JPH10298177A - 新規な酒石酸誘導体,その用途及び製造法 - Google Patents

新規な酒石酸誘導体,その用途及び製造法

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JPH10298177A
JPH10298177A JP12290797A JP12290797A JPH10298177A JP H10298177 A JPH10298177 A JP H10298177A JP 12290797 A JP12290797 A JP 12290797A JP 12290797 A JP12290797 A JP 12290797A JP H10298177 A JPH10298177 A JP H10298177A
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JP12290797A
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Yuichiro Ichikawa
裕一郎 市川
Setsuko Niitsuma
節子 新妻
Masatoshi Abe
雅年 阿部
Wataru Takahashi
渉 高橋
Ryuji Ikeda
龍治 池田
Kazutoshi Takashio
一俊 高塩
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクアレン合成酵素を阻害することにより,真
菌症治療薬等の感染症治療薬,または,高コレステロー
ル血症,高脂血症,および動脈硬化症等の循環器疾患治
療薬等の医薬品として期待される,新規な酒石酸誘導体
を提供する. 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
0のアルキレン基を示す.但し,A1 1 及びA2 2
が,共に炭素数1−3のアルキル基の場合,及び,共に
ベンジル基の場合を除く.ジオキソラン環上の3個の炭
素の立体配置は,R配置またはS配置の何れでも良く,
光学活性体,またはラセミ体の何れでも良い)で表され
る化合物またはその医薬として許容されうる塩は、強い
スクアレン合成酵素阻害活性及び抗真菌活性を示し,真
菌症治療薬等の感染症治療薬,または,高コレステロー
ル血症,高脂血症,および動脈硬化症等の循環器疾患治
療薬等の医薬品として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば真菌症治療
薬,又は,高コレステロール血症,高脂血症,および動
脈硬化症の治療薬等の医薬品として期待される新規な酒
石酸誘導体,その用途,製造法及び中間体に関する.
【0002】
【従来の技術】がん及び白血病患者の延命率の上昇,並
びに社会の高齢化に伴い,日和見感染の発生例は世界的
に増加している.特に感染が真菌(カンジダ属,アスペ
ルギルス属,クリプトコックス属,ムコール属など)に
よる場合,即ち深在性真菌症は,難治性である場合が多
く,深刻な問題となっている.最近では,深在性真菌症
の治療には,アンフォテリシンB,フルコナゾール,イ
トラコナゾール等が用いられている.(Paul D.
Hoeprich,Progress in Drug
Research,Vol.44,87−127(1
995).フルコナゾール,イトラコナゾール等は,真
菌細胞膜の必須構成成分であるステロールの生合成を阻
害して真菌の細胞膜障害を引き起こすことにより,真菌
の発育を抑制するものであるが,効果及び安全性の面で
理想的な薬剤とは言い難い.
【0003】また,社会の高齢化に伴い動脈硬化症なら
びにそれに伴う各種疾患も増加しているが,これらの治
療薬として,HMG−CoA還元酵素阻害剤であるロバ
スタチン等のコレステロール生合成阻害剤が用いられて
いる.しかしながら,ロバスタチン等のHMG−CoA
還元酵素阻害剤は,コレステロール生合成経路の比較的
上流を阻害するため,生体に必須な他のイソプレン誘導
体の生合成をも阻害することが欠点である.例えば,ロ
バスタチン等では副作用として横紋筋融解症がでること
があるが,これはコレステロール生合成の中間体である
ファルネシルピロフォスフェート等の合成を阻害するこ
とによると言われている.
【0004】一方,スクアレン合成酵素阻害によりコレ
ステロール生合成を阻害する(或いは阻害することが期
待される)化合物としては,squalestatin
s及びzaragozic acisids[J.D.
Bergstrom等,Annu.Rev.Micro
biol.,Vol.49,607−639(199
5)],特開平7−173120号公報,特開平7−1
38214号公報,特開平7−173166号公報,特
開平7−179429号公報,特開平7−207939
号公報,特開平7−112954号公報等に記載の化合
物が知られている.
【0005】これらのスクアレン合成酵素阻害剤は,コ
レステロールの生合成を阻害することにより,動脈硬化
症等の治療薬として期待されるが,同時に,真菌の細胞
膜のステロールの生合成を阻害することにより真菌症治
療薬としても期待される.しかしながらスクアレン合成
酵素阻害剤が真菌症治療薬として利用された例は未だ無
い.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在,深在性真菌症の
治療を目的に使用されている薬剤のうち,アスペルギル
ス属真菌に著効を示す薬剤は,アンホテリシンBしかな
い.しかし,これは腎毒性など副作用が強く使用しにく
い薬剤である.現在,安全性の高い抗アスペルギルス薬
の開発が強く望まれている.又,従来の薬剤よりも副作
用が少なく安全で効果的な高コレステロール血症,高脂
血症,および動脈硬化症の治療薬も,現代社会で望まれ
ているものである.
【0007】
【課題を解決するための手段】真菌細胞膜の必須構成成
分であるエルゴステロール及び高脂血症の原因となるコ
レステロールの生合成経路のうち,アセチル−CoAを
出発物質とする種々のイソプレン誘導体の生合成系から
ステロール生合成系に分岐する最初のステップを触媒す
る酵素であるスクアレン合成酵素を阻害すれば,ステロ
ール以外の生体に必要なイソプレン誘導体,即ち,ユビ
キノン,ヘムA,ドリコール,イソペンテニルtRN
A,イソプロペニルプロテイン等の生合成を阻害するこ
となく,しかも,阻害により有害物質を蓄積せず,選択
的にステロールの生合成を抑制できるものと考えられ
る.そこで,本発明者らは,スクアレン合成酵素の阻害
剤を種々探索した結果,一般式(1)
【0008】
【化7】
【0009】(式中,A1 及びA2 は,各々水素または
置換基を有していても良い芳香環基を示す.X1 及びX
2 は,置換基を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の
炭素数1−20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基
を示す.但し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1
−3のアルキル基の場合,及び,共にベンジル基の場合
を除く.ジオキソラン環上の3個の炭素の立体配置は,
R配置またはS配置の何れでも良く,光学活性体,また
はラセミ体の何れでも良い)で表される化合物またはそ
の医薬として許容されうる塩が強いスクアレン合成酵素
阻害活性を示すことを見いだし本発明を完成した.
【0010】即ち,本発明は,上記一般式(1)で表わ
される化合物またはその医薬として許容されうる塩に関
する.更に,本発明は,上記一般式(1)で表わされる
化合物またはその医薬として許容されうる塩を有効成分
とする医薬,スクアレン合成酵素阻害剤,感染症治療
剤,真菌症治療剤,高コレステロール血症,高脂血症又
は動脈硬化症の治療剤に関する.更に,本発明は,後記
一般式(3)で表される化合物と後記一般式(4)で表
される化合物とを反応させて合成される,後記一般式
(2)で表される化合物をカルボン酸に変換することを
特徴とする,一般式(1)で表される化合物の製造法に
関する.更に,本発明は後記一般式(2)で表される化
合物に関する.
【0011】
【発明の実施の形態】A1 及びA2 の芳香環基として
は,フェニル基,ナフチル基,芳香族複素環基等が挙げ
られ,中でもフェニル基またはナフチル基が好ましい.
1 及びA2 の置換基を有していても良い芳香環基の置
換基としては,フェノキシ基,フェニル基,ハロゲン原
子等が挙げられる.
【0012】X1 及びX2 の置換基を有していても良
い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−20の飽和又は不飽
和の2価の炭化水素残基としては,(CH2 n :n=
1−20等の直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−20のアル
キレン基等が挙げられ,又,置換基としては炭素数1−
3のアルコキシ基,フッ素,塩素等のハロゲン原子等が
挙げられる.
【0013】A1 又はA2 が水素の時,好ましいX1
1 ,X2 2 としては,−(CH2n CH3 :n=5
〜11等が挙げられる.A1 又はA2 が置換基を有して
いても良い芳香環基の時,好ましいX1 1 ,X2 2
としては,3−フェニルプロピル,4−フェニルブチ
ル,5−フェニルペンチル,3−(β−ナフチル)プロ
ピル,p−ターフェニルメチル等が挙げられる.
【0014】式(1)で表される化合物のうち特に好ま
しいものは,A1 がフェニル基又はナフチル基でありX
1 が炭素数2−6のアルキレン基でありX2 2 が炭素
数6−12のアルキル基である化合物であり,中でも,
1 がフェニル基又はナフチル基でありX1 が炭素数3
−5のアルキレン基でありX2 2 が炭素数10−12
のアルキル基である化合物である.
【0015】式(1)で表わされる化合物の医薬として
許容されうる塩としてはナトリウム塩,リチウム塩,カ
リウム塩等のアルカリ金属塩,マグネシウム塩,カルシ
ウム塩等のアルカリ土類金属塩又はアルミニウム塩等の
通常の塩が挙げられ,好ましくはナトリウム塩,リチウ
ム塩,カリウム塩等のアルカリ金属塩,マグネシウム
塩,カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が挙げられ
る.
【0016】Rの炭素数1−6の低級アルキル基として
は,炭素数1ないし6の直鎖状または分岐状のアルキル
基が挙げられる.例えばメチル基,エチル基,イソプロ
ピル基,ブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチ
ル基,ペンチル基,ヘキシル基等が挙げられ,中でもメ
チル基,エチル基等が好ましい.Rの炭素数7−10の
置換または無置換のアラルキル基としては,ベンジル
基,p−メトキシベンジル基等,炭素数1−3のアルコ
キシ基,炭素数1−3のアルキル基等の置換基を有して
いてもよいベンジル基等が挙げられる.
【0017】一般式(1)で表される化合物としては,
例えば,以下のような化合物が挙げられる. (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラ
ン (4S,5S)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラ
ン meso−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル−2−
(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラン (±)−4,5−トランス−4,5−ジカルボキシ−2
−ドデシル−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−
ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−{5−(β−ナフチル)ペンチル}−1,3−ジ
オキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−{5−(α−ナフチル)ペンチル}−1,3−ジ
オキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−{5−
(2−クロロフェニル)ペンチル}−2−ドデシル−
1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−{5−
(3−クロロフェニル)ペンチル}−2−ドデシル−
1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−{5−
(4−クロロフェニル)ペンチル}−2−ドデシル−
1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−t−ブチ
ル−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソ
ラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(12−フェニルドデシル)−1,3−ジオキソ
ラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−(11,
11−ジメチルドデシル)−2−(5−フェニルペンチ
ル)−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−{5−(2−フリル)ペンチル}−1,3−ジオ
キソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−{5−(3−フリル)ペンチル}−1,3−ジオ
キソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ノニル−
2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(3−フェニルプロピル)−1,3−ジオキソラ
ン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−3,3−ビス
(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ヘキシル
−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ファルネ
シル−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキ
ソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ゲラニル
−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラ
ン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ビスホモ
ゲラニル−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジ
オキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ビスホモ
ゲラニル−2−ドデシル−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−ファルネシル−1,3−ジオキソラン (4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−ゲラニル−1,3−ジオキソラン
【0018】本発明の化合物は,何れも文献未記載の新
規化合物であり,例えば以下のようにして製造すること
ができる.
【0019】
【化8】
【0020】式中,A1 ,A2 ,X1 ,X2 ,は,前記
のとおりであり,Rは炭素数1−6の低級アルキル基又
は炭素数7〜10の置換又は無置換のアラルキル基を示
し,一般式(3)における2個の不斉炭素及び一般式
(2),(1)のジオキソラン環上の3個の炭素の立体
配置は,R配置又はS配置の何れでもよく,又,一般式
(3),(2),(1)の化合物は光学活性体又はセラ
ミ体の何れでも良い。
【0021】以下に各工程について説明する. [第一工程]一般式(3)で表される酒石酸ジアルキル
エステル又はジアラルキルエステルを,溶媒中,酸触媒
存在下,一般式(4)で表されるケトンと反応させるこ
とにより,一般式(2)で表される1,3−ジオキソラ
ン誘導体を製造する工程である.
【0022】反応に用いる溶媒としては,ベンゼン,ト
ルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒,ジクロロ
メタン,クロロホルム等のハロゲン系溶媒,テトラヒド
ロフラン,ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙
げられ,特にベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒が好ましい.
【0023】酸触媒としては,p−トルエンスルホン
酸,カンファースルホン酸等の有機スルホン酸類,アン
バーリスト15,モンモリロナイトK10等の酸性樹脂
類,トリメチルシリルトリフレート等のルイス酸類,硫
酸,塩酸等の無機酸類等が挙げられ,特に,アンバーリ
スト15,p−トルエンスルホン酸等が好ましい.
【0024】一般式(4)で表わされる化合物に対して
一般式(3)で表わされる化合物を1〜10倍当量用い
るのが好ましく,特に1〜5倍当量用いるのが好まし
い.酸触媒は一般式(4)で表される化合物に対して
0.01〜10倍当量用いるのが好ましく,特に0.1
〜5倍当量用いるのが好ましい.
【0025】反応温度は通常−10〜150°Cの範
囲,好ましくは,0〜100°Cで,反応時間は通常
0.5−48時間の範囲,好ましくは,1−24時間で
行うのが良い.又,反応を促進させるために,モレキュ
ラーシーブを共存させて行うことができる.
【0026】[第二工程]一般式(2)で表される1,
3−ジオキソラン誘導体のエステル部分を加水分解し,
一般式(1)で表される酒石酸誘導体を製造する工程で
ある.一般式(2)で表される1,3−ジオキソラン誘
導体を,溶媒中,塩基と反応させることにより,行われ
る.反応に用いる溶媒としては,メタノール,エタノー
ル等のアルコール系溶媒,エーテル,テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒,水等が挙げられ,特にテトラヒ
ドロフランと水の混合溶媒が好ましい.塩基としては,
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等
が挙げられ,特に水酸化ナトリウムが好ましい.塩基
は,一般式(2)で表される化合物に対して1〜100
倍当量用いるのが好ましく,特に2〜20倍当量用いる
のが好ましい.反応温度は通常−10〜100°Cの範
囲,好ましくは,0−80°Cで,反応時間は通常5分
〜24時間の範囲,好ましくは通常0.5−5時間で行
うのが良い.
【0027】一般式(1)の化合物又はその医薬として
許容されうる塩を医薬品として用いる場合は,通常,担
体,賦形剤,希釈剤,溶解補助剤等の製薬上許容し得る
添加剤と混合し,錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒,注射
剤,点滴剤,坐剤,ハップ剤,軟膏剤等の製剤形態で経
口又は非経口に安全に哺乳動物に投与し得る.製剤中の
一般式(1)の化合物又はその医薬として許容されうる
塩の割合は0.01〜99%であることが好ましい.投
与量は投与方法により異なるが,通常,0.01〜20
mg/kg/day程度である.
【0028】
【実施例】以下に本発明化合物の製造例について,実施
例によりさらに詳細に説明するが,本発明はこれらの例
によって何ら制限されるものではない.また,本発明化
合物の有用性を示すために,本発明の代表化合物の薬理
試験結果を試験例に示す.なお,実施例のNMR値は,
200MHzNMRを使用し,テトラメチルシランを内
部標準として測定した値である.
【0029】実施例01−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ドデシル−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−
ジオキソラン(01−1)の合成 ディーン−スタークトラップ(水分分留受器)を付した
フラスコ中,1−フェニルオクタデカン−6−オン(3
74mg,1.09mmol),L−(+)−酒石酸ジ
エチル(671mg,3.25mmol),p−トルエ
ンスルホン酸一水和物(21mg,0.11mmo
l),モレキュラーシーブ4A,および乾燥キシレンの
混合物を,4時間加熱還流する.減圧下溶媒を留去し,
残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え,エーテルで抽
出する.エーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄し,無水硫
酸マグネシウムで乾燥する.無水硫酸マグネシウムを濾
去し,濾液の溶媒を留去して,得られた粗生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル,エーテル−nヘキ
サン,1:30,1:7)により分離し,(4R,5
R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2−ドデシル
−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラ
ン(01−1,67mg,収率12%)を得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.879(3H,t,
J=6.8Hz),1.200−1.740(30H,
m),1.297(3H,t,J=7.1Hz),1.
311(3H,t,J=7.1Hz),2.600(2
H,t,J=7.6Hz),4.258(2H,q,J
=7.1Hz),4.271(2H,q,J=7.1H
z),4.683(2H,s),7.120−7.32
0(5H,m).
【0030】実施例01−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(5−フェニルペンチル)−1,3−ジオキソラ
ン(01−2)の合成 氷冷撹拌下,(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエ
トキシ)−2−ドデシル−2−(5−フェニルペンチ
ル)−1,3−ジオキソラン(01−1,62mg,
0.12mmol)のテトラヒドロフラン(1.2m
l)溶液中に,2N水酸化ナトリウム(1.2ml,
2.4mmol)を加え,室温で6時間撹拌する.反応
液に水を加え,エーテルで洗浄する.氷冷撹拌下,水層
に2M硫酸水素カリウム水溶液(5ml)を加え,エー
テルで抽出する.エーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄
し,無水硫酸マグネシウムで乾燥する.硫酸マグネシウ
ムを濾去し,減圧下溶媒を留去して,(4R,5R)−
4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル−2−(5−フェ
ニルペンチル)−1,3−ジオキソラン(01−2,5
1mg,収率92%)を得る.ここで,可能な場合に
は,得られた生成物を,n−ヘキサン,エーテル等で洗
浄して,精製する. MS,m/z:475[M−H]- ,951[2M−
H]- ,NMR(CDCl3 )ppm:0.876(3
H,t,J=6.7Hz),1.200−1.520
(24H,m),1.520−1.780(6H,
m),2.600(2H,t,J=7.7Hz),4.
769(2H,s),7.120−7.330(5H,
m),8.120(2H,br.s).
【0031】実施例02−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ノニル−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオ
キソラン(02−1)の合成 モレキュラーシーブを入れたソックスレー抽出器を付し
たフラスコ中,アルゴン雰囲気中,室温撹拌下,1−フ
ェニルテトラデカン−5−オン(300mg,1.04
mmol)およびL−(+)−酒石酸ジエチル(643
mg,3.12mmol)の乾燥ベンゼン(20ml)
溶液中に,アンバーリスト15(0.55g,2.60
mmol)を加え,浴温145°Cで10時間加熱還流
する.反応液にジクロロメタンを加えて希釈し,アンバ
ーリスト15を濾去する.減圧下濾液の溶媒を留去し,
無色シロップ(0.87g)を得る.このものをカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル,50ml,n−ヘキ
サン−酢酸エチル,39:1)により分離し,(4R,
5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2−ノニル
−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン
(02−1,224mg,収率45%)を無色シロップ
として得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.881(3H,t,
J=6.5Hz,Me),1.200−1.800(2
2H,m,CH2 X11),1.299(3H,t,J
=7.2Hz,OCH2 CH3 ),1.314(3H,
t,J=7.2Hz,OCH2 CH3 ),2.611
(2H,t,J=7.5Hz,PhCH2 ),4.25
9(2H,q,J=7.2Hz,OCH2 Me),4.
273(2H,q,J=7.2Hz,OCH2 Me),
4.687(2H,s,−CHO−X2),7.110
−7.330(5H,m,Ph)
【0032】実施例02−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ノニル−
2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン
(02−2)の合成 室温撹拌下,(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエ
トキシ)−2−ノニル−2−(4−フェニルブチル)−
1,3−ジオキソラン(02−1,209mg,0.4
38mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液中
に,2N水酸化ナトリウム(3ml,6mmol)を加
え,室温で50分撹拌する.反応液に飽和食塩水を加
え,エーテルで洗浄する.氷冷撹拌下,水層に2M硫酸
水素カリウム水溶液を加え,エーテルで抽出する.エー
テル抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥する.硫酸ナト
リウムを濾去し,減圧下溶媒を留去して,(4R,5
R)−4,5−ジカルボキシ−2−ノニル−2−(4−
フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン(02−2,
21mg,収率11%)を得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.879(3H,t,
J=6.5Hz,Me),1.200−1.800(2
2H,m,CH2 X11),2.608(2H,t,J
=7.5Hz,PhCH2 ),4.766(2H,s,
−CHO−X2),7.120−7.330(5H,
m,Ph). MS(FAB,POS)m/z:421[M+H]+
443[M+Na]+ . MS(FAB,POS,+NaCl)m/z:443
[M+Na]+ ,465[M+2Na−H]+ ,487
[M+3Na−2H]+
【0033】実施例03−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ドデシル−2−(3−フェニルプロピル)−1,3−
ジオキソラン(03−1)の合成 1−フェニルヘキサデカン−4−オン(96mg,0.
30mmol),L−(+)−酒石酸ジエチル(63m
g,0.31mmol),p−トルエンスルホン酸一水
和物(6mg,0.03mmol),モレキュラーシー
ブ4A,および乾燥トルエンを,実施例02−1と同様
に処理し,(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエト
キシ)−2−ドデシル−2−(3−フェニルプロピル)
−1,3−ジオキソラン(03−1,29mg)を得
る.
【0034】実施例03−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(3−フェニルプロピル)−1,3−ジオキソラ
ン(03−2)の合成 (4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ドデシル−2−(3−フェニルプロピル)−1,3−
ジオキソラン(03−1,29mg,0.057mmo
l),テトラヒドロフラン(0.5ml),および2N
水酸化ナトリウム(0.5ml,1.0mmol)を,
実施例01−2と同様に処理し,(4R,5R)−4,
5−ジカルボキシ−2−ドデシル−2−(3−フェニル
プロピル)−1,3−ジオキソラン(03−2,17m
g,収率66%)を得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.878(3H,t,
J=6.7Hz),1.243(20H,s),1.6
20−1.780(6H,m),2.606(2H,b
r.s),4.704(2H,br.s),7.110
−7.320(5H,m),7.300−7.800
(2H,b).
【0035】実施例04−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ドデシル−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジ
オキソラン(04−1)の合成 1−フェニルヘプタデカン−5−オン(165mg,
0.50mmol),L−(+)−酒石酸ジエチル(3
09mg,1.50mmol),p−トルエンスルホン
酸一水和物(10mg,0.05mmol),モレキュ
ラーシーブ4A,および乾燥キシレンを,実施例01−
1と同様に処理し,(4R,5R)−4,5−ビス(カ
ルボエトキシ)−2−ドデシル−2−(4−フェニルブ
チル)−1,3−ジオキソラン(04−1,65mg,
収率25%)を得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.880(3H,t,
J=6.7Hz),1.200−1.800(28H,
m),1.299(3H,t,J=7.1Hz),1.
313(3H,t,J=7.1Hz),2.609(2
H,t,J=7.6Hz),4.258(2H,q,J
=7.1Hz),4.272(2H,q,J=7.1H
z),4.685(2H,s),7.110−7.32
0(5H,m).
【0036】実施例04−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ドデシル
−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン
(04−2)の合成 (4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ドデシル−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジ
オキソラン(04−1,59mg,0.117mmo
l),テトラヒドロフラン(1.3ml),および2N
水酸化ナトリウム(1.3ml,2.6mmol)を,
実施例01−2と同様に処理し,(4R,5R)−4,
5−ジカルボキシ−2−ドデシル−2−(4−フェニル
ブチル)−1,3−ジオキソラン(04−2,53m
g,定量的)を得る. MS,m/z:461[M−H]- ,923[2M−
H]- , NMR(CDCl3 )ppm:0.879(3H,t,
J=6.7Hz),1.150−1.800(28H,
m),2.613(2H,t,J=7.5Hz),4.
775(2H,s),7.120−7.330(5H,
m),7.300−7.800(2H,b).
【0037】実施例05−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−
3,3−ビス(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキ
ソラン(05−1)の合成 1,9−ジフェニルノナン−5−オン(100mg,
0.340mmol),L−(+)−酒石酸ジエチル
(280mg,1.36mmol),アンバーリスト1
5(181mg,0.85mmol)および乾燥ベンゼ
ン(15ml)を,実施例02−1と同様に処理し,
(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−
3,3−ビス(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキ
ソラン(05−1,73mg,収率45%)を淡黄色シ
ロップとして得る. NMR(CDCl3 )ppm:1.298(6H,t,
J=7.1Hz,OCH2 CH3 X2),1.350−
1.780(12H,mCH2 X6),2.599(4
H,t,J=7.6Hz,PhCH2 X2),4.25
6(4H,q,J=7.1Hz,OCH2 MeX2),
4.678(2H,s,−CHO−X2),7.110
−7.330(10H,m,PhX2).
【0038】実施例05−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−3,3−ビス
(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン(05
−2)の合成 (4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−
3,3−ビス(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキ
ソラン(05−1,115mg,0.238mmo
l),テトラヒドロフラン(2.3ml),および2N
水酸化ナトリウム(2.3ml,4.6mmol)を,
実施例02−2と同様に処理し,(4R,5R)−4,
5−ジカルボキシ−3,3−ビス(4−フェニルブチ
ル)−1,3−ジオキソラン(05−2,81mg,収
率80%)を無色個体として得る. NMR(CDCl3 )ppm:1.330−1.800
(12H,mCH2 X6),2.592(4H,t,J
=7.5Hz,PhCH2 X2),4.754(2H,
s,−CHO−X2),7.110−7.320(10
H,m,PhX2). MS(FAB,POS)m/z:427[M+H]+
293.
【0039】実施例06−1(4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ヘキシル−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジ
オキソラン(06−1)の合成 1−フェニルウンデカン−5−オン(250mg,1.
01mmol),L−(+)−酒石酸ジエチル(625
mg,3.03mmol),アンバーリスト15(53
7mg,2.53mmol),モレキュラーシーブ4A
および乾燥ベンゼン(20ml)を,実施例02−1と
同様に処理し,(4R,5R)−4,5−ビス(カルボ
エトキシ)−2−ヘキシル−2−(4−フェニルブチ
ル)−1,3−ジオキソラン(06−1,207mg,
収率47%)を無色シロップとして得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.876(3H,t,
J=6.5Hz,Me),1.220−1.785(1
6H,mCH2 X8),1.299(3H,t,J=
7.1Hz,OCH2 CH3 ),1.313(3H,
t,J=7.1Hz,OCH2 CH3 ),2.610
(2H,t,J=7.5Hz,PhCH2 ),4.25
9(2H,q,J=7.1Hz,OCH2 Me),4.
272(2H,q,J=7.1Hz,OCH2 Me),
4.687(2H,s,−CHO−X2),7.110
−7.330(5H,m,Ph).
【0040】実施例06−2(4R,5R)−4,5−ジカルボキシ−2−ヘキシル
−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジオキソラン
(06−2)の合成 (4R,5R)−4,5−ビス(カルボエトキシ)−2
−ヘキシル−2−(4−フェニルブチル)−1,3−ジ
オキソラン(06−1,100mg,0.23mmo
l),テトラヒドロフラン(2.3ml),および2N
水酸化ナトリウム(2.3ml,4.6mmol)を,
実施例02−2と同様に処理し,(4R,5R)−4,
5−ジカルボキシ−2−ヘキシル−2−(4−フェニル
ブチル)−1,3−ジオキソラン(06−2,81m
g,収率93%)を無色シロップとして得る. NMR(CDCl3 )ppm:0.879(3H,t,
J=6.3Hz,Me),1.200−1.820(1
6H,mCH2 X8),2.611(2H,t,J=
7.5Hz,PhCH2 ),4.778(2H,s,−
CHO−X2),6.840(2H,br.s,−CO
OHX2),7.120−7.330(5H,m,P
h). MS(FAB,POS)m/z:379[M+H]+
401[M+Na]+ ,757[2M+H]+ . MS(FAB,POS,+NaCl)m/z:401
[M+Na]+ ,423[M+2Na−H]+ ,445
[M+3Na−2H]+
【0041】試験例1スクアレン合成酵素阻害活性の測定 スクアレン合成酵素阻害活性は後述の試験例2,及び試
験例3で示した酵素液を使用して次のように測定した.
0.125μCi/mlの[1−3 H]ファルネシルピ
ロリン酸(NEN 15Ci/mmole),4.84
mM ファルネシルピロリン酸,1mMのNADPH
(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン
酸),5.5mM MgCl2 ,11mM KF,3m
M DTT(ジチオスレイトール)1mgスクアレン,
50mM HEPES緩衝液(pH7.4)及び被験薬
剤(水溶液又はDMSO溶液)を含む溶液(全量 20
0μl)に,試験例2,及び試験例3で調製した酵素液
(蛋白量:真菌由来の酵素の場合 2〜5μg,哺乳類
由来の酵素の場合 20〜50μg)を添加し,30゜
Cで30分間反応させた. 200μlのエタノ−ルを
加え反応を停止し,400μlのヘプタンを添加して混
合した.遠心分離後ヘプタン層を回収し,液体シンチレ
−ションカウンタ−にてその放射活性を測定した.スク
アレン合成酵素阻害活性の%阻害は,式: {1−(試料−ブランク)/(対照−ブランク)}×1
00 によって計算した.試験化合物の濃度対%阻害の対数を
プロットすることによりIC50値を決定した.IC50
かかるプロットから決定される50%阻害を与える阻害
物質の濃度である.
【0042】スクアレン合成酵素の調製 試験例2真菌の酵素の調製 真菌はYPG[0.5%バクトイ−ストエキストラクト
(Bactoyeast extract, Difc
o),1%バクトペプトン(Bacto pepton
e, Difco)および2%グルコ−ス]培地で対数
期後期まで培養後,菌体を低速回転(1500×g,5
分,4゜C)により集め,0.1Mリン酸バッファ−
(pH7.0)で洗浄した.菌体を細胞破砕用バッファ
−[0.1Mリン酸バッファ−(pH7.0), 30
nMニコチンアミド, 5mM MgCl2 , 5mM
グルタチオン]に均一に懸濁し,超音波破砕器で氷温
下,ソニケ−ション(1分× 10回)し,細胞を破砕
した.これを低速遠心にかけて未破砕の菌体を取り除い
た後,更に8000×g(4゜C)の遠心にかけてその
上清を分離した.これを酵素液とし,蛋白量を定量した
後,小分けして−80゜Cに保存した.
【0043】試験例3ラットの酵素の調製 ラットの肝臓の酵素液調製は以下のようにした.ラット
を脱血後,肝臓を摘出し,氷冷したホモジネ−ションバ
ッファ−[50mM MOPS(pH7.4), 40
mM MgCl2 , 1mM EDTA(エチレンジア
ミン四酢酸),10mM 2−メルカプトエタノ−ル]
を肝臓 5g 当たり 10ml加え,はさみを用いて
細かく切り刻んだ.これを氷中にてテフロンホモジナイ
ザ−で50往復することにより,ホモジナイズした.遠
心(5000×g, 10分,4゜C)して得られた上
清をガ−ゼで濾過し,更に 15000×g, 15
分, 4゜Cの遠心を行い,上清をガ−ゼにて濾過し
た.これを酵素液とし,蛋白量を定量した後,小分けし
て−80゜Cに保存した.
【0044】試験例4液体ミクロ希釈法による抗真菌活性の測定 真菌に対する活性は 96穴プレートを用いた液体ミク
ロ希釈法により求めた.化合物は DMSOに 5mg
/mlで溶解したのち DMSOにより 2倍希釈列を
作製し,マイクロプレートの各ウェルに 1μlずつ分
注した.マイクロプレートの各ウェルに RPMI培地
(0.165Mの MOPS(3−(N−モルホリノ)
プロパンスルホン酸)によりpH7.0に調整したRP
MI1640培地)または SDB(Sabourau
d dextrose broth)[1% バクトペ
プトン(Bacto peptone, Difco)
および 2%グルコ−ス]培地を 99μlずつ分注し
た.カンジダ・アルビカンスは YPGA[0.5%バ
クトイ−ストエキストラクト(Bacto yeas
t extract, Difco),1% バクトペ
プトン(Bactopeptone, Difco),
1.5%バクトアガー(Bacto agar, Di
fco)および 2%グルコ−ス]斜面培地で1日また
は2日間培養後,菌体を RPMI培地または SDB
培地に縣濁し,2×103細胞/mlとした.アスペル
ギルス・フミガツス胞子は十分に胞子形成された PD
A(potato dextrose agar)斜面
培地から0.05%の Tween 80を含む生理食
塩水で回収し,接種菌 5×103 胞子/mlを得るよ
うに培地で希釈した.接種菌液をそれぞれ 100μl
ずつマイクロプレートの各ウェルに分注した.試験され
る最終薬剤濃度は 25〜0.2μg/mlの範囲にあ
った.カンジダについてはマイクロプレートを 35゜
Cで 15〜24時間インキュベーション後にマイクロ
プレートリーダーにて濁度を測定し,薬剤なしコントロ
ールに比較し増殖が 50%阻害された濃度(IC50
を求めた.アスペルギルスについては 27゜Cで 4
8〜36時間インキュベーション後に濁度を測定し,I
50を求めた.
【0045】スクアレン合成酵素阻害活性及び抗真菌活
性 表1に代表的な実施例化合物のスクアレン合成酵素阻害
活性(IC50値)データを示す.
【0046】
【表1】
【0047】表2に代表的な実施例化合物の抗真菌活性
(IC50値)データを示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明化合物は,強いスクアレン合成酵
素阻害活性を有し,カンジダ属,アスペルギルス属,ク
リプトコックス属,ムコール属等に属する真菌による真
菌症の治療剤等の感染症治療剤,又は,高コレステロー
ル血症,高脂血症又は動脈硬化症等の循環器疾患の治療
剤等の医薬品として有用である.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 龍治 群馬県高崎市岩鼻町239 (72)発明者 高塩 一俊 群馬県高崎市岩鼻町239

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
    ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
    を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
    0の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基を示す.但
    し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1−3のアル
    キル基の場合,及び,共にベンジル基の場合を除く.ジ
    オキソラン環上の3個の炭素の立体配置は,R配置また
    はS配置の何れでも良く,光学活性体,またはラセミ体
    の何れでも良い)で表される化合物またはその医薬とし
    て許容されうる塩.
  2. 【請求項2】 A1 がフェニル基又はナフチル基であ
    り,X1 が炭素数2〜6のアルキレン基であり,X2
    2 が炭素数6〜12のアルキル基である請求項1記載の
    化合物またはその医薬として許容されうる塩.
  3. 【請求項3】 A1 がフェニル基又はナフチル基であ
    り,X1 が炭素数3〜5のアルキレン基であり,X2
    2 が炭素数10〜12のアルキル基である請求項1記載
    の化合物またはその医薬として許容されうる塩.
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の化合物または
    その医薬として許容されうる塩を有効成分とする医薬.
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3記載の化合物または
    その医薬として許容されうる塩を有効成分とするスクア
    レン合成酵素阻害剤.
  6. 【請求項6】 請求項1,2又は3記載の化合物または
    その医薬として許容されうる塩を有効成分とする感染症
    治療剤.
  7. 【請求項7】 請求項1,2又は3記載の化合物または
    その医薬として許容されうる塩を有効成分とする真菌症
    治療剤.
  8. 【請求項8】 請求項1,2又は3記載の化合物または
    その医薬として許容されうる塩を有効成分とする高コレ
    ステロール血症,高脂血症又は動脈硬化症の治療剤.
  9. 【請求項9】 一般式(3) 【化2】 (式中,Rは炭素数1−6の低級アルキル基,または炭
    素数7−10の置換または無置換のアラルキル基を示
    す.また,2個の不斉炭素の立体配置は,R配置または
    S配置の何れでも良く,光学活性体,またはラセミ体の
    何れでも良い)で表される化合物と,一般式(4) 【化3】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
    ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
    を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
    0の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基を示す.但
    し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1−3のアル
    キル基の場合,及び,共にベンジル基の場合を除く)で
    表される化合物とを反応させて合成される,一般式
    (2) 【化4】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
    ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
    を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
    0の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基を示す.但
    し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1−3のアル
    キル基の場合,及び,共にベンジル基の場合を除く.R
    は炭素数1−6の低級アルキル基,または炭素数7−1
    0の置換または無置換のアラルキル基を示す.また,ジ
    オキソラン環上の3個の炭素の立体配置は,R配置また
    はS配置の何れでも良く,光学活性体,またはラセミ体
    の何れでも良い)で表される化合物をカルボン酸に変換
    することを特徴とする,一般式(1) 【化5】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
    ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
    を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
    0の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基を示す.但
    し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1−3のアル
    キル基の場合,及び,共にベンジル基の場合を除く.ジ
    オキソラン環上の3個の炭素の立体配置は,R配置また
    はS配置の何れでも良く,光学活性体,またはラセミ体
    の何れでも良い)で表される化合物の製造法.
  10. 【請求項10】 一般式(2) 【化6】 (式中,A1 及びA2 は,各々水素または置換基を有し
    ていても良い芳香環基を示す.X1 及びX2 は,置換基
    を有していても良い,直鎖又は分岐鎖状の炭素数1−2
    0の飽和又は不飽和の2価の炭化水素残基を示す.但
    し,A1 1 及びA2 2 が,共に炭素数1−3のアル
    キル基の場合,及び,共にベンジル基の場合を除く.R
    は炭素数1−6の低級アルキル基,または炭素数7−1
    0の置換または無置換のアラルキル基を示す.また,ジ
    オキソラン環上の3個の炭素の立体配置は,R配置また
    はS配置の何れでも良く,光学活性体,またはラセミ体
    の何れでも良い)で表される化合物.
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