JPH103014A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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JPH103014A
JPH103014A JP15415596A JP15415596A JPH103014A JP H103014 A JPH103014 A JP H103014A JP 15415596 A JP15415596 A JP 15415596A JP 15415596 A JP15415596 A JP 15415596A JP H103014 A JPH103014 A JP H103014A
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optical waveguide
film
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geo
core
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JP15415596A
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Seiichi Kashimura
誠一 樫村
Akishi Hongo
晃史 本郷
Kentaro Ohira
健太郎 大平
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率変化の大きい光導波路及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 基板1上に形成され、下側クラッド層2
と上側クラッド層4とで覆われるコア用ガラス膜を、G
e添加濃度の異なる少なくとも2種類のSiO2 −Ge
2 組成膜の交互多層構造とすることにより、Geの濃
度を膜の厚さ方向で局所的にかつ周期的に高めることが
できる。交互多層構造コア3においてGe濃度の高い層
は、Ge濃度の低い層よりもGe同志が隣合わせになる
確率が増加する。すなわち、屈折率変化を起こさせる要
因となるGe同志の結合の割合を増加させることができ
る。よって、紫外光を照射した時の屈折率変化の大きい
光導波路が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信、計測、情報
処理の分野に適した機能性の高い光導波路及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Geの添加された光ファイバのコ
アに紫外光を照射すると屈折率が恒久的に変化する性質
(感光性: photosensitive)を利用して、光ファイバの
コアにグレーティングを形成する技術が盛んに検討され
ている。
【0003】具体的には、まず、Ge添加SiO2 ガラ
スコア光ファイバを水素ローディングやフレームブラッ
シングといった水素拡散処理を行いGe同志の弱く結合
した状熊を作る。
【0004】次にGe添加SiO2 ガラスコアに、位相
マスクと呼ばれるマスクを通してエキシマレーザ光(波
長193nm、248nm)を照射し、コア上に光の当
たる部分と当たらない部分とを周期的に設ける。光の照
射された部分ではガラス中で弱く結合していたGe同志
の結合が切れ、酸素欠乏欠陥が生成され屈折率が高くな
る。
【0005】光の照射されなかった部分の屈折率は変化
しない。この時の屈折率変化量としては10-3以上が得
られている。これらの技術により光の伝送方向に周期的
な屈折率変化を設けた光ファイバはグレーティングファ
イバと呼ばれ、波長選択フィルタなどとして有望視され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、導波路型の光デ
バイスは複雑な光回路を同一基板上に一括して形成でき
ることから、将来の光通信及び情報処理のキーデバイス
となる可能性がある。これら導波路型の光デバイスに上
述のグレーティング形成技術を適用することができれ
ば、これを利用して波長分波器やレーザなど機能性の高
い光部品を内装することが可能となる。また、さらに、
大型の平面基板やフレキシブルな基坂上にこのような屈
折率変化領域を形成することができれば、ディスプレイ
用のフィルタなど多方面への用途も拡大する。
【0007】そこで、まず最初に発明者らは電子ビーム
蒸着法によって石英ガラス基板上に形成したSiO2
GeO2 コアガラス膜に、上述のグレーティング書込み
技術を適用することを検討した。
【0008】しかしながら、水素処理並びにエキシマレ
ーザ光を照射しても10-4オーダー程度の屈折率変化し
か確認することができなかった。この原因は電子ビーム
蒸着法によって形成されたSiO2 −GeO2 ガラス膜
の構造や膜中のGeの状態が光ファイバのコアとは異な
ることに起因していると考えられる。より屈折率変化の
大きな膜を得るためには、ガラス膜中でGe同志が隣り
合わせになる確率を増加させ、弱く結合したGe同志の
結合を意図的に形成することが必要と考えられた。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、屈折率変化の大きい光導波路及びその製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、低屈折率層を有する平面基板と、この平面
基板の上に形成された屈折率の高いコアガラス膜を加工
してなる略矩形断面形状のコアと、このコアを覆う低屈
折率のガラス膜からなる光導波路において、上記コアガ
ラス膜をGe濃度の異なる少なくとも2種類のSiO2
組成膜の交互多層膜構造としたものである。
【0011】上記構成に加え本発明は、交互多層構造を
構成する少なくとも2種類のSiO 2 −GeO2 組成膜
のGe濃度はGeO2 として0〜100%の範囲で調整
するものである。
【0012】上記構成に加え本発明は、コアガラス層の
厚さを、コア内を伝搬する信号光の波長に対して十分小
さくしたものである。
【0013】上記構成に加え本発明は、コアガラス膜
は、RF高周波スパッタリング法によって形成され、G
eO2 濃度の異なる少なくとも2種類以上の複数のSi
2 −GeO2 スパッタリングターゲットを使用し、そ
れぞれに同時にRF高周波電力を印加すると共に、回転
機構を有する基板ホルダを回転させながら、この基板ホ
ルダに取り付けられた基板の表面に少なくとも2種類以
上の組成からなるSiO2 −GeO2 膜を交互に多層状
に形成したものである。
【0014】上記構成に加え本発明は、スパッタリング
ターゲットに印加されるRF高周波電力を調整して所望
の膜厚比を得ると共に、基板ホルダの回転速度を調整し
て所望の膜厚及び積層数の膜を得るようにしたものであ
る。
【0015】上記構成に加え本発明は、RF高周波スパ
ッタリングによる膜形成は、Ar及びO2 ガス中で基板
にバイアス電圧を印加しながら行うようにしたものであ
る。
【0016】上記構成に加え本発明は、コアガラス膜を
1000℃以上の高温で熱処理することによりGeを拡
散させるようにしたものである。
【0017】本発明のGe添加濃度の異なる少なくとも
2種類のSiO2 −GeO2 組成膜の交互多層構造から
なるコア用ガラス膜は、Geの濃度を膜の厚さ方向で局
所的にかつ周期的に高めることができる。Ge濃度の高
い層は、濃度の低い層よりもGe同志が隣合わせになる
確率が増加する。すなわち、屈折率変化を起こさせる要
因となるGe同志の結合の割合を増加させることができ
る。よって、紫外光を照射した時の屈折率変化割合も増
加させることができる。
【0018】また、層の厚さは使用する信号光波長に対
して十分に小さなオーダー、例えば数十オングストロー
ムとすれば、コアを伝搬する光の電界強度分布に影響を
与えることはなく、モード不整合などに起因した損失を
増加させずに光ファイバとの結合を図ることも可能であ
る。
【0019】また、本発明の光導波路の製造方法は、物
理的に大きな固まりを飛ばして成膜を行うスパッタリン
グ法を適用しているため、蒸着法やCVD法よりもGe
同志が隣合わせになる確率を増加させることが可能であ
り、酸素欠乏欠焔の量も制御し易いという利点がある。
【0020】また、本発明の光導波路の製造方法は、G
eO2 濃度の異なる少なくとも2種類以上の複数のSi
2 スパッタリングターゲットを使用し、それぞれ同時
にRF高周波電力を印加すると共に、回転機構を有する
基板ホルダーを回転させながら、これに取り付けられた
基板の表面にGe添加濃度の異なる少なくとも2種類以
上の組成からなるSiO2 −GeO2 膜を交互に多層状
に形成するようにし、それぞれのスパッタリングターゲ
ットに印加するRF高周波電力の比率を任意に設定して
所望の膜厚比を得ると共に、ホルダーの回転速度を調整
して所望の積層数の膜が得られるようにしたため、再現
性良くかつ容易に本発明の交互多層状の膜を作製するこ
とができる。
【0021】また、本発明の光導波路の製造方法は、基
板にバイアスを印加し、その電力の調整により膜へのA
rイオンの入射率を制御しながら膜形成するようにした
ため、紫外光照射時の屈折率変化に寄与する酸素欠乏欠
陥の量をも制御することが可能である。
【0022】また、本発明は導波路コア用ガラス膜以外
にも基板全面に周期的なグレーティングを形成した面型
のフィルタ、例えばフォログラフィ板などにも適用でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0024】図1は本発明の光導波路の一実施の形態を
示す断面図である。図2は図1に示した光導波路を形成
するためのスパッタリング装置の平面図である。図3は
図1に示した光導波路の製造工程図である。
【0025】図1において、1は基板、2はSiO2
主成分とする低屈折率の材料で構成される下側クラッド
層、3はGe添加濃度の異なる少なくとも2種類のSi
2 −GeO2 ガラス膜で構成される交互多層構造コア
(導波路コア)、4はSiO2 を主成分とする低屈折率
の材料で構成される上側クラッド層、5は高濃度にGe
を含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層、6は低濃度にG
eを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層を示している。
【0026】このような光導波路において、光は低屈折
率の材料で構成される下側クラッド層2及び上側クラッ
ド層4によって囲まれた屈折率の高い交互多層構造コア
3中に閉じ込められて伝送される。
【0027】ここで、高濃度にGeを含むSiO2 −G
eO2 ガラス膜層5と低濃度にGeを含むSiO2 −G
eO2 ガラス膜層6中のGeO2 としての濃度設定はそ
れぞれ0〜100%まで変化させることができる。
【0028】高濃度にGeを含むSiO2 −GeO2
ラス膜層5と低濃度にGeを含むSiO2 −GeO2
ラス膜層6の厚さは導波路コア3を伝送する信号光波長
よりも十分小さく、かつ屈折率変化を誘起させる紫外光
の波長よりも小さいオーダーとすることが好ましい。各
層の厚さが伝送する信号光波長よりも大きいと信号光の
散乱が起こりこれによる損失が発生するおそれがある。
また、紫外光の波長と略同程度の膜厚に設定すると紫外
光照射時にこの光が散乱を受け、周期的な屈折率変化す
なわちグレーティングのコントラストの低下をまねき、
特性を大幅に劣化させるおそれがある。また、むやみに
膜厚を増加させるとコア膜の内部応力が増加すると共に
伝送光の偏向依存性が顕著になる。
【0029】また、高濃度にGeを含むSiO2 −Ge
2 ガラス膜層5と低濃度にGeを含むSiO2 −Ge
2 ガラス膜層6の厚さの比率はコア全体の等価的な屈
折率を決定する。最終的に光ファイバとの結合が必要な
デバイスを考える場合には、結合部分での損失をできる
限り低く抑える必要がある。このため、この等価屈折率
は光ファイバコアの屈折率と略等しくなるように設定す
るのが好ましい。ただし、光ファイバとの結合を考慮し
なくてもよいデバイスを目的とする場合には任意に設定
することが可能である。
【0030】本実施の形態においては、まず高濃度にG
eを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層5にGeO2
して10mol%を含むSiO2 −GeO2 ガラス膜、
低濃度にGeを含むSiO2 系ガラス膜層6にGeO2
を0%すなわち純粋なSiO2 ガラス膜を選択した。そ
れぞれの層の厚さは、屈折率変化を誘起させるための紫
外光波長を248nmとし、この波長よりも十分小さい
2nmに設定した。
【0031】また、GeO2 を10mol%を含むSi
2 ガラス膜層5とSiO2 ガラス膜層6との厚さの比
率は1:1とした。
【0032】以下に交互多重構造コア膜の形成方法につ
いて説明する。
【0033】図2において、7は真空容器、8は基板ホ
ルダー、9は基板、10−1、10−2はGeO2 混合
量の多いSiO2 −GeO2 ターゲット、11−1、1
1−2はGeO2 混合量の少ないSiO2 −GeO2
ーゲット、12−1〜12−4はターゲット10−1、
10−2、11−1、11−2のそれぞれに電力を供給
するための高周波電源である。
【0034】ここで、基板9は、回転が可能な多面体形
状を有した基板ホルダー8の外周側面に取り付けられ、
これら基板9と対向する真空容器7の内壁にターゲット
10−1、10−2、11−1、11−2が設けられ
る。これらのターゲット10−1、10−2、11−
1、11−2は、交互多層膜を形成するため、GeO2
混合量の多いSiO2 −GeO2 ターゲット10−1、
10−2とGeO2 混合量の少ないSiO2 −GeO2
ターゲット11−1、11−2を基板ホルダー8の回転
方向に沿って交互に配置してある。
【0035】また、ターゲット10−1、10−2、1
1−1、11−2としては、SiO2 の粉体とGeO2
の粉体とを混合した後プレスし、1000℃以上の高温
で焼結し、密度が70%以上となるように形成した焼結
体を用いた。ガラス膜中のGeの添加濃度はSiO2
化物粉体とGeO2 酸化物粉体との混合割合を変えるこ
とによって容易に制御できる。ただし、GeO2 の濃度
が20%の場合はターゲット化し易い純粋SiO2 ガラ
スを用いる方が好ましい。本実施の形態ではターゲット
10−1、10−2として10mol%のGeO2 を混
合したSiO2 −GeO2 焼結体を用い、ターゲット1
1−1、11−2として純粋SiO2 ガラス(石英ガラ
ス)を用いた。
【0036】次に、実際のコア膜形成工程について説明
する。
【0037】真空容器7内に設けられた基板ホルダー8
の外周側面に石英基板や低屈折率層を有したSi基板な
どの基板9を取り付け、真空容器7内を1×10-5Pa
以下の真空度まで排気する。続いて真空容器7内にスパ
ッタガスであるArガスを100sccm導入すると共
に、反応ガスであるO2 ガスを10sccm導入し、真
空容器7内のガス圧力を0.3Paに保持し、基板ホル
ダー8を4回/分の速度で回転させながら、ターゲット
10−1、10−2、11−1、11−2のそれぞれに
高周波電源12−1〜12−4よりそれぞれ8W/cm
2 の電力を供給し、各層の厚さが2nmで合計の膜厚が
6μmとなるように成膜を行った。
【0038】ここで、基板ホルダー8の回転速度と高周
波電源12−1〜12−4よりそれぞれのターゲット1
0−1、10−2、11−1、11−2に供給する電力
すなわち各ターゲット10−1、10−2、11−1、
11−2での成膜速度とを調整することにより基板9に
形成される多層膜のそれぞれの膜厚および層数が任意に
制御できる。また、本実施の形態における成膜条件は使
用する装置によって異なるためこれに限定されない。ま
た、真空容器7内に配置するターゲット10−1、10
−2、11−1、11−2の数は本実施の形態の4枚に
限定されるものではなく、2枚以上であってもよい。
【0039】上述のようにして試作した交互多層膜の紫
外光照射による屈折率変化を調べるため、膜に酸水素バ
ーナーによるフレームブラッシング(膜中への水素拡散
処理)を行い、膜の表面より波長248nmのエキシマ
レーザ光を照射してその屈折率の変化を評価した。屈折
率の評価は波長633nmのHe−Neレーザを用いた
プリズム結合法により行った。成膜後の膜の屈折率は
1.4650であり、エキシマレーザ光を照射した後の
屈折率は1.4670であった。すなわち、2×10-3
の屈折率変化が確認された。
【0040】次に、上述のようにして試作した交互多層
膜を導波路化した。図3にその導波路化の製造工程を示
す。
【0041】基板1上にSiO2 を主成分とする低屈折
率の下側クラッド層2を形成し(図3(a))、続いて
上述した本発明の光導波路の製造方法により交互多層膜
からなる高屈折率のコアガラス膜を形成する(図3
(b))。形成されたコアガラス膜3−1をフォトリソ
グラフィおよび反応性イオンエッチング法などのドライ
エッチング法により略矩形断面形状の導波路コア3−2
に加工する(図3(c))。そして最後に導波路コア3
−2をSiO2 を主成分とする低屈折率の上側クラッド
層4で覆い光導波路とする。
【0042】ここで、使用する基板1はガラスやセラミ
ックス、半導体、有機物などの材料を用いることができ
る。また、平面基板以外にもフレキシブルなフィルム状
の基板にも適用することができる。また、下側クラッド
層2および上側クラッド層4はP−CVD法、スパッタ
リング法、蒸着法、FHD法などの方法を用いることが
できる。
【0043】以上のプロセスにより導波路化した交互多
層膜コアを有する導波路に、酸水素バーナーによるフレ
ームブラッシング(膜中への水素拡散処理)を行い、波
長1.535μm光反射グレーティング用に設計された
位相シフトマスクを通して導波路コアに波長248nm
のエキシマレーザ光を照射し、導波路グレーティングを
形成した。その結果、波長1.535μmにおいて9
9.9999%の反射率を有するグレーティングが得ら
れた。また、顕著な偏向依存性も見られなかった。
【0044】次に本発明の光導波路の他の実施の形態に
ついて説明する。
【0045】図1に示した高濃度にGeを含むSiO2
−GeO2 ガラス膜層5を純粋なGeO2 層とし、低濃
度にGeを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層6を純粋
なSiO2 層として交互多層膜からなる高屈折率の導波
路コア3を構成した。ターゲット10−1、10−2と
してはGeO2 粉末のみを原材料とするGeO2 焼結体
を用い、ターゲット11−1、11−2としては純粋S
iO2 ガラス(石英ガラス)を用いた。
【0046】基板ホルダー8を3回/分の速度で回転さ
せながら、高周波電源12−1〜12−4よりターゲッ
ト10−1、10−2に4W/cm2 の電力を供給する
と共にターゲット11−1、11−2に8W/cm2
電力を供袷し、純粋なGeO2 層の厚さが1nmで純粋
なSiO2 の厚さが2nmとなり、これらが周期的に積
層された膜の合計膜厚が6μmとなるように成膜を行っ
た。
【0047】実際に試作した膜を酸水素バーナーにより
フレームブラッシング(膜中への水素拡散処理)を行
い、膜の表面より波長248nmのエキシマレーザ光を
照射してその屈折率の変化を評価した。その結果、2.
2×10-3の屈折率変化が得られることがわかった。
【0048】また、ここで設定する各々の膜厚が厚くな
ると偏向依存性が出ることが予想されるが、成膜後に1
000℃以上の温度で熱処理しGeO2 の界面付近のG
eをSiO2 層側へ拡散させることによって緩和でき
る。
【0049】また、上述した実施の形態および他の実施
の形態のスパッタリング法による交互多層膜コアの形成
方法において、基板側にバイアス電力を印加し、基板表
面をArイオンでたたきながら交互多層膜を形成する
と、さらに屈折率変化の割合の大きな膜が得られること
がわかった。
【0050】従来のSiO2 系ガラスにGeO2 を均一
に分散させたコアを有する導波路において、紫外光照射
時の屈折率変化の割合を大きくするためには、添加され
るGeの濃度を全体的に増加させなければならない。し
かしながら、むやみにGeの添加濃度を増加させると、
光導波路と光ファイバとの接続部分で発生する損失が大
きくなることから現実的ではない。
【0051】本発明のGeO2 濃度の異なる少なくとも
2種類のSiO2 −GeO2 組成の交互多層構造からな
るコア用ガラス膜は、Geの濃度を膜の厚さ方向で局所
的にかつ周期的に高めることができる。Ge濃度の高い
層は、濃度の低い層よりもGe同志が隣合わせになる確
率が増加する。すなわち、屈折率変化を起こさせる要因
となるGe同志の結合の割合を増加させることができ
る。
【0052】よって、紫外光を照射した時の屈折率変化
の割合も増加させることができる。またさらに、各層の
厚さを使用する信号光波長に対して十分に小さなオーダ
ー、例えば数十オングストロームとすれは、コアを伝搬
する光の電界強度分布に影響を与えることはなく、モー
ド不整合などに起因した損失を増加させずに光ファイバ
との結合を図ることも可能である。
【0053】また、本発明の光導波路の製造方法は、物
理的に大きな固まりを飛ばして成膜を行うスパッタリン
グ法を用いているため、蒸着法やCVD法よりもGe同
士が隣合わせになる確率を増加させることが可能であ
り、酸素欠乏欠陥の量も制御し易いという利点がある。
【0054】また、本発明の光導波路の製造方法は、G
eO2 濃度の異なる少なくとも2種類以上の複数のSi
2 −GeO2 スパッタリングターゲットを使用し、そ
れぞれに同時にRF高周波電力を印加すると共に、回転
機構を有する基板ホルダーを回転させながら、これに取
り付けられた基板の表面に少なくとも2種類以上の組成
からなるSiO2 −GeO2 膜を交互に多層状に形成す
るようにし、それぞれのスパッタリングターゲットに印
加するRF高周波電力の比率を任意に設定して所望の膜
厚比を得ると共に、ホルダーの回転速度を調整して所望
の積層数の膜が得られるようにしたため、再現性良くか
つ容易に本発明の交互多層状の膜を形成することができ
る。
【0055】また、本発明の光導波路の製造方法は、基
板にバイアスを印加し、そのバイアス電力の調整により
膜へのArイオンの入射率を制御しながら膜形成するよ
うにしたため、紫外光照射時の屈折率変化に寄与する酸
素欠乏欠陥の量をも制御することができる。
【0056】すなわち、本発明によれば紫外光照射時の
屈折率変化を大きくとることができるため、導波路型光
デバイスの機能性を大きく向上させることができる。
【0057】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0058】コアガラス膜をGe濃度の異なる少なくと
も2種類のSiO2 組成膜の交互多層膜構造とすること
により、屈折率変化の大きい光導波路及びその製造方法
の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の一実施の形態を示す断面図
である。
【図2】図1に示した光導波路を形成するためのスパッ
タリング装置の平面図である。
【図3】図1に示した光導波路の製造工程図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下側クラッド層 3 交互多層構造コア(導波路コア) 4 上側クラッド層 5 高濃度にGeを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層 6 低濃度にGeを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低屈折率層を有する平面基板と、この平
    面基板の上に形成された屈折率の高いコアガラス膜を加
    工してなる略矩形断面形状のコアと、このコアを覆う低
    屈折率のガラス膜からなる光導波路において、上記コア
    ガラス膜をGe濃度の異なる少なくとも2種類のSiO
    2 組成膜の交互多層膜構造としたことを特徴とする光導
    波路。
  2. 【請求項2】 上記交互多層構造を構成する少なくとも
    2種類のSiO2 −GeO2 組成膜のGe濃度はGeO
    2 として0〜100%の範囲で調整した請求項1記載の
    光導波路。
  3. 【請求項3】 上記コアガラス層の厚さは、コア内を伝
    搬する信号光の波長に対して十分小さい請求項1又は2
    記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 上記コアガラス膜は、RF高周波スパッ
    タリング法によって形成され、GeO2 濃度の異なる少
    なくとも2種類以上の複数のSiO2 −GeO2 スパッ
    タリングターゲットを使用し、それぞれに同時にRF高
    周波電力を印加すると共に、回転機構を有する基板ホル
    ダを回転させながら、この基板ホルダに取り付けられた
    基板の表面に少なくとも2種類以上の組成からなるSi
    2 −GeO2 膜を交互に多層状に形成することを特徴
    とする光導波路の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記スパッタリングターゲットに印加さ
    れるRF高周波電力を調整して所望の膜厚比を得ると共
    に、基板ホルダの回転速度を調整して所望の膜厚及び積
    層数の膜を得るようにした請求項4記載の光導波路の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記RF高周波スパッタリングによる膜
    形成は、Ar及びO2 ガス中で基板にバイアス電圧を印
    加しながら行うようにした請求項4又は5記載の光導波
    路の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記コアガラス膜を1000℃以上の高
    温で熱処理することによりGeを拡散させるようにした
    請求項4又は5記載の光導波路の製造方法。
JP15415596A 1996-06-14 1996-06-14 光導波路及びその製造方法 Pending JPH103014A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114153030A (zh) * 2021-12-08 2022-03-08 黄山博蓝特半导体科技有限公司 多层介质光波导结构及其制造方法

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