JPH10295052A - 回転電機の回転子の冷却構造 - Google Patents

回転電機の回転子の冷却構造

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JPH10295052A
JPH10295052A JP10008297A JP10008297A JPH10295052A JP H10295052 A JPH10295052 A JP H10295052A JP 10008297 A JP10008297 A JP 10008297A JP 10008297 A JP10008297 A JP 10008297A JP H10295052 A JPH10295052 A JP H10295052A
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duct
rotor
pieces
plate
piece
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JP10008297A
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English (en)
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Osamu Yokozawa
修 横澤
Tomohide Iwanaga
智秀 岩永
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通風ダクト空間の入口側での通風抵抗を低減
して送風性能を向上させる。 【解決手段】 冷却風を内周側から外周側に送る空間で
ある通風ダクト空間10は、ダクト部材108により形
成される。ダクト部材108は、リング板状のダクト板
181に、ダクトピース182S,182Lを放射状に
配置してスポット溶接して構成されている。ダクトピー
ス182S,182Lは円周方向に関して1本づづ交互
に配置されている。半径方向に関しては、長尺のダクト
ピース182Lの内周側端部はダクト板108の内周縁
に近く配置されており、短尺のダクトピース182Sは
ダクト板108の内周縁から離れて配置されている。よ
って、内周側におけるダクトピース設置密度が小さくな
り、通風ダクト空間10の入口側(ダクト板108の内
周側)での通風抵抗が低減し、ダクト部材108による
送風性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の回転子の
冷却構造に関し、回転子に通風ダクト空間を形成するダ
クト部材の構成、特にダクトピースの配置状態に工夫を
して冷却性能を向上させるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】回転電機では、図7に示すように、シャ
フト1に回転子2が備えられており、フレーム3には固
定子鉄心4が備えられている。前記回転子2には回転子
導体(銅製のローターバー)5が取り付けられており、
前記固定子鉄心4には固定子巻線6が取り付けられてい
る。
【0003】前記回転子2は、電磁鋼板を積層してなる
複数の鉄心ブロック7の相互間にダクト部材8を介装す
ると共に、鉄心両端部を締め金9により締結した構成と
なっている。詳細は後述するが、ダクト部材8は、SS
鋼板を打ち抜いて形成したリング板状のダクト板に、鉄
製の棒であるダクトピースを放射状に配置した構成とな
っており、回転子2の内周面と外周面とを連通した空間
である通風ダクト空間10を形成するものである。この
ような通風ダクト空間10があるため、図7に矢印で示
すように、シャフト1の外周面と回転子2の内周面との
間の空間を軸方向に流通してきた冷却風は、回転子2に
形成した通風ダクト空間10中を、回転子2の内周側か
ら外周側に向かって流通して回転子2を冷却する。
【0004】ここで、図8〜図12を参照して、通風ダ
クト空間10の近傍の構成を詳細に説明する。これらの
図に示すように、シャフト1の外周面のうち周方向に9
0度づつずれた位置には、半径方向に突出したシャフト
リブ1aが溶接されている(図8参照)。なお、図8に
おいて、11は溶接部を、12は回り止めのためのキー
を示している。
【0005】複数の鉄心ブロック7の相互間にダクト部
材8を介装してなる円筒状の回転子2は、その内周面が
シャフトリブ1aの外周端部で固定支持されている。よ
って、シャフト1の外周面と回転子2の内周面との間に
は、軸方向に伸びる通風空間が形成されることとなる。
なお、鉄心ブロック7は、電磁鋼板を打ち抜いて形成し
た鉄心鋼板7a(図11参照)を多数枚積層して構成し
たものである。また、鉄心鋼板7aの外周面には、回転
子導体5を挿入するための、蟻溝形の切欠が形成されて
いる。
【0006】ダクト部材8は、特に図10及び図12に
示すように、SS鋼板製でリング板状となっているダク
ト板81に、棒状となっている鉄製のダクトピース82
を放射状に配置してスポット溶接した構成となってい
る。また前記ダクト板81の外周面には、矩形の切欠溝
が形成されており、その溝深さ(半径方向の長さ)と溝
幅(周方向の長さ)は共に、約1〜2mmとしている。
このようにしたのは、組立を容易にするためである。
【0007】運転時には、回転子2が回転するため、ダ
クトピース82が、送風機(遠心羽根)の羽根片と同様
な作用をして強力なファンアクションが発生する。この
ため、冷却風は、シャフト1の外周面と回転子2の内周
面との間の空間を軸方向に流通してから、通風ダクト空
間10中を径方向外側に流通して吐き出され、効果的な
冷却が行われる。つまり、通風ダクト空間10が通風路
や放熱面として機能するのみならず、ダクトピース82
のファン作用により積極的に冷却風を流通させる強制流
通冷却の機能により、効果的に回転子2の冷却ができる
のである。
【0008】なお、ダクトピース82を羽根片とし、ダ
クト部材8を遠心羽根と見立てたときに、通風ダクト空
間10から吐出される空気圧力PR は、次式(1)によ
り示される。
【0009】
【数1】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、回転子2の外
周部に配置する回転子導体(ローターバー)5は数十本
必要となる。このような回転子2に介装する各ダクト部
材8に備えるダクトピース82の本数は、鉄心全面を確
実に締めつけることができるようにするという要請があ
るため、最低でも回転子導体(ローターバー)5の配置
本数と同数とする。つまり図8に示すように、最低で
も、周方向に亘り回転子導体5とダクトピース82が1
本づつ交互に配置されるようにする必要がある。
【0011】一方、普通の遠心羽根では、理想の羽根片
の数は、4〜30枚程度になることが知られている。し
たがって、ダクト部材8を遠心羽根として検討すると、
羽根片として機能するダクトピース82の設置数が過大
となっており、送風性能を損ねていることになる。特
に、回転子2の内周部では、羽根片となるダクトピース
82が極端に過密に配置されており、通風ダクト空間1
0の入口側(ダクト部材8の内周側)での通風抵抗が大
きくなり、ダクトピース82による送風性能が抑制され
ていた。
【0012】なお、実開昭48−26405号公報に
は、図13に示すように、ダクトピース82のうち、シ
ャフトリブ1aに対向する部分にあるダクトピース82
aを短くしており(内周側の部分をカットしており)、
シャフトリブ1aに対向しない部分にあるダクトピース
82は長くしている。このようにすることにより、シャ
フトリブ1aの近傍での通風ダクト空間入口が狭くなら
ないように工夫して、通風抵抗を減少させたものであ
る。しかし、この公報に示された技術では、シャフト1
aに対向しない部分にあるダクトピース82の長さが長
く、この部分では通風ダクト空間入口が狭くなり通風抵
抗が大きいという問題があった。
【0013】なお仮に、全てのダクトピース82の内周
側の部分をカットして短くすれば、全ての通風ダクト空
間において入口が広くなり通風抵抗が低減して冷却性能
は向上する。しかし、このように、全てのダクトピース
82の内周側の部分をカットして短くしてしまうと、回
転子の内周部での締め付けが充分にできず、特に内周部
分での剛性が低下してしまうという重大な問題が新たに
発生してしまう。
【0014】本発明は、上記従来技術に鑑み、回転子の
剛性を低下させることなく、通風ダクト空間の入口(回
転子の内周側)での通風抵抗を低減して冷却性能を向上
させることのできる回転電機の回転子の冷却構造を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、複数の鉄心ブロックの相互間に、通風ダク
ト空間を形成するためのダクト部材が介装されている回
転電機の回転子であって、更に、前記ダクト部材は、リ
ング板状のダクト板と、このダクト板の円周方向に亘る
複数の配置位置において半径方向ないし略半径方向に延
びる状態に配置されて前記ダクト板に固定されている複
数のダクトピースとで構成されている回転電機の回転子
において、前記ダクトピースは、長尺のダクトピースと
短尺のダクトピースとでなり、しかも長尺のダクトピー
スの本数は、ダクトピース全体の本数の半分以下であ
り、前記ダクトピースの円周方向の配置状態は、長尺の
ダクトピースの間に短尺のダクトピースが1本ないし複
数本配置される交互配置としており、前記ダクトピース
の半径方向の配置状態は、長尺のダクトピースの内周側
端部が、前記ダクト板の内周縁に近い第1の円周上に位
置し、短尺のダクトピースの内周側端部が、前記第1の
円周よりも外周側に占位する第2の円周上に位置する配
置とした構成であることを特徴とする。
【0016】また本発明の構成は、長尺のダクトピース
の長さと短尺のダクトピースの長さの差は、前記回転子
の外径の1/50〜1/20であることを特徴とする。
【0017】また本発明の構成は、複数の鉄心ブロック
の相互間に、通風ダクト空間を形成するためのダクト部
材が介装されている回転電機の回転子であって、更に、
前記ダクト部材は、リング板状のダクト板と、このダク
ト板の円周方向に亘る複数の配置位置において半径方向
ないし略半径方向に延びる状態に配置されて前記ダクト
板に固定されている複数のダクトピースとで構成されて
いる回転電機の回転子において、前記ダクトピースは、
第1群のダクトピースと第2群のダクトピースとでな
り、前記ダクトピースの円周方向の配置状態は、第1群
のダクトピースの間に第2群のダクトピースが配置され
る交互配置としており、前記ダクトピースの半径方向の
配置状態は、第1群のダクトピースの内周側端部が、前
記ダクト板の内周縁に近い第1の円周上に位置し、第2
群のダクトピースの内周側端部が、前記第1の円周より
も外周側に占位する第2の円周上に位置する配置とした
構成であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。なお従来技術と同一機能を果
たす部分には同一符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0019】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
る回転電機の回転子の冷却構造に用いるダクト部材10
8を中心にして示している。なお実際には回転子導体5
は数十本設置されるが、図面として見やくするため、図
1ならびに後で示す図3〜図6では、回転子導体5の設
置数を実際のものよりも少なくして描いている。このダ
クト部材108は、図7に示す回転電機の回転子2中に
おいて従来のダクト部材8の代わりに取付けられて、通
風ダクト空間10を形成するものである。
【0020】図1に示す第1の実施の形態に用いるダク
ト部材108は、SS鋼板を打ち抜いてリング板状に形
成したダクト板181に、長尺のダクトピース182L
と短尺のダクトピース182Sを、放射状に配置してス
ポット溶接した構成となっている。この第1の実施の形
態では、長尺のダクトピース182Lの本数と短尺のダ
クトピース182Sの本数を同数にしている。つまり、
長尺のダクトピース182Lの本数は、ダクトピース全
体の本数の半分としている。
【0021】ここでダクトピース182L,182Sの
配置状態を更に詳細に説明する。 ダクトピース182L,182Sは、ダクト板181
の円周方向に亘る複数の配置位置において半径方向に伸
びる状態に、即ち、放射状に配置されている。 そして、円周方向の配置状態は、ダクトピース182
Lとダクトピース182Sとが1本づつ交互に配置され
ている状態としている。 また、半径方向の配置状態は、各ダクトピース182
Lの内周側端部が、ダクト板181の内周縁に近い第1
の円周上に位置し、各ダクトピース182Lの外周端部
が、ダクト板181の外周縁に位置する状態で配置され
ている状態としている。一方、各ダクトピース182S
の内周側端部が、前記第1の円周よりも外周側に占位す
る第2の円周上に位置し、各ダクトピース182Sの外
周端部が、ダクト板181の外周縁に位置する状態で配
置されている状態としている。結局、内周側だけで検討
すると、長尺のダクトピース182Lの内周側端部が、
ダクト板181の内周縁に近い位置にあり、短尺のダク
トピース182Sの内周端部が、ダクト板181の内周
縁から離れた位置にあるようにしている。
【0022】なお、長尺のダクトピース182Lの長さ
と、短尺のダクトピース182Sの長さの差Δを、回転
子2の外径の1/50〜1/20としている。
【0023】上記構成となっているダクト部材108に
より形成される通風ダクト空間10は、入口側(ダクト
部材108の内周側)においては、ダクトピース182
Lのみが存在してダクトピース設置密度は、従来技術に
比べて、低くなっている。このため、通風ダクト空間1
0の入口側での通風抵抗は、従来に比べて小さくなり、
ダクト部材108による送風性能が向上する。
【0024】なお、ダクトピース182L,182Sを
羽根片とし、ダクト部材108を遠心羽根と見立てたと
きに、通風ダクト空間10から吐出される空気圧力PR
は、次式(2)により示される。なお、式(2)におい
てチドリ配列係数とは、ダクトピース182L,182
Sを図1に示すような構成・配置とすることにより、送
風性能を向上させることができることを示す係数(1以
上の値)である。
【0025】
【数2】
【0026】図2は、図1に示す第1の実施の形態にか
かるダクト部材108による送風流量と、従来のダクト
部材8による送風流量とを比較して示している。図2か
らも分かるように、第1の実施の形態にかかるダクト部
材108による送風流量は、従来のダクト部材8による
送風流量の約1.7倍になっている。
【0027】また第1の実施の形態では、ダクト板18
1の内周部分においても、外周部分においても、ダクト
ピース設置密度がほぼ均等になっている。このため、回
転子2を両端側から締めつける締め付け力を、ダクト板
181の内周部分においても、外周部分においても、ダ
クトピース182L,182Sにより略均等に支持する
ことができ、回転子2の全面を確実に締め付けることが
できる。よって、回転子2の剛性も保持することができ
る。
【0028】次に本発明の第2の実施の形態にかかる回
転電機の回転子の冷却構造に用いるダクト部材108
を、図3に示す。第2の実施の形態では、長尺のダクト
ピース182Lの本数を、短尺のダクトピース182S
の本数の半分にしている。つまり、長尺のダクトピース
182Lの本数は、ダクトピース全体の本数の半分以下
としている。
【0029】そして、円周方向の配置状態は、1本のダ
クトピース182Lと2本のダクトピース182Sとが
交互に配置されている状態としている。なお、他の部分
の構成は、図1に示すものと同様となっており、第1の
実施の形態と同様な効果を奏する。
【0030】次に本発明の第3の実施の形態にかかる回
転電機の回転子の冷却構造に用いるダクト部材108
を、図4に示す。第3の実施の形態では、ダクトピース
182L,182Sは、ダクト板181の円周方向に亘
る複数の配置位置において略半径方向に伸びる状態に、
即ち、放射方向(半径方向)に対して10°〜45°傾
いた状態で配置されている。この第3の実施の形態で
は、回転方向は一方向に限定される。ちなみに、他の実
施の形態では、回転方向は限定されない。なお、他の部
分の構成は、図1に示すものと同様となっており、第1
の実施の形態と同様な効果を奏する。
【0031】次に本発明の第4の実施の形態にかかる回
転電機の回転子の冷却構造に用いるダクト部材108
を、図5に示す。第4の実施の形態は、いわゆる1導体
2ダクトピース型のものであり、特に大型の回転電機に
採用して有効である。
【0032】図5に示す第4の実施の形態に用いるダク
ト部材108は、SS鋼板を打ち抜いてリング板状に形
成したダクト板181に、長尺のダクトピース182L
と短尺のダクトピース182Sを、放射状に配置してス
ポット溶接した構成となっている。この第1の実施の形
態では、長尺のダクトピース182Lの本数と短尺のダ
クトピース182Sの本数を同数にしている。つまり、
長尺のダクトピース182Lの本数は、ダクトピース全
体の本数の半分としている。
【0033】ここでダクトピース182L,182Sの
配置状態を更に詳細に説明する。 ダクトピース182L,182Sは、ダクト板181
の円周方向に亘る複数の配置位置において半径方向に伸
びる状態に、即ち、放射状に配置されている。 そして、円周方向の配置状態は、ダクトピース182
Lとダクトピース182Sとが1本づつ交互に配置され
ている状態としている。しかも、ダクトピース182L
は回転子導体5の間に配置され、円周方向に関してダク
トピース182Sは回転子導体5と同じ位置に配置され
ている。 また、半径方向の配置状態は、各ダクトピース182
Lの内周側端部が、ダクト板181の内周縁に近い第1
の円周上に位置し、各ダクトピース182Lの外周端部
が、ダクト板181の外周縁に位置する状態で配置され
ている状態としている。一方、各ダクトピース182S
の内周側端部が、前記第1の円周よりも外周側に占位す
る第2の円周上に位置し、各ダクトピース182Sの外
周端部が、回転子導体5の底部に接する位置状態で配置
されている状態としている。結局、内周側だけで検討す
ると、長尺のダクトピース182Lの内周側端部が、ダ
クト板181の内周縁に近い位置にあり、短尺のダクト
ピース182Sの内周端部が、ダクト板181の内周縁
から離れた位置にあるようにしている。
【0034】なお、長尺のダクトピース182Lの長さ
と、短尺のダクトピース182Sの長さの差Δを、回転
子2の外径の1/50〜1/20としている。
【0035】上記構成となっているダクト部材108に
より形成される通風ダクト空間10は、入口側(ダクト
部材108の内周側)においては、ダクトピース182
Lのみが存在してダクトピース設置密度は、従来技術に
比べて、低くなっている。このため、通風ダクト空間1
0の入口側での通風抵抗は、従来に比べて小さくなり、
ダクト部材108による送風性能が向上する。
【0036】また第4の実施の形態では、ダクト板18
1の内周部分においても、外周部分においても、ダクト
ピース設置密度がほぼ均等になっている。このため、回
転子2を両端側から締めつける締め付け力を、ダクト板
181の内周部分においても、外周部分においても、ダ
クトピース182L,182Sにより略均等に支持する
ことができ、回転子2の全面を確実に締め付けることが
できる。よって、回転子2の剛性も保持することができ
る。
【0037】次に本発明の第5の実施の形態にかかる回
転電機の回転子の冷却構造に用いるダクト部材108
を、図6に示す。第5の実施の形態は、いわゆる1導体
2ダクトピース型のものであり、特に大型の回転電機に
採用して有効である。
【0038】図6に示す第5の実施の形態に用いるダク
ト部材108は、SS鋼板を打ち抜いてリング板状に形
成したダクト板181に、第1群のダクトピース182
−1と第2群のダクトピース182−2を、放射状に配
置してスポット溶接した構成となっている。この第5の
実施の形態では、ダクトピース182−1,182−2
の長さを同一にしている。
【0039】ここでダクトピース182−1,182−
2の配置状態を更に詳細に説明する。 ダクトピース182−1,182−2は、ダクト板1
81の円周方向に亘る複数の配置位置において半径方向
に伸びる状態に、即ち、放射状に配置されている。 そして、円周方向の配置状態は、ダクトピース182
−1とダクトピース182−2とが1本づつ交互に配置
されている状態としている。しかも、円周方向に関して
ダクトピース182−1は回転子導体5と同じ位置に配
置され、ダクトピース182−2は回転子導体5の間に
配置されている。 また、半径方向の配置状態は、各ダクトピース182
−1の内周側端部が、ダクト板181の内周縁に近い第
1の円周上に位置し、各ダクトピース182−1の外周
端部が、回転子導体5の底部に対向する位置状態で配置
されている状態としている。一方、各ダクトピース18
2−2の内周側端部が、前記第1の円周よりも外周側に
占位する第2の円周上に位置し、各ダクトピース182
−2の外周端部が、ダクト板108の外周縁に位置する
状態で配置されている状態としている。結局、内周側だ
けで検討すると、第1群のダクトピース182−1の内
周側端部が、ダクト板181の内周縁に近い位置にあ
り、第2群のダクトピース182−2の内周端部が、ダ
クト板181の内周縁から離れた位置にあるようにして
いる。
【0040】上記構成となっているダクト部材108に
より形成される通風ダクト空間10は、入口側(ダクト
部材108の内周側)においては、ダクトピース182
−1のみが存在してダクトピース設置密度は、従来技術
に比べて、低くなっている。このため、通風ダクト空間
10の入口側での通風抵抗は、従来に比べて小さくな
り、ダクト部材108による送風性能が向上する。
【0041】また第5の実施の形態では、ダクト板18
1の内周部分においても、外周部分においても、ダクト
ピース設置密度がほぼ均等になっている。このため、回
転子2を両端側から締めつける締め付け力を、ダクト板
181の内周部分においても、外周部分においても、ダ
クトピース182−1,182−2により略均等に支持
することができ、回転子2の全面を確実に締め付けるこ
とができる。よって、回転子2の剛性も保持することが
できる。
【0042】
【発明の効果】以上、実施の形態と共に具体的に説明し
たように、本発明によれば、通風ダクト空間を形成する
ダクト部材において、ダクト部材の内周側でのダクトピ
ースの設置密度を低減するように工夫したため、通風ダ
クト空間入口側(ダクト部材の内周側)での通風抵抗を
低減でき、ダクト部材による通風性能(ファン性能)を
著しく向上させることができる。この結果、回転子の通
風ダクト空間に流通させる冷却風の流量を増やすことが
でき、回転子の鉄心部分の冷却性能を高めることができ
る。これにより、従来に比べて、ダクト部材の設置数
(ダクト列)を減少することができ、または、ダクト幅
を小さくでき、これにより回転電機を小型化することが
できる。しかも、回転子の全面を充分な締め付け力によ
り締め付けることができるため、回転子の剛性も充分高
い状態に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる回転電機の
回転子の冷却構造のうちダクト部材を中心として示す構
成図。
【図2】第1の実施の形態と従来技術との流量を比較し
て示す特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる回転電機の
回転子の冷却構造のうちダクト部材を中心として示す構
成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態にかかる回転電機の
回転子の冷却構造のうちダクト部材を中心として示す構
成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態にかかる回転電機の
回転子の冷却構造のうちダクト部材を中心として示す構
成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態にかかる回転電機の
回転子の冷却構造のうちダクト部材を中心として示す構
成図。
【図7】回転電機を示す構成図。
【図8】従来の回転電機の冷却構造のうちダクト部材を
中心として示す構成図。
【図9】従来の回転電機の冷却構造のうちダクト部材を
中心として示す構成図。
【図10】従来の回転電機の冷却構造のうちダクト部材
を中心として示す斜視図。
【図11】鉄心鋼板を示す構成図。
【図12】従来のダクト部材を示す構成図。
【図13】従来の回転電機の冷却構造のうちダクト部材
を中心として示す構成図。
【符号の説明】
1 シャフト 1a シャフトリブ 2 回転子 3 フレーム 4 固定子鉄心 5 回転子導体 6 固定子巻線 7 鉄心ブロック 8 ダクト部材 81 ダクト板 82 ダクトピース 9 締め金 10 通風ダクト空間 11 溶接部 108 ダクト部材 181 ダクト板 182L,182S,182−1,182−2 ダクト
ピース 10 通風ダクト空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鉄心ブロックの相互間に、通風ダ
    クト空間を形成するためのダクト部材が介装されている
    回転電機の回転子であって、 更に、前記ダクト部材は、リング板状のダクト板と、こ
    のダクト板の円周方向に亘る複数の配置位置において半
    径方向ないし略半径方向に延びる状態に配置されて前記
    ダクト板に固定されている複数のダクトピースとで構成
    されている回転電機の回転子において、 前記ダクトピースは、長尺のダクトピースと短尺のダク
    トピースとでなり、しかも長尺のダクトピースの本数
    は、ダクトピース全体の本数の半分以下であり、 前記ダクトピースの円周方向の配置状態は、長尺のダク
    トピースの間に短尺のダクトピースが1本ないし複数本
    配置される交互配置としており、 前記ダクトピースの半径方向の配置状態は、長尺のダク
    トピースの内周側端部が、前記ダクト板の内周縁に近い
    第1の円周上に位置し、短尺のダクトピースの内周側端
    部が、前記第1の円周よりも外周側に占位する第2の円
    周上に位置する配置とした構成であることを特徴とする
    回転電機の回転子の冷却構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、長尺のダクトピース
    の長さと短尺のダクトピースの長さの差は、前記回転子
    の外径の1/50〜1/20であることを特徴とする回
    転電機の回転子の冷却構造。
  3. 【請求項3】 複数の鉄心ブロックの相互間に、通風ダ
    クト空間を形成するためのダクト部材が介装されている
    回転電機の回転子であって、 更に、前記ダクト部材は、リング板状のダクト板と、こ
    のダクト板の円周方向に亘る複数の配置位置において半
    径方向ないし略半径方向に延びる状態に配置されて前記
    ダクト板に固定されている複数のダクトピースとで構成
    されている回転電機の回転子において、 前記ダクトピースは、第1群のダクトピースと第2群の
    ダクトピースとでなり、 前記ダクトピースの円周方向の配置状態は、第1群のダ
    クトピースの間に第2群のダクトピースが配置される交
    互配置としており、 前記ダクトピースの半径方向の配置状態は、第1群のダ
    クトピースの内周側端部が、前記ダクト板の内周縁に近
    い第1の円周上に位置し、第2群のダクトピースの内周
    側端部が、前記第1の円周よりも外周側に占位する第2
    の円周上に位置する配置とした構成であることを特徴と
    する回転電機の回転子の冷却構造
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