JPH10299253A - コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装 置 - Google Patents
コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装 置Info
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- JPH10299253A JPH10299253A JP11744397A JP11744397A JPH10299253A JP H10299253 A JPH10299253 A JP H10299253A JP 11744397 A JP11744397 A JP 11744397A JP 11744397 A JP11744397 A JP 11744397A JP H10299253 A JPH10299253 A JP H10299253A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プレストレッシング管理の簡素化及び省力化
を図り、かつプレストレッシング管理の信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】 鉄筋コンクリート梁1に挿入したPCケ
ーブル2を緊張付与装置4により緊張させた際の引張荷
重を検出する圧力センサ101と、PCケーブル2の伸
び量を検出するロータリエンコーダ102と、PCケー
ブル2の緊張力により変形を受ける鉄筋コンクリート梁
1の変形量を計測する位置センサ103と、検出された
引張荷重、伸び量及び変形量が予め初期設定された基準
値に対して許容される偏差範囲にあるかを判定するパー
ソナルコンピュータとを備える。緊張付与装置4による
PCケーブル2の緊張を、前記判定に基づいて制御する
ことによって、前記鉄筋コンクリート梁1に適切なプレ
ストレスを導入することができる。
を図り、かつプレストレッシング管理の信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】 鉄筋コンクリート梁1に挿入したPCケ
ーブル2を緊張付与装置4により緊張させた際の引張荷
重を検出する圧力センサ101と、PCケーブル2の伸
び量を検出するロータリエンコーダ102と、PCケー
ブル2の緊張力により変形を受ける鉄筋コンクリート梁
1の変形量を計測する位置センサ103と、検出された
引張荷重、伸び量及び変形量が予め初期設定された基準
値に対して許容される偏差範囲にあるかを判定するパー
ソナルコンピュータとを備える。緊張付与装置4による
PCケーブル2の緊張を、前記判定に基づいて制御する
ことによって、前記鉄筋コンクリート梁1に適切なプレ
ストレスを導入することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁や建築物に使
用する鉄筋コンクリート梁等のコンクリート部材に適切
なプレストレスを与えるための施工管理技術に関する。
用する鉄筋コンクリート梁等のコンクリート部材に適切
なプレストレスを与えるための施工管理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】橋梁の構築等においては、大きな荷重を
受ける鉄筋コンクリート梁のたわみ強度を向上させるた
め、その施工にはプレストレストコンクリート工法が採
用される。この工法においては、プレキャストコンクリ
ート製品である鉄筋コンクリート梁に軸方向(長手方
向)に貫通した状態で鋼棒、鋼線あるいは鋼撚り線等の
PCケーブルを挿入して、このPCケーブルを適当に緊
張させた状態で両端を前記鉄筋コンクリート梁の軸方向
両端に定着し、その緊張力によって鉄筋コンクリート梁
にプレストレスを導入(プレストレッシング)する。こ
の場合、導入するプレストレスの大きさによって前記鉄
筋コンクリート梁の強度や耐久性が異なるため、設計性
能を満足させるためには、プレストレッシング時の施工
管理を厳密に行わなければならない。
受ける鉄筋コンクリート梁のたわみ強度を向上させるた
め、その施工にはプレストレストコンクリート工法が採
用される。この工法においては、プレキャストコンクリ
ート製品である鉄筋コンクリート梁に軸方向(長手方
向)に貫通した状態で鋼棒、鋼線あるいは鋼撚り線等の
PCケーブルを挿入して、このPCケーブルを適当に緊
張させた状態で両端を前記鉄筋コンクリート梁の軸方向
両端に定着し、その緊張力によって鉄筋コンクリート梁
にプレストレスを導入(プレストレッシング)する。こ
の場合、導入するプレストレスの大きさによって前記鉄
筋コンクリート梁の強度や耐久性が異なるため、設計性
能を満足させるためには、プレストレッシング時の施工
管理を厳密に行わなければならない。
【0003】従来、プレストレッシング管理は次のよう
な手順で行われている。まず、試験緊張を行う。この試
験緊張においては、サンプルとしての鉄筋コンクリート
梁に挿入したPCケーブルを油圧等による緊張付与装置
で緊張させ、その時の緊張付与装置の引張荷重(緊張
力)やPCケーブルの伸びを計測器で計測してその示度
をそれぞれ作業員が読み取り、専門技術者がその計測値
を監視しながら緊張を行う。そしてこの試験結果から、
プレストレッシング計算用ソフトウェアを組み込んだパ
ーソナルコンピュータを用いて、PCケーブルの引張応
力による梁の変形量、PCケーブルの伸びに伴うPCケ
ーブル挿入孔との摩擦による緊張力の摩擦損失、PCケ
ーブルの引張応力による梁の短縮(圧縮)による他のP
Cケーブルの緊張力損失等を解析し、その解析結果か
ら、PCケーブルに与えるべき緊張力やその許容値を求
め、個々のPCケーブル毎の管理図及びPCケーブル全
体の管理図を前記専門技術者が手描きで作成する。
な手順で行われている。まず、試験緊張を行う。この試
験緊張においては、サンプルとしての鉄筋コンクリート
梁に挿入したPCケーブルを油圧等による緊張付与装置
で緊張させ、その時の緊張付与装置の引張荷重(緊張
力)やPCケーブルの伸びを計測器で計測してその示度
をそれぞれ作業員が読み取り、専門技術者がその計測値
を監視しながら緊張を行う。そしてこの試験結果から、
プレストレッシング計算用ソフトウェアを組み込んだパ
ーソナルコンピュータを用いて、PCケーブルの引張応
力による梁の変形量、PCケーブルの伸びに伴うPCケ
ーブル挿入孔との摩擦による緊張力の摩擦損失、PCケ
ーブルの引張応力による梁の短縮(圧縮)による他のP
Cケーブルの緊張力損失等を解析し、その解析結果か
ら、PCケーブルに与えるべき緊張力やその許容値を求
め、個々のPCケーブル毎の管理図及びPCケーブル全
体の管理図を前記専門技術者が手描きで作成する。
【0004】次に、実際の梁等の施工に際しては、プレ
ストレッシング時にPCケーブルに緊張力を与える緊張
付与装置の荷重やPCケーブルの伸び量を計測して、そ
の示度を作業員が読み取り、上述の試験緊張によって作
成された管理図をもとに、専門技術者が前記計測値を記
録しながら適正なセット値を判断するといった施工管理
を行う。
ストレッシング時にPCケーブルに緊張力を与える緊張
付与装置の荷重やPCケーブルの伸び量を計測して、そ
の示度を作業員が読み取り、上述の試験緊張によって作
成された管理図をもとに、専門技術者が前記計測値を記
録しながら適正なセット値を判断するといった施工管理
を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によるプ
レストレッシング管理においては、次のような問題が指
摘される。 (1) 試験緊張時及び施工時におけるプレストレッシング
に際して、PCケーブルに与えられる緊張力や伸び量を
作業員が目視で読み取るため、読み取り誤差が生じやす
く、これに基づいて解析される各種管理値の信頼性が低
い。 (2) 緊張力や伸び量の計測は一般に50kg/cm2 毎に行わ
れ、その都度、専門技術者が計測値を記録し、判断しな
ければならないので、管理に時間がかかる。 (3) PCケーブルの伸び量や梁の変形量等の読み取りは
同時に行う必要があるため、計測値の読み取りに多数の
作業員が必要であり、また、プレストレッシング管理の
ための専門技術者が必要であり、効率的でない。
レストレッシング管理においては、次のような問題が指
摘される。 (1) 試験緊張時及び施工時におけるプレストレッシング
に際して、PCケーブルに与えられる緊張力や伸び量を
作業員が目視で読み取るため、読み取り誤差が生じやす
く、これに基づいて解析される各種管理値の信頼性が低
い。 (2) 緊張力や伸び量の計測は一般に50kg/cm2 毎に行わ
れ、その都度、専門技術者が計測値を記録し、判断しな
ければならないので、管理に時間がかかる。 (3) PCケーブルの伸び量や梁の変形量等の読み取りは
同時に行う必要があるため、計測値の読み取りに多数の
作業員が必要であり、また、プレストレッシング管理の
ための専門技術者が必要であり、効率的でない。
【0006】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、プレスト
レッシング管理の簡素化及び省力化を図ることによって
施工コストの低減や工期の短縮を可能にすると共に、プ
レストレッシング管理の信頼性を向上させることにあ
る。
れたもので、その技術的課題とするところは、プレスト
レッシング管理の簡素化及び省力化を図ることによって
施工コストの低減や工期の短縮を可能にすると共に、プ
レストレッシング管理の信頼性を向上させることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るコンクリート製建築要素のプレストレッシ
ング管理装置は、基本的にはコンクリート製建築要素に
挿入したPCケーブルを緊張付与装置の駆動により緊張
させて前記コンクリート製建築要素にプレストレスを与
えた際の前記PCケーブルに対する引張荷重を検出する
引張荷重検出手段と、前記PCケーブルの伸び量を検出
する伸び検出手段と、前記各検出手段により検出された
物理量の計測値を演算すると共に前記各物理量について
予め初期設定された基準値との偏差が許容範囲にあるか
を判定する演算処理手段とを備える。したがって、PC
ケーブルに与える緊張力や、これにより変化するPCケ
ーブルの伸び量は各検出手段によって随時計測され、前
記各検出手段から転送される検出データを基に、演算処
理装置によって前記緊張力及び伸び量等の計測値がリア
ルタイムで演算されると共に、予め初期設定された基準
値との偏差が許容範囲にあるかが判定されるため、PC
ケーブルを緊張させる緊張付与装置の駆動を前記判定に
基づいて制御することによって、前記コンクリート製建
築要素にPCケーブルの緊張力による適切なプレストレ
スを導入することができる。
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るコンクリート製建築要素のプレストレッシ
ング管理装置は、基本的にはコンクリート製建築要素に
挿入したPCケーブルを緊張付与装置の駆動により緊張
させて前記コンクリート製建築要素にプレストレスを与
えた際の前記PCケーブルに対する引張荷重を検出する
引張荷重検出手段と、前記PCケーブルの伸び量を検出
する伸び検出手段と、前記各検出手段により検出された
物理量の計測値を演算すると共に前記各物理量について
予め初期設定された基準値との偏差が許容範囲にあるか
を判定する演算処理手段とを備える。したがって、PC
ケーブルに与える緊張力や、これにより変化するPCケ
ーブルの伸び量は各検出手段によって随時計測され、前
記各検出手段から転送される検出データを基に、演算処
理装置によって前記緊張力及び伸び量等の計測値がリア
ルタイムで演算されると共に、予め初期設定された基準
値との偏差が許容範囲にあるかが判定されるため、PC
ケーブルを緊張させる緊張付与装置の駆動を前記判定に
基づいて制御することによって、前記コンクリート製建
築要素にPCケーブルの緊張力による適切なプレストレ
スを導入することができる。
【0008】本発明において一層好ましい構成として
は、上述した基本的な構成に加えて、PCケーブルに緊
張力を与えることにより変形を受けるコンクリート製建
築要素の変形量を計測する変形量検出手段を備え、演算
処理手段は前記変形量検出手段からの検出データにより
前記変形量を演算すると共にこれに対応する初期設定値
との偏差が許容範囲にあるかをも判定するものとする。
PCケーブルに緊張力を与えることにより変形を受ける
コンクリート製建築要素の変形量の大きさは、このコン
クリート製建築要素の強度を判定するための重要なデー
タとなるため、これによって一層適切なプレストレスを
導入することができる。
は、上述した基本的な構成に加えて、PCケーブルに緊
張力を与えることにより変形を受けるコンクリート製建
築要素の変形量を計測する変形量検出手段を備え、演算
処理手段は前記変形量検出手段からの検出データにより
前記変形量を演算すると共にこれに対応する初期設定値
との偏差が許容範囲にあるかをも判定するものとする。
PCケーブルに緊張力を与えることにより変形を受ける
コンクリート製建築要素の変形量の大きさは、このコン
クリート製建築要素の強度を判定するための重要なデー
タとなるため、これによって一層適切なプレストレスを
導入することができる。
【0009】また、本発明において一層好ましい他の構
成としては、上述した基本的な構成に加えて、PCケー
ブルに緊張力を与えることにより変形を受ける緊張付与
装置の支持位置の変位量を計測する支持位置変位検出手
段を備え、演算処理手段は前記支持位置変位検出手段か
らの検出データにより前記変位量を演算すると共に、計
測された伸び量に前記支持位置変位量を加算することが
できるものとする。すなわち、緊張付与装置を施工対象
の構造物等に支持・固定したような場合、PCケーブル
に緊張力を与えた時の反力によって前記構造物が変形
(緊張付与装置の支持位置が変化)すると、緊張付与装
置の引張荷重に対するPCケーブルの伸び量がそれだけ
小さくなる。したがってこのような場合は、伸び量検出
手段による計測値に前記支持位置変位検出手段による計
測値を加算することによって、PCケーブルの適正な伸
び量を求めることができる。
成としては、上述した基本的な構成に加えて、PCケー
ブルに緊張力を与えることにより変形を受ける緊張付与
装置の支持位置の変位量を計測する支持位置変位検出手
段を備え、演算処理手段は前記支持位置変位検出手段か
らの検出データにより前記変位量を演算すると共に、計
測された伸び量に前記支持位置変位量を加算することが
できるものとする。すなわち、緊張付与装置を施工対象
の構造物等に支持・固定したような場合、PCケーブル
に緊張力を与えた時の反力によって前記構造物が変形
(緊張付与装置の支持位置が変化)すると、緊張付与装
置の引張荷重に対するPCケーブルの伸び量がそれだけ
小さくなる。したがってこのような場合は、伸び量検出
手段による計測値に前記支持位置変位検出手段による計
測値を加算することによって、PCケーブルの適正な伸
び量を求めることができる。
【0010】また、本発明において一層好ましい更に他
の構成としては、演算処理手段は各計測値と設定値との
偏差に基づいた制御信号を緊張付与装置の駆動制御手段
に出力し、この駆動制御手段は前記各偏差が許容値以内
になるように前記緊張付与装置の駆動を制御するもので
ある。このような構成とすれば、前記緊張付与装置の駆
動がPCケーブルの伸び量等の各種計測値に基づいて駆
動制御手段を介して制御されるので、人手による操作に
よることなく適切なプレストレスを導入することができ
る。
の構成としては、演算処理手段は各計測値と設定値との
偏差に基づいた制御信号を緊張付与装置の駆動制御手段
に出力し、この駆動制御手段は前記各偏差が許容値以内
になるように前記緊張付与装置の駆動を制御するもので
ある。このような構成とすれば、前記緊張付与装置の駆
動がPCケーブルの伸び量等の各種計測値に基づいて駆
動制御手段を介して制御されるので、人手による操作に
よることなく適切なプレストレスを導入することができ
る。
【0011】また、本発明において一層好ましい更に他
の構成としては、演算処理手段による演算結果を管理図
として出力表示する出力表示手段を備える。このように
すれば、PCケーブルの伸び量、コンクリート製建築要
素の変形量、緊張付与装置の支持位置の変位量等の各種
計測値や設定値、偏差量などが管理図形態で出力表示さ
れるので、熟練した専門技術者の専門知識や勘に依存す
ることなくプレストレッシング管理をすることができ
る。
の構成としては、演算処理手段による演算結果を管理図
として出力表示する出力表示手段を備える。このように
すれば、PCケーブルの伸び量、コンクリート製建築要
素の変形量、緊張付与装置の支持位置の変位量等の各種
計測値や設定値、偏差量などが管理図形態で出力表示さ
れるので、熟練した専門技術者の専門知識や勘に依存す
ることなくプレストレッシング管理をすることができ
る。
【0012】また、演算処理手段で演算される各計測値
と設定値との偏差が許容範囲を超えた場合には、光ある
いは音等による警報を発する警報発生手段を設けること
も好ましい。
と設定値との偏差が許容範囲を超えた場合には、光ある
いは音等による警報を発する警報発生手段を設けること
も好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係るコ
ンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装置の
一実施形態を概略的に示すものである。まず図1は、鉄
筋コンクリート梁へのプレストレッシングの導入状況を
概略的に示すもので、参照符号1はプレストレス導入対
象の鉄筋コンクリート梁である。鉄筋コンクリート梁1
には、中間部が下面側に偏在した湾曲状態で概ね軸方向
に延びる複数のシース管(図示省略)が埋設されてお
り、これら各シース管によって形成されたケーブル挿入
孔の各々に、鋼棒、鋼線あるいは鋼撚り線等からなるP
Cケーブル2(21 〜23)が挿入されている。
ンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装置の
一実施形態を概略的に示すものである。まず図1は、鉄
筋コンクリート梁へのプレストレッシングの導入状況を
概略的に示すもので、参照符号1はプレストレス導入対
象の鉄筋コンクリート梁である。鉄筋コンクリート梁1
には、中間部が下面側に偏在した湾曲状態で概ね軸方向
に延びる複数のシース管(図示省略)が埋設されてお
り、これら各シース管によって形成されたケーブル挿入
孔の各々に、鋼棒、鋼線あるいは鋼撚り線等からなるP
Cケーブル2(21 〜23)が挿入されている。
【0014】なお、各PCケーブル2が下側に湾曲した
形状に挿通されているのは、このPCケーブル2を緊張
させてそれぞれ定着部材3を介して鉄筋コンクリート梁
1の軸方向両端に定着させることによって、両端を支持
された状態に架設された鉄筋コンクリート梁1の下側へ
の撓みを、図中一点鎖線で示すようにほぼ水平状態に補
正する上向きの抗力が働くようなプレストレスを導入す
るためである。
形状に挿通されているのは、このPCケーブル2を緊張
させてそれぞれ定着部材3を介して鉄筋コンクリート梁
1の軸方向両端に定着させることによって、両端を支持
された状態に架設された鉄筋コンクリート梁1の下側へ
の撓みを、図中一点鎖線で示すようにほぼ水平状態に補
正する上向きの抗力が働くようなプレストレスを導入す
るためである。
【0015】参照符号4は油圧ジャッキ41と、この油
圧ジャッキ41の作動部41aを圧油の給排によって動
作させる油圧ポンプ42とからなる緊張付与装置であ
り、鉄筋コンクリート梁1の軸方向両端から突出した各
PCケーブル2の両端の余長部分2a,2bは、それぞ
れ前記油圧ジャッキ41の作動部41aにチャックされ
ている。油圧ポンプ42には、引張荷重検出手段として
内部の油圧を計測する圧力センサ101が取り付けられ
ている。各PCケーブル2に緊張を与える緊張付与装置
4の引張荷重は、この圧力センサ101で検出された油
圧と、油圧ジャッキ41内のピストン(図示省略)の受
圧面積との積に相当する。
圧ジャッキ41の作動部41aを圧油の給排によって動
作させる油圧ポンプ42とからなる緊張付与装置であ
り、鉄筋コンクリート梁1の軸方向両端から突出した各
PCケーブル2の両端の余長部分2a,2bは、それぞ
れ前記油圧ジャッキ41の作動部41aにチャックされ
ている。油圧ポンプ42には、引張荷重検出手段として
内部の油圧を計測する圧力センサ101が取り付けられ
ている。各PCケーブル2に緊張を与える緊張付与装置
4の引張荷重は、この圧力センサ101で検出された油
圧と、油圧ジャッキ41内のピストン(図示省略)の受
圧面積との積に相当する。
【0016】各PCケーブル2の余長部分2a,2bに
は、それぞれロータリエンコーダ102の回転軸に取り
付けられたローラ102aの外周面が接触されている。
すなわち緊張付与装置4の油圧ジャッキ41により引張
荷重を受けるPCケーブル2の伸び量は、その伸びに伴
うローラ102aの回転を介してロータリエンコーダ1
02で検出されるようになっている。
は、それぞれロータリエンコーダ102の回転軸に取り
付けられたローラ102aの外周面が接触されている。
すなわち緊張付与装置4の油圧ジャッキ41により引張
荷重を受けるPCケーブル2の伸び量は、その伸びに伴
うローラ102aの回転を介してロータリエンコーダ1
02で検出されるようになっている。
【0017】鉄筋コンクリート梁1の軸方向中央部の上
側には変形量検出手段として非接触型の変位センサ10
3が設置されている。すなわちPCケーブル2の緊張に
よるプレストレスを導入されることによって、下側への
撓みを補正するように上向きの変形を受ける鉄筋コンク
リート梁1の変形量は、この変位センサ103で常時検
出されるようになっている。
側には変形量検出手段として非接触型の変位センサ10
3が設置されている。すなわちPCケーブル2の緊張に
よるプレストレスを導入されることによって、下側への
撓みを補正するように上向きの変形を受ける鉄筋コンク
リート梁1の変形量は、この変位センサ103で常時検
出されるようになっている。
【0018】図2は、本発明によるプレストレッシング
管理装置全体の概略構成を示すもので、参照符号104
は演算処理手段に相当するパーソナルコンピュータ、1
05はこのパーソナルコンピュータ104からの出力デ
ータを印字出力するプリンタで、図示されていないコン
トロールルームに設置されている。参照符号106はパ
ーソナルコンピュータ本体104aの演算結果に基づい
た制御信号によって緊張付与装置4の油圧ポンプ42の
駆動を制御する駆動制御装置、107は各圧力センサ1
01から出力される油圧ポンプ42内の油圧の検出デー
タをスキャンニングして順次読み込むスキャナ、108
は各ロータリエンコーダ102から出力される各PCケ
ーブル2の伸び量の検出データをスキャンニングして順
次取り込むスキャナであり、109はパーソナルコンピ
ュータ104による演算結果を駆動制御装置106に転
送し、またスキャナ107,108で読み込まれた油圧
及び延び量の検出データや変位センサ103からの変形
量検出データを信号処理してパーソナルコンピュータ1
04に転送する信号処理装置である。
管理装置全体の概略構成を示すもので、参照符号104
は演算処理手段に相当するパーソナルコンピュータ、1
05はこのパーソナルコンピュータ104からの出力デ
ータを印字出力するプリンタで、図示されていないコン
トロールルームに設置されている。参照符号106はパ
ーソナルコンピュータ本体104aの演算結果に基づい
た制御信号によって緊張付与装置4の油圧ポンプ42の
駆動を制御する駆動制御装置、107は各圧力センサ1
01から出力される油圧ポンプ42内の油圧の検出デー
タをスキャンニングして順次読み込むスキャナ、108
は各ロータリエンコーダ102から出力される各PCケ
ーブル2の伸び量の検出データをスキャンニングして順
次取り込むスキャナであり、109はパーソナルコンピ
ュータ104による演算結果を駆動制御装置106に転
送し、またスキャナ107,108で読み込まれた油圧
及び延び量の検出データや変位センサ103からの変形
量検出データを信号処理してパーソナルコンピュータ1
04に転送する信号処理装置である。
【0019】図3は、この実施形態のプレストレッシン
グ管理装置による処理の流れを示すもので、S1〜S5
はプレストレッシング管理を的確に行うのに必要な各種
の基準データを得るための試験緊張のステップである。
すなわちこの試験緊張では、まずステップS1におい
て、設計図や設計計算書等から鉄筋コンクリート梁1の
形状、寸法、コンクリート材質、配筋構造、PCケーブ
ルの本数、材質、断面積、湾曲の曲率などの設計データ
や、緊張付与装置4における油圧ジャッキ41内のピス
トンの受圧面積等、必要な基本データを入力する。
グ管理装置による処理の流れを示すもので、S1〜S5
はプレストレッシング管理を的確に行うのに必要な各種
の基準データを得るための試験緊張のステップである。
すなわちこの試験緊張では、まずステップS1におい
て、設計図や設計計算書等から鉄筋コンクリート梁1の
形状、寸法、コンクリート材質、配筋構造、PCケーブ
ルの本数、材質、断面積、湾曲の曲率などの設計データ
や、緊張付与装置4における油圧ジャッキ41内のピス
トンの受圧面積等、必要な基本データを入力する。
【0020】ステップS2では、サンプルとしての鉄筋
コンクリート梁1に挿入したPCケーブル2を緊張付与
装置4によって緊張させ、このときの引張荷重Fやこれ
によって変化する各PCケーブル2の伸び量ΔLを、ス
キャナ107,108によって一定の周期で各圧力セン
サ101やロータリエンコーダ102から取り込まれる
検出データにより計測する。下側に湾曲した状態で鉄筋
コンクリート梁1に埋設されたシース管に挿入されたP
Cケーブル2は、緊張されることによって前記シース管
の内面に圧接して摩擦抵抗を発生するため、この場合の
PCケーブル2のヤング係数は、摩擦抵抗を発生しない
状態で引張荷重Fを与えた場合の通常のヤング係数とは
見かけ上相違することになる。ステップS3において
は、パーソナルコンピュータ104が、前記各計測値と
予め入力された基本データからPCケーブル2の見かけ
上のヤング係数や摩擦係数の管理限界値を演算する。
コンクリート梁1に挿入したPCケーブル2を緊張付与
装置4によって緊張させ、このときの引張荷重Fやこれ
によって変化する各PCケーブル2の伸び量ΔLを、ス
キャナ107,108によって一定の周期で各圧力セン
サ101やロータリエンコーダ102から取り込まれる
検出データにより計測する。下側に湾曲した状態で鉄筋
コンクリート梁1に埋設されたシース管に挿入されたP
Cケーブル2は、緊張されることによって前記シース管
の内面に圧接して摩擦抵抗を発生するため、この場合の
PCケーブル2のヤング係数は、摩擦抵抗を発生しない
状態で引張荷重Fを与えた場合の通常のヤング係数とは
見かけ上相違することになる。ステップS3において
は、パーソナルコンピュータ104が、前記各計測値と
予め入力された基本データからPCケーブル2の見かけ
上のヤング係数や摩擦係数の管理限界値を演算する。
【0021】ステップS4においては、引張荷重Fによ
るPCケーブル2の伸び量や、鉄筋コンクリート梁1の
軸方向両端における緊張力や、これによって撓みを補正
する方向に変形される鉄筋コンクリート梁1の変形量等
のセット値を演算する。そして更に次のステップS5に
おいて、上述のようにして求められた管理限界値やセッ
ト値は、個々のPCケーブル21 ,22 ,23 毎の個別
の管理図及びPCケーブル21 〜23 の全体の管理図と
して所定の作図モードで作図処理する。またこれらの管
理図は、パーソナルコンピュータ104のCRTディス
プレイ104aあるいはプリンタ105に出力すること
ができる。
るPCケーブル2の伸び量や、鉄筋コンクリート梁1の
軸方向両端における緊張力や、これによって撓みを補正
する方向に変形される鉄筋コンクリート梁1の変形量等
のセット値を演算する。そして更に次のステップS5に
おいて、上述のようにして求められた管理限界値やセッ
ト値は、個々のPCケーブル21 ,22 ,23 毎の個別
の管理図及びPCケーブル21 〜23 の全体の管理図と
して所定の作図モードで作図処理する。またこれらの管
理図は、パーソナルコンピュータ104のCRTディス
プレイ104aあるいはプリンタ105に出力すること
ができる。
【0022】S6〜S13は実際のプレストレッシング
施工における管理の処理ステップである。各緊張付与装
置4の駆動によって、PCケーブル2の緊張を開始する
際には、ステップS6において、PCケーブル1本毎、
例えばPCケーブル22 を緊張する場合はこのPCケー
ブル22 のみの管理を行う。
施工における管理の処理ステップである。各緊張付与装
置4の駆動によって、PCケーブル2の緊張を開始する
際には、ステップS6において、PCケーブル1本毎、
例えばPCケーブル22 を緊張する場合はこのPCケー
ブル22 のみの管理を行う。
【0023】図4はパーソナルコンピュータ104のC
RTディスプレイ104aに画像出力される個別のPC
ケーブル2の管理図の一例を示すもので、縦軸には緊張
付与装置4の引張荷重F、横軸にはPCケーブル2の伸
び量ΔLがとってある。先に説明したように、引張荷重
F(緊張力)は、ステップS1においてパーソナルコン
ピュータ104に入力された油圧ジャッキ41内のピス
トンの受圧面積と、圧力センサ101による油圧の計測
値との積により求められたものであり、またこの管理図
に表示される線図の傾きはPCケーブル2の見かけ上の
ヤング係数に相当する。
RTディスプレイ104aに画像出力される個別のPC
ケーブル2の管理図の一例を示すもので、縦軸には緊張
付与装置4の引張荷重F、横軸にはPCケーブル2の伸
び量ΔLがとってある。先に説明したように、引張荷重
F(緊張力)は、ステップS1においてパーソナルコン
ピュータ104に入力された油圧ジャッキ41内のピス
トンの受圧面積と、圧力センサ101による油圧の計測
値との積により求められたものであり、またこの管理図
に表示される線図の傾きはPCケーブル2の見かけ上の
ヤング係数に相当する。
【0024】先に説明したように、湾曲したシース管に
挿入されたPCケーブル2は、緊張されることによって
前記シース管と圧接し、摩擦抵抗を発生するため、実際
の伸びは緊張付与装置4による引張駆動の開始と同時に
開始されるわけではなく、プロットPで示すように、引
張荷重Fがある程度の値fまで増大した時点で伸びが始
まる。すなわちfは摩擦損失であり、鉄筋コンクリート
梁1の両端から露出した余長部分1a,1bに対する緊
張荷重に相当するものであるため、各プロットPを摩擦
損失fに相当する分だけ平行移動させたプロットQが、
鉄筋コンクリート梁1への挿入部分における緊張力を表
すことになる。なお、摩擦損失fはPCケーブル2の湾
曲が大きいほど増大するため、図1においてはPCケー
ブル21の摩擦損失が最も大きい。
挿入されたPCケーブル2は、緊張されることによって
前記シース管と圧接し、摩擦抵抗を発生するため、実際
の伸びは緊張付与装置4による引張駆動の開始と同時に
開始されるわけではなく、プロットPで示すように、引
張荷重Fがある程度の値fまで増大した時点で伸びが始
まる。すなわちfは摩擦損失であり、鉄筋コンクリート
梁1の両端から露出した余長部分1a,1bに対する緊
張荷重に相当するものであるため、各プロットPを摩擦
損失fに相当する分だけ平行移動させたプロットQが、
鉄筋コンクリート梁1への挿入部分における緊張力を表
すことになる。なお、摩擦損失fはPCケーブル2の湾
曲が大きいほど増大するため、図1においてはPCケー
ブル21の摩擦損失が最も大きい。
【0025】実線aは先の試験緊張によって求められた
見かけ上のヤング係数の基準線であり、その上下の破線
b,cは同じく試験緊張によって求められた見かけ上の
ヤング係数の許容範囲(管理限界値)を示すものであ
り、一点鎖線d,eは緊張終了値の管理限界を示すもの
である。緊張付与装置4の駆動による緊張は、挿入部分
の緊張力Qが緊張終了値の管理限界d,e間に達するま
で行われ、すなわちステップS7において、挿入部分の
緊張力Qが管理限界b,c,d,eで囲まれた領域内に
あるか否かが比較される。その結果、管理限界内にあれ
ばPCケーブル2の緊張が正常に行われているものと判
定されて次のステップS8に移行し、管理限界内になけ
れば、ステップS13において、管理限界との偏差に基
づいた制御信号によって、挿入部分の緊張力Qが管理限
界内となるように駆動制御装置106が緊張付与装置4
の油圧ポンプ42の駆動を制御し、緊張力を調整すると
いった必要な修正が行われる。
見かけ上のヤング係数の基準線であり、その上下の破線
b,cは同じく試験緊張によって求められた見かけ上の
ヤング係数の許容範囲(管理限界値)を示すものであ
り、一点鎖線d,eは緊張終了値の管理限界を示すもの
である。緊張付与装置4の駆動による緊張は、挿入部分
の緊張力Qが緊張終了値の管理限界d,e間に達するま
で行われ、すなわちステップS7において、挿入部分の
緊張力Qが管理限界b,c,d,eで囲まれた領域内に
あるか否かが比較される。その結果、管理限界内にあれ
ばPCケーブル2の緊張が正常に行われているものと判
定されて次のステップS8に移行し、管理限界内になけ
れば、ステップS13において、管理限界との偏差に基
づいた制御信号によって、挿入部分の緊張力Qが管理限
界内となるように駆動制御装置106が緊張付与装置4
の油圧ポンプ42の駆動を制御し、緊張力を調整すると
いった必要な修正が行われる。
【0026】ステップS8では、PCケーブル21 〜2
3 全体の管理を行う。これは、例えばPCケーブル21
の緊張終了後に次のPCケーブル22 を緊張させた場
合、先行して緊張されたPCケーブル21 の緊張力がP
Cケーブル22 の緊張力の影響を受けるからである。
3 全体の管理を行う。これは、例えばPCケーブル21
の緊張終了後に次のPCケーブル22 を緊張させた場
合、先行して緊張されたPCケーブル21 の緊張力がP
Cケーブル22 の緊張力の影響を受けるからである。
【0027】この全体の管理は、パーソナルコンピュー
タ104のCRTディスプレイに画像出力されるPCケ
ーブル21 〜23 の全体の管理図(図示省略)を用いて
行われる。そしてステップS9では、緊張された各PC
ケーブル2の緊張力が管理限界内にあるか否かが判定さ
れ、管理限界内であればPCケーブル2の緊張が正常に
行われているものと判定されて、次のステップS10で
緊張付与装置4を停止して緊張作業を終了し、緊張され
た前記PCケーブル2を定着部材3で鉄筋コンクリート
梁1の両端に定着させる。また、管理限界内になけれ
ば、ステップS14において、該当するPCケーブル2
の緊張力を、駆動制御装置106による緊張付与装置4
の駆動制御によって調整する等して、前記計測値が管理
限界値内となるように必要な修正を行う。
タ104のCRTディスプレイに画像出力されるPCケ
ーブル21 〜23 の全体の管理図(図示省略)を用いて
行われる。そしてステップS9では、緊張された各PC
ケーブル2の緊張力が管理限界内にあるか否かが判定さ
れ、管理限界内であればPCケーブル2の緊張が正常に
行われているものと判定されて、次のステップS10で
緊張付与装置4を停止して緊張作業を終了し、緊張され
た前記PCケーブル2を定着部材3で鉄筋コンクリート
梁1の両端に定着させる。また、管理限界内になけれ
ば、ステップS14において、該当するPCケーブル2
の緊張力を、駆動制御装置106による緊張付与装置4
の駆動制御によって調整する等して、前記計測値が管理
限界値内となるように必要な修正を行う。
【0028】PCケーブル2の緊張終了後は、ステップ
S11において、PCケーブル21〜23 の全ての緊張
作業が終了したかを判定する。そして、例えばPCケー
ブル21 ,22 の緊張作業は終了したがPCケーブル2
3 の緊張作業が残っているような場合は、処理はステッ
プS6に戻ってPCケーブル23 の緊張管理が上述と同
様に行われ、PCケーブル21 〜23 の全ての緊張作業
が終了した場合は、次のステップS12に移行する。
S11において、PCケーブル21〜23 の全ての緊張
作業が終了したかを判定する。そして、例えばPCケー
ブル21 ,22 の緊張作業は終了したがPCケーブル2
3 の緊張作業が残っているような場合は、処理はステッ
プS6に戻ってPCケーブル23 の緊張管理が上述と同
様に行われ、PCケーブル21 〜23 の全ての緊張作業
が終了した場合は、次のステップS12に移行する。
【0029】ステップS12では、PCケーブル21 〜
23 の緊張によってプレストレスを導入された鉄筋コン
クリート梁1が図1に一点鎖線で示すように変形された
かを、変位センサ103からの変形量検出データとステ
ップS4で設定された変形量のセット値との比較により
判定する。そして、適切な変形量である場合にはこの鉄
筋コンクリート梁1のプレストレッシング工程を終了
し、変形量が過大又は過小である場合は、ステップS1
4において、駆動制御装置106による緊張付与装置4
の駆動制御によって調整し、ステップS6からの処理が
繰り返される。
23 の緊張によってプレストレスを導入された鉄筋コン
クリート梁1が図1に一点鎖線で示すように変形された
かを、変位センサ103からの変形量検出データとステ
ップS4で設定された変形量のセット値との比較により
判定する。そして、適切な変形量である場合にはこの鉄
筋コンクリート梁1のプレストレッシング工程を終了
し、変形量が過大又は過小である場合は、ステップS1
4において、駆動制御装置106による緊張付与装置4
の駆動制御によって調整し、ステップS6からの処理が
繰り返される。
【0030】したがって、この実施形態においては、緊
張付与装置4によりPCケーブル2に与えられる緊張力
(引張荷重)や、これにより変化するPCケーブル2の
伸び量を、作業員が計器を読み取ることにより計測する
といった作業や、このような計測値に基づいて専門技術
者が緊張付与装置4の操作を行うといった作業が不要に
なる。しかも、緊張付与装置4の駆動がパーソナルコン
ピュータ104による演算結果に基づいて制御されるの
で、鉄筋コンクリート梁1に、PCケーブル2の緊張力
による適切なプレストレスを導入することができる。
張付与装置4によりPCケーブル2に与えられる緊張力
(引張荷重)や、これにより変化するPCケーブル2の
伸び量を、作業員が計器を読み取ることにより計測する
といった作業や、このような計測値に基づいて専門技術
者が緊張付与装置4の操作を行うといった作業が不要に
なる。しかも、緊張付与装置4の駆動がパーソナルコン
ピュータ104による演算結果に基づいて制御されるの
で、鉄筋コンクリート梁1に、PCケーブル2の緊張力
による適切なプレストレスを導入することができる。
【0031】上述したプレストレッシングの施工におい
て、緊張付与装置4の油圧ジャッキ41を例えば鉄筋コ
ンクリート梁1の両端を支持する橋脚の上端に固定した
ような場合は、PCケーブル2に緊張力を与えた時の反
力によって前記橋脚の上端がそのスパンを互いに短縮す
る方向に変位されることになり、このため、前記油圧ジ
ャッキ41の引張荷重Fに対するPCケーブル2の伸び
量ΔLが前記橋脚の変位量だけ小さくなる。したがって
このような場合は、前記橋脚の上端の変位量を検出する
位置センサ(図示省略)を設け、ロータリエンコーダ1
02によって検出されるPCケーブル2の伸び量に前記
位置センサにより検出される橋脚の上端の変位量を加算
することによって、PCケーブル2の適正な伸び量を求
めることができる。
て、緊張付与装置4の油圧ジャッキ41を例えば鉄筋コ
ンクリート梁1の両端を支持する橋脚の上端に固定した
ような場合は、PCケーブル2に緊張力を与えた時の反
力によって前記橋脚の上端がそのスパンを互いに短縮す
る方向に変位されることになり、このため、前記油圧ジ
ャッキ41の引張荷重Fに対するPCケーブル2の伸び
量ΔLが前記橋脚の変位量だけ小さくなる。したがって
このような場合は、前記橋脚の上端の変位量を検出する
位置センサ(図示省略)を設け、ロータリエンコーダ1
02によって検出されるPCケーブル2の伸び量に前記
位置センサにより検出される橋脚の上端の変位量を加算
することによって、PCケーブル2の適正な伸び量を求
めることができる。
【0032】なお、本発明は、図示の実施形態によって
限定的に解釈されるものではない。例えば、上記実施形
態では橋梁等の梁について説明したが、本発明はコンク
リートスラブ等へのプレストレッシングについても同様
に実施可能である。また、PCケーブル2の伸び量ΔL
を検出する伸び検出手段としては、ロータリエンコーダ
102のほか、例えばPCケーブル2の余長部分2a,
2bの適当な位置にマーキングを施しておき、このマー
キング位置の変位を適当な位置センサによって検出する
といった方法も採用可能であり、他の検出手段について
も種々の形態に変更することができる。
限定的に解釈されるものではない。例えば、上記実施形
態では橋梁等の梁について説明したが、本発明はコンク
リートスラブ等へのプレストレッシングについても同様
に実施可能である。また、PCケーブル2の伸び量ΔL
を検出する伸び検出手段としては、ロータリエンコーダ
102のほか、例えばPCケーブル2の余長部分2a,
2bの適当な位置にマーキングを施しておき、このマー
キング位置の変位を適当な位置センサによって検出する
といった方法も採用可能であり、他の検出手段について
も種々の形態に変更することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果が実現
される。 (1) 試験緊張時及び施工時におけるプレストレッシング
に際して、PCケーブルに与えられる緊張力や伸び量が
リアルタイムでしかも正確に計測されるため、これに基
づいて解析される各種管理値の信頼性を向上することが
できる。 (2) 管理図を専門技術者の手描きで作成する必要がな
く、プレストレッシング管理を迅速に行うことができ
る。 (3) プレストレッシング管理を省力化することができ
る。
される。 (1) 試験緊張時及び施工時におけるプレストレッシング
に際して、PCケーブルに与えられる緊張力や伸び量が
リアルタイムでしかも正確に計測されるため、これに基
づいて解析される各種管理値の信頼性を向上することが
できる。 (2) 管理図を専門技術者の手描きで作成する必要がな
く、プレストレッシング管理を迅速に行うことができ
る。 (3) プレストレッシング管理を省力化することができ
る。
【図1】本発明に係るコンクリート製建築要素のプレス
トレッシング管理装置の一実施形態において、鉄筋コン
クリート梁へのプレストレッシングの導入状況を概略的
に示す説明図である。
トレッシング管理装置の一実施形態において、鉄筋コン
クリート梁へのプレストレッシングの導入状況を概略的
に示す説明図である。
【図2】上記実施形態によるプレストレッシング管理装
置全体の概略構成を示す説明図である。
置全体の概略構成を示す説明図である。
【図3】上記実施形態のプレストレッシング管理装置に
よる処理の流れを示すフローチャートである。
よる処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】上記実施形態において画像出力される管理図の
一例を概略的に示す説明図である。
一例を概略的に示す説明図である。
1 鉄筋コンクリート梁 2(21 〜23 ) PCケーブル 4 緊張付与装置 101 圧力センサ(引張荷重検出手段) 102 ロータリエンコーダ(伸び検出手段) 103 変位センサ(変形量検出手段) 104 パーソナルコンピュータ(演算処理手段) 104a CRTディスプレイ(出力表示手段) 105 プリンタ(出力表示手段)
Claims (6)
- 【請求項1】 コンクリート製建築要素に挿入したPC
ケーブルを緊張付与装置の駆動により緊張させて前記コ
ンクリート製建築要素にプレストレスを与えた際の前記
PCケーブルに対する引張荷重を検出する引張荷重検出
手段と、 前記PCケーブルの伸び量を検出する伸び検出手段と、 前記各検出手段からの検出データにより前記引張荷重及
び伸び量を演算すると共にこれら引張荷重及び伸び量に
ついて予め初期設定された基準値との偏差が許容範囲に
あるかを判定する演算処理手段と、を備えることを特徴
とするコンクリート製建築要素のプレストレッシング管
理装置。 - 【請求項2】 請求項1の記載において、 PCケーブルに緊張力を与えることにより変形を受ける
コンクリート製建築要素の変形量を計測する変形量検出
手段を備え、 演算処理手段は前記変形量検出手段からの検出データに
より前記変形量を演算すると共にこれに対応して予め初
期設定された基準値との偏差が許容範囲にあるかをも判
定することを特徴とするコンクリート製建築要素のプレ
ストレッシング管理装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、 PCケーブルに緊張力を与えることにより変形を受ける
緊張付与装置の支持位置の変位量を計測する支持位置変
位検出手段を備え、 演算処理手段は前記支持位置変位検出手段からの検出デ
ータにより前記変位量を演算すると共にこの変位量をP
Cケーブルの伸び量計測値に加算することを特徴とする
コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装
置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの記載におい
て、 演算処理手段は各計測値と基準値との偏差に基づいた制
御信号を緊張付与装置の駆動制御手段に出力し、 この駆動制御手段は前記各偏差が許容範囲以内になるよ
うに前記緊張付与装置の駆動を制御することを特徴とす
るコンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装
置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかの記載におい
て、 演算処理手段による演算結果を管理図として出力表示す
る出力表示手段を備えることを特徴とするコンクリート
製建築要素のプレストレッシング管理装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの記載におい
て、 演算処理手段で演算される各計測値と基準値との偏差が
許容範囲を超えた場合に警報を発する警報発生手段を備
えることを特徴とするコンクリート製建築要素のプレス
トレッシング管理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11744397A JPH10299253A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装 置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11744397A JPH10299253A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装 置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10299253A true JPH10299253A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14711786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11744397A Withdrawn JPH10299253A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | コンクリート製建築要素のプレストレッシング管理装 置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10299253A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013515881A (ja) * | 2009-12-24 | 2013-05-09 | ファウ・エス・エル・インターナツイオナール・アクチエンゲゼルシヤフト | 複数のストランドを等しい張力に調整する方法及びシステム |
CN103741953A (zh) * | 2013-12-20 | 2014-04-23 | 广西科技大学 | 一种预应力自动张拉控制系统 |
KR101400180B1 (ko) * | 2013-02-06 | 2014-05-27 | 삼성중공업 주식회사 | 풍력 발전기 및 풍력 발전기의 운용 방법 |
KR101643732B1 (ko) * | 2015-07-29 | 2016-07-28 | 서울대학교산학협력단 | 포스트텐션 긴장력 컨트롤 시스템 |
CN107895082A (zh) * | 2017-11-16 | 2018-04-10 | 华蓝设计(集团)有限公司 | 倒三角刚构斜腿应力监测传感器的布设方法 |
CN108571941A (zh) * | 2018-05-31 | 2018-09-25 | 云南省公路科学技术研究院 | 一种桥梁预应力波纹管线形检测装置和检测方法 |
WO2021107249A1 (ko) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 주식회사 엠에스 | 횡만곡의 개선을 위한 프리스트레스트 거더의 제작방법 및 이를 이용한 거더교의 시공방법 |
JP2021195809A (ja) * | 2020-06-16 | 2021-12-27 | 川田建設株式会社 | Pc鋼材の自動緊張システムおよびpc鋼材の自動緊張方法 |
CN116296014A (zh) * | 2023-05-18 | 2023-06-23 | 北京市建筑工程研究院有限责任公司 | 适用于既有结构有效预应力等效无损检测的装置及方法 |
JP2023121898A (ja) * | 2022-02-22 | 2023-09-01 | 中交第二公路工程局有限公司 | 音声及び画像認識技術に基づくプレストレス引張制御システム及び方法 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP11744397A patent/JPH10299253A/ja not_active Withdrawn
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013515881A (ja) * | 2009-12-24 | 2013-05-09 | ファウ・エス・エル・インターナツイオナール・アクチエンゲゼルシヤフト | 複数のストランドを等しい張力に調整する方法及びシステム |
KR101400180B1 (ko) * | 2013-02-06 | 2014-05-27 | 삼성중공업 주식회사 | 풍력 발전기 및 풍력 발전기의 운용 방법 |
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AU2016299573B2 (en) * | 2015-07-29 | 2020-01-23 | Seoul National University R&Db Foundation | Post-tension pre-stressing force control system |
US10066405B2 (en) | 2015-07-29 | 2018-09-04 | Seoul National University R&Db Foundation | System for monitoring tension force of tendon in post-tensioning |
WO2017018845A1 (ko) * | 2015-07-29 | 2017-02-02 | 서울대학교 산학협력단 | 포스트텐션 긴장력 컨트롤 시스템 |
KR101643732B1 (ko) * | 2015-07-29 | 2016-07-28 | 서울대학교산학협력단 | 포스트텐션 긴장력 컨트롤 시스템 |
US10844619B2 (en) | 2015-07-29 | 2020-11-24 | Seoul National University R&Db Foundation | System for monitoring tension force of tendon in post-tensioning |
CN107895082B (zh) * | 2017-11-16 | 2021-04-13 | 华蓝设计(集团)有限公司 | 倒三角刚构斜腿应力监测传感器的布设方法 |
CN107895082A (zh) * | 2017-11-16 | 2018-04-10 | 华蓝设计(集团)有限公司 | 倒三角刚构斜腿应力监测传感器的布设方法 |
CN108571941A (zh) * | 2018-05-31 | 2018-09-25 | 云南省公路科学技术研究院 | 一种桥梁预应力波纹管线形检测装置和检测方法 |
CN108571941B (zh) * | 2018-05-31 | 2024-02-06 | 云南省公路科学技术研究院 | 一种桥梁预应力波纹管线形检测装置和检测方法 |
WO2021107249A1 (ko) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 주식회사 엠에스 | 횡만곡의 개선을 위한 프리스트레스트 거더의 제작방법 및 이를 이용한 거더교의 시공방법 |
JP2021195809A (ja) * | 2020-06-16 | 2021-12-27 | 川田建設株式会社 | Pc鋼材の自動緊張システムおよびpc鋼材の自動緊張方法 |
JP2023121898A (ja) * | 2022-02-22 | 2023-09-01 | 中交第二公路工程局有限公司 | 音声及び画像認識技術に基づくプレストレス引張制御システム及び方法 |
CN116296014A (zh) * | 2023-05-18 | 2023-06-23 | 北京市建筑工程研究院有限责任公司 | 适用于既有结构有效预应力等效无损检测的装置及方法 |
CN116296014B (zh) * | 2023-05-18 | 2023-09-05 | 北京市建筑工程研究院有限责任公司 | 适用于既有结构有效预应力等效无损检测的装置及方法 |
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