JPH10300886A - 核燃料要素内のガス圧測定方法 - Google Patents
核燃料要素内のガス圧測定方法Info
- Publication number
- JPH10300886A JPH10300886A JP9104652A JP10465297A JPH10300886A JP H10300886 A JPH10300886 A JP H10300886A JP 9104652 A JP9104652 A JP 9104652A JP 10465297 A JP10465297 A JP 10465297A JP H10300886 A JPH10300886 A JP H10300886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nuclear fuel
- gas
- fuel element
- cladding tube
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】核燃料要素内のガス圧を非破壊でかつ精度よく
測定する。 【解決手段】被覆管2内に核燃料ペレット3を収納する
とともに核分裂ガス溜用ガスプレナム部4を設け、ヘリ
ウム等の封入ガスを充填し、被覆管2の両端部を端栓
6,7により密封してなる核燃料要素1内のガス圧測定
方法において、ガスプレナム部4の被覆管2を加熱装置
9を作動させて約10秒間で室温から 327℃まで急速に昇
温し、恒温装置10で被覆管2の非加熱部の温度を制御す
る。加熱開始後の被覆管2の各点での温度および被覆管
2の外径変化の時間依存性をデータ収録装置21に記録す
る。被覆管2の外径が膨張を示さなくなった時点で測定
を終了する。
測定する。 【解決手段】被覆管2内に核燃料ペレット3を収納する
とともに核分裂ガス溜用ガスプレナム部4を設け、ヘリ
ウム等の封入ガスを充填し、被覆管2の両端部を端栓
6,7により密封してなる核燃料要素1内のガス圧測定
方法において、ガスプレナム部4の被覆管2を加熱装置
9を作動させて約10秒間で室温から 327℃まで急速に昇
温し、恒温装置10で被覆管2の非加熱部の温度を制御す
る。加熱開始後の被覆管2の各点での温度および被覆管
2の外径変化の時間依存性をデータ収録装置21に記録す
る。被覆管2の外径が膨張を示さなくなった時点で測定
を終了する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非破壊法で燃料
棒、つまり核燃料要素内のガス圧を測定するガス圧測定
方法に関する。
棒、つまり核燃料要素内のガス圧を測定するガス圧測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように核燃料要素1は、長尺
の被覆管2内に複数個の燃料ペレット3を積層装填し、
被覆管2の上端部にガス溜用ガスプレナム部4と燃料ペ
レット3を安定に支持するためのプレナムスプリング5
を有し、ヘリウム等の封入ガスを充填し、被覆管2の両
端開口部を上部端栓6および下部端栓7で密封溶接した
構成となっている。
の被覆管2内に複数個の燃料ペレット3を積層装填し、
被覆管2の上端部にガス溜用ガスプレナム部4と燃料ペ
レット3を安定に支持するためのプレナムスプリング5
を有し、ヘリウム等の封入ガスを充填し、被覆管2の両
端開口部を上部端栓6および下部端栓7で密封溶接した
構成となっている。
【0003】核燃料要素1は通常運転時および過渡期に
おいて健全性が保たれなければならない。そのために核
燃料要素1のふるまいの予測が計算機プログラムの助け
をかりて行われているが、その評価の眼目は核燃料要素
1の温度解析と被覆管2に作用する荷重の大きさであ
る。
おいて健全性が保たれなければならない。そのために核
燃料要素1のふるまいの予測が計算機プログラムの助け
をかりて行われているが、その評価の眼目は核燃料要素
1の温度解析と被覆管2に作用する荷重の大きさであ
る。
【0004】これらの評価項目に、燃料ペレット3と被
覆管2により形成されるギャップ8内のガス圧の大きさ
が主要な役割を果たしている。すなわち、燃料ペレット
3の発熱量が一定な通常運転時の燃料ペレット3の最高
温度は燃料ペレット3の外面から被覆管2内面へのギャ
ップ8の熱伝達に依存する。
覆管2により形成されるギャップ8内のガス圧の大きさ
が主要な役割を果たしている。すなわち、燃料ペレット
3の発熱量が一定な通常運転時の燃料ペレット3の最高
温度は燃料ペレット3の外面から被覆管2内面へのギャ
ップ8の熱伝達に依存する。
【0005】この熱伝達は主としてギャップ8の幅とギ
ャップ8に存在するガスの種類の影響を強く受ける。例
えば製造時に充填されたヘリウムガスの熱伝導率に比
べ、核分裂ガスであるクリプトンやキセノンのそれは1
桁以上小さく、熱を伝え難い。核分裂ガスがギャップ8
に放出され高濃度になると、ギャップガスの熱伝導度の
低下ひいてはギャップ熱伝達率の低下をもたらすことに
なる。その結果、燃料ペレット3の温度が上昇して、更
に燃料ペレット3から核分裂ガスが放出されることにな
る。
ャップ8に存在するガスの種類の影響を強く受ける。例
えば製造時に充填されたヘリウムガスの熱伝導率に比
べ、核分裂ガスであるクリプトンやキセノンのそれは1
桁以上小さく、熱を伝え難い。核分裂ガスがギャップ8
に放出され高濃度になると、ギャップガスの熱伝導度の
低下ひいてはギャップ熱伝達率の低下をもたらすことに
なる。その結果、燃料ペレット3の温度が上昇して、更
に燃料ペレット3から核分裂ガスが放出されることにな
る。
【0006】なお、同時に燃料ペレット3が熱膨張する
のでギャップ8が狭まり、結果的にはある値に安定す
る。もし、何らかの原因で内圧が過剰に上昇し冷却材圧
力を越えることがあると、内圧によって被覆管2が膨張
しその結果、熱的に不安定になることが懸念されるの
で、核燃料要素1内のガス圧の値を正確に把握すること
が重要な技術である。
のでギャップ8が狭まり、結果的にはある値に安定す
る。もし、何らかの原因で内圧が過剰に上昇し冷却材圧
力を越えることがあると、内圧によって被覆管2が膨張
しその結果、熱的に不安定になることが懸念されるの
で、核燃料要素1内のガス圧の値を正確に把握すること
が重要な技術である。
【0007】ところで、従来の核燃料要素1内のガス圧
測定方法は、使用後の核燃料要素1の被覆管2に機械的
に開口部を設け、被覆管2内部のガス量を実測する被覆
管破壊法と、核燃料要素1内の特定核種が放出する放射
線の強度を、特定ガスの濃度さらにはガス圧力に換算す
ることによって、燃料ペレット3から放出されたガス量
を間接的に測定する非破壊法とがある。
測定方法は、使用後の核燃料要素1の被覆管2に機械的
に開口部を設け、被覆管2内部のガス量を実測する被覆
管破壊法と、核燃料要素1内の特定核種が放出する放射
線の強度を、特定ガスの濃度さらにはガス圧力に換算す
ることによって、燃料ペレット3から放出されたガス量
を間接的に測定する非破壊法とがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
被覆管破壊法は直接的にガスの組成まで分析できるが、
破壊試験であるために、放射性ガスが放出されるので、
管理上の問題が発生する課題がある。一方、後者の非破
壊法ではガスの組成を仮定する必要があるなど、精度を
向上させなければならない課題がある。
被覆管破壊法は直接的にガスの組成まで分析できるが、
破壊試験であるために、放射性ガスが放出されるので、
管理上の問題が発生する課題がある。一方、後者の非破
壊法ではガスの組成を仮定する必要があるなど、精度を
向上させなければならない課題がある。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、核燃料要素内のガス圧を非破壊法で、かつ
精度よく測定できる核燃料要素内のガス圧測定方法を提
供することである。
れたもので、核燃料要素内のガス圧を非破壊法で、かつ
精度よく測定できる核燃料要素内のガス圧測定方法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、被
覆管内に複数個の核燃料ペレットが積層装填され、核分
裂ガス溜用ガスプレナム部が設けられるとともに、封入
ガスが充填され、前記被覆管の両端部が端栓により密封
されてなる核燃料要素内のガス圧の測定方法において、
前記核燃料要素のガスプレナム部の少なくとも一部分を
室温に対して加熱または冷却して温度を変化させると同
時に前記被覆管の形状変化の時間依存性を検出すること
を特徴とする。
覆管内に複数個の核燃料ペレットが積層装填され、核分
裂ガス溜用ガスプレナム部が設けられるとともに、封入
ガスが充填され、前記被覆管の両端部が端栓により密封
されてなる核燃料要素内のガス圧の測定方法において、
前記核燃料要素のガスプレナム部の少なくとも一部分を
室温に対して加熱または冷却して温度を変化させると同
時に前記被覆管の形状変化の時間依存性を検出すること
を特徴とする。
【0011】また、請求項2の発明は、前記被覆管の非
加熱部に長手方向に沿って複数の寸法測定器と温度測定
器を設け、前記ガスプレナム部の少なくとも一部を急速
加熱または急速冷却させると同時に前記被覆管の長手方
向に複数箇所での外径変化を測定することを特徴とす
る。
加熱部に長手方向に沿って複数の寸法測定器と温度測定
器を設け、前記ガスプレナム部の少なくとも一部を急速
加熱または急速冷却させると同時に前記被覆管の長手方
向に複数箇所での外径変化を測定することを特徴とす
る。
【0012】本発明は、ギャップの性質のうち、燃料挙
動解析上重要な核分裂ガスの被覆管内の長手方向移行量
の測定に関する検討中に見出されたものである。核燃料
要素のガスプレナム部を例えば室温(T0 )からT
(K)まで昇温すると、P0 を室温での圧力(kg/c
m2 )とすると、内圧の増加量ΔP(kg/cm2 )は次式
で近似できる。 ΔP=P0 (T−T0 )/T0
動解析上重要な核分裂ガスの被覆管内の長手方向移行量
の測定に関する検討中に見出されたものである。核燃料
要素のガスプレナム部を例えば室温(T0 )からT
(K)まで昇温すると、P0 を室温での圧力(kg/c
m2 )とすると、内圧の増加量ΔP(kg/cm2 )は次式
で近似できる。 ΔP=P0 (T−T0 )/T0
【0013】典型的な沸騰水型燃料要素被覆管に内圧Δ
Pが作用した時の被覆管の外径膨張量ΔD(mm)は、二
軸応力状態下でのヤング率を考慮し、被覆管外径D0 を
約12.27mm とすると Δσ=0.066 ×ΔP ΔD=Δσ/11440 ×D0 であるから ΔD=7.1 ×10-5×ΔP の関係が得られる。
Pが作用した時の被覆管の外径膨張量ΔD(mm)は、二
軸応力状態下でのヤング率を考慮し、被覆管外径D0 を
約12.27mm とすると Δσ=0.066 ×ΔP ΔD=Δσ/11440 ×D0 であるから ΔD=7.1 ×10-5×ΔP の関係が得られる。
【0014】被覆管の内圧は燃料ペレットからの核分裂
ガス放出率に依存して変化し、通常の燃焼度での報告さ
れている放出率を参考にして圧力を計算すると、約10
(kg/cm2 )に達すると考えるのが一般的であり、さら
に高燃焼度まで使用されると20(kg/cm2 )以上に達す
る場合があると考えられる。
ガス放出率に依存して変化し、通常の燃焼度での報告さ
れている放出率を参考にして圧力を計算すると、約10
(kg/cm2 )に達すると考えるのが一般的であり、さら
に高燃焼度まで使用されると20(kg/cm2 )以上に達す
る場合があると考えられる。
【0015】ここで、10(kg/cm2 )の内圧に達してい
る核燃料要素のガスプレナム部を室温から 350℃に加熱
するとΔPは約10(kg/cm2 )であるのでΔDは0.7 μ
mに達することが推定される。
る核燃料要素のガスプレナム部を室温から 350℃に加熱
するとΔPは約10(kg/cm2 )であるのでΔDは0.7 μ
mに達することが推定される。
【0016】一方、近年、寸法変化を0.01μmの高感度
で高精度にかつ簡便に測定可能な計測機器が提供されて
いる。また、ジルコニウム合金からなる被覆管の熱膨張
係数はステンレス鋼のそれの約3分の1(約7×10-6/
K)と小さいので、被覆管の外径測定位置での温度変化
を数度以内に制限すれば寸法変化に及ぼす影響は少な
い。
で高精度にかつ簡便に測定可能な計測機器が提供されて
いる。また、ジルコニウム合金からなる被覆管の熱膨張
係数はステンレス鋼のそれの約3分の1(約7×10-6/
K)と小さいので、被覆管の外径測定位置での温度変化
を数度以内に制限すれば寸法変化に及ぼす影響は少な
い。
【0017】以上の検討から、従来、核燃料要素内のガ
ス圧力に関する情報は、核燃料要素を破壊して圧力計を
配管する方法が考えられていたが、本発明者は被覆管内
の任意の位置についての、内圧を外径測定により求める
ことが工学的に実現可能であることを新たに見出し、核
燃料要素の一部の温度を変化させて生じる核燃料要素内
の差圧の時間依存性を測定するとギャップ内のガス圧の
大きさおよびギャップ内のガスの流動性に対する抵抗の
大きさに関する情報を提供できる。
ス圧力に関する情報は、核燃料要素を破壊して圧力計を
配管する方法が考えられていたが、本発明者は被覆管内
の任意の位置についての、内圧を外径測定により求める
ことが工学的に実現可能であることを新たに見出し、核
燃料要素の一部の温度を変化させて生じる核燃料要素内
の差圧の時間依存性を測定するとギャップ内のガス圧の
大きさおよびギャップ内のガスの流動性に対する抵抗の
大きさに関する情報を提供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を図1に
より説明する。図1は、核燃料要素1の断面図と、本実
施の形態における核燃料要素1内のガス圧測定方法を説
明するための概略構成図を示したものである。
より説明する。図1は、核燃料要素1の断面図と、本実
施の形態における核燃料要素1内のガス圧測定方法を説
明するための概略構成図を示したものである。
【0019】すなわち、商業用沸騰水型原子炉で照射さ
れた核燃料要素1にガスプレナム部4の領域を、長さ約
40cmに渡って赤外線照射方式で急速加熱する加熱装置9
と、この加熱装置9に隣接して、被覆管2の非加熱部の
温度を一定に制御する恒温装置10を設ける。また、燃料
ペレット3が収納された領域の被覆管2に、その外径変
化を高精度に測定するために、感度0.01μmの寸法測定
器11〜15と温度変化による補正を行うための温度検出器
16〜20を核燃料要素1の長手方向の5カ所に取り付け
る。寸法測定器11〜15と温度検出器16〜20とをデータ収
録装置21に接続する。
れた核燃料要素1にガスプレナム部4の領域を、長さ約
40cmに渡って赤外線照射方式で急速加熱する加熱装置9
と、この加熱装置9に隣接して、被覆管2の非加熱部の
温度を一定に制御する恒温装置10を設ける。また、燃料
ペレット3が収納された領域の被覆管2に、その外径変
化を高精度に測定するために、感度0.01μmの寸法測定
器11〜15と温度変化による補正を行うための温度検出器
16〜20を核燃料要素1の長手方向の5カ所に取り付け
る。寸法測定器11〜15と温度検出器16〜20とをデータ収
録装置21に接続する。
【0020】ここで、核燃料要素1,加熱装置9,恒温
装置10,寸法測定器11〜15および温度検出器16〜20をγ
線遮蔽機能を有するセル内にセットし、まず加熱装置9
を作動させて約10秒間で室温から 327℃まで昇温すると
ともに恒温装置10によって被覆管2の非加熱部の温度を
制御した。加熱開始後の被覆管2の各点での温度および
被覆管2の外径変化の時間依存性をデータ収録装置21に
記録した。被覆管2の外径が膨張を示さなくなった時点
で測定を終了した。
装置10,寸法測定器11〜15および温度検出器16〜20をγ
線遮蔽機能を有するセル内にセットし、まず加熱装置9
を作動させて約10秒間で室温から 327℃まで昇温すると
ともに恒温装置10によって被覆管2の非加熱部の温度を
制御した。加熱開始後の被覆管2の各点での温度および
被覆管2の外径変化の時間依存性をデータ収録装置21に
記録した。被覆管2の外径が膨張を示さなくなった時点
で測定を終了した。
【0021】上述の各装置および測定方法を用いて、燃
焼度が異なる各種の核燃料要素1の被覆管2の外径膨張
の時間依存性を求めた。沸騰水型原子炉で3サイクル照
射された核燃料要素の場合には加熱装置9の作動開始
後、各位置での被覆管2の外径は有意な時間遅れを示さ
ずに最大 0.7μmの膨張量を示した。
焼度が異なる各種の核燃料要素1の被覆管2の外径膨張
の時間依存性を求めた。沸騰水型原子炉で3サイクル照
射された核燃料要素の場合には加熱装置9の作動開始
後、各位置での被覆管2の外径は有意な時間遅れを示さ
ずに最大 0.7μmの膨張量を示した。
【0022】これに対して、さらに高燃焼度まで使用し
た試験用核燃料要素の場合、ガスプレナム部4の昇温に
連動してガスプレナム部4に最も近い寸法測定器11は5
分後に約 2.0μmの外径膨張を示した。
た試験用核燃料要素の場合、ガスプレナム部4の昇温に
連動してガスプレナム部4に最も近い寸法測定器11は5
分後に約 2.0μmの外径膨張を示した。
【0023】この寸法測定器11から離れた寸法測定器12
〜15ほど外径膨張量に遅れが生じ、最も離れた寸法測定
器15では5分後に約 0.2μmの外径膨張にとどまってい
た。また、試験開始後の経過時間が増加すると試験初期
に認められた膨張量の測定位置による差異は緩和され、
約1時間後には核燃料要素1の長手方向位置に関わらず
約 2.0μmの外径膨張量が検出された。
〜15ほど外径膨張量に遅れが生じ、最も離れた寸法測定
器15では5分後に約 0.2μmの外径膨張にとどまってい
た。また、試験開始後の経過時間が増加すると試験初期
に認められた膨張量の測定位置による差異は緩和され、
約1時間後には核燃料要素1の長手方向位置に関わらず
約 2.0μmの外径膨張量が検出された。
【0024】さて、例えば、典型的な沸騰水型核燃料要
素では被覆管2の内圧増加量ΔP(kg/cm2 )とそれに
対応して生じる外径膨張量ΔD(μm)の関係は ΔP=14.1×ΔD と表せる。また、室温での核燃料要素1内の圧力P
0 (kg/cm2 )は、室温および被覆管2の試験時の保持
温度をそれぞれT0 ,T(K)とし、被覆管2の温度と
ガスプレナム部4の温度が等しいとすると次式で近似で
きる。
素では被覆管2の内圧増加量ΔP(kg/cm2 )とそれに
対応して生じる外径膨張量ΔD(μm)の関係は ΔP=14.1×ΔD と表せる。また、室温での核燃料要素1内の圧力P
0 (kg/cm2 )は、室温および被覆管2の試験時の保持
温度をそれぞれT0 ,T(K)とし、被覆管2の温度と
ガスプレナム部4の温度が等しいとすると次式で近似で
きる。
【0025】P0 =14.1×ΔD×T/(T−T0 )
【0026】上に示した結果から前者の3サイクル核燃
料要素および後者の試験用燃料要素の室温での内圧はそ
れぞれ約10(kg/cm2 )および約28(kg/cm2 )である
こと、さらに後者の核燃料要素においては、試験後5分
の時点で燃料ペレット3部左右(寸法測定器11〜15)で
膨張量の差が 1.8μmであるので約25(kg/cm2 )の差
圧を生じているが、1時間後には差圧が解消されたこと
がわかる。
料要素および後者の試験用燃料要素の室温での内圧はそ
れぞれ約10(kg/cm2 )および約28(kg/cm2 )である
こと、さらに後者の核燃料要素においては、試験後5分
の時点で燃料ペレット3部左右(寸法測定器11〜15)で
膨張量の差が 1.8μmであるので約25(kg/cm2 )の差
圧を生じているが、1時間後には差圧が解消されたこと
がわかる。
【0027】本実施の形態によれば、核燃料要素内の一
部に圧力増加を生じた時の(1) 核燃料要素長手方向各位
置での内圧の大きさと(2) その時間依存性の2つの項目
について定量的な情報を得ることができるので、これら
の情報を直接入力データとする流れおよび拡散に関する
種々の解析方法によって、核燃料要素内の核分裂ガスの
ふるまいを評価できる。
部に圧力増加を生じた時の(1) 核燃料要素長手方向各位
置での内圧の大きさと(2) その時間依存性の2つの項目
について定量的な情報を得ることができるので、これら
の情報を直接入力データとする流れおよび拡散に関する
種々の解析方法によって、核燃料要素内の核分裂ガスの
ふるまいを評価できる。
【0028】本実施の形態では核燃料要素1のガスプレ
ナム部4を加熱し、被覆管2の外径膨張を測定する例を
示したが、温度変化を与える領域をガスプレナム4部に
限定するものではないし、ガスプレナム4部を加熱する
代りに冷却すること、また、被覆管2の膨張量の測定の
代りに真円度の測定も行うことができる。
ナム部4を加熱し、被覆管2の外径膨張を測定する例を
示したが、温度変化を与える領域をガスプレナム4部に
限定するものではないし、ガスプレナム4部を加熱する
代りに冷却すること、また、被覆管2の膨張量の測定の
代りに真円度の測定も行うことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、使用済核燃料要素内の
燃料ペレットと被覆管内壁が形成するギャップ内でのガ
ス圧の絶対値および加圧ガスの核燃料要素内移行現象に
関する知見を提供し、核燃料のふるまい解析の高精度化
に寄与できる。
燃料ペレットと被覆管内壁が形成するギャップ内でのガ
ス圧の絶対値および加圧ガスの核燃料要素内移行現象に
関する知見を提供し、核燃料のふるまい解析の高精度化
に寄与できる。
【図1】本発明に係る核燃料要素の測定方法の実施の形
態を説明するための一部ブロックで示す概略構成図。
態を説明するための一部ブロックで示す概略構成図。
1…核燃料要素、2…被覆管、3…燃料ペレット、4…
ガスプレナム部、5…プレナムスプリング、6…上部端
栓、7…下部端栓、8…ギャップ、9…加熱装置、10…
恒温装置、11〜15…寸法測定器、16〜20…温度検出器、
21…データ記録装置。
ガスプレナム部、5…プレナムスプリング、6…上部端
栓、7…下部端栓、8…ギャップ、9…加熱装置、10…
恒温装置、11〜15…寸法測定器、16〜20…温度検出器、
21…データ記録装置。
Claims (2)
- 【請求項1】 被覆管内に複数の核燃料ペレットが積層
装填され、核分裂ガス溜用ガスプレナム部が設けられる
とともに、封入ガスが充填され、前記被覆管の両端部が
端栓により密封してなる核燃料要素内のガス圧の測定方
法において、前記核燃料要素のガスプレナム部の少なく
とも一部分を室温に対して加熱または冷却して温度を変
化させると同時に前記被覆管の形状変化の時間依存性を
検出することを特徴とする核燃料要素のガス圧測定方
法。 - 【請求項2】 前記被覆管の非加熱部に長手方向に沿っ
て複数の寸法測定器と温度測定器を設け、前記ガスプレ
ナム部の少なくとも一部を急速加熱または急速冷却させ
ると同時に前記被覆管の長手方向に複数箇所での外径変
化を測定することを特徴とする請求項1記載の核燃料要
素内のガス圧測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9104652A JPH10300886A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 核燃料要素内のガス圧測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9104652A JPH10300886A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 核燃料要素内のガス圧測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300886A true JPH10300886A (ja) | 1998-11-13 |
Family
ID=14386401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9104652A Pending JPH10300886A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 核燃料要素内のガス圧測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10300886A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8903034B2 (en) * | 2008-05-21 | 2014-12-02 | Westinghouse Electric Company Llc | Fuel rod internal pressure measurement |
CN106952670A (zh) * | 2017-03-30 | 2017-07-14 | 中国核动力研究设计院 | 一种在线测量核燃料裂变气体释放压力的装置 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP9104652A patent/JPH10300886A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8903034B2 (en) * | 2008-05-21 | 2014-12-02 | Westinghouse Electric Company Llc | Fuel rod internal pressure measurement |
CN106952670A (zh) * | 2017-03-30 | 2017-07-14 | 中国核动力研究设计院 | 一种在线测量核燃料裂变气体释放压力的装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS5853759B2 (ja) | 原子炉燃料アセンブリ内の局部の出力測定装置 | |
JP6529401B2 (ja) | 放射性物質密封容器のガス漏洩検知装置及び方法並びにプログラム | |
Carcreff et al. | Development, calibration, and experimental results obtained with an innovative calorimeter (CALMOS) for nuclear heating measurements | |
US20080130817A1 (en) | Method and apparatus for measurement of terminal solid solubility temperature in alloys capable of forming hydrides | |
Chapman et al. | Zirconium cladding deformation in a steam environment with transient heating | |
Reynard-Carette et al. | Review of nuclear heating measurement by calorimetry in France and USA | |
Campello et al. | Validation of a multimodal set‐up for the study of zirconium alloys claddings' behaviour under simulated LOCA conditions | |
JPH10300886A (ja) | 核燃料要素内のガス圧測定方法 | |
US5473644A (en) | Apparatus for measuring power of nuclear reactor and method for manufacturing the same | |
JPH1039083A (ja) | 炉内情報監視装置 | |
Knight et al. | Experimental determination and modeling of used fuel drying by vacuum and gas circulation for dry cask storage | |
Schmitt et al. | SIMULATED DESIGN BASIS ACCIDENT TESTS OF THE CAROLINAS VIRGINIA TUBE REACTOR CONTAINMENT. Final Report. | |
US8903034B2 (en) | Fuel rod internal pressure measurement | |
RU2261489C2 (ru) | Способ контроля и разбраковки тепловыделяющих элементов и устройство для его осуществления | |
RU2552526C1 (ru) | Способ контроля тепловыделяющих элементов | |
JPS6211317B2 (ja) | ||
Norman et al. | Thermometry of intermediate level nuclear waste containers in multiple environmental conditions | |
Thornton et al. | Design and performance testing of a tritium calorimeter | |
US8842796B2 (en) | Nuclear fuel rod pellet stack inspection | |
Lewis | Tests of sodium boiling in a single tube-in-shell heat exchanger over the range 1720 to 1980 F (1211 to 1355 K) | |
US3826921A (en) | Monitor for radiation-induced heating | |
RU2300746C2 (ru) | Способ измерения давления газа в газосборнике тепловыделяющего элемента ядерного реактора | |
Lennon et al. | A preliminary investigation into the partitioning of the convective and radiative incident heat flux in real fires | |
JPH0210198A (ja) | 核燃料集合体内の漏出燃料棒を検出するための方法及びその実施のための装置 | |
Wiesenack et al. | Axial gas transport and loss of pressure after ballooning rupture of high burn-up fuel rods subjected to LOCA conditions |