JPH10311814A - 差動型センサの出力補正方法および濃度測定装置 - Google Patents

差動型センサの出力補正方法および濃度測定装置

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JPH10311814A
JPH10311814A JP9119497A JP11949797A JPH10311814A JP H10311814 A JPH10311814 A JP H10311814A JP 9119497 A JP9119497 A JP 9119497A JP 11949797 A JP11949797 A JP 11949797A JP H10311814 A JPH10311814 A JP H10311814A
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signal
measured
sensor
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JP9119497A
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Hidetaka Fujimura
英隆 藤村
Yasushi Tomota
恭嗣 友田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差動型センサの両センサの出力レベルのずれ
に起因する信号による影響を補償して正確な濃度測定を
行う。 【解決手段】 測定対象物質の濃度を測定する測定用セ
ンサと測定用センサの出力を補正するための補正用セン
サとを有する差動型センサを用い、かつ両センサからの
出力信号の差を測定信号として出力することにより測定
対象物質の濃度を測定するに当って、測定対象物質の影
響を受ける前に差動型センサの両センサから出力される
出力信号どうしの差を補正用信号として記憶しておき、
測定対象物質の影響を受けた状態で差動型センサの両セ
ンサから出力される出力信号どうしの差を算出するとと
もに、算出された差を記憶されている補正用信号で補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は差動型センサの出
力補正方法および濃度測定装置に関し、さらに詳細にい
えば、差動型センサを構成する各センサ間のばらつきな
どに起因する誤差を補正する方法、および差動型センサ
を用い、かつ差動型センサの上記誤差を補正するように
した濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、測定対象物質の濃度を測定す
るに当って、一対のセンサを有し、かつ一方のセンサの
みが測定対象物質の影響を受けるように構成した差動型
センサを用い、両センサからの出力信号どうしの差を算
出し、差信号に基づいて測定対象物質の濃度を測定する
構成が採用されている。ここで、一対のセンサは、例え
ば、絶縁性基板の表面に薄膜からなる下地電極を形成
し、下地電極を覆うように、生理活性物質を含む生理活
性物質膜、測定対象溶液に含まれる妨害物質の影響を排
除する妨害物質分離膜をこの順に形成することにより構
成されている。ただし、生理活性物質膜は一方のセンサ
のみに形成され、他方のセンサには、生理活性物質を含
まないほかは生理活性物質膜と同じ組成の膜が形成され
る。
【0003】この構成を採用すれば、両センサからの出
力信号どうしの差を算出することにより、測定対象物質
の影響に起因する信号のみを得ることができ、測定対象
物質の濃度を正確に測定することができると思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、差動型センサ
を構成する各センサの膜厚、膜質が完全に一致すること
は殆ど期待できない。そして、各センサの膜厚、膜質に
差が存在すれば、両センサの出力レベルにずれが生じる
ので、測定対象物質の影響に起因する信号と出力レベル
のずれに起因する信号とが加算された信号が差信号とし
て得られることになる。
【0005】このような差信号が得られた場合であって
も、測定対象物質の濃度が高ければ測定対象物質の影響
に起因する信号が出力レベルのずれに起因する信号と比
較して著しく大きいのであるから、出力レベルのずれに
起因する信号の影響を殆ど受けず、測定対象物質の濃度
を正確に測定することができる。しかし、測定対象物質
の濃度が低い場合には、測定対象物質の影響に起因する
信号が小さくなり、出力レベルのずれに起因する信号の
影響が大きくなって、測定対象物質の濃度を正確には測
定することができなくなってしまうという不都合があ
る。この不都合は、測定対象物質が人体の健康/病気を
判定するためのものである場合に、到底無視し得ないも
のになる。具体的には、測定対象物質が低濃度の場合の
出力信号に対して10%程度の誤差が存在することにな
り、人体が健康であるにも拘らず病気であると判定して
しまうことになる。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、差動型センサの両センサの出力レベルの
ずれに起因する信号による影響を補償して正確な濃度測
定を行うことができるようにするための差動型センサの
出力補正方法および差動型センサを用いる濃度測定装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の差動型センサ
の出力補正方法は、測定対象物質の濃度を測定する測定
用センサと測定用センサの出力を補正するための補正用
センサとを有する差動型センサを用い、かつ両センサか
らの出力信号の差を測定信号として出力することにより
測定対象物質の濃度を測定するに当って、測定対象物質
の影響を受ける前に差動型センサの両センサから出力さ
れる出力信号どうしの差を補正用信号として記憶してお
き、測定対象物質の影響を受けた状態で差動型センサの
両センサから出力される出力信号どうしの差を算出する
とともに、算出された差を記憶されている補正用信号で
補正する方法である。
【0008】請求項2の差動型センサの出力補正方法
は、補正用信号として、測定用センサが測定対象物質の
影響を受ける前に差動型センサの両センサから出力され
る出力信号どうしの差のうち、最小値を採用する方法で
ある。請求項3の差動型センサの出力補正方法は、補正
用信号として、測定用センサが測定対象物質の影響を受
ける前の所定時間範囲に差動型センサの両センサから出
力される出力信号どうしの差の平均値を採用する方法で
ある。
【0009】請求項4の差動型センサの出力補正方法
は、補正用信号として、測定用センサが測定対象物質の
影響を受ける前であって、差動型センサの両センサから
出力される出力信号どうしの差の変極点に先行する所定
時間範囲に、差動型センサの両センサから出力される出
力信号どうしの差の平均値を採用する方法である。請求
項5の濃度測定装置は、測定対象物質の濃度を測定する
測定用センサと測定用センサの出力を補正するための補
正用センサとを有する差動型センサを用い、かつ両セン
サからの出力信号の差を測定信号として出力することに
より測定対象物質の濃度を測定するものにおいて、測定
対象物質の影響を受ける前に差動型センサの両センサか
ら出力される出力信号どうしの差を補正用信号として記
憶しておく補正用信号記憶手段と、測定対象物質の影響
を受けた状態で差動型センサの両センサから出力される
出力信号どうしの差を算出する差算出手段と、算出され
た差を記憶されている補正用信号で補正する補正手段と
を含むものである。
【0010】請求項6の濃度測定装置は、補正用信号記
憶手段として、測定用センサが測定対象物質の影響を受
ける前に差動型センサの両センサから出力される出力信
号どうしの差のうち、最小値を補正用信号として記憶す
るものを採用するものである。請求項7の濃度測定装置
は、補正用信号記憶手段として、測定用センサが測定対
象物質の影響を受ける前の所定時間範囲に差動型センサ
の両センサから出力される出力信号どうしの差の平均値
を補正用信号として記憶するものを採用するものであ
る。
【0011】請求項8の濃度測定装置は、補正用信号記
憶手段として、測定用センサが測定対象物質の影響を受
ける前であって、差動型センサの両センサから出力され
る出力信号どうしの差の変極点に先行する所定時間範囲
に、差動型センサの両センサから出力される出力信号ど
うしの差の平均値を補正用信号として記憶するものを採
用するものである。
【0012】
【作用】請求項1の差動型センサの出力補正方法であれ
ば、測定対象物質の濃度を測定する測定用センサと測定
用センサの出力を補正するための補正用センサとを有す
る差動型センサを用い、かつ両センサからの出力信号の
差を測定信号として出力することにより測定対象物質の
濃度を測定するに当って、測定対象物質の影響を受ける
前に差動型センサの両センサから出力される出力信号ど
うしの差を補正用信号として記憶しておき、測定対象物
質の影響を受けた状態で差動型センサの両センサから出
力される出力信号どうしの差を算出するとともに、算出
された差を記憶されている補正用信号で補正するのであ
るから、差動型センサの両センサの出力レベルのずれに
起因する信号の影響を排除して測定対象物質の濃度を正
確に測定することができる。
【0013】請求項2の差動型センサの出力補正方法で
あれば、補正用信号として、測定用センサが測定対象物
質の影響を受ける前に差動型センサの両センサから出力
される出力信号どうしの差のうち、最小値を採用するの
であるから、請求項1と同様の作用を達成することがで
きる。請求項3の差動型センサの出力補正方法であれ
ば、補正用信号として、測定用センサが測定対象物質の
影響を受ける前の所定時間範囲に差動型センサの両セン
サから出力される出力信号どうしの差の平均値を採用す
るのであるから、請求項1と同様の作用を達成すること
ができる。
【0014】請求項4の差動型センサの出力補正方法で
あれば、補正用信号として、測定用センサが測定対象物
質の影響を受ける前であって、差動型センサの両センサ
から出力される出力信号どうしの差の変極点に先行する
所定時間範囲に、差動型センサの両センサから出力され
る出力信号どうしの差の平均値を採用するのであるか
ら、請求項1と同様の作用を達成することができる。
【0015】請求項5の濃度測定装置であれば、測定対
象物質の濃度を測定する測定用センサと測定用センサの
出力を補正するための補正用センサとを有する差動型セ
ンサを用い、かつ両センサからの出力信号の差を測定信
号として出力することにより測定対象物質の濃度を測定
するに当って、補正用信号記憶手段によって、測定対象
物質の影響を受ける前に差動型センサの両センサから出
力される出力信号どうしの差を補正用信号として記憶し
ておき、差算出手段によって、測定対象物質の影響を受
けた状態で差動型センサの両センサから出力される出力
信号どうしの差を算出し、補正手段によって、算出され
た差を記憶されている補正用信号で補正する。したがっ
て、差動型センサの両センサの出力レベルのずれに起因
する信号の影響を排除して測定対象物質の濃度を正確に
測定することができる。
【0016】請求項6の濃度測定装置であれば、補正用
信号記憶手段として、測定用センサが測定対象物質の影
響を受ける前に差動型センサの両センサから出力される
出力信号どうしの差のうち、最小値を補正用信号として
記憶するものを採用するのであるから、請求項5と同様
の作用を達成することができる。請求項7の濃度測定装
置であれば、補正用信号記憶手段として、測定用センサ
が測定対象物質の影響を受ける前の所定時間範囲に差動
型センサの両センサから出力される出力信号どうしの差
の平均値を補正用信号として記憶するものを採用するの
であるから、請求項5と同様の作用を達成することがで
きる。
【0017】請求項8に記載の濃度測定装置であれば、
補正用信号記憶手段として、測定用センサが測定対象物
質の影響を受ける前であって、差動型センサの両センサ
から出力される出力信号どうしの差の変極点に先行する
所定時間範囲に、差動型センサの両センサから出力され
る出力信号どうしの差の平均値を補正用信号として記憶
するものを採用するのであるから、請求項5と同様の作
用を達成することができる。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、添付図面を参照しながらこ
の発明の差動型センサの出力補正方法および濃度測定装
置の実施の態様を詳細に説明する。図1は差動型センサ
の一例を示す平面図である。この差動型センサは、プラ
スチックス、セラミックスなどからなる所定形状の絶縁
性基板1a上に、印刷技術を用いて一対の作用極1d、
1つの参照極1b、3つの対極1cを形成している。そ
して、一方の作用極1dおよび対応する対極1cを覆う
ように酵素層(図示せず)を形成している。ここで、酵
素の種類は測定対象物質に基づいて定められる。また、
酵素反応以外の反応により測定対象物質の測定を行う場
合には、酵素以外の物質(例えば、抗原抗体反応を用い
る場合には、抗原もしくは抗体)を含む層を採用すれば
よい。したがって、これらの層を測定対象物質反応層と
称することができる。また、他方の作用極1dおよび対
応する対極1cを覆うように層(図示せず)を形成して
いる。この層は、酵素など、測定対象物質の影響を受け
る物質を含んでいないほかは酵素層と同じ組成である。
さらに、1b1、1c1、1d1は引き出し端子であ
り、1b2、1c2、1d2は各引き出し端子と対応す
る極とを接続する配線パターンである。また、一方の作
用極1dおよび対応する対極1cおよび酵素膜で測定用
センサが構成され、他方の作用極1dおよび対応する対
極1cおよび層で補正用センサが構成される。
【0019】図2はこの発明の濃度測定装置の一実施態
様を示すブロック図である。この濃度測定装置は、差動
型センサ1と、差動型センサ1の両作用極1dから出力
される出力信号を入力として両者の差(差信号)を算出
する差算出部2と、差動型センサ1に対して、バイアス
電圧を印加するバイアス電圧印加部3と、第1バイアス
電圧印加後の経過時間を計測する経過時間計測部4と、
差算出部2により算出された差信号から補正用信号を抽
出して記憶する補正用信号記憶部5と、差算出部2によ
り算出された差信号から測定対象物質の濃度を測定する
ための信号(測定信号)を抽出する測定信号抽出部6
と、測定信号抽出部6により抽出された測定信号を補正
用信号により補正して補正信号を算出する補正部7と、
補正信号に基づいて測定対象物質の濃度を測定する濃度
測定部8とを有している。
【0020】前記バイアス電圧印加部3は、参照極1b
を基準として作用極1dに対して単調に変化するバイア
ス電圧(例えば、−0.4Vから1.5Vまで単調に変
化するバイアス電圧)を印加するものである。このよう
にバイアス電圧を単調に変化させれば、作用極1dの表
面の酸化層などを除去して作用極1dを活性化し、その
後、例えば、酵素反応により生成され、または消失され
る物質(例えば、過酸化水素など)を酸化し、もしくは
還元することができ、酸化もしくは還元される物質の量
に対応する信号(電流信号)が各センサから出力され
る。
【0021】前記補正用信号記憶部5は、一方の作用極
1dが測定対象物質の影響を受ける前に差動型センサ1
の両作用極1dから出力される出力信号どうしの差を補
正用信号として記憶するものである。さらに詳細に説明
すると、経過時間計測部4により第1の所定時間(例え
ば、5秒であり、第2バイアス電圧の印加による影響が
ある程度少なくなるまでの時間)が経過したことを検出
した後、差信号(一方の作用極1dからの出力信号から
他方の作用極1dからの出力信号を減算して得た信号)
の最小値を得て、補正用信号として記憶する。ただし、
第1の所定時間が経過したことを検出した後、第2の所
定時間(例えば、5〜8秒間)の間に得られる差信号の
平均値を得て、補正用信号として記憶するようにしても
よく、また、第1の所定時間が経過したことを検出した
後、差信号の変極点を検出し、変極点に先行する第3の
所定時間(例えば、1秒間)の間に得られる差信号の平
均値を得て、補正用信号として記憶するようにしてもよ
い。
【0022】前記測定信号抽出部6は、差動型センサ1
の両作用極1dから出力される出力信号どうしの差の最
大値を測定信号として抽出するものである。前記補正部
7は、測定信号から補正用信号を減算して補正信号を出
力するものである。前記濃度測定部8は、補正信号を予
め得られている検量線に適用することにより測定対象物
質の濃度を得るものである。
【0023】上記の構成の濃度測定装置の作用は次のと
おりである。差動型センサ1を用いて測定対象物質の濃
度の測定を行うに当って、バイアス電圧印加部3により
差動型センサ1に対して単調に変化するバイアス電圧を
印加して、初期のバイアス電圧により電極リフレッシュ
を行わせる。そして、バイアス電圧の印加開始から所定
時間が経過した後であって、差動型センサ1を測定対象
物質を含む溶液に接触させる前に、差算出部2によっ
て、差動型センサ1の両作用極から出力される出力信号
を入力として両者の差(差信号)を算出し、補正用信号
記憶部5によって、差算出部2により算出された差信号
から補正用信号を抽出して記憶する。
【0024】その後、差動型センサ1を測定対象物質を
含む溶液に接触させ、差算出部2によって、差動型セン
サ1の両作用極1dから出力される出力信号を入力とし
て両者の差(差信号)を算出し、測定信号抽出部6によ
って、差算出部2により算出された差信号から測定対象
物質の濃度を測定するための信号(測定信号)を抽出す
る。そして、補正部7によって、測定信号抽出部6によ
り抽出された測定信号を補正用信号により補正して補正
信号を算出し、濃度測定部8によって、補正信号に基づ
いて測定対象物質の濃度を測定する。
【0025】したがって、差動型センサ1の両センサの
出力レベルのずれに起因する信号の影響を排除して測定
対象物質の濃度を正確に測定することができる。さらに
詳細に説明する。差動型センサ1の一対の作用極1dか
ら出力される出力電流は、例えば、図3に示すように、
作用極1dに印加されるバイアス電圧の増加に伴って増
加し、差動型センサ1を測定対象物質を含む溶液と接触
させることにより、一方の作用極1dから出力される出
力電流が急激に増加する。
【0026】ここで、差動型センサ1を測定対象物質を
含む溶液と接触させる前においては、両作用極1dから
出力される出力電流は互いに等しくはないものの、同様
に増加する。したがって、この状態における出力電流ど
うしの差が差動型センサの両センサの出力レベルのずれ
に起因する信号であるから、この差を補正用信号として
記憶しておき、測定信号をこの補正用信号を用いて補正
し、補正信号に基づいて測定対象物質の濃度を正確に測
定することができる。したがって、測定対象物質の濃度
が低い場合であっても、測定対象物質の濃度を正確に測
定することができる。
【0027】また、差算出部2により算出される差電流
は、バイアス電圧の増加に伴って図4に示すように変化
することが実験的に確認された。この差電流の変化を見
れば、前回の測定の影響によるものと推定されるように
当初の差電流が大きく、徐々に小さくなっていることが
分かる。したがって、差電流の最小値を補正用信号とし
て採用することが好ましい。しかし、前述のように平均
値を補正用信号としてもよいことはもちろんである。
【0028】図5はこの発明の差動型センサの出力補正
方法の一実施態様を説明するフローチャートである。ス
テップSP1において、単調に変化するバイアス電圧の印
加開始から第1の所定時間(例えば、5秒間)が経過す
るまで待ち、ステップSP2において、差動型センサ1の
一方の作用極(測定対象物質の影響を受ける作用極)か
ら出力される出力信号W1と他方の作用極から出力され
る出力信号W2との差W1−W2が既に得られている差
の最小値Iminよりも小さいか否かを判定し、差W1
−W2が差の最小値Iminよりも小さいと判定された
場合には、ステップSP3において、算出された差W1−
W2を差の最小値Iminとして設定し、再びステップ
SP2の判定を行う。したがって、最終的に設定された最
小値Iminが補正用信号となる。
【0029】ステップSP2において差W1−W2が差の
最小値Imin以上であると判定された場合には、ステ
ップSP4において、測定信号が得られたか否か、すなわ
ち、差W1−W2のピーク値Ipが確定したか否かを判
定し、ピーク値Ipが確定していないと判定された場合
には、ステップSP5において、ピーク値を計算し、再び
ステップSP2の判定を行う。
【0030】ステップSP4において、ピーク値Ipが確
定したと判定された場合には、ステップSP6において、
ピーク値Ipから最小値Iminを減算することにより
出力補正を行なって補正信号を得る。以上のようにして
補正信号が得られた後は、この補正信号を検量線に適用
することなどにより、測定対象物質の濃度を測定するこ
とができる。
【0031】図6はこの発明の差動型センサの出力補正
方法の他の実施態様を説明するフローチャートである。
ステップSP1において、単調に変化するバイアス電圧の
印加開始から第1の所定時間(例えば、5秒間)が経過
するまで待ち、ステップSP2において、第2の所定時間
(例えば、5〜8秒の期間)に、差動型センサ1の一方
の作用極から出力される出力信号W1と他方の作用極か
ら出力される出力信号W2との差W1−W2の平均値I
aveを算出する。この平均値Iaveが補正用信号と
なる。
【0032】そして、ステップSP3において、測定信号
が得られたか否か、すなわち、差W1−W2のピーク値
Ipが確定したか否かを判定し、ピーク値Ipが確定し
ていないと判定された場合には、ステップSP4におい
て、ピーク値を計算し、再びステップSP3の判定を行
う。ステップSP3において、ピーク値Ipが確定したと
判定された場合には、ステップSP5において、ピーク値
Ipから平均値Iaveを減算することにより出力補正
を行なって補正信号を得る。
【0033】以上のようにして補正信号が得られた後
は、この補正信号を検量線に適用することなどにより、
測定対象物質の濃度を測定することができる。図7はこ
の発明の差動型センサの出力補正方法のさらに他の実施
態様を説明するフローチャートである。ステップSP1に
おいて、単調に変化するバイアス電圧の印加開始から第
1の所定時間(例えば、5秒間)が経過するまで待ち、
ステップSP2において、差動型センサ1の一方の作用極
から出力される出力信号W1と他方の作用極から出力さ
れる出力信号W2との差W1−W2の傾きが0に近い正
の所定値以上になるまで待ち(変極点が検出されるまで
待ち)、ステップSP3において、変極点以前の第3の所
定時間(例えば、1秒の期間)に、差動型センサ1の一
方の作用極から出力される出力信号W1と他方の作用極
から出力される出力信号W2との差W1−W2の平均値
Iaveを算出する。この平均値Iaveが補正用信号
となる。
【0034】そして、ステップSP4において、測定信号
が得られたか否か、すなわち、差W1−W2のピーク値
Ipが確定したか否かを判定し、ピーク値Ipが確定し
ていないと判定された場合には、ステップSP5におい
て、ピーク値を計算し、再びステップSP4の判定を行
う。ステップSP4において、ピーク値Ipが確定したと
判定された場合には、ステップSP6において、ピーク値
Ipから平均値Iaveを減算することにより出力補正
を行なって補正信号を得る。
【0035】以上のようにして補正信号が得られた後
は、この補正信号を検量線に適用することなどにより、
測定対象物質の濃度を測定することができる。図8、お
よび図9は互いに異なる製造ロットの差動型センサを用
いて測定対象物質(グルコース)の濃度が100mg/
dlの溶液の測定を行った場合の出力電流の変化を示す
図である。
【0036】これらの出力電流を用い、かつ従来方法、
図5〜図7の方法をそれぞれ用いて得られた測定信号
は、それぞれ表1、表2に示すとおりであった。なお、
両表中において、no.はそれぞれの製造ロットの差動
型センサを示す番号、未処理出力は従来方法による測定
信号、補正出力1〜3はそれぞれ図5〜図7の方法によ
る測定信号、SDは標準偏差をそれぞれ示している。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】両表から明らかなように、従来方法により
得られた測定信号と比較して、図5〜図7の方法をそれ
ぞれ用いて得られた測定信号がかなり大きくなってお
り、より正確な測定信号が得られていることが分かる。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明は、差動型センサの両セ
ンサの出力レベルのずれに起因する信号の影響を排除し
て測定対象物質の濃度を正確に測定することができると
いう特有の効果を奏する。請求項2の発明は、請求項1
と同様の効果を奏する。
【0041】請求項3の発明は、請求項1と同様の効果
を奏する。請求項4の発明は、請求項1と同様の効果を
奏する。請求項5の発明は、差動型センサの両センサの
出力レベルのずれに起因する信号の影響を排除して測定
対象物質の濃度を正確に測定することができるという特
有の効果を奏する。
【0042】請求項6の発明は、請求項5と同様の効果
を奏する。請求項7の発明は、請求項5と同様の効果を
奏する。請求項8の発明は、請求項5と同様の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】差動型センサの一例を示す平面図である。
【図2】この発明の濃度測定装置の一実施態様を示すブ
ロック図である。
【図3】差動型センサの一対の作用極から出力される出
力電流の変化の一例を示す図である。
【図4】差電流の変化の一例を示す図である。
【図5】この発明の差動型センサの出力補正方法の一実
施態様を説明するフローチャートである。
【図6】この発明の差動型センサの出力補正方法の他の
実施態様を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の差動型センサの出力補正方法のさら
に他の実施態様を説明するフローチャートである。
【図8】ある製造ロットの差動型センサを用いて測定対
象物質(グルコース)の濃度が100mg/dlの溶液
の測定を行った場合の出力電流の変化を示す図である。
【図9】他の製造ロットの差動型センサを用いて測定対
象物質(グルコース)の濃度が100mg/dlの溶液
の測定を行った場合の出力電流の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 差動型センサ 2 差算出部 5 補正用信号記憶部 7 補正部 1c 対極 1d 作用極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物質の濃度を測定する測定用セ
    ンサ(1c)(1d)と測用センサ(1c)(1d)の
    出力を補正するための補正用センサと(1c)(1d)
    を有する差動型センサ(1)を用い、かつ両センサ(1
    d)からの出力信号の差を測定信号として出力すること
    により測定対象物質の濃度を測定するに当って、 測定対象物質の影響を受ける前に差動型センサ(1)の
    両センサ(1d)から出力される出力信号どうしの差を
    補正用信号として記憶しておき、測定対象物質の影響を
    受けた状態で差動型センサ(1)の両センサ(1d)か
    ら出力される出力信号どうしの差を算出するとともに、
    算出された差を記憶されている補正用信号で補正するこ
    とを特徴とする差動型センサの出力補正方法。
  2. 【請求項2】 補正用信号は、測定用センサ(1d)が
    測定対象物質の影響を受ける前に差動型センサ(1)の
    両センサ(1d)から出力される出力信号どうしの差の
    うち、最小値である請求項1に記載の差動型センサの出
    力補正方法。
  3. 【請求項3】 補正用信号は、測定用センサ(1d)が
    測定対象物質の影響を受ける前の所定時間範囲に差動型
    センサ(1)の両センサ(1d)から出力される出力信
    号どうしの差の平均値である請求項1に記載の差動型セ
    ンサの出力補正方法。
  4. 【請求項4】 補正用信号は、測定用センサ(1d)が
    測定対象物質の影響を受ける前であって、差動型センサ
    (1)の両センサ(1d)から出力される出力信号どう
    しの差の変極点に先行する所定時間範囲に、差動型セン
    サ(1)の両センサ(1d)から出力される出力信号ど
    うしの差の平均値である請求項1に記載の差動型センサ
    の出力補正方法。
  5. 【請求項5】 測定対象物質の濃度を測定する測定用セ
    ンサ(1c)(1d)と測用センサ(1c)(1d)の
    出力を補正するための補正用センサ(1c)(1d)と
    を有する差動型センサ(1)を用い、かつ両センサ(1
    d)からの出力信号の差を測定信号として出力すること
    により測定対象物質の濃度を測定する濃度測定装置にお
    いて、 測定対象物質の影響を受ける前に差動型センサ(1)の
    両センサ(1d)から出力される出力信号どうしの差を
    補正用信号として記憶しておく補正用信号記憶手段
    (5)と、測定対象物質の影響を受けた状態で差動型セ
    ンサ(1)の両センサ(1d)から出力される出力信号
    どうしの差を算出する差算出手段(2)と、算出された
    差を記憶されている補正用信号で補正する補正手段
    (7)とを含むことを特徴とする濃度測定装置。
  6. 【請求項6】 補正用信号記憶手段(5)は、測定用セ
    ンサ(1d)が測定対象物質の影響を受ける前に差動型
    センサ(1)の両センサ(1d)から出力される出力信
    号どうしの差のうち、最小値を補正用信号として記憶す
    るものである請求項5に記載の濃度測定装置。
  7. 【請求項7】 補正用信号記憶手段(5)は、測定用セ
    ンサ(1d)が測定対象物質の影響を受ける前の所定時
    間範囲に差動型センサ(1)の両センサ(1d)から出
    力される出力信号どうしの差の平均値を補正用信号とし
    て記憶するものである請求項5に記載の濃度測定装置。
  8. 【請求項8】 補正用信号記憶手段(5)は、測定用セ
    ンサ(1d)が測定対象物質の影響を受ける前であっ
    て、差動型センサ(1)の両センサ(1d)から出力さ
    れる出力信号どうしの差の変極点に先行する所定時間範
    囲に、差動型センサ(1)の両センサ(1d)から出力
    される出力信号どうしの差の平均値を補正用信号として
    記憶するものである請求項5に記載の濃度測定装置。
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