JPH1030000A - 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体 - Google Patents

腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体

Info

Publication number
JPH1030000A
JPH1030000A JP9029979A JP2997997A JPH1030000A JP H1030000 A JPH1030000 A JP H1030000A JP 9029979 A JP9029979 A JP 9029979A JP 2997997 A JP2997997 A JP 2997997A JP H1030000 A JPH1030000 A JP H1030000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tumor
antibody
monoclonal antibody
vascular endothelial
endothelial cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9029979A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadanori Mayumi
忠範 真弓
Shinsaku Nakagawa
晋作 中川
Yasuhisa Tsutsumi
康央 堤
Itsuo Oizumi
厳雄 大泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9029979A priority Critical patent/JPH1030000A/ja
Publication of JPH1030000A publication Critical patent/JPH1030000A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 腫瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識する新規
なモノクローナル抗体を提供すること。 【解決手段】 腫瘍血管内皮細胞表面の分子量40kD
または80kDの抗原を認識することを特徴とするモノ
クローナル抗体、上記モノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマ、上記モノクローナル抗体を含む医薬、並
びに上記モノクローナル抗体と他の結合分子との結合体
を含む医薬または診断薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腫瘍血管内皮細胞
表面に発現している抗原を認識するモノクローナル抗
体、上記抗体を産生するハイブリドーマ、上記抗体を含
む医薬、並びに、上記抗体と他の結合分子との結合体を
含む医薬または診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術】現在知られている制癌剤の一つとして
は、腫瘍細胞に対する抗体をターゲテイング(targetin
g)キャリアとして用いた制癌DDS剤がある。しかし
ながら、この種の制癌剤は、腫瘍間質圧などが物質透過
の障壁となり、標的への薬物送達性が著しく低下すると
いう欠点がある。また、腫瘍細胞表面抗原の不均一性の
ために、ある特定の一つの抗体を、各種の腫瘍に共通の
ターゲテイングキャリアとして利用することは不可能で
あった。
【0003】一方、腫瘍血管は、物質透過機能が高まっ
ているなど、数多くの共通した特性を有していることか
ら、腫瘍組織血管内皮細胞(TEC)中においては、癌
の種類に関わりなく共通の特異分子が発現している可能
性がある。また、腫瘍血管を標的としたターゲッテイン
グ療法は、組織移行性という障壁を考慮する必要がない
ため、制癌DDS剤としての利点が有効に発揮し得るこ
とが期待され、血管内皮細胞、特には腫瘍組織内に存在
する血管内皮細胞(腫瘍血管内皮細胞)に特異的なモノ
クローナル抗体の開発が行われてきている。
【0004】現在まで、血管内皮細胞を広く認識するマ
ーカーとしてはCD31、CD36、Ulex europaeus-I
agglutinin(UEA−1) 、また一般に活性化され大
型化した血管内皮細胞に発現されるマーカーとしてはvo
n Willebrand factor(vWF)、ICAM−1(CD
54)、E-selectinが知られている。
【0005】一方、上記の通り、腫瘍血管内皮細胞には
正常組織では発現していない特異的な抗原を発現してい
ることが推察されており、現在まで様々な腫瘍血管内皮
細胞を認識する抗体が報告されており、その例として以
下のものが挙げられる:E−9抗体(Wang, J.M. et a
l., Int. J. Cancer (1993) 54, 363);抗FB5(end
osialin)抗体(Rettig, W.J. Pro. Natl. Sci. USA (1
992) 89,10832);H4/18抗体(Cotran, R.S. et a
l., J. Exp. Med. (1986) 164, 661);Q BEND/
10 抗体(Ramani, P. et al., Histopathology (199
0) 17, 237);EN4/EN3抗体(Schlingemann, R.
O. et al., Amer. J. Pathol. (1991) 138, 1335);B
MA120抗体(Schlingemann, R.O. et al., Amer.
J. Pathol. (1991) 138, 1335);EN7/44抗体(H
agemeier, H.H. et al., Int. J. Cancer (1986) 38, 4
81);PAL−E抗体(Schlingemann, R.O. et al., A
mer. J. Pathol. (1991) 138,1335);HEC−1抗体
(Gougos, A. et al., J. Immunol. (1988) 141, 193
4);TEC4及びTEC11抗体(Thorpe, P.E. et a
l., Am. Assoc. Cancer Res.(abstract) (1994) 35, 37
9):
【0006】しかしながら、これらの抗体の認識する抗
原は正常内皮細胞や他の細胞種でも僅かながら発現され
ており、またこれら抗体の抗腫瘍作用については報告さ
れていないことから、腫瘍血管内皮細胞をターゲットと
した固形癌治療にさらに適した抗体の開発が望まれてい
る。
【0007】さらに、リンパ球細胞の表面などに存在す
る抗原タンパク質の1種としてCD44が知られており
(J. Immunol., 142, 2045-2051, 1989年3月15
日)、CD44に対するモノクローナル抗体が報告され
ている(特開平5−508309号公報;WO94−1
2631号公報;およびWO95−33771号公
報)。しかしながら、CD44に対する抗体に関して腫
瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識する抗体についてはこ
れまでに報告されておらず、また本願優先日以前におい
てはCD44が腫瘍血管内皮細胞表面に存在することも
報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、腫瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識する新規なモノ
クローナル抗体を提供することである。本発明の別の目
的は、腫瘍血管内皮細胞表面に特異的に存在する抗原を
認識する新規なモノクローナル抗体を提供することであ
る。本発明の別の目的は、腫瘍血管内皮細胞表面の抗原
を認識する新規なモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマを提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、腫瘍血管内皮細胞表
面の抗原を認識する新規なモノクローナル抗体を含む医
薬を提供することである。本発明のさらに別の目的は、
腫瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識するモノクローナル
抗体と腫瘍に関連した病状の治療や診断のための結合分
子との結合体を含む、医薬または診断薬を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、腫瘍血管内皮細胞表
面に存在する抗原を認識するモノクローナル抗体を得、
得られた抗体の臓器分布、抗原蛋白質の解析を行い、さ
らに上記のモノクローナル抗体が、単独あるいは他の薬
剤と組み合わせた場合に、腫瘍移植ラットの固形癌に対
して抑制効果を示すことを確認することに成功し、本発
明を完成した。
【0011】即ち、本発明は、その最も広い意味におい
ては、腫瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識することを特
徴とするモノクローナル抗体、およびそれを産生するハ
イブリドーマ、並びに、上記モノクローナル抗体を含む
医薬、および上記モノクローナル抗体と他の結合分子と
の結合体を含む医薬または診断薬を提供するものであ
る。
【0012】本発明の第1の側面によれば、腫瘍血管内
皮細胞表面の分子量40kDまたは80kDの抗原を認
識することを特徴とするモノクローナル抗体が提供され
る。また本発明によれば、それぞれ固定化した腫瘍血管
内皮細胞と正常血管内皮細胞とに対する結合の度合いを
ELISA法で測定した場合に、正常血管内皮細胞に対
する結合よりも腫瘍血管内皮細胞に対する結合の方が同
等もしくはそれ以上であることを特徴とする上記のモノ
クローナル抗体が提供される。
【0013】さらにまた本発明によれば、ラットの腫
瘍、肝臓および腎臓の組織標本に対する反応性を免疫組
織化学染色法で測定した場合、肝臓および腎臓に対する
反応性よりも腫瘍組織に対する反応性の方が同等もしく
はそれ以上であることを特徴とする上記のモノクローナ
ル抗体が提供される。さらにまた、本発明によれば、抗
体を担癌ラットへ投与した場合、血液中の存在量よりも
腫瘍組織中の存在量の方が同等もしくはそれ以上であ
り、血液中の存在量よりも肝臓、肺、脾臓、小腸および
筋肉の各組織中の存在量の方が同等もしくはそれ以下で
あることを特徴とする上記のモノクローナル抗体が提供
される。
【0014】さらにまた本発明によれば、ラットKMT
−17固形癌から得た腫瘍血管内皮細胞から調製した細
胞膜小胞を動物に免疫し、上記動物から抗体産生細胞を
単離し、これをミエローマ細胞と融合することによりハ
イブリドーマを作製し、次いで得られたハイブリドーマ
をスクリーニングすることにより得られる単一クローン
のハイブリドーマにより産生されることを特徴とする上
記のモノクローナル抗体が提供される。さらにまた、本
発明によれば、上記の免疫操作において、腫瘍血管内皮
細胞から調製した細胞膜小胞を動物に免疫する前に、正
常血管内皮細胞から調製した細胞膜小胞に対する抗血清
を、前記の動物に受動免疫することをさらに含むことを
特徴とする上記のモノクローナル抗体が提供される。
【0015】さらにまた本発明によれば、受託番号FE
RM P−15411、FERMP−15412、FE
RM BP−5786、FERM P−15414、F
ERM BP−5787、FERM P−15416ま
たはFERM P−15417を有するハイブリドーマ
が産生することを特徴とする上記のモノクローナル抗体
が提供される。さらにまた本発明によれば、抗腫瘍活性
を有することを特徴とする上記のモノクローナル抗体が
提供される。
【0016】本発明の第2の側面によれば、上記したよ
うな本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマが提供される。特に好ましくは、本発明により、受
託番号FERM P−15411、FERM P−15
412、FERM BP−5786、FERM P−1
5414、FERM BP−5787、FERM P−
15416またはFERM P−15417を有するハ
イブリドーマが提供される。
【0017】本発明の第3の側面によれば、上記したよ
うなモノクローナル抗体を含む医薬が提供される。好ま
しくは、本発明により、腫瘍治療用であることを特徴と
する上記の医薬が提供される。
【0018】本発明の第4の側面によれば、(a)上記
したようなモノクローナル抗体;および(b)抗癌化学
療法剤、ラジオアイソトープ、蛋白性毒素、致死性蛋白
あるいはこれを発現する遺伝子を挿入した発現ベクタ
ー、酵素、ストレプトアビジンから成る群から選択され
る結合分子:の結合体を含む医薬または診断薬が提供さ
れる。好ましくは、腫瘍の治療用または診断用であるこ
とを特徴とする上記の医薬または診断薬が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明による腫瘍血管内皮細胞表
面の抗原を認識することを特徴とするモノクローナル抗
体の製造方法について、以下に説明する。本発明の抗体
を得るための免疫原としては、腫瘍血管内皮細胞を用い
ることができる。かかる細胞の単離のための源および単
離方法は、特には限定されず、一般にはそれを多量に含
有することが予測される試料から単離される。腫瘍血管
内皮細胞の単離方法の一例としては、Utoguchi 他著, J
pn. J. Cancer Res. (1995) 86, 193-201 に記載の方法
が挙げられ、これは以下の実施例でも使用した方法であ
る。
【0020】なお、上記の方法は腫瘍血管内皮細胞の単
離方法の一例を示すものであり、本発明のモノクローナ
ル抗体を得るためには、各種の変更を加えた方法を用い
ても良いことは明らかである。
【0021】次いで、例えば上記のような方法により得
た腫瘍血管内皮細胞を、動物に投与して免疫感作するわ
けであるが、腫瘍血管内皮細胞の細胞表面に存在する抗
原に特異的な抗体を得る目的で、上記細胞の膜画分を単
離して、それを免疫感作に用いることが好ましい。免疫
原として、細胞膜画分以外に生細胞(106から10
7個)を腹腔内投与(アジュバンドを用いない)して免
疫感作する方法も有効である。この場合、最終感作方法
は106個の生細胞を静脈内投与する。
【0022】膜画分の単離は、当業者に知られる通常の
方法を用いて行うことができる。例えば、培養細胞を1
00mMのパラホルムアルデヒド、2mMのジチオスレ
イトール、1mMのCaCl2および0.5mMのMg
Cl2を含むDMEMで一晩37℃で処理し、その培地
を10gで遠心し、さらにその上清を30,000gで
30分間4℃で遠心した上清を細胞膜小胞として用いる
ことができる(Scott, R. E. Science (1976) 194, 743
-745)。
【0023】また、腫瘍血管内皮細胞に特異的な抗体を
得る目的のために、腫瘍血管内皮細胞からの膜画分によ
る免疫感作に先立って、正常血管内皮細胞を単離し、こ
れから調製した膜画分をマウスなどに免疫して得た抗血
清(正常血管内皮細胞表面の抗原に対する多様な抗体を
含む)を、動物にあらかじめ感作しておくことが好まし
い。このように正常血管内皮細胞に対する抗血清を免疫
する動物にあらかじめ投与することは、「マスク」する
とも称され、目的とする抗体(本発明では、腫瘍血管内
皮細胞表面に特異的に発現している抗原に対する抗体)
を効率よく取得するための有効な手段の一つである。
【0024】本発明のモノクローナル抗体を得るために
用いるべき動物の種類は特には限定されないが、高い抗
体産生能を有する動物が好ましく、また細胞融合に使用
するミエローマ細胞との適合性を考慮して選択すること
が好ましい。一般的にはマウス、ラット、ウサギ、ハム
スターなどが挙げられ、マウスなどが好ましく、特には
BALB/cマウスなどが好ましい。
【0025】上記のように、好ましくは正常血管内皮細
胞に対する抗血清を免疫する動物にあらかじめ注入した
(受動免疫)後に、腫瘍血管内皮細胞の膜画分を免疫感
作する。この免疫感作の時期、回数、投与量、方法など
は用いる免疫する動物の種類、状態などに応じて、適宜
選択することができ、これらは当業者の知識の範囲内の
ものである。投与回数は、一般的には1〜15回、好ま
しくは3〜5回であり、2回目以降の追加免疫の時期も
当業者により適宜選択することができる。また、総投与
量は、一般的には、抗原を投与する場合には蛋白量とし
て10〜2000μgであり、好ましくは、50〜70
0μgであり、これらは上記のように1回で投与して
も、複数に分けて投与してもよい。
【0026】また、必要に応じて、調製した腫瘍血管内
皮細胞の膜画分を適当な免疫アジュバンド、例えばフロ
イントの完全アジュバンドまたは不完全アジュバンドと
エマルジョン化してから投与してもよい。免疫原の注入
方法も特に限定はされず、例えば皮下、腹腔内、脾臓
内、皮内、筋肉内、リンパ節内または静脈内への注射な
どが可能である。
【0027】上記のような免疫感作の後、免疫した動物
よりハイブリドーマ作製のための抗体産生細胞を単離す
る。なお、本発明のモノクローナル抗体を産生する抗体
産生細胞はB細胞であり、B細胞は体内を循環している
が、脾臓などに蓄積されることも知られている。従っ
て、免疫した動物の脾臓を摘出して、そこから抗体産生
細胞を調製するのが好ましいが、必ずしも脾臓でなくて
もよくB細胞が多く存在する部分を使用することもでき
る。次いで、このようにして得た抗体産生細胞をミエロ
ーマ細胞と融合し、不死化する。
【0028】細胞融合技術としては、当業者に公知の技
術を用いることができる。細胞融合は、一般的には、抗
体産生細胞とヒポキサンチン−グアニンホスホリボシル
トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損無限増殖性細胞
株であるミエローマ細胞とを、融合促進剤を含有する培
地中で保温することにより行われる。
【0029】ミエローマ細胞の種類は特には限定され
ず、公知のものを使用することができ、例えばマウスの
ものとしてはP3X63Ag8U.1、Sp2/0−A
g14、ラットのものとしてはYB2/0、Y3/Ag
1.2.3.などが挙げられる。ミエローマ細胞の選択
の際には抗体産生細胞との適合性を考慮するのが好まし
い。融合促進剤としては、ポリエチレングリコールなど
の化学物質、センダイウイルスなどの細胞融合媒介ウイ
ルスを用いることができ、さらに融合効率を高めるため
の補助剤を添加してもよい。
【0030】上記の抗体産生細胞とミエローマ細胞とを
適当な比率、一般的には抗体産生細胞:ミエローマ細胞
が1:1から20:1、好ましくは2:1から10:1
の比率で、細胞培養培地中で混合した後に、融合促進剤
を添加することにより細胞融合を行う。次いで、適当な
培地の添加、および上清の除去を繰り返すことによりハ
イブリドーマを形成する。次いで、ヒポキサンチンアミ
ノプリテンチミジン(HAT)培養液中で培養し、融合
細胞のみを選択する。HAT培地での細胞の培養は、ハ
イブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な期間行え
ばよく、通常は数日から数週間の期間行えばよい。
【0031】なお、抗体産生細胞の不死化は、細胞融合
(ハイブリドーマの作製)によるものに限定されるわけ
ではなく、その他の公知の技術を用いることができる。
例えば、抗体産生細胞としてのヒトのBリンパ球を用い
る場合には、エプスタイン・バールウイルス(EBV)
を用いて形質転換することにより不死化を行ってもよ
い。
【0032】次いで、上記により得られたハイブリドー
マについて、腫瘍血管内皮細胞表面の抗原を認識する抗
体を産生する単一のクローンを得るためにスクリーニン
グを行う。単一のクローンを得るためのクローニング法
は当業者に知られる方法を用いればよく、例えば、限界
希釈法、軟寒天法などを用いることができる。また、目
的とする抗体を産生するハイブリドーマを得るためのス
クリーニング法も当業者に知られる方法を用いればよ
く、例えば、ELISA法、プラーク法、凝集反応法、
RIA法、免疫組織化学染色法などの抗体を検出するた
めの各種方法により行うことができる。
【0033】スクリーニングは、作業効率の向上などの
観点から1次スクリーニングと2次スクリーニングなど
のように段階的に行ってもよい。例えば、以下の実施例
で行っているように、1次スクリーニングをELISA
法、2次スクリーニングを免疫組織化学染色法で行うこ
となどが可能である。上記のようにして得られた所望の
抗体を産生する細胞株は、通常の培地において継代培養
が可能であり、また液体窒素中などで長期保存が可能で
ある。
【0034】本発明による腫瘍血管内皮表面の抗原を認
識するモノクローナル抗体を、上記のようにして得たハ
イブリドーマから得るための方法の例としては、以下の
2つの方法が挙げられる。第1の方法によれば、上記の
ハイブリドーマを一定の時間、適当な培地中で培養し、
その培養上清から、例えばアフィニティーカラムクロマ
トグラフィーなどを用いてそのハイブリドーマが産生す
るモノクローナル抗体を単離精製することができる。
【0035】あるいは第2の方法によれば、上記のハイ
ブリドーマをそれと適合性のある(即ち、同質遺伝子ま
たは半同質遺伝子を有する)哺乳動物、例えばマウスな
どの腹腔内に注射し、一定時間後に、その動物の血清ま
たは腹水からそのハイブリドーマが産生するモノクロー
ナル抗体を単離精製することができる。また、モノクロ
ーナル抗体は、抗原を免疫して得られる抗体産生細胞を
細胞融合させて生ずるハイブリドーマから得られるもの
だけでなく、抗体遺伝子をクローニングし、適当なベク
ターに組み込んで、これを公知の細胞株、例えば、CO
S、CHO等に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生
させたモノクローナル抗体を用いることができる(例え
ば、Vandamme, A-M.ら、Eur. J. Biochem., 192,767-77
5, 1990 を参照)。
【0036】上記のようにして得られる本発明のモノク
ローナル抗体は、以下の実施例に記載されるような特性
を有するものである。具体的には、本発明により以下の
ようなモノクローナル抗体が提供されることになる。本
発明のモノクローナル抗体の特徴の一つは、それぞれ固
定化した腫瘍血管内皮細胞と正常血管内皮細胞とに対す
る結合の度合いをELISA法で測定した場合に、正常
血管内皮細胞に対する結合よりも腫瘍血管内皮細胞に対
する結合の方が同等もしくはそれ以上、例えば正常血管
内皮細胞に対する結合に対する、腫瘍血管内皮細胞に対
する結合の比率が1以上、例えば1.9、あるいは2
0.0以上、例えば22.7、あるいは200以上であ
るということである。
【0037】また、本発明のモノクローナル抗体の別の
特徴は、ラットの腫瘍、肝臓および腎臓の組織標本に対
する反応性を免疫組織化学染色法で測定した場合、肝臓
および腎臓に対する反応性よりも腫瘍組織に対する反応
性の方が同等もしくはそれ以上であるということであ
る。さらに、本発明のモノクローナル抗体のさらに別の
特徴は、放射標識モノクローナル抗体を用いて、担癌ラ
ットに静脈内投与した場合に、各臓器の放射活性をガン
マ−カウンターで測定したときの臓器分布が、血液中の
存在量よりも腫瘍組織中の存在量の方が同等もしくはそ
れ以上、特にはその比率が4.0以上であり、肝臓、
肺、脾臓、小腸および筋肉の各組織中の存在量の方が血
液中の存在量よりも同等もしくはそれ以下、特にはその
比率が0.5以下であるということである。
【0038】CD44(リンパ球帰還性レセプター)
は、本発明の80kDの抗原を認識するモノクローナル
抗体の一例として以下の実施例に記載されるTES23
−3−10およびTES27−4−4により認識され
る。また、OTS−8(骨芽細胞系)は、本発明の40
kDの抗原を認識するモノクローナル抗体の一例として
以下の実施例に記載されるTES1−10−1、TES
7−1−7、TES17−8−4、TES21−14−
6およびTES26−7−3により認識される。なお、
TES23−3−10およびTES27−4−4により
認識される80kD抗原は腫瘍血管内皮細胞由来のもの
で、正常組織や癌細胞から採取されたものではない。ま
た、TES23−3−10は腫瘍血管内皮細胞に結合
後、細胞内に取り込まれることが確認されているが、既
存の抗CD44抗体が細胞内に取り込まれるという報告
はない。さらに、腫瘍組織の免疫組織染色において、T
ES23−3−10は腫瘍血管を強く染色することが確
認されているが、既存の抗CD44抗体の場合の染色性
は弱い。
【0039】本発明による腫瘍血管内皮表面の抗原を認
識するモノクローナル抗体は、これをラジオアイソトー
プなどで標識したものを体内に投与することによって原
発癌のみならず転移巣の局在を診断するのに有用であ
る。また、本発明のモノクローナル抗体は、以下の実施
例4でも示されるようにそれ自体を単独で腫瘍に投与し
た場合にも腫瘍抑制効果を示すことから、医薬、特には
腫瘍治療用医薬としても有用である。さらに、CD44
を認識する以下の実施例に記載される抗体TES23−
3−10およびTES27−4−4は、CD44を発現
していない癌細胞の固形増殖に対して、腫瘍血管内皮細
胞を標的とした結果、抗腫瘍効果を示す。
【0040】本発明に使用されるモノクローナル抗体
は、ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体に限
られるものではなく、ヒトに対する異種抗原性を低下さ
せること等を目的として人為的に改変したものがより好
ましい。例えば、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス
のモノクローナル抗体の可変領域とヒト抗体の定常領域
とからなるキメラ抗体を使用することができ、このよう
なキメラ抗体は、既知のキメラ抗体の製造方法、特に遺
伝子組換技法を用いて製造することができる。
【0041】さらに、再構成(reshaped)したヒト抗体
を本発明に用いることができる。これは、ヒト以外の哺
乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域をヒト抗
体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的
な遺伝子組換手法も知られている。その既知方法を用い
て、本発明に有用な再構成ヒト型抗体を得ることができ
る(例えば、国際特許出願公開番号WO92−1975
9を参照)。なお、必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補
性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体
の可変領域のフレームワーク(FR)領域のアミノ酸を
置換してもよい(Sato ら、 Cancer Res. (1993) 53, 1-
6)。
【0042】さらに、本発明のモノクローナル抗体を他
の結合分子と結合させた結合体は、腫瘍組織へのターゲ
ティング療法に応用することが可能である。このよう
に、特には腫瘍の診断または治療のために用いることが
できる具体的な結合分子の例としては、以下のものが挙
げられる: (1)化学療法剤に代表される低分子化合物あるいは血
管内皮細胞に対して増殖抑制を有する化合物、例えば、
ネオカルチノスタチン、アドリアマイシン、マイトマイ
シンC、エトポシド、ビンブラスチン、フマジリン誘導
体など: (2)抗体の存在を検出するための標識物質、例えば
125I、131I、90Y、186Re、67Cu、212Bi、211
Atおよび99mTcなどのラジオアイソトープ; (3)蛋白性毒素、例えば、リシン、ジフテリア毒素、
プソイドモナス外毒素A、アメリカヤマゴボウ種子由来
抗ウイルス蛋白質; (4)致死性蛋白あるいはこれを発現する遺伝子を挿入
した発現ベクター、より具体的には、TNF−α、IN
F−γ、Fasリガンドなど; (5)化学療法剤などの前駆体を活性体へ変換させる酵
素、例えば、βラクタマーゼ標識抗体+セファロスポリ
ン結合アドリアマイシン、アルカリホスファターゼ標識
抗体+1リン酸塩結合エトポシドなど; (6)ストレプトアビジン(組織へ定着後にビオチン標
識薬物を投与)などの特定の物質に特異的な親和性を有
する分子:具体的には、ストレプトアビジン標識抗体+
ビオチン標識抗癌化学療法剤など:
【0043】これら分子と抗体との結合については、以
下の方法が考えられる。抗癌化学療法剤、蛋白質や遺伝
子ベクターでは、SMCC(Batra, J.K. et al., Pro.
Natl. Acad. Sci. USA (1992) 89, 5867)、SPDP
(Carlsson, J. et al., Biochem. J. (1978) 173, 72
3)、SMPT(Thrope, P.E. et al., Cancer Res. (1
987) 47, 5924-5931)、2IT(Thrope, P.E. et al.,
Cancer Res. (1987) 47, 5924-5931)などの架橋剤を
用いたり、蛋白の場合には遺伝子工学的に融合蛋白質と
して作製する(Bosslet, K. et al., Br, J. Cancer (1
992) 65, 234)ことも可能である。ラジオアイソトープ
では、Iodogen 法(125I、131I:実施例2参照)、R
P1などのキレーター(99mTc:Buist, M. R. et a
l., Cancer Res. (1993) 53, 5413)などで抗体との結
合が可能である。
【0044】本発明の腫瘍血管内皮特異抗体は、診断と
治療への応用が可能である。診断では、ラジオアイソト
ープ(125I、131I、90Y、186Re、188Re、67
u、21 2Bi、211Atなど)で標識した抗体を癌患者に
静脈内投与することにより、原発癌のみならず転移癌の
局在を非侵襲的かつ速やかに知ることができる。また治
療への応用に関しては、薬剤などの分子を結合させた抗
体を癌患者に静脈内投与することで腫瘍組織へのターゲ
ティング療法が可能である。投与ルートとしては、好ま
しくは非経口的に、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、
腹腔内注射、皮下注射などにより全身あるいは局部的に
投与することができる。投与ルートは、抗原が血管内面
に局在するため静脈内投与が最も適切である。
【0045】さらに、本発明の抗体または上記抗体と他
の分子との結合体は、少なくとも一種の医薬上許容し得
る担体または希釈剤とともに医薬組成物やキットの形態
をとることができる。本発明の医薬、特には腫瘍治療用
医薬のヒトに対する投与量は患者の病態、年齢あるいは
投与方法により異なるが、適宜適当な量を選択すること
が必要である。例えば、約1〜1000mg/患者の範
囲で4回以下の分割用量を選択することができる。ま
た、1〜10mg/kg/週の用量で投与することがで
きる。しかしながら、本発明の医薬、特に腫瘍治療用医
薬の投与量はこれらに限定されるものではない。
【0046】本発明の医薬、特には腫瘍治療用医薬は、
常法にしたがって製剤化することができる(Remington'
s Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Pub
lishing Company, Easton, 米国を参照)。例えば、注
射用製剤は、精製された抗体を溶剤、たとえば生理食塩
水、緩衝液、ブドウ糖溶液などに溶解し、それに、吸着
防止剤、たとえば、Tween 80、ゼラチン、ヒト血清アル
ブミン(HSA)などを加えたものであり、または、使
用前に溶解再構成するために凍結乾燥したものであって
もよい。凍結乾燥のための賦形剤としては例えば、マン
ニトール、ブドウ糖などの糖アルコールや糖類を使用す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は実施例によって限定されるものでは
ない。 実施例1:腫瘍血管内皮モノクローナル抗体TES1−10−1,
TES7−1−7, TES17−8−4,TES21−
14−6,TES23−3−10, TES26−7−
3,TES27−4−4を産生するハイブリドーマの調
Zhu, D. and Pauli, B. U., J. Histochem. Cytochem.
(1991) 39, 1137-1142の方法にて、正常血管内皮細胞で
発現している抗原を抗血清投与でマスクさせることで腫
瘍血管内皮に特異的な抗原に対するモノクローナル抗体
を調製した。Madri, J. A. and Williams, S. K., J. C
ell Biol. (1983) 97, 153-165の方法にて、ラット脂
肪組織より正常血管内皮細胞を単離培養した。その後、
100mMのパラホルムアルデヒド、2mMのジチオス
レイトール、1mMのCaCl2および0.5mMのM
gCl2を含むダルベッコ改変イーグル培地(DME
M)で一晩37℃で処理し、細胞膜小胞(vesicle)を
調製した(Scott, R. E. Science (1976) 194, 743-74
5)。116μgの細胞膜小胞を完全フロイントアジュ
バンドとエマルジョン化させた後、BALB/cマウス
(日本SLC製)の皮下に注射した。その1、2、4お
よび6週間後に再び、86μgの細胞膜小胞を不完全フ
ロイントアジュバンドとエマルジョン化させた後、皮下
に注射した。最終注射の3日後にマウスの血液を採取し
て正常血管内皮細胞に対する抗血清を得た。
【0048】次に、Utoguchi, N. et al., Jpn. J. Can
cer Res. (1995) 86, 193-201の方法にて、WKAH/
Hkmラット(日本SLC製)の皮下で形成されたラッ
トKMT−17固形癌から腫瘍血管内皮細胞を単離培養
した。具体的には以下の通りである。先ず、WKAH/
Hkmラットで3−メチルコラントレンにより誘導され
た移植可能な繊維肉腫であるKMT−17腫瘍細胞(3
×105細胞)をWKAH/Hkmラットに移植し、腫
瘍が10〜14gの大きさに達した後に採取した。採取
した腫瘍を抗生物質を含むバランス塩溶液中に入れ、組
織の周辺および壊死部分を除去した後、残りの腫瘍組織
をはさみやかみそりで細切した。細切した組織を0.7
5%コラゲナーゼで消化し、得られた細胞懸濁液をナイ
ロンメッシュ(300μm)に通過させ、遠心によって
10%FCS含有MEM中で2回洗浄した。沈殿を10
%FCS含有MEM中に再懸濁し、アングルローターで
20,000gで15分遠心することにより調製した4
5%Percollこう配(Percoll 9ml、10×MEM1
ml、10%FCSを含むMEM10ml)の上部に、
得られた2mlの細胞懸濁液(1.0×108細胞)を
のせ、こう配チューブをスイングローターで1,500
gで10分遠心し、Percoll こう配の上部から2mlず
つ連続的に分画した。この段階で11個の画分を得た。
【0049】11個の画分の細胞をMEMで2回洗浄
し、Percoll溶液を除去し、次いで細胞を10%FCS
と25μg/mlの内皮細胞増殖添加物とを含むDME
M中に再懸濁し、培養皿上にプレートした。24時間の
培養後に、細胞をPBSで洗浄し、非接着細胞を除去し
た。各画分の細胞懸濁物をHBSSで2回洗浄してか
ら、ホウ酸緩衝液に再懸濁し、超音波処理した。次い
で、各々の画分のアンギオテンシン変換酵素(ACE)
活性、蛋白質含量および細胞数を分析した。
【0050】比較的高いACE活性を示す画分からの細
胞を組織培養皿で培養するが、この中には異種の細胞が
多く含まれている。そこで、内皮細胞は他の細胞より接
着速度が早いことに鑑みて、培養24時間後に、非接着
細胞を洗浄除去することにより、接着細胞のみを選択的
に培養した。これにより形態的に均一である細胞が得ら
れ、Factor VIII染色に陽性であることからラット
のKMT−17固形癌由来の内皮細胞であることが確認
された。
【0051】その後、正常内皮細胞の場合と同様にして
細胞膜小胞を調製した。100μlの正常内皮細胞抗血
清をBALB/cマウス(日本SLC製)の静脈内へ注
射5分後に、174μgの腫瘍血管内皮細胞膜小胞を完
全フロイントアジュバンドとエマルジョン化させて皮下
に注射した。その4、5および8週間後に再び、97μ
gの腫瘍血管内皮細胞膜小胞を不完全フロイントアジュ
バンドとエマルジョン化させた後、皮下に注射した。最
終注射の4週間後にマウスの抗体産生価をさらに上昇さ
せるためにPBSに懸濁させた腫瘍血管内皮細胞膜小胞
358μgを腹腔内に注射した。その3日後、マウスよ
り脾臓を摘出し、Harlow, E. and Lane,D.の方法(Anti
bodies, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor (1
988) 203)に従い摘出した脾細胞とミエローマ細胞P3
X63Ag8U.1とを細胞融合に付した。
【0052】腫瘍血管内皮細胞あるいは正常血管内皮細
胞をコートしたプレートを使用するELISA(Posne
r, M. R. et al., J. Immunol. Methods (1982) 48, 2
3)によりハイブリドーマ培養上清中の抗体のスクリーニ
ングを行った。単離した腫瘍血管内皮細胞あるいは正常
血管内皮細胞を96穴プレート(Falcon製)に1穴当た
り2×104個分注し、一晩培養した。集密(confluen
t)状態になった細胞をPBSで2回洗浄してから0.
1%のグルタルアルデヒドを含有するPBSで10分間
4℃で固定化した。その後、150mMのNaCl、1
mMのMgCl2、0.05%のTween20、0.0
2%のNaN3および1%のBSAを含む50mMのT
ris−HCl(pH8.1)溶液でブロッキングした
後、ハイブリドーマ培養上清を加え、室温で1時間イン
キュベートした。次いで、室温にて1時間アルカリホス
ファターゼ標識抗マウスIgGヤギ抗体(Zymed製)を
反応させ、5回洗浄して、室温にて1時間、p−ニトロ
フェニルホスフェート基質溶液(Sigma製)を反応させ
た。
【0053】2N硫酸で反応を停止させ、マイクロプレ
ート・リーダー(Bio-Rad製)で405−620nm
(405nmで測定;620nmはreference 波長)に
おける吸光度を測定した。正常血管内皮細胞に比べ腫瘍
血管内皮細胞へ強く結合するクローンを陽性とした。陽
性のハイブリドーマを二度クローン化し、これらハイブ
リドーマ培養上清を用いてラットKMT−17腫瘍およ
びラット肝臓と腎臓の組織標本に対する反応性を免疫組
織化学染色法で調べた。結果を下記の表1に記載する。
表1に示されるように、7つのクローンが腫瘍血管内皮
細胞あるいはKMT−17腫瘍組織に特異的に反応する
モノクローナル抗体であった。
【0054】
【表1】表1: 比率(OD405-620 nm) 内皮細胞の免疫化学組織染色 クローン番号 腫瘍内皮/正常内皮 腫瘍組織 肝臓 腎臓 TES1-10-1 20.5 +++ ++ ++ TES7-1-7 223.0 − ND ND TES17-8-4 22.7 +++ + + TES21-14-6 23.9 ++ + − TES23-3-10 1.9 +++ + − TES26-7-3 47.5 +++ + NDTES27-4-4 1.0 +++ +++ ND ND:未検討
【0055】選択されたハイブリドーマクローンをプリ
スタン処理したBALB/cマウスの腹腔内に注射し
て、腹水を取得した。その後、プロテインAアフィニテ
ィークロマトグラフィー(Millipore 製)を用いた抗体
精製装置(Con Sep LC100, Millipore製)によりマウス
腹水より精製した。正常血管内皮細胞と腫瘍血管内皮細
胞に対するこれらモノクローナル抗体の反応性をフロー
サイトメトリーで調べた結果、ELISAでの反応性と
相関性が認められた。
【0056】これらハイブリドーマが産生するモノクロ
ーナル抗体のサブクラスを、サブクラス特異的抗マウス
ウサギ抗体(Zymed製)を用いたELISAにて決定し
た。得られた7種類の抗体は、全てIgG1κのサブク
ラスを有していた。これら抗体を産生するハイブリドー
マは日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号の工業技術
院生命工学工業技術研究所に、1996年1月31日
に、受託番号FERM P−15411(TES1−1
0−1)、FERM P−15412(TES7−1−
7)、FERM P−15413(TES17−8−
4)、FERM P−15414(TES21−14−
6)、FERM P−15415(TES23−3−1
0)、FERM P−15416(TES26−7−
3)およびFERM P−15417(TES27−4
−4)の下、国内寄託されている。なお、FERM P
−15413(TES17−8−4)およびFERMP
−15415(TES23−3−10)については、1
997年1月16日付にて、それぞれ受託番号FERM
BP−5786およびFERM BP−5787の
下、国際寄託に移管されている。
【0057】実施例2:腫瘍血管内皮モノクローナル抗体の特性 腫瘍血管内皮抗体の腫瘍組織集積性をin vivoで検討す
るために、125I標識抗体を作製し、KMT−17担癌
ラットでの臓器分布を評価した。125I標識抗体は以下
の操作により作製した。コントロール抗体あるいは抗体
TES23−3−10(100μg)をIodogen (2.
5μg)(Pierce製)処理したバイアル中でNa125
(0.5mCi)(Amersham製)と室温で5分間反応さ
せた後、PD−10カラム(Pharmacia製)で分画して
125I標識蛋白画分を回収した。得られた125I標識抗体
の比放射能は1μg=6.0〜8.6μCiであった。
【0058】続いて、WKAH/Hkmラット(6週
令、雌、日本SLC製)皮下に1×106個のKMT−
17を移植後9日目(腫瘍重量約1〜2g)にコントロ
ール抗体、抗体TES23−3−10の各125I標識抗
体(4.9〜6.0μCi/ラット)と非標識抗体(9
9μg/ラット)の混合物を静脈内投与した。投与8日
目に血液、臓器(肝臓、腎臓、脾臓、小腸、肺、筋
肉)、腫瘍組織を摘出し放射活性をガンマ−カウンター
(Aloka製)で測定した。結果を下記の表2に記載す
る。表2から分かるように、投与8日目で抗体TES2
3−3−10は腫瘍組織に特異的に集積していた。一
方、コントロール抗体は特異的な臓器分布は認められ
ず、低レベルのため検出不可能であった。
【0059】
【表2】表2: 臓器 組織/血液分布比 腫瘍 4.11 肝臓 0.35 腎臓 1.24 肺 0.24 脾臓 0.30 小腸 0筋肉 0.28
【0060】実施例3:腫瘍血管内皮モノクローナル抗体が認識する抗原蛋白質
の解析 SDS−PAGEおよびウエスタンブロッティングを以
下の操作に従って行った。75cm2フラスコ3枚分の
腫瘍血管内皮細胞を洗浄後、細胞溶解緩衝液(1mMの
EDTA、1mMのPMSF、10μg/mlのアプロ
チニン、10μg/mlのロイペプチン、1%のNonide
t P-40、および150mMのNaClを含む50mMの
Tris−HCl、pH7.5)を加え室温で5分間イ
ンキュベーションした。スクレーパーで細胞および細胞
溶解液を回収し、0℃で30分間インキュベーションし
た。この細胞溶解液を15,000rpmにて10分間
遠心分離し、次いで、この上清の蛋白量を定量した。
【0061】SDSサンプル溶液(2.3%のSDS、
125mMのTris(pH6.8)、20%のグリセ
ロール、0.05%のBPB)と1:1の比率で混合
し、3分間煮沸した。1〜10μgの蛋白量を4〜20
%SDS−PAGEに付した後、ウエスタンブロッティ
ングを行った。すなわち、ニトロセルロースメンブラン
(Millipore製)へブロットした後にスキムミルクでブ
ロッキングを行い、TBST溶液(25mMのTri
s、150mMのNaCl、3mMのKCl、0.05
%のTween 20)に溶解した各抗体(10μg/ml)で
室温2時間処理した。TBST溶液で3回洗浄後、ペル
オキシダーゼ標識抗マウスIgGヤギ抗体(Zymed製)
で室温1時間処理して同様にTBST溶液で3回洗浄し
た。その後、ECLウエスタンブロッティング検出シス
テム(Amersham)でX線フィルムへ露光させてバンドを
検出した。
【0062】その結果、抗体TES1−10−1、TE
S7−1−7、TES17−8−4、TES21−14
−6、TES26−7−3では分子量40kDのバンド
を、また抗体TES23−3−10、TES27−4−
4では分子量80kDのバンドを特異的に染色した。1
0μgの抗原蛋白をTES23−3−10で検出した結
果(レーン1)と1μgの抗原蛋白をTES1−10−
1で検出した結果(レーン2)を図1中に示す。右側の
数字は分子量の大きさ(kD)を表す。
【0063】実施例4:腫瘍移植ラットにおける腫瘍血管内皮モノクローナル抗
体の効果 先に、化学療法剤ネオカルチノスタチン(NCS)と本
願発明の腫瘍血管内皮モノクローナル抗体(TES23
−3−10)との結合体(immunoconjugate)を作成し
た。Zara, J. J. et al., Anal. Biochem. (1991) 194,
156の方法にて、PDPHを架橋剤として用い、抗体F
c部位の糖鎖とNCSを結合させた。
【0064】5×105個/ラットの割合となるようにラ
ット肉腫株KMT−17を5週令のWKAH/Hkmラ
ット(日本SLC製)の皮内に移植した。腫瘍径が6〜
8mm角に成長したのを確認後(4日後)、コントロー
ルとしてのPBS(図2中では白丸で表示)、NCS結
合抗体TES23−3−10(NCS量として5μg/
ラット、抗体量として32μg/ラット;図2中では黒
丸で表示)、抗体TES23−3−10(抗体量として
32μg/ラット;図2中では白四角で表示)、NCS
(5μg/ラット;図2中では黒四角で表示)、あるい
は抗体TES23−3−10(抗体量として32μg/
ラット)とNCS(5μg/ラット)との単独併用投与
(図2中では白三角で表示)の各試験物質について、1
日置きに3回(即ち、肉腫株細胞の移植後、4日目と6
日目と8日目)静脈内投与した。
【0065】実験は、各投与群につき5匹のラットを用
いて同様に行った。肉腫株細胞移植後4日目からの腫瘍
体積の増加率を測定し、各投与群について腫瘍抑制効果
を調べた。得られた結果を、図2に示す。図2から分か
るように、NCS結合抗体TES23−3−10を投与
した群については、移植ラットの固形癌増殖に対して有
意な抑制効果が認められた。
【0066】また、抗体依存性細胞障害活性に基づいた
抗腫瘍効果を検討するため、抗体単独による投与も行っ
た。すなわち1×106個/ラットの割合となるようにラ
ット肉腫株KMT−17を7週令のWKAH/Hkmラ
ット(日本SLC製)の皮下に移植した。腫瘍径が6〜
8mm角に成長したのを確認後(4日後)、抗体TES
23−3−10あるいはコントロール抗体を1mg/ラ
ットで毎日5回静脈内投与した。実験は、各投与群につ
き7匹のラットを用いて同様に行った。肉腫株細胞移植
後4日目からの腫瘍体積の増加率を測定し、各投与群に
ついて増殖抑制効果を調べた結果を、図3に示す。図3
から分かるように、抗体TES23−3−10を投与し
た群については、移植ラットの固形癌増殖に対して有意
な抑制効果が認められた。
【0067】実施例5:腫瘍血管内皮モノクローナル抗体の腫瘍血管内皮細胞に
対する特異的増殖抑制効果 まず、Barbieri, L. et al., Biochem. J. (1982) 203,
55-59 に記載のアメリカヤマゴボウ種子由来抗ウイル
ス蛋白質(PAPS)(Inland Laboratories製)と本
発明の腫瘍血管内皮モノクローナル抗体(TES23−
3−10およびTES17−8−4)との結合体(immu
notoxin)を作製した。同様にPAPSとコントロール
抗体(MOPC−31C)との結合体を作製した。Thro
pe, P.E.et al., Cancer Res. (1987) 47, 5924-5931
らの方法にてSMPT(PIECE製)を抗体側の架橋
剤として用い、同様にThrope, P.E. et al., Cancer Re
s.(1987) 47, 5924-5931 らの方法にて2IT(PIE
CE製)をPAPS側の架橋剤として用いて、抗体とP
APSを結合させたのち、Superdex 200 HR 10/30カラ
ム(Pharmacia Biotech製)によるゲル濾過法にてPA
PS結合抗体を精製した。
【0068】単離した腫瘍血管内皮細胞あるいは正常血
管内皮細胞を96穴プレート(Falcon製)に1穴当たり
2×103個播種し、6〜8時間培養した。細胞の接着
を確認した後に、終濃度1μM〜0.1nMとなるよう
PAPS(図4および図5中では白菱形で表示)を、も
しくは終濃度10nM〜10pMとなるようPAPS結
合コントロール抗体MOPC−31C(図4および図5
中では白丸で表示)、PAPS結合抗体TES23−3
−10(図4および図5中では白三角で表示)、PAP
S結合抗体TES17−8−4(図4および図5中では
白四角で表示)を加えて70.5時間培養した。その
後、CellTiter 96TM AQueous Assay Reagents(Promega
製)を1穴当たり20μl加え、さらに90分間培養し
た。
【0069】10%SDSを1穴当たり25μl加え反
応を停止した後、マイクロプレートリーダー(ラボシス
テムズ製)で492−690nm(492nmで測定;
690nmはreference波長)における吸光度を測定し
た。コントロール(培地のみで培養)の吸光度を100
%として増殖抑制活性を算出した。得られた結果を図4
および図5に示す。図4および図5から分かるように、
PAPS結合抗体TES23−3−10もしくはPAP
S結合抗体TES17−8−4は腫瘍血管内皮細胞に対
して強い増殖抑制効果を示し、一方正常血管内皮細胞に
対しては全く効果を示さなかった。また、PAPS結合
コントロール抗体MOPC−31Cは10nMにおいて
も腫瘍血管内皮細胞および正常血管内皮細胞に対して増
殖抑制効果を示さなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、腫瘍血
管内皮細胞表面に存在する抗原を認識することができ、
単独で、もしくは化学療法剤、ラジオアイソトープなど
のような結合分子と結合させることにより、特には腫瘍
の治療または診断のための、医薬または診断薬として有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、TES23−3−10(レーン1)ま
たはTES1−10−1(レーン2)が認識する抗原蛋
白質を示すウエスタンブロッティングの写真である。
【図2】図2は、癌細胞を移植したラットに各試験物質
(コントロール、抗体とNCSの結合体、抗体、NC
S、および抗体とNCSとの併用)を投与した場合の、
腫瘍体積の増加率の変化を示すグラフである。
【図3】図3は、癌細胞を移植したラットに各試験物質
(コントロールおよび抗体)を投与した場合の、腫瘍体
積の増加率の変化を示すグラフである。
【図4】図4は、腫瘍血管内皮細胞に対するPAPS、
PAPS結合コントロール抗体MOPC−31C、PA
PS結合抗体TES23−3−10およびPAPS結合
抗体TES17−8−4の増殖抑制効果を示すグラフで
ある。
【図5】図5は、正常血管内皮細胞に対するPAPS、
PAPS結合コントロール抗体MOPC−31C、PA
PS結合抗体TES23−3−10およびPAPS結合
抗体TES17−8−4の増殖抑制効果を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 49/00 C12P 21/08 C07H 21/04 G01N 33/53 D C12N 5/10 Y 15/02 33/574 D C12P 21/08 33/577 B G01N 33/53 A61K 37/02 43/00 33/574 C12N 5/00 B 33/577 9282−4B 15/00 C //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 中川 晋作 大阪府八尾市西木之本4−4−1 木之本 合同宿舎3−101 (72)発明者 堤 康央 大阪府箕面市粟生間谷西4丁目2−20− 503 (72)発明者 大泉 厳雄 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍血管内皮細胞表面の分子量40kD
    または80kDの抗原を認識することを特徴とするモノ
    クローナル抗体。
  2. 【請求項2】 それぞれ固定化した腫瘍血管内皮細胞と
    正常血管内皮細胞とに対する結合の度合いをELISA
    法で測定した場合に、正常血管内皮細胞に対する結合よ
    りも腫瘍血管内皮細胞に対する結合の方が同等もしくは
    それ以上であることを特徴とする請求項1に記載のモノ
    クローナル抗体。
  3. 【請求項3】 ラットの腫瘍、肝臓および腎臓の組織標
    本に対する反応性を免疫組織化学染色法で測定した場
    合、肝臓および腎臓に対する反応性よりも腫瘍組織に対
    する反応性の方が同等もしくはそれ以上であることを特
    徴とする請求項1または2に記載のモノクローナル抗
    体。
  4. 【請求項4】 抗体を担癌ラットへ投与した場合、血液
    中の存在量よりも腫瘍組織中の存在量の方が同等もしく
    はそれ以上であり、血液中の存在量よりも肝臓、肺、脾
    臓、小腸および筋肉の各組織中の存在量の方が同等もし
    くはそれ以下であることを特徴とする請求項1から3の
    何れか1項に記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】 ラットKMT−17固形癌から得た腫瘍
    血管内皮細胞から調製した細胞膜小胞を動物に免疫し、
    上記動物から抗体産生細胞を単離し、これをミエローマ
    細胞と融合することによりハイブリドーマを作製し、次
    いで得られたハイブリドーマをスクリーニングすること
    により得られる単一クローンのハイブリドーマにより産
    生されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項
    に記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】 腫瘍血管内皮細胞から調製した細胞膜小
    胞を動物に免疫する前に、正常血管内皮細胞から調製し
    た細胞膜小胞に対する抗血清を、前記の動物に受動免疫
    することをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載
    のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】 受託番号FERM P−15411、F
    ERM P−15412、FERM BP−5786、
    FERM P−15414、FERM BP−578
    7、FERM P−15416またはFERM P−1
    5417を有するハイブリドーマが産生することを特徴
    とする請求項1から6の何れか1項に記載のモノクロー
    ナル抗体。
  8. 【請求項8】 抗腫瘍活性を有することを特徴とする請
    求項1から7の何れか1項に記載のモノクローナル抗
    体。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れか1項に記載のモ
    ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  10. 【請求項10】 受託番号FERM P−15411、
    FERM P−15412、FERM BP−578
    6、FERM P−15414、FERM BP−57
    87、FERM P−15416またはFERM P−
    15417を有する請求項9に記載のハイブリドーマ。
  11. 【請求項11】 請求項1から8の何れか1項に記載の
    モノクローナル抗体を含む医薬。
  12. 【請求項12】 腫瘍治療用であることを特徴とする請
    求項11に記載の医薬。
  13. 【請求項13】 (a)請求項1から8の何れか1項に
    記載のモノクローナル抗体;および(b)抗癌化学療法
    剤、ラジオアイソトープ、蛋白性毒素、致死性蛋白ある
    いはこれを発現する遺伝子を挿入した発現ベクター、酵
    素、ストレプトアビジンから成る群から選択される結合
    分子:の結合体を含む医薬または診断薬。
  14. 【請求項14】 腫瘍の治療用または診断用であること
    を特徴とする請求項13に記載の医薬または診断薬。
JP9029979A 1996-02-15 1997-02-14 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体 Pending JPH1030000A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9029979A JPH1030000A (ja) 1996-02-15 1997-02-14 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-27931 1996-02-15
JP2793196 1996-02-15
JP9029979A JPH1030000A (ja) 1996-02-15 1997-02-14 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1030000A true JPH1030000A (ja) 1998-02-03

Family

ID=26365938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9029979A Pending JPH1030000A (ja) 1996-02-15 1997-02-14 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1030000A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980038203A (ko) * 1996-11-25 1998-08-05 규오 리 헤 항-간암 마우스 모노클로날 항체에 의해 전달되는 방사성소핵체를 함유하는 의약

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980038203A (ko) * 1996-11-25 1998-08-05 규오 리 헤 항-간암 마우스 모노클로날 항체에 의해 전달되는 방사성소핵체를 함유하는 의약

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5091178A (en) Tumor therapy with biologically active anti-tumor antibodies
US6033876A (en) Anti-CD30 antibodies preventing proteolytic cleavage and release of membrane-bound CD30 antigen
AU725238B2 (en) Antigen binding fragments that specifically detect cancer cells, nucleotides encoding the fragments, and use thereof for the prophylaxis and detection of cancers
US7183384B2 (en) Monoclonal antibody 7H11 reactive with human cancer
JP4854912B2 (ja) 癌に対する抗体
JP2001521520A (ja) 抗α▲下v▼β▲下3▼インテグリン抗体アンタゴニスト
CN101432305A (zh) 运铁蛋白受体抗体
JPH04502702A (ja) ヒト癌に対する新規なモノクローナル抗体
US20030082188A1 (en) Treatment of prostate cancer by inhibitors of NCAM2
WO1994011023A1 (en) Monoclonal antibody which specifically binds to tumor vascular endothelium and uses thereof
CN101022830A (zh) 抑制下游 u P A R相互作用并结合了尿激酶类纤溶酶原激发剂( u P A)与其受体( u P A R)的复合物的配位体:在诊断或治疗中的识别和用途
AU764632B2 (en) Monoclonal antibody which recognizes the oligosaccharide N-glycolylated-galactose-glucose sialic acid in malignant tumors, and composition containing it
US7741444B2 (en) Neoplasm specific antibodies and uses thereof
US20100279307A1 (en) Angiogenesis Inhibiting Molecules, Their Selection, Production and Their Use in the Treatment of Cancer
US5407805A (en) Monoclonal antibody reactive to various human leukemia and lymphoma cells and methods of using same for diagnosis and treatment
US7560095B2 (en) Cancer specific monoclonal antibodies
EP0234122A2 (en) Tumor therapy with biologically active anti-tumor antibodies
US6440733B1 (en) Monoclonal antibodies recognizing antigens on the surface of endothelial cells of tumor vessel
AU2004289821B2 (en) Adenocarcinoma specific antibody SAM-6, and uses thereof
JPH1030000A (ja) 腫瘍血管内皮表面の抗原を認識するモノクローナル抗体
US5169775A (en) Monoclonal antibodies against lymphoma-associated antigens, hybrid cell lines producing these antibodies
JP2996526B2 (ja) モノクローナル抗体の新用途
JPH01502195A (ja) 細胞毒性結合物の増強法
JPH02219594A (ja) 肺癌に対するモノクローナル抗体および細胞表面抗原
CA2255540C (en) Antigen binding fragments that specifically detect cancer cells, nucleotides encoding the fragments, and use thereof for the prophylaxis and detection of cancers

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703