JPH10310808A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPH10310808A
JPH10310808A JP11798297A JP11798297A JPH10310808A JP H10310808 A JPH10310808 A JP H10310808A JP 11798297 A JP11798297 A JP 11798297A JP 11798297 A JP11798297 A JP 11798297A JP H10310808 A JPH10310808 A JP H10310808A
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JP
Japan
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oxygen
pipe
gas
blown
lance
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JP11798297A
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English (en)
Inventor
Ryota Murai
亮太 村井
Michitaka Satou
道貴 佐藤
Tatsuro Ariyama
達郎 有山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉のレースウェイにおける粉体燃料の燃焼
を促進して、多量の粉体燃料を安定して吹き込むことを
可能とする。 【解決手段】 先端がブローパイプ5内に挿入され、内
管7と外管8とからなる同心二重管ランス6を用い、内
管からは搬送ガスと共に粉体燃料10を、外管からは酸
素又は酸素富化空気を、羽口2から高炉1内に吹き込む
高炉操業方法において、外管から吹き込む酸素又は酸素
富化空気の二重管ランス出口における温度を120℃〜
300℃とする。その際に、全酸素富化率を一定値に保
持して制御することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の羽口から微
粉炭や粗粉炭等の粉体燃料を多量に吹き込むことを可能
とする高炉操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉における燃料費等のコスト合理化の
ために、高価なコークスの代替燃料として、古くは羽口
からの重油・タールの吹き込みが行なわれた。しかし、
昭和50年代前半に石油価格が高騰すると、石油に代わ
り、微粉炭の吹き込みを行なう高炉が増加した。そして
最近では、銑鉄トン当たりの微粉炭吹き込み量が200
kgを超える操業を行なう高炉も見られるようになった
(例えば、「材料とプロセス.Vol.8(1995)-319」参
照)。しかも、将来のコークス需給及びコークス炉の老
朽化等の事情を鑑みると、今後、更に多量の微粉炭等の
粉体燃料を吹き込む操業形態に移行すると予測される。
【0003】このような粉体燃料の多量吹き込みを達成
するためには、高炉のレースウェイにおける粉体燃料の
燃焼率を向上させることが不可欠であり、従来から様々
な発明がなされてきた。
【0004】例えば、特開平2−213406号公報
(以下、「先行技術1」と記す)には、ブローパイプ内
に先端部を突出して挿入した同心二重管構造のランスを
設け、ランスの内管から微粉炭や液体燃料等の燃料を吹
き込むと共に、内管から吹き込む燃料の性状及び供給量
に応じて酸素濃度が所定値に制御された燃焼用空気を、
ランスの外管から吹き込む方法が開示されている。先行
技術1によれば、酸素を富化され所定の酸素濃度に制御
された燃焼用空気と、微粉炭等の燃料とが、羽口の内部
で合流して、吹き込まれた燃料が効率良く燃焼するの
で、送風全体の酸素富化を行なわなくても、二重管の外
管を通る燃焼用空気のみ酸素富化するだけで、高い燃焼
効率が得られるとしている。
【0005】又、特開平6−2020号公報(以下、
「先行技術2」と記す)には、高炉のブローパイプを貫
通する単管ランス又は二重管ランスを用い、微粉炭等の
粉体燃料を羽口から吹き込むに際し、粉体燃料の搬送ガ
ス又はランス冷却ガスに酸素を富化し、ランスから吹き
込まれる富化酸素量が、全送風量に対する酸素富化率で
3%以下とすると共に、吹き込み用ランスに吹き込まれ
る全ガス中の酸素濃度を35〜65%に調整する方法が
開示されている。先行技術2によれば、レースウェイ内
での粉体燃料の燃焼率を著しく高めることが可能で、銑
鉄トン当たり150kg以上の多量の粉体燃料を安定し
て吹き込むことができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高炉のレースウェイに
おける微粉炭等の粉体燃料の燃焼は、粉体燃料周囲に存
在する高温ガスにより粉体燃料粒子が昇温され、揮発分
の放出・燃焼を開始し、次いで、固定炭素の燃焼が生じ
ることが知られている。従って、粉体燃料を銑鉄トン当
たり100kg以上で多量に吹き込む場合、粉体燃料を
効率良く燃焼させて安定した高炉操業を確保するために
は、如何に早く揮発分の燃焼を起こさせるかが重要であ
る。
【0007】しかし、先行技術1及び先行技術2に開示
された方法は、粉体燃料粒子の昇温について考慮されて
おらず、吹き込み用ランスの全ガス中の酸素濃度を限定
したものでしかなく、多量に粉体燃料を吹き込む際の、
粉体燃料の燃焼率を向上させるための高炉操業方法とし
ては、不十分といわざるを得ない。何故なら、ランスに
冷酸素を富化し且つ送風温度が低い場合には、例えラン
スの全ガス中の酸素濃度が所定値であったとしても、粉
体燃料の発火点に至るまでの粉体燃料粒子の昇温が遅
れ、結果的には、粉体燃料の燃焼率が低下して安定した
高炉操業を確保できないからである。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは高炉の操業条件が変化して
も、レースウェイにおいて、常に粉体燃料の最大燃焼率
を得、多量の粉体燃料の吹き込みを安定して行なうこと
ができる高炉操業方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明による高炉操
業方法は、先端がブローパイプ内に挿入され、内管と外
管とからなる同心二重管ランスを用い、内管からは搬送
ガスと共に粉体燃料を、外管からは酸素又は酸素富化空
気を、高炉内に吹き込む高炉操業方法において、外管か
ら吹き込む酸素又は酸素富化空気の前記二重管ランス出
口における温度を120℃〜300℃とすることを特徴
とするものである。
【0010】又、第2の発明による高炉操業方法は、第
1の発明による高炉操業方法において、全酸素富化率を
一定値に保持して行なうことを特徴とするものである。
【0011】本発明では二重管ランスを用いて、二重管
ランスの外管から酸素又は酸素富化空気を、内管から粉
体燃料を吹き込む。尚、本発明の粉体燃料とは、微粉炭
や粗粉炭等、炭素を主成分とする粉体燃料である。二重
管ランスの外管を通る酸素又は酸素富化空気は、ブロー
パイプ内を通る高温の送風ガスにより昇熱される。する
と、内管から吹き込まれた粉体燃料粒子は昇温された酸
素又は酸素富化空気と合流して昇熱されるので、粉体燃
料の燃焼率が向上する。その際に、二重管ランス出口で
の酸素又は酸素富化空気の温度を120℃〜300℃と
する。120℃未満では温度が低いために粉体燃料の燃
焼率が低く、300℃を超えると二重管ランス先端部の
溶損が生ずるためである(詳細は後述する)。
【0012】又、全酸素富化率を一定値に保持した操業
を行なうことが好ましい。二重管出口における酸素又は
酸素富化空気の温度を120℃〜300℃に制御するた
めに外管から吹き込む酸素流量又は空気が増減しても、
全酸素富化率が一定であるため、高炉操業が安定するか
らである。尚、本発明では、外管から吹き込まれる酸素
又は酸素富化空気を燃焼用ガス、ブローパイプから吹き
込まれる熱風(空気を加熱したもの)又は熱風と酸素と
の混合ガスを送風ガスと称し、全送風とは、燃焼用ガス
と搬送ガスと送風ガスとの合計をいい、全酸素富化率と
は、高炉内に吹き込まれる全送風量に対する酸素富化率
である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図1は本発明の1つの実施の形態の例を示す概略説明
図、図2は二重構造のランスの概要図であり、(a)は
斜視図、(b)は横断面図である。
【0014】図において、高炉1の側壁15を貫通し
て、鋳鋼製の羽口受金物4と銅製で水冷構造の大羽口3
及び羽口2とから成る送風羽口が複数個配置されてい
る。羽口2はブローパイプ5と接続し、そして、ブロー
パイプ5は送風ガス供給管17、供給管21を介して熱
風炉11に連結されており、熱風炉11にて900〜1
300℃に加熱された熱風が、送風ガスとしてブローパ
イプ5を介して羽口2より高炉1内に吹き込まれる。
【0015】ブローパイプ5を斜めに貫通し、先端部が
ブローパイプ5内に突出した二重管ランス6が配置され
ている。二重管ランス6は内管7と外管8との同心二重
管構造であり、内管7は粉体燃料10を収納するホッパ
ー9と連結して、内管7から粉体燃料10が搬送ガスと
共に羽口2を介して高炉1内に吹き込まれ、又、外管8
は燃焼用ガス供給管16を介して酸素タンク12、及び
ブロアー13と連結して、酸素又は酸素富化空気(酸素
と空気の混合ガス)が燃焼用ガスとして、外管8から羽
口2を介して高炉1内に吹き込まれる。尚、搬送ガス
は、空気又は窒素、若しくは空気と窒素との混合ガスを
用いるものとする。粉体燃料10の吹き込み量は、特に
限定されないが、粉体燃料10の吹き込み量が銑鉄トン
当たり100kg以上の場合に本発明の効果がより発揮
される。二重管ランス6は、金属製又は耐火物製とす
る。
【0016】ブロアー13と燃焼用ガス供給管16とを
連結する供給管18には燃焼用空気流量を調整する流量
調整弁22が配置され、又、酸素タンク12と燃焼用ガ
ス供給管16とを連結する供給管19には燃焼用酸素流
量を調整する流量調整弁23が配置されており、それぞ
れ、燃焼用ガスとして外管から吹き込まれる酸素流量及
び空気流量が制御される。又、熱風炉11と送風ガス供
給管17とを連結する供給管21には熱風流量を調整す
る流量調整弁25が配置されて送風ガスとして吹き込ま
れる熱風流量の制御が行なわれ、更に、酸素を送風ガス
に供給するために、供給管19と送風ガス供給管17と
を連結する供給管20が配置されており、供給管20に
は流量調整弁24が配置され、送風ガスに混合する酸素
流量の制御が行なわれる。
【0017】燃焼用ガス供給管16には流量計26と温
度計27とが配置され、外管に供給される燃焼用ガスの
流量と温度とが測定され、又、送風ガス供給管17には
流量計28と温度計29とが配置され、ブローパイプ5
に供給される送風ガスの流量と温度とが測定され、これ
らの測定値は制御装置14に入力されている。制御装置
14は演算機能と流量調整の制御機能とを兼ね備えてお
り、制御装置14の信号により流量調整弁22、23、
24、25の開度は制御されて燃焼用ガス中の酸素流量
と空気流量、及び、送風ガス中の熱風流量と酸素流量が
制御される。
【0018】酸素は粉体燃料の燃焼効率を上げるので、
送風ガスに混合するよりも、外管8から吹き込むことが
好ましく、そのため、本発明では、以下に示す3ケース
の送風方法を行なう。
【0019】第1のケース; 燃焼用ガスは酸素のみを
使用し、送風ガスには酸素を混合しない方法。
【0020】第2のケース; 燃焼用ガスは酸素のみと
し、送風ガスに酸素を混合する方法。これは、全酸素富
化率が高い場合(約3%以上)に行なう方法で、燃焼用
ガスとして、全酸素富化率に見合う酸素量を吹き込む
と、酸素流量が多過ぎて二重管ランス6出口での燃焼用
ガス温度が120℃未満となるため、酸素の一部を送風
ガスに混合して吹き込む。
【0021】第3のケース; 燃焼用ガスは酸素と空気
とが混合されたガスで、送風ガスには酸素を混合しな
い。これは、全酸素富化率が低い場合(約1%以下)に
行なう方法で、燃焼用ガスとして、全酸素富化率に見合
う酸素量のみを吹き込むと、酸素流量が少ないので二重
管ランス出口6での燃焼用ガス温度が300℃を超える
ため、空気を燃焼用ガスに混合して吹き込む。
【0022】但し、上記の内の1つのケースで、常に操
業が行なわれるわけではなく、例えば、送風ガス温度の
低下等の操業条件の変化により、第1のケースから第2
のケースへと操業中に変化することがある。
【0023】次に、制御装置14による演算と流量調整
方法の例を以下に説明する。図3に、ブローパイプ5内
に長さLだけ挿入された二重管ランス6の外管8を通る
燃焼用ガス温度と、ブローパイプ5を通る送風ガス温度
の変化を概略的に示すように、燃焼用ガスは、挿入長さ
(L)を熱交換距離として送風ガスから熱を受け、熱交
換前の温度TC から、二重管ランスの出口では熱交換後
の温度TC * にまで上昇する。逆に、送風ガスは熱交換
前の温度TB から、二重管ランスの出口では熱交換後の
温度TB * に降下する。この時の熱交換から以下の数1
〜数3が得られる。但し、外管8を流れる燃焼用ガス
と、内管7を流れる搬送ガスとの熱交換は温度差が小さ
いため、無視できるとした。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】
【数3】
【0027】数1〜数3に示す熱量Qは等しく、従っ
て、数1〜数3の未知数はQ、TB *、TC * の3つで
あり、3つの方程式と3つの未知数であるため、操業条
件や二重管ランス6の配置を決定すると、3つの未知数
が算出される。即ち、流量計26、28、及び温度計2
7、29より入力される測定信号と、設備配置上から決
まる外管外径(dO )、外管内径(dI )、及び熱交換
距離(L)と、比熱や熱伝達係数等の物理定数とで、3
つの未知数を求めることができる。操業中、演算を連続
して行い、求めた燃焼用ガスの二重管ランス6出口にお
ける燃焼用ガス温度(TC * )が、常に120℃〜30
0℃の範囲になるように、流量調整弁(22、23、2
4、25)を調整する。
【0028】そして、この流量の調整方法は大きく分け
て2つの方法があり、1つは、全酸素富化率を一定値に
保持しつつ、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃〜3
00℃の範囲になるように、酸素、空気、熱風の流量を
調整する方法で、他の1つは、全酸素富化率が変動する
ことを配慮せずに、酸素、空気、熱風の流量を調整する
方法である。全酸素富化率が操業中に変わると、操業が
不安定となることがあるので、全酸素富化率を一定値に
保持しつつ調整する方法が好ましい。
【0029】全酸素富化率を一定とする方法には、例え
ば次の5つの手法があり、操業条件により、適宜選択し
て行なう。
【0030】;燃焼用ガスに酸素のみ吹き込んでい
て、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃未満になった
時は、流量調整弁23の開度を絞り、外管8を通る酸素
流量を減少させる。その際に、流量調整弁24の開度を
開き、減少した量と同量の酸素流量を送風ガスに混合さ
せる。
【0031】;燃焼用ガスとして酸素と空気とを吹き
込んでいて、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃未満
になった時は、流量調整弁22の開度を絞り、外管8を
通る空気流量を減少させる。その際に、流量調整弁25
の開度を開き、減少した量だけ熱風を増加させる。燃焼
用ガスに混合する空気を停止しても燃焼用ガス温度(T
C * )が120℃未満であれば、上記に従い酸素流量
を減少させる。
【0032】;燃焼用ガスに酸素のみ吹き込み、且
つ、送風ガスに酸素を混合している場合に燃焼用ガス温
度(TC * )が300℃を超えた時は、燃焼用ガス温度
(TC * )が300℃以下となるまで流量調整弁23の
開度を開き、外管8を通る酸素流量を増加させる。その
際に、増加させた分だけ送風ガスに混合する酸素流量を
減少させる。
【0033】;燃焼用ガスに酸素のみ吹き込み、且
つ、送風ガスに酸素を混合していない場合に燃焼用ガス
温度(TC * )が300℃を超えた時は、流量調整弁2
2を開き、燃焼用ガス温度(TC * )が300℃以下と
なるまで、燃焼用ガスに空気を混合する。その際に、混
合した空気流量分だけ熱風流量を減少させる。
【0034】;燃焼用ガスに酸素と空気とを吹き込ん
でいて、燃焼用ガス温度(TC * )が300℃を超えた
場合には、流量調整弁22の開度を開き、外管8を通る
空気流量を増加させる。その際に、流量調整弁25の開
度を閉じ、増加した空気流量分だけ熱風流量を減少させ
る。
【0035】又、全酸素富化率を一定にしない方法は、
例えば、燃焼用ガスに酸素のみ吹き込んでいて、燃焼用
ガス温度(TC * )が120℃未満となった時、流量調
整弁23を閉じて酸素流量を減少させる方法や、燃焼用
ガスに酸素のみ吹き込んでいて、燃焼用ガス温度(TC
* )が300℃を超えた時、流量調整弁23を開いて酸
素流量を増加したり、流量調整弁22を開いて空気を混
合させる方法等様々な方法があり、適宜選択して行なえ
ばよい。
【0036】尚、燃焼用ガス温度(TC * )を求める方
法は上記に限るものではなく、二重管ランス6の出口に
おける燃焼用ガス温度を熱電対等の温度計で直接測定
し、測定値を制御装置14に入力してする方法であって
も何ら支障はない。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕図4に示す試験炉設備において、粉体燃料
として微粉炭を用いて種々の送風条件で微粉炭の燃焼率
を調査した。図4と図1との違いは、図4では高炉の代
わりに試験炉40を用いたことのみで、送風ガス及び燃
焼用ガスの流量制御機構や粉体吹き込み機構は同一であ
り、図1と同一符号で示している。
【0038】試験炉40は内面を耐火物43で構築され
ており、試験炉40内で微粉炭10を燃焼させ、排ガス
を上部の煙道42から排出させる構造である。そして、
試験炉40の側壁を貫通するダスト採取装置41が、羽
口2の直前の燃焼帯域に挿入可能に設けられ、採取した
ダストから微粉炭10の燃焼率を算出することができ
る。搬送ガスは空気を用いた。
【0039】送風ガスとして熱風を3.8Nm3 /mi
nとし、送風ガス温度を900℃〜1200℃に変更
し、直径75μm以下が70%である南アフリカ産の微
粉炭10を0.7kg/min(実機の銑鉄トン当たり
200kgに相当)とし、搬送ガス0.08Nm3 /m
inで吹き込んだ。そして、酸素流量は0.025Nm
3 /min(全酸素富化率で0.5%)〜0.262N
3 /min(全酸素富化率で5%)の範囲で変更して
吹き込んだ。
【0040】先ず、この条件で、空気を混合せずに、酸
素の全量を燃焼用ガスとして二重管ランス6から吹き込
んだ。この場合には、二重管ランス6に供給される全ガ
ス(搬送ガスと燃焼用ガスの合計)中の酸素濃度は40
%から82%となる。この条件で、二重管ランス6の出
口での燃焼用ガス温度(TC * )を演算装置14で算出
すると、送風ガス温度及び酸素流量に依存して、40℃
から340℃となったが、燃焼用ガス温度(TC * )の
如何に係わらず、その条件で試験を継続した。そして、
ダスト採取装置41にて採取したダストから微粉炭10
の燃焼率を算出した。求めた微粉炭10の燃焼率と二重
管ランス出口での燃焼用ガス温度(TC * )との関係を
図5に示す。送風ガス温度が900℃から1200℃の
範囲において、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃以
上の範囲では燃焼率は約75%となり、極めて高い値が
得られたが、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃未満
では燃焼率は低下した。又、燃焼用ガス温度(TC *
が300℃を超えると、二重管ランス6の先端部の溶損
が生じ、燃焼用ガス温度(TC * )が300℃を超える
操業は不可能であることが判明した。
【0041】次いで、全酸素富化率を3%の一定条件
(酸素流量は0.153Nm3 /minで、全量二重管
ランス6から吹き込むと、二重管ランス6の全ガス中の
酸素濃度は73%になる)として、燃焼用ガス温度(T
C * )を120℃〜300℃の範囲に制御しつつ、微粉
炭吹き込みを実施した。この場合には全量の酸素を燃焼
用ガスとして二重管ランス6から吹き込むと、送風ガス
温度により、燃焼用ガス温度(TC * )が120℃未満
となるため、酸素の一部が熱風と共に送風ガスとして吹
き込まれる場合があった。図6は、送風ガス温度
(TB )が900℃、1000℃、及び1100℃の条
件において、二重管ランス6から吹き込まれた酸素と送
風ガスとして吹き込まれた酸素との比率を示した図であ
り、送風ガス温度(TB )が1100℃の場合には、全
量の酸素を二重管ランス6から吹き込んでも燃焼用ガス
温度(TC * )は120℃を確保するが、例えば、送風
ガス温度(TB )が900℃の場合には、二重管ランス
6の全ガス中の酸素濃度を38%、即ち二重管ランスか
ら吹き込むとことができる酸素流量は0.022Nm3
/minで、残りの0.131Nm3 /minは送風ガ
スとして吹き込まれた。この場合にも。微粉炭10の燃
焼率は75%が得られた。
【0042】〔実施例2〕図1に示す構成の設備におい
て、本発明を実施した。高炉の設備仕様及び操業条件は
以下の通りである。尚、微粉炭吹き込み量は銑鉄トン当
たり約200kgである。
【0043】 高炉内容積 : 4900m3 羽口数 : 40本 羽口1本当たりの熱風量 : 190Nm3 /min 熱風温度 : 1100℃ 羽口1本当たりの微粉炭吹き込み量 : 35kg/min 羽口1本当たりの搬送ガス量 : 3.7Nm3 /min
【0044】そして全酸素富化率を1%、2%、及び3
%の3水準として、各水準で1か月間の操業を実施し
た。各水準とも操業は安定しており、コークス比を低減
することができた。
【0045】
【発明の効果】本発明では、二重管ランスの外管から吹
き込まれる燃焼ガスの温度を所定の範囲に制御して粉体
燃料を吹き込むので、少量の富化酸素で粉体燃料の燃焼
率を著しく高めることができると共に、操業条件の変化
にも柔軟に対応した多量の粉体燃料の吹き込みが可能と
なる。その結果、安定してコークス比を低下することが
可能となり、工業的効果は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の例を示す概略説明
図である。
【図2】二重管ランスの概要図であり、(a)は斜視
図、(b)は横断面図である。
【図3】燃焼用ガス温度と、送風ガス温度の変化を概略
的に示した図である。
【図4】実施例1で用いた試験炉設備の概略説明図であ
る。
【図5】微粉炭の燃焼率と二重管ランス出口での燃焼用
ガス温度との関係を示した図である。
【図6】二重管ランスから吹き込まれる酸素と送風ガス
として吹き込まれる酸素との比率を送風ガス温度
(TB )の関係で示した図である。
【符号の説明】
1 高炉 2 羽口 3 大羽口 4 羽口受金物 5 ブローパイプ 6 二重管ランス 7 内管 8 外管 9 ホッパー 10 粉体燃料 11 熱風炉 12 酸素タンク 13 ブロアー 14 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端がブローパイプ内に挿入され、内管
    と外管とからなる同心二重管ランスを用い、内管からは
    搬送ガスと共に粉体燃料を、外管からは酸素又は酸素富
    化空気を、高炉内に吹き込む高炉操業方法において、外
    管から吹き込む酸素又は酸素富化空気の前記二重管ラン
    ス出口における温度を120℃〜300℃とすることを
    特徴とする高炉操業方法。
  2. 【請求項2】 全酸素富化率を一定値に保持して行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
JP11798297A 1997-05-08 1997-05-08 高炉操業方法 Pending JPH10310808A (ja)

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