JPH10295379A - 悪性b−細胞における免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質の発現のためのベクター、その利用、発現方法 - Google Patents
悪性b−細胞における免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質の発現のためのベクター、その利用、発現方法Info
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Abstract
に普遍的に使用できる新規なベクターを提供する。 【解決手段】 作用可能なように互いに結合された、
(a)μイントロンまたはκイントロンの領域と相同
で、非機能性CμまたはCκエンハンサーを任意で含む
か、あるいは欠失しているか、あるいは含む、少なくと
も1.5kbの領域と、(b)免疫グロブリンまたはそ
の一部のドメインをエンコードする少なくとも1つのD
NA配列と、(c)サイトカインをエンコードするDN
A配列と、(d)エンハンサーを任意で含むか、あるい
は機能性エンハンサー領域を欠失しており、組み込みに
続いて、マーカーの発現が細胞のCμまたはCκエンハ
ンサーにより調節される、真核B−細胞において選択可
能なマーカーとを少なくとも含む、悪性B−細胞におけ
る免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質の発現のた
めのベクター。
Description
ける免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質発現のた
めのベクターと、悪性B−細胞における免疫グロブリン
−サイトカイン融合蛋白質の発現方法と、前記ベクター
と前記ベクターを含む悪性B−細胞の利用とに関する。
ロブリンのイディオタイプ(idiotype)は、腫瘍特異抗原
であるが、腫瘍を有する宿主において低い免疫原性を示
す。イディオタイプI.a.に対する免疫反応を誘発す
るための幾つかの方法が評価されており、イディオタイ
プは、マウスにワクチン接種するための可溶性蛋白質と
して使用するために、GM−CSFに結合されている
(Nature 362, 755-758, 1993)。GM−CSFは、専用
の抗原提示細胞を補充することが可能で、イディオタイ
プの有効な提示と、従ってT細胞の活性化を引き起こ
す。この方法には、リンパ腫の免疫グロブリンV遺伝子
をクローニングし、融合蛋白質をin vitroで生
産し、精製しなくてはならないという欠点がある。従っ
て、この方法では、臨床場面で患者毎に個別にワクチン
を調製しなくてはならない。
チンを個別に調製する必要がなく、患者に普遍的に使用
できる新しいベクターを提供することにある。
perably)なように互いに結合された、(a)μイントロ
ンまたはκイントロンの領域と相同で、非機能性Cμま
たはCκエンハンサーを任意で含むか、あるいは欠失し
ているか、あるいは含む、少なくとも1.5kbの領域
と、(b)免疫グロブリンまたはその一部のドメインを
エンコードする少なくとも1つのDNA配列と、(c)
サイトカインをエンコードするDNA配列と、(d)エ
ンハンサーを任意で含むか、あるいは機能性エンハンサ
ー領域を欠失しており、組み込み(integration) に続い
て、マーカーの発現が細胞のCμまたはCκエンハンサ
ーにより調節される、真核B−細胞において選択可能な
マーカーとを少なくとも含む、悪性B−細胞における免
疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質の発現のための
ベクターにより、本発明に従って解決された。
式の請求項、以下の説明および実施例から明らかとな
る。従来の技術、すなわち上記で引用された Nature 36
2, 755-758, 1993の文献に示されている従来の技術に従
って得られる融合蛋白質は、細胞培養細胞のトランスフ
ェクション後にin vitroで発現され、精製さ
れ、可溶形態で投与されるが、一方本発明に従って提供
されるベクターは、相同的組み換えによりサイトカイン
遺伝子を免疫グロブリン遺伝子の重鎖の遺伝子座に部位
特異的に挿入することが可能であり、その際、V遺伝子
を分離したり、その遺伝子をベクターに挿入する必要は
全くない。予め精製された可溶性蛋白質を投与しなくて
はならない従来の方法に対し、本発明のベクターは、悪
性B−細胞に直接組み込まれ、この細胞内で発現が誘発
され、その結果、遺伝子工学により改変された腫瘍細胞
を直接患者に投与する事ができる。これは時間、労力、
費用を節約するだけでなく、遥かに優れた腫瘍防御効果
も引き起こす。
は、DE 44 06 512に記載されている組み換
え抗体の作製用の組み込みベクターであった。これらの
ベクターは、マウス/ヒトキメラ抗体を高率で生産する
のに有用である。DE 4406 512に記載されて
いる組み込みベクターは、組み換え抗体の調製にのみ役
立ち、従って、抗体産生ハイブリドーマ細胞においての
み発現された。悪性B−細胞において直接相同的組み換
えによってサイトカインを有する融合細胞の形態で免疫
グロブリンを発現し、悪性B−細胞性腫瘍を有する患者
のワクチン接種のためにこの方法で修飾された悪性B−
細胞を使用するという本発明の解決方法は、DE 44
06 512から明らかではない。
同的組み換えにより、例えばB−細胞性リンパ腫細胞の
様な悪性B−細胞の免疫グロブリン重鎖遺伝子座に導入
される。この目的のために、請求項1の特徴を有する組
み込みベクターが作製された。重鎖遺伝子座への部位特
異的組み込み後に、免疫グロブリン−サイトカイン融合
蛋白質が、内因性VH プロモーターの調節下に発現され
る。
のリンパ腫に使用できる可能性がある。相同的組み換え
により悪性B−細胞の重鎖遺伝子座にサイトカイン遺伝
子を導入することにより、イディオタイプの分離を回避
できる。これによって、治療開始までの時間が大幅に短
縮される。更に、融合蛋白質を精製せずに、ワクチン接
種のために、放射線照射後の相同的組み換えにより修飾
された腫瘍細胞を使用することも可能である。以下の実
施例は、可溶性蛋白質の代わりに本発明に従って提供さ
れた修飾された細胞を使用して、ワクチン接種を実施す
れば、腫瘍防御効果が極めて顕著となることを示してい
る。
4 06 512に記載されている組み込みベクターに
基づいている。本発明を完全に開示するために、このド
イツ特許文書の全体は、引用することによって本明細書
の一部とされる。しかし、DE 44 06 512に
記載されている組み込みベクターは、組み換え抗体が発
現も回収もされず、代わりに悪性B−細胞において直接
発現される免疫グロブリン遺伝子とサイトカインの融合
蛋白質が得られるように、本発明に従って修飾されてい
る。
同の少なくとも1.5kbの領域を有し、その領域には
Igエンハンサーが、天然には存在しないか、あるいは
その領域から欠失しているか、あるいはその領域におい
て不活化されており、あるいは更なる態様において、本
発明のベクターは、機能性CμまたはCκエンハンサー
を有している。
はその機能性部分をエンコードする限り、例えば1つ以
上のエキソンを含んでよい。ドメインの機能性部分がV
ドメインの一部であるならば、これは標的抗原に結合で
きなくてはならないか、あるいは結合に寄与できなくて
はならない。機能性部分がCドメインの一部であるなら
ば、これはエフェクター機能の少なくとも一部を発揮で
きなくてはならない。
kbのμまたはκイントロンの領域は、CμまたはCκ
エンハンサーが配置される領域を含み、この領域は、機
能性CμまたはCκエンハンサーを任意で含むか、ある
いは欠失している。この後者の態様において、エンハン
サーは、欠失しているか、あるいは不活化されていても
よい。この様な不活化は、例えば、従来技術から知られ
る方法による突然変異によって、起こすことができる。
選択可能なマーカーにおいて、エンハンサーは欠失して
いるか、不活化されている。別の態様において、マーカ
ーは、天然のエンハンサーを欠失している。更なる態様
において、選択可能なマーカーは、エンハンサーを含
む。
組み換えを達成するために少なくとも1.5kbの長さ
を持たなくてはならない。この少なくとも1.5kbの
DNA配列は、CμまたはCκイントロンの異なる領域
から選択できる。本発明に従って、エンハンサーそのも
のは、構築物に存在しなくても、あるいは相同フランキ
ング領域(homologous flanking region)から欠失してい
ても、あるいはその中で不活化されていてもよい。機能
的に再配置された抗体遺伝子の相同配列へのベクターの
組み込み時には、組み換え遺伝子の発現は、内因性(end
ogenous)エンハンサーの調節下にある。もし、定常部を
エンコードするエキソンが挿入されると、これらは、更
に内因性Vプロモーターの調節下に置かれる。更に、エ
ンハンサーは、選択可能なマーカーの発現を調節し、こ
れによって、選択マーカーが強力なエンハンサー付近に
結合されている場合のみ活性化されることが保証され
る。使用された相同性部位により、免疫グロブリン座と
の相同組み換えが促進され、それによって選択可能なマ
ーカーは、内因性CμまたはCκエンハンサーの調節下
に置かれる。
をコードする本発明に従って提供される組み換え遺伝子
の発現は、悪性B−細胞の重鎖V遺伝子の3’の部位特
異的組み込み後、内因性VH プロモーターにより調節さ
れる。クローニング技術は、従来の技術から本技術に精
通する者にとって良く知られている。例えば、Sambrook
et al., "Molecular Cloning, A Laboratory Manual",
2nd edition 1989, Cold Spring Harbour Laboratory,
Cold Spring Harbour, USA およびHarlow and Lane, "
Antibodies, A Laboratory Manual", 1988, Cold Sprin
g Harbour Laboratory, Cold Spring Harbour, USAを参
照されたい。
免疫グロブリンV遺伝子断片は変化しないで残り、導入
された定常遺伝子断片とサイトカインに結合される相同
組み換え後に発現される。この方法において、B−細胞
リンパ腫のイディオタイプは保存されているが、そのサ
イトカインとの物理的結合によって、抗原提示細胞(ant
igen-presenting cells)による提示が増強され、これに
よってイディオタイプの免疫原性が増強される。従っ
て、DE 44 06 512のベクターと対照的に、
本発明のベクターはVドメインまたはその一部をエンコ
ードしないが、代わりに内因性V配列をエンコードし、
従って、トランスフェクションされたB−細胞のイディ
オタイプは保存される。
定常部またはその一部をエンコードするDNA配列を示
す。この配列は、抗体の重鎖または軽鎖のいずれかをエ
ンコードしていると思われる。全てのイディオタイプに
おいて、幾つかのエキソンが重鎖をコードしていること
は、精通した技術者に知られている。構築物に重鎖のC
H エキソンが1つだけ存在するならば、これは、好まし
くはCH1エキソンである。この種の構築物により、Fa
bまたはF(ab)2 フラグメントの機能性を有する免
疫グロブリン部分を持つ融合蛋白質を調製することが可
能である。しかし、本発明のベクターは、好ましくは、
完全な重鎖の発現を可能にする1種類の重鎖の全てのエ
キソンを含む。この態様において、要素(a)、
(b)、(c)、および(d)は、5’−3’の方向に
この順番で配置されている。
態様において、μまたはκイントロンに相同な領域は、
1.9kbまたは2.0kbの長さを持つ。更なる好ま
しい態様において、本発明のベクターは、細菌に適合す
る調節ユニットを含む。この様な細菌適合性調節ユニッ
トは、細菌系、例えば、大腸菌におけるベクターのクロ
ーニングと増幅を可能にする。細菌適合性調節系は、上
記の従来技術(Sambrookら)から精通する技術者にとっ
て知られている。前記細菌適合性調節ユニットの一具体
例は、プラスミドpBR322の調節ユニットである。
ロブリン部分は、キメラの性質を持つ。ここで、「キメ
ラ」とは、異なる種のVおよびC領域を組み合わせた免
疫グロブリンを意味する。例えば、マウスのV遺伝子
は、ヒトのイソ型(isotype) のCエキソンと組み合わせ
る事ができる。別の態様において、前記特徴(b)のD
NA配列は、ヒト免疫グロブリン鎖をエンコードする。
このドメインは、VおよびCドメイン、あるいはその一
部が可能である。
おいて、DNA配列は、マウス、ラット、ヤギ、ウマま
たはヒツジ由来のドメインをエンコードする。好ましく
は、VまたはC領域をエンコードする配列のDNA配列
は全て、前記動物種の1種に由来し、この場合、C領域
は異なる動物種から得てもよい。本発明の有利な態様に
おいて、ベクターは、患者にとって異種であり、免疫反
応の誘発に有利と思われる定常Ig領域を有する。
されるヒトのドメインをエンコードするDNA配列に関
して、相同組み換えのためのこれらのドメインをエンコ
ードするDNA配列を、異なる哺乳動物種の対応する配
列と共に使用する事ができる。本発明のベクターの別の
好ましい態様において、DNA配列は、分泌抗体のCド
メインの全てをエンコードする。
は、IgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、Ig
G4、IgA、IgDまたはIgE抗体のCドメインを
エンコードするDNA配列を含む。これらのイソ型の幾
つかが、全ての哺乳動物に存在しないことは、精通する
技術者にとって良く知られている。例えば、ヒトゲノム
は、IgG4イソ型をエンコードするが、IgG2aま
たはIgG2bイソ型をエンコードしないC遺伝子を含
む。これに反して、マウスゲノムは、IgG2a及びI
gG2bイソ型をエンコードするが、IgG4イソ型を
エンコードしないC遺伝子を含む。
い態様において、選択可能なマーカーは、gpt、ne
oまたはヒグロマイシン耐性のコードである。これらの
マーカーに必要な選択的条件下に細胞を培養する方法
は、精通する技術者にとって知られている(Sambrook
ら、上記参照)。更に、精通する技術者は、本発明のベ
クターに使用できるその他の選択マーカーを選択でき
る。
ションは、現代の免疫学において標準的方法と見なされ
ている。トランスフェクションの条件は、使用される細
胞系に関して調節しなくてはならないことは、精通する
技術者にとって良く知られている。この様なトランスフ
ェクションの条件を確立する基本的過程は、例えば、To
neguzzo et al., Mol. Cell Biol. 6 (1986), 703-706
と Biorad "Genepulser"の説明に記載されている。マウ
ス骨髄腫系NS−1(ATCC TIB 18)の適切
なトランスフェクションの条件は、例えば、Mocikat et
al., Gene 136(1993), 349-353に記載されている。安
定な形質転換細胞の選択は、適切な選択培地で少なくと
も7日間形質転換細胞を培養することにより行われる。
適切な形質転換細胞の選択は、プラスミドを取り込まな
かった細胞を死滅させるために必要である。選択培地の
選択は、もちろん、使用される選択マーカーに依存して
いる。適切な選択培地の調製は、従来の技術から知られ
ており、例えば、上記Sambrook et al. に記載されてい
る。
ランスフェクションは、エレクトロポレーション(elec
troporation)、カルシウム共同沈降(calcium co-precip
itation)、リポフェクション(lipofection)、DEAE
デキストラン法またはレトロウイルス遺伝子転移により
行われる。これらの方法の全ては、従来の技術から良く
知られている。従って、本発明の方法において各々のト
ランスフェクションの手順の諸条件を調節する方法は、
精通する技術者にとって知られている。本発明の方法の
別の好ましい態様において、選択剤としてミコフェノー
ル酸、G418またはヒグロマイシンを含む培地におい
て、選択が行われる。上記の様に、これらの選択剤は従
来の技術から良く知られている。それらの選択は、使用
されるマーカーに依存しており、それらの投与量は、分
子生物学の標準的教科書から求めることができる。上記
Sambrook et al. を参照されたい。
て、DNA配列は、γ1 、γ2a、γ2b、γ3 、γ4 、
μ、α、δまたはεイソ型の定常ドメインをエンコード
する。前記特徴(c)のDNA配列は、インターロイキ
ン、インターフェロン、コロニー刺激因子、リンホカイ
ン及び成長因子から選択されるサイトカインをエンコー
ドする。この様なDNA配列の具体例は、IL−2、I
L−4、IL−7、IL−12、IL−13、GM−C
SFまたはインターフェロンγである。
詳細に特徴づけられている手順によって、悪性B−細胞
の中に導入され、そこで、相同組み換えにより組み込ま
れ、安定して発現される。適切な選択および同定の手順
により、安定して融合蛋白質を発現する悪性B−細胞が
同定される。しかし、本発明の一態様において、融合蛋
白質を安定して発現する細胞を予め選択せずに、本発明
のベクター構築物(vector construct)を含む悪性B−細
胞をワクチン接種に直接使用する事も可能である。ワク
チン接種の前に、融合蛋白質の発現に影響を与えずに、
放射線照射によって悪性B−細胞を複製不能とすること
は、もちろん、必要である。
の選択を行うことは、必ずしも必要ではない。抗腫瘍免
疫感作には、相同組み換えが発生した形質転換細胞の発
現で十分なので、異種細胞集団の投与は許容される。こ
のため、本発明のベクターにとって、請求項1の特徴
(d)に記載されている真核細胞において選択可能なマ
ーカーを示すことは必ずしも必要ではない。患者に注入
する前に、組み換え細胞の選択が行われない場合には、
前記マーカーは省略できる。
外分析においても使用できる。この目的のために、培養
された樹状細胞を誘発して、腫瘍に特異的なペプチドを
提示させ、また任意で、組み換え腫瘍細胞により発現さ
れる融合蛋白質によりT細胞を活性化させる。抗原提示
細胞または活性化されたT細胞は、各々、その後、患者
に再導入される。
を生産する悪性B−細胞を注入する大きな利点は、臨床
量のこれらの蛋白質を調製するために、長時間を要する
生産および精製段階が不要となる点である。本発明のベ
クターが組み込まれた悪性B−細胞は、例えば、B−細
胞性白血病細胞、B−細胞性リンパ腫細胞またはプラズ
マ細胞腫細胞である。
例によって本発明を説明する。継続的な実験によれば、
この方法で得られた結果は、ヒトにも応用できるであろ
う。本発明は、以下の実施例に限定されず、特許請求の
範囲の記載内において変更も可能であることが理解され
るべきである。
2(図3参照)の中にクローニングする。遺伝子の5’
部分をEcoRVとXmaIにより切り取り、同じ酵素
により切断されて、N−末端の29個のアミノ酸が欠失
しているPCR生成物により置換する。この方法で、構
築物pSP72(ΔEV)−GMCSF(ΔL)が調製
される。ベクターpSVgpt−huγ1−A5(Kard
inal etal., Eur. J. Immunol. 25, 792-797, 1995)の
中で、SalI制限部位は、ヒトIgG1−CH 3エキ
ソンの導入された3’である。GM−CSF遺伝子は、
SalIによりpSP72(ΔEV)−GMCSF(Δ
L)から切断され、修飾されたpSVgpt−huγ1
−A5のSalI部位の中に結合される。
たはBamHIによって直線化され、ネズミB細胞リン
パ腫細胞系MPC11の中に伝達される。ミコフェノー
ル酸によりgpt遺伝子の存在に関して、安定してトラ
ンスフェクションされた細胞が選択される。構築物が部
位特異的方法で組み込まれたクローン(図1参照)がE
LISAにより同定される。
ディオタイプの修飾の利点は、ネズミB細胞リンパ腫M
PC11を用いて具体例として示される。この腫瘍はB
ALB/cマウスから得られ、IgG2bを発現し、1
03 個の細胞を同系動物に接種後20日以内までに動物
の100%が死亡する。ベクターをMPC11に転移
し、相同組み換え体を同定後、これらの組み換え体をB
ALB/cマウスの免疫感作に使用する。この目的のた
めに、5X106 個の放射線照射された細胞をそれぞれ
3週間の間隔で腹腔内投与する。最後の注入後7日目
に、致死量の野生型腫瘍細胞の接種材料を腹腔内投与す
る。腫瘍細胞だけを投与され、予め免疫感作されなかっ
た対照群の動物は腫瘍のため死亡し(図2のC群)、免
疫感作された動物は生存に関して有意な利点を示す(A
群)。相同組み換えにより重鎖遺伝子座の中にGM−C
SF遺伝子を含まないヒトIgG1−C領域だけが導入
された、すなわち異種重鎖を発現するMPC11細胞に
よりワクチン接種が実施されると、生存期間は僅かしか
延長しない。
イディオタイプの単離は、遺伝子レベルでもタンパク質
レベルでも不要であり、個体に特異的なワクチンを製造
する必要がなく、共通のベクターをすべてのリンパ腫に
利用することができ、治療開始までの時間を顕著に短縮
することができる。相同組み換えによって修飾された、
放射線照射された腫瘍細胞を利用すると、時間と労力を
要する融合タンパク質の精製が不要となるという利点が
あるだけではない。顕著な利点は、組み換えタンパク質
を発現する細胞を用いて免疫感作を行うと、精製可溶性
タンパク質の投与と比較して、腫瘍防御効果が非常に強
力であるということである。
での時間は、相当、短縮される可能性がある。さらに、
融合タンパク質の精製を必要とせずに、ワクチン接種の
ための放射線照射後に、相同組み換えによって修飾した
腫瘍細胞を利用することが可能である。上記の実施例に
よって、精製された可溶性タンパク質を用いた細胞の免
疫感作と比較して、腫瘍防御効果が驚くほど強力である
ことが、証明されるであろう。
ーンが得られることを示す図である。
(%)の関係を示す図である。
Medison, U.S.A.) である。
Claims (30)
- 【請求項1】 作用可能なように互いに結合された、
(a)μイントロンまたはκイントロンの領域と相同な
少なくとも1.5kbの領域と、(b)免疫グロブリン
またはその一部のドメインをエンコードする少なくとも
1つのDNA配列と、(c)サイトカインをエンコード
するDNA配列と、(d)真核B−細胞において選択可
能で、機能性エンハンサー領域を含む、マーカー遺伝子
とを少なくとも含む、悪性B−細胞における免疫グロブ
リン−サイトカイン融合蛋白質の発現のためのベクタ
ー。 - 【請求項2】 前記少なくとも1.5kbの領域が、機
能性CμまたはCκエンハンサーを含む、請求項1記載
のベクター。 - 【請求項3】 前記少なくとも1.5kbの領域が、非
機能性CμまたはCκエンハンサーを含む、請求項1記
載のベクター。 - 【請求項4】 真核B−細胞において選択可能なマーカ
ー遺伝子が、非機能性エンハンサー領域を含む、請求項
1記載のベクター。 - 【請求項5】 真核B−細胞において選択可能なマーカ
ー遺伝子が、エンハンサー領域を欠失している、請求項
1記載のベクター。 - 【請求項6】 前記(b)のDNA配列が、定常部また
はその一部をエンコードする、請求項1記載のベクタ
ー。 - 【請求項7】 μまたはκイントロンのCμまたはCκ
エンハンサーから成る領域と相同な領域が、少なくとも
1.9kbから成る、請求項1記載のベクター。 - 【請求項8】 μまたはκイントロンのCμまたはCκ
エンハンサーから成る領域と相同な領域が、少なくとも
2.0kbから成る、請求項1記載のベクター。 - 【請求項9】 前記ベクターが、細菌と適合する調節ユ
ニットを含む、請求項1記載のベクター。 - 【請求項10】 免疫グロブリンがキメラ免疫グロブリ
ンである、請求項1記載のベクター。 - 【請求項11】 前記(b)のDNA配列が、ヒト免疫
グロブリン鎖ドメインをエンコードする、請求項1記載
のベクター。 - 【請求項12】 前記(b)のDNA配列が、マウス、
ラット、ヤギ、ウマ、またはヒツジ由来のドメインをエ
ンコードする、請求項1記載のベクター。 - 【請求項13】 前記(b)のDNA配列が、分泌抗体
のCドメインを全てエンコードする、請求項1記載のベ
クター。 - 【請求項14】 前記(b)のDNA配列が、膜結合抗
体のCドメインを全てエンコードする、請求項1記載の
ベクター。 - 【請求項15】 前記(c)のDNA配列が、インター
ロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、リン
ホカインまたは成長因子をエンコードすることを特徴と
する、請求項1記載のベクター。 - 【請求項16】 前記(c)のDNA配列が、IL−
2、IL−4、IL−7、IL−12、IL−13、G
M−CSFまたはインターフェロンγをエンコードする
ことを特徴とする、請求項15記載のベクター。 - 【請求項17】 前記選択可能なマーカー遺伝子が、g
pt、neoまたはヒグロマイシン耐性をエンコードす
るマーカー遺伝子である、請求項1記載のベクター。 - 【請求項18】 (a)請求項1記載のベクターを悪性
B−細胞に導入する工程と、(b)融合蛋白質を安定し
て発現する細胞を選択及び同定する工程と、(c)細胞
が複製能力を持たないようにするために細胞を処理する
工程とを含む、in vitroで悪性B−細胞におい
て免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋白質を発現する
ための方法。 - 【請求項19】 前記工程(b)が省略される、請求項
18記載の方法。 - 【請求項20】 前記工程(a)がトランスフェクショ
ンにより実施される、請求項18または19記載の方
法。 - 【請求項21】 前記トランスフェクションが、エレク
トロポレーション、リン酸カルシウム共同沈降、リポフ
ェクション、DEAEデキストラン技術、またはレトロ
ウイルス遺伝子転移により実施される、請求項20記載
の方法。 - 【請求項22】 選択剤としてミコフェノール酸、G4
18またはヒグロマイシンを含む培地において、前記選
択が行われる、請求項18記載の方法。 - 【請求項23】 相同的組み換えによる請求項1記載の
ベクターの導入後、悪性B−細胞の重鎖V遺伝子の前記
ベクター3’の部位特異的組み込みが行われる、請求項
18記載の方法。 - 【請求項24】 前記発現が、内因性VH プロモーター
により調節される、請求項18記載の方法。 - 【請求項25】 悪性B−細胞における免疫グロブリン
−サイトカイン融合蛋白質の発現における、請求項1記
載のベクターの利用。 - 【請求項26】 悪性B−細胞が、B−細胞性白血病細
胞、B−細胞性リンパ腫細胞またはプラズマ細胞腫細胞
である、請求項25記載の利用。 - 【請求項27】 免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋
白質の発現によって、T細胞の活性化が達成される、請
求項25記載の利用。 - 【請求項28】 悪性B−細胞性疾患患者のワクチン接
種のための悪性B−細胞における、請求項1記載のベク
ターの利用。 - 【請求項29】 免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋
白質が細胞によって発現される、組み込まれた形態で請
求項1記載のベクターを含む悪性B−細胞。 - 【請求項30】 複製不能にされ、組み込まれた形態で
請求項1記載のベクターを含み、悪性B−細胞性疾患患
者の治療において免疫グロブリン−サイトカイン融合蛋
白質の発現が可能な、悪性B−細胞の利用。
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