JPH10312965A - プラズマ化学蒸着装置 - Google Patents

プラズマ化学蒸着装置

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JPH10312965A
JPH10312965A JP12224597A JP12224597A JPH10312965A JP H10312965 A JPH10312965 A JP H10312965A JP 12224597 A JP12224597 A JP 12224597A JP 12224597 A JP12224597 A JP 12224597A JP H10312965 A JPH10312965 A JP H10312965A
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JP
Japan
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plasma
electrode
heater
power supply
substrate
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Application number
JP12224597A
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English (en)
Inventor
Shoji Morita
章二 森田
Tatsufumi Aoi
辰史 青井
Kazutaka Uda
和孝 宇田
Masayoshi Murata
正義 村田
Kazuaki Oshima
一晃 大嶋
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒータ目詰まりによる成膜速度の低減割合を改
善するともに、高品質膜を高成膜速度にて成膜すること
を課題とする。 【解決手段】真空容器(1) と、この真空容器(1) に反応
ガスを導入して排出する反応ガス導入管(11)及び排気管
(12)と、前記真空容器(11)内に配置され、上部に基板(1
3)を支持した接地電極(3) と、前記真空容器(1) 内に前
記接地電極(3) と対向するように配置されたプラズマ発
生用電極(2) と、前記プラズマ発生用電極(2) と基板(1
3)との間に設けられた、空隙を有する加熱用ヒータ(14)
と、前記プラズマ発生用電極(2) に接続された、周波数
60MHz以上のプラズマ中のラジカル構成比制御用高
周波電源(4) とを具備することを特徴とするプラズマ化
学蒸着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ化学蒸着装
置に関し、特にアモルファスシリコン太陽電池、薄膜ト
ランジスタ、光センサ、半導体保護膜など各種電子デバ
イスに使用される大面積薄膜の製造に適用されるプラズ
マ化学蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大面積アモルファスシリコン薄膜
を製造するために適用されるプラズマ化学蒸着装置とし
ては、図9に示すものが知られている。図中の付番51は
真空容器であり、該真空容器51内にはプラズマを発生さ
せるための電極52と接地電極53が互いに上下に対向して
配置されている。上側の前記電極52には、高周波電源54
がインピーダンスマッチング回路55、第1の高周波ケー
ブル56及び電力導入端子57を介して接続されている。前
記高周波電源54から前記電極52に例えば13.56MH
zの周波数の電力が供給される。下側の前記接地電極53
には、真空容器51及び第2の高周波ケーブル58を介して
アース59に接続されている。前記インピーダンスマッチ
ング回路55の接地側端子は、第3のケーブル60を介して
アース61に接続されている。また、前記インピーダンス
マッチング回路55の接地側端子は、第3の高周波ケーブ
ル62により真空容器51に接続されている。
【0003】真空容器51内には、流量計を有するボンベ
(図示せず)から反応ガス導入管61を通して、例えばモ
ノシラン等の反応ガスが供給され、真空容器51内のガス
は、排気管62を通して真空ポンプ(図示せず)により排
気される。前記接地電極53上には、基板63が、電極52と
平行に、即ち電極52,接地電極53により発生する電界に
直交するように配置されている。前記基板63の真上に
は、プラズマ中のラジカル(活性種)を加熱するための
メッシュ状(又はワイヤ状)ヒータ64が配置されてい
る。このヒータ64には、ヒータ加熱用交流電源65が接続
されている。
【0004】こうした構成の装置において薄膜の製造
は、次の通りである。まず、真空ポンプ(図示せず)を
用いて真空容器51内を排気する。その後、反応ガス導入
管61を通して、例えばモノシランと水素との混合ガスを
供給し、真空容器51内の圧力を0.05〜0.5Tor
rに保ち、高周波電源54から電極52,接地電極53間に電
圧を印加する。その結果、上記高周波電源54に電界で、
電極52,接地電極53間にグロー放電プラズマが点火、維
持される。このプラズマにより非晶質薄膜または微結晶
薄膜を形成される。その際、メッシュ状ヒータ64を通電
加熱し、プラズマ中のラジカルを加熱する。また、電極
近傍で発生したプラズマを、メッシュ状ヒータ64により
遮蔽し、短寿命ラジカル(例えば、SiH,SiH2
を基板に到着する前に消滅させる。従って、良質膜を形
成する長寿命ラジカル(例えば、SiH3 )が熱エネル
ギーを有して基板に付着して膜中の未結合手が減少し、
膜低欠陥化が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマ化学蒸
着装置において、高品質膜(例えば、Constant Photo
-current Mehtod による測定で膜欠陥密度1×1015
個/cc未満)を成膜するために、基板と電極の間にラ
ジカルを加熱し、かつ良質膜成膜に寄与する長寿命のラ
ジカルのみを選択的に基板に付着させるための30〜5
0メッシュ程度のメッシュ状(又はワイヤ状)ヒータ64
が必要であった。このため、以下の課題が生じていた。
【0006】(1) メッシュ状(又はワイヤ状)ヒータ64
にプラズマ中のラジカルが衝突して非晶質膜として付着
するため、線間が目詰まりし、例えば基板での積算膜厚
が100μm程度で成膜速度が初期の1/2以下まで減
少する。従って、メンテナンス周期が短くなり、実用的
な成膜装置には不向きであった。a−Si薄膜の連続生
産におけるメッシュの閉塞に伴う成膜速度の低下は、ア
モルファスシリコン太陽電池のように量産化によるコス
トダウンを要求される製品にとって、生産性の低下をも
たらす本質的問題である。
【0007】(2) メッシュ状(又はワイヤ状)ヒータの
間隔を粗くした場合、成膜速度の増加を図るためにプラ
ズマの密度をある程度高くすると、電極近傍で発生した
プラズマがメッシュの隙間から漏れて成膜基板に直接接
するので、プラズマ遮蔽効果が無くなり、基板表面がプ
ラズマに晒されるため、膜質を悪化させる短寿命のラジ
カルも基板に付着し、膜低欠陥化ができなかった。
【0008】本発明はこうした事情を考慮してなされた
もので、a−Si薄膜形成方法における課題を解決する
ためになされたもので、ラジカル加熱及びプラズマ隔離
の機能を有しており、低欠陥a−Si薄膜の形成が可能
で、しかも成膜速度の低下を抑制しえるプラズマ化学蒸
着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、プラズマ発生用電極と基板との間
に、空隙を有する加熱用ヒータを設けるとともに、プラ
ズマ発生用電極に周波数60MHz以上のプラズマ中の
ラジカル構成比制御用高周波電源、又は高周波電力を間
欠的に供給できるプラズマ中のラジカル構成比制御用高
周波電源を接続することにより、ヒータの目詰まりによ
る成膜速度の低減割合が改善されるとともに、高品質膜
(例えば、Constant Photo-current Mehtod による
測定で膜欠陥密度1×1015個/cc未満)を高成膜速
度(例えば0.5nm/s以上)にて成膜できるという
実用的な装置を提供するに至った。
【0010】即ち、本願第1の発明は、真空容器と、こ
の真空容器に反応ガスを導入して排出する手段と、前記
真空容器内に配置され、上部に基板を支持した接地電極
と、前記真空容器内に前記接地電極と対向するように配
置されたプラズマ発生用電極と、前記プラズマ発生用電
極と基板との間に設けられた、空隙を有する加熱用ヒー
タと、前記プラズマ発生用電極に接続された、周波数6
0MHz以上のプラズマ中のラジカル構成比制御用高周
波電源とを具備することを特徴とするプラズマ化学蒸着
装置である。
【0011】本願第2の発明は、真空容器と、この真空
容器に反応ガスを導入して排出する手段と、前記真空容
器内に配置され、上部に基板を支持した接地電極と、前
記真空容器内に前記接地電極と対向するように配置され
たプラズマ発生用電極と、前記プラズマ発生用電極と基
板との間に設けられた、空隙を有する加熱用ヒータと、
前記プラズマ発生用電極に接続され、該プラズマ発生用
電極に高周波電力を間欠的に供給可能なプラズマ中のラ
ジカル構成比制御用高周波電源とを具備することを特徴
とするプラズマ化学蒸着装置である。
【0012】第1の発明において、前記プラズマ発生用
電極に接続する高周波電源として、放電周波数60MH
z以上200MHz以下の電源が挙げられる。一方、第
2の発明において、前記プラズマ発生用電極に接続する
高周波電源として、変調周波数100〜10KHz、デ
ューティ{=放電ON時間/(放電ON時間+放電OF
F時間)}20〜80%の電源が挙げられる。
【0013】第1,第2の発明において、前記加熱用ヒ
ータは、少なくとも3mm以上望ましくは5mm以上の
空隙を有することが好ましい。また、第1,第2の発明
において、前記加熱用ヒータは、少なくとも3mm以上
望ましくは5mm以上の空隙を有するとともに、薄膜を
形成する基板と垂直方向に少なくとも5mm以上の距離
をおいて配置された複数の長尺加熱ヒータ板から構成さ
れていることが好ましい。
【0014】[作用]プラズマ発生用電極と基板との間
に、空隙を有する加熱用ヒータの空隙を3mm以上とす
ることにより、ヒータの目詰まりによる成膜速度の低減
割合を改善することができる。この理由は、以下の通り
である。
【0015】本発明者らは、まず、例えばワイヤ状のヒ
ータに対して、成膜基板での成膜速度に比例した速度で
膜が付着し、ヒータの開口率が低下するモデルにて成膜
速度の低下割合が説明できることを見出した。
【0016】図5に、基板での積算膜厚100μmの場
合の、ワイヤ間隔に対する成膜速度維持割合(=積算膜
厚100μm後の成膜速度/初期成膜速度)を示す。3
mm以上の間隔であれば、90%以上の成膜速度を維持
できることが判る。従って、3mm以上の間隔とするこ
とにより、ヒータの目詰まりによる成膜速度の低減割合
を改善することができ、実用的に大きなメリットが得ら
れる。
【0017】また、薄膜を形成する基板と垂直方向に少
なくとも5mm以上の幅を有するルーバー形状において
は、30〜50メッシュのメッシュヒータと同程度にコ
ンダクタンスが小さくなり、膜の低欠陥化に必要なプラ
ズマ遮蔽効果を有する。
【0018】次に、高品質膜を高成膜速度(例えば0.
5nm/s)にて成膜できる方法について説明する。単
純にワイヤ間隔を広げるのみで成膜速度の増加(例えば
0.5nm/s以上)を図ろうとすると、プラズマ密度
の増加に伴いプラズマとヒータとの境界厚さがワイヤ間
隔の1/2よりも小さくなり、プラズマがワイヤ間から
漏れて基板に直接接する状態になる。
【0019】その結果、電極近傍で発生したプラズマが
メッシュの隙間から漏れて成膜基板に直接接するので、
膜質を悪化させる短寿命のラジカルも基板に付着し、そ
の結果膜低欠陥ができなくなる。
【0020】そこで、本発明者らは、プラズマがヒータ
の隙間から漏れる状態であっても、次の条件を満足すれ
ば、高品質膜(例えば、Constant Photo-current M
ehtod による測定で膜欠陥密度1×1015個/cc未
満)が成膜可能であることを見出した。それは、基板と
電極の間にヒータを配置してラジカルに熱エネルギーを
与えると同時に、プラズマ生成用の電源として周波数6
0MHz以上の高周波電源又は高周波電力を間欠的に供
給できる電源を使用することにより、電極にて生成され
るプラズマを制御して高品質膜に寄与する長寿命ラジカ
ル(例えばSiH3 )を増加させ、逆に膜質を悪化させ
る短寿命ラジカル(例えばSiH,SiH2 )を減少さ
せることである。ここで重要な点は、ラジカルへの熱エ
ネルギー供給と、基板に付着するラジカルの構成比制御
が同時に成立しなければならない点にある。
【0021】まず、図7に、ヒータの表面温度と成膜に
関与するSiHラジカルの回転温度の計測例を示す。S
iHラジカルの回転温度は、レーザ誘起蛍光法によって
計測した。SiHラジカルの回転温度はヒータの表面温
度とともに上昇しており、ヒータによって成膜に関与す
るラジカルへ熱エネルギーが供給されていることが確認
できる。
【0022】次に、図8に、放電ガスとしてSiH4
ス50mTorrを選び、従来広く使用されている周波
数13.56MHzの連続放電で生成したプラズマと、
周波数60MHzの連続放電、及び13.56MHzを
変調周波数1kHz、デューティ{=放電ON時間/
(放電ON時間+放電OFF時間)}50%にて生成
(以下、パルス変調放電と呼ぶ)したプラズマに対する
SiH3 ,SiH2 ,SiHラジカル密度及び構成比を
計算した結果を示す。
【0023】従来広く使用されている(a) 13.56M
Hz連続放電と比較して、(b) 周波数60MHzの連続
放電、及び(c) 13.56MHzのパルス変調放電で
は、SiH3 ラジカルの構成比が増加していると同時に
絶対量もほとんど変わらない、もしくは増加しており、
ラジカル構成比の制御が言い換えると、高品質膜に寄与
する長寿命ラジカル(例えばSiH3 )を増加させ、逆
に膜質を悪化させる短寿命ラジカル(例えば、SiH,
SiH2 )を減少させることが可能であることを示して
いる。即ち、放電周波数が高くなると、プラズマの電子
温度が低下し、SiH3 ラジカルの構成比が増加する傾
向があるが、高すぎると高周波電界による電子の加速が
不充分となり、電離しにくくなるため200MHz程度
が上限となる。また、デューティに関しては経験的に2
0〜80%の範囲が適用することができる。
【0024】以上を両立させることにより、高品質膜
(例えば、Constant Photo-currentMehtod による測
定で膜欠陥密度1×1015個/cc未満)を成膜するこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るプラ
ズマ化学蒸着装置について図面を参照して説明する。 (実施例1)図1を参照する。図中の付番1は真空容器
であり、該真空容器1内にはプラズマを発生させるため
のプラズマ発生用電極2と接地電極3が互いに対向する
ように上下に配置されている。前記プラズマ発生用電極
2には、高周波電源4がインピーダンスマッチング回路
5、第1の高周波ケーブル6及び電力導入端子7を介し
て接続されている。前記高周波電源4から前記プラズマ
発生用電極2に、周波数60NHz以上200MHz以
下の電力が供給される。前記接地電極3は、真空容器1
及び第2の高周波ケーブル8を介してアース9に接続さ
れている。前記インピーダンスマッチング回路5の接地
側端子は、第3の高周波ケーブル10により真空容器1に
接続されている。
【0026】真空容器1内には、流量計を有するボンベ
(図示せず)から、反応ガス導入管11を通して、例えば
モノシランと水素との混合ガスが供給される。真空容器
1内のガスは、排気管12を通して真空ポンプ(図示せ
ず)により排気される。前記接地電極3上には、基板13
が、プラズマ発生用電極2と平行に、即ちプラズマ発生
用電極2,接地電極3により発生する電界に直交するよ
うに配置されている。前記接地基板3の真上には、プラ
ズマ中のラジカル(活性種)を加熱するためのメッシュ
状(又はワイヤ状)のラジカル加熱用ヒータ14が配置さ
れている。このヒータ14には、ヒータ加熱用交流電源15
が接続されている。
【0027】こうした構成の化学蒸着装置において、基
板13上に薄膜を形成するには次のように行う。まず、真
空ポンプ(図示せず)を用いて真空容器1内を排気す
る。その後、反応ガス導入管11を通して、例えばモノシ
ランと水素との混合ガスを真空容器1内に供給し、真空
容器1内の圧力を0.05〜0.5Torrに保ち、高
周波電源4からプラズマ発生用電極2,接地電極3間に
電圧を印加する。この結果、上記高周波電源4による電
界で、プラズマ発生用電極2,接地電極3間にグロー放
電プラズマが点火、維持される。放電投入電力密度とし
ては0.1〜1.5W/cm2 である。このプラズマに
より、非晶質又は微結晶薄膜を形成する良質なラジカル
が多く生成される。同時に、ラジカル加熱用ヒータ14を
通電加熱する(例えば表面温度400℃程度)ことによ
り、ラジカルに熱エネルギーが与えられる。その結果、
基板13の表面に高品質な非晶質又は微結晶薄膜が安定し
て形成される。
【0028】上記実施例1で重要な点は、ラジカルへの
熱エネルギー供給と、基板に付着するラジカルの構成比
制御が同時に成立しなければならない点にある。図2に
次の(a) 〜(d) の4種類の膜に対して、成膜速度とCon
stant Photo-current Method による測定で求めた膜
欠陥密度の測定値を示す。
【0029】(a) 従来の狭い間隔(=0.5mm程度)
のメッシュ状ヒータを通電加熱(表面温度400℃程
度)し、かつ従来の高周波電源(周波数13.56MH
z)を用いた連続放電により形成した膜。
【0030】(b) 間隔の大きなヒータ(間隔5mm程
度)を通電加熱(表面温度400℃程度)し、かつ従来
の高周波電源(周波数13.56MHz)を用いた連続
放電により形成した膜。
【0031】(c) 間隔の大きなヒータ14を通電加熱せず
室温状態で、かつ周波数60MHzの高周波電源4を用
いた連続放電により形成した膜。 (d) 間隔の大きなヒータ14を通電加熱(表面温度400
℃程度)し、かつ周波数60MHzの高周波電源4を用
いた連続放電により形成した膜。
【0032】この様に、本発明(上記(d) の場合)によ
り、膜欠陥密度3×1014個/ccの高品質膜を成膜速
度0.6nm/sという高速度で成膜することができ
た。図3は、積算膜厚に対する成膜速度の変化を相対値
で示したものである。図3には、比較のため、線径50
μmで30メッシュ(メッシュ間隔:約0.5mm)の
ステンレス製の金網を原料ガス加熱ヒータとして用いた
装置の結果も併せて示す。なお、図3中の(イ)は実施
例1に係る成膜速度の変化を、(ロ)は比較例に係る成
膜変化速度の変化を示す。
【0033】ステンレス製の金網を原料ガス加熱ヒータ
として用いた比較例では、メッシュの閉塞のため、積算
膜厚の増加とともに成膜速度が低下したのに対し、本実
施例1では、積算膜厚3万nmでも成膜速度の低下は3
%であり、実質的に成膜速度の低下は全く問題にならな
いことが確認された。
【0034】図4〜図6は、前記ラジカル加熱用ヒータ
14の形状例を示す。即ち、図4は、直径1mmで5mm
ピッチのワイヤーヒータ型、図5は直径1mmのワイヤ
を5mmピッチで千鳥に2列に配置したワイヤーヒータ
千鳥型、図6は厚さ1mmで薄膜を形成する基板と直角
方向の長さが少なくとも5mm以上望ましくは10mm
前後としたルーバ型である。前記ヒータ14の間隔は、図
7に示す如く少なくとも3mm以上、望ましくは5mm
以上が適性である。
【0035】(実施例2)図6を参照する。但し、本実
施例2に係るプラズマ化学蒸着装置は、図1のそれと比
べ、プラズマ発生用電極2に印加する放電用電源が異な
るのみであり、図1と同部材は同符号を付して説明を省
略し、要部のみを説明する。
【0036】図中の付番16は、高周波電力(例えば、1
3.56MHz以上200MHz以下)を間欠的に供給
できるパルス変調放電電源である。このパルス変調放電
電源16は、例えば変調周波数100〜10KHz、デュ
ーティ20〜80%である。こうした構成のプラズマ化
学蒸着装置においても、図1の装置と同様、ヒータ目詰
まりによる成膜速度の低減割合が改善されるともに、高
品質膜を高成膜速度にて成膜できる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、a
−Si薄膜形成方法における課題を解決するためになさ
れたもので、ラジカル加熱及びプラズマ隔離の機能を有
しており、低欠陥a−Si薄膜の形成が可能で、しかも
成膜速度の低下を抑制しえるプラズマ化学蒸着装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るプラズマ化学蒸着装置
の説明図。
【図2】本発明の実施例1に係るプラズマ化学蒸着装置
における成膜速度と膜欠陥密度との関係を示す特性図。
【図3】本発明の実施例1に係るプラズマ化学蒸着装置
と従来装置による成膜速度の比較を示す特性図。
【図4】本発明に係るプラズマ化学蒸着装置に使用され
るラジカル加熱用ヒータの構造例を示し、図4(A)は
ワイヤヒータ型、図4(B)はワイヤヒータ千鳥型、図
4(C)はルーバ型を夫々示す。
【図5】本発明の実施例1のプラズマ化学蒸着装置に係
るラジカル加熱用ヒータの間隔に対する成膜速度維持割
合の結果を示す特性図。
【図6】本発明の実施例2に係るプラズマ化学蒸着装置
の説明図。
【図7】本発明のプラズマ化学蒸着装置におけるヒータ
表面温度とSiHラジカル回転温度との関係を示す特性
図。
【図8】本発明のプラズマ化学蒸着装置における放電様
式とSiH3 、SiH2 、SiHラジカル密度計算結果
を示す特性図。
【図9】従来のプラズマCVD装置の説明図。
【符号の説明】
1…真空容器、 2…プラズマ発生用電極、 3…接地電極、 4…高周波電源、 5…インピーダンス整合器、 6…第1の高周波ケーブル、 7…電力導入端子、 8…第2の高周波ケーブル、 9…アース、 10…第3の高周波ケーブル、 11…ラジカルガス導入管、 12…排気管、 13…基板、 14…ラジカル加熱用ヒータ、 15…ヒータ加熱用交流電源、 16…パルス変調放電電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 正義 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 大嶋 一晃 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器に反応ガスを
    導入して排出する手段と、前記真空容器内に配置され、
    上部に基板を支持した接地電極と、前記真空容器内に前
    記接地電極と対向するように配置されたプラズマ発生用
    電極と、前記プラズマ発生用電極と基板との間に設けら
    れた、空隙を有する加熱用ヒータと、前記プラズマ発生
    用電極に接続された、周波数60MHz以上のプラズマ
    中のラジカル構成比制御用高周波電源とを具備すること
    を特徴とするプラズマ化学蒸着装置。
  2. 【請求項2】 真空容器と、この真空容器に反応ガスを
    導入して排出する手段と、前記真空容器内に配置され、
    上部に基板を支持した接地電極と、前記真空容器内に前
    記接地電極と対向するように配置されたプラズマ発生用
    電極と、前記プラズマ発生用電極と基板との間に設けら
    れた、空隙を有する加熱用ヒータと、前記プラズマ発生
    用電極に接続され、該プラズマ発生用電極に高周波電力
    を間欠的に供給可能なプラズマ中のラジカル構成比制御
    用高周波電源とを具備することを特徴とするプラズマ化
    学蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱用ヒータは、少なくとも3mm
    以上の空隙を有することを特徴とする請求項1又は2記
    載のプラズマ化学蒸着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱用ヒータは、少なくとも3mm
    以上の空隙を有するとともに、前記基板と垂直方向に少
    なくとも5mm以上の距離をおいて配置された複数の長
    尺加熱ヒータ板から構成されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載のプラズマ化学蒸着装置。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ発生用電極に接続する高周
    波電源として、放電周波数60MHz以上200MHz
    以下の電源を用いることを特徴とする請求項1記載のプ
    ラズマ化学蒸着装置。
  6. 【請求項6】 前記プラズマ発生用電極に接続する高周
    波電源として、変調周波数100〜10KHz、デュー
    ティ{=放電ON時間/(放電ON時間+放電OFF時
    間)}20〜80%の電源を用いることを特徴とする請
    求項2記載のプラズマ化学蒸着装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399072B1 (en) 1996-03-13 2002-06-04 Archer Daniels Midland Company Method of preparing and using isoflavones for the treatment of alcoholism
KR101105420B1 (ko) 2010-02-03 2012-01-17 성균관대학교산학협력단 플라즈마 기판 처리 장치 및 방법
JPWO2018150452A1 (ja) * 2017-02-14 2019-11-07 東芝三菱電機産業システム株式会社 窒化膜成膜方法

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