JPH10300665A - 稲の特定成分測定方法 - Google Patents

稲の特定成分測定方法

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JPH10300665A
JPH10300665A JP11889497A JP11889497A JPH10300665A JP H10300665 A JPH10300665 A JP H10300665A JP 11889497 A JP11889497 A JP 11889497A JP 11889497 A JP11889497 A JP 11889497A JP H10300665 A JPH10300665 A JP H10300665A
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Satoshi Eto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 穂肥を適切に行うための判断材料としての葉
身の窒素量を、簡単にしかも正確に測定することができ
る方法を提供する。 【構成】 稲の葉の成分に関連する任意波長の近赤外光
を稲の葉に照射し該稲の葉の透過光及び/又は反射光を
受光して透過光量及び/又は反射光量を求め、該透過光
量及び/又は反射光量から当該波長による前記稲の葉の
吸光度を求めるとともに、あらかじめ成分量が既知の稲
の葉に前記任意波長の近赤外光を照射したときの吸光度
と前記成分量が既知の稲の葉の成分量との重回帰分析に
よって成分量推定式を求め、該成分量推定式と前記稲の
葉の吸光度とから前記稲の葉の成分量を求める稲の特定
成分測定方法において、前記稲を、稲の生育に影響する
環境要素により複数区分に区分けして、前記成分量推定
式を区分ごとに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は稲の葉身に含まれる
特定成分の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】稲作において、幼穂形成期には穀物の収
量を確保しながら稲の倒伏を防止する目的でいわゆる穂
肥(ほごえ)が行われるが、施肥量が多すぎても少なす
ぎても稲の生育に悪影響を与えるため、適切な施肥量を
稲に供給することが重要なポイントの1つとなってい
る。
【0003】適切な施肥量は、葉身の単位重量当たりの
窒素重量を測定することで判断できることが知られてお
り、既に本出願人は葉身の窒素量を測定できる装置を提
案している(特開平8−15141号公報)。この装置
は、窒素に関連する任意波長の近赤外光を被測定葉に照
射し、この葉の透過光と反射光とを受光して透過光量と
反射光量とを求めることにより、この波長における被測
定葉の吸光度を求めるとともに、あらかじめ窒素量が既
知の葉に前記任意波長の近赤外光を照射したときの吸光
度と前記窒素量が既知の葉の窒素量との重回帰分析によ
って葉の窒素量推定式を定め、この葉の窒素量推定式と
被測定葉の吸光度とにより被測定葉の窒素量を求める、
という装置であり、測定しようとする葉の種類、測定し
ようとする葉の成分名あるいは葉の生育ステージにおけ
る現在の生育位置等を入力することにより、記憶された
複数の成分量推定式の中から最も測定に適した成分量推
定式を選択して正確に成分量を測定することが記載して
ある。
【0004】しかしながら、葉身の窒素量を単位重量当
たりの窒素重量で表す場合にはSLW(葉身の単位面積
当たりの乾物重量)が重要となる。特定波長の吸光度か
らSLWを算出する方法については、測定時の葉身の環
境要素が複雑すぎ、その条件を再現してSLWを求める
ことは困難であって、上記装置においては、全ての被測
定葉のSLWが異なるにもかかわらずSLWに関しては
考慮されていない。そのため、上記装置により測定され
た窒素量と化学分析により測定された窒素量との間にば
らつきが生じている(図6参照)。
【0005】SLWを測定する場合には、葉身面積は、
葉身をコピーしてコピー紙の重量から換算したり、葉面
積計を用いて算出し、葉身の乾物重量は、葉身を一定の
乾燥温度、乾燥時間で乾燥した後の重量を計測して行わ
れているが、これらの方法は農家で簡単に行えるもので
はない。
【0006】本出願人は、SLWが生育日数や気温等の
環境要素により変化することに着目し、図6に示したサ
ンプル群を生育日数が長いものを×印、短いものを○印
で表示したところ、図5に示すように、サンプル群が生
育日数が長いものと生育日数が短いものとにより大きく
2つのグループに分けることができることを見いだし
た。また、生育期間の平均気温の高低によっても生育日
数同様、サンプル群を2つのグループに分けることがで
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、穂肥を適切
に行うための判断材料としての葉身の窒素量を、簡単に
しかも正確に測定することができる稲の特定成分測定方
法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、稲の葉の成分に関連する任意波長の近赤外光
を稲の葉に照射し該稲の葉の透過光及び/又は反射光を
受光して透過光量及び/又は反射光量を求め、該透過光
量及び/又は反射光量から当該波長による前記稲の葉の
吸光度を求めるとともに、あらかじめ成分量が既知の稲
の葉に前記任意波長の近赤外光を照射したときの吸光度
と前記成分量が既知の稲の葉の成分量との重回帰分析に
よって成分量推定式を求め、該成分量推定式と前記稲の
葉の吸光度とから前記稲の葉の成分量を求める稲の特定
成分測定方法において、前記稲を、稲の生育に影響する
環境要素により複数区分に区分けして、前記成分量推定
式を区分ごとに設ける、という技術的手段を講じた。
【0009】前記環境要素を前記稲の生育期間の日数と
するとともに、前記稲を、該稲の生育期間の日数により
複数区分に区分けして、前記成分量推定式を区分ごとに
設けるとよい。
【0010】前記環境要素を前記稲の生育期間の平均気
温又は積算気温とするとともに、前記稲を、該稲の生育
期間の平均気温又は積算気温により複数区分に区分けし
て、前記成分量推定式を区分ごとに設けるとよい。
【0011】前記生育期間を前記稲の田植期から幼穂形
成期初期とするとよい。
【0012】前記生育期間を前記稲の田植日から幼穂形
成期の穎花分化始期とするとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法を実施するための好
適な装置について図面を参照しながら説明する。図1は
稲の特定成分測定装置の主要構成である光学測定部1を
示している。まず、任意波長の近赤外光を照射するため
の発光手段3を、発光ダイオード等からなる近赤外光発
光素子4と任意波長の近赤外光のみを通過する狭帯域フ
ィルター5とから構成している。この発光手段3は、葉
の成分量と測定された成分値との相関により設置数が異
なり、設置数とともに狭帯域フィルター5の通過波長も
異なる。また、発光手段3にはこの構成の他に集光レン
ズやスリットを設けることもある。本実施例では4種の
波長を使用したために4個の近赤外光発光素子4と4種
の狭帯域フィルターからなる発光手段3としてある。こ
の波長数についてはこの例に限定されず、測定光量から
得られた成分値と実際の成分量との高い相関が得られる
ように波長数を決定すればよい。
【0014】次に稲の葉2の葉面に均一に近赤外光が照
射されるよう葉2を平面的に挟持するとともに、挟持し
た葉2からの反射光と透過光とを測定するための測定窓
6A、6Bを開設した葉保持手段7A、7Bを設けてあ
る。
【0015】この葉保持手段7Bの測定窓6Bと発光手
段3とは積分球8により光学的に連絡してある。つまり
発光手段3は照射光を積分球8内部に照射して散乱させ
るよう積分球8に固設してあり、さらに積分球8には前
記測定窓6Bに連絡する開口部9と、他方にシリコンフ
ォトダイオードからなる反射受光手段10を固設する開
口部11を開設してある。このようにして、発光手段3
から照射された近赤外光は積分球8内で散乱し測定窓6
Bから葉2面に照射される。また、葉2による反射光は
積分球8内で散乱し反射受光手段10に受光される。さ
らに葉2に照射された近赤外光のうち透過したものは、
葉保持手段7Aの測定窓6A側に固定してあるシリコン
フォトダイオードからなる透過受光手段12で透過光と
して受光される。
【0016】図2は本発明のブロック図であり、発光手
段3は発光制御回路13により発光制御される。この発
光制御は4個の近赤外光発光素子4を順次、あらかじめ
定めた時間発光させる。順次発光される近赤外光発光素
子4の光は狭帯域フィルター5によって狭帯域波長の光
として葉2に照射される。葉2による透過光と反射光と
は、透過受光手段12と反射受光手段10とにそれぞれ
受光される。ここで受光された信号は透過受光手段12
と反射受光手段10とを連絡した切替回路14によって
透過光信号と反射光信号とに交互に切り替えられ次回路
に送出される。各信号は切替回路14を連結した増幅回
路15で増幅され、さらに増幅回路15を連結したA/
D変換回路16でアナログ/デジタル変換され、A/D
変換回路16を連結した演算制御回路17に送出され
る。前記切替回路14はこの演算制御回路17に連絡し
てありこの演算制御回路17により切り替えられる。
【0017】この演算制御回路17には前記発光制御回
路13を連絡してあり、発光制御回路13に発光開始信
号を送出し、発光制御回路13はこの発光開始信号を受
けて近赤外光発光素子4を発光制御する。また、演算制
御回路17には記憶回路18を連絡してあり、アナログ
/デジタル変換回路16からの光量信号や演算後の演算
結果、様々な基本データを記憶する。この基本データと
しては、測定する葉の成分値が取りうる最大値と最小
値、葉2が無いときに発光手段3の照射光を受光したと
きの透過光と反射光の光量範囲、葉2が無く照射光も無
いときに受光する透過光と反射光の光量範囲、後述する
入力データ等である。さらに演算制御回路17には表示
回路19が接続してあり、演算制御回路17で演算され
た成分値結果あるいは関係する基本データ等を表示す
る。また入力回路20を接続してあり、被測定葉の環境
要素、例えば稲の田への移植日から穎花分化始期までの
生育日数、稲の田への移植日から穎花分化始期までの平
均気温、産地、品種等を入力する。そして、測定のため
の葉への近赤外光の照射が終了したことを知らせたり、
光源異常や測定異常のときに測定者にその旨を音で知ら
せる報知回路21を演算制御回路17に接続してある。
【0018】ここで演算制御回路17の演算について説
明する。透過受光手段12と反射受光手段10とにより
受光されA/D変換回路16から演算制御回路17に送
出される透過光量信号と反射光量信号との光量比により
葉の吸光度を演算する。さらにこの吸光度をあらかじめ
定めた成分量推定式に代入することにより求める成分値
を演算する。この成分値は前記のように表示回路19に
よって表示されて測定者によって確認される。
【0019】ここで成分量推定式について説明する。ま
ず4個の狭帯域フィルターを使用して葉の特定成分Nに
ついて吸光度測定を行ったとき次の線形関係が成立する
ものとする。
【0020】N1 =F0a+F1a・X11+F2a・X21+・
・・+F4a・X41+ε1 このとき Nn :化学的分析による葉の成
分量 F0a〜F4a :重回帰分析による成分換算係数 X1 〜X4 :狭帯域フィルターに対応する吸光度
値 ε1 :誤差 である。同様にしてn個の試料について吸光度分析を行
い、このn個の重回帰式により重回帰分析を行い、成分
換算係数値(F0a〜F4a)を求め、 N=F0a+F1a・X1 +F2a・X2 +・・・+F4a・X4 ・・・(1) となり、葉の成分Nを葉の吸光度から求める葉の成分量
推定式となる。ただし前記したように狭帯域フィルター
の数は本例に限定されることはない。
【0021】次に図3に特定成分測定装置の葉を挟んで
測定している葉保持手段7部分の側断面を示している。
前述のように、葉保持手段7Aには透過受光手段12が
設けられ、葉保持手段7Bには発光手段3と反射受光手
段10とを固設した積分球8を設けてある。葉保持手段
7Aは軸22を支点に回動可能にしてあり、レバー23
部分を手で押し下げることにより葉保持手段7は開い
て、葉2を測定窓6部分においてレバー23から手を離
せば葉2は葉保持手段7A、7Bによって挟持され、葉
の成分量測定が可能となる。
【0022】以上の構成における作用を測定手順の一例
として以下に述べる。
【0023】電源投入後、基本データを入力回路20か
ら入力する。基本データとしては稲の田植期の田植日か
ら幼穂形成期初期の穎花分化始期までの生育日数又は、
稲の田植期の田植日から幼穂形成期初期の穎花分化始期
までの平均気温又は積算気温を入力する。
【0024】なお、田植期とは、苗が田へ移植可能に成
長したときから移植後1週間程度の間であり、幼穂形成
期初期とは幼穂形成の開始から穂肥が行われるまでの間
である。
【0025】また、穎花分化始期は幼穂形成の初期過程
であり、幼穂全体が1〜2mmとなり、幼穂形成期の中
で最も速く肉眼で確認可能であるとともに、穎花分化始
期以後に穂肥が行われる。
【0026】記憶回路18には、例えば生育日数が45
日以上の場合の成分量推定式と生育日数が45日未満の
場合の成分量推定式とが記憶されているか、又は、平均
気温が24℃以上の場合の成分量推定式と平均気温が2
4℃未満の場合の成分量推定式とが記憶されており、入
力された生育日数又は平均気温により記憶回路18に記
憶された複数の定められた成分量推定式の中から一義的
に成分量推定式が選択される。
【0027】成分量の測定にあたっては、初期化とし
て、発光手段3の光量が正常範囲内にあるか又は、透過
受光手段12と反射受光手段10との暗電流(ノイズ)
が正常範囲内にあるかどうかを自己診断する。つまり演
算制御回路17は、発光手段3を発光させない暗状態で
の透過受光手段12と反射受光手段10との受光量を切
替回路14を切り替えながら、記憶回路18に記憶して
ある正常範囲の値と比較する。ここで正常範囲から外れ
る異常があったときには、演算制御回路17は報知回路
21によって使用者にその旨を知らせ、正常範囲であっ
た場合には透過受光手段12及び反射受光手段10の暗
状態における受光量を記憶回路18に記憶しておく。
【0028】ところで暗状態での 透過受光量: S
(0) 反射受光量: R(0) とする。
【0029】次に演算制御回路17は、発光手段3から
光を照射した状態での透過受光手段12と反射受光手段
10との受光量を切替回路14を切り替えながら、記憶
回路18に記憶してある正常範囲の値と比較する。そし
て、受光量が正常範囲から外れる異常があった場合に
は、演算制御回路17は報知回路21によってその旨を
使用者に知らせる。
【0030】次にレバー23を押し下げて葉保持手段7
を開いて葉2が測定窓6を覆うように置き、レバー23
から手を離すことにより葉2は葉保持手段7により保持
される。そして、入力回路20から測定開始を入力す
る。
【0031】演算制御回路17は発光制御回路13に発
光信号を送るとともに、それぞれの近赤外光発光素子4
が点灯するごとに切替回路14によって透過受光手段1
2と反射受光手段10とに切り替えながら、透過光量と
反射光量とを測定する。発光手段3からの発光と受光手
段の受光が終了したら、演算制御回路17は報知回路2
1によって測定終了を知らせる。このようにしてここで
は4個の近赤外発光素子4と4個の狭帯域フィルター5
とによって作られる4波長の近赤外光それぞれによる葉
2からの透過受光量と反射受光量とを得ることができ
る。
【0032】ここでそれぞれを 透過受光量:R
(i) 反射受光量:S(i) とする。ここでの透過受光量と反射受光量は波長ごとに
存在する。
【0033】以上における透過受光量R(0) 、R(i) と
反射受光量S(0) 、S(i) とから、各波長における葉2
の吸光度Xを求める演算を次の数式によって演算制御回
路17が演算して求める。
【0034】
【数1】 このようにして得られた各波長における吸光度Xは、演
算制御回路17によって前記した葉の成分量Nを求める
成分量推定式(1)に代入され成分量Nが算出される。
そして、成分量Nは表示回路19によって使用者が確認
できるように表示される。
【0035】図4は、あらかじめ記憶回路18に生育日
数が45日以上の場合の成分量推定式と、生育日数が4
5日未満の場合の成分量推定式を記憶させ、図5に示し
た2つのサンプル群の窒素量をそれぞれ異なる成分量推
定式を用いて測定した結果を示しており、同一サンプル
を用いた場合であっても生育日数の長短により異なる成
分量推定式を用いた場合には、化学分析による測定値と
成分量測定装置による測定値との間に誤差が少ないこと
が明らかである。
【0036】なお、上記実施例においては生育日数を4
5日以上と45日未満とに区分し、それぞれの区分ごと
に異なる成分量測定式を設けるか、又は平均気温を24
℃以上と24℃未満とに区分し、それぞれの区分ごとに
異なる成分量測定式を設けることが記載されているが、
例えば生育日数を5〜7日単位で区分してそれぞれの区
分ごとに成分量推定式を設けるか、又は平均気温を2〜
3℃単位で区分してそれぞれの区分ごとに成分量推定式
を設けてもよく、この場合にはより精度の高い成分量の
測定が可能となる。
【0037】また、生育日数又は平均気温以外の基本デ
ータとして被測定葉の産地と品種とを入力回路20に入
力し、生育日数、産地及び品種により成分量推定式を選
択するか、又は平均気温、産地及び品種により成分量推
定式を選択してもよく、この場合、産地ごとの気候の違
いや品種ごとの生育の違い等が考慮され、より正確に成
分量を測定することができる。
【0038】
【発明の効果】稲の葉の成分に関連する任意波長の近赤
外光を稲の葉に照射し該稲の葉の透過光及び/又は反射
光を受光して透過光量及び/又は反射光量を求め、該透
過光量及び/又は反射光量から当該波長による前記稲の
葉の吸光度を求めるとともに、あらかじめ成分量が既知
の稲の葉に前記任意波長の近赤外光を照射したときの吸
光度と前記成分量が既知の稲の葉の成分量との重回帰分
析によって成分量推定式を求め、該成分量推定式と前記
稲の葉の吸光度とから前記稲の葉の成分量を求める稲の
特定成分測定方法において、前記稲を、稲の生育に影響
する環境要素により複数区分に区分けして、前記成分量
推定式を区分ごとに設けたことにより、単位重量当たり
の成分重量で表される成分量を、環境要素により影響を
受けるSLWを考慮した成分量推定式によって算出する
ことができるため、正確に成分量を測定することができ
る。
【0039】前記環境要素を前記稲の生育期間の日数と
するとともに、前記稲を、該稲の生育期間の日数により
複数区分に区分けして、前記成分量推定式を区分ごとに
設けたことにより、単位重量当たりの成分重量で表され
る成分量を、生育日数により変化するSLWを考慮した
成分量推定式によって算出することができるとともに、
生育日数のデータは特殊な装置や技術が無くても簡単に
入手できるため、葉身の成分量の測定を簡単にしかも正
確に行うことができる。
【0040】前記環境要素を前記稲の生育期間の平均気
温又は積算気温とするとともに、前記稲を、該稲の生育
期間の平均気温又は積算気温により複数区分に区分けし
て、前記成分量推定式を区分ごとに設けたことにより、
単位重量当たりの成分重量で表される成分量を、気温に
より変化するSLWを考慮した成分量推定式によって算
出することができるとともに、気温のデータは特殊な装
置や技術が無くても簡単に入手できるため、葉身の成分
量の測定を簡単にしかも正確に行うことができる。
【0041】前記生育期間を前記稲の田植期から幼穂形
成期初期までとしたことにより、環境の影響を受け始め
る田植期から穂肥の施行前までの生育日数又は気温によ
り成分量推定式を選択できるため、稲の生育環境に対応
して成分量を測定することができる。
【0042】前記生育期間を前記稲の田植日から幼穂形
成期の穎花分化始期としたことにより、穎花分化始期
が、幼穂全体が1〜2mmとなり肉眼で確認可能である
ため確実に生育日数を把握することができ、平均気温又
は積算気温を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための稲の特定成分測定装置
の光学部を示す断面図である。
【図2】本発明を実施するための稲の特定成分測定装置
の制御ブロック図である。
【図3】本発明の方法を実施するための稲の特定成分測
定装置で測定のための葉を挟持した状態を示す葉保持手
段の側断面図である。
【図4】本発明の方法により測定した葉身の窒素量と、
化学分析により測定した葉身の窒素量との比較を示す図
である。
【図5】従来の方法により測定された葉身の窒素量を生
育日数の長短により区分するとともに、化学分析により
測定した葉身の窒素量との比較を示す図である。
【図6】従来の方法により測定された葉身の窒素量と、
化学分析により測定した葉身の窒素量との比較を示す図
である。
【符号の説明】
1 光学測定部 2 葉 3 発光手段 4 近赤外光発光素子 5 狭帯域フィルター 6 測定窓 7 葉保持手段 8 積分球 9 開口部 10 反射受光手段 11 開口部 12 透過受光手段 13 発光制御回路 14 切替回路 15 増幅回路 16 A/D変換回路 17 演算制御回路 18 記憶回路 19 表示回路 20 入力回路 21 報知回路 22 軸 23 レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信彦 広島県東広島市西条西本町2番30号 株式 会社佐竹製作所内 (72)発明者 江藤 聡 広島県東広島市西条西本町2番30号 株式 会社佐竹製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 稲の葉の成分に関連する任意波長の近赤
    外光を稲の葉に照射し該稲の葉の透過光及び/又は反射
    光を受光して透過光量及び/又は反射光量を求め、該透
    過光量及び/又は反射光量から当該波長による前記稲の
    葉の吸光度を求めるとともに、あらかじめ成分量が既知
    の稲の葉に前記任意波長の近赤外光を照射したときの吸
    光度と前記成分量が既知の稲の葉の成分量との重回帰分
    析によって成分量推定式を求め、該成分量推定式と前記
    稲の葉の吸光度とから前記稲の葉の成分量を求める稲の
    特定成分測定方法において、前記稲を、稲の生育に影響
    する環境要素により複数区分に区分けして、前記成分量
    推定式を区分ごとに設けたことを特徴とする稲の特定成
    分測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の稲の特定成分測定方法で
    あって、前記環境要素を前記稲の生育期間の日数とする
    とともに、前記稲を、該稲の生育期間の日数により複数
    区分に区分けして、前記成分量推定式を区分ごとに設け
    たことを特徴とする稲の特定成分測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の稲の特定成分測定方法で
    あって、前記環境要素を前記稲の生育期間の平均気温又
    は積算気温とするとともに、前記稲を、該稲の生育期間
    の平均気温又は積算気温により複数区分に区分けして、
    前記成分量推定式を区分ごとに設けたことを特徴とする
    稲の特定成分測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の稲の特定成分測定
    方法であって、前記生育期間が前記稲の田植期から幼穂
    形成期初期であることを特徴とする稲の特定成分測定方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の稲の特定成分測定
    方法であって、前記生育期間が前記稲の田植日から幼穂
    形成期の穎花分化始期であることを特徴とする稲の特定
    成分測定方法。
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