降にAPMで消化されるアミノ酸残基からなるペ
プチド残基を採用することで,MMPで切断され,かつ
そのC末端側の切断断片がAPMで消化可能な基質を見
い出した。次に,通常二段階法基質においては,1次消
化で未消化だった基質もアミノペプチダーゼによる2次
消化で分解され発色する可能性があるので,N末端のア
ミノ基をアセチル基,サクシニル基,Fmoc等で保護
を行った。更に本発明者らは,MMP切断点よりN末側
にAPMで消化されにくいAsp,Ile,Ser,P
ro及びValなどのアミノ酸残基を少なくとも1つ含
ませる事で,MMPにより分解したC末端側切断断片が
APMによって2次消化される時間内に,未消化基質が
APMで発色することはないことを確認した。そして,
基質のC末端にAMC等を付加した発色性及び蛍光性の
合成基質を用いれば,高感度かつ簡便にMMPの活性測
定が可能であることを確認し(実施例参照),本発明を
完成した。
端側の配列について検討した。まず,二段階法基質を設
計するにあたって,本活性測定系においては簡便さの点
からMMPとアミノペプチダーゼM(以下APMと略称
する)は同一緩衝液中で反応することが好ましいことか
ら,MMPの至適緩衝液中に於いてAPMの基質特異性
を検討した。その結果Leu,Ala,Met,Arg
は極めて消化されやすいが,Tyr,Gly,Pheは
やや消化され難く,Ile,Val,Asp,Ser,
Proは消化されにくいことがわかった。そこでAPM
で消化されやすいアミノ酸配列を考慮しMMPとAPM
の両者の基質特異性を同時に満足するようP1’〜P
4’の改変を行った。その結果,P1’にLeuを,P
2’以降にAPMで消化されるアミノ酸残基からなるペ
プチド残基を採用することで,MMPで切断され,かつ
そのC末端側の切断断片がAPMで消化可能な基質を見
い出した。次に,通常二段階法基質においては,1次消
化で未消化だった基質もアミノペプチダーゼによる2次
消化で分解され発色する可能性があるので,N末端のア
ミノ基をアセチル基,サクシニル基,Fmoc等で保護
を行った。更に本発明者らは,MMP切断点よりN末側
にAPMで消化されにくいAsp,Ile,Ser,P
ro及びValなどのアミノ酸残基を少なくとも1つ含
ませる事で,MMPにより分解したC末端側切断断片が
APMによって2次消化される時間内に,未消化基質が
APMで発色することはないことを確認した。そして,
基質のC末端にAMC等を付加した発色性及び蛍光性の
合成基質を用いれば,高感度かつ簡便にMMPの活性測
定が可能であることを確認し(実施例参照),本発明を
完成した。
【0008】即ち,本発明の合成基質は,MMPで切断
されやすく,また,MMPの切断部位からN末端側はア
ミノペプチダーゼで消化されにくくC末端側は消化され
やすいという,二段階法によるMMPの活性測定に最も
適したペプチドを新たに設計し,該設計に基づく合成基
質を提供した点に最大の特長があり,従来の天然の配列
由来基質又は切断部位を含む合成基質を蛍光ラベルした
測定法とはその基本的な設計思想を異にしている。そし
て,上記特長によって,短時間で大量の化合物をアッセ
イする多処理可能なスクリーニング(High Throughput
Screening)が可能となった。また,本発明の蛍光基質
を用いることにより,MMPの検出感度が格段に上昇す
ると期待される。本発明の語句につき詳述する。「アミ
ノ酸」とは,同一分子内にカルボキシル基とアミノ基を
有する化合物を意味し,またプロリンのようなイミノ酸
もアミノ酸に含まれる。天然型及び非天然型も包含され
る(生化学辞典,東京化学同人,第2版,58−69,
1468−1474(1992)及び有機化学・生化学
命名法(下),南江堂,改訂第2版,59−82(19
89))。また,本発明において,合成基質の末端に存
在するアミノ酸も本定義に含まれる。具体的には,アラ
ニン(Ala),アルギニン(Arg),アスパラギン
(Asn),アスパラギン酸(Asp),システイン
(Cys),グルタミン(Gln),グルタミン酸(G
lu),グリシン(Gly),ヒスチジン(His),
イソロイシン(Ile),ロイシン(Leu),リジン
(Lys),メチオニン(Met),フェニルアラニン
(Phe),プロリン(Pro),セリン(Ser),
スレオニン(Thr),トリプトファン(Trp),チ
ロシン(Tyr),バリン(Val),β−アラニン
(βAla),2−アミノ酪酸(Abu),α−アミノ
イソブチリック酸(Aib),α−アミノスベリック酸
(Asu),4−クロロフェニルアラニン,シトルリン
(Cit),β−シクロヘキシルアラニン(Cha),
3,4−デヒドロプロリン,2−,3−若しくは4−フ
ルオロフェニルアラニン,ホモセリン(hSer),ヒ
ドロキシプロリン(Hyp),β−ヒドロキシバリン,
4−ニトロフェニルアラニン,ノルロイシン(Nl
e),ノルバリン(Nva),オルニチン(Orn),
ペニシラミン(Pen),フェニルグリシン(Ph
g),ピログルタミン,ザルコシン(Sar),β−
(2−チェニル)アラニン(Thi),ピペコリン酸
(Pip),ナフチルアラニン,プロパルギルグリシン
(Pra)等である。
されやすく,また,MMPの切断部位からN末端側はア
ミノペプチダーゼで消化されにくくC末端側は消化され
やすいという,二段階法によるMMPの活性測定に最も
適したペプチドを新たに設計し,該設計に基づく合成基
質を提供した点に最大の特長があり,従来の天然の配列
由来基質又は切断部位を含む合成基質を蛍光ラベルした
測定法とはその基本的な設計思想を異にしている。そし
て,上記特長によって,短時間で大量の化合物をアッセ
イする多処理可能なスクリーニング(High Throughput
Screening)が可能となった。また,本発明の蛍光基質
を用いることにより,MMPの検出感度が格段に上昇す
ると期待される。本発明の語句につき詳述する。「アミ
ノ酸」とは,同一分子内にカルボキシル基とアミノ基を
有する化合物を意味し,またプロリンのようなイミノ酸
もアミノ酸に含まれる。天然型及び非天然型も包含され
る(生化学辞典,東京化学同人,第2版,58−69,
1468−1474(1992)及び有機化学・生化学
命名法(下),南江堂,改訂第2版,59−82(19
89))。また,本発明において,合成基質の末端に存
在するアミノ酸も本定義に含まれる。具体的には,アラ
ニン(Ala),アルギニン(Arg),アスパラギン
(Asn),アスパラギン酸(Asp),システイン
(Cys),グルタミン(Gln),グルタミン酸(G
lu),グリシン(Gly),ヒスチジン(His),
イソロイシン(Ile),ロイシン(Leu),リジン
(Lys),メチオニン(Met),フェニルアラニン
(Phe),プロリン(Pro),セリン(Ser),
スレオニン(Thr),トリプトファン(Trp),チ
ロシン(Tyr),バリン(Val),β−アラニン
(βAla),2−アミノ酪酸(Abu),α−アミノ
イソブチリック酸(Aib),α−アミノスベリック酸
(Asu),4−クロロフェニルアラニン,シトルリン
(Cit),β−シクロヘキシルアラニン(Cha),
3,4−デヒドロプロリン,2−,3−若しくは4−フ
ルオロフェニルアラニン,ホモセリン(hSer),ヒ
ドロキシプロリン(Hyp),β−ヒドロキシバリン,
4−ニトロフェニルアラニン,ノルロイシン(Nl
e),ノルバリン(Nva),オルニチン(Orn),
ペニシラミン(Pen),フェニルグリシン(Ph
g),ピログルタミン,ザルコシン(Sar),β−
(2−チェニル)アラニン(Thi),ピペコリン酸
(Pip),ナフチルアラニン,プロパルギルグリシン
(Pra)等である。
【0009】「アミノ酸残基」とはタンパク質又はペプ
チドの構成単位でペプチド結合を形成する際に除かれた
水素原子及び水酸基以外の上記アミノ酸部分の総称であ
る(日経バイオ最新用語辞典,日経バイオテク,第4
版,23(1995)又は生化学辞典,東京化学同人,
第2版,61−62(1992)等参照)。「ペプチ
ド」とは,2個以上のアミノ酸がペプチド結合によって
結合したものを意味する。また,「ペプチド残基」と
は,前記ペプチドの両末端のアミノ酸の一方若しくは両
方が,更にペプチド結合をとるために水素原子又は水酸
基が除かれたアミノ酸残基となっている基を意味する。
ZのN末端の保護基とは,合成基質の分野でN末端のア
ミノ基の保護基として用いられる基であって,MMPに
よる基質の切断を阻害しないものであればいずれでもよ
く,具体的にはアセチル基,サクシニル基,Fmoc等
の基を意味する。好ましくはアセチル基及びサクシニル
基であり,特に好ましくはアセチル基である。Bの「ア
ミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基を少なく
とも1つ含むペプチド残基」とは,アミノペプチダーゼ
で消化され難いアミノ酸残基,具体的には,Ile,V
al,Asp,Ser及びPro等のアミノペプチダー
ゼで消化され難いアミノ酸残基を少なくとも1つ含むペ
プチド残基である。Bがアミノペプチダーゼで消化され
難いアミノ酸残基を1つ有することにより,A−Bの領
域内に存在するペプチド結合の少なくとも1つがアミノ
ペプチダーゼで消化され難くなり,MMP未消化基質が
アミノペプチダーゼで発色し測定に影響を与えることを
防ぐことが出来る。このペプチド残基の長さは特に制限
されないが,好ましくはアミノ酸2〜5個からなり,よ
り好ましくはアミノ酸3個からなるものである。また,
基質の水溶性を増大させる点から,N末端がLys,A
rg,Gln,Asn等の親水性アミノ酸残基であるペ
プチド残基が好ましい。
チドの構成単位でペプチド結合を形成する際に除かれた
水素原子及び水酸基以外の上記アミノ酸部分の総称であ
る(日経バイオ最新用語辞典,日経バイオテク,第4
版,23(1995)又は生化学辞典,東京化学同人,
第2版,61−62(1992)等参照)。「ペプチ
ド」とは,2個以上のアミノ酸がペプチド結合によって
結合したものを意味する。また,「ペプチド残基」と
は,前記ペプチドの両末端のアミノ酸の一方若しくは両
方が,更にペプチド結合をとるために水素原子又は水酸
基が除かれたアミノ酸残基となっている基を意味する。
ZのN末端の保護基とは,合成基質の分野でN末端のア
ミノ基の保護基として用いられる基であって,MMPに
よる基質の切断を阻害しないものであればいずれでもよ
く,具体的にはアセチル基,サクシニル基,Fmoc等
の基を意味する。好ましくはアセチル基及びサクシニル
基であり,特に好ましくはアセチル基である。Bの「ア
ミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基を少なく
とも1つ含むペプチド残基」とは,アミノペプチダーゼ
で消化され難いアミノ酸残基,具体的には,Ile,V
al,Asp,Ser及びPro等のアミノペプチダー
ゼで消化され難いアミノ酸残基を少なくとも1つ含むペ
プチド残基である。Bがアミノペプチダーゼで消化され
難いアミノ酸残基を1つ有することにより,A−Bの領
域内に存在するペプチド結合の少なくとも1つがアミノ
ペプチダーゼで消化され難くなり,MMP未消化基質が
アミノペプチダーゼで発色し測定に影響を与えることを
防ぐことが出来る。このペプチド残基の長さは特に制限
されないが,好ましくはアミノ酸2〜5個からなり,よ
り好ましくはアミノ酸3個からなるものである。また,
基質の水溶性を増大させる点から,N末端がLys,A
rg,Gln,Asn等の親水性アミノ酸残基であるペ
プチド残基が好ましい。
【0010】Cの「アミノペプチダーゼで消化され難い
アミノ酸残基以外のアミノ酸残基からなるペプチド残
基」とは,前記「アミノペプチダーゼで消化され難いア
ミノ酸残基」を含まないペプチド残基であり,従って,
Leu−C−Yの領域にあるペプチド結合はいずれもア
ミノペプチダーゼで消化されるものである。Cの「アミ
ノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミ
ノ酸残基からなるペプチド残基」の具体例としては,前
記,Ile,Val,Asp,Ser及びPro等のア
ミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基を除くア
ミノ酸残基,例えば,Leu,Ala,Met,Ar
g,Tyr,Gly,Phe等のアミノ酸残基からなる
ペプチド残基が挙げられる。このペプチド残基の長さは
特に制限されないが,好ましくはアミノ酸2〜4個から
なり,より好ましくはアミノ酸3個からなるものであ
る。「発色団又は蛍光団」とは,従来,セリンプロテア
ーゼ,チオールプロテアーゼ又はアミノペプチダーゼ等
の活性測定に用いられているものであり,本発明の目的
を達成するいかなる発色団又は蛍光団をも意味し,具体
的には,本発明基質内で結合している状態では蛍光性又
は発光性を有さず,アミノペプチダーゼで消化されて遊
離された際に蛍光性又は発光性を有する基を意味し,更
に具体的には,pNA,AMC,AFC又はβNAが挙
げられる。好ましくはAMCである。本発明において,
MMPで切断を受けるアミノ酸配列に特に制限はない
が,効率良い切断のためには,好ましくはP4〜P4’
までの長さを持つとよい。P4〜P4’の配列として
は,コラーゲンをベースにした配列(M. S. Stack et a
l., Journal of Biological Chemistry, 264, 4277-428
1 (1989))又はサブスタンスPをベースにした配列(L.
Niedzwiecki et al., Biochemistry, 31, 12618-23 (1
992))が挙げられる。より具体的には,P4はLys,
Arg,Gln,又はAsn,P3はPro,Asp,
Ile,Ser又はVal,P2はGln又はLeuが
好ましい。P2’はPhe又はTrp,P3’〜P4’
はMet,Arg,Ala又はLeuであることが好ま
しい。
アミノ酸残基以外のアミノ酸残基からなるペプチド残
基」とは,前記「アミノペプチダーゼで消化され難いア
ミノ酸残基」を含まないペプチド残基であり,従って,
Leu−C−Yの領域にあるペプチド結合はいずれもア
ミノペプチダーゼで消化されるものである。Cの「アミ
ノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミ
ノ酸残基からなるペプチド残基」の具体例としては,前
記,Ile,Val,Asp,Ser及びPro等のア
ミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残基を除くア
ミノ酸残基,例えば,Leu,Ala,Met,Ar
g,Tyr,Gly,Phe等のアミノ酸残基からなる
ペプチド残基が挙げられる。このペプチド残基の長さは
特に制限されないが,好ましくはアミノ酸2〜4個から
なり,より好ましくはアミノ酸3個からなるものであ
る。「発色団又は蛍光団」とは,従来,セリンプロテア
ーゼ,チオールプロテアーゼ又はアミノペプチダーゼ等
の活性測定に用いられているものであり,本発明の目的
を達成するいかなる発色団又は蛍光団をも意味し,具体
的には,本発明基質内で結合している状態では蛍光性又
は発光性を有さず,アミノペプチダーゼで消化されて遊
離された際に蛍光性又は発光性を有する基を意味し,更
に具体的には,pNA,AMC,AFC又はβNAが挙
げられる。好ましくはAMCである。本発明において,
MMPで切断を受けるアミノ酸配列に特に制限はない
が,効率良い切断のためには,好ましくはP4〜P4’
までの長さを持つとよい。P4〜P4’の配列として
は,コラーゲンをベースにした配列(M. S. Stack et a
l., Journal of Biological Chemistry, 264, 4277-428
1 (1989))又はサブスタンスPをベースにした配列(L.
Niedzwiecki et al., Biochemistry, 31, 12618-23 (1
992))が挙げられる。より具体的には,P4はLys,
Arg,Gln,又はAsn,P3はPro,Asp,
Ile,Ser又はVal,P2はGln又はLeuが
好ましい。P2’はPhe又はTrp,P3’〜P4’
はMet,Arg,Ala又はLeuであることが好ま
しい。
【0011】好ましい基質の例として,例えば「Suc
−Lys−Pro−Leu−Gly−Leu−Phe−
Ala−Arg−MCA」又は「Ac−Lys−Pro
−Leu−Gly−Leu−Phe−Ala−Arg−
MCA」(配列番号:1)を挙げることができる。一般
に,本発明において使用される基質は,下記の実施例
(V)に記載の条件において,MMPによる切断率が2
0%以上のものが好適であるが,より好ましくは40%
以上のもの,更に好ましくは60%以上のものが用いら
れる。本発明の合成ペプチド基質は,「泉屋信夫等,ペ
プチド合成の基礎と実験(1985),丸善」,「Nova
biochem 社製のペプチド合成マニュアル(199
4)」,「矢島治明監修,ペプチド合成(続医薬品の開
発14),広川書店(1991)」,「M. Bodanszky,
Peptide Chemistry, A Practical Textbook, Springer-
Verlag, Berlin (1988)」等を参考に合成することがで
きる。発色団又は蛍光団を含有する合成基質の製造法と
しては,常法により行われる。例えば「K. Murakami et
al., Anal. Biochem., 110, 232-239 (1981)」,「A.
Reinharz & M.Roth, European J. Biochem., 7, 334-33
9 (1969)」,「O. Kuo et al., Biochemistry, 33, 834
7-8354」,「Konig W. & R. Geiger, Chem. Ber., 103,
788-798 (1970)」,「T. Morita et al., J. Biochemi
stry, 82, 1495-1498 (1977)」,「M. Zimmerman et a
l., Anal. Biochem., 78, 41-51 (1977)」等の方法を参
考にして行われる。例えば,本発明の合成基質の製造法
として,液相法又は固相法による方法,またペプチドの
合成法であるアジド法,酸クロライド法,酸無水物法,
混合酸無水物法,N,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド法,活性エステル法,カルボニルジイミダゾール
法,酸化還元法等が挙げられる。固相法によってペプチ
ドを合成するに当たっては,優れたペプチド自動合成
機,例えばアプライド・バイオシステム社製のペプチド
自動合成機430A等が市販されており,このような装
置の標準的運転プログラムに従って行えばよい。なお,
本発明の合成基質の製法として現在市販品装置の適用の
みに限定されるものではない。
−Lys−Pro−Leu−Gly−Leu−Phe−
Ala−Arg−MCA」又は「Ac−Lys−Pro
−Leu−Gly−Leu−Phe−Ala−Arg−
MCA」(配列番号:1)を挙げることができる。一般
に,本発明において使用される基質は,下記の実施例
(V)に記載の条件において,MMPによる切断率が2
0%以上のものが好適であるが,より好ましくは40%
以上のもの,更に好ましくは60%以上のものが用いら
れる。本発明の合成ペプチド基質は,「泉屋信夫等,ペ
プチド合成の基礎と実験(1985),丸善」,「Nova
biochem 社製のペプチド合成マニュアル(199
4)」,「矢島治明監修,ペプチド合成(続医薬品の開
発14),広川書店(1991)」,「M. Bodanszky,
Peptide Chemistry, A Practical Textbook, Springer-
Verlag, Berlin (1988)」等を参考に合成することがで
きる。発色団又は蛍光団を含有する合成基質の製造法と
しては,常法により行われる。例えば「K. Murakami et
al., Anal. Biochem., 110, 232-239 (1981)」,「A.
Reinharz & M.Roth, European J. Biochem., 7, 334-33
9 (1969)」,「O. Kuo et al., Biochemistry, 33, 834
7-8354」,「Konig W. & R. Geiger, Chem. Ber., 103,
788-798 (1970)」,「T. Morita et al., J. Biochemi
stry, 82, 1495-1498 (1977)」,「M. Zimmerman et a
l., Anal. Biochem., 78, 41-51 (1977)」等の方法を参
考にして行われる。例えば,本発明の合成基質の製造法
として,液相法又は固相法による方法,またペプチドの
合成法であるアジド法,酸クロライド法,酸無水物法,
混合酸無水物法,N,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド法,活性エステル法,カルボニルジイミダゾール
法,酸化還元法等が挙げられる。固相法によってペプチ
ドを合成するに当たっては,優れたペプチド自動合成
機,例えばアプライド・バイオシステム社製のペプチド
自動合成機430A等が市販されており,このような装
置の標準的運転プログラムに従って行えばよい。なお,
本発明の合成基質の製法として現在市販品装置の適用の
みに限定されるものではない。
【0012】このようにして得られた合成基質は,精製
するか,又はそのままで用いられる。単離・精製は,常
法で行われ,例えば抽出,分配,再沈澱,再結晶,又は
カラムクロマトグラフィー等によって行われる。本発明
はまた,本発明の合成基質に対するMMP及びアミノペ
プチダーゼによる二重消化工程を含むMMPの活性を測
定する方法に関する。本発明に用いられるアミノペプチ
ダーゼはMMP消化により生じたC末断片を消化し発色
団又は蛍光団を遊離出来るものであれば何でも良いが,
好ましくはロイシンアミノペプチダーゼ;EC3.4.
11.2が良い。更に好ましくはブタ腎臓のマイクロソ
ーム由来のAPMが良い。また,酵素反応を行う際に使
用する緩衝液のpHは5.0から10.0の範囲であれ
ばよく,好ましくは7.0から9.0である。塩化ナト
リウムは無添加であるか,又は200mM以下の範囲で
あればよい。塩化カルシウムは無添加であるか,又は1
0mM以下の範囲であればよい。反応温度は10から5
0℃の範囲であればよく,好ましくは25から37℃で
ある。2つのプロテアーゼによる消化は同一の96穴プ
レート上で行うことが可能であり,そのまま吸光度又は
蛍光強度を測定できることから,大量のサンプルの測定
を迅速に行うことができる。APMはMMP消化後添加
してもよいが,MMPと同時に添加しても良い。本発明
のMCA基質では,酵素濃度,基質濃度はそれぞれ終濃
度0.5〜5μg/ml,1〜20μMで充分である。
MMPは生体内では前駆体(pro体)で存在してお
り,トリプシンを添加することによりその活性を発現す
ることが報告されている(A.Sellers et al.,Bioche
m,J.167,353-360)。MMPの活性を測定する場合は
通常本法に従いproMMPを活性化して用いることが
行われている。本発明者等は活性化MMPの反応性を向
上させる為に検討を重ねた結果,反応液にウシ血清アル
ブミン(BSA)や免疫グロブリンG(IgG)等の蛋
白質類を添加することにより,MMP活性が格段に向上
する事を見出した。これは,これらの蛋白質類の添加に
より活性化MMPの安定性が良くなりMMPの基質消化
作用が向上するとともに,基質などのプレートへの吸着
が防止されるためではないかと予想する。従って,本発
明のMMP活性の測定方法において,反応液に蛋白質類
を添加することが好ましい。ここで用いられる蛋白質類
としては,反応液に添加可能な性状(溶解性等)を有
し,MMP及びアミノペプチダーゼの活性に悪影響を及
ぼさない物であればいずれでもよく,好ましくは,ウシ
血清アルブミン(BSA)や免疫グロブリンG(Ig
G)等である。特に好ましくはウシ血清アルブミン(B
SA)である。使用する蛋白質類の濃度は,選択した蛋
白質類の種類によっても異なるが,ほぼ0.1mg/m
lから1mg/ml程度が好ましく,更に好ましくは
0.25mg/ml程度である。
するか,又はそのままで用いられる。単離・精製は,常
法で行われ,例えば抽出,分配,再沈澱,再結晶,又は
カラムクロマトグラフィー等によって行われる。本発明
はまた,本発明の合成基質に対するMMP及びアミノペ
プチダーゼによる二重消化工程を含むMMPの活性を測
定する方法に関する。本発明に用いられるアミノペプチ
ダーゼはMMP消化により生じたC末断片を消化し発色
団又は蛍光団を遊離出来るものであれば何でも良いが,
好ましくはロイシンアミノペプチダーゼ;EC3.4.
11.2が良い。更に好ましくはブタ腎臓のマイクロソ
ーム由来のAPMが良い。また,酵素反応を行う際に使
用する緩衝液のpHは5.0から10.0の範囲であれ
ばよく,好ましくは7.0から9.0である。塩化ナト
リウムは無添加であるか,又は200mM以下の範囲で
あればよい。塩化カルシウムは無添加であるか,又は1
0mM以下の範囲であればよい。反応温度は10から5
0℃の範囲であればよく,好ましくは25から37℃で
ある。2つのプロテアーゼによる消化は同一の96穴プ
レート上で行うことが可能であり,そのまま吸光度又は
蛍光強度を測定できることから,大量のサンプルの測定
を迅速に行うことができる。APMはMMP消化後添加
してもよいが,MMPと同時に添加しても良い。本発明
のMCA基質では,酵素濃度,基質濃度はそれぞれ終濃
度0.5〜5μg/ml,1〜20μMで充分である。
MMPは生体内では前駆体(pro体)で存在してお
り,トリプシンを添加することによりその活性を発現す
ることが報告されている(A.Sellers et al.,Bioche
m,J.167,353-360)。MMPの活性を測定する場合は
通常本法に従いproMMPを活性化して用いることが
行われている。本発明者等は活性化MMPの反応性を向
上させる為に検討を重ねた結果,反応液にウシ血清アル
ブミン(BSA)や免疫グロブリンG(IgG)等の蛋
白質類を添加することにより,MMP活性が格段に向上
する事を見出した。これは,これらの蛋白質類の添加に
より活性化MMPの安定性が良くなりMMPの基質消化
作用が向上するとともに,基質などのプレートへの吸着
が防止されるためではないかと予想する。従って,本発
明のMMP活性の測定方法において,反応液に蛋白質類
を添加することが好ましい。ここで用いられる蛋白質類
としては,反応液に添加可能な性状(溶解性等)を有
し,MMP及びアミノペプチダーゼの活性に悪影響を及
ぼさない物であればいずれでもよく,好ましくは,ウシ
血清アルブミン(BSA)や免疫グロブリンG(Ig
G)等である。特に好ましくはウシ血清アルブミン(B
SA)である。使用する蛋白質類の濃度は,選択した蛋
白質類の種類によっても異なるが,ほぼ0.1mg/m
lから1mg/ml程度が好ましく,更に好ましくは
0.25mg/ml程度である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を以下,実施例により説明
するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお,本明細書における化合物の略号は以下の意味
である。「Boc」は三級ブトキシカルボニル(tert.
Butoxycarbonyl),「Clt」はクロロトリチル(Chlo
rotrithyl),「DCC」はN,N’−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(N, N'-Dicyclohexylcarbodiimid
e),「DIEA」はN,N−ジイソプロピルエチルア
ミン(N, N-diisopropyl ethylamine),「DMF」は
ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide),「Fm
oc」は9−フルオレニルメトキシカルボニル(9−Fl
uorenylmethoxycarbonyl),「HBTU」は2−(1H
−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,
−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェ
ート(2−(1H-Benzotriazole-1-yl)−1,1,3,
3−tetra methyluronium hexafluorophosphate),
「HOBt」はN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(N
−Hydroxybenzotriazole),「pmc」は2,2,5,
7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(2,
2,5,7,8−pentamethylchroman−6−sulfony
l),「TFA」はトリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic
acid)をそれぞれ表す。また,本明細書において,ア
ミノ酸の1文字表記及び3文字表記は,IUPAC生化
学命名委員会(CBN)の規則に従ったもので,例えば
「生化学辞典(第2版),東京化学同人,1990年,
第1468頁)」の記載が参照される。
するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお,本明細書における化合物の略号は以下の意味
である。「Boc」は三級ブトキシカルボニル(tert.
Butoxycarbonyl),「Clt」はクロロトリチル(Chlo
rotrithyl),「DCC」はN,N’−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(N, N'-Dicyclohexylcarbodiimid
e),「DIEA」はN,N−ジイソプロピルエチルア
ミン(N, N-diisopropyl ethylamine),「DMF」は
ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide),「Fm
oc」は9−フルオレニルメトキシカルボニル(9−Fl
uorenylmethoxycarbonyl),「HBTU」は2−(1H
−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,
−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェ
ート(2−(1H-Benzotriazole-1-yl)−1,1,3,
3−tetra methyluronium hexafluorophosphate),
「HOBt」はN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(N
−Hydroxybenzotriazole),「pmc」は2,2,5,
7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(2,
2,5,7,8−pentamethylchroman−6−sulfony
l),「TFA」はトリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic
acid)をそれぞれ表す。また,本明細書において,ア
ミノ酸の1文字表記及び3文字表記は,IUPAC生化
学命名委員会(CBN)の規則に従ったもので,例えば
「生化学辞典(第2版),東京化学同人,1990年,
第1468頁)」の記載が参照される。
【0014】
【実施例】MMP活性測定のための発色性及び蛍光性合成基質の製
造 (I)Ac−KPLGLFAR−MCA(以下Ac−M
CAと略記する)(配列番号:1)の合成(図1に合成
工程を示す) Ac−Lys(Boc)−Pro−Leu−Gly(断
片1)(配列番号:3)は,Gly−2−Cltレジン
を用いて,Fmoc−Leu−Phe−Ala(断片
2)はAla−2−Cltレジンを用いて常法により以
下のように合成した。なお,断片1については,下記操
作7の後,Fmocを20%ピペリジン含有DMFによ
り脱離した後常法によりN末端をアセチル化した。 1.レジンをDMFで膨潤させる。 2.目的のf−mocアミノ酸(20mmol)を20
mlのDMFに溶かす。 3.アミノ酸溶液に40mlのDMFに溶解した0.4
5MのHBTU/HOBTと7mlのDIEAを加えて
5分間攪拌する 4.3.の産物をレジンに加え1時間攪拌する。 5.DMFでレジンを洗浄する。 6.100mlの20%ピペリジン(piperidine)を含
むDMFをレジンに加え20分間攪拌する。 7.以上の操作を次に付加するf−mocアミノ酸を用
いて繰り返す。 保護ペプチドの切り出しは酢酸:TFE:DCM=1:
2:7の溶液で1時間処理することにより行った。溶媒
を留去後,エーテルによりペプチドを沈澱させた。
造 (I)Ac−KPLGLFAR−MCA(以下Ac−M
CAと略記する)(配列番号:1)の合成(図1に合成
工程を示す) Ac−Lys(Boc)−Pro−Leu−Gly(断
片1)(配列番号:3)は,Gly−2−Cltレジン
を用いて,Fmoc−Leu−Phe−Ala(断片
2)はAla−2−Cltレジンを用いて常法により以
下のように合成した。なお,断片1については,下記操
作7の後,Fmocを20%ピペリジン含有DMFによ
り脱離した後常法によりN末端をアセチル化した。 1.レジンをDMFで膨潤させる。 2.目的のf−mocアミノ酸(20mmol)を20
mlのDMFに溶かす。 3.アミノ酸溶液に40mlのDMFに溶解した0.4
5MのHBTU/HOBTと7mlのDIEAを加えて
5分間攪拌する 4.3.の産物をレジンに加え1時間攪拌する。 5.DMFでレジンを洗浄する。 6.100mlの20%ピペリジン(piperidine)を含
むDMFをレジンに加え20分間攪拌する。 7.以上の操作を次に付加するf−mocアミノ酸を用
いて繰り返す。 保護ペプチドの切り出しは酢酸:TFE:DCM=1:
2:7の溶液で1時間処理することにより行った。溶媒
を留去後,エーテルによりペプチドを沈澱させた。
【0015】Leu−Phe−Ala−Arg(pm
c)−MCA(配列番号:2)の合成は以下の通り行っ
た。 1.断片2(2.53g),Arg(pmc)−MCA
・HCl(3.40g),HOBT(0.65g),D
IPEA(0.774ml)を50mlのDMFに溶か
す。 2.DMFに溶かした1gのDCCを0℃で加える。 3.室温で一晩攪拌した後,ウレアをフィルターで除去
する。 4.溶媒を留去の後,残渣を300mlの酢酸エチルに
懸濁する。 5.0.5N HCl,5%NaHCO3及び飽和食塩水
でそれぞれ洗浄後,有機溶媒層を回収し,留去する。 6.残渣に100mlの20%ピペリジンを含むDMF
溶液を加え,20分処理する。 7.溶媒を留去の後,エーテルによりペプチドを沈澱さ
せる。 Ac−MCAの合成は以下の通り行った。 1.断片1(1.46g)とLeu−Phe−Ala−
Arg(pmc)−MCA(2.25g),HOBT
(0.4g)を40mlのDMFに溶かす。 2.DMFに溶かした1gのDCCを0℃で加える。 3.室温で6時間攪拌した後,ウレアをフィルターで除
去する。 4.濾液に10mlのピペリジンを加える。 5.20分処理後,溶媒を留去の後,エーテルによりペ
プチドを沈澱させる。 6.ペプチドを40mlの切断溶液(reagent K)に溶
かし,室温で2時間処理する。 7.エーテルによりペプチドを沈澱させる。
c)−MCA(配列番号:2)の合成は以下の通り行っ
た。 1.断片2(2.53g),Arg(pmc)−MCA
・HCl(3.40g),HOBT(0.65g),D
IPEA(0.774ml)を50mlのDMFに溶か
す。 2.DMFに溶かした1gのDCCを0℃で加える。 3.室温で一晩攪拌した後,ウレアをフィルターで除去
する。 4.溶媒を留去の後,残渣を300mlの酢酸エチルに
懸濁する。 5.0.5N HCl,5%NaHCO3及び飽和食塩水
でそれぞれ洗浄後,有機溶媒層を回収し,留去する。 6.残渣に100mlの20%ピペリジンを含むDMF
溶液を加え,20分処理する。 7.溶媒を留去の後,エーテルによりペプチドを沈澱さ
せる。 Ac−MCAの合成は以下の通り行った。 1.断片1(1.46g)とLeu−Phe−Ala−
Arg(pmc)−MCA(2.25g),HOBT
(0.4g)を40mlのDMFに溶かす。 2.DMFに溶かした1gのDCCを0℃で加える。 3.室温で6時間攪拌した後,ウレアをフィルターで除
去する。 4.濾液に10mlのピペリジンを加える。 5.20分処理後,溶媒を留去の後,エーテルによりペ
プチドを沈澱させる。 6.ペプチドを40mlの切断溶液(reagent K)に溶
かし,室温で2時間処理する。 7.エーテルによりペプチドを沈澱させる。
【0016】(II)Suc−KPLGLFAR−MC
A(以下Suc−MCAと略記する)(配列番号:1)
の合成 N末端をサクシニル化した以外はAc−MCAと同様の
方法で行った。 (III)ペプチドの合成と精製 ペプチドは,逆相のHPLC(ODS−80Tm/東ソ
ー社製)により精製した。その際,A液には0.1%T
FA含有水溶液,B液には0.1%TFA含有アセトニ
トリルを使用し,分離はB液の直線勾配(0〜60%)
で行った。 (IV)完成した合成基質の確認 1)マススペクトロメトリー マススペクトロメトリーにより該基質の分子量の確認を
行った。図2に示すようにAc−MCA及びSuc−M
CA共に目的の分子量と一致した。また,その純度も高
いものであった。 2)アミノ酸組成分析 ピコタグワークステーション及びグラジエントシテスム
(共にウォーターズ社製)を用い,ピコタグアミノ酸分
析法により該基質のアミノ酸組成分析を行った。カッコ
内の値は合成基質中に含まれる数を示す。
A(以下Suc−MCAと略記する)(配列番号:1)
の合成 N末端をサクシニル化した以外はAc−MCAと同様の
方法で行った。 (III)ペプチドの合成と精製 ペプチドは,逆相のHPLC(ODS−80Tm/東ソ
ー社製)により精製した。その際,A液には0.1%T
FA含有水溶液,B液には0.1%TFA含有アセトニ
トリルを使用し,分離はB液の直線勾配(0〜60%)
で行った。 (IV)完成した合成基質の確認 1)マススペクトロメトリー マススペクトロメトリーにより該基質の分子量の確認を
行った。図2に示すようにAc−MCA及びSuc−M
CA共に目的の分子量と一致した。また,その純度も高
いものであった。 2)アミノ酸組成分析 ピコタグワークステーション及びグラジエントシテスム
(共にウォーターズ社製)を用い,ピコタグアミノ酸分
析法により該基質のアミノ酸組成分析を行った。カッコ
内の値は合成基質中に含まれる数を示す。
【0017】
【表1】 Ac−MCA及びSuc−MCAは共に,アミノ酸配列
から予想されるアミノ酸組成を有していた。 (V)MMPによるAc−MCA基質及びSuc−MC
A基質の消化の確認 反応はエッペンドルフチューブ(1.5ml,black)
を用いて行った。Ac−MCA基質はDMSO(=dime
thyl sulfoxide)に溶解し,分注後−20℃のフリーザ
ーにて保管したものを使用した。50mM Tris 緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含
有,pH7.4)に,活性化MMP−1(終濃度3.3
μg/ml)及び本発明Ac−MCA又はSuc−MC
A基質(終濃度16.7μM)を加え100μlとし
た。37℃で60分間加温し,基質消化を行った後,
0.1%TFA溶液を50μl添加して反応を停止し
た。反応停止後,「smart system」(ファ
ルマシア社)で254nm等の波長の吸光度を測定し
た。測定には逆相のHPLC(μRPC C2/C18
PC3.2/3/ファルマシア社製)を用いた。その際
A液には0.1%TFA含有水溶液,B液には0.1%
TFA含有アセトニトリルを使用し,ペプチドの分離は
B液の直線勾配(0〜60%)で行い,ピークを確認し
た。その結果,活性化MMP−1により,Ac−MCA
基質は約100%,Suc−MCA基質は約50%が消
化されることが確認された。尚,Suc−MCA基質
は,活性化MMP−1(40μg/ml)存在下で同様
に処理すると約100%消化された。
から予想されるアミノ酸組成を有していた。 (V)MMPによるAc−MCA基質及びSuc−MC
A基質の消化の確認 反応はエッペンドルフチューブ(1.5ml,black)
を用いて行った。Ac−MCA基質はDMSO(=dime
thyl sulfoxide)に溶解し,分注後−20℃のフリーザ
ーにて保管したものを使用した。50mM Tris 緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含
有,pH7.4)に,活性化MMP−1(終濃度3.3
μg/ml)及び本発明Ac−MCA又はSuc−MC
A基質(終濃度16.7μM)を加え100μlとし
た。37℃で60分間加温し,基質消化を行った後,
0.1%TFA溶液を50μl添加して反応を停止し
た。反応停止後,「smart system」(ファ
ルマシア社)で254nm等の波長の吸光度を測定し
た。測定には逆相のHPLC(μRPC C2/C18
PC3.2/3/ファルマシア社製)を用いた。その際
A液には0.1%TFA含有水溶液,B液には0.1%
TFA含有アセトニトリルを使用し,ペプチドの分離は
B液の直線勾配(0〜60%)で行い,ピークを確認し
た。その結果,活性化MMP−1により,Ac−MCA
基質は約100%,Suc−MCA基質は約50%が消
化されることが確認された。尚,Suc−MCA基質
は,活性化MMP−1(40μg/ml)存在下で同様
に処理すると約100%消化された。
【0018】(VI)Ac−MCA基質を用いたMMP
の活性測定 反応は96穴型プレート(ELISA Plate(black),住友
ベークライト)を用いて行った。50mM Tris 緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含有)
にBSA(シグマ社)(終濃度0.25mg/ml)を
添加後活性化MMP−1(終濃度;0.015〜1.5
μg/ml)及び本発明のAc−MCA(終濃度12.
5μM)及び過剰量のアミノペプチダーゼ(シグマ社)
(終濃度0.025U)を加え20μlとした。37℃
で15分,30分,45分又は60分間基質消化を行っ
た。反応終了後消化に伴う蛍光強度の増加をMTP−3
2マイクロプレートリーダー(CORONA社)を用い
て励起波長390nm,蛍光波長460nmで測定し
た。蛍光強度は基質消化時間に沿って経時的に上昇した
(図4)。更に,60分間基質消化を行ったときの酵素
濃度依存性を図6に示す。また,アミノペプチダーゼを
添加した時(+)と,しなかった時(−)の変化(MM
P−1 1.5μg/ml)を図5に示す。以上より,
本発明のAc−MCA基質とアミノペプチダーゼによる
二重消化を行うことによりMMPの活性を迅速かつ簡便
に測定できることが確認された。 (VII)MMPの活性測定におけるBSA添加の効果 反応は96穴型プレート(ELISA Plate(black),住友
ベークライト)を用いて行った。50mM Tris緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含
有)にBSA(シグマ社)(終濃度0.25mg/m
l)を添加若しくは未添加のまま,活性化MMP−1
(終濃度0.1〜10μg/ml),過剰量のアミノペ
プチダーゼ(シグマ社)(終濃度0.025U)及び本
発明のAc−MCA(終濃度12.5μM)を加え20
0μlとした。37℃で60分間基質消化を行った後,
消化に伴う蛍光強度の増加をMTP−32マクロプレー
トリーダー(CORONA社)を用いて,励起波長39
0nm,蛍光波長460nmで測定した。この結果,B
SA添加により,MMPの基質消化作用の増強が認めら
れた(図6)。
の活性測定 反応は96穴型プレート(ELISA Plate(black),住友
ベークライト)を用いて行った。50mM Tris 緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含有)
にBSA(シグマ社)(終濃度0.25mg/ml)を
添加後活性化MMP−1(終濃度;0.015〜1.5
μg/ml)及び本発明のAc−MCA(終濃度12.
5μM)及び過剰量のアミノペプチダーゼ(シグマ社)
(終濃度0.025U)を加え20μlとした。37℃
で15分,30分,45分又は60分間基質消化を行っ
た。反応終了後消化に伴う蛍光強度の増加をMTP−3
2マイクロプレートリーダー(CORONA社)を用い
て励起波長390nm,蛍光波長460nmで測定し
た。蛍光強度は基質消化時間に沿って経時的に上昇した
(図4)。更に,60分間基質消化を行ったときの酵素
濃度依存性を図6に示す。また,アミノペプチダーゼを
添加した時(+)と,しなかった時(−)の変化(MM
P−1 1.5μg/ml)を図5に示す。以上より,
本発明のAc−MCA基質とアミノペプチダーゼによる
二重消化を行うことによりMMPの活性を迅速かつ簡便
に測定できることが確認された。 (VII)MMPの活性測定におけるBSA添加の効果 反応は96穴型プレート(ELISA Plate(black),住友
ベークライト)を用いて行った。50mM Tris緩
衝液(0.2M NaCl,10mM CaCl2含
有)にBSA(シグマ社)(終濃度0.25mg/m
l)を添加若しくは未添加のまま,活性化MMP−1
(終濃度0.1〜10μg/ml),過剰量のアミノペ
プチダーゼ(シグマ社)(終濃度0.025U)及び本
発明のAc−MCA(終濃度12.5μM)を加え20
0μlとした。37℃で60分間基質消化を行った後,
消化に伴う蛍光強度の増加をMTP−32マクロプレー
トリーダー(CORONA社)を用いて,励起波長39
0nm,蛍光波長460nmで測定した。この結果,B
SA添加により,MMPの基質消化作用の増強が認めら
れた(図6)。
【0019】
【発明の効果】本発明の合成基質を用いてMMPの活性
測定を行うことによって,迅速,簡便かつ高い選択性
で,MMPの活性測定を行うことができるようになり,
短時間で大量の化合物をアッセイするハイスループット
スクリーニング(High Throughput Screening)が可能
となった。
測定を行うことによって,迅速,簡便かつ高い選択性
で,MMPの活性測定を行うことができるようになり,
短時間で大量の化合物をアッセイするハイスループット
スクリーニング(High Throughput Screening)が可能
となった。
【0020】
配列番号:1 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:8 他の特徴:Argは発色団である7−アミノ−4−メチ
ルクマリン(AMC)に結合している。 配列 Lys Pro Leu Gly Leu Phe Ala Arg 1 5 配列番号:2 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:modified−site 存在位置:4 他の情報:Arg=Arg(pmc) 配列番号:3 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
ルクマリン(AMC)に結合している。 配列 Lys Pro Leu Gly Leu Phe Ala Arg 1 5 配列番号:2 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:modified−site 存在位置:4 他の情報:Arg=Arg(pmc) 配列番号:3 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ac−MCA基質の合成工程を示す図であ
る。
る。
【図2】 合成したAc−MCA基質及びSuc−MC
A基質のマススペクトロメトリーの結果を示す図であ
る。
A基質のマススペクトロメトリーの結果を示す図であ
る。
【図3】 各種濃度のMMP−1によるAc−MCA基
質消化の経時的変化を示す図である。
質消化の経時的変化を示す図である。
【図4】 Ac−MCA基質消化のMMP−1濃度依存
性を示す図である。
性を示す図である。
【図5】 Ac−MCA基質消化におけるアミノペプチ
ダーゼの作用を示す図である。
ダーゼの作用を示す図である。
【図6】 MMP−1によるAc−MCA基質消化にお
けるBSA添加の影響を示す図である。
けるBSA添加の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 茂樹 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 松本 俊一郎 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 相部 和彦 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(I)で示される合成基質。 (N末端)Z−B−Gly−Leu−C−Y(C末端) (I) (但し,ZはN末端の保護基を,Yは発色団又は蛍光団
を,Bはアミノペプチダーゼで消化され難いアミノ酸残
基を少なくとも1つ含むペプチド残基を,Cはアミノペ
プチダーゼで消化され難いアミノ酸残基以外のアミノ酸
残基からなるペプチド残基を表す。) - 【請求項2】 請求項1記載の合成基質に対するマトリ
ックスメタロプロテアーゼ及びアミノペプチダーゼによ
る二重消化工程を含むマトリックスメタロプロテアーゼ
の活性を測定する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9126087A JPH10313896A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | マトリックスメタロプロテアーゼに対する発色団又は蛍光団を有する新規な活性測定用合成基質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9126087A JPH10313896A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | マトリックスメタロプロテアーゼに対する発色団又は蛍光団を有する新規な活性測定用合成基質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10313896A true JPH10313896A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14926288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9126087A Pending JPH10313896A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | マトリックスメタロプロテアーゼに対する発色団又は蛍光団を有する新規な活性測定用合成基質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10313896A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7041787B2 (en) | 2000-12-29 | 2006-05-09 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Design and use of advanced zinc chelating peptides to regulate matrix metalloproteinases |
US7071164B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-07-04 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-cancer and wound healing compounds |
US7094754B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-08-22 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
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US7186693B2 (en) | 2001-08-16 | 2007-03-06 | Kimberly - Clark Worldwide, Inc. | Metalloproteinase inhibitors for wound healing |
US7189700B2 (en) | 2003-06-20 | 2007-03-13 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-chrondrosarcoma compounds |
US7256013B2 (en) | 1999-11-29 | 2007-08-14 | Cyclex Co., Ltd. | Kit for determining the acetylation level of a peptide based on sensitivity of the peptide to peptidase |
JP2009276202A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Kyushu Institute Of Technology | 癌診断用試薬 |
JP2016094477A (ja) * | 2008-03-31 | 2016-05-26 | 株式会社 資生堂 | 血管の成熟化、正常化又は安定化剤及びしわ防止・改善剤 |
-
1997
- 1997-05-15 JP JP9126087A patent/JPH10313896A/ja active Pending
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